JPH11180326A - 車両の操舵装置 - Google Patents

車両の操舵装置

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Publication number
JPH11180326A
JPH11180326A JP36584597A JP36584597A JPH11180326A JP H11180326 A JPH11180326 A JP H11180326A JP 36584597 A JP36584597 A JP 36584597A JP 36584597 A JP36584597 A JP 36584597A JP H11180326 A JPH11180326 A JP H11180326A
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JP
Japan
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steering
value
suppression
resistance
output torque
Prior art date
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Application number
JP36584597A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Nishizaki
勝利 西崎
Masaya Segawa
雅也 瀬川
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】操舵抑制中における操舵の必要性に応じて、構
成を複雑化することなく、操舵の遅れを生じることな
く、車両挙動が不安定になったり操舵フィーリングが低
下することなく、ドライバーの操舵特性に影響されるこ
となく、その操舵抑制を解除できる車両の操舵装置を提
供する。 【解決手段】車両の操舵装置は障害物との衝突可能性に
基づいて操舵を抑制可能である。その操舵抑制に対する
ドライバーの抵抗の程度に対応する抵抗対応値として、
ドライバーの抵抗力の操舵抑制開始からの時間積分値に
対応する値を求める。その操舵の抑制力を、その抵抗対
応値が増加する程に減少させる。その操舵抑制力を、そ
の抵抗対応値が設定値になった時に零にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行中の車両が障
害物に衝突するのを防止できる車両の操舵装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車線変更等の際に車両が側方や後側方の
他車両、ガードレール等の障害物と衝突するのを防止す
ることを目的として、その側方や後側方の障害物を検知
するセンサを設け、車両と障害物との衝突可能性に基づ
き、操舵抑制を行なう操舵装置が提案されている。
【0003】その操舵抑制力を、ドライバーにより付与
される操舵入力トルクと大きさが等しく向きが逆のトル
クが発生するように設定することで、障害物との衝突可
能性のある方向への操舵を抑制できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】操舵抑制中に現れる前
方障害物との衝突回避等のために操舵が必要になった場
合は、その操舵抑制を解除しなければならない。
【0005】しかし、そのような前方障害物を検知する
ためのセンサを別途設けるとシステムが複雑化してしま
う。
【0006】そこで、その操舵抑制に対するドライバー
の抵抗の程度に対応する抵抗対応値として、ドライバー
の抵抗力の操舵抑制開始からの時間積分値に対応する値
を求め、その抵抗対応値が設定値以上の場合に操舵抑制
を解除することが考えられている。
【0007】しかし、そのような操舵抑制の解除を急激
に行うと操舵に要する力が急激に小さくなるため、車両
挙動が不安定になったり、操舵フィーリングが低下する
という問題がある。
【0008】そこで、その抵抗対応値が設定値以上にな
った後に操舵抑制を解除する際に、操舵の抑制力を徐々
に減少させることが考えられる。
【0009】しかし、その抵抗対応値は操舵抑制開始か
らの時間積分値に対応するため、その抵抗対応値が設定
値以上になった後に操舵抑制力を徐々に減少させていた
のでは、操舵抑制中に急に操舵の必要性が高まった場
合、抵抗対応値が設定値に至る時間が不足するために操
舵の遅れが生じるという問題がある。
【0010】また、車両の方向変換時における制動操作
に対する操舵の優先度は、ドライバー毎に異なる。例え
ば、車両の減速度が小さく、ブレーキペダルの踏力が小
さい程に操舵の優先度は高くなる。そのように車両の減
速度が小さく、ブレーキペダルの踏力が小さいドライバ
ーでは、その抵抗対応値が設定値以上になった後に操舵
抑制力を徐々に減少させていたのでは、その前方障害物
を回避するための操舵に遅れが生じる。例えば、図19
に示すようにパイロンPを並べることで、幅3.5mの
走行路を形成した。その走行路は、図において破線矢印
で示すように、車両10が一台のみ走行できる幅を有
し、途中で進路変更のために操舵が必要とされている。
また、その進路変更できる距離は10mとされ、進路変
更が遅れたり、進路変更が早すぎる場合はパイロンPに
車両10が衝突するものとされている。その走行路にお
いて複数のドライバーにより時速50kmでの車両10
の走行試験を行った。この場合、操舵抑制力を作用さ
せ、操舵の緊急度が一定以上で操舵抑制力が解除される
ようにした。図20、図21は、その走行試験結果であ
り、図中△印はパイロンPを倒すことなく車両10が通
過でき、図中○印は車両10が停止し、図中□はパイロ
ンPに車両10が衝突した場合である。図20における
横軸は操舵の優先度に対応する最大操舵入力トルクであ
り、縦軸は制動操作の優先度に対応する平均減速度であ
る。図21における横軸は操舵の優先度に対応する最大
舵角であり、縦軸は制動操作の優先度に対応する平均減
速度である。この走行試験から、車両の方向変換時にお
ける制動操作に対する操舵の優先度が高い程に、パイロ
ンPに車両10が衝突する傾向があることを確認でき
た。
【0011】本発明は、上記問題を解決することのでき
る車両の操舵装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
障害物との衝突可能性に基づいて操舵を抑制可能な車両
の操舵装置において、その操舵抑制に対するドライバー
の抵抗の程度に対応する抵抗対応値として、ドライバー
の抵抗力の操舵抑制開始からの時間積分値に対応する値
を求める手段と、その操舵の抑制力を、その抵抗対応値
が増加する程に減少させる手段とを備え、その操舵抑制
力を、その抵抗対応値が設定値になった時に零にする点
にある。この構成によれば、前方障害物を検知するセン
サ等を別途設けることなく、ドライバーが操舵抑制に抵
抗するだけで、操舵抑制を解除できる。その抵抗対応値
が設定値に達することで操舵抑制を解除でき、その設定
値に達するまでの時間は抵抗対応値が大きい程に短いの
で、操舵抑制中における操舵の必要性が高くなれば操舵
抑制を解除するまでの時間を短くすることができる。ま
た、その抵抗対応値が増加する程に操舵抑制力を減少さ
せることができるので、操舵抑制当初は充分な力で操舵
を抑制し、且つ、操舵抑制が急激に解除されるのを阻止
できる。これにより、操舵抑制を確実に行い、且つ、車
両挙動が不安定になったり操舵フィーリングが低下する
のを防止できる。さらに、その操舵抑制力を抵抗対応値
が設定値になった時点で零にできるので、操舵抑制中に
操舵の必要性が急に高まった場合や、制動操作に対する
操舵の優先度が高い場合でも、操舵抑制に対するドライ
バーの抵抗が大きくなることで操舵抑制を迅速に解除
し、操舵に遅れが生じるのを防止できる。
【0013】本発明の第2の特徴は、障害物との衝突可
能性に基づいて操舵を抑制可能な車両の操舵装置におい
て、その操舵抑制に対するドライバーの抵抗力の変化速
度が設定値以上の時に操舵抑制を解除する手段と、その
操舵抑制に対するドライバーの抵抗の程度に対応する抵
抗対応値として、ドライバーの抵抗力の操舵抑制開始か
らの時間積分値に対応する値を求める手段と、その抵抗
対応値が設定値以上の時に操舵抑制を漸次解除する手段
とを備える点にある。この構成によれば、前方障害物を
検知するセンサ等を別途設けることなく、ドライバーが
操舵抑制に抵抗するだけで、操舵抑制を解除できる。そ
の抵抗対応値が設定値に達することで操舵抑制を解除で
き、その設定値に達するまでの時間は抵抗対応値が大き
い程に短いので、操舵抑制中における操舵の必要性が高
くなれば操舵抑制を解除するまでの時間を短くすること
ができる。また、その抵抗対応値が設定値以上の時に操
舵抑制を漸次解除するので、車両挙動が不安定になった
り操舵フィーリングが低下するのを防止できる。その操
舵抑制に対するドライバーの抵抗力の変化速度が設定値
以上の時に操舵抑制を解除できるので、操舵抑制中に操
舵の必要性が高まった場合や、制動操作に対する操舵の
優先度が高い場合でも、その抵抗力の変化速度が大きく
なることで操舵抑制を迅速に解除し、操舵に遅れが生じ
るのを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の第
1実施形態を説明する。
【0015】まず、本発明を適用する電動パワーステア
リング装置を備えた車両を用い、車線変更を行なう場合
において、操舵の緊急度レベルと、操舵開始から設定時
間内における後述の操舵出力トルクの変化量との関係
を、実験によって求めた。図1は、その実験結果を示
す。なお、本件明細書において、操舵出力トルクの変化
加速度とは操舵出力トルクの時間についての2階微分値
をいい、その操舵出力トルクの変化加速度の変化速度と
は、その操舵出力トルクの変化加速度の時間についての
微分値をいう。
【0016】その図1における横軸は、車速50km/
時で横方向に3.5mの車線変更を行なう場合におい
て、最初の1mを移動するのに要した時間(秒)を示
す。その時間が短い程に緊急度レベルが高い。
【0017】その図1における縦軸は、操舵開始から設
定時間(0.1秒間)における操舵出力トルクの変化量
(N・m)を示す。この操舵出力トルクは、車輪の転舵
角が実際に変化するのに先行して変化する。その設定時
間は、後述のように、標準的な操舵を行なった場合に、
操舵開始から設定時間内における操舵出力トルクの変化
量と、操舵の緊急度レベルとを対応付けることができる
範囲で、可及的に短く設定するのが好ましい。
【0018】その図1においては、実験結果のデータ
を、「●」と「△」とでプロットしている。「●」で示
すデータa〜vは、標準的な操舵を行なった結果を示
す。「△」で示すデータα〜εは、変則的な操舵を行な
った結果を示す。ここで、標準的な操舵とは、車線変更
の開始から終了までの間において、意識的に操舵の速さ
を変えることなく自然に行なう操舵をいう。また、変則
的な操舵とは、車線変更の開始当初において、意識的に
操舵の速さを変えて行なう操舵をいう。
【0019】図1に示す標準的な操舵のデータa〜vか
ら、車線変更時に標準的な操舵を行なった場合は、操舵
開始から設定時間内における操舵出力トルクの変化量
と、操舵の緊急度レベルとには対応関係があるのを確認
できる。本実験においては、その操舵の緊急度レベルを
4段階に分類している。すなわち、データa〜gが最も
緊急度レベルの高い「緊急」に、データh、iが2番目
に緊急度レベルの高い「クイック」に、データj〜sが
3番目に緊急度レベルの高い「普通」に、データt〜v
が「普通」と最も緊急度レベルの低い「スロー」との境
界に分類される。
【0020】一方、図1に示す変則操舵のデータα〜ε
から、車線変更時に変則的な操舵を行なった場合は、操
舵の緊急度レベルと、操舵開始から設定時間内における
操舵出力トルクの変化量とは、対応関係がないことを確
認できる。すなわち、データαは、車線変更に要する時
間に対応する緊急度レベルからは「クイック」に分類さ
れるべきものであるが、意図的に車線変更の開始直後の
み急激な操舵を行なっているため、操舵開始から設定時
間内における操舵出力トルクの変化量からは「緊急」に
分類される。また、データβは、車線変更に要する時間
に対応する緊急度レベルからは「クイック」に分類され
るべきでものであるが、意図的に車線変更の開始直後だ
けは通常の速さでの操舵を行なっているため、操舵開始
から設定時間内における操舵出力トルクの変化量からは
「普通」に分類されている。また、データγ、δは、車
線変更に要する時間に対応する緊急度レベルからは「普
通」に分類されるべきでものであるが、意図的に車線変
更の開始直後だけは比較的素早い操舵を行なっているた
め、操舵開始から設定時間内における操舵出力トルクの
変化量からは「クイック」に分類されている。また、デ
ータεは、車線変更に要する時間に対応する緊急度レベ
ルからは「普通」に分類されるべきでものであるが、意
図的に車線変更の開始直後だけは比較的緩やかな操舵を
行なっているため、操舵開始から設定時間内における操
舵出力トルクの変化量からは「普通」と「スロー」との
境界に分類されている。
【0021】次に、車線変更を行なう場合において、操
舵の緊急度レベルと、操舵開始から設定時間(0.1
秒)経過時点の操舵出力トルクの変化加速度との関係
を、同じ電動パワーステアリング装置を備えた車両を用
いた実験により求めた。図2は、その実験結果を示す。
この図2の実験結果の各データは、上記図1の実験結果
の各データに対応する。
【0022】その図2における横軸は、車速50km/
時で横方向に3.5mの車線変更を行なう場合におい
て、最初の1mを移動するのに要した時間を示す。その
図2における縦軸は、操舵開始から0.1秒経過時点の
操舵出力トルクの変化加速度(N・m/s2 )を示す。
【0023】その図2においては、実験結果のデータ
を、図1と同様に標準的な操舵を行なった結果を「●」
で、変則的な操舵を行なった結果を「△」でプロット
し、各データ符号a〜v、α〜εは、図1のデータ符号
に対応する。
【0024】図2に示す標準的な操舵のデータa〜vか
ら、車線変更時に標準的な操舵を行なった場合は、操舵
の緊急度レベルと、その操舵出力トルクの変化加速度と
は、対応関係があることを確認できる。すなわち、デー
タa〜gが最も緊急度レベルの高い「緊急」に、データ
h、iが2番目に緊急度レベルの高い「クイック」に、
データj〜sが3番目に緊急度レベルの高い「普通」
に、データt〜vが「普通」と最も緊急度レベルの低い
「スロー」との境界に分類される。その緊急度レベルが
「普通」と「スロー」との境界は、その変化加速度が零
とされる。
【0025】一方、図2に示す変則操舵のデータα〜ε
から、車線変更時に変則的な操舵を行なった場合は、操
舵の緊急度レベルと、その操舵出力トルクの変化加速度
とは、必ずしも対応しないことを確認できる。すなわ
ち、データαは、車線変更に要する時間に対応する緊急
度レベルからは「クイック」に分類されるべきものであ
るが、意図的に車線変更の開始直後のみ急激な操舵を行
なっているため、その変化加速度に対応する緊急度レベ
ルは「クイック」と「普通」との境界に分類されてい
る。このデータαは、操舵開始から設定時間内における
操舵出力トルクの変化量に対応する緊急度レベルは「緊
急」に分類されているので、その緊急度レベルの程度
は、その操舵出力トルクの変化加速度に対応する緊急度
レベルの方が低くなっている。また、データβは、車線
変更に要する時間に対応する緊急度レベルからは「クイ
ック」に分類されるべきものであり、意図的に車線変更
の開始直後だけは通常の速さでの操舵を行なっている
が、その操舵出力トルクの変化加速度に対応する緊急度
レベルは「クイック」に分類されている。このデータβ
は、操舵開始から設定時間内における操舵出力トルクの
変化量に対応する緊急度レベルは「普通」に分類されて
いるので、その緊急度レベルの程度は、その操舵出力ト
ルクの変化加速度に対応する緊急度レベルの方が高くな
っている。また、データγ、δは、車線変更に要する時
間に対応する緊急度レベルからは「普通」に分類される
べきでものであるが、意図的に車線変更の開始直後だけ
は比較的素早い操舵を行なっているため、その操舵出力
トルクの変化加速度に対応する緊急度レベルは「普通」
と「クイック」の境界近傍に分類されている。このデー
タγ、δは、操舵開始から設定時間内における操舵出力
トルクの変化量に対応する緊急度レベルは「クイック」
に分類されているので、その緊急度レベルの程度は、そ
の操舵出力トルクの変化加速度に対応する緊急度レベル
の方が低くなっている。また、データεは、車線変更に
要する時間に対応する緊急度レベルからは「普通」に分
類されるべきものであり、意図的に車線変更の開始直後
だけは比較的緩やかな操舵を行なっているが、その操舵
出力トルクの変化加速度に対応する緊急度レベルも「普
通」に分類されている。このデータεは、操舵開始から
設定時間内における操舵出力トルクの変化量に対応する
緊急度レベルは「普通」と「スロー」との境界に分類さ
れているので、その緊急度レベルの程度は、その操舵出
力トルクの変化加速度に対応する緊急度レベルの方が高
くなっている。
【0026】次に、その操舵出力トルクの変化加速度に
対応する緊急度レベルが、「普通」と「スロー」との境
界に近いデータk、o、n、ε、r、t、u、vについ
て、その変化加速度の変化速度も考慮して、操舵開始か
ら上記設定時間(0.1秒)経過時点から、さらに設定
時間(0.4秒)経過時点の操舵出力トルクを演算し
た。そのさらなる設定時間は、各データk、o、n、
ε、r、t、u、vの緊急度レベルの相違を下記のよう
に識別することができる範囲で、可及的に短く設定する
のが好ましい。その演算結果を、操舵開始から0.1秒
経過時点の操舵出力トルクと比較すると、車線変更に要
する時間に対応する緊急度レベルの高いデータk、o、
n、εについては、図2において矢印で示すように操舵
出力トルクが増加し、車線変更に要する時間に対応する
緊急度レベルの低いデータr、t、u、vについては、
図2において矢印で示すように操舵出力トルクが減少す
る。すなわち、操舵の緊急度レベルが2つの緊急度レベ
ルの境界または境界近傍である場合、操舵開始から設定
時間経過時点の操舵出力トルクが、その後に増加する場
合は減少する場合よりも、緊急度レベルが高い。この関
係が成り立つ操舵の緊急度レベルの境界付近の領域を、
本件明細書では緊急度レベルの境界近傍とし、その具体
的な境界からの範囲は実験により求めることができる。
【0027】次に、カーブ進入を行なう場合において、
操舵開始から設定時間内における操舵出力トルクの変化
量と、その設定時間経過時点の操舵出力トルクの変化加
速度との関係を、電動パワーステアリング装置を備えた
車両を用いた実験によって求めた。図3は、その実験結
果を示す。
【0028】その図3における横軸は、車速50km/
時で減速することなく一定の旋回半径のカーブを通過し
た場合において、そのカーブ進入のための操舵開始から
0.1秒間における操舵出力トルクの変化量(N・m)
を示す。その縦軸は、その操舵開始から設定時間(0.
1秒)経過時点の操舵出力トルクの変化加速度(10N
・m/s2 )を示す。
【0029】その図3においては、カーブ進入時の実験
結果のデータを、「●」と「□」とでプロットしてい
る。「●」で示すデータは、標準的な操舵を行なった結
果を示す。「□」で示すデータは、変則的な操舵を行な
った結果を示す。ここで、標準的な操舵とは、カーブの
進入時に意識的に操舵の速さを変えることなく自然に行
なう操舵をいう。また、変則的な操舵とは、カーブの進
入時に意識的に操舵を速くする操舵をいう。
【0030】また、図3においては、車線変更を行なっ
た場合の、操舵開始から設定時間内における操舵出力ト
ルクの変化量と、その設定時間経過時点の操舵出力トル
クの変化加速度との関係も併せて示した。その車線変更
を行なった場合のデータとして、操舵の緊急度レベルが
上記「普通」に分類されるものを「○」で、「普通」と
「スロー」との境界に分類されるものを「△」で示し
た。
【0031】図3に示す標準的な操舵のデータから、カ
ーブ進入時に標準的な操舵を行なった場合は、その操舵
出力トルクの変化加速度は略零以下になることを確認で
きる。これは、カーブ進入当初に車線に忠実に追従しよ
うとする場合、ドライバーは操舵の速さを一定にしよう
としたり、舵角が過大になると小さくする修正操舵を行
なうことによる。よって、その操舵出力トルクの変化加
速度の略零の値は、操舵の目的がカーブ進入か否かを判
断する上での閾値となり、その閾値は実験的に予め設定
できる。
【0032】その標準的な操舵によるカーブ進入のデー
タは、その操舵出力トルクの変化量や、操舵出力トルク
の変化加速度からは、車線変更のための操舵であって緊
急度レベルが「普通」と「スロー」との境界よりも小さ
く、その変化加速度が略零の閾値以下のデータと区別が
できない。そこで、その操舵出力トルクの変化加速度の
その後の設定時間(0.1秒)経過後の値を求めたとこ
ろ、車線変更の場合は単調減少するのに対し、カーブ進
入の場合は横這いか単調増加であった。その設定時間
は、カーブ進入か車線変更かを識別できる範囲で可及的
に短くする。
【0033】一方、図3に示す変則的な操舵のデータか
ら、カーブ進入時に変則的な操舵を行なった場合、すな
わち、操舵当初に意図的に急なステアリングホイールの
切り込みを行った場合、その操舵出力トルクの変化加速
度は略零の閾値よりも大きくなるのを確認できる。
【0034】その変則的な操舵によるカーブ進入のデー
タは、その操舵出力トルクの変化量や、操舵出力トルク
の変化加速度からは、車線変更のための操舵であって緊
急度レベルが「普通」以上であって、変化加速度が略零
の閾値を超えるものと区別ができない。そこで、その操
舵出力トルクの変化加速度のその後の設定時間内の増減
を求めたところ、車線変更の場合は減少しないのに対
し、カーブ進入の場合は減少する。これは、カーブ進入
の場合に意図的に急なステアリングホイールの切り込み
を行うと、その後に進路修正操舵が必要になるからであ
る。その設定時間は、カーブ進入か車線変更かを識別で
きる範囲で可及的に短くする。
【0035】以上のことから、操舵開始から設定時間内
における操舵出力トルクの変化量、その設定時間経過時
点の操舵出力トルクの変化加速度、操舵開始から設定時
間経過時点の操舵出力トルクのその後の設定時間内の増
減、および、その操舵出力トルクの変化加速度のその後
の設定時間内の増減に基づいて、操舵の緊急度レベルを
判定でき、さらに、操舵の目的を判定できる。
【0036】図4に示すラックピニオン式電動パワース
テアリング装置1は、車両AのステアリングホイールH
に連結される入力軸2と、この入力軸2にトルクセンサ
3を介して連結される出力軸4とを備えている。そのト
ルクセンサ3により、入力軸2から出力軸4に伝達され
る操舵入力トルクが時系列に検出される。その出力軸4
はピニオン6に接続され、そのピニオン6に噛み合うラ
ック7に車輪8が連結される。これにより、操舵入力ト
ルクがステアリングホイールH、入力軸2、トルクセン
サ3、出力軸4、およびピニオン6を介してラック7に
伝達され、そのラック7の移動により車両Aの操舵がな
される。
【0037】そのラック7の一部はボールスクリュー2
1とされ、このボールスクリュー21に噛み合うボール
ナット22の外周にギアが形成され、そのギアに噛み合
うギア24に、駆動ギア25が噛み合う。その駆動ギア
25は、操舵補助用および操舵抑制用のアクチュエータ
であるDCサーボモータ13により回転駆動される。こ
れにより、そのモータ13の発生する付加トルクがラッ
ク7に伝達される。
【0038】そのステアリングホイールHからラック7
までのギア比を操舵入力トルクに乗じた値と、そのモー
タ13の出力軸からラック7までの減速比にそのモータ
13の出力トルクを乗じた値との和が、操舵出力トルク
に対応する。本実施形態では、その操舵出力トルクに対
応する値として、ドライバーにより付与される操舵入力
トルクを上記のようにトルクセンサ3により検知する。
後述のコントローラ50に操舵入力トルクと操舵出力ト
ルクとの関係が記憶されることで、操舵入力トルクに操
舵出力トルクが対応付けられる。
【0039】そのトルクセンサ3は、コンピューターに
より構成されるコントローラ50に接続される。そのコ
ントローラ50に、前記モータ13、車速検知センサ5
1、車両Aに取り付けられた複数の障害物検知センサ5
3、54、55、56、およびボイスアラーム52が接
続される。それら障害物検知センサ53、54、55、
56は、例えば、車両Aの左右側方と左右後側方におけ
る障害物を検知するもので、車両からレーザや超音波等
のレーダ波を発射する発信器と、そのレーダ波の受信器
と、その受信したレーダ波の増幅器とを有し、そのレー
ダ波の発信から受信までの時間差からコントローラ50
により障害物までの距離を演算するものにより構成でき
る。
【0040】そのコントローラ50は、操舵開始から設
定時間内における操舵出力トルクの変化量と、操舵の緊
急度レベルとの予め定めた対応関係を制御プログラムの
一部として記憶し、また、その変化加速度と、操舵の緊
急度レベルとの予め定めた対応関係を記憶する。本実施
形態では、その記憶する対応関係における緊急度レベル
は、上記のように、「緊急」、「クイック」、「普
通」、「スロー」の4段階とされている。
【0041】そのコントローラー50は、記憶した制御
プログラムに従って、以下の操舵制御を行なう。以下、
その制御手順を図5〜図8に示すフローチャートを参照
して説明する。
【0042】まず、トルクセンサ3、車速検知センサ5
1、障害物検知センサ53、54、55、56からの信
号を時系列に読み込み始める(ステップ1)。
【0043】次に、モータ13の駆動制御電流値を演算
する(ステップ2)。そのモータ13の駆動制御電流値
は、モータ13の発生する付加トルクに対応する。図9
における操舵入力トルクTiと操舵出力トルクToとの
関係に示すように、操舵補助時においては、検知された
操舵入力トルクTiが大きくなる程に、操舵出力トルク
Toが大きくなるように、その駆動制御電流値は定めら
れる。また、そのモータの駆動制御電流値は検知された
車速によっても変化する。すなわち、低速V1状態では
操舵出力トルクToを大きくして車両の旋回性を向上
し、高速V2状態では操舵出力トルクToを小さくして
高速走行時の安定性を向上する。その操舵入力トルクT
iと操舵出力トルクToとの関係は、予め定められてコ
ントローラー50に記憶される。
【0044】次に、その障害物検知センサ53、54、
55、56からの障害物検知信号により、車両Aから予
め定めた一定距離内に、近接車両等の障害物が検知され
たか否かを判断する(ステップ3)。
【0045】ステップ3において障害物が検知された場
合、検知された操舵入力トルクTiに対応する操舵出力
トルクToの設定時間内での変化が設定値を超えたか否
かにより、定常走行中か否か、すなわち、略一定舵角で
の走行中か否かを判断する(ステップ4)。その設定時
間と設定値は、予め定められてコントローラ50に記憶
される。なお、操舵出力トルクToは、路面の凹凸等に
よる外乱の影響やトルクセンサ3に対する電気的ノイズ
の影響によって、定常状態であっても多少は変動するた
め、その変動を除くフィルター回路をコントローラ50
は有する。
【0046】ステップ4において定常走行中であると判
断された後に操舵が開始されると、操舵入力トルクTi
に対応する操舵出力トルクToが変化し、その操舵出力
トルクToの上記設定時間内での変化が設定値を超え
る。この場合、その操舵出力トルクToの符号から、操
舵開始方向が検知障害物の方向か否か、すなわち車両A
と障害物との衝突可能性の有無を判断する(ステップ
5)。
【0047】ステップ5において操舵方向が検知障害物
の方向である場合、すなわち衝突可能性がある場合、操
舵状態として操舵の緊急度レベルを、検知した操舵入力
トルクに対応する操舵出力トルクに基づいて判定する
(ステップ6)。
【0048】その操舵の緊急度レベルの判定手順を図7
のフローチャートに示す。まず、操舵開始から設定時間
内における操舵出力トルクToの変化量に対応する緊急
度レベルと、その設定時間経過時点の操舵出力トルクT
oの変化加速度に対応する緊急度レベルとが一致するか
否かを判断する(ステップ101)。この判断のため、
コントローラ50は、その設定時間の経過時に、時系列
に読み込んだ操舵入力トルクTiから、操舵開始時の操
舵出力トルクToと設定時間経過時の操舵出力トルクT
oとの差を演算することで、その操舵出力トルクToの
変化量を求め、また、その設定時間経過時点の操舵出力
トルクToの2階微分値に対応する変化加速度を演算す
る。
【0049】その判断の結果、両緊急度レベルが一致す
る時は、その緊急度レベルを仮の判定結果とし(ステッ
プ102)、両緊急度レベルが一致しない時は、その変
化加速度に対応する緊急度レベルを仮の判定結果とする
(ステップ103)。
【0050】次に、各仮の判定結果による緊急度レベル
が、2つの緊急度レベルの境界または境界近傍か否かを
判断する(ステップ104)。
【0051】その判断の結果、仮の判定結果による緊急
度レベルが、2つの緊急度レベルの境界または境界近傍
でなければ、その仮の判定結果による緊急度レベルを判
定結果とする(ステップ105)。
【0052】その判断の結果、仮の判定結果による緊急
度レベルが、2つの緊急度レベルの境界または境界近傍
であれば、操舵開始から設定時間(例えば0.1秒)経
過時点の操舵出力トルクToが、その後の設定時間(例
えば0.4秒)内に減少するか否かを判断する(ステッ
プ106)。この判断のために、コントローラ50は、
操舵開始から設定時間(例えば0.1秒)の経過時に、
時系列に読み込んだ操舵入力トルクTiから、操舵開始
から設定時間(例えば0.1秒)経過時点の操舵出力ト
ルクToを求め、さらに、その操舵開始から設定時間
(例えば0.1秒)経過時点の操舵出力トルクToの変
化加速度の変化速度に基づき、その後の設定時間(例え
ば0.4秒)経過時点の操舵出力トルクToを演算す
る。
【0053】その判断の結果、その後の設定時間内に操
舵出力トルクToが減少しなければ、2つの緊急度レベ
ルの中の高い方の緊急度レベルを判定結果とし(ステッ
プ107)、その後の設定時間内に操舵出力トルクTo
が減少すれば、2つの緊急度レベルの中の低い方の緊急
度レベルを判定結果とする(ステップ108)。
【0054】ステップ3において一定距離内の障害物が
検知されない場合、あるいは、ステップ5において操舵
方向が検知障害物の方向でない場合、障害物との衝突可
能性はないので操舵抑制の必要はない。また、ステップ
6における操舵の緊急度レベルの判定結果が最も高い
「緊急」である場合、前方障害物との衝突可能性がある
ので操舵抑制の必要はない。これらの場合、ステップ2
において演算したモータの駆動制御電流値をモータ13
に印加することで操舵補助を行なう(ステップ7)。し
かる後にステップ1に戻る。
【0055】上記ステップ4において定常走行状態では
ないと判断された場合、すなわち、操舵中である場合、
その操舵出力トルクToの符号から操舵方向が検知障害
物の方向か否か、すなわち車両Aと障害物との衝突可能
性の有無を判断する(ステップ8)。
【0056】ステップ8において操舵方向が検知障害物
の方向である場合、すなわち衝突可能性がある場合、検
知した操舵入力トルクTiに対応する操舵出力トルクT
oに基づいて、進路修正操舵か否かを判定する(ステッ
プ9)。例えば、操舵出力トルクToの設定時間内での
左右一方への操舵による変化が、設定値を超えた後に、
操舵出力トルクToの設定時間内での左右他方への操舵
による変化が、設定値を超えた場合は、進路修正操舵で
あると判定する。あるいは、コントローラ50により操
舵出力トルクToを一定時間間隔毎に積分し、その積分
された値の設定時間内での左右一方への操舵による変化
が、設定値を超えた後に、その積分された値の前記設定
時間内での左右他方への操舵による変化が、設定値を超
えた場合は、進路修正操舵であると判定する。これは、
操舵出力トルクの時間変化パターンに基づき、操舵の目
的が進路修正操舵か否かを判定できることに基づく。例
えば、図10の(1)は、車線変更時における操舵出力
トルクToの時間変化パターンを示し、そのパターンは
略正弦曲線になる。この場合は、右方へ車線変更した後
に操舵出力トルクToが、左方への操舵により減少を開
始する時点P1が、進路修正操舵の開始時点になる。ま
た、図10の(2)は、カーブ通過時の操舵出力トルク
Toの時間変化パターンを示す。この場合は、右曲がり
のカーブに進入した後に操舵出力トルクToが、左方へ
の操舵により減少を開始する時点P2が、進路修正操舵
の開始時点になる。何れの場合も、左右一方への操舵の
ための操舵出力トルクの変化が生じた後に、左右他方へ
の操舵のための操舵出力トルクの変化が生じた時点P
1、P2が、進路修正操舵の開始時点となる。上記判定
は、その進路修正操舵の開始時点の認識に基づくもので
ある。
【0057】そのステップ9において進路修正操舵では
ないと判定された場合、すなわち衝突可能性がある場
合、上記ステップ6において緊急度レベルを判定する。
【0058】ステップ8において操舵方向が検知障害物
の方向でない場合、あるいは、ステップ9において進路
修正操舵であると判定された場合、すなわち衝突可能性
がない場合、ステップ7において操舵補助を行なう。
【0059】そのステップ6における操舵の緊急度レベ
ルの判定結果が最も高い「緊急」でない場合、操舵状態
として操舵の目的がカーブ進入であるのか車線変更であ
るのかを判定する(ステップ10)。
【0060】その操舵目的がカーブ進入であるのか車線
変更であるのかの判定手順を図8のフローチャートに示
す。
【0061】まず、そのステップ6における操舵の緊急
度レベルの判定結果が、「普通」と「スロー」との境界
以下か否か、すなわち、その操舵出力トルクToの変化
加速度が略零の閾値以下か否かを判断する(ステップ2
01)。
【0062】その操舵出力トルクToの変化加速度が閾
値以下であれば、その後の設定時間(例えば0.1秒)
内の操舵出力トルクToの変化加速度を、操舵開始から
設定時間(例えば0.1秒)経過時点の操舵出力トルク
Toの変化加速度の変化速度に基づき演算し、その後の
変化加速度が減少するか否かを判断し(ステップ20
2)、減少する場合は操舵の目的は車線変更であると判
定し(ステップ203)、減少しない場合は操舵の目的
はカーブ進入であると判定する(ステップ204)。
【0063】その操舵出力トルクToの変化加速度が閾
値以下でなければ、その変化加速度が、その後の設定時
間(例えば0.1秒)内に減少するか否かを判断する
(ステップ205)。減少する場合、操舵の目的はカー
ブ進入であると判定する。減少しない場合、操舵の目的
は車線変更であると判定する。
【0064】ステップ10において操舵の目的がカーブ
進入ではなく車線変更であると判定された場合、操舵の
抑制を行なう(ステップ11)。この操舵の抑制力は、
操舵入力トルクTiと逆符号の付加トルクをモータ13
により発生させることで付与する。その操舵抑制のため
の付加トルクの絶対値は、操舵入力トルクTiの絶対値
に応じて変化するものとされる。本実施形態では、操舵
出力トルクToが零になるように操舵入力トルクTiに
釣り合う付加トルクが定められる。また、操舵抑制中
は、ボイスアラーム52によって衝突の危険性を音声に
よりドライバーに警告する。
【0065】次に、その操舵抑制に対するドライバーの
抵抗の有無を判断する(ステップ12)。操舵抑制のた
めの付加トルクの絶対値は、操舵入力トルクTiの絶対
値に応じて変化するので、その操舵入力トルクTiと付
加トルクからドライバーの抵抗の有無を判断することが
できる。例えば、操舵入力トルクTiと付加トルクが釣
り合っていればドライバーの抵抗はなく、操舵入力トル
クTiが付加トルクよりも大きければドライバーの抵抗
がある。
【0066】ステップ12において操舵抑制に対するド
ライバーの抵抗がなければ、操舵抑制は解除されること
なくステップ1に戻る。
【0067】ステップ12において操舵抑制に対するド
ライバーの抵抗があれば、その操舵抑制に対するドライ
バーの抵抗の程度に対応する値として、ドライバーの抵
抗力の操舵抑制開始からの時間積分値に対応する値を求
める(ステップ13)。本実施形態では、そのドライバ
ーの抵抗力の時間積分値に対応する値として、操舵入力
トルクTiの操舵抑制開始からの時間積分値を演算す
る。
【0068】次に、上記操舵の抑制力を、その抵抗対応
値が増加する程に減少させる(ステップ14)。図12
はその方法を示す一例であり、横軸は抵抗対応値を示
し、縦軸は操舵抑制力に対応する上記付加トルクの絶対
値の操舵入力トルクTiの絶対値に対する比K(=付加
トルク絶対値/操舵入力トルク絶対値)を示す。本実施
形態では、その抵抗対応値が大きくなるに従って上記比
がリニアに減少するが、リニアに減少するものに限定さ
れず、抵抗対応値が増加する程に上記比Kが減少すれば
よい。
【0069】次に、その抵抗対応値が設定値Yになった
か否かを判断する(ステップ15)。その設定値Yは、
操舵抑制の解除タイミングが早過ぎたり遅れることで障
害物との衝突危険性が大きくなることがないように定め
ればよい。その設定値Yを車速に応じて変更可能とし、
車速が大きい程に設定値Yを小さくすることで、高速走
行で操舵抑制の解除タイミングが遅れるのを防止でき、
低速走行で操舵抑制の解除タイミングが速くなり過ぎる
のを防止できる。また、その設定値Yをドライバーの特
性に応じて変更可能とし、力が比較的弱いドライバーで
は小さくし、力が比較的強いドライバーでは大きくする
ことで、力が比較的弱いドライバーが運転する場合に操
舵抑制の解除タイミングが遅れるのを防止でき、力が比
較的強いドライバーが運転する場合に操舵抑制の解除タ
イミングが速くなり過ぎるのを防止できる。そのドライ
バーの特性は操舵入力トルクTiに対応する値の最大検
出値等に基づき判断できる。
【0070】ステップ15において抵抗対応値が設定値
Y未満であれば、操舵抑制は解除されることなくステッ
プ1に戻る。
【0071】ステップ15において抵抗対応値が設定値
Y以上であれば、操舵抑制力を零にすると共にボイスア
ラーム52による警告を解除し(ステップ16)、しか
る後にステップ7において操舵補助を行なう。
【0072】上記構成によれば、図11の(1)に示す
ように、その操舵入力トルクTiの操舵抑制開始からの
時間積分値、すなわち抵抗対応値は次第に増加する。こ
れにより、操舵抑制中に操舵をする必要性が生じ、ドラ
イバーが操舵抑制に抵抗し、その抵抗対応値が設定値Y
に達すると、操舵抑制を解除することができる。すなわ
ち、前方障害物を検知するセンサ等を別途設けることな
く、ドライバーが操舵抑制に抵抗するだけで、操舵抑制
を解除できる。これにより、構成が複雑化するのを防止
できる。その抵抗対応値が設定値Yに達する時間t1は
抵抗対応値が大きい程に短いので、操舵抑制中に操舵の
必要性が高くなれば操舵抑制を解除するまでの時間を短
くすることができる。また、図11の(2)は、その操
舵入力トルクTiと操舵抑制力に対応する付加トルクT
aとの関係を示す。抵抗対応値が増加する程に操舵抑制
力を減少させることができるので、操舵抑制当初は充分
な力で操舵を抑制し、且つ、操舵抑制が急激に解除され
るのを阻止できる。これにより、操舵抑制を確実に行
い、且つ、車両挙動が不安定になったり操舵フィーリン
グが低下するのを防止できる。さらに、その操舵抑制力
を抵抗対応値が設定値Yになった時点で零にできるの
で、操舵抑制中に操舵の必要性が急に高まった場合や、
制動操作に対する操舵の優先度が高い場合でも、操舵抑
制に対するドライバーの抵抗が大きくなることで操舵抑
制を迅速に解除し、操舵に遅れが生じるのを防止でき
る。
【0073】図13は、上記構成を備えた自車両Aの右
後方に他車両Cを追従させ、図中右方に進行している状
態を示す。この状態で、センサにより他車両Cを検知で
きる位置において、「クイック」以下の緊急度レベルで
車線変更のための操舵を行なった。この場合は、操舵入
力トルクTiに対応する付加トルクTaが操舵抑制トル
クとして発生し、操舵出力トルクToは変化しない。し
かる後に、自車両Aと他車両Cとの距離を大きくし、他
車両Cをセンサにより検知できない位置において、「ク
イック」以下の緊急度レベルで車線変更のための操舵を
行なった。この場合は、操舵入力トルクTiに対応する
付加トルクTaが操舵補助トルクとして発生し、操舵抑
制はなされない。
【0074】図14は、上記構成を備えた自車両Aの右
後方に他車両Cを追従させ、図中右方に進行している状
態を示す。この状態で、センサにより他車両Cを検知し
ている位置において、前方障害物Bを避けるために「緊
急」の緊急度レベルで車線変更のための操舵を行なう
と、操舵入力トルクTiに対応する付加トルクTaが操
舵補助トルクとして発生し、操舵抑制はなされない。ま
た、この状態で、センサにより他車両Cを検知している
位置において、前方障害物Bを避けるために「クイッ
ク」以下の緊急度レベルで車線変更のための操舵を行な
うと、当初は操舵入力トルクTiに対応する付加トルク
Ta(=Ti)が操舵抑制トルクとして発生する。その
付加トルクTaは、操舵抑制開始からの操舵入力トルク
Tiの時間積分値が増加する程に前記比Kに応じて減少
し、その時間積分値が設定値Yになると零になって操舵
抑制が解除される。
【0075】図15は、上記構成を備えた自車両Aの内
側方の他車両Cをセンサにより検知できる位置におい
て、カーブ進入のための操舵を行なった状態を示す(図
中右方に進行)。この場合は、操舵入力トルクTiに対
応する付加トルクTaが操舵補助トルクとして発生し、
操舵抑制はなされない。
【0076】図16は、上記構成を備えた自車両Aによ
り前方の他車両Cを追い越し、その他車両Cをセンサに
より検知できる位置において進路修正操舵を行なった状
態を示す。この場合、操舵入力トルクTiに対応する付
加トルクTaが操舵補助トルクとして発生し、操舵抑制
はなされない。
【0077】図17、図18は、本発明の第2実施形態
を示すフローチャートである。以下において第1実施形
態との相違点を説明する。その相違点は、操舵制御にお
いてドライバーの抵抗の有無を判断した後から操舵抑制
を解除するまでの手順にある。すなわち、本第2実施形
態は第1実施形態の操舵制御手順におけるステップ1〜
ステップ12と同様の操舵制御手順を有し、第1実施形
態の操舵制御手順におけるステップ13〜ステップ16
が、本第2実施形態ではステップ13′〜ステップ1
6′に置き換えられる。
【0078】そのステップ12において操舵抑制に対す
るドライバーの抵抗がなければ、第1実施形態と同様に
操舵抑制は解除されることなくステップ1に戻る。
【0079】ステップ12において操舵抑制に対するド
ライバーの抵抗があれば、その操舵抑制に対するドライ
バーの抵抗力の変化速度として、本実施形態では操舵入
力トルクTiの変化速度を求める(ステップ13′)。
【0080】次に、その操舵入力トルクTiの変化速度
が、設定値V以上か否かを判断する(ステップ1
4′)。その設定値Vは、操舵抑制の解除タイミングが
早過ぎたり遅れることで障害物との衝突危険性が大きく
なることがないように定めればよい。その設定値Vを車
速に応じて変更可能とし、車速が大きい程に設定値Vを
小さくすることで、高速走行で操舵抑制の解除タイミン
グが遅れるのを防止でき、低速走行で操舵抑制の解除タ
イミングが速くなり過ぎるのを防止できる。また、その
設定値Vをドライバーの特性に応じて変更可能とし、力
が比較的弱いドライバーでは小さくし、力が比較的強い
ドライバーでは大きくすることで、力が比較的弱いドラ
イバーが運転する場合に操舵抑制の解除タイミングが遅
れるのを防止でき、力が比較的強いドライバーが運転す
る場合に操舵抑制の解除タイミングが速くなり過ぎるの
を防止できる。そのドライバーの特性は操舵入力トルク
Tiに対応する値の最大検出値等に基づき判断できる。
【0081】ステップ14′において操舵入力トルクT
iの変化速度が設定値V未満であれば、その操舵抑制に
対するドライバーの抵抗の程度に対応する抵抗対応値と
して、ドライバーの抵抗力の操舵抑制開始からの時間積
分値に対応する値を求め、その抵抗対応値が設定値Y以
上か否かを判断する(ステップ15′)。その抵抗対応
値として、第1実施形態と同様に、操舵入力トルクTi
の操舵抑制開始からの時間積分値を演算する。
【0082】そのステップ15′において抵抗対応値が
設定値Y未満であれば、操舵抑制は解除されることなく
ステップ1に戻る。
【0083】ステップ14′において操舵入力トルクT
iの変化速度が設定値V以上である場合、また、ステッ
プ15′において抵抗対応値が設定値Y以上である場
合、操舵抑制の解除を開始すると共にボイスアラーム5
2による警告も解除する(ステップ16′)。この際、
車両挙動が不安定になったり、操舵フィーリングが低下
することがないように、操舵抑制力を徐々に減少させる
ことで操舵抑制を漸次解除する。しかる後にステップ7
において操舵補助を行う。他は第1実施形態と同様であ
る。
【0084】上記第2実施形態によれば、第1実施形態
と同様に、前方障害物を検知するセンサ等を別途設ける
ことなく、ドライバーが操舵抑制に抵抗するだけで、操
舵抑制を解除できる。その抵抗対応値が設定値Yに達す
ることで操舵抑制を解除でき、その設定値Yに達するま
での時間は抵抗対応値が大きい程に短いので、操舵抑制
中における操舵の必要性が高くなれば操舵抑制を解除す
るまでの時間を短くすることができる。また、その抵抗
対応値が設定値Y以上の時に操舵抑制を漸次解除するの
で、車両挙動が不安定になったり操舵フィーリングが低
下するのを防止できる。その操舵抑制に対するドライバ
ーの抵抗力の変化速度が設定値以上の時に操舵抑制を解
除できるので、操舵抑制中に操舵の必要性が高まった場
合や、制動操作に対する操舵の優先度が高い場合でも、
その抵抗力の変化速度が大きくなることで操舵抑制を迅
速に解除し、操舵に遅れが生じるのを防止できる。
【0085】なお、本発明は上記実施形態に限定されな
い。例えば、操舵補助や操舵抑制の方法は特に限定され
ず、油圧により操舵補助力や操舵抑制力を発生させても
よい。また、操舵抑制力を車速やドライバーの特性に応
じて変更可能とし、車速が大きい程、ドライバーの力が
強い程、大きな値にしてもよい。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、操舵抑制中における操
舵の必要性に応じて、構成を複雑化することなく、操舵
の遅れを生じることなく、車両挙動が不安定になったり
操舵フィーリングが低下することなく、ドライバーの操
舵特性に影響されることなく、その操舵抑制を解除でき
る車両の操舵装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車線変更時に1mを移動するのに要する時間
と、設定時間における操舵出力トルクの変化量との関係
を示す図
【図2】車線変更時に1mを移動するのに要する時間
と、設定時間経過時点の操舵出力トルクの変化加速度と
の関係を示す図
【図3】設定時間における操舵出力トルクの変化量と、
設定時間経過時点の操舵出力トルクの変化加速度との関
係を示す図
【図4】本発明の実施形態の車両の構成説明図
【図5】本発明の第1実施形態の操舵制御手順を示すフ
ローチャート
【図6】本発明の第1実施形態の操舵制御手順を示すフ
ローチャート
【図7】本発明の実施形態の操舵状態判定手順を示すフ
ローチャート
【図8】本発明の実施形態の操舵状態判定手順を示すフ
ローチャート
【図9】操舵入力トルクと操舵出力トルクとの関係を示
す図
【図10】(1)は車線変更時の操舵出力トルクの時間
変化パターンを示す図、(2)はカーブ通過時の操舵出
力トルクの時間変化パターンを示す図
【図11】本発明の実施形態の(1)は抵抗対応値と時
間との関係を示す図、(2)は操舵入力トルクと付加ト
ルクと時間との関係を示す図
【図12】本発明の実施形態の抵抗対応値と操舵抑制力
に対応する付加トルクの操舵入力トルクに対する比との
関係を示す図
【図13】本発明の実施形態の操舵状態判定を行なった
場合の作用説明図
【図14】本発明の実施形態の緊急度レベルが「緊急」
か否かの操舵状態判定を行なった場合の作用説明図
【図15】本発明の実施形態のカーブ進入か否かの操舵
状態判定を行なった場合の作用説明図
【図16】本発明の実施形態の進路修正操舵か否かの操
舵状態判定を行なった場合の作用説明図
【図17】本発明の第2実施形態の操舵制御手順を示す
フローチャート
【図18】本発明の第2実施形態の操舵制御手順を示す
フローチャート
【図19】車両の走行試験の説明図
【図20】車両の走行試験の結果を示す最大操舵トルク
と平均減速度との関係を示す図
【図21】車両の走行試験の結果を示す最大舵角と平均
減速度との関係を示す図
【符号の説明】
1 パワーステアリング装置 3 トルクセンサ 13 モータ 50 コントローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 障害物との衝突可能性に基づいて操舵を
    抑制可能な車両の操舵装置において、 その操舵抑制に対するドライバーの抵抗の程度に対応す
    る抵抗対応値として、ドライバーの抵抗力の操舵抑制開
    始からの時間積分値に対応する値を求める手段と、 その操舵の抑制力を、その抵抗対応値が増加する程に減
    少させる手段とを備え、 その操舵抑制力を、その抵抗対応値が設定値になった時
    に零にすることを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 【請求項2】 障害物との衝突可能性に基づいて操舵を
    抑制可能な車両の操舵装置において、 その操舵抑制に対するドライバーの抵抗力の変化速度が
    設定値以上の時に操舵抑制を解除する手段と、 その操舵抑制に対するドライバーの抵抗の程度に対応す
    る抵抗対応値として、ドライバーの抵抗力の操舵抑制開
    始からの時間積分値に対応する値を求める手段と、 その抵抗対応値が設定値以上の時に操舵抑制を漸次解除
    する手段とを備える車両の操舵装置。
JP36584597A 1997-12-22 1997-12-22 車両の操舵装置 Pending JPH11180326A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012571A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Toyota Motor Corp コーナー学習システム
WO2015005026A1 (ja) * 2013-07-08 2015-01-15 日産自動車株式会社 車両用操舵制御装置および車両用操舵制御方法

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