JPH11181567A - 炭化珪素の製造方法 - Google Patents

炭化珪素の製造方法

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JPH11181567A
JPH11181567A JP36532397A JP36532397A JPH11181567A JP H11181567 A JPH11181567 A JP H11181567A JP 36532397 A JP36532397 A JP 36532397A JP 36532397 A JP36532397 A JP 36532397A JP H11181567 A JPH11181567 A JP H11181567A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反位相領域境界面の低減又は消滅を確実に実
現できる炭化珪素の製造方法を提供する。 【解決手段】 炭化珪素の成長用基板上に炭化珪素の成
長を阻むマスク層を設け、このマスク層に一箇所以上の
開口部を設けて基板表面を露出させて炭化珪素の成長を
行う炭化珪素の製造方法であって、前記開口部の高さ
を、開口部の幅wの√2(=21/2)倍以上で、かつ、形
成する炭化珪素の厚さ以上の高さとして、炭化珪素の成
長を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子材料としての
炭化珪素単結晶成長技術等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化珪素(SiC)の成長は、昇
華法によるバルク成長と、基板上へのエピタキシャル成
長による薄膜形成とに分類されてきた。
【0003】昇華法によるバルク成長では高温相の結晶
多形である6H−SiC、4H−SiCの成長が可能で
あり、かつ、SiC自体の基板作製が実現されてきた。
しかしながら、結晶内に導入される欠陥(マイクロパイ
プ)が多く、かつ基板面積の拡大が困難であった。
【0004】基板上へのエピタキシャル成長法に関して
は、不純物添加の制御性向上や基板面積の拡大、そして
昇華法で問題となっていたマイクロパイプの低減が実現
される反面、積層欠陥の増大や、SiC成長層に内部応
力が発生することが問題となっている。特に、成長用基
板としてSiを用いた場合には、SiCとの格子不整合
が大きいことから、双晶(Twin)や反位相領域境界
面(APB:Anti Phase Boundary)の発生が著しく、
これらがSiCの電子素子としての特性を損なわせてい
る。
【0005】さらに、成長法に関わらず、SiCは化学
的、機械的に安定であるため、エッチング加工によって
微細パターンを形成して電子素子を得ることが著しく困
難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】SiC膜内の積層欠陥
を低減する方法として、成長用基板上に炭化珪素単結晶
の成長領域を設け、この成長領域にある厚さ以上の厚さ
で炭化珪素単結晶を成長させることで、ある厚さ以降の
積層欠陥を排除する技術が知られている(特公平6−4
1400号公報)。ここで、ある厚さとは、成長領域の
代表的な寸法(例えば一辺)の√2倍以上であるとして
いる。
【0007】しかしながら、特公平6−41400号公
報記載の方法で、実際に炭化珪素単結晶を成長させた場
合、反位相領域境界面を効果的に低減できないという問
題がある。
【0008】すなわち、図1に示すように、開口部の高
さtを、開口部の幅wの√2倍以上とすると、理論的に
はSiCは非成長領域1a上には成長せず想像線2の形
状で成長するはずであるが、実際にはSiCは非成長領
域1a上にも形成され実線3の形状で成長することを本
発明者らは突き止めた。したがって、開口部の高さt
を、開口部の幅wの√2倍以上としたとしても、非成長
領域上に形成されたSiCから欠陥が派生してしまい、
反位相領域境界面を低減できない場合がある。
【0009】また、実際にはSiCは実線3の形状で成
長するため、隣り合う開口部間の間隔に制約があり、隣
り合う開口部間の間隔が狭いと成長したSiC同士が成
長に伴って結合してしまい、この結合部に新たに反位相
領域境界面が形成されてしまい、電気的特性等が損なわ
れる。
【0010】さらに、矩形の開口部のいずれかの辺と、
成長用基板の成長面における立方晶の<110>方位と
の交差角度を一定範囲内としないと反位相領域境界面を
低減できないことを本発明者らは突き止めた。
【0011】また、SiC中に含まれる2種類の反位相
領域どうしは、SiCの膜厚増加に対して、互いに直交
した方向へと拡大する特性を有しているため、SiCの
平面パターン形状及びその配置する結晶方位を考慮しな
いと、反位相領域境界面を効果的に低減することができ
ない。さらに、成長したSiC表面に形成される超構造
の向きを任意に制御することができない。
【0012】本発明は上述した背景の下になされたもの
であり、反位相領域境界面の低減又は消滅を確実に実現
できる炭化珪素の製造方法等の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、以下の構成としてある。 (構成1)炭化珪素の成長用基板上に炭化珪素の成長を
阻むマスク層を設け、このマスク層に一箇所以上の開口
部を設けて基板表面を露出させて炭化珪素の成長を行う
炭化珪素の製造方法であって、前記開口部の高さを、開
口部の幅wの√2(=21/2)倍以上で、かつ、形成する
炭化珪素の厚さを超える高さとして、炭化珪素の成長を
行うことを特徴とする炭化珪素の製造方法。
【0014】(構成2)前記成長用基板の面方位が立方
晶の(100)面に相当し、この面上に炭化珪素をエピ
タキシャル成長させることを特徴とする構成1記載の炭
化珪素の製造方法。
【0015】(構成3)マスク層に形成する矩形の開口
部のいずれかの辺と、成長用基板の成長面における立方
晶の<110>方位との交差角度を、±15°以内とす
ることを特徴とする構成1又は2記載の炭化珪素の製造
方法。
【0016】(構成4)マスク層に形成する矩形の開口
部のいずれかの辺と、成長用基板の成長面における立方
晶の<110>方位との交差角度を、0°とすることを
特徴とする構成3記載の炭化珪素の製造方法。
【0017】(構成5)前記炭化珪素の成長レートが、
0.01〜30μm/hrであることを特徴とする構成
1乃至4記載の炭化珪素の製造方法。
【0018】(構成6)前記炭化珪素の断面形状が、台
形であることを特徴とする構成1乃至5記載の炭化珪素
の製造方法。
【0019】(構成7)マスク層に形成する矩形の開口
部の長辺が短辺の2倍以上であり、かつ、短辺の長さが
0.05μmから10μmであることを特徴とする構成
1乃至6記載の炭化珪素の製造方法。
【0020】(構成8)前記成長用基板の面方位を単結
晶Siの(100)面とし、炭化珪素の成長を阻むマス
ク層をSiO2層とすることを特徴とする構成1乃至7
記載の炭化珪素の製造方法。
【0021】(構成9)エピタキシャル成長させる炭化
珪素が立方晶であることを特徴とする構成1乃至8記載
の炭化珪素の製造方法。
【0022】(構成10)前記炭化珪素は、シラン系化
合物ガスと炭化水素ガスを交互に反応炉内へ供給して気
相化学堆積(CVD)法で成長させることを特徴とする
構成1乃至9記載の炭化珪素の製造方法。
【0023】(構成11)構成1乃至10記載の炭化珪
素の製造方法を用いて素子設計に基づいた形状を有する
炭化珪素パターンを形成し、この炭化珪素パターン自体
を活性領域として用いたことを特徴とする電子素子。
【0024】
【作用】
【0025】本発明では成長用基板(下地)とSiCと
の界面で発生した面欠陥が、SiCの成長に伴って上層
に伝播するにつれ、互いに会合し結合する。また、会合
せずにさらに上層へと伝播する面欠陥も、いずれはSi
C膜の側壁に到達し、消滅する。パターンの最も端点で
発生した面欠陥も、下地が立方晶の(100)面に相当
する場合には(111)面として挿入されるため、Si
C層の膜厚tとSiC層の短辺幅wの関係がt=√2w
となった時点でSiC側面に到達して消滅する。ただ
し、(100)面上には4つの(111)面に等価な面
が存在するため、紙面に対して鏡面対称な面欠陥も存在
している。しかし、本発明では、SiC層の平面パター
ン形状を矩形としかつ長辺が短辺の2倍以上と規定する
ことで、最終的に長辺方向に拡大する領域のみが最表面
を覆い、反位相領域境界面の消滅を確実に実現できると
ともに、離散したパターンすべてにわたり反位相領域境
界のない単一領域の形成が可能となる。
【0026】上記構成1によれば、開口部の高さを形成
する炭化珪素の厚さを超える高さとしているので、反位
相領域境界面の低減又は消滅を確実に実現できる。すな
わち、開口部の高さを形成する炭化珪素の厚さを超える
高さとすることで、非成長領域上に形成されるSiCか
ら派生する欠陥を排除し、反位相領域境界面の低減又は
消滅を確実に実現できる。また、構成1によれば、隣り
合う開口部間の間隔を狭くしても、成長したSiC同士
が成長に伴って結合することがない。したがって、開口
部間の間隔の制約がなくなり、設計上有利となる。具体
的には、開口部間の間隔を0.05μm程度にまで狭く
でき、設計の自由度が向上し、微細化を達成できる。
【0027】上記構成2によれば、成長用基板の面方位
を立方晶の(100)面とすることで他の場合に比べS
iCの応力を低減でき、この面上に炭化珪素をエピタキ
シャル成長させることでSiCの結晶性や電気的特性が
向上する。
【0028】上記構成3及び4によれば、マスク層に形
成する矩形の開口部のいずれかの辺と、成長用基板の成
長面における立方晶の<110>方位との交差角度を、
±15°以内とすることで、反位相領域境界面の低減又
は消滅を確実に実現できる。これは、表6に示すよう
に、交差角度が±15°以内であれば、反位相領域境界
面濃度は低く、許容レベル内にあるからである。逆に、
交差角度が±30°、±45°になるにつれ反位相領域
境界面濃度は極端に増大する。特に、マスク層に形成す
る矩形の開口部のいずれかの辺と、成長用基板の成長面
における立方晶の<110>方位との交差角度を、0°
とすることで、反位相領域境界面濃度はゼロとなり、反
位相領域境界面の消滅を確実に実現できる。また、これ
らのことを考慮してパターン設計を行うことで、反位相
領域境界面の低減又は消滅をすべてのパターンについて
確実に実現できる。
【0029】上記構成5によれば、炭化珪素の成長レー
トを0.01〜30μm/hrとすることで、反位相領
域境界面濃度を含めた積層欠陥が少なくなる。また、S
iO2マスク層上にSiCが形成されにくくなるため、
表面形状の悪化が防げるばかりでなく、SiC層の除去
工程等の後工程が不要となる。同様の観点から炭化珪素
の成長レートは、0.02〜10μm/hrとすること
が好ましく、0.03〜0.1μm/hrとすることが
より好ましい。
【0030】上記構成6によれば、炭化珪素の断面形状
を台形とすることで、耐圧を高め、電圧に対するブレー
クダウンを回避できるなど、パフォーマンスのよい構造
となる。炭化珪素の断面形状を台形とするには、マスク
層に形成する開口部の断面形状をテーパー状とすればよ
い。
【0031】上記構成7では、マスク層に形成する矩形
の開口部の長辺を短辺の2倍以上とすることで、上述し
たように最終的に長辺方向に拡大する領域のみが最表面
を覆い、反位相領域境界面の消滅を確実に実現できる。
また、短辺の長さを0.05μmから10μmとするこ
とで、デバイス製造上実用的なSiC面積となる。
【0032】上記構成8では、成長用基板の面方位を単
結晶Siの(100)面とすることで、他の場合に比べ
SiCの応力を最も低くでき、また、炭化珪素の成長を
阻むマスク層をSiO2層とすることで、Siを熱酸化
してSiO2層を形成できるため、工程を簡略化でき
る。
【0033】上記構成9によれば、エピタキシャル成長
させる炭化珪素を立方晶とすることで、面欠陥の低減効
果が確実となる。
【0034】上記構成10によれば、炭化珪素を、シラ
ン系化合物ガスと炭化水素ガスを交互に反応炉内へ供給
して気相化学堆積(CVD)法でエピタキシャル成長さ
せることで、他の場合に比べ結晶性、面内均一性及び表
面ホモロジーに優れる。この場合、特にジクロルシラン
とアセチレンを用いることで、他のガスを用いた場合に
比べ成長温度の低温化、制御性の向上が可能となる。そ
の他に、上記構成10によれば、SiCの選択成長性を
助長でき、また、分子吸着の自己制御機構が発現し再現
性、均一性が向上し、さらに、より微細なパターン内へ
のSiC成長が可能となる。
【0035】上記構成11によれば、反位相領域境界面
の低減又は消滅を実現した電子素子が得られる。また、
SiCの成長パターンを適当な素子設計パターンに相当
させることにより、エッチング加工を行うことなく素子
製造が実現できる。さらに、SiCと基板との間に応力
が発生したとしても、それらの応力はSiCが被覆して
いない部分にも分散し、望まざる応力値の増大を防ぐこ
とが可能となる。
【0036】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的
に説明する。
【0037】実施例1 Si(100)面を成長用基板とし、この表面を熱酸化
し、3μmの酸化膜(SiO2層)を形成した。熱酸化
条件を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】熱酸化後に、フォトリソグラフィー技術を
用いて熱酸化膜上に短辺1.25μm、長辺3μmの矩
形開口パターンをレジストにて形成した。ただし、矩形
開口パターンの辺は<110>方位に平行にした。この
後、10%HF溶液中にて熱酸化膜の露出部をエッチン
グし、矩形のSi露出部を形成した。レジストを過酸化
水素と硫酸の混合液中で除去した後、SiCの成長を実
施した。SiCの成長は、基板表面の炭化工程と、原料
ガスの交互供給によるSiC成長工程に分けられる。炭
化工程では、アセチレン雰囲気中で上記加工済みの基板
を室温から1050℃まで120分間かけて加熱した。
炭化工程の後に、1050℃にてジクロルシランガスと
アセチレンとを交互に基板表面に暴露して、SiCの成
長を実施した。炭化工程の詳細を表2に、SiC成長工
程の詳細を表3にそれぞれ示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】SiC成長工程において、原料ガスの供給
サイクル数を変化させることにより、SiCの膜厚を変
化させて、反位相領域境界面の濃度を測定したところ、
表4に示す結果を得た。なお、反位相領域境界面の濃度
は、炭化珪素表面をAFM観察して求めた。この際、炭
化珪素の表面を熱酸化処理しさらに熱酸化膜を除去する
ことにより反位相境界を顕在化させたあとに観察を行っ
た。
【0043】
【表4】
【0044】表4から、SiCの膜厚の増加に伴い反位
相領域境界面の濃度が減少することがわかる。また、S
iCの厚さが短辺の√2倍である1.77μm以上にな
ると反位相領域境界面の濃度が完全にゼロになることが
わかる。さらに、本発明では、酸化膜(SiO2層)厚
さを3μmとしているので、SiCの厚さを2μmとし
ても、位相領域境界面の濃度は完全にゼロになった。ま
た、SiCの断面形状は矩形であった。さらに、開口間
隔を0.05μmとしたこと以外は上記と同様にしてS
iCの成長を実施したところ、隣り合うSiCどうしが
結合することはなかった。比較のため、酸化膜(SiO
2層)厚さを1.5μm又は1.8μmとし、2μmの
高さのSiCを成長させたが、いずれの場合も位相領域
境界面の濃度はゼロにならず、断面形状は山状であっ
た。さらに、開口間隔を0.05μmとしてSiCの成
長を実施したところ、隣り合うSiCどうしの結合が確
認された。
【0045】実施例2 Si(100)面を成長用基板とし、この表面を熱酸化
し、3μmの酸化膜(SiO2層)を形成した。熱酸化
条件は表1と同じとした。熱酸化後に、フォトリソグラ
フィー技術を用いて熱酸化膜上に短辺1.25μm、長
辺3μmの矩形開口パターンをレジストにて形成した。
ただし、複数の矩形開口パターンを設け、矩形開口パタ
ーンの辺と<110>方位との交差角度をそれぞれ変化
させた。この後、10%HF溶液中にて熱酸化膜の露出
部をエッチングし、<110>方位との交差角度が異な
る複数の矩形のSi露出部を形成した。レジストを過酸
化水素と硫酸の混合液中で除去した後、SiCの成長を
実施した。SiCの成長は、基板表面の炭化工程と、原
料ガスの交互供給によるSiC成長工程に分けて行っ
た。炭化工程では、アセチレン雰囲気中で上記加工済み
の基板を室温から1050℃まで120分間かけて加熱
した。炭化工程の後に、1050℃にてジクロルシラン
ガスとアセチレンとを交互に基板表面に暴露して、Si
Cの成長を実施した。炭化工程の条件は表2と同じと
し、SiC成長工程の詳細は表5に示す通りとした。
【0046】
【表5】
【0047】形成した矩形開口パターンの長辺と<11
0>方位との交差角度θ(図2)に対する反位相領域境
界面の濃度を測定したところ、表6に示す結果を得た。
【0048】
【表6】
【0049】表6から、矩形開口パターンの辺が<11
0>方位に配向するに従い、反位相領域境界面の濃度が
減少することがわかる。また、交差角度が±15°以内
であれば反位相領域境界面の濃度は小さいことがわか
る。
【0050】実施例3 直形3インチのSi(100)面を成長用基板とし、こ
の表面を熱酸化し、3μmの酸化膜(SiO2層)を形
成した。熱酸化条件は表1と同じとした。熱酸化後に、
フォトリソグラフィー技術を用いて熱酸化膜上に短辺
1.25μmのラインアンドスペースをレジストにて形
成した。ただし、ラインアンドスペースの辺は<110
>方位に平行にした。この後、10%HF溶液中にて熱
酸化膜の露出部をエッチングし、上記ラインアンドスペ
ースのSi露出部を形成した。レジストを過酸化水素と
硫酸の混合液中で除去した後、SiCの成長を実施し
た。SiCの成長は、基板表面の炭化工程と、原料ガス
の交互供給によるSiC成長工程に分けて行った。炭化
工程では、アセチレン雰囲気中で上記加工済みの基板を
室温から1050℃まで120分間かけて加熱した。炭
化工程の後に、1050℃にてジクロルシランガスとア
セチレンとを交互に基板表面に暴露して、SiCの成長
を実施した。炭化工程の条件は表2と同じとし、SiC
成長工程の詳細は表5に示す通りとした。
【0051】反位相領域境界面の濃度を測定したとこ
ろ、すべてのパターンについて反位相領域境界面の消滅
を実現した電子素子が得られた。また、隣り合うSiC
どうしが結合することはなかった。また、成長後の基板
の反り量を633nmの干渉計を用いて測定し、そこか
らSiC膜の内部応力求めたところ、表7に示すよう
に、ラインアンドスペースパターン状に形成したSiC
膜に関して、著しい応力の低減が認められた。
【0052】
【表7】
【0053】比較例1 Si(100)面を成長用基板とし、この表面を熱酸化
し、4000オンク゛ストロームの酸化膜(SiO2層)を形成し
た。熱酸化条件を表8に示す。
【0054】
【表8】
【0055】熱酸化後に、フォトリソグラフィー技術を
用いて熱酸化膜上に短辺1.0μm、長辺1000μm
の矩形開口パターンをレジストにて形成した。ただし、
矩形開口パターンの辺は<110>方位に平行にした。
この後、10%HF溶液中にて熱酸化膜の露出部をエッ
チングし、矩形のSi露出部を形成した。レジストを過
酸化水素と硫酸の混合液中で除去した後、SiCの成長
を実施した。SiCの成長は、基板表面の炭化工程と、
原料ガスの交互供給によるSiC成長工程に分けられ
る。炭化工程では、アセチレン雰囲気中で上記加工済み
の基板を室温から1050℃まで120分間かけて加熱
した。炭化工程の後に、1050℃にてジクロルシラン
ガスとアセチレンとを交互に基板表面に暴露して、Si
Cの成長を実施した。炭化工程の条件は表2と同じと
し、SiC成長工程の詳細は表9に示す通りとした。
【0056】
【表9】
【0057】以上の方法により、成長したSiC層断面
の様子を図3に示し、このSiC層断面の走査型電子顕
微鏡写真を図4及び図5に示す。これらの図面に示され
たように、SiC層はSiO2層上には成長せず、Si
2から露出したSi面上に成長している。ただし、成
長したSiC層はSiO2層上を横方向にも成長し、互
いに結合し合っている。そして、SiC層の結合部に予
期せぬ面欠陥を導入している。したがって、SiCの膜
厚が短辺の幅(1.0μm)の√2倍以上であるにもか
かわらず、反位相領域境界面濃度の低減はもたらされな
かった。
【0058】以上実施例をあげて本発明を説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
【0059】例えば、炭化珪素膜の成膜条件や膜厚等は
実施例のものに限定されない。
【0060】また、成長用基板としては、例えば、炭化
珪素、サファイヤなどの単結晶基板等を使用でき、マス
ク層としては、他に窒化珪素、アモルファスシリコンな
どを使用できる。
【0061】珪素の原料ガスとしては、ジクロルシラン
(SiH2Cl2)を使用したが、SiH4、SiCl4
SiHCl3などを使用することもできる。また、炭素
の原料ガスとしては、アセチレン(C22)を使用した
が、CH4、C26、C38などを使用することもでき
る。
【0062】なお、炭化珪素のエピタキシャル成長法と
しては、気相化学堆積(CVD)法の他に、液相エピタ
キシャル成長法、スパッタリング法、分子線エピタキシ
ー(MBE)法などを使用することもできる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の炭化珪素の
製造方法によれば、反位相領域境界面の低減又は消滅を
確実に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化珪素の成長の様子を説明するための断面図
である。
【図2】矩形開口パターンの長辺と<110>方位との
交差角度を説明するための斜視図である。
【図3】比較例における成長したSiCの断面の様子を
示す断面図である。
【図4】基板上に形成された微細パターンであるSiC
の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】基板上に形成された微細パターンであるSiC
の走査型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 マスク層 1a 非成長領域 2 理論上の炭化珪素の成長面 3 実際の炭化珪素の成長面 t 開口部の高さ w 開口部の幅

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素の成長用基板上に炭化珪素の成
    長を阻むマスク層を設け、このマスク層に一箇所以上の
    開口部を設けて基板表面を露出させて炭化珪素の成長を
    行う炭化珪素の製造方法であって、 前記開口部の高さを、開口部の幅wの√2(=21/2)倍
    以上で、かつ、形成する炭化珪素の厚さを超える高さと
    して、炭化珪素の成長を行うことを特徴とする炭化珪素
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成長用基板の面方位が立方晶の(1
    00)面に相当し、この面上に炭化珪素をエピタキシャ
    ル成長させることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 マスク層に形成する矩形の開口部のいず
    れかの辺と、成長用基板の成長面における立方晶の<1
    10>方位との交差角度を、±15°以内とすることを
    特徴とする請求項1又は2記載の炭化珪素の製造方法。
  4. 【請求項4】 マスク層に形成する矩形の開口部のいず
    れかの辺と、成長用基板の成長面における立方晶の<1
    10>方位との交差角度を、0°とすることを特徴とす
    る請求項3記載の炭化珪素の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記炭化珪素の成長レートが、0.01
    〜30μm/hrであることを特徴とする請求項1乃至
    4記載の炭化珪素の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記炭化珪素の断面形状が、台形である
    ことを特徴とする請求項1乃至5記載の炭化珪素の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 マスク層に形成する矩形の開口部の長辺
    が短辺の2倍以上であり、かつ、短辺の長さが0.05
    μmから10μmであることを特徴とする請求項1乃至
    6記載の炭化珪素の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記成長用基板の面方位を単結晶Siの
    (100)面とし、炭化珪素の成長を阻むマスク層をS
    iO2層とすることを特徴とする請求項1乃至7記載の
    炭化珪素の製造方法。
  9. 【請求項9】 エピタキシャル成長させる炭化珪素が立
    方晶であることを特徴とする請求項1乃至8記載の炭化
    珪素の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記炭化珪素は、シラン系化合物ガス
    と炭化水素ガスを交互に反応炉内へ供給して気相化学堆
    積(CVD)法で成長させることを特徴とする請求項1
    乃至9記載の炭化珪素の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10記載の炭化珪素の製
    造方法を用いて素子設計に基づいた形状を有する炭化珪
    素パターンを形成し、この炭化珪素パターン自体を活性
    領域として用いたことを特徴とする電子素子。
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