JPH11183278A - トルクセンサ用高感度磁歪材料,並びにセンサシャフト及びその製造方法 - Google Patents
トルクセンサ用高感度磁歪材料,並びにセンサシャフト及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH11183278A JPH11183278A JP36412997A JP36412997A JPH11183278A JP H11183278 A JPH11183278 A JP H11183278A JP 36412997 A JP36412997 A JP 36412997A JP 36412997 A JP36412997 A JP 36412997A JP H11183278 A JPH11183278 A JP H11183278A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- shaft
- torque
- torque sensor
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来よりも高感度のトルクセンサ用磁歪材
料,並びにこれを用いたセンサシャフト及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 重量比において,Ni:35〜65%,
Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5%,残
部はFeおよび不可避不純物よりなる。磁歪材料の平均
結晶粒径は5〜100μmであることが好ましい。
料,並びにこれを用いたセンサシャフト及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 重量比において,Ni:35〜65%,
Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5%,残
部はFeおよび不可避不純物よりなる。磁歪材料の平均
結晶粒径は5〜100μmであることが好ましい。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は,非接触型磁歪式トルクセンサの
検出用材料としての磁歪材料,並びにセンサシャフト及
びその製造方法に関するものであり,特に高感度のセン
サ出力を備えたものに関する。
検出用材料としての磁歪材料,並びにセンサシャフト及
びその製造方法に関するものであり,特に高感度のセン
サ出力を備えたものに関する。
【0002】
【従来技術】回転駆動シャフトを制御するためのトルク
を検出する方法としては,ポテンショメータ式,差動ト
ランス式,磁気抵抗式,磁歪式等がある。ポテンショメ
ータ式は,入力軸と出力軸との回転変位を電気抵抗の電
圧変化として検出する方式であって接触式であるため,
長期間の使用には信頼性の面で問題がある。また,差動
トランス式は可動鉄心の軸方向の変位を2組のコイルに
発生する電圧の変化として検出する方式であり,シャフ
トの外周に組み付けなければならないことから,検出部
が大きくなり,搭載性が悪いという問題がある。また,
磁気抵抗式においても上記差動トランス式と同様の問題
がある。
を検出する方法としては,ポテンショメータ式,差動ト
ランス式,磁気抵抗式,磁歪式等がある。ポテンショメ
ータ式は,入力軸と出力軸との回転変位を電気抵抗の電
圧変化として検出する方式であって接触式であるため,
長期間の使用には信頼性の面で問題がある。また,差動
トランス式は可動鉄心の軸方向の変位を2組のコイルに
発生する電圧の変化として検出する方式であり,シャフ
トの外周に組み付けなければならないことから,検出部
が大きくなり,搭載性が悪いという問題がある。また,
磁気抵抗式においても上記差動トランス式と同様の問題
がある。
【0003】一方,磁歪式は,シャフトの材料の磁歪特
性を利用するものであり,シャフトに励磁及び検出コイ
ル系のみを非接触状態で組み付けるだけでトルク検出の
機能を発揮することができる。そのため,磁歪式のトル
クセンサは,上記の他の方式の場合の問題点を回避する
ことができ,種々の電動機や工作機器等の産業機器や自
動車用機器への搭載が容易な優れたセンサとして利用す
ることができる。
性を利用するものであり,シャフトに励磁及び検出コイ
ル系のみを非接触状態で組み付けるだけでトルク検出の
機能を発揮することができる。そのため,磁歪式のトル
クセンサは,上記の他の方式の場合の問題点を回避する
ことができ,種々の電動機や工作機器等の産業機器や自
動車用機器への搭載が容易な優れたセンサとして利用す
ることができる。
【0004】そのため,上記磁歪式のトルクセンサに用
いる磁歪材料としては,種々の材料が検討されている。
例えば,機械構造用鋼(JIS規格:SCr,SCM,
SNCM等)や,18Niマルエージング鋼などであ
る。また,磁歪式のトルクセンサ検出装置は,例えば後
述する図1に示すごとく,これらの磁歪材料をシャフト
形状に成形し,その外周面にセンサパターン(シェプロ
ンパターン)15を設けたセンサシャフト10を用いて
構成する。センサパターンは,例えば,シャフトの軸方
向と±45度をなす角度に螺旋状の凹凸或いは溝(シェ
プロンパターン)を構成することにより形成することが
できる。
いる磁歪材料としては,種々の材料が検討されている。
例えば,機械構造用鋼(JIS規格:SCr,SCM,
SNCM等)や,18Niマルエージング鋼などであ
る。また,磁歪式のトルクセンサ検出装置は,例えば後
述する図1に示すごとく,これらの磁歪材料をシャフト
形状に成形し,その外周面にセンサパターン(シェプロ
ンパターン)15を設けたセンサシャフト10を用いて
構成する。センサパターンは,例えば,シャフトの軸方
向と±45度をなす角度に螺旋状の凹凸或いは溝(シェ
プロンパターン)を構成することにより形成することが
できる。
【0005】そして,上記磁歪式トルクセンサ検出装置
においては,上記磁歪材料により構成したシャフトにト
ルクを負荷させることにより,上記センサパターンの一
方には圧縮応力が,他方には引張応力が生じる。このセ
ンサパターン部に磁場を印加すると,シャフトが正の磁
歪定数を有する材料である場合には,上記引張応力部で
は磁化が大きくなり,一方,上記圧縮応力部では磁化が
小さくなる。その差を検出すれば,負荷されたトルクを
把握することができる。
においては,上記磁歪材料により構成したシャフトにト
ルクを負荷させることにより,上記センサパターンの一
方には圧縮応力が,他方には引張応力が生じる。このセ
ンサパターン部に磁場を印加すると,シャフトが正の磁
歪定数を有する材料である場合には,上記引張応力部で
は磁化が大きくなり,一方,上記圧縮応力部では磁化が
小さくなる。その差を検出すれば,負荷されたトルクを
把握することができる。
【0006】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の磁
歪式トルクセンサ用の磁歪材料においては,出力,感
度,ヒステリシス等の面で十分な材料が開発されていな
い。即ち,例えば特開平5−179408号公報におい
ては,Fe−Cu合金にNi,Mo,Al等を添加した
材料が提案されている。しかしながら,この材料は,保
磁力が5〜7(Oe)レベルであり,必ずしも高センサ
出力を得ることはできない。
歪式トルクセンサ用の磁歪材料においては,出力,感
度,ヒステリシス等の面で十分な材料が開発されていな
い。即ち,例えば特開平5−179408号公報におい
ては,Fe−Cu合金にNi,Mo,Al等を添加した
材料が提案されている。しかしながら,この材料は,保
磁力が5〜7(Oe)レベルであり,必ずしも高センサ
出力を得ることはできない。
【0007】また,特開平6−160209号公報にお
いては,重量比において,Ni:40〜80%,Si,
Mn等を含有するFe−Ni系合金を磁歪材料として用
い,これに設けるセンサパターンを工夫することにより
トルクセンサとしての性能向上が図られている。しかし
ながら,上記Fe−Ni系合金自体は,一般的な軟磁性
材料であり,必ずしも,出力,感度,ヒステリシス等の
面において優れた材料とは言えない。
いては,重量比において,Ni:40〜80%,Si,
Mn等を含有するFe−Ni系合金を磁歪材料として用
い,これに設けるセンサパターンを工夫することにより
トルクセンサとしての性能向上が図られている。しかし
ながら,上記Fe−Ni系合金自体は,一般的な軟磁性
材料であり,必ずしも,出力,感度,ヒステリシス等の
面において優れた材料とは言えない。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,従来よりも高感度のトルクセンサ用磁歪
材料,並びにこれを用いたセンサシャフト及びその製造
方法を提供しようとするものである。
されたもので,従来よりも高感度のトルクセンサ用磁歪
材料,並びにこれを用いたセンサシャフト及びその製造
方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,Ni:35〜6
5%,Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5
%,残部はFeおよび不可避不純物よりなることを特徴
とするトルクセンサ用高感度磁歪材料にある。
5%,Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5
%,残部はFeおよび不可避不純物よりなることを特徴
とするトルクセンサ用高感度磁歪材料にある。
【0010】本発明において最も注目すべきことは,F
e−Ni−Al合金にBを添加し,さらに,Ni,A
l,B,の含有量を上記特定の範囲に限定したことであ
る。以下に,上記化学組成における各元素の限定理由を
詳説する。
e−Ni−Al合金にBを添加し,さらに,Ni,A
l,B,の含有量を上記特定の範囲に限定したことであ
る。以下に,上記化学組成における各元素の限定理由を
詳説する。
【0011】Ni:35〜65%, Niの含有量が35%未満の場合には磁化の値が急激に
減少するという問題があり,より好ましくは40%以上
がよい。一方,65%を超える場合には磁化の値が減少
すると共に高価になるという問題があり,より好ましく
は55%以下がよい。
減少するという問題があり,より好ましくは40%以上
がよい。一方,65%を超える場合には磁化の値が減少
すると共に高価になるという問題があり,より好ましく
は55%以下がよい。
【0012】Al:0.5〜7.5%, Alの含有量が0.5%未満の場合には磁気特性の改善
が小さいことや高周波での磁気特性の改善に影響する電
気抵抗の増加がわずかであるという問題があり,より好
ましくは1.0%以上がよい。一方,35〜65%Ni
を含有するFe−Ni系合金においては,Alは磁気特
性の低下を招くことなく固溶強化する元素であるが,そ
の含有量が7.5%を超える場合には,Ni3 Alの金
属間化合物が粒界に生成し,著しく熱間加工性が低下す
るという問題がある。また,これにより,後述するシャ
フト形状に成形することが困難となると共に靱性が著し
く低下し,構造用部材としての適性が低下するという問
題がある。そのため,Alの含有量は,より好ましくは
5.0%以下がよい。
が小さいことや高周波での磁気特性の改善に影響する電
気抵抗の増加がわずかであるという問題があり,より好
ましくは1.0%以上がよい。一方,35〜65%Ni
を含有するFe−Ni系合金においては,Alは磁気特
性の低下を招くことなく固溶強化する元素であるが,そ
の含有量が7.5%を超える場合には,Ni3 Alの金
属間化合物が粒界に生成し,著しく熱間加工性が低下す
るという問題がある。また,これにより,後述するシャ
フト形状に成形することが困難となると共に靱性が著し
く低下し,構造用部材としての適性が低下するという問
題がある。そのため,Alの含有量は,より好ましくは
5.0%以下がよい。
【0013】B:0.05〜0.5%, Bは結晶粒の微細化効果を発揮する元素である。Bの含
有量が0.05%未満の場合には上記微細化効果が十分
に得られないという問題があり,より好ましくは0.1
%以上がよい。一方,Bの含有量が0.5%を超える場
合には上記微細化効果が飽和すると共に,NiBの析出
が著しくなり,熱間加工性が著しく損なわれ,後述する
シャフト形状への加工が困難となるという問題がある。
そのため,より好ましくは,Bの含有量を0.3%以下
とすることが好ましい。
有量が0.05%未満の場合には上記微細化効果が十分
に得られないという問題があり,より好ましくは0.1
%以上がよい。一方,Bの含有量が0.5%を超える場
合には上記微細化効果が飽和すると共に,NiBの析出
が著しくなり,熱間加工性が著しく損なわれ,後述する
シャフト形状への加工が困難となるという問題がある。
そのため,より好ましくは,Bの含有量を0.3%以下
とすることが好ましい。
【0014】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明の磁歪材料は,その化学成分組成を上記特定の範囲に
限定している。そのため,非常に優れた高感度磁歪材料
として用いることができる。即ち,本発明の磁歪材料
は,後述する実施形態例にも示すように,保磁力が5
(Oe)以下,最大透磁率が500以上,かつ,100
(Oe)での磁化が10kG以上という優れた軟質磁性
材料であり,かつ,磁歪定数が10×10-6以上とい
う,優れた特性を発揮する。そのため,この磁歪材料を
トルクセンサとして用いた場合には,優れた出力,感
度,ヒステリシス等の特性を発揮し,センサ出力を従来
よりも増大させることができ,非常に高感度のトルクセ
ンサ装置を構成することができる。
明の磁歪材料は,その化学成分組成を上記特定の範囲に
限定している。そのため,非常に優れた高感度磁歪材料
として用いることができる。即ち,本発明の磁歪材料
は,後述する実施形態例にも示すように,保磁力が5
(Oe)以下,最大透磁率が500以上,かつ,100
(Oe)での磁化が10kG以上という優れた軟質磁性
材料であり,かつ,磁歪定数が10×10-6以上とい
う,優れた特性を発揮する。そのため,この磁歪材料を
トルクセンサとして用いた場合には,優れた出力,感
度,ヒステリシス等の特性を発揮し,センサ出力を従来
よりも増大させることができ,非常に高感度のトルクセ
ンサ装置を構成することができる。
【0015】次に,請求項2の発明のように,上記磁歪
材料の平均結晶粒径は5〜100μmであることが好ま
しい。これにより,上記磁歪材料をセンサシャフトとし
て用いた場合に,安定したセンサ出力を得ることができ
る。これは,直流の磁気特性では,粒径が大きいほど良
好であることが知られているが,トルクセンサのように
交流磁場を印加する場合には結晶粒が小さいほど出力が
安定するためであると考えられる。したがって,上記平
均結晶粒径は,100μm以下が好ましく,より好まし
くは25μm以下がよい。一方,5μm未満の結晶粒に
制御することは,製造上非常に困難を伴い,製造コスト
が上昇するという問題がある。
材料の平均結晶粒径は5〜100μmであることが好ま
しい。これにより,上記磁歪材料をセンサシャフトとし
て用いた場合に,安定したセンサ出力を得ることができ
る。これは,直流の磁気特性では,粒径が大きいほど良
好であることが知られているが,トルクセンサのように
交流磁場を印加する場合には結晶粒が小さいほど出力が
安定するためであると考えられる。したがって,上記平
均結晶粒径は,100μm以下が好ましく,より好まし
くは25μm以下がよい。一方,5μm未満の結晶粒に
制御することは,製造上非常に困難を伴い,製造コスト
が上昇するという問題がある。
【0016】次に,上記優れた磁歪材料を用いたセンサ
シャフトとしては,次の発明がある。即ち,請求項3の
発明のように,トルクセンサ用のセンサシャフトにおい
て,該センサシャフトは,重量比において,Ni:35
〜65%,Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜
0.5%,残部はFeおよび不可避不純物よりなると共
に,円柱状のシャフト形状を有し,かつ,その外周面に
はセンサパターンを設けてなることを特徴とするトルク
センサ用センサシャフトがある。
シャフトとしては,次の発明がある。即ち,請求項3の
発明のように,トルクセンサ用のセンサシャフトにおい
て,該センサシャフトは,重量比において,Ni:35
〜65%,Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜
0.5%,残部はFeおよび不可避不純物よりなると共
に,円柱状のシャフト形状を有し,かつ,その外周面に
はセンサパターンを設けてなることを特徴とするトルク
センサ用センサシャフトがある。
【0017】上記化学成分組成の限定理由は上述した理
由と同様である。また,上記センサパターンとしては,
例えば上記センサシャフトの軸方向と±45度をなす角
度に螺旋状の凹凸或いは溝を構成することにより形成す
ることができる。
由と同様である。また,上記センサパターンとしては,
例えば上記センサシャフトの軸方向と±45度をなす角
度に螺旋状の凹凸或いは溝を構成することにより形成す
ることができる。
【0018】本発明のセンサシャフトは,上記のごと
く,その材料として上記優れた磁歪材料を用い,これに
上記センサパターンを設けてある。そのため,このセン
サシャフトをトルクセンサ装置に用いた場合には,上記
の優れた磁歪特性が発揮され,上記センサパターンから
高出力の検出出力を得ることができ,非常に高感度のト
ルクセンサ装置を構成することができる。
く,その材料として上記優れた磁歪材料を用い,これに
上記センサパターンを設けてある。そのため,このセン
サシャフトをトルクセンサ装置に用いた場合には,上記
の優れた磁歪特性が発揮され,上記センサパターンから
高出力の検出出力を得ることができ,非常に高感度のト
ルクセンサ装置を構成することができる。
【0019】また,請求項4の発明のように,上記セン
サシャフトの平均結晶粒径は5〜100μmであること
が好ましい。この場合の結晶サイズの限定理由も上記と
同様である。また,上記と同様に,5〜25μmの範囲
がより好ましい。
サシャフトの平均結晶粒径は5〜100μmであること
が好ましい。この場合の結晶サイズの限定理由も上記と
同様である。また,上記と同様に,5〜25μmの範囲
がより好ましい。
【0020】次に,上記優れたセンサシャフトを作製す
る方法としては,次の発明がある。即ち,請求項5の発
明のように,重量比において,Ni:35〜65%,A
l:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5%,残部
はFeおよび不可避不純物となるよう組成を調整して真
空溶解すると共に鋳塊を作製し,次いで,該鋳塊をソー
キングした後熱間加工を行って丸棒を作製し,次いで,
該丸棒の平均結晶粒径が5〜25μmとなるように該丸
棒に冷間加工を施すと共に熱処理を加え,その後,上記
丸棒にセンサパターンを形成することを特徴とするトル
クセンサ用センサシャフトの製造方法がある。
る方法としては,次の発明がある。即ち,請求項5の発
明のように,重量比において,Ni:35〜65%,A
l:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5%,残部
はFeおよび不可避不純物となるよう組成を調整して真
空溶解すると共に鋳塊を作製し,次いで,該鋳塊をソー
キングした後熱間加工を行って丸棒を作製し,次いで,
該丸棒の平均結晶粒径が5〜25μmとなるように該丸
棒に冷間加工を施すと共に熱処理を加え,その後,上記
丸棒にセンサパターンを形成することを特徴とするトル
クセンサ用センサシャフトの製造方法がある。
【0021】上記化学成分組成の限定理由は上述した理
由と同様である。また上記真空溶解は,真空雰囲気下に
おいて行う金属の溶解処理をいう。ここでいう真空雰囲
気とは,圧力が10-2Torr以下の真空状態をいう。
また,この真空溶解方法としては,例えば,高周波溶
解,アーク溶解等がある。
由と同様である。また上記真空溶解は,真空雰囲気下に
おいて行う金属の溶解処理をいう。ここでいう真空雰囲
気とは,圧力が10-2Torr以下の真空状態をいう。
また,この真空溶解方法としては,例えば,高周波溶
解,アーク溶解等がある。
【0022】また上記鋳塊のソーキングは,1000〜
1200℃の温度範囲において行うことが好ましい。こ
の温度範囲内におけるソーキング処理により,鋳塊の組
織を均質化することができる。一方,上記温度範囲を外
れる場合には,その均質化効果が少ないという問題があ
る。また上記熱間加工としては,例えば熱間鍛造,熱間
圧延,等の種々の熱間加工方法を適用することができ
る。このうち,特に熱間鍛造が好ましい。センサシャフ
ト用の丸棒を容易かつ,精度よく作製することができ
る。
1200℃の温度範囲において行うことが好ましい。こ
の温度範囲内におけるソーキング処理により,鋳塊の組
織を均質化することができる。一方,上記温度範囲を外
れる場合には,その均質化効果が少ないという問題があ
る。また上記熱間加工としては,例えば熱間鍛造,熱間
圧延,等の種々の熱間加工方法を適用することができ
る。このうち,特に熱間鍛造が好ましい。センサシャフ
ト用の丸棒を容易かつ,精度よく作製することができ
る。
【0023】また上記冷間加工及び熱処理は,上記丸棒
の結晶粒径を微細化させるように行う。即ち,結晶を冷
間加工により加工方向に延伸させ,これを再結晶させ
る。このときの冷間加工は,再結晶後の平均結晶粒径が
5〜25μmとなるように断面減少率10〜60%の加
工度で行う。また上記熱処理としては,特に700〜9
00℃の温度で行うことが好ましい。700℃未満の場
合には再結晶が十分に進まないという問題があり,一
方,900℃を超える場合には結晶粒の成長を招くとい
う問題がある。
の結晶粒径を微細化させるように行う。即ち,結晶を冷
間加工により加工方向に延伸させ,これを再結晶させ
る。このときの冷間加工は,再結晶後の平均結晶粒径が
5〜25μmとなるように断面減少率10〜60%の加
工度で行う。また上記熱処理としては,特に700〜9
00℃の温度で行うことが好ましい。700℃未満の場
合には再結晶が十分に進まないという問題があり,一
方,900℃を超える場合には結晶粒の成長を招くとい
う問題がある。
【0024】また,上記熱処理までの一連の処理が完了
した後,得られた丸棒の外周面にセンサパターンを形成
する。この形成方法としては,後述する種々の方法を用
いることができる。これにより,トルクセンサ用のセン
サシャフトが得られる。
した後,得られた丸棒の外周面にセンサパターンを形成
する。この形成方法としては,後述する種々の方法を用
いることができる。これにより,トルクセンサ用のセン
サシャフトが得られる。
【0025】そして,本製造方法により得られたセンサ
シャフトは,上記の特定の化学成分組成を有したもので
ある。そのため,上述したごとく,非常に高感度のセン
サ出力を得ることができる。さらに,本発明においては
上記冷間加工及び熱処理を行っているため,平均結晶粒
を5〜25μmに微細化することができる。これによ
り,非常に安定したセンサ出力を得ることができる。
シャフトは,上記の特定の化学成分組成を有したもので
ある。そのため,上述したごとく,非常に高感度のセン
サ出力を得ることができる。さらに,本発明においては
上記冷間加工及び熱処理を行っているため,平均結晶粒
を5〜25μmに微細化することができる。これによ
り,非常に安定したセンサ出力を得ることができる。
【0026】次に,請求項6の発明のように,上記冷間
加工は断面減少率が10%以上となるように行うことが
好ましい。これにより,上記平均結晶粒径の制御を容易
に行うことができる。なお,上記冷間加工の断面減少率
の上限は,加工硬化が著しく加工が困難になるという理
由により60%であることが好ましい。なお,冷間加工
法としては,スエージング加工,圧延加工,引抜加工等
がある。
加工は断面減少率が10%以上となるように行うことが
好ましい。これにより,上記平均結晶粒径の制御を容易
に行うことができる。なお,上記冷間加工の断面減少率
の上限は,加工硬化が著しく加工が困難になるという理
由により60%であることが好ましい。なお,冷間加工
法としては,スエージング加工,圧延加工,引抜加工等
がある。
【0027】また,請求項7の発明のように,上記セン
サパターンの形成は切削加工により行うことが好まし
い。これにより,非常に精度よくセンサパターンを設け
ることができる。
サパターンの形成は切削加工により行うことが好まし
い。これにより,非常に精度よくセンサパターンを設け
ることができる。
【0028】また,請求項8の発明のように,上記セン
サパターンの形成は転造加工により行うこともできる。
この場合には非常に高効率の加工によりセンサパターン
を形成することができる。また,この転造加工を行う場
合には,必ずその後に歪み取り焼鈍を行うことが好まし
い。これにより転造加工により生じた内部歪みを除去す
ることができ,経時的な変形を防止することができる。
なお,この場合の歪み取り焼鈍は,例えば150〜25
0℃の温度において行うことができる。
サパターンの形成は転造加工により行うこともできる。
この場合には非常に高効率の加工によりセンサパターン
を形成することができる。また,この転造加工を行う場
合には,必ずその後に歪み取り焼鈍を行うことが好まし
い。これにより転造加工により生じた内部歪みを除去す
ることができ,経時的な変形を防止することができる。
なお,この場合の歪み取り焼鈍は,例えば150〜25
0℃の温度において行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるトルクセンサ用高感度磁歪
材料及びその製造方法につき,表1を用いて説明する。
本例の磁歪材料は,重量比において,Ni:35〜65
%,Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5
%,残部はFeおよび不可避不純物よりなる材料であ
る。本例においては,上記組成範囲内の本発明品を6種
類(試料No.E1〜E6)作製すると共に,上記組成
範囲外の比較品を2種類(試料No.C7,C8)準備
し,磁気特性の評価を行った。
材料及びその製造方法につき,表1を用いて説明する。
本例の磁歪材料は,重量比において,Ni:35〜65
%,Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5
%,残部はFeおよび不可避不純物よりなる材料であ
る。本例においては,上記組成範囲内の本発明品を6種
類(試料No.E1〜E6)作製すると共に,上記組成
範囲外の比較品を2種類(試料No.C7,C8)準備
し,磁気特性の評価を行った。
【0030】まず,各試料の成分組成については,表1
に示す。比較品C7はBが添加されていないFe−Ni
−Al系合金である。また,比較品C8は機械構造用鋼
SNCM815を850℃より空冷し180℃において
焼き戻したマッシブマルテンサイト組織を有する材料で
あり,ビッカース硬さは約Hv400である。
に示す。比較品C7はBが添加されていないFe−Ni
−Al系合金である。また,比較品C8は機械構造用鋼
SNCM815を850℃より空冷し180℃において
焼き戻したマッシブマルテンサイト組織を有する材料で
あり,ビッカース硬さは約Hv400である。
【0031】次に,各試料(E1〜E6,C7)の製造
手順について説明する。まず,各試料の所定の組成(表
1)になるよう純金属を配合して高周波真空溶解炉にお
いて溶解し,重さ3kg,外径50mmの鋳塊(インゴ
ット)を作製した。
手順について説明する。まず,各試料の所定の組成(表
1)になるよう純金属を配合して高周波真空溶解炉にお
いて溶解し,重さ3kg,外径50mmの鋳塊(インゴ
ット)を作製した。
【0032】次いで,上記インゴットを温度1100℃
において24時間真空中でソーキングした。その後,再
び温度1100℃に再加熱して熱間鍛造を行い,外径2
0mmの丸棒を作製した。得られた丸棒は,それぞれ表
1に示すごとき組成を有しており,これらをそれぞれ試
料E1〜E6,C7とした。また,試料C8としては,
機械構造用鋼(SNCM815)を850℃より空冷し
180℃において焼き戻して得られた外径20mmの丸
棒を別途準備した。
において24時間真空中でソーキングした。その後,再
び温度1100℃に再加熱して熱間鍛造を行い,外径2
0mmの丸棒を作製した。得られた丸棒は,それぞれ表
1に示すごとき組成を有しており,これらをそれぞれ試
料E1〜E6,C7とした。また,試料C8としては,
機械構造用鋼(SNCM815)を850℃より空冷し
180℃において焼き戻して得られた外径20mmの丸
棒を別途準備した。
【0033】次に,上記各丸棒を試験用の試料とするた
め,該丸棒に切削加工を施して外径18mm,内径12
mm,軸方向の長さ5mmのリング状試料を作製した。
そして,本例においては,上記各試料の磁気特性を測定
した。測定項目は,初透磁率,最大透磁率,保磁力,残
留磁束密度,及び100(Oe)での磁束密度である。
め,該丸棒に切削加工を施して外径18mm,内径12
mm,軸方向の長さ5mmのリング状試料を作製した。
そして,本例においては,上記各試料の磁気特性を測定
した。測定項目は,初透磁率,最大透磁率,保磁力,残
留磁束密度,及び100(Oe)での磁束密度である。
【0034】これらの磁気特性を求めるために,直径
0.3mmのエナメル銅線を用い,励磁コイルと検出コ
イルとして各々120ターンをトロイダルに巻線した試
料を用いて,直流自記磁束計により直流磁気磁束計によ
り上記各磁気特性を求めた。
0.3mmのエナメル銅線を用い,励磁コイルと検出コ
イルとして各々120ターンをトロイダルに巻線した試
料を用いて,直流自記磁束計により直流磁気磁束計によ
り上記各磁気特性を求めた。
【0035】また,各試料の磁歪定数についても求め
た。この磁歪定数の測定は,上記丸棒から外径20m
m,厚さ4mmの円盤状試料をそれぞれ作製し,これを
用いて求めた。即ち,各円盤状試料の表面に抗磁性歪ゲ
ージ(共和電業製:KFN−2−350)を接着し,1
0(kOe)の磁場中において,磁場と平行方向の歪
(λp)と直角方向の歪(λr)を求め,次式を用いて
磁歪定数(λs)を算出した。 λs=(2/3)・(λp−λr)
た。この磁歪定数の測定は,上記丸棒から外径20m
m,厚さ4mmの円盤状試料をそれぞれ作製し,これを
用いて求めた。即ち,各円盤状試料の表面に抗磁性歪ゲ
ージ(共和電業製:KFN−2−350)を接着し,1
0(kOe)の磁場中において,磁場と平行方向の歪
(λp)と直角方向の歪(λr)を求め,次式を用いて
磁歪定数(λs)を算出した。 λs=(2/3)・(λp−λr)
【0036】また,各試料について,光学顕微鏡を用い
て100〜400倍にて観察し,平均結晶粒径を求め
た。その結果を表1に示した。
て100〜400倍にて観察し,平均結晶粒径を求め
た。その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1より知られるごとく,本発明品(E1
〜E6)は全ての評価項目において非常に優れた結果を
示した。また,本発明品(E1〜E6)は,結晶粒径が
100μm以下の面心立方構造であった。一方,比較品
C7は,Bが添加されていないため平均粒径が200μ
mという大きな粒径の組織となった。また,比較品C8
は,初透磁率及び最大透磁率が低く,保磁力が大きく,
磁気特性があまり良くない結果となった。
〜E6)は全ての評価項目において非常に優れた結果を
示した。また,本発明品(E1〜E6)は,結晶粒径が
100μm以下の面心立方構造であった。一方,比較品
C7は,Bが添加されていないため平均粒径が200μ
mという大きな粒径の組織となった。また,比較品C8
は,初透磁率及び最大透磁率が低く,保磁力が大きく,
磁気特性があまり良くない結果となった。
【0039】実施形態例2 本例においては,図1に示すごとく,実施形態例1と同
様にして熱間鍛造まで行った丸棒(E1〜E6,C
7),及び別途準備した丸棒(C8)を用いてセンサシ
ャフト10を作製し,これをトルクセンサ装置1に組み
込んでその性能を評価した。
様にして熱間鍛造まで行った丸棒(E1〜E6,C
7),及び別途準備した丸棒(C8)を用いてセンサシ
ャフト10を作製し,これをトルクセンサ装置1に組み
込んでその性能を評価した。
【0040】まず,本例のセンサシャフト10の製造方
法について説明する。センサシャフト10は,実施形態
例1と同様の製造方法により得られた熱間鍛造品等であ
る丸棒(E1〜E6,C7,C8)を,温度1100℃
により焼鈍し,これを切削加工して外径17mmのセン
サシャフト10に加工した。なお,本例においてはセン
サシャフト10に冷間加工は施さなかった(冷間加工に
よる効果は実施形態例3において示す)。
法について説明する。センサシャフト10は,実施形態
例1と同様の製造方法により得られた熱間鍛造品等であ
る丸棒(E1〜E6,C7,C8)を,温度1100℃
により焼鈍し,これを切削加工して外径17mmのセン
サシャフト10に加工した。なお,本例においてはセン
サシャフト10に冷間加工は施さなかった(冷間加工に
よる効果は実施形態例3において示す)。
【0041】また図1に示すごとく,センサシャフト1
0の中央部には,センサパターンとして,互いに対称の
シェプロンパターン15を切削加工により2箇所に設け
た。同図における右側のシェプロンパターン15は,右
斜め下45度方向に傾斜した12本の溝150より構成
してある。また,同図の左側のシェプロンパターン15
は,左斜め下45度方向に傾斜した12本の溝より構成
してある。また,各溝は,幅1.5mm,深さ0.8m
mに仕上げた。
0の中央部には,センサパターンとして,互いに対称の
シェプロンパターン15を切削加工により2箇所に設け
た。同図における右側のシェプロンパターン15は,右
斜め下45度方向に傾斜した12本の溝150より構成
してある。また,同図の左側のシェプロンパターン15
は,左斜め下45度方向に傾斜した12本の溝より構成
してある。また,各溝は,幅1.5mm,深さ0.8m
mに仕上げた。
【0042】次に,図1に示すごとく,上記センサシャ
フト10をベアリング4を介してハウジング5に回転可
能に保持させると共に,コイル群2をハウジング5内に
配設してトルクセンサ装置1を構成した。コイル群2
は,図1に示すごとく,ボビン20に巻線された2組の
励磁コイル21,22と2組の検出コイル23,24と
よりなる。
フト10をベアリング4を介してハウジング5に回転可
能に保持させると共に,コイル群2をハウジング5内に
配設してトルクセンサ装置1を構成した。コイル群2
は,図1に示すごとく,ボビン20に巻線された2組の
励磁コイル21,22と2組の検出コイル23,24と
よりなる。
【0043】ボビン20は軸方向前後に一対のコイル溝
を有しており,両コイル溝の上部(外径側部)には励磁
コイル21,22を,下部(内径側部)には検出コイル
23,24をそれぞれ個別に巻線してなる。励磁コイル
21,22の巻線のターン数はいずれも60ターンであ
り,一方,検出コイル23,24の巻線のターン数はい
ずれも180ターンである。また,このボビン20は,
図1に示すごとく,ハウジング5に保持させると共に,
上記センサシャフト10のシェプロンパターン15に対
面させて非接触状態で配設してある。
を有しており,両コイル溝の上部(外径側部)には励磁
コイル21,22を,下部(内径側部)には検出コイル
23,24をそれぞれ個別に巻線してなる。励磁コイル
21,22の巻線のターン数はいずれも60ターンであ
り,一方,検出コイル23,24の巻線のターン数はい
ずれも180ターンである。また,このボビン20は,
図1に示すごとく,ハウジング5に保持させると共に,
上記センサシャフト10のシェプロンパターン15に対
面させて非接触状態で配設してある。
【0044】また,図1に示すごとく,コイル群2の各
コイル21〜24は,内部リード線63を介して回路基
板6に配設されている。さらに回路基板6は外部の計測
器にリード線65により電気的に接続されている。次
に,図2には,本例のトルクセンサ装置1の検出回路7
の構成を示す。
コイル21〜24は,内部リード線63を介して回路基
板6に配設されている。さらに回路基板6は外部の計測
器にリード線65により電気的に接続されている。次
に,図2には,本例のトルクセンサ装置1の検出回路7
の構成を示す。
【0045】検出回路7は,同図に示すごとく,検出コ
イル23,24にそれぞれ接続された検波器71,72
と,これらに接続された電圧増幅器73,74と,更に
該電圧増幅器73,74に接続された差動増幅器75と
よりなる。そして,所定周波数の正弦波交流電圧が直列
に接続された励磁コイル21,22に印加されると,セ
ンサシャフト10のトルクに応じて各シェプロンパター
ン15が交流磁界を変調する。
イル23,24にそれぞれ接続された検波器71,72
と,これらに接続された電圧増幅器73,74と,更に
該電圧増幅器73,74に接続された差動増幅器75と
よりなる。そして,所定周波数の正弦波交流電圧が直列
に接続された励磁コイル21,22に印加されると,セ
ンサシャフト10のトルクに応じて各シェプロンパター
ン15が交流磁界を変調する。
【0046】これにより両検出コイル23,24に誘導
される信号電圧が逆方向に変化するので,両検出コイル
23,24の信号電圧をそれぞれ検波器71,72によ
り検波し,次いで電圧増幅器73,74により増幅し,
両信号電圧の差を差動増幅器75により求める。この両
信号電圧の差がセンサシャフト10に負荷されたトルク
に比例した値となるため,容易に上記トルクを求めるこ
とができる。
される信号電圧が逆方向に変化するので,両検出コイル
23,24の信号電圧をそれぞれ検波器71,72によ
り検波し,次いで電圧増幅器73,74により増幅し,
両信号電圧の差を差動増幅器75により求める。この両
信号電圧の差がセンサシャフト10に負荷されたトルク
に比例した値となるため,容易に上記トルクを求めるこ
とができる。
【0047】本例においては,このような構成のトルク
センサ装置1を用いて実際に検出コイル23,24の出
力を求めた。具体的には,測定周波数50kHz,励磁
電流20mAにより励磁コイル21,22を励磁しなが
ら,センサシャフト10にトルクを負荷した。そして,
上記検出回路7から出力,感度,ヒステリシスを求め
た。その結果を表2に示す。
センサ装置1を用いて実際に検出コイル23,24の出
力を求めた。具体的には,測定周波数50kHz,励磁
電流20mAにより励磁コイル21,22を励磁しなが
ら,センサシャフト10にトルクを負荷した。そして,
上記検出回路7から出力,感度,ヒステリシスを求め
た。その結果を表2に示す。
【0048】ここで,上記出力は単位トルク当たりのセ
ンサ出力であり,上記感度は(7Nmのトルク印加によ
る出力の変動電圧)/(トルクを印加しない時の変動電
圧)により求めたものである。また上記ヒステリシスは
(±7Nmトルク印加前後におけるトルクゼロでの変動
電圧)/(±7Nmトルク印加時のセンサ出力)により
求めたものである。
ンサ出力であり,上記感度は(7Nmのトルク印加によ
る出力の変動電圧)/(トルクを印加しない時の変動電
圧)により求めたものである。また上記ヒステリシスは
(±7Nmトルク印加前後におけるトルクゼロでの変動
電圧)/(±7Nmトルク印加時のセンサ出力)により
求めたものである。
【0049】
【表2】
【0050】また,図3には,参考のため,上記センサ
シャフト10として試料No.E1の本発明品を用いた
場合を例にとって図示した。同図は,横軸にはセンサシ
ャフト10(E1)に印加したトルクを,左縦軸には各
検出コイル23,24の振幅(Vrms)を,右縦軸に
はセンサ出力感度(mV)を示した。そして,検出コイ
ル23の振幅をA,検出コイル24の振幅をB,センサ
出力感度をCにより示した。
シャフト10として試料No.E1の本発明品を用いた
場合を例にとって図示した。同図は,横軸にはセンサシ
ャフト10(E1)に印加したトルクを,左縦軸には各
検出コイル23,24の振幅(Vrms)を,右縦軸に
はセンサ出力感度(mV)を示した。そして,検出コイ
ル23の振幅をA,検出コイル24の振幅をB,センサ
出力感度をCにより示した。
【0051】表2より知られるごとく,本発明品(E1
〜E6)については,1mV/Nm以上という高いセン
サ出力と,2%以下という優れたヒステリシス特性が得
られた。このことは,本発明品(E1〜E6)は,トル
クと出力との関係がほとんどヒステリシスを示すことな
く,高感度でトルクを検出することができるということ
を意味している。
〜E6)については,1mV/Nm以上という高いセン
サ出力と,2%以下という優れたヒステリシス特性が得
られた。このことは,本発明品(E1〜E6)は,トル
クと出力との関係がほとんどヒステリシスを示すことな
く,高感度でトルクを検出することができるということ
を意味している。
【0052】一方,比較品C7は,ヒステリシスが大き
く実用的には使いこなすことが困難である。また,比較
品C8は出力が小さいため,たとえ電気回路においてア
ンプで増幅しても,精度の点で本発明品(E1〜E6)
よりも劣ってしまうという結果となった。
く実用的には使いこなすことが困難である。また,比較
品C8は出力が小さいため,たとえ電気回路においてア
ンプで増幅しても,精度の点で本発明品(E1〜E6)
よりも劣ってしまうという結果となった。
【0053】以上のように,本例においては,上記特定
の組成範囲を有する磁歪材料を用いたセンサシャフト
(E1〜E6)を適用することにより,非常に高感度で
精度の高いトルクセンサ装置を実現することができると
いうことが分かる。
の組成範囲を有する磁歪材料を用いたセンサシャフト
(E1〜E6)を適用することにより,非常に高感度で
精度の高いトルクセンサ装置を実現することができると
いうことが分かる。
【0054】実施形態例3 本例においては,実施形態例2のセンサシャフト10の
製造方法において,熱間鍛造後に結晶粒微細化のための
冷間加工及び熱処理を追加する効果を評価した。この評
価に当たっては,上記試料No.E2(表1)の磁歪材
料を用いた。そして,まず実施形態例1と同様にして熱
間鍛造まで行って外径20mmの丸棒を得た。
製造方法において,熱間鍛造後に結晶粒微細化のための
冷間加工及び熱処理を追加する効果を評価した。この評
価に当たっては,上記試料No.E2(表1)の磁歪材
料を用いた。そして,まず実施形態例1と同様にして熱
間鍛造まで行って外径20mmの丸棒を得た。
【0055】次いで,冷間加工として,室温において上
記丸棒にスエージング加工を施して外径を縮径加工し
た。ここで,冷間加工度による影響を把握するため,上
記丸棒に対して全くスエージング加工を施さなかった丸
棒(試料No.E2a)と,断面減少率19%となる外
径18mmまでスエージング加工をした丸棒(試料N
o.E2b)と,断面減少率36%となる外径16mm
までスエージング加工した丸棒(試料No.E2c)を
作製した。
記丸棒にスエージング加工を施して外径を縮径加工し
た。ここで,冷間加工度による影響を把握するため,上
記丸棒に対して全くスエージング加工を施さなかった丸
棒(試料No.E2a)と,断面減少率19%となる外
径18mmまでスエージング加工をした丸棒(試料N
o.E2b)と,断面減少率36%となる外径16mm
までスエージング加工した丸棒(試料No.E2c)を
作製した。
【0056】次いで,上記スエージング加工を施した丸
棒(E2b,E2c)に対しては,温度750℃の熱処
理を加えた。次いで,上記3種類の丸棒(E2a,E2
b,E2c)の結晶粒の大きさを光学顕微鏡により観察
した。その結果を表3に示す。
棒(E2b,E2c)に対しては,温度750℃の熱処
理を加えた。次いで,上記3種類の丸棒(E2a,E2
b,E2c)の結晶粒の大きさを光学顕微鏡により観察
した。その結果を表3に示す。
【0057】表3より知られるごとく,冷間加工(スエ
ージング加工)を行った丸棒(E2b,E2c)につい
ては,15μm以下という非常に小さい粒径となってい
た。また,E2bとE2cとの比較から,冷間加工度
(断面減少率)が高いほど平均結晶粒径の微細化に有効
であることが分かる。
ージング加工)を行った丸棒(E2b,E2c)につい
ては,15μm以下という非常に小さい粒径となってい
た。また,E2bとE2cとの比較から,冷間加工度
(断面減少率)が高いほど平均結晶粒径の微細化に有効
であることが分かる。
【0058】
【表3】
【0059】次に,本例においては,断面減少率19%
の丸棒(E2b)を用いて,実施形態例2と同様にシェ
プロンパターン15を有するセンサシャフト10を作製
した。そして,これを用いて上記と同様のトルクセンサ
装置1を構成し,各トルクセンサ特性を測定した。測定
方法は実施形態例2と同様である。測定結果を表4に示
す。なお,表4には,参考のために,上述した試料N
o.E2の測定結果も併記した。
の丸棒(E2b)を用いて,実施形態例2と同様にシェ
プロンパターン15を有するセンサシャフト10を作製
した。そして,これを用いて上記と同様のトルクセンサ
装置1を構成し,各トルクセンサ特性を測定した。測定
方法は実施形態例2と同様である。測定結果を表4に示
す。なお,表4には,参考のために,上述した試料N
o.E2の測定結果も併記した。
【0060】
【表4】
【0061】表4より知られるごとく,上記冷間加工を
加えて作製したセンサシャフト(E2b)は,冷間加工
を加えなかったもの(E2)よりも,出力,感度,ヒス
テリシスの全てにおいてより一層優れた特性を示した。
上記ヒステリシスが向上した理由は,結晶粒が小さいほ
ど,多くの結晶粒から情報が得られ,平均化された安定
した出力値が検出されるからであると考えられる。ま
た,上記出力が向上した理由は,上記冷間加工後の熱処
理により再結晶させた効果が発揮されたと推定される。
加えて作製したセンサシャフト(E2b)は,冷間加工
を加えなかったもの(E2)よりも,出力,感度,ヒス
テリシスの全てにおいてより一層優れた特性を示した。
上記ヒステリシスが向上した理由は,結晶粒が小さいほ
ど,多くの結晶粒から情報が得られ,平均化された安定
した出力値が検出されるからであると考えられる。ま
た,上記出力が向上した理由は,上記冷間加工後の熱処
理により再結晶させた効果が発揮されたと推定される。
【0062】以上の結果から,センサシャフト10の作
製において少なくとも10%以上の断面減少率の冷間加
工及び上記熱処理を加えることが,上記各性能の向上に
非常に有効であることが分かる。
製において少なくとも10%以上の断面減少率の冷間加
工及び上記熱処理を加えることが,上記各性能の向上に
非常に有効であることが分かる。
【0063】なお,上記実施形態例2,3においては,
センサシャフト10のシェプロンパターン(センサパタ
ーン)15の形成を切削加工により行ったが,これを転
造加工により行っても同様の効果が得られる。ただし,
この場合には,内部応力を除去するためにシェプロンパ
ターン15の形成後に歪み取り焼鈍を行うことが好まし
い。
センサシャフト10のシェプロンパターン(センサパタ
ーン)15の形成を切削加工により行ったが,これを転
造加工により行っても同様の効果が得られる。ただし,
この場合には,内部応力を除去するためにシェプロンパ
ターン15の形成後に歪み取り焼鈍を行うことが好まし
い。
【0064】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,従来よ
りも高感度のトルクセンサ用磁歪材料,並びにこれを用
いたセンサシャフト及びその製造方法を提供することが
できる。
りも高感度のトルクセンサ用磁歪材料,並びにこれを用
いたセンサシャフト及びその製造方法を提供することが
できる。
【図1】実施形態例2における,トルクセンサ装置の構
成を示す説明図。
成を示す説明図。
【図2】実施形態例2における,トルクセンサ装置の検
出回路を示す説明図。
出回路を示す説明図。
【図3】実施例2における,試料No.E1の検出コイ
ルの振幅とセンサ出力感度を示す説明図。
ルの振幅とセンサ出力感度を示す説明図。
1...トルクセンサ装置, 10...センサシャフト, 15...シェプロンパターン(センサパターン), 21,22...励磁コイル, 23,24...検出コイル,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊東 厚直 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 丸山 宏太 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 草野 敏邦 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 加藤 義雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 服部 毅 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】 重量比において,Ni:35〜65%,
Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5%,残
部はFeおよび不可避不純物よりなることを特徴とする
トルクセンサ用高感度磁歪材料。 - 【請求項2】 請求項1において,上記磁歪材料の平均
結晶粒径は5〜100μmであることを特徴とするトル
クセンサ用高感度磁歪材料。 - 【請求項3】 トルクセンサ用のセンサシャフトにおい
て,該センサシャフトは,重量比において,Ni:35
〜65%,Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜
0.5%,残部はFeおよび不可避不純物よりなると共
に,円柱状のシャフト形状を有し,かつ,その外周面に
はセンサパターンを設けてなることを特徴とするトルク
センサ用センサシャフト。 - 【請求項4】 請求項3において,上記センサシャフト
の平均結晶粒径は5〜100μmであることを特徴とす
るトルクセンサ用センサシャフト。 - 【請求項5】 重量比において,Ni:35〜65%,
Al:0.5〜7.5%,B:0.05〜0.5%,残
部はFeおよび不可避不純物となるよう組成を調整して
真空溶解すると共に鋳塊を作製し,次いで,該鋳塊をソ
ーキングした後熱間加工を行って丸棒を作製し,次い
で,該丸棒の平均結晶粒径が5〜25μmとなるように
該丸棒に冷間加工を施すと共に熱処理を加え,その後,
上記丸棒にセンサパターンを形成することを特徴とする
トルクセンサ用センサシャフトの製造方法。 - 【請求項6】 請求項5において,上記冷間加工は断面
減少率が10%以上となるように行うことを特徴とする
トルクセンサ用センサシャフトの製造方法。 - 【請求項7】 請求項5又は6において,上記センサパ
ターンの形成は切削加工により行うことを特徴とするト
ルクセンサ用センサシャフトの製造方法。 - 【請求項8】 請求項5又は6において,上記センサパ
ターンの形成は転造加工により行い,かつ,該センサパ
ターンの形成後には歪み取り焼鈍を行うことを特徴とす
るトルクセンサ用センサシャフトの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36412997A JPH11183278A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | トルクセンサ用高感度磁歪材料,並びにセンサシャフト及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36412997A JPH11183278A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | トルクセンサ用高感度磁歪材料,並びにセンサシャフト及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11183278A true JPH11183278A (ja) | 1999-07-09 |
Family
ID=18481045
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP36412997A Pending JPH11183278A (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | トルクセンサ用高感度磁歪材料,並びにセンサシャフト及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11183278A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001252866A (ja) * | 2000-03-07 | 2001-09-18 | Mitsubishi Materials Corp | 研磨装置 |
| WO2015083821A1 (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-11 | 国立大学法人弘前大学 | 磁歪材料の製造方法および磁歪量増加方法 |
| EP3287757A1 (en) * | 2016-08-26 | 2018-02-28 | General Electric Company | System and method for measuring torque on a rotating component |
-
1997
- 1997-12-16 JP JP36412997A patent/JPH11183278A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001252866A (ja) * | 2000-03-07 | 2001-09-18 | Mitsubishi Materials Corp | 研磨装置 |
| WO2015083821A1 (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-11 | 国立大学法人弘前大学 | 磁歪材料の製造方法および磁歪量増加方法 |
| CN106164321A (zh) * | 2013-12-06 | 2016-11-23 | 国立大学法人弘前大学 | 磁致伸缩材料的制造方法及磁致伸缩量增加方法 |
| EP3287757A1 (en) * | 2016-08-26 | 2018-02-28 | General Electric Company | System and method for measuring torque on a rotating component |
| US10267693B2 (en) | 2016-08-26 | 2019-04-23 | General Electric Company | System and method for measuring torque on a rotating component |
| US11193839B2 (en) | 2016-08-26 | 2021-12-07 | Baker Hughes, A Ge Company, Llc | System and method for sensing an electromagnetic charateristic of a component having a residually magnetized region |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4823617A (en) | Torque sensor | |
| EP1181516A1 (en) | Magnetoelastic load cell | |
| US4840073A (en) | Torque detecting device | |
| JPH09228007A (ja) | 高強度磁歪合金、センサーコアおよびそれを用いた荷重センサー | |
| JPH11183278A (ja) | トルクセンサ用高感度磁歪材料,並びにセンサシャフト及びその製造方法 | |
| JP2002294408A (ja) | 鉄系制振合金およびその製造方法 | |
| SE529789C2 (sv) | Mätanordning omfattande ett skikt av en magnetoelastisk legering och förfarande för tillverkning av mätanordningen | |
| JP2000241264A (ja) | トルクセンサ用磁歪素子及びその製造方法 | |
| JPH0324251A (ja) | 鉄と珪素とアルミニウムとを含む熱間圧延鋼帯から得られる磁心鋼板 | |
| JPH11181556A (ja) | トルクセンサ用高強度高感度磁歪材料、並びにセンサシャフト及びその製造方法 | |
| JP2010275590A (ja) | ひずみゲージ用のFe−Ni−Cr系アイソエラスティック組成物、及び、該組成物を用いて製造されるひずみゲージ | |
| JP2002340701A (ja) | 磁歪式トルクセンサ軸の製造方法 | |
| JP2592491B2 (ja) | トルクセンサ用被測定軸の熱処理方法 | |
| JP2004053434A (ja) | 磁歪式トルクセンサシャフトの製造方法 | |
| JP3038441B2 (ja) | 大バルクハウゼン効果を有する合金材料及びそれを用いた磁性線パルサ用合金線材の製造方法 | |
| JPS6320031B2 (ja) | ||
| JPH05214493A (ja) | ストレインゲージ用Fe−Cr−Al基合金およびその製造方法ならびにセンサデバイス | |
| JP2004083937A (ja) | 高耐力ステンレス鋼およびその製造方法 | |
| JP2697842B2 (ja) | トルクセンサ | |
| JP3275387B2 (ja) | 金属薄帯の加工方法 | |
| JPH0862063A (ja) | 磁歪式歪センサ | |
| JP2624672B2 (ja) | トルク検出装置 | |
| JP2003344186A (ja) | 磁歪式トルクセンサの製造方法 | |
| EP1327694A1 (en) | Electric resistance element and raw material for the same and method for preparing the same | |
| JPS6381993A (ja) | トルクセンサ |