JPH11189781A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JPH11189781A
JPH11189781A JP6761298A JP6761298A JPH11189781A JP H11189781 A JPH11189781 A JP H11189781A JP 6761298 A JP6761298 A JP 6761298A JP 6761298 A JP6761298 A JP 6761298A JP H11189781 A JPH11189781 A JP H11189781A
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JP
Japan
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weight
parts
lubricating oil
lubricating
hydrocarbon groups
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JP6761298A
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Yuji Shidara
裕治 設楽
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Eneos Corp
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Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水素化精製度を下げた基油や、溶剤脱ろう基油
にZnDTPを添加した潤滑油であっても、熱・酸化劣
化によるスラッジが生じ難く、長寿命の潤滑油を提供す
る。 【解決手段】(a)鉱油および/または合成油からなる
潤滑油基油を100重量部、(b)炭化水素基を2個有
するジチオりん酸の亜鉛化合物を亜鉛重量として0.0
05〜0.3重量部、(c)リン系酸化防止剤を単独
で、或はリン系酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤
の両方を0.1〜3重量部、(d)分散剤を0.1〜2
重量部、及び(e)炭化水素基を3個有するチオホスフ
ェートを0.1〜2重量部含有する潤滑油を用いれば、
長期に渡ってスラッジの発生を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素基を有す
るジチオりん酸亜鉛を含んだ潤滑油組成物に係わり、特
には、熱・酸化安定性にすぐれ、長期に渡ってスラッジ
の発生を抑制可能な潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧作動油、変速機油などの潤滑油に
は、鉱油や合成油などの基油に、摩耗防止剤、酸化防止
剤等の添加剤を配合したものが使用されている。このよ
うな潤滑油は、長期間使用されるため、熱・酸化に対す
る耐久性が要求される。潤滑油が劣化すると、潤滑性の
低下による摩耗を引き起こすばかりでなく、スラッジが
発生し、油圧回路の閉塞に至る場合がある。特に、摩耗
防止に有効なジアルキルジチオりん酸亜鉛(ZnDT
P)を添加したものは、熱・酸化劣化によりスラッジが
発生しやすいため、このスラッジ発生防止対策が重要と
なる。
【0003】また、近年、油圧機器、変速機等の高性能
化、コンパクト化、高圧化等に伴い、潤滑油の体積当た
りの負荷が大きくなってきている。このことは、従来よ
りも高温・高圧で使用されることを意味し、潤滑油の使
用条件が厳しくなっている。このため、熱・酸化に対す
るより高い安定性が求められるようになってきた。
【0004】スラッジ発生の抑制には、フェノール系、
アミン系等の酸化防止剤を添加してZnDTPの熱酸化
分解を防止する方法と、金属系或は無灰系の分散剤を添
加し、スラッジ成分を補足して分散させる方法がある。
【0005】酸化防止剤としては、2,6−ジ−ter
t−ブチル−p−クレゾール(DBPC)が優れた性能
を有することが知られており、潤滑油などに多用されて
いる。また、特開昭60−156644号公報には、
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸エステルなどの立体障害ヒドロキシ
フェニルカルボン酸エステルが、潤滑油などの安定剤と
して有用であることが記載されている。さらに、特開平
8−157854号公報には、基油に3−メチル−5−
tert−ブチル−4−ヒドロキシプロピオン酸エステ
ル、3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ酢酸エステルなどの3−メチル−5−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフエニル基置換脂肪酸エステルを添
加した潤滑油組成物が開示されており、優れた酸化防止
性とスラツジ生成防止性を発揮すると共に、高温条件下
で長時間使用しても酸化防止性が低下し難いとしてい
る。
【0006】一方、分散剤を用いる方法であるが、特公
平4−32878号公報にはリン系極圧剤及び/又は硫
黄系極圧剤と、分散剤としてアルキルメタクリレートと
N−ビニルピロリドンの共重合体、アルキルメタクリレ
ートとモルホリノエチルメタクリレートの共重合体、エ
チレン、プロピレンとジエチルアミノエチルメタクリレ
ートの共重合体などを添加した潤滑油組成物が開示され
ている。また、特開平5−311187号公報には、Z
nDTPとサリチル酸のアルカリ土類金属塩を添加した
耐熱作動油組成物が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の酸
化防止剤、分散剤を添加する方法は、高度に水素化精製
した基油に対して、スラッジの発生防止に有効である。
しかし、コストダウンなどのために、水素化精製度を下
げた基油や、溶剤脱ろう基油に対してはその効果が不十
分な場合があった。しかも、酸化防止剤と、分散剤の両
方を添加してもスラッジ発生防止効果が弱い場合があっ
た。本発明は、この問題を解決するためのもので、水素
化精製度を下げた基油や、溶剤脱ろう基油にZnDTP
を添加した潤滑油であっても、熱・酸化劣化によるスラ
ッジが生じ難く、長寿命の潤滑油を提供しようとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題で
ある水素化精製度を下げた基油や、溶剤脱ろう基油を用
いた潤滑油のスラッジ発生を防止すべく、鋭意検討を進
めた結果、ZnDTP、酸化防止剤及び分散剤に加え
て、炭化水素基を3個有するチオホスフェートを添加す
ると、スラッジが発生し難く、長期に渡って安定に使用
できることを見出した。
【0009】すなわち、本発明による潤滑油組成物は、
(a)鉱油および/または合成油からなる潤滑油基油を
100重量部、(b)炭化水素基を2個有するジチオり
ん酸の亜鉛化合物を亜鉛重量として0.005〜0.3
重量部、(c)リン系酸化防止剤を単独で、或はリン系
酸化防止剤及びフェノール系酸化防止剤の両方を0.1
〜3重量部、(d)分散剤を0.1〜2重量部、及び
(e)炭化水素基を3個有するチオホスフェートを0.
1〜2重量部含有するものである。特に、水素化精製度
を下げた潤滑油基油や、溶剤脱ろう潤滑油基油を用いて
も、長期に渡ってスラッジの発生を防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いる潤滑油基油は、公
知の鉱油および/または合成油を用いることができる。
例えば、公知の方法により、原油を原料として製造され
たニュートラル油や、ブライトストック、常圧蒸留留出
油をフルフラールなどの溶剤で抽出処理し、得られたラ
フィネートをメチルエチルケトンなどの溶剤で脱ろう処
理したもの、それをさらに高圧下にて水素精製して硫黄
分などの不純物を除去したもの、などを挙げることがで
きる。本発明においては、特に、水素化精製度を下げた
潤滑油基油や、溶剤脱ろう潤滑油基油であっても、長期
に渡って安定に使用できるため、このような基油であっ
ても問題なく使用できる。また、合成油としては、ポリ
−α−オレフィン、多価アルコールエステル、ポリアル
キレングリコールなどを挙げることができる。油圧作動
油として用いる場合は、動粘度が15〜150mm2
s(40℃)のものが通常用いられる。
【0011】基油に添加する炭化水素基を2個有するジ
チオりん酸の亜鉛化合物であるが、炭化水素基は、炭素
数5〜11の1級アルキル基、炭素数5〜11の2級ア
ルキル基、または、炭素数5〜18のアルキル基で置換
されたアリール基から選ばれる1種或は2種以上であ
る。これらのなかでも、1級アルキル基のものが、熱・
酸化劣化に対する安定性に優れる点で好ましい。特に、
潤滑油の長期安定性を重視する場合は、炭化水素基の5
0%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90
%以上を1級アルキル基にするのが望ましい。しかし、
2級アルキル基を有するジチオりん酸亜鉛は潤滑性に優
れるので、炭化水素基の一部を2級アルキル基にしても
よい。この場合は、1級アルキル基を50〜90%、好
ましくは60〜90%、より好ましくは70〜90%の
範囲とする。50%を切ると、潤滑油の長期安定性が低
下し、90%を超えると潤滑性の向上効果が見られなく
なる。
【0012】また、不純物として、炭化水素基が1個の
ジチオりん酸が混入することは避けられないが、基油へ
の溶解性が問題にならない範囲であれば、そのまま使用
できる。
【0013】炭化水素基を2個有するジチオりん酸の亜
鉛化合物の添加量は、基油100重量部に対し、亜鉛重
量として0.005〜0.3重量部であり、特には0.
01〜0.2重量部が好ましい。添加量が、0.005
重量部未満では潤滑性が十分でなくなることがある。ま
た、0.3重量部を超えた場合は、潤滑性という面では
好ましいが、スラッジが増えるため、長期の使用が難し
くなることがある。
【0014】酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤を
単独で、或はリン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止
剤を混合して使用する。酸化防止剤の添加量は潤滑油基
油100重量部に対し、0.1〜3重量部であり、特に
は0.2〜2重量部が好ましい。添加量が、0.1重量
部未満では酸化防止能が十分でないことがある。また、
3重量部を超えた場合は、酸化防止能が飽和してしまう
ばかりでなく、酸化分解生成物の濃度が高くなり、潤滑
性の低下、スラッジの発生などを引き起こす場合があ
り、好ましくない。
【0015】リン系酸化防止剤としては、ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、フェニルジイソデシルホスフィト、ジフェ
ニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルジイソデ
シルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス
ノニルフェニルホスファイト、トリス−ジ−ノニルフェ
ニルホスファイト、トリス−(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、ジステアリル−ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、4,4’−イソプロ
ピリデンジフェノールアルキルホスファイト、4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ルジ−トリデシルホスファイト)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−
t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンジ
ホスファイト、3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オ
キサホスファン−2−オキシド、トリラウリルトリチオ
ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、ト
リス(トリデシル)ホスファイト、フェニルジ(トリデ
シル)ホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイ
ト、フェニル−ビスフェノールAペンタエリスリトール
ジホスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスフォン酸ジエチルエステル等を挙げる
ことができ、これらの1種或いは2種以上が使用でき
る。
【0016】これらの中でも、アリールホスファイト、
特には1つのアリール基が少なくとも1つ以上、好まし
くは2つのアルキル基を有するアルキル化フェニルホス
ファイトが、加水分解安定性の点から好ましく、トリス
−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、
トリスノニルフェニルホスファイト、トリス−(モノ&
ジ混合ノニルフェニル)ホスファイトなどが好適に使用
できる。また、特に工業用グレードの試薬を用いる場合
であるが、炭化水素基が1〜2個のものが混入すること
は避けられない。しかし、基油への溶解性が問題になら
ない範囲であれば、そのまま使用できる。
【0017】本発明に使用できるフェノール系酸化防止
剤としては、たとえば2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4
−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジエ
チル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−
エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、n−
オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ3’,5−ジ―
t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,4−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’,5’−ジ
−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ス
チレン化フェノール、スチレン化クレゾール、トコフェ
ノール、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−
5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチ
ルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シク
ロヘキシルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’
−ジメチルジフェニルメタン、2,2’−エチリデン−
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’
−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−
ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサ
ンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレン
グリコール−ビス−3−(−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオネート、N,N’−
ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ヘ
キサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ)ヒドロシンナミド、2,2’−チオビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2−チオジエチレンビス−[3(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニ
ル]テレフタレート、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、トリス(3,5−ジ−t−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−
ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、カルシウム(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホス
フォネート)、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、
没食子酸ラウリル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェ
ノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5
−ジ−t−アミルヒドロキノン、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,8,
10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等を挙
げることができ、これらの1種或いは2種以上が使用で
きる。
【0018】これらのなかでも、入手の容易さ、潤滑油
への使用実績の点で、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4
−エチル−6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)などが好ましい。
【0019】フェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防
止剤を混合して使用する場合の濃度比であるが、特に制
限はない。従って、フェノール系酸化防止剤の濃度を1
とした場合に、リン系酸化防止剤の濃度は0.1〜9程
度の範囲で問題なく使用できる。
【0020】分散剤は、公知の分散剤が使用できる。例
えば、分散型ポリメタクリレート、スルフォネート、フ
ェネート、サリシレート、ホスフォネート、ホスオネー
ト、カルボキシレート、コハク酸イミド等を挙げること
ができ、これらの中から選ばれる1種以上を添加して用
いる。分散剤の添加量であるが、基油を100重量部と
したときに、0.1〜2重量部、好ましくは0.2〜1
重量部である。0.1重量部を切ると、分散効果が弱ま
る。また、2重量部を超えると、抗乳化性や長期安定性
が低下することがあるため、好ましくない。
【0021】分散型ポリメタクリレートは、アルキルメ
タクリレートモノマーと、極性モノマーとの共重合等で
得ることができる。極性モノマーとしては、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルピロリドン、モルホリノエチルメ
タクリレートから選ばれる1種以上が好適に使用でき
る。アルキルメタクリレートモノマーと、極性モノマー
とのモル比であるが、分散効果が極大となる80:20
〜95:5の範囲のものが好ましい。また、ポリマーの
分子量であるが、数平均分子量で、50000〜100
000の範囲のものが好適に使用できる。
【0022】スルフォネート、フェネート、サリシレー
ト、ホスフォネート、ホスオネート、カルボキシレート
は、アルカリ土類金属塩の形で添加する。アルカリ土類
金属としては、カルシウム、マグネシウム、バリウム、
ストロンチウムから選ばれる1種以上が使用できる。し
かし、カルシウム、マグネシウムから選ばれる1種以上
が、入手の容易さの点で好ましい。また、アルカリ土類
金属は、中和当量よりも大過剰に添加して使用すること
もできる。このような塩は、過塩基性塩と呼ばれてお
り、酸化により生成するカルボン酸、酸化硫黄等の酸性
物質を中和する能力に優れる。
【0023】コハク酸イミドとしては、モノコハク酸イ
ミド、ビスコハク酸イミド及びこれらのホウ素含有コハ
ク酸イミドを挙げることができる。これらは、アルケニ
ル基を有するものが好適に使用できる。このアルケニル
コハク酸イミドは、有機物の酸化により生成する不溶
物、スラッジ等の分散のために用いる
【0024】炭化水素基を3個有するチオホスフェート
であるが、炭化水素基の炭素数が8〜15、好ましくは
炭素数9〜14、より好ましくは炭素数10〜13の1
級アルキル基、2級アルキル基、アルキル基を有するア
リール基から選ばれる1種或は2種以上のものが好適に
使用できる。炭化水素基としてアルキル基を有するアリ
ール基(アルキル化フェニル基)を用いる場合である
が、好ましくは2つのアルキル基を有することが、加水
分解安定性の点から好ましい。また、炭化水素基として
アルキル基を用いる場合は、1級アルキル基のものが、
熱・酸化劣化に対する安定性に優れる点で好ましい。特
に、潤滑油の長期安定性を重視する場合は、炭化水素基
の90%以上を1級アルキル基にするのが好ましい。し
かし、2級アルキル基のものは潤滑性に優れるので、炭
化水素基の一部を2級アルキル基にしてもよい。この場
合は、1級アルキル基を50〜90%、好ましくは60
〜90%、より好ましくは70〜90%の範囲とする。
50%を切ると、潤滑油の長期安定性が低下し、90%
を超えると潤滑性の向上効果が見られなくなる。
【0025】異なる種類の炭化水素基や、異なる炭素数
の炭化水素基を2種以上導入する場合は、分子内の炭化
水素基が同一のものを2種混合して用いてもよい。ま
た、分子内で異なる種類の炭化水素基や異なる炭素数の
炭化水素基を有するチオホスフェートを混合して用いて
も良い。例えば、炭素数11と12のアルキル基をほぼ
同分子数になるようにしたトリアルキルチオホスフェー
ト等を挙げることができる。
【0026】また、特に工業用グレードの試薬を用いる
場合であるが、分子内の炭化水素基が1〜2個のものが
混入することは避けられない。また、アルキル化フェニ
ル基においては、アルキル基の置換数が異なるものや、
アルキル基の炭素数が異なるものが混在することは避け
られない。しかし、スラッジ発生防止性能や、基油への
溶解性が問題にならない範囲であれば、そのまま使用で
きる。
【0027】炭化水素基を3個有するチオホスフェート
の添加量は、基油100重量部に対し、0.1〜2重量
部であり、特には0.2〜1重量部が好ましい。添加量
が、0.1重量部未満ではスラッジ生成防止効果が十分
でなくなることがある。また2重量部を超えた場合は、
スラッジ生成防止効果が飽和してしまうばかりでなく、
酸化分解生成物の濃度が高くなり、潤滑性の低下、スラ
ッジの発生などを引き起こす場合があり、好ましくな
い。
【0028】以上の添加剤の他に、本発明の目的が損な
われない範囲で、従来から潤滑油に用いられているアミ
ン系酸化防止剤、防錆剤、流動点降下剤、金属不活性化
剤などを適宜添加することもできる。
【0029】アミン系酸化防止剤としては、たとえば
p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル
−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、ポリ
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、
6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒ
ドロキノリン、チオジフェニルアミン、4−アミノ−p
−ジフェニルアミン、等を挙げることができ、これらの
1種或いは2種以上が使用できる。また、金属不活性化
剤としては、たとえばベンゾトリアゾール、トリルトリ
アゾール、炭素数2〜10の炭化水素基を有するベンゾ
トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール、炭素数2〜
20炭化水素基を有するイミダゾール誘導体、炭素数2
〜20炭化水素基を有するチアゾール誘導体、2−メル
カプトベンゾチアゾール等を挙げることができ、これら
の1種或いは2種以上を用いることができる。
【0030】
【実施例】以下、油圧作動油を実施例として本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではない。
【0031】(試験方法)潤滑油の酸化安定性試験は、
JIS K2514の内燃機関用潤滑油酸化安定度試験
(ISOT:165.5℃、48時間,165.5℃、
72時間,銅及び鉄触媒)に準拠して行なった。また、
生成するスラッジ量に対応する汚染度の測定は、JIS
B9931に準拠して行なった。
【0032】(実施例1)潤滑油として、下記(a)〜
(e)からなる組成物を作製した。試験結果を表1に示
すが、ISOTの165.5℃、48時間における汚染
度は2.8mg/100ml、165.5℃、72時間
における汚染度は9.4mg/100mlであった。 (a)潤滑油基油(100重量部):溶剤脱ろう基油で
あり、その動粘度は、40℃において46mm2/s、
100℃において6.8mm2/s、引火点は222
℃、硫黄分は0.15質量%、芳香族成分は5質量% (b)ZnDTP(亜鉛として0.05重量部):アル
キル基の炭素数が8である1級アルキル基を有するジア
ルキルジチオりん酸亜鉛 (c)リン系酸化防止剤(0.4重量部):トリス−
(アルキル化フェニル)ホスファイト(チバスペシャル
ティーケミカル製Irganox L−180) (d)分散型ポリメタクリレート(0.5重量部):ロ
ーマックス社製窒素系分散型ポリメタクリレート Vi
scoplex O−292(数平均分子量が約700
00) (e)トリアルキルチオホスフェートA(0.5重量
部):炭素数11と12のアルキル基がほぼ等モルであ
る堺化学製のPhoslex S−230
【0033】
【表1】
【0034】(実施例2)実施例1の潤滑油に、さらに
フェノール系酸化防止剤である2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール(DBPC)を0.5重量部添加し、
潤滑油を作製した。試験結果を表1に示すが、ISOT
の165.5℃、48時間における汚染度は1.8mg
/100ml、165.5℃、72時間における汚染度
は8.4mg/100mlであった。
【0035】(実施例3)実施例1の(e)トリアルキ
ルチオホスフェートAをトリアルキルチオホスフェート
B{トリ(アルキル化フェニル)チオホスフェート:チ
バスペシャルティーケミカル製の Irgalube
211}に変更した以外は、実施例1と同様の潤滑油を
作製した。試験結果を表1に示すが、ISOTの16
5.5℃、48時間における汚染度は1.8mg/10
0ml、165.5℃、72時間における汚染度は1
4.7mg/100mlであった。
【0036】(実施例4)実施例1の(d)を、過塩基
性Caサリシレートに変更した以外は、実施例1と同様
の潤滑油を作製した。過塩基性Caサリシレートの塩基
価は、280mgKOH/gのものを用いた。試験結果
を表1に示すが、ISOTの165.5℃、48時間に
おける汚染度は1.4mg/100ml、165.5
℃、72時間における汚染度は3.2mg/100ml
であった。
【0037】(実施例5)実施例1の(d)を、塩基性
Caサリシレートに変更した以外は、実施例1と同様の
潤滑油を作製した。塩基性Caサリシレートの塩基価
は、170mgKOH/gのものを用いた。試験結果を
表1に示すが、ISOTの165.5℃、48時間にお
ける汚染度は0.9mg/100ml、165.5℃、
72時間における汚染度は1.0mg/100mlであ
った。
【0038】(実施例6)実施例1の(d)を、ビスコ
ハク酸イミドに変更した以外は、実施例1と同様の潤滑
油を作製した。試験結果を表1に示すが、ISOTの1
65.5℃、48時間における汚染度は2.3mg/1
00ml、165.5℃、72時間における汚染度は1
1.2mg/100mlであった。
【0039】(比較例1)実施例1の(d)と(e)を
除いた以外は、実施例1と同様の潤滑油を作製した。試
験結果を表2に示すが、ISOTの165.5℃、48
時間における汚染度は150mg/100ml、16
5.5℃、72時間における汚染度は400mg/10
0mlであった。
【0040】
【表2】
【0041】(比較例2)比較例1のリン系酸化防止剤
(c)を、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールに
変えた以外は、比較例1と同様の潤滑油を作製した。試
験結果を表2に示すが、ISOTの165.5℃、48
時間における汚染度は2.6mg/100mlと良好で
あったが、165.5℃、72時間における汚染度は2
94mg/100mlであった。
【0042】(比較例3)実施例1の(e)を除いた以
外は、実施例1と同様の潤滑油を作製した。試験結果を
表2に示すが、ISOTの165.5℃、48時間にお
ける汚染度は1.6mg/100mlと良好であった
が、165.5℃、72時間における汚染度は385m
g/100mlであった。
【0043】(比較例4)実施例1の(d)を除いた以
外は、実施例1と同様の潤滑油を作製した。試験結果を
表2に示すが、ISOTの165.5℃、48時間にお
ける汚染度は1.0mg/100mlと良好であった
が、165.5℃、72時間における汚染度は327m
g/100mlであった。
【0044】(比較例5)実施例3の分散型ポリメタク
リレートを除いた以外は、実施例3と同様の潤滑油を作
製した。試験結果を表3に示すが、ISOTの165.
5℃、48時間における汚染度は2.3mg/100m
lと良好であったが、165.5℃、72時間における
汚染度は550mg/100mlと高い値を示した。
【0045】
【表3】
【0046】(比較例6)実施例4のトリアルキルチオ
ホスフェートを除いた以外は、実施例4と同様の潤滑油
を作製した。試験結果を表3に示すが、ISOTの16
5.5℃、48時間における汚染度は1.2mg/10
0mlと良好であったが、165.5℃、72時間にお
ける汚染度は23.5mg/100mlであった。
【0047】(比較例7)実施例5のトリアルキルチオ
ホスフェートを除いた以外は、実施例5と同様の潤滑油
を作製した。試験結果を表3に示すが、ISOTの16
5.5℃、48時間における汚染度は1.8mg/10
0mlと良好であったが、165.5℃、72時間にお
ける汚染度は41.8mg/100mlであった。
【0048】(比較例8)実施例6のトリアルキルチオ
ホスフェートを除いた以外は、実施例6と同様の潤滑油
を作製した。試験結果を表3に示すが、ISOTの16
5.5℃、48時間における汚染度は10.5mg/1
00mlと高い値であり、165.5℃、72時間にお
ける汚染度も800mg/100mlであった。
【0049】
【発明の効果】本発明を用いれば、水素化精製度を下げ
た潤滑油基油や、溶剤脱ろう潤滑油基油を用いても、長
期に渡ってスラッジの発生を防止可能な潤滑油を製造可
能である。特に、劣悪な環境で使用される油圧機器、変
速機用として好適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 137/10 C10M 137/10 Z 145/14 145/14 // C10N 10:04 30:04 30:08 30:10 40:04 40:08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油および/または合成油からなる潤滑
    油基油100重量部に対して、炭化水素基を2個有する
    ジチオりん酸の亜鉛化合物を亜鉛量として0.005〜
    0.3重量部、リン系酸化防止剤を0.1〜3重量部、
    炭化水素基を3個有するチオホスフェートを0.1〜2
    重量部および分散剤を0.1〜2重量部添加した潤滑油
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記ジチオりん酸の炭化水素基の50%
    以上が、炭素数5〜11の1級アルキル基であることを
    特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 前記チオホスフェートの炭化水素基が、
    炭素数8〜15のアルキル基、アリール基、アルキル基
    を有するアリール基から選ばれる1種以上であることを
    特徴とする請求項1、2いずれか一つの請求項に記載の
    潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】 前記分散剤が、分散型ポリメタクリレー
    トであることを特徴とする請求項1〜3いずれか一つの
    請求項に記載の潤滑油組成物。
  5. 【請求項5】 鉱油および/または合成油からなる潤滑
    油基油100重量部に対して、炭化水素基を2個有する
    ジチオりん酸の亜鉛化合物を亜鉛量として0.005〜
    0.3重量部、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防
    止剤の混合物を0.1〜3重量部、炭化水素基を3個有
    するチオホスフェートを0.1〜2重量部および分散剤
    を0.1〜2重量部添加した潤滑油組成物。
  6. 【請求項6】 前記ジチオりん酸の炭化水素基の50%
    以上が、炭素数5〜11の1級アルキル基であることを
    特徴とする請求項5に記載の潤滑油組成物。
  7. 【請求項7】 前記チオホスフェートの炭化水素基が、
    炭素数8〜15のアルキル基、アリール基、アルキル基
    を有するアリール基から選ばれる1種以上であることを
    特徴とする請求項5、6いずれか一つの請求項に記載の
    潤滑油組成物。
  8. 【請求項8】 前記分散剤が、分散型ポリメタクリレー
    トであることを特徴とする請求項5〜7いずれか一つの
    請求項に記載の潤滑油組成物。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013145759A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 潤滑油組成物
US11220651B2 (en) 2018-05-18 2022-01-11 Shell Oil Company Reciprocating-type compressor oil

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