JPH1119458A - ガス分離膜及びその製造方法 - Google Patents

ガス分離膜及びその製造方法

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JPH1119458A
JPH1119458A JP9181501A JP18150197A JPH1119458A JP H1119458 A JPH1119458 A JP H1119458A JP 9181501 A JP9181501 A JP 9181501A JP 18150197 A JP18150197 A JP 18150197A JP H1119458 A JPH1119458 A JP H1119458A
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JP
Japan
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gas separation
glass
separation membrane
porous
glass film
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Application number
JP9181501A
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English (en)
Inventor
Chihiro Kawai
千尋 河合
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な方法により安価に製造でき、CO2
2の選択的ガス分離性能及び優れた透過速度を有して
いて、高温でも選択的ガス分離性能が低下しないガス分
離膜を提供する。 【解決手段】 SiO2−B23−Na2O系ガラス粉末
の懸濁液を多孔質セラミックス基材で濾過して該基材上
にガラス粉末の堆積層を形成し、真空中で加熱して該堆
積層を溶融した後室温まで急冷してガラス膜とし、この
ガラス膜を酸溶液で処理して多孔質ガラス膜を生成す
る。この多孔質ガラス膜は平均細孔径が20Å以下で、
CO2よりもN2を選択的に透過させ、350℃でのN2
とCO2との透過速度の比が3以上のガス分離膜であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロポアを有
する多孔質ガラス膜からなり、N2とCO2の分離が可能
なガス分離膜、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題への対策から、CO2
どのガス分離が可能な直径20Å以下の細孔を持つマイ
クロポア多孔体が要求されている。例えば、火力発電所
の排気ガスには約90%のN2と約10%のCO2が含ま
れており、このCO2とN2を分離する技術が地球温暖化
対策上必要とされている。
【0003】このようなガス分離性能を備えた材料の候
補として、結晶格子中に規則正しい細孔を持つ材料であ
るゼオライトや、ゾルゲル法により作製された各種の多
孔質酸化物膜が期待されている。例えば、ゼオライトに
関しては、CO2とN2の混合ガスからCO2を選択的に
透過する場合において、室温でのCO2とN2の透過速度
の比(PCO2/PN2)で8.67の分離性能が得られたと
の報告がある。
【0004】同様の機能を持つ材料として、SiO2
23−Na2O系の多孔質ガラスが開発されている。
この系のガラスは分相ガラスとしてよく知られており、
以下のプロセスで作製される。即ち、上記系のガラス粉
末を高温で溶融させてガラスを作製した後、400〜5
00℃の温度で長時間熱処理すると、ガラスはSiO2
に富む成分とB23−Na2Oに富む成分に相分離す
る。そこで、このガラスを塩酸などの酸に80℃程度の
温度で浸漬すると、B23−Na2Oに富む成分が溶出
して細孔が形成される。通常この方法で形成される細孔
径は40Å程度以上である。
【0005】このプロセスにおいて、ガラス作製後の加
熱処理を行わずに酸処理すると、相分離が起こらずガラ
スの耐酸性はより高くなり、結果として酸処理により形
成される細孔の直径は20Å以下になる。この多孔質ガ
ラスは、その極めて小さな細孔によって優れたガス分離
性能を発揮する。例えば、SiO2−B23−Na2O系
ガラスを溶融後、外径0.3mm、厚さ60μm程度の
キャピラリー状にして酸処理したたものは、CO2とN2
の混合ガスからCO2を選択的に透過し、室温における
CO2とN2の透過速度の比(PCO2/PN2)が100以
上になるとの報告もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、ガス
分離膜として、ゼオライトやゾルゲル法による多孔質酸
化物膜、及びSiO2−B23−Na2O系多孔質ガラス
などが知られているが、これら従来のガス分離膜は、操
作温度が室温の場合は高い選択的ガス分離性能を示すも
のの、操作温度が高くなるにつれて選択的ガス分離性能
が低下するという共通の欠点を有している。
【0007】これは、以下の理由によると推定されてい
る。即ち、CO2とN2は分子径に殆ど差がない(熱力学
的分子径はCO2=3.1Å、N2=3.3Å)ため、ガス
分離膜の細孔での分子篩い効果による分離は殆ど不可能
である。上記ガス分離膜がCO2のみを選択的に透過さ
せるのは、CO2の方がN2よりも膜の細孔壁に吸着し易
く、吸着したCO2が細孔壁を優先的に拡散するためと
考えられている。従って、操作温度が高くなるにつれて
CO2の吸着能が低下し、N2と殆ど差がなくなるため
に、分離性能が急激に低下するのである。
【0008】以上のような欠点の他に、ゾルゲル法で作
製したガス分離膜は気孔率が低いためガス透過速度が小
さい、製膜時にクラックが生成しやすいためクラックを
通ってガスがリークする、製造プロセスの制御が困難な
ため量産に向かない、などの問題点がある。また、ゼオ
ライトの合成法である水熱合成法は、高温高圧プロセス
を経る特殊な製法であるため非常にコストがかかる上、
水熱合成法ではゼオライトの微結晶は合成できても、緻
密な膜を合成することは困難であるから、安価なガス分
離膜が得られないという欠点がある。
【0009】更に、比較的安価に製造できるSiO2
23−Na2O系の多孔質ガラスについても、前記し
た方法によって製造されるため、薄膜状にすることは困
難であり、薄膜以外の形状ではガスの透過性能が低く、
実用上満足できるものではなかった。また、ガラス単体
では強度が低いため、ガス圧が負荷されたときに破損し
やすいという欠点があった。
【0010】このため、SiO2−B23−Na2O系多
孔質ガラスを用いた実用的なガス分離膜としては、例え
ば、直径1mm程度のチューブ状多孔質セラミックスの
内面に上記多孔質ガラスの薄膜を形成し、これを数十〜
数百本束ねてモジュールとして使用する方法が採用され
ている。この場合、CO2とN2の混合ガスは、モジュー
ルの各チューブ内に供給され、各チューブの外側に透過
ガスを流出させるようになっている。
【0011】しかしながら、チューブ状多孔質セラミッ
クスの内面にガラスの薄膜を形成する技術として、例え
ばCVD法やスパッタリング法などによりSiO2−B2
3−Na2O系ガラス膜を形成した後、これを溶融、急
冷、酸処理する方法が知られているが、小径のチューブ
の内面にガラス膜を均一にコーティングすることは非常
に困難であった。
【0012】また、ゾルゲル法などの液相プロセスもあ
るが、1回にコーティングできる膜厚はせいぜい0.1
〜1μm程度であるため、基材となる多孔質セラミック
スの細孔を完全に覆い、ガス分離膜として信頼性のある
膜厚である10μm程度以上の厚さにコーティングする
ためには、多くの時間とコストを要していた。
【0013】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
簡単な方法により安価に製造でき、CO2とN2の選択的
ガス分離性能及び優れた透過速度を有していて、高温で
も選択的ガス分離性能が低下しないガス分離膜及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するガス分離膜は、多孔質セラミック
ス基材上に形成されたSiO2をベースとするSiO2
23−Na2O系多孔質ガラス膜からなり、該多孔質
ガラス膜の平均細孔径が20Å以下であって、CO2
りもN2を選択的に透過させ、350℃におけるN2とC
2との透過速度の比が3以上であることを特徴とす
る。
【0015】また、このガス分離膜の製造方法は、Si
2−B23−Na2O系ガラス粉末の懸濁液を多孔質セ
ラミックス基材で濾過して該基材上に前記ガラス粉末の
堆積層を形成し、次に真空中で加熱して該堆積層を溶融
せしめた後、室温まで急冷してガラス膜とし、このガラ
ス膜を酸溶液で処理して平均細孔径20Å以下の細孔を
有する多孔質ガラス膜を生成させることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のガス分離膜は、SiO2
−B23−Na2O系多孔質ガラスを用いたものであ
り、これを多孔質セラミックス基材上に薄膜状に形成し
てある。また、本発明の方法によれば、このガス分離膜
をあらゆる形状の多孔質セラミックス基材上に形成する
ことができ、特に基材が小径のチューブであっても、そ
の外表面又は内表面に、所定の厚さで均一に形成するこ
とが可能である。
【0017】即ち、本発明のガス分離膜の製造方法にお
いては、まず、SiO2−B23−Na2O系ガラス粉末
を液体に分散させることにより、ガラス粉末の懸濁液を
作製する。この懸濁液を多孔質セラミックス基材で濾過
して基材上にガラス粉末の堆積層を形成し、次に真空中
で加熱して堆積層を溶融せしめた後、室温まで急冷して
ガラス膜とする。最後に、このガラス膜を酸溶液で処理
することにより、主としてB23成分とNa2O成分が
エッチングされて微細な細孔が形成され、SiO2をベ
ースとするSiO2−B23−Na2O系多孔質ガラス膜
からなるガス分離膜が得られる。
【0018】上記方法で使用するSiO2−B23−N
2O系ガラス粉末は、平均粒径が10μmを越えると
均一なガラス膜を形成することが難しくなるので、平均
粒径が10μm以下のものが好ましい。特に、多孔質セ
ラミックス基材として小径チューブを用い、その内面に
ガラス膜を形成する場合には、サブミクロン程度の平均
粒径を有するガラス粉末を用いることが好ましい。
【0019】かかるガラス粉末を分散させる液体として
は、水又はアルコールが好ましい。ガラス粉末を分散さ
せた懸濁液は、多孔質セラミックス基材を炉材として濾
過するが、濾過方法としては加圧又は吸引濾過がより効
率的である。この濾過によって、多孔質セラミックス基
材上にガラス粉末が堆積層として残る。
【0020】得られたガラス粉末の堆積層は、次に、使
用したSiO2−B23−Na2O系ガラスの融点以上に
加熱することにより溶融させる。SiO2−B23−N
2O系ガラスの融点は組成により変化するが、通常は
1000℃程度までである。しかし、ガラス融液の粘度
は低温ほど高いため、溶融温度が低いとガラス粉末は溶
融しても流れ性が悪く、基材全面を均一に覆うことが難
しい。そのため、実際の溶融時の加熱温度は1100℃
以上とすることが好ましいが、余り高温でもエネルギー
コストが上昇するので1500℃程度までとすることが
望ましい。
【0021】更に、上記ガラス粉末の堆積層の溶融処理
は、真空中で行う必要がある。大気中などガスが存在す
る状態で溶融すると、溶融体中にガスが取り込まれ、大
きな気泡となって残るために、得られるガラス膜に数百
μm以上のポアが生成し、ガス分離性能が極めて悪くな
るからである。尚、真空とは工業的な真空であり、具体
的には圧力100Torr以下の真空度とすることが好
ましい。
【0022】このように加熱溶融されたSiO2−B2
3−Na2O系ガラスの堆積層は、多孔質セラミックス基
材上でほぼ均一な厚さとなると共に、一部が多孔質セラ
ミックス基材中に浸透する。この溶融ガラスを室温まで
急冷することにより、多孔質セラミックス基材に強固に
密着したガラス膜が得られる。
【0023】尚、上記のごとく、ガラス膜形成時には1
100℃以上の高温から室温まで急冷されるため、多孔
質セラミックス基材には耐熱衝撃性の高いものを使用す
ることが好ましい。耐熱衝撃性は強度が高いほど、且つ
熱膨張係数が小さいほど高くなるため、高強度で且つ低
熱膨張係数特性を持つ多孔質セラミックス基材が好まし
く、具体的には熱膨張係数が2.5×10-6-1以下、
及び3点曲げ強度が150MPa以上であることが好ま
しい。
【0024】更に、ガラス膜形成時の加熱温度で焼結が
起こる材料は、多孔質セラミックス基材として好ましく
ない。焼結により基材の気孔率が減少して、ガス透過性
能が極めて悪くなるからである。従って、熱膨張係数が
大きく且つ高温で焼結が進みやすいAl23等は好まし
くなく、熱膨張係数が小さく且つ焼結しにくいSi34
(緻密体で3.2×10-6-1)やSiC(緻密体で3.
2×10-6-1)を多孔質化したセラミックス基材が望
ましい。尚、上記Si34にはサイアロンも含まれる。
【0025】また、多孔質セラミックス基材の平均細孔
径は、健全なガス分離膜が形成でき且つ目的とするガス
の分離が可能であれば制限はない。しかし、平均細孔径
が大きくなるほど、ガラス膜が多孔質セラミックス基材
を完全に覆うことが難しくなるため、通常は1μm以下
の平均細孔径が好ましい。
【0026】得られたガラス膜は、塩酸、硝酸、硫酸な
どの強酸によって主としてB23成分とNa2O成分が
エッチングされ、その部分に細孔が形成された多孔質ガ
ラス膜となる。形成される細孔の直径は、酸濃度やエッ
チング時間などにより変化し、酸濃度が高いほど、また
エッチング時間が長いほど細孔径は大きくなる。細孔径
の制御範囲としては、ガス分離膜として作用する20Å
以下の平均細孔径とする必要がある。尚、この多孔質ガ
ラス膜は、上記のごとく原料組成からB23成分とNa
2O成分が一部除去されているため、本発明ではSiO2
をベースとするSiO2−B23−Na2O系多孔質ガラ
ス膜と称する。
【0027】エッチング前のガラス膜及び上記多孔質ガ
ラス膜の膜厚は、10〜200μmが好ましい。10μ
m未満では膜厚が薄すぎるため、基材全面を均一に覆う
ことが難しく、逆に200μmを越えるとガスの透過速
度が小さくなるため、実用上コストパフォーマンスが低
くなる。また、膜厚が200μmを越えると、基材とガ
ラス膜の熱膨張係数の差(ガラス膜は4.2〜5.0×1
-6-1)のため、急冷時にガラス膜にクラックが入り
分離性能が低下する。
【0028】以上の方法により多孔質セラミックス基材
上に形成された多孔質ガラス膜からなる本発明のガス分
離膜は、従来のキャピラリー状のSiO2−B23−N
2O系多孔質ガラス膜のようにCO2を選択的に透過さ
せるのではなく、CO2よりもN2を選択的に透過させる
ガス分離膜であることが判明した。本発明方法で作製さ
れた上記多孔質ガラス膜が、同じSiO2−B23−N
2O系ガラスから作製した従来のキャピラリー状のも
のと異なり、N2を選択的に透過させる理由は明確でな
いが、以下のように推測することができる。
【0029】即ち、キャピラリーガラスは、SiO2
23−Na2O系ガラスの溶融体を微小ノズルから瞬
間的に線引きすることによって作製されるため、得られ
たキャピラリーガラスの組成は溶融体の組成とほぼ同じ
である。しかし、本発明の多孔質ガラス膜では、ガラス
粉末を溶融させるために比較的長時間加熱するため、溶
融体の表面からのNa2O成分及びB23成分の揮発が
激しく、結果としてガラス膜の表面はSiO2に富むこ
とになる。このため、CO2とN2の吸着、移動挙動が変
化するものと考えられる。
【0030】しかも、本発明のガス分離膜は、操作温度
が高くなるほどCO2の透過速度PCO2が低下し、結果と
して選択的ガス分離性能が向上し、350℃においてN
2とCO2の透過速度の比(PN2/PCO2)が3以上と優
れたガス分離性能を有する。また、ガラス膜作製時の加
熱時間が長いほど又加熱温度が高いほど、Na2O成分及
びB23成分の表面部からの揮発量が大きくなるため、
得られるガス分離膜の2とCO2の透過速度の比(PN2
PCO2)が向上することが分かった。
【0031】
【実施例】多孔質セラミックス基材として下記3種類の
多孔質セラミックスからなるチューブ(外径1mm、内
径0.8mm、長さ300mm)を用い、その内表面に
それぞれガス分離膜を形成した。尚、各試料ごとに使用
した基材の材質、平均細孔径、気孔率、平均熱膨張係
数、3点曲げ強度を下記表1に示した。
【0032】多孔質セラミックス基材の種類 多孔質Si34焼結体:気孔率30〜50%、3点
曲げ強度150〜210MPa、平均細孔径0.5、0.
9、1.2μmの3種。室温〜1000℃までの平均熱
膨張係数2.2〜2.6×10-6-1。 多孔質Al23焼結体:気孔率35%、3点曲げ強
度35MPa、平均細孔径0.3μm、室温〜1000
℃までの平均熱膨張係数4.9×10-6-1。 多孔質SiC焼結体:気孔率30〜50%、3点曲
げ強度99〜175MPa、平均細孔径0.5μm、室
温〜1000℃までの平均熱膨張係数2.1〜2.6×1
-6-1
【0033】
【表1】多孔質セラミックス基材
【0034】まず、組成が70重量%SiO2−22重
量%B23−8重量%Na2OのSiO2−B23−Na
2O系ガラスをボールミルにより粉砕し、平均粒径0.
9、8、12μmの3種のガラス粉末を作製した。これ
らの各ガラス粉末をエチルアルコールに分散させ、上記
チューブ状の多孔質セラミックス基材を用いて、その内
面から外面に濾過し、チューブ状の基材の内表面にガラ
ス粉末の堆積層を層厚を制御して形成した。
【0035】次に、堆積層を有する各多孔質セラミック
ス基材を1〜120Torrの真空中において1000
〜1600℃で0.5〜3.0時間加熱し、内表面のガラ
ス粉末の堆積層を溶融した後、室温まで急冷した。得ら
れたガラス膜を基材ごと80℃、1Nの塩酸溶液に0.
25〜2.0時間浸漬し、充分な水で洗浄した後、乾燥
した。下記表2に、各試料ごとの多孔質ガラス膜形成条
件として、用いたガラス粉末の平均粒径、堆積層の層
厚、溶融時の加熱温度、溶融時の圧力、溶融時の加熱時
間、及び酸処理時間をまとめて示した。
【0036】
【表2】多孔質ガラス膜形成条件: 粉末粒径 堆積層厚 加熱温度 圧力 加熱時間 酸処理試料 (μm) (μm) (℃) (Torr) (hr) 時間(hr) 1 0.9 200 1200 1 0.5 0.25 2 0.9 200 1200 1 0.5 0.25 3 0.9 200 1100 1 0.5 0.25 4 0.9 200 1200 1 0.5 0.25 5 0.9 200 1200 1 0.5 0.25 6 0.9 200 1200 1 0.5 0.25 7 0.9 200 1200 1 0.5 0.25 8 0.9 200 1200 1 0.5 0.25 9 8 200 1200 1 0.5 0.25 10 12 200 1200 1 0.5 0.25 11 0.9 440 1200 1 0.5 0.25 12 0.9 401 1200 1 0.5 0.25 13 0.9 100 1200 1 0.5 0.25 14 0.9 22 1200 1 0.5 0.25 15 0.9 17 1200 1 0.5 0.25 16 0.9 200 1000 1 0.5 0.25 17 0.9 200 1100 1 0.5 0.25 18 0.9 200 1300 1 0.5 0.25 19 0.9 200 1500 1 0.5 0.25 20 0.9 200 1600 1 0.5 0.25 21 0.9 22 1200 1 0.5 0.25 22 0.9 22 1200 50 0.5 0.25 23 0.9 22 1200 100 0.5 0.25 24 0.9 22 1200 120 0.5 0.25 25 0.9 180 1200 1 0.5 0.25 26 0.9 180 1200 1 0.5 0.5 27 0.9 180 1200 1 0.5 1.0 28 0.9 180 1200 1 0.5 2.0 29 0.9 180 1200 1 2.0 0.25 30 0.9 180 1200 1 3.0 0.25 31 0.9 180 1200 1 0.5 0.25 32 0.9 180 1200 1 0.5 0.25 33 0.9 180 1200 1 0.5 0.25
【0037】上記のごとくチューブ状の多孔質セラミッ
クス基材の内表面に、SiO2をベースとするSiO2
23−Na2O系多孔質ガラス膜を形成した各試料に
ついて、それぞれの多孔質ガラス膜のガス分離膜として
の特性及び性能を以下のごとく評価した。即ち、ガス吸
着式細孔分布測定装置により、上記各試料の多孔質ガラ
ス膜の細孔分布を測定し、平均細孔径を求めた。
【0038】また、図2に示す装置を用いて、ガス供給
系1から各試料2に圧力2atmでCO2とN2の1:1
混合ガスを供給し、各試料2のガス分離膜で分離された
透過ガスの透過流量を流量計3で測定すると共に、透過
ガスの組成をガスクロマトグラフィー4により定量し
て、測定温度25℃と350℃におけるガラス分離膜の
透過速度とガス分離係数yを評価した。尚、ガス分離性
能yとは、N2とCO2との透過速度の比(PN2/PC
O2)=透過ガス組成(N2/CO2)/供給ガス組成(N
2/CO2)である。
【0039】得られた結果を下記表3に示した。また、
表3には、各試料における多孔質ガラス膜の膜厚、多孔
質セラミックス基材又は多孔質ガラス膜のクラックの有
無についても、併せて記載した。尚、表中のクラック有
無の欄での割れとは基材の破壊を意味し、その場合には
分離性能の評価は不可能であった。
【0040】
【表3】ガス分離膜の特性: 膜厚 クラック 細孔径 y(PN2/PCO2) 透過速度(mol/m・s2・Pa) 試料 (μm) 有無 (μm) 25℃時 350℃時 25℃時 350℃時 1 100 無 5 15 120 2.2×10-8 3.2×10-8 2* 100 割れ 24 − − − − 3* 100 割れ 22 − − − − 4 99 無 5 16 122 3.3×10-8 3.8×10-8 5 98 無 5 1.4 3.5 1.8×10-7 1.8×10-7 6 100 無 5 17 155 2.0×10-8 2.5×10-8 7* 99 割れ − − − − − 8* 99 有 7 1.1 1.1 3.3×10-8 3.7×10-8 9 100 無 6 2.1 4.5 7.4×10-8 7.9×10-8 10* 100 無 22 1.8 2.9 8.0×10-8 8.2×10-8 11* 220 有 23 1.1 1.1 8.8×10-7 8.9×10-7 12 199 無 5 13 99 6.0×10-8 6.8×10-8 13 50 無 5 12 95 9.5×10-8 9.9×10-8 14 10 無 5 22 275 1.0×10-7 2.0×10-7 15* 8 無 21 1.1 1.1 2.2×10-6 3.2×10-6 16* 100 無 21 1.0 1.1 2.2×10-7 3.2×10-7 17 100 無 6 3.5 9.4 8.0×10-8 8.9×10-8 18 100 無 4 17 133 2.1×10-8 3.1×10-8 19 100 無 4 23 288 1.4×10-8 1.9×10-8 20 100 無 4 24 299 1.1×10-8 1.4×10-8 21 10 無 5 20 155 1.3×10-7 2.6×10-7 22 10 無 8 2.7 5.5 7.0×10-7 8.6×10-7 23 10 無 19 3.2 8.8 6.5×10-7 7.4×10-7 24* 10 無 25 1.1 1.1 8.5×10-6 9.3×10-6 25 90 無 5 15 122 4.2×10-8 4.8×10-8 26 90 無 12 8 44 8.9×10-8 8.9×10-8 27* 90 無 25 1.1 1.1 8.9×10-7 8.9×10-7 28* 90 無 40 1.1 1.1 2.2×10-6 3.2×10-6 29 90 無 4 26 344 9.8×10-9 9.9×10-9 30 90 無 4 29 358 9.0×10-9 9.2×10-9 31* 90 割れ − − − − − 32 90 無 5 12 111 3.4×10-8 3.3×10-8 33* 90 有 7 1.1 1.1 8.8×10-7 8.9×10-7 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0041】上記表1〜表3から分かるように、比較例
の試料2、3、7、8、31、33は、基材の熱膨張係
数が大きいか又は3点曲げ強度が低いため基材に割れや
クラックが発生した。同じく試料11では、多孔質ガラ
ス膜が厚いため膜にクラックが発生した。また、試料1
0は原料のガラス粉末の平均粒径が大きいため、試料1
5はガラス膜厚が薄いため、試料16は溶融時の加熱温
度が低いため、試料24は溶融時の圧力が高いため、試
料27と28では酸処理時間が長いため、いずれも多孔
質ガラス膜の平均細孔径が大きくなり過ぎ、ガス分離性
能が著しく低下した。
【0042】これに対して本発明の各試料では、多孔質
セラミックス基材や多孔質ガラス膜に割れやクラックの
発生がなく、平均細孔径が20Å以下の細孔を有する多
孔質ガラス膜からなるガス分離膜が得られた。このガス
分離膜は、CO2よりもN2を選択的に透過させるもので
あり、優れたガス分離性能を示すことが分かる。ガス分
離係数yについては、ガラス堆積層の溶融時の加熱温度
が高い試料19及び20、加熱時間が長い試料29及び
30で、特に高い値を示した。しかし、ガラス膜の酸処
理時間が長い試料27及び28では、平均細孔径が大き
くなり、ガス分離係数yは逆に若干低下した。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、CO2とN2の混合ガス
からN2を選択的に透過でき、しかも高温になってもガ
ス分離性能が低下することのない新規なガス分離膜を、
簡単な方法で安価に製造することができる。このガス分
離膜は、火力発電所の排気ガスからのCO2の分離など
に利用でき、地球温暖化対策などにとって有用なものと
期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス分離膜のガス透過性能の評価に用いた装置
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ガス供給系 2 試料 3 流量計 4 ガスクロマトグラフィー 5 圧力調整用バルブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質セラミックス基材上に形成された
    SiO2をベースとするSiO2−B23−Na2O系多
    孔質ガラス膜からなり、該多孔質ガラス膜の平均細孔径
    が20Å以下であって、CO2よりもN2を選択的に透過
    させ、350℃におけるN2とCO2との透過速度の比が
    3以上であることを特徴とするガス分離膜。
  2. 【請求項2】 前記多孔質ガラス膜の厚さが10〜20
    0μmであることを特徴とする、請求項1に記載のガス
    分離膜膜。
  3. 【請求項3】 SiO2−B23−Na2O系ガラス粉末
    の懸濁液を多孔質セラミックス基材で濾過して該基材上
    に前記ガラス粉末の堆積層を形成し、次に真空中で加熱
    して該堆積層を溶融せしめた後、室温まで急冷してガラ
    ス膜とし、このガラス膜を酸溶液で処理して平均細孔径
    20Å以下の細孔を有する多孔質ガラス膜を生成させる
    ことを特徴とするガス分離膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ガラス粉末の平均粒径が10μm以
    下であることを特徴とする、請求項3に記載のガス分離
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ガラス粉末の堆積層の溶融時におけ
    る加熱温度が1100℃〜1500℃であることを特徴
    とする、請求項3又は4に記載のガス分離膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ガラス粉末の堆積層の溶融時におけ
    る真空度が100Torr以下の圧力であることを特徴
    とする、請求項3〜5のいずれかに記載のガス分離膜の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記多孔質セラミックス基材として、熱
    膨張係数が2.5×10-6-1以下で、且つ3点曲げ強
    度が150MPa以上の多孔質セラミックスを用いるこ
    とを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載のガス
    分離膜の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2511005A4 (en) * 2009-12-11 2016-11-16 Sumitomo Electric Industries SILICONE-SUBSTITUTING HYDROGEN DISCOVERY MATERIAL AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF, AND HYDROGEN SCALING MODULE AND HYDROGEN PRODUCTION DEVICE WITH HYDROGEN DISK MATERIAL

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EP2511005A4 (en) * 2009-12-11 2016-11-16 Sumitomo Electric Industries SILICONE-SUBSTITUTING HYDROGEN DISCOVERY MATERIAL AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF, AND HYDROGEN SCALING MODULE AND HYDROGEN PRODUCTION DEVICE WITH HYDROGEN DISK MATERIAL

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