JPH11195253A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH11195253A
JPH11195253A JP29209298A JP29209298A JPH11195253A JP H11195253 A JPH11195253 A JP H11195253A JP 29209298 A JP29209298 A JP 29209298A JP 29209298 A JP29209298 A JP 29209298A JP H11195253 A JPH11195253 A JP H11195253A
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magnetic layer
magnetic
magneto
groove
land
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JP29209298A
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Morimi Hashimoto
母理美 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深溝成形やアニール処理を用いずに、ランド
部あるいはグルーブ部の形状(表面粗さ)によってトラ
ック間を磁気的に分離した磁壁移動型の光磁気記録媒体
を提供する。 【解決手段】 ランド部あるいはグルーブ部によって磁
性層を磁気的に分離するために、磁性層を形成する基板
の磁気的に分離すべき領域の表面粗さRaを1.2nm
以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生時に磁壁の移
動を利用した超高密度記録可能な光磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記録媒体として、
光磁気ディスクが近年注目されているが、さらに光磁気
ディスクの記録密度を高めて大容量の記録媒体とする要
求が高まっている。光ディスクの線記録密度は、再生光
学系のレーザー波長λ及び対物レンズの開口数NAに大
きく依存し、信号再生時の空間周波数は、NA/λ程度
が検出可能な限界である。従って、従来の光ディスクで
高密度化を実現するためには、再生光学系のレーザー波
長λを短くし、対物レンズの開口数NAを大きくする必
要がある。しかしながら、レーザー波長や対物レンズの
開口数の改善にも限界がある。このため、記録媒体の構
成や読み取り方法を工夫して記録密度を改善する技術が
いくつか提案されている。
【0003】例えば、本出願人は先に、特開平6−29
0496号公報に記載されるように、再生信号振幅を低
下させることなく光の回折限界以下の周期の信号を高速
で再生可能とした光磁気記録媒体、再生方式及びその再
生装置を提案している。該公報の記載にあるように、光
磁気記録媒体の再生層に光ビーム等の加熱手段によって
温度分布を形成すると、磁壁エネルギー密度に分布が生
じるために、磁壁エネルギーの低い方に磁壁を瞬時に移
動させることができる。この結果、再生信号振幅は記録
されている磁壁の間隔(すなわち、記録ピット長)によ
らず、常に一定かつ最大の振幅となる。すなわち、線記
録密度向上に伴う再生出力の必然的な低下が大幅に改善
され、さらなる高密度化が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−290
496号によると、磁壁の移動は、同一トラック上で
(トラック方向に)起こる現象であり、磁性層はトラッ
ク間で互いに分断(すなわち、磁気的に分離)されてい
ることが必須となっている。この様な閉じていない磁区
(分断された磁壁)を作成する方法として、特開平6−
290496号では、矩形の深溝基板を用いる方法と、
溝部分をレーザーでアニール照射して磁気的に変質させ
る方法を提案しているが、矩形の深溝基板については、
成形時の転写の際にスタンパの矩形溝の底の部分がきれ
いに転写できず、基板のランド部分がU字型になってし
まうと、十分な分断効果が得られないという転写性の問
題があり、また、アニール処理には、高出力のレーザー
を照射するなど、高温度での処理を必要とし、またその
ような高出力レーザーでのアニールを行なった場合に
は、磁気特性が劣化している(磁性層が変質している)
部分の面積がレーザーの温度分布に依存してトラック外
にも広がっている為に、実質、情報データ部として使え
る面積が狭まり、トラック密度が減少するといった問題
があった。
【0005】したがって、本発明は、深溝成形やアニー
ル処理を用いずに、ランド部あるいはグルーブ部の形状
によってトラック間を磁気的に分離した磁壁移動型の光
磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒体
は、少なくとも、第1、第2、第3の磁性層が順次積層
されている光磁気記録媒体であって、該第1の磁性層
は、周囲温度近傍において該第3の磁性層に比べて相対
的に磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度の大きな磁性層(移
動層かつ再生層)であり、該第2の磁性層は該第1の磁
性層及び第3の磁性層よりもキュリー温度の低い磁性層
(スイッチング層)からなり、該第3の磁性層は磁区の
保存安定性に優れた通常の磁気記録層(メモリ層)であ
る特開平6−290496号で開示した膜構成であっ
て、かつランド部あるいはグルーブ部のうち、磁気的に
分離する目的のトラックの基板表面粗さRaを1.2n
m以上、好ましくは1.5nm以上とする。
【0007】
【発明の実施の形態】磁性層をトラック間で磁気的に分
断するには、分断領域の磁性層を垂直磁化膜から面内磁
化膜あるいは非磁性膜へと変質させればよい。本発明者
は、この点に鑑み鋭意検討したところ、磁性層を形成す
る基板の表面状態、すなわち、基板表面の粗さによっ
て、形成される磁性層の結晶成長状態が異なり、上記し
たように基板の表面粗さRaが1.2nm以上では、磁
性層が面内磁化膜あるいは非磁性膜となることを見出
し、本発明に到達した。
【0008】以下、本発明を図面を参照して詳細に説明
する。
【0009】図1は、本発明の光磁気記録媒体を説明す
るための模式的断面図である。基板11は、ランド部1
2(凸部)とグルーブ部13(凹部)から形成され、ラ
ンド部とグルーブ部のうちの一方は(ここでは仮にグル
ーブ部13とする)、トラック分断を目的とするトラッ
クとする。該トラック分断を目的としたトラック(ラン
ド部あるいはグルーブ部)の表面粗さRaを1.2nm
以上、好ましくは1.5nm以上とすることによって、
その上にスパッタ形成される磁性層141の結晶成長状
態(すなわち、磁気特性)がそれ以外の部分142と異
なる為(面内記録膜あるいは非磁性膜となる)、結果的
に磁性層14を磁気的に分離することが可能となる。
【0010】ちなみに、分断を目的としない部分の基板
の表面粗さRaは1.2nm未満、好ましくは0.6n
m以下である。また、分断を目的とするトラックの基板
表面の表面粗さと通常のデータトラックの基板の表面粗
さの差は0.4nm以上であることが好ましく、特に
1.0nm以上のとき分断の効果が大である。
【0011】さらに、前記磁気特性が劣化した部分14
1を低パワーのレーザーでアニールすることによって、
分断効果がさらに上がる。
【0012】トラック幅は特に限定されないが、トラッ
ク密度を上げる為には、分断を目的とするトラック(図
1ではグルーブ部13)が狭いほど良い。
【0013】本発明において、ランド部及びグルーブ部
の形状は、特に制限されるものではなく、前記特開平6
-290496号に開示されているような矩形状でも、
また、図1に示すような台形状など、種々の形状が可能
である。
【0014】ここで、基板11の表面粗さは、射出成形
する基板の場合、スタンパの表面粗さが反映される。
【0015】スタンパの製造手順は、まず、ガラス原盤
を研磨し、その上にレジストを塗布し、所望の仕様に露
光してカッティングした後、現像を行なう。次にNiを
スパッタ成膜した後Ni電鋳を行ない、剥離して洗浄し
たものがスタンパである。従って、通常は、レジスト面
の表面粗さがスタンパの表面粗さに反映される。しか
し、ランド&グルーブ記録用基板で、カッティングをガ
ラス原盤まで抜いた場合、グルーブ面の表面粗さはガラ
ス原盤の表面粗さとなる。
【0016】以上より、スタンパの表面粗さは、レジス
ト面あるいはガラス原盤の表面粗さが反映され、レジス
ト面については、レジスト材料やレジスト工程の最適
化、ガラス原盤については、その研磨工程等によって、
所望の表面粗さを得ることが可能である。
【0017】基板11の表面粗さは、走査型プローブ顕
微鏡(SPM)「NanoScope III」(商品
名、米国デジタルインスツルメンツ社製)のタッピング
モードAFMを用いて測定した。探針は通常のブレード
チップを用い、表面粗さは、Ra(平均中心線粗さ)の
値で比較した。
【0018】図2は、本発明の光磁気記録媒体の基板形
状の他の一例を示す模式的断面図である。
【0019】透明基板21は、ランド部22(凸部)と
グルーブ部23(凹部)から成り、ランド部22は、磁
性層をトラック間で分断することを目的とするトラック
であり、その表面粗さRaが1.2nm以上、好ましく
は1.5nm以上で構成されている。
【0020】図3は、本発明の光磁気記録媒体の層構成
を示す断面構成図である。透明基板31上に、第1の誘
電体層32、磁性層33、第2の誘電体層34が順に積
層形成されている。
【0021】透明基板31としては、例えば、ガラス、
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂等を用いることができる。
【0022】磁性層33は、単層であっても積層であっ
ても良く、特に限定されないが、特開平6−29049
6号公報に開示されている層構成であることが好まし
い。すなわち、少なくとも、第1、第2、第3の磁性層
が順次積層されており、第1の磁性層331は周囲温度
近傍において該第3の磁性層333に比べて相対的に磁
壁抗磁力が小さくかつ磁壁移動度の大きな磁性層(移動
層かつ再生層)であり、第2の磁性層332は該第1の
磁性層及び第3の磁性層333よりもキュリー温度の低
い磁性層(スイッチング層)からなり、第3の磁性層3
33は、磁区の保存安定性に優れた磁気記録層(メモリ
層)である。
【0023】各磁性層は、スパッタリングや真空蒸着等
の物理蒸着法で連続成膜することにより、互いに交換結
合あるいは静磁結合をしている。
【0024】第1の磁性層331としては、例えば、G
dCo系、GdFe系、GdFeCo系、TbCo系な
どの磁気異方性の比較的小さな希土類−鉄族非晶質合金
やガーネット等のバブルメモリ用の材料が好ましい。
【0025】第2の磁性層332としては、例えば、C
o系あるいはFe系合金磁性層で、キュリー温度が第1
の磁性層331及び第3の磁性層333より小さく、飽
和磁化の値が第3の磁性層333より小さいものが好ま
しい。また、Co、Cr、Ti等の添加量でキュリー温
度が調整可能である。
【0026】第3の磁性層333としては、例えば、T
bFeCo、DyFeCo、TbDyFeCoなどの希
土類−鉄族非晶質合金やPt/Co、Pd/Coなどの
白金族−鉄族周期構造膜等、飽和磁化と磁気異方性の値
が大きく、磁化状態(磁区)が安定に保持できるものが
好ましい。
【0027】誘電体層32、34は特に限定されない
が、SiN、SiO2、ZnS等が好ましい。
【0028】前記磁性層のトラック間分断は、基板の表
面粗さを利用することに加えて、磁性層形成後に分断し
たいトラックをレーザー等でアニールするとさらに分断
の効果が上がる。アニールの条件は、すでに基板の表面
粗さの違いで磁性層は概ね磁気的に分断されているの
で、低パワーあるいは狭いビーム幅で分断効果が期待で
きる。その結果、従来例に示すような高出力レーザーに
よりアニールされた場合と比べて、情報データ部として
使える面積が狭まることなく、トラック密度が減少する
ことを抑制できる。アニールする装置としては、特に限
定されないが、記録再生に用いているレーザーをそのま
ま用いることも可能であるし、汎用の光ディスクのカッ
ティングマシン等も利用できる。
【0029】
【実施例】以下に具体的な実施例をもって本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はその要旨の範囲内であれ
ば、以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】実施例1 図1は本発明の光磁気記録媒体の基板形状の模式的断面
図であり、図3は本発明の光磁気記録媒体の層構成断面
図である。
【0031】図1において、ポリカーボネート基板11
は、ランド幅12が0.6μm、グルーブ幅13が0.
3μm、溝深さ15が85nm、テーパ角16が45度
のランド&グルーブ基板である。該基板11のランド部
12の上面の表面粗さRaを測定したところ、0.53
0nmであった。また、グルーブ部13の上面の表面粗
さRaを測定したところ、1.513nmであった。
【0032】このようにランド部12とグルーブ部13
の表面粗さを変えて作製した基板上に図3に示すよう
に、第1の誘電体層(干渉層)32としてSiN層を8
0nm形成し、次に第1の磁性層(磁壁移動層)331
としてGdFeCo層を30nm、第2の磁性層(スイ
ッチング層)332としてDyFe層を10nm、第3
の磁性層(メモリ層)333としてTbFeCo層を4
0nmを順次スパッタリング形成した。最後に、第2の
誘電体層(保護層)34としてSiN層を80nm形成
した。
【0033】このようにして得られた光磁気ディスクの
ランドとグルーブの両面に、磁界変調方式で0.2μm
の孤立磁区を記録した後、加熱用の光ビームを当てて、
偏光顕微鏡で磁区観察を行なった。その結果、ランド部
に閉じていない磁区が確認されたが、グルーブ部には磁
区が観察されなかった。すなわち、グルーブ部には0.
2μmの孤立磁区の記録が不可能な膜になっていて、磁
性層はグルーブ部によって磁気的に分断されていること
が確認された。
【0034】このようにして得られた光磁気ディスクの
ランド面に、通常の磁界変調方式でピット長0.10μ
m、ピット間隔0.10μmで連続に記録した後、特開
平6−290496号公報に記載の方法、つまり、光ビ
ームを該ディスクに対して相対的に移動させながら第1
の磁性層側から照射し、該ディスク上に該光ビームのス
ポットの移動方向に対して勾配を有する温度分布を形成
し、該温度分布を少なくとも第2の磁性層のキュリー温
度よりも高い温度領域を有する温度分布とすることによ
って該第1の磁性層に形成されていた磁壁を移動させ、
該光ビームの反射光の偏光面の変化を検出して記録情報
を再生する方法(以下、『磁性層の温度勾配を利用した
磁壁移動型拡大再生方法』という)を用いて再生したと
ころ、波長680nm、NA0.6の光学系(相対速度
2m/s)において、C/N40.0dBが得られた。
【0035】すなわち、上記形状のポリカーボネート基
板11を用いることによって、アニール処理等を行なわ
なくても磁性層がトラック間で磁気的に分断され、磁壁
移動型の光磁気記録媒体の再生が容易に実現した。この
ようなポリカーボネート基板11は汎用の基板形成技術
で作製可能なので、媒体のコストアップが避けられ、安
価な高密度記録媒体が提供できる。
【0036】実施例2 図2は本発明の光磁気記録媒体の基板形状の模式的断面
図であり、図3は本発明の光磁気記録媒体の層構成断面
図である。
【0037】ポリカーボネート基板21は、ランド幅2
2が0.3μm、グルーブ幅23が0.6μm、溝深さ
25が85nm、テーパ角26が約70度のランド&グ
ルーブ基板である。該基板21のランド部22の上面の
表面粗さRaを測定したところ、1.255mであっ
た。また、グルーブ部13の上面の表面粗さRaを測定
したところ、0.825nmであった。
【0038】図3において、該ポリカーボネート基板2
1上に実施例1と同様の条件で磁性層及び誘電体層を形
成した。
【0039】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式で0.2μmの孤立磁区を記録した
後、加熱用の光ビームを当てて、偏光顕微鏡で磁区観察
を行なった。その結果、グルーブ部に閉じていない磁区
が確認されたが、ランド部には磁区が観察されなかっ
た。すなわち、ランド部には0.2μmの孤立磁区の記
録が不可能な膜になっていて、磁性層はランド部によっ
て磁気的に分断されていることが確認された。
【0040】このようにして得られた光磁気ディスクの
グルーブ面に、通常の磁界変調方式でピット長0.10
μm、ピット間隔0.10μmで連続に記録した後、実
施例1と同様に『磁性層の温度勾配を利用した磁壁移動
型拡大再生方法』を用いて再生したところ、波長680
nm、NA0.6の光学系(相対速度2m/s)におい
て、C/N39.0dBが得られた。
【0041】すなわち、該形状のポリカーボネート基板
21を用いることによって、アニール処理等を行なわな
くても磁性層がトラック間で磁気的に分断され、磁壁移
動型の光磁気記録媒体の再生が容易に実現した。このよ
うなポリカーボネート基板21は汎用の基板形成技術で
作製可能なので、媒体のコストアップが避けられ、安価
な高密度記録媒体が提供できる。
【0042】比較例1 実施例1において、グルーブ部13の上面の表面粗さR
aを0.825nmとした基板を用いた他は実施例1と
同じとした。
【0043】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式で0.2μmの孤立磁区を記録した
後、加熱用の光ビームを当てて、偏光顕微鏡で磁区観察
を行なった。その結果、ランド部とグルーブ部の両方に
磁区が確認された。
【0044】このようにして得られた光磁気ディスクの
ランド面に、通常の磁界変調方式でピット長0.10μ
m、ピット間隔0.10μmで連続に記録した後、実施
例1と同様に『磁性層の温度勾配を利用した磁壁移動型
拡大再生方法』を用いて再生したところ、再生信号は非
常に小さく、波長680nm、NA0.6の光学系(相
対速度2m/s)において、C/Nで24.0dBしか
得られなかった。
【0045】また、グルーブ面においても同上の条件で
記録再生実験を行なったところ、再生信号は同様に小さ
く、C/Nで19.0dBしか得られなかった。
【0046】以上、該形状のポリカーボネート基板を用
いた場合、磁性層が磁気的に分断されていない為に磁壁
移動が極めて起こりにくく、実用的な再生信号は得られ
なかった。
【0047】実施例3 実施例2において、光磁気記録媒体を形成した後、ラン
ド部のみを低いレーザーパワーでアニール処理をした。
アニール条件は、波長680nm、NA0.6のレーザ
ーで、スポット幅はランド幅より多少狭い0.25μ
m、パワーは2mWとした。ちなみに、アニールのみで
磁性層を磁気的に分断するのに必要なレーザーパワー
は、波長680nm、NA0.6、スポット径1μm程
度で、パワーは8〜10mWである。
【0048】このようにして得られた光磁気ディスクの
ランドとグルーブの両面に、磁界変調方式で0.2μm
の孤立磁区を記録した後、加熱用の光ビームを当てて、
偏光顕微鏡で磁区観察を行なった。その結果、グルーブ
部に閉じていない磁区が確認されたが、ランド部には磁
区が観察されなかった。すなわち、ランド部には0.2
μmの孤立磁区の記録が不可能な膜になっていて、磁性
層はランド部によって磁気的に分断されていることが確
認された。
【0049】このようにして得られた光磁気ディスクの
グルーブ面に、通常の磁界変調方式でピット長0.10
μm、ピット間隔0.10μmで連続に記録した後、実
施例1と同様に『磁性層の温度勾配を利用した磁壁移動
型拡大再生方法』を用いて再生したところ、波長680
nm、NA0.6の光学系(相対速度2m/s)におい
てC/N41.0dBが得られた。
【0050】実施例2と比較して、C/Nが向上してい
るのは、アニール処理によってノイズが減少している為
であった。すなわち、実施例2にアニール処理を加える
ことによって、磁性層の磁気的分断がさらに確実なもの
となり、磁壁移動型光磁気記録媒体として好適なものと
なった。
【0051】実施例4 実施例1において、グルーブ部13の上面の表面粗さRa
を1.315nmとした他は実施例1と同じとした。
【0052】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式で0.2μmの孤立磁区を記録した
後、加熱用の光ビームを当てて、偏光顕微鏡で磁区観察
を行った。その結果、ランド部に閉じていない磁区が確
認されたが、グルーブ部には磁区が観察されなかった。
すなわち、グルーブ部には0.2μmの孤立磁区の記録
が不可能な膜になっていて、磁性層はグルーブ部によっ
て磁気的に分断されていることが確認された。
【0053】このようにして得られた光磁気ディスクの
ランド面に、通常の磁界変調方式でピット長0.10μ
m、ピット間隔0.10μmで連続に記録した後、実施
例1と同様に『磁性層の温度勾配を利用した磁壁移動型
拡大再生方法』を用いて再生したところ、波長680n
m、NA0.6の光学系(相対速度2m/s)におい
て、C/N37.0dBが得られた。実施例1と比較す
ると、多少C/Nが低下しているのは、グルーブによる
分断効果が低下した為である。
【0054】以上より、該形状のポリカーボネート基板
を用いることによって、アニール処理を行わなくても磁
性層がトラック間で磁気的に分断され、磁壁移動型の光
磁気記録媒体の再生が容易に実現した。該ポリカーボネ
ート基板は汎用の基板形成技術で作成可能なので、媒体
のコストアップがさけられ、安価な高密度記録媒体が提
供できる。
【0055】比較例2 実施例1において、グルーブ部13の上面の表面粗さRa
を1.115nmとした他は実施例1と同じとした。
【0056】このようにして得られた光磁気ディスク
に、磁界変調方式で0.2μmの孤立磁区を記録した
後、加熱用の光ビームを当てて、偏光顕微鏡で磁区観察
を行った。その結果、ランド部とグルーブ部の両方に磁
区が確認された。
【0057】このようにして得られた光磁気ディスクの
ランド面に、通常の磁界変調方式でピット長0.10μ
m、ピット間隔0.10μmで連続に記録した後、実施
例1と同様に『磁性層の温度勾配を利用した磁壁移動型
拡大再生方法』を用いて再生したところ、再生信号は非
常に小さく、波長680nm、NA0.6の光学系(相
対速度2m/s)において、C/N33.0dBしか得
られなかった。
【0058】また、グルーブ面においても同上の条件で
記録再生実験を行ったところ、再生信号は更に小さく、
C/Nで30dB以下であった。
【0059】以上、該形状のポリカーボネート基板を用
いた場合、磁性層が磁気的に分断されていないために磁
壁移動が極めて起こりにくく、実用的な再生信号は得ら
れなかった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光磁気記
録媒体によれば、特開平6−290496号公報で開示
された光磁気記録媒体(磁性層の温度勾配を利用した磁
壁移動型拡大再生方式により、記録密度並びに転送速度
を大幅に向上させる)の形成において必須となっていた
トラック間の磁気的分断を、ランドあるいはグルーブの
表面形状(表面粗さ)を制御するといった簡単な手法を
用いることによって達成することが可能となると同時
に、超高密度記録に適した磁壁移動型光磁気記録媒体を
安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体(実施例1、実施例
4)の基板形状を示した模式的断面図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体(実施例2、実施例
3)の基板形状を示した模式的断面図である。
【図3】本発明の光磁気記録媒体(実施例1、2、3、
4)の層構成を示した断面構成図である
【符号の説明】
11、21、31・・・ポリカーボネート基板 14、142、24、33・・・磁性層 141・・・磁気特性が劣化した磁性層 331・・・第1の磁性層 332・・・第2の磁性層 333・・・第3の磁性層 32、34・・・誘電体層 12、22・・・ランド部(ランド幅) 13、23・・・グルーブ部(グルーブ幅) 15、25・・・溝深さ 16、26・・・テーパ角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランド部(凸部)及びグルーブ部(凹
    部)が交互に配置されている基板上に、少なくとも、第
    1、第2、第3の磁性層が順次積層されている光磁気記
    録媒体であって、該第1の磁性層は、周囲温度近傍の温
    度において該第3の磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁力
    が小さく磁壁移動度の大きな磁性層からなり、該第2の
    磁性層は、該第1の磁性層及び該第3の磁性層よりキュ
    リー温度の低い磁性層からなる光磁気記録媒体におい
    て、前記ランド部あるいはグルーブ部のいずれかの基板
    表面粗さRaが1.2nm以上であり、該基板表面粗さ
    を有するランド部あるいはグルーブ部によって、前記第
    1の磁性層が分断されていることを特徴とする光磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 磁性層形成後に基板表面粗さRaが1.
    2nm以上の部分をアニール処理することを特徴とする
    請求項1に記載の光磁気記録媒体。
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