JPH11195534A - 誘導性素子用のコア及びトランス及びインダクタ - Google Patents

誘導性素子用のコア及びトランス及びインダクタ

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JPH11195534A
JPH11195534A JP10001124A JP112498A JPH11195534A JP H11195534 A JPH11195534 A JP H11195534A JP 10001124 A JP10001124 A JP 10001124A JP 112498 A JP112498 A JP 112498A JP H11195534 A JPH11195534 A JP H11195534A
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JP
Japan
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core
conductor
transformer
inductive element
inductor
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JP10001124A
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Yutaka Yamamoto
豊 山本
Takashi Hatauchi
隆史 畑内
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Toshitaka Minamizawa
俊孝 南澤
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Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
Japan Radio Co Ltd
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波帯域でのコアロスが少なく、形状を薄
くできる誘導性素子用のコアを提供し、また、高周波帯
域でのコアロスが少なく、電力伝達効率の低下のないト
ランスを提供し、更に、高周波帯域におけるコアロスの
少ないインダクタを提供する。 【解決手段】 Mn−Znフェライト原料粉末を造粒、
成形した後に焼成して得られた平均結晶粒径5μm以下
のMn−Znフェライトからなるベースコア23とカバ
ーコア24とから形成される誘導性素子用のコア22
と、このベースコア23とカバーコア24とに挟まれる
ように配置されたトランス用導体板25とからなるトラ
ンス21と、このベースコア23とカバーコア24とに
挟まれるように配置されたインダクタ用導体板49とか
らなるインダクタを採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に使
用される誘導性素子に関するものであり、特に、誘導性
素子用のコア及びこの誘導性素子用のコアからなるトラ
ンス及びインダクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電圧の昇圧または降圧あるいは電流流量
の変換等を行うトランスや、自己インダクタンスとして
作用するインダクタ等の誘導性素子は、各種の電子機器
等に欠かせないものとなっている。最近では、電子機器
の小型化、薄型化の要求が高まっており、それに伴っ
て、これらの電子機器に組み込まれる誘導性素子の小型
化、薄型化を図らねばならないという課題があった。
【0003】上述の誘導性素子の小型化、薄型化の課題
を解決する手段として、従来のEIコア、トロイダルコ
ア等よりもその形状が薄い誘導性素子用のコアが提案さ
れている。この誘導性素子用のコアを使用したインダク
タを図面を参照して説明する。
【0004】図13aに示すように、インダクタ1はプ
リント基板実装形のものであり、誘導性素子用のコア2
と、プリント基板3と、導線11とが備えられている。
誘導性素子用のコア2には、板状のベース部4とベー
ス部4の一面から縦横それぞれ3列ずつ一定の間隔を置
いて突設された直方体状の突起5、5…とを備える磁性
体からなるベースコア6が備えられている。ベースコア
6の直方体状の突起5、5…は、それぞれ、同一の高さ
に形成されている。ベースコア6には、図13aに示す
ように、2つの直方体状の突起5、5の側面13、13
とベース部4とにより区画された凹部10が設けられて
いる。図13aに示す形状の場合に、凹部10の数は、
直方体状の突起5、5…が9個あるので、12個とな
る。また、誘導性素子用のコア2には、板状の磁性体か
らなるカバーコア7が備えられている。プリント基板3
は、ガラスエポキシ材等の絶縁板3aからなるものであ
り、この絶縁板3aにベースコア6の直方体状の突起
5、5…が貫通するための孔12、12…が穿孔されて
いる。
【0005】インダクタ1においては、導体11とプリ
ント基板3とが、ベースコア6とカバーコア7との間に
挟まれるように配置されている。即ち、金属の線材から
なる導体11が、12個の凹部10、10…にくまなく
挿通されるようにベースコア6上に載置される。導体1
1の両端11aは、他の電子回路に接続されている。次
に、プリント基板3が、その孔12、12…にベースコ
ア6の直方体状の突起5、5…を貫通させることによ
り、ベースコア6の上面に載置される。更に、カバーコ
ア7が、プリント基板3を貫通した直方体状の突起5、
5…の上面8、8…とカバーコア7の底面9とを接合さ
せることにより、プリント基板3上に載置される。
【0006】図13bに示すように、上述のインダクタ
1には、凹部10、10…を区画する2つの直方体状の
突起5、5とベース部4とカバーコア7とにより、導体
11に印加された電圧によって生じる磁束を通過させる
ための各々が独立した閉磁路が形成されている。これを
単位コア15、15…(1点鎖線枠内)と称する。凹部
10が12個設けられているので、単位コア15の数も
12個となる。従って、誘導性素子用のコア2は、複数
の単位コア15が同一平面内に配設された形態になって
いる。導体11は、単位コア15に挿通されることによ
り、単位コア15の磁路の断面積と磁性体の透磁率等に
よって決定されるインダクタンスを発生する誘導性素子
となる。導体11を複数の単位コア15、15…に挿通
させると、得られるインダクタンス値が等価的に増加す
る。従って、大きなインダクタンス値が必要であれば、
多数の単位コア15、15…に導線11を挿通させれば
よい。
【0007】2本の導線11を、誘導性素子用のコア2
の凹部10、10…に挿通されることにより、1本の導
体11が1次巻線となり、もう1本の導体11が2次巻
線となるトランスを形成させることも可能である。
【0008】上述の誘導性素子用のコア2によれば、単
位コア15がベースコア6の一面に配設された形態とな
っているので、その形状を薄型にすることができる。ま
た、直方体状の突起5、5…の数を増減することにより
単位コア15の数を容易に増減させることができる。更
に、誘導性素子用のコア2は、導線の数を調整すること
により、インダクタ若しくはトランスとして使用するこ
とができる。
【0009】上述のインダクタ1によれば、誘導性素子
用のコア2を備えているので、その形状を薄型にするこ
とができる。また、上述のインダクタ1においては、誘
導性素子用のコア2に1以上設けられた単位コア15
と、この単位コア15内に挿通される導体11とによっ
て、所定のインダクタンスを発生させることができる。
また、上述のインダクタ1は、導線11が挿通される単
位コア15の単位コア15の数を調整することにより、
即ち単位コア15の一部にのみ導線11を挿通させるこ
とにより、インダクタンスの調整を容易に行うことがで
きる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の誘導性素子用の
コア2は、その材質として、高い透磁率と飽和磁束密度
を有するMn−Znフェライト、Ni−Znフェライト
等のフェライト材や、パーマロイ、センダスト、アモル
ファス合金等の金属材が用いられてきた。
【0011】フェライト材は、一般に加工性に優れてお
り、フェライト粉末を所定の形状の型に入れて焼成した
り、フェライト材のブロックを砥石等で加工することに
より、ベースコア6を容易に作製することができる。し
かし、従来のフェライト材を用いて作製したインダクタ
1においては、高周波帯域の正弦波交流電流を印加した
場合に誘導性素子用のコア2のコアロスが大きくなって
しまうという課題があった。更に、従来のフェライト材
を用いてトランスを作製した場合には、高周波帯域の交
流電流を印加したときに誘導性素子用のコア2のコアロ
スが大きくなり、電力伝達効率が低下してしまうという
課題があった。また、金属材を用いてベースコアを作製
しようとした場合には、ベースコア6の形状が複雑であ
るために成形が困難となり、たとえ成形できたとして
も、その形状を薄型にすることが難しいという課題があ
った。
【0012】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、高周波帯域でのコアロスが少な
く、形状を薄くできる誘導性素子用のコアを提供し、ま
た、高周波帯域でのコアロスが少なく、電力伝達効率の
低下のないトランスを提供し、更に、高周波帯域におけ
るコアロスの少ないインダクタを提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。
【0014】本発明の誘導性素子用のコアは、Mn−Z
nフェライト原料粉末を造粒、成形した後に焼成して得
られた平均結晶粒径5μm以下のMn−Znフェライト
からなり、板状のベース部と該ベース部の一面から突設
された2以上の柱状突起とを備えるベースコアと、板状
のカバーコアとを具備して構成され、前記ベースコアと
前記カバーコアは、前記ベースコアの前記柱状突起の上
面と前記カバーコアの底面とが接合することで一体化さ
れると共に、前記ベース部と2以上の前記柱状突起と前
記カバーコアとによって1以上の単位コアが形成された
ことを特徴とする。
【0015】また、本発明の誘導性素子用のコアは、先
に記載の誘導性素子用のコアであって、前記ベース部の
一面の面積S1と、前記柱状突起の上面の全面積S2と
の比が、2≦S1/S2≦16であることを特徴とす
る。更に、請求項3に記載の誘導性素子用のコアは、先
に記載の誘導性素子用のコアであって、前記Mn−Zn
フェライトは、その組成がmol%で、 Fe23:52〜55 ZnO : 5〜20 MnO :25〜40 であることを特徴とする。更にまた、本発明の誘導性素
子用のコアは、先に記載の誘導性素子用のコアであっ
て、前記Mn−Znフェライトの相対密度が97%以上
であり、平均結晶粒径が1.3〜3.0μmであり、性
能係数が1MHzで50〜300であり、性能係数が最
大値を示す周波数が0.2〜2MHzの範囲であること
を特徴とする。
【0016】本発明のトランスは、先に記載の誘導性素
子用のコアと、前記ベースコアの前記柱状突起が貫通す
るための孔が穿孔された絶縁板と該絶縁板の一面若しく
は両面に形成された1次導体及び2次導体とを備えるト
ランス用導体板とを具備することを特徴とする。本発明
のトランスは、先に記載のトランスであって、前記トラ
ンス用導体板は、前記1次導体及び前記2次導体が前記
孔に沿ってつづら折れ状に配置され、かつ該2次導体の
電流路の方向が前記1次導体の電流路と直交するように
配置されて構成され、前記トランス用導体板が、前記孔
に前記柱状突起を貫通させることにより、前記ベースコ
アと前記カバーコアとの間に挟まれるように配置される
と共に、前記1次導体及び前記2次導体が前記単位コア
内に配置されるように構成されたことを特徴とする。本
発明のトランスは、先に記載のトランスであって、前記
トランス用導体板に少なくとも2以上の2次導体が形成
されたことを特徴とする。
【0017】本発明のインダクタは、先に記載の誘導性
素子用のコアと、前記ベースコアの前記柱状突起が貫通
するための孔が穿孔された絶縁板と該絶縁板の一面若し
くは両面に形成された導体を備えるインダクタ用導体板
とを具備することを特徴とする。本発明のインダクタ
は、先に記載のインダクタであって、前記インダクタ用
導体板は、前記導体が前記孔に沿ってつづら折れ状に配
置されて構成され、前記インダクタ用導体板が、前記孔
に前記柱状突起を貫通させることにより、前記ベースコ
アと前記カバーコアとの間に挟まれるように配置される
と共に、前記導体が前記単位コア内に配置されるように
構成されたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1a〜図1dに示すように、ト
ランス21には、誘導性素子用のコア22であるMn−
Znフェライトからなるベースコア23及びMn−Zn
フェライトからなるカバーコア24と、トランス用導体
板25とから構成されている。
【0019】図2a〜図2cに示すように、ベースコア
23は、板状のベース部26と、ベース部26の一面か
ら一定の間隔をおいて突設された多数の柱状突起27、
27…とから構成されている。 図2aでは、柱状突起
27、27…の断面が略正方形と略三角形のものが混在
しているが、これに限られず、断面が三角形、長方形、
多角形、円形、楕円形であっても良い。更に、柱状突起
27、27…の高さはそれぞれ同一になるように形成さ
れている。高さが同一でなければ、後述するカバーコア
24との接合の際に全ての柱状突起27、27…がカバ
ーコア24の底面29と接合することができなくなるの
で好ましくない。また、ベースコア23には、隣接して
対向する2つの柱状突起27、27の側面27a、27
aとベース部26とによって区画された凹部30が設け
られている。柱状突起27、27…は、この図では46
個設けられているので、隣り合う2つの柱状突起27、
27…の間の凹部30、30…は72個ある。
【0020】図2aに示すように、ベース部26の一面
の面積S1は、ベースコア23の長手方向の辺の長さを
xとし、もう一方の辺の長さをyとすると、S1=xy
となる。また、柱状突起27、27…の上面28、28
…の全面積S2は、柱状突起27の上面28の一辺の長
さをzとすると、正方形状の柱状突起が28個あり、ベ
ースコアの各辺にある正方形の半分の面積である三角形
状の柱状突起が14個あり、ベースコアの4隅にある正
方形の4分の1の面積である三角形の柱状突起が4個あ
るので、S2=28z2+14/2z2+4/4z2=3
6z2となる。このときのS1とS2との比は、2≦S
1/S2≦16であることが好ましい。S1/S2が2
以下であると、ベース部26の閉磁路の断面積が極端に
小さくなるので好ましくない。また、S1/S2が16
以上であると、柱状突起27、27…の閉磁路の断面積
が極端に小さくなるので好ましくない。
【0021】図3a〜図3cに示すように、誘導性素子
用のコア2のカバーコア24は、板状のものである。
【0022】図5a〜図5dに示すように、トランス用
の導体板25には、ベースコア23の柱状突起27、2
7…が貫通するための孔31、31…が穿孔された絶縁
板32と、絶縁板32の一面に形成された1次導体33
と、もう一面に形成された2次導体34、35、36と
が備えられている。また、1次導体33及び2次導体3
4、35、36は、孔31、31…の縁に沿ってつづら
折れ状に配置され、かつ2次導体34、35、36の電
流路の方向が、1次導体33の電流路と直交するように
配置されている。更に、1次導体33及び2次導体3
4、35、36の上には、誘導性素子用のコア22との
間の絶縁を保つために、図示しない絶縁層が形成されて
いる。更に、1次導体33は、1次端子33aを介して
図示しない外部導線に接続されている。また、2次導体
34、35、36は、2次端子34a、35a、36a
を介して2次導体34、35、36のそれぞれが互いに
並列になるよう導線34bによって接続され、図示しな
い外部導線に接続されている。
【0023】絶縁板32は、ガラスエポキシ材、紙エポ
キシ材、フェノール樹脂等の絶縁性の高いものである。
1次導体33及び2次導体34、35、36は、図にお
いては銅箔が絶縁板32上に形成されたものであるが、
これに限られず、銅板、銅の線材等がトランスに印加す
る電力量に合わせて好ましく選定される。更に、1次導
体33及び2次導体34、35、36の上に形成された
絶縁層は、ガラスエポキシ材、紙エポキシ材、フェノー
ル樹脂等といったものが用いられる。このような構造の
トランス用導体板25は、例えば、多層プリント基板に
1次導体33及び2次導体34、35、36のパターン
をエッチング処理を施すことにより形成した後に、孔3
1、31…を穿孔することにより容易に作成される。
【0024】図1a〜図1cに示すように、トランス用
導体板25は、ベースコア23とカバーコア24との間
に挟まれるように配置されている。即ち、まずトランス
用導体板25が、その孔31、31…に柱状突起27、
27…を貫通させることにより、ベースコア23の上面
に載置される。次に、カバーコア24が、その底面29
と柱状突起27、27…の上面28、28…とを接合さ
せることにより、トランス用導体板25上に載置され
る。このようにして、トランス21においては、トラン
ス用の導体板25がベースコア23とカバーコア24と
の間に挟まれるように配置されると共に、1次導体33
及び2次導体34、35、36が、凹部30、30…内
に配置される。また、ベースコア23とカバーコア24
とが一体化することによって誘導性素子用のコア22を
形成する。ベースコア23とカバーコア24との接合
は、例えば、接着剤等で貼り付けることでも良いし、金
属の板バネ等で挟みつけても良い。
【0025】ベースコア23の柱状突起27、27…の
上面28、28…とカバーコア24の底面29との間に
は、磁気飽和を抑える、インダクタンス値を調整する等
の目的で、ギャップを設けることもできる。このギャッ
プは樹脂等の絶縁材を挟むことにより形成される。ギャ
ップに使用する絶縁材は、できるだけ誘電性の小さい樹
脂等が良好であって、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、エポキシ樹脂
等のフィルムが最適である。これらの樹脂は、誘電率が
2〜4の範囲で十分に小さく、これらの内から適宜選択
して利用できる。
【0026】図4aに示すように、誘導性素子用のコア
22には、ベース部26と柱状突起27、27…とカバ
ーコア24とにより、1次導体33に印加された電圧に
よって生じる磁束を通過させるための各々が独立した閉
磁路が形成されている。これを単位コア37、37…
(1点鎖線枠内)と称する。凹部30、30…が72個
設けられているので、単位コア37の数も72個とな
る。従って、誘導性素子用のコア22は、1以上の単位
コア37、37…が同一平面内に配設された形態となっ
ている。
【0027】1次導体33及び2次導体34、35、3
6は、単位コア37、37…に配置されることにより、
単位コア37の磁路の断面積と磁性体の透磁率等によっ
て決定されるインダクタンスを発生する誘導性素子とな
る。1次導体33及び2次導体34、35、36は、単
位コア37、37…によって磁気的に結合されており、
1次導体33がトランスの1次巻線として作用し、2次
導体34、35、36がトランスの2次巻線として作用
する。
【0028】1次導体33及び2次導体34、35、3
6を複数の単位コア37、37…に配置させると、得ら
れるインダクタンスが等価的に大きくなる。従って、大
きなインダクタンス値が必要であれば、多数の単位コア
37、37…に1次導体33及び2次導体34、35、
36を配置させればよい。このトランス21の場合に
は、1次導体33が72個の単位コア37に直列に配置
される。また、2次導体34、35、36がそれぞれ2
4個の単位コア37に直列に配置され、更に2次導体3
4、35、36は並列に接続されている。従って、この
トランス21の昇圧比は、1次:2次=72:24=
3:1となる。
【0029】本発明の誘導性素子用のコア22は、Mn
−Znフェライト原料粉末を造粒、成形した後に、焼成
による収縮率が安定する安定領域の温度範囲で焼成して
得られた平均結晶粒径5μm以下のMn−Znフェライ
トからなるものである。このMn−Znフェライトは、
その組成がmol%で、Fe23が52〜55、ZnO
が5〜20、MnOが25〜40からなるものである。
また、添加剤として、CaO、Ta25、SiO2、T
iO2等を添加したものであっても良い。
【0030】本発明で用いられるFe23、ZnO、M
nOからなるMn−Znフェライト原料粉末は、水熱合
成法から製造されるのが好ましい。ここで、水熱合成法
とは、液相からの粉末合成における溶液法の一種で、粗
大な固着粒子の形成が比較的少ない粉末の製造方法とし
てして知られるもので、アルカリ懸濁液を高温、高圧下
で水処理することにより粉末粒子を製造するものであ
る。この方法では、溶液や固体の酸化物など2種類以上
の化合物が関与して反応が進み、所望の化合物が合成さ
れるもので、このようにして反応が起こる場合、一方の
化合物は溶液として存在しているアルカリ金属イオンな
どが多用される。水熱合成法でMn−Znフェライト原
料粉末を製造するには、例えば、まず、Mn、Zn、F
eの所定量を含む金属化合物水溶液を調整する。これら
の元素の化合物としては種々の水溶性化合物を使用でき
るが、好ましくは塩化物、硝酸塩などが用いられる。そ
して、金属化合物水溶液に、例えばNaOH、KOH、
アンモニア水等の水溶液を接触、混合してアルカリ懸濁
液とする。次に、このアルカリ懸濁液をオートクレーブ
などの圧力容器に入れて、120〜250℃で水熱反応
処理してフェライト沈殿物を生成させる。そして得られ
たフェライト沈殿物を乾燥させて、所望の原料粉末を得
る。
【0031】また、添加剤として、CaO、Ta25
SiO2、TiO2等を添加した場合には、これらの添加
剤がフェライトの粒成長を抑えて過電流損失を低減し、
コアロスを抑える効果を奏する。また、フェライト主成
分固相中にこれらの添加元素が固溶することにより、フ
ェライト中の格子欠陥が減少し、コアロスが低減する効
果も得られる。添加剤は、金属化合物水溶液を調整する
際に適量を混合することにより添加される。
【0032】CaOを原料粉末に添加する場合の添加量
は、Mn−Znフェライトのコアロスを低減させるため
に、フェライト中の含有量が0.02〜0.25mol
%となるようにするのが好ましい。CaOの量が多すぎ
ると、初透磁率等の磁気特性が劣化するので、特に0.
02〜0.2mol%の範囲がより好ましい。Ta25
を原料粉末に添加する場合の添加量は、Mn−Znフェ
ライトのコアロスを低減させるために、フェライト中の
含有量が0.02〜0.35mol%となるようにする
のが好ましい。SiO2を原料粉末に添加する場合の添
加量は、Mn−Znフェライトのコアロスを低減させる
ために、フェライト中の含有量が0〜0.3mol%と
なるようにするのが好ましい。TiO2を原料粉末に添
加する場合の添加量は、Mn−Znフェライトのコアロ
スを低減させるために、フェライト中の含有量が0.1
〜1.5mol%となるようにするのが好ましい。Ti
2の量が多すぎると、初透磁率等の磁気特性が劣化す
るので、特に0.1〜1.3mol%の範囲がより好ま
しい。
【0033】フェライトに添加元素を十分に固溶させ、
ある程度の粒成長を促すことを目的として、得られた原
料粉末を還元性雰囲気中で仮焼成しても良い。ここでい
う還元雰囲気とは、フェライトに還元反応が生じる様な
雰囲気をいい、窒素雰囲気、真空中、アルゴン雰囲気等
である。仮焼成温度は、700〜930℃の範囲が好ま
しく、850〜930℃の範囲がより好ましい。仮焼成
温度が700℃以下では、還元反応が進まず、添加剤が
十分に固溶しないために、コアロスの低減が図れない。
また、焼成温度が930℃以上では、粒子径の成長が進
み過ぎて、特性劣化を起こす。
【0034】次に、このMn−Znフェライト原料粉末
を造粒し、目的とする形状の内部型を有する金型に入れ
て成形する。造粒は、少量の有機バインダを添加し、1
00メッシュの篩を通すことで行い、凝集のない粉体を
作成した。また、原料粉末に水を加えてスラリー状にし
た後に、スプレードライヤーを用いて乾燥と造粒を同時
に行うことによって、中空の顆粒状の粉体を作ることも
できる。
【0035】得られた成形体を焼成することにより所望
のMn−Znフェライトが得られる。このときの焼成温
度は、収縮率が安定する領域の温度範囲であることが好
ましい。ここで収縮率とは、成形体の焼成前の長さをL
0、焼成により変化した長さを△Lとした場合に、△L
/L0(%)を測定したものである。焼成温度を高くす
るにつれて収縮率が増加するが、およそ900〜113
0℃の温度範囲で収縮率が一定となる。この温度範囲を
収縮率が安定する領域の温度範囲と称する。この900
〜1130℃の温度範囲内では、温度変化によっても収
縮率が変化しない。更に焼成温度を1130℃以上に増
加させると収縮率が低下する。焼成温度が900℃以下
では、焼結体の密度が充分ではなく、コアロスが増大す
るため好ましくない。また、焼成温度が1130℃以上
では、結晶粒の急激な成長によるコアロスの増加を招く
ので好ましくない。収縮率が一定となる900〜113
0℃の温度範囲では、結晶粒の平均結晶粒径を5μm以
下に抑えることが可能となり、焼結体の相対密度も95
%以上にすることができるので、コアロスを大幅に低減
できる。また、より好ましくは、Mn−Znフェライト
の平均結晶粒径が1.3〜3.0μmとなる温度で焼成
することが好ましい。Mn−Znフェライトの平均結晶
粒径が5μm以下、より好ましくは1.3〜3.0μm
であれば、高周波帯域でのコアロスを大幅に低減するこ
とができる。
【0036】図2a〜図2cに示すベースコア23は、
成形、焼成して得たブロック状のMn−Znフェライト
に、砥石等で格子状に溝を形成して凹部30、30…と
柱状突起27、27…とを形成させることによるか、若
しくは、ベースコア23の形状を内型とする金型にMn
−Znフェライトの原料粉末を充填して焼成することに
よって得ることができる。
【0037】このようなMn−Znフェライトを用いた
誘導性素子用のコア22をトランス21として用いた場
合には、コアロスが1MHz、50mTにおいて200
〜500kW/m3であり、性能係数が1MHzで50
〜300であり、前記性能係数が最大値を示す周波数が
0.2〜2MHzの範囲であるトランス21を得ること
が可能となる。また、Mn−Znフェライトの原料粉末
の結晶平均結晶粒径を小さく抑えることができるもので
あれば、水熱合成法の他、水酸化物を生成させる共沈法
で原料を作製しても良い。また、誘導性素子用のコア2
2を得るには、Fe23、ZnO、MnOの微粉末を混
合して成形、焼成する乾式法によるのであっても良い。
【0038】上述の誘導性素子用のコア22は、水熱合
成法により得られたMn−Znフェライト原料粉末を造
粒、成形した後に焼成して得られた平均結晶粒径5μm
以下のMn−Znフェライトからなるものであるので、
高周波帯域におけるコアロスを低減することができる。
更に、複雑な形状のベースコア23を容易に製造でき
る。
【0039】上述の誘導性素子用のコア22は、ベース
部26とベース部26の一面から突設された2以上の柱
状突起27、27…とを備えるベースコア23と、板状
のカバーコア24とからなり、ベースコアとカバーコア
が一体化される際に、単位コアが多数形成されたことに
なるので、その形状を薄くすることが可能な誘導性素子
を作製することができる。また、上述の誘導性素子用の
コア22は、ベース部26の一面の面積S1と、柱状突
起27、27…の上面28、28…の全面積S2との比
が、2≦S1/S2≦16であるので、単位コアの閉磁
路の断面積を適切なものとすることができる。
【0040】また、上述の誘導性素子用のコア22は、
その組成がmol%で、Fe23:52〜55、Zn
O:5〜20、MnO:25〜40であり、更に、相対
密度が97%以上、平均結晶粒径が1.3〜3.0μm
であり、更に、前記Mn−Znフェライトのコアロスが
1MHz、50mTの条件下で200〜500kW/m
3、性能係数が1MHzで50〜300、性能係数が最
大値を示す周波数が0.2〜2MHzの範囲であるの
で、高周波帯域におけるコアロスが小さい誘導性素子を
作製することができる。
【0041】また、上述のトランス21は、誘導性素子
用のコア22と、絶縁板32の一面若しくは両面に形成
された1次導体33と2次導体34、35、36とを備
えるトランス用導体板25を備えており、このトランス
用導体板25はプリント基板をエッチングすること等に
より簡単に製造できるので、トランス21の製造コスト
を大幅に低減できる。また、トランス21は、ベースコ
ア22とカバーコア23との間に、トランス用導体板2
5を挟むだけで製造できるので、製造工程が簡略化され
製造コストを低減できる。更に、上述のトランス21
は、2次導体34、35、36が、トランス用導体板2
5に少なくとも2以上形成されたものであるので、トラ
ンス21の昇圧比を容易に変更することができる。更
に、上述のトランス21は、本発明に係る誘導性素子用
のコアを備えているので、高周波帯域におけるコアロス
が小さく、電力伝達効率の低下を防ぐことができる。
【0042】図6a〜図6cには、ベースコアの別の例
として、柱状突起38、38…の断面が円形であるベー
スコア39を示す。また、図7a〜図7dには、形状が
円形である孔40、40…と、この孔40、40…の縁
に沿ってつづら折れ状に形成された1次導体41と2次
導体42、43、44とを備えるトランス用導体板45
を示す。このトランス用導体板45を、ベースコア39
とカバーコア24との間に挟み込むように配置すること
により、トランス(図示せず)が形成される。このよう
なトランス(図示せず)は、ベースコア39と1次導体
33及び2次導体34、35、36との間の磁束の流れ
が良好となり、漏れ磁束が少なく、電力伝達効率の低下
をより防ぐことができる。このようなベースコア39
は、Mn−Znフェライトの原料粉末を所定の形状の型
に充填して焼成することで得ることができる。
【0043】図8a〜図8dには、ベースコア23の柱
状突起27、27…が貫通するための孔46、46…が
穿孔された絶縁板47と、絶縁板47の一面につづら折
れ状に配置された導体48とを備えるインダクタ用導体
板49を示す。このインダクタ用導体板49を、誘導性
素子用のコア22であるベースコア23とカバーコア2
4との間に挟み込むように配置することにより、インダ
クタ(図示せず)が形成される。即ち、まずインダクタ
用導体板49を、その孔46、46…に柱状突起27、
27…を貫通させることにより、ベースコア23の上面
に載置する。次に、カバーコア24を、その底面29と
柱状突起27、27…の上面28、28…とを接合させ
ることにより、インダクタ用導体板49上に載置する。
このようにして、インダクタ(図示せず)においては、
インダクタ用導体板49がベースコア23とカバーコア
24との間に挟まれるように配置されると共に、導体4
8が、凹部30、30…内に配置される。また、ベース
コア23とカバーコア24とが一体化することによって
誘導性素子用のコア22を形成する。導体48は、単位
コア37、37…に配設されることにより、単位コア3
7の磁路の断面積と磁性体の透磁率等によって決定され
るインダクタンスを発生する誘導性素子となる。導体4
8を複数の単位コア37、37…に配設させると、得ら
れるインダクタンスが等価的に大きくなる。従って、大
きなインダクタンス値が必要であれば、多数の単位コア
37、37…に導体48を配設させればよい。
【0044】上述のインダクタ(図示せず)は、Mn−
Znフェライトからなる誘導性素子用のコア22を備え
ているので、高周波帯域におけるコアロスを小さくする
ことができると共に、その形状を薄型にできる。また、
インダクタ用導体板49を、ベースコア23とカバーコ
ア24との間に挟み込むように配置することによりイン
ダクタ(図示せず)を製造できるので、インダクタを容
易に製造することが可能となり、製造コストを低くする
ことができる。
【0045】
【実施例】(実施例)組成がFe23が53.6mol
%、ZnOが7.1mol%、MnOが39.3mol
%である水熱合成法により得られたMn−Znフェライ
トの原料粉末に、有機バインダとしてアクリルポリマー
を適量添加した後、CIP成形を196MPaで180
秒間行い、その後、真空中で1050℃で4時間焼成す
ることにより平均結晶粒径2.2μmであるMn−Zn
フェライト焼成体を得た。この焼成体から、コアロス測
定用のリング状(外径10mm、内径6mm、厚さ1.
5mm)試料を切り出した。
【0046】次に、得られた焼成体から、幅34mm、
長さ68mm、高さ2.1mmのMn−Znフェライト
のブロックを切り出した後に、砥石等でブロックの表面
に幅4mm、深さ1.3mmの溝を間隔を4mm空けて
格子状に設けることにより、図2に示すような、一辺の
長さが4mm、高さが1.3mmの立方体状の柱状突起
を形成してベースコアを作製した。また、得られた焼成
体から、幅34mm、長さ68mm、高さ0.9mmの
大きさのMnZnフェライトのブロックを切り出してカ
バーコアとした。更に、幅40mm、長さ74mm、厚
さ1.2mmのガラスエポキシ樹脂と銅箔からなる多層
プリント基板の両面に、図4に示すような、幅2mmの
1次導体及び2次導体をエッチング処理で形成し、ベー
スコアの柱状突起に対応する位置に孔を穿孔してトラン
ス用導体板を作製した。更に、ベースコアとカバーコア
とを、トランス用の導体板を挟み込んで接合することに
より、図1に示すような、全体の大きさが、幅40m
m、長さ74mm、高さ3.0mmのトランスを組み立
てた。
【0047】(比較例1)組成がFe23が54.5m
ol%、ZnOが15mol%、MnOが30.5mo
l%である乾式法により得られたMn−Znフェライト
の原料粉末に、有機バインダとしてアクリルポリマーを
適量添加した後、CIP成形を196MPaで180秒
間行い、その後、酸素、窒素混合気体中で1300℃で
8時間焼成することにより平均結晶粒径10μmである
Mn−Znフェライト焼成体を得た。この焼成体から、
コアロス測定用のリング状(外径10mm、内径6m
m、厚さ1.5mm)試料を切り出した。更に、この焼
成体を用いたこと以外は実施例と同様にしてトランスを
組み立てた。
【0048】(比較例2)組成がFe23が54.5m
ol%、ZnOが6.5mol%、MnOが39mol
%である乾式法により得られた平均結晶粒径1μmであ
るMn−Znフェライトの原料粉末に、有機バインダと
してアクリルポリマーを適量添加した後、CIP成形を
196MPaで180秒間行い、その後、酸素、窒素混
合気体中で1200℃で4時間焼成することにより平均
結晶粒径5μmであるMn−Znフェライト焼成体を得
た。この焼成体から、コアロス測定用のリング状(外径
10mm、内径6mm、厚さ1.5mm)試料を切り出
した。更に、この焼成体を用いたこと以外は実施例と同
様にしてトランスを組み立てた。
【0049】実施例及び比較例1、2で得られたMn−
Znフェライト焼成体について、焼成温度と収縮率の関
係を調べた。収縮率は、焼成体の焼成前の長さをL0
焼成により変化した長さを△Lとした場合に、△L/L
0(%)を測定したものである。測定結果を図9に示
す。実施例の焼成体は、焼成温度の増加とともに収縮率
が大きくなり、1000〜1200℃の範囲で収縮率が
安定する安定領域になる。これは、実施例の焼成体の結
晶粒の平均結晶粒径のバラツキが小さく、焼成温度の増
加とともに各結晶粒が一斉に収縮するためと思われる。
従って、実施例のMn−Znフェライト焼成体から作製
した誘導性素子用のコアは、結晶粒の平均結晶径が小さ
いと共にバラツキも小さく、焼成体の相対密度が高くな
るので、コアロスが小さくなると予想される。一方、比
較例1、2の焼成体は、焼成温度を上げても、実施例の
ように収縮率の増加が顕著でなく、安定領域も見られな
い。従って、結晶粒の平均結晶粒径のバラツキが大き
く、また、相対密度が小さいので、コアロスが大きくな
ってしまうと予想される。
【0050】実施例及び比較例1、2で得られたコアロ
ス測定用のリング状試料を用いてコアロスを測定した。
コアロスの測定には、磁化測定装置(凌和電子社製、M
MS0375−2.1B)を用いた。測定結果を図10
a及び図10bに示す。図10aには、周波数1MH
z、Bmが50mTとした条件でのMn−Znフェライ
トの保持温度とコアロスとの関係を示す。実施例のMn
−Znフェライトは、どの温度においても比較例1、2
のMn−Znフェライトよりもコアロスが大幅に低いこ
とがわかる。更に、図10bには、Bm・fを25×1
3T・Hz、設置温度80℃にしたときの正弦波交流
電流の周波数とコアロスとの関係を示す。実施例のMn
−Znフェライトは、比較例1、2と比べて、低周波数
帯域(0.1〜0.3MHz)ではコアロスが大きい
が、高周波数帯域(0.3〜1.5MHz)ではコアロ
スが小さくなり、高周波帯域において有利であることが
わかる。従って、実施例のMn−Znフェライトにより
誘導性素子を作製した場合には、高周波帯域における特
性が良好であることが予想される。
【0051】次に、実施例及び比較例1、2のトランス
の特性を述べる。図11には、トランスの2次導体を解
放にして、1次導体に100〜103kHzの周波数範囲
の正弦交流波電流を印加したときの、等価インダクタン
スL、銅損とコアロスを含む等価抵抗R、性能係数Q
(=ωL/R)を示す。測定は、インピーダンスアナラ
イザーを用いた。図11bにおいて、実施例のトランス
は、比較例のトランスに比べ、周波数10kHz以上の
高周波帯域における等価抵抗が小さい。また、図11c
において、実施例のトランスは、性能係数が、0.2M
Hz付近で250近くの最大値を示すが、比較例1、2
のトランスでは、性能係数の最大値を示す周波数が0.
09〜0.1MHzと実施例よりも低く、性能係数自体
も120〜160程度と実施例よりも低い。更に、図1
1aにおいて、実施例のトランスは、等価インダクタン
ス値が比較例1、2のトランスとほぼ同等である。
【0052】図12には、実施例のトランスの2次巻線
の端子に負荷抵抗を接続し、このトランスの1次巻線に
周波数500kHzの正弦交流電圧(33V)を入力
し、2次巻線からの出力電圧を約10V一定にしたとき
の出力電圧に対する電力伝達効率の測定結果を示す。図
12より、出力電流が約0.7Aの時、即ち、出力電力
が約7Wの時に、電力伝達効率が90%を越え、出力電
流の増加とともに電力伝達効率が上昇している。特に、
出力電流が3Aの時、即ち、出力電力が30Wの時に、
電力伝達効率が95.2%を示している。このように、
実施例のトランスは、薄型であるにもかかわらず、高い
電力伝達効率を示すことがわかる。
【0053】以上の結果より、本発明のトランスは、薄
型であっても高周波数帯域におけるコアロスが小さく、
電力伝達効率が良好であることが判明した。
【0054】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
誘導性素子用のコアは、平均結晶粒径5μm以下のMn
−Znフェライトからなるものであり、ベース部とベー
ス部の一面から突設された2以上の柱状突起とを備える
ベースコアと、その形状が平面視略矩形で所定の厚さを
有するカバーコアとからなり、ベースコアとカバーコア
が一体化されると共に、単位コアが形成されたことにな
るので、高周波帯域におけるコアロスが少なく、その形
状を薄くすることが可能な誘導性素子を作製することが
できる。更に、複雑な形状のベースコアを容易に製造で
きる。また、本発明の誘導性素子用のコアは、ベース部
の一面の面積S1と、柱状突起の上面の全面積S2との
比が、2≦S1/S2≦16であるので、単位コアの磁
路の断面積を適切なものとすることができる。
【0055】また、本発明の誘導性素子用のコアは、そ
の組成がmol%で、Fe23:52〜55、ZnO:
5〜20、MnO:25〜40であり、更に、相対密度
が97%以上であり、平均結晶粒径が1.3〜3.0μ
mであり、性能係数が1MHzで50〜300であり、
性能係数が最大値を示す周波数が0.2〜2MHzの範
囲であるので、高周波帯域におけるコアロスが小さい誘
導性素子を作製することができる。
【0056】本発明のトランスは、本発明の誘導性素子
用のコアと、1次導体及び2次導体とを備えるトランス
用導体板とからなり、トランス用導体板が、ベースコア
とカバーコアとの間に挟まれるように配置されているの
で、トランスを容易に製造することができる。更に、高
周波帯域におけるコアロスが小さく、電力伝達効率が低
下しないトランスを得ることができる。また、トランス
の形状を薄くすることができる。更に、本発明のトラン
スは、2次導体が、トランス用導体板に少なくとも2以
上形成されたものであるので、トランスの昇圧比を容易
に変更することができる。
【0057】本発明のインダクタは、本発明の誘導性素
子用のコアと、導体を備えるインダクタ用導体板とから
なり、インダクタ用導体板が、ベースコアとカバーコア
との間に挟まれるように配置されているので、インダク
タを容易に製造することができる。更に、高周波帯域に
おけるコアロスが小さいインダクタを得ることができ
る。また、インダクタの形状を薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態である誘導性素子用のコ
アを備えたトランスを示す図であって、aは平面図であ
り、bは側面図であり、cは正面図であり、dは背面図
である。
【図2】 本発明の実施の形態である誘導性素子用のコ
アのベースコアを示す図であって、aは平面図であり、
bは側面図であり、cは正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態である誘導性素子用のコ
アのカバーコアを示す図であって、aは平面図であり、
bは側面図であり、cは正面図である。
【図4】 本発明の実施の形態である誘導性素子用のコ
アを示す図であって、aは平面図であり、bは側面図で
あり、cは正面図である。
【図5】 本発明の実施の形態である誘導性素子用のコ
アを備えたトランスのトランス用導体板を示す図であっ
て、aは平面図であり、bは側面図であり、cは正面図
であり、dは背面図である。
【図6】 本発明の実施の形態である誘導性素子用のコ
アのベースコアを示す図であって、aは平面図であり、
bは側面図であり、cは正面図である。
【図7】 本発明の実施の形態である誘導性素子用のコ
アを備えたトランスのトランス用導体板を示す図であっ
て、aは平面図であり、bは側面図であり、cは正面図
であり、dは背面図である。
【図8】 本発明の実施の形態である誘導性素子用のコ
アを備えたインダクタのインダクタ用導体板を示す図で
あって、aは平面図であり、bは側面図であり、cは正
面図であり、dは背面図である。
【図9】 本発明の実施の形態であるMn−Znフェラ
イト焼成体の焼成温度と収縮率との関係を示すグラフで
ある。
【図10】 本発明の実施の形態であるMn−Znフェ
ライトの特性を説明するための図であって、aはMn−
Znフェライトの保持温度とコアロスとの関係を示す図
であり、bはMn−Znフェライトの周波数とコアロス
との関係を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態である誘導性素子用の
コアを備えたトランスの特性を説明するための図であっ
て、aはトランスに入力する電流の周波数と等価インダ
クタンスとの関係を示す図であり、bはトランスに入力
する電流の周波数と等価抵抗との関係を示す図であり、
cはトランスに入力する電流の周波数と性能係数との関
係を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態である誘導性素子用の
コアを備えたトランスの電力伝達効率を示す図である。
【図13】 従来の誘導性素子用のコアを備えたインダ
クタを示す図であって、aはインダクタの分解斜視図で
あり、bは、誘導性素子用のコアの平面図である。
【符号の説明】
21 トランス 22 誘導性素子用のコア 23 ベースコア 24 カバーコア 25 トランス用導体板 26 ベース部 27 柱状突起 28 柱状突起の上面 29 カバーコアの底面 30 凹部 31 孔 32 絶縁板 33 1次導体 34 2次導体 35 2次導体 36 2次導体 48 導体 49 インダクタ用導体板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 南澤 俊孝 長野県長野市稲里町下氷鉋1163番地 長野 日本無線株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn−Znフェライト原料粉末を造粒、
    成形した後に焼成して得られた平均結晶粒径5μm以下
    のMn−Znフェライトからなり、板状のベース部と該
    ベース部の一面から突設された2以上の柱状突起とを備
    えるベースコアと、 板状のカバーコアとを具備して構成され、 前記ベースコアと前記カバーコアは、前記ベースコアの
    前記柱状突起の上面と前記カバーコアの底面とが接合す
    ることで一体化されると共に、前記ベース部と2以上の
    前記柱状突起と前記カバーコアとによって1以上の単位
    コアが形成されたことを特徴とする誘導性素子用のコ
    ア。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の誘導性素子用のコアで
    あって、前記ベース部の一面の面積S1と、前記柱状突
    起の上面の全面積S2との比が、2≦S1/S2≦16
    であることを特徴とする誘導性素子用のコア。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の誘導性素子用のコアで
    あって、前記Mn−Znフェライトは、その組成がmo
    l%で、 Fe23:52〜55 ZnO : 5〜20 MnO :25〜40 であることを特徴とする誘導性素子用のコア。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項3に記載の誘導性
    素子用のコアであって、前記Mn−Znフェライトの相
    対密度が97%以上であり、平均結晶粒径が1.3〜
    3.0μmであり、性能係数が1MHzで50〜300
    であり、性能係数が最大値を示す周波数が0.2〜2M
    Hzの範囲であることを特徴とする誘導性素子用のコ
    ア。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の誘導性
    素子用のコアと、前記ベースコアの前記柱状突起が貫通
    するための孔が穿孔された絶縁板と該絶縁板の一面若し
    くは両面に形成された1次導体及び2次導体とを備える
    トランス用導体板とを具備することを特徴とするトラン
    ス。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のトランスであって、前
    記トランス用導体板は、前記1次導体及び前記2次導体
    が前記孔に沿ってつづら折れ状に配置され、かつ該2次
    導体の電流路の方向が前記1次導体の電流路と直交する
    ように配置されて構成され、 前記トランス用導体板が、前記孔に前記柱状突起を貫通
    させることにより、前記ベースコアと前記カバーコアと
    の間に挟まれるように配置されると共に、前記1次導体
    及び前記2次導体が前記単位コア内に配置されるように
    構成されたことを特徴とするトランス。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載のトラン
    スであって、前記トランス用導体板に少なくとも2以上
    の2次導体が形成されたことを特徴とするトランス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載の誘導性
    素子用のコアと、前記ベースコアの前記柱状突起が貫通
    するための孔が穿孔された絶縁板と該絶縁板の一面若し
    くは両面に形成された導体を備えるインダクタ用導体板
    とを具備することを特徴とするインダクタ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインダクタであって、
    前記インダクタ用導体板は、前記導体が前記孔に沿って
    つづら折れ状に配置されて構成され、 前記インダクタ用導体板が、前記孔に前記柱状突起を貫
    通させることにより、前記ベースコアと前記カバーコア
    との間に挟まれるように配置されると共に、前記導体が
    前記単位コア内に配置されるように構成されたことを特
    徴とするインダクタ。
JP10001124A 1998-01-06 1998-01-06 誘導性素子用のコア及びトランス及びインダクタ Withdrawn JPH11195534A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010045126A (ja) * 2008-08-11 2010-02-25 Tdk Corp コイル、変圧素子、スイッチング電源装置

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