JPH11196709A - Doc2α遺伝子が欠損したトランスジェニック・マウス - Google Patents

Doc2α遺伝子が欠損したトランスジェニック・マウス

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JPH11196709A
JPH11196709A JP10001925A JP192598A JPH11196709A JP H11196709 A JPH11196709 A JP H11196709A JP 10001925 A JP10001925 A JP 10001925A JP 192598 A JP192598 A JP 192598A JP H11196709 A JPH11196709 A JP H11196709A
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doc2α
gene
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cells
mouse
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JP10001925A
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Takeshi Sakaguchi
岳 阪口
Satoshi Oda
聡 織田
Hisanaga Igarashi
久永 五十嵐
Yoshimi Takai
義美 高井
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Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Doc2α遺伝子が欠損したマウスを提供するこ
と。 【解決手段】 Doc2α遺伝子が欠損したトランスジェニ
ック・マウス。このマウスは、好ましくは、Doc2α遺伝
子のいずれかの部分配列に対して、他の遺伝子が置換ま
たは挿入されることによりDoc2α遺伝子が欠損する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Doc2α遺伝子が欠
損したトランスジェニック・マウスに関する。
【0002】
【従来の技術】神経細胞からの神経伝達物質の放出は、
神経伝達物質を貯蔵しているシナプス小胞とプレシナプ
ス膜との融合により行われる。この過程は、ホルモンな
どの生理活性物質が、開口放出により細胞外へ放出され
る機構と類似している。本発明者らは、神経伝達物質の
放出およびホルモンの分泌に関与する分子として、ヒト
のDoc2αを発見した。ヒトおよびマウスのDoc2αは、い
ずれも分子量45kDaの脳特異的蛋白質であり、そのカル
ボキシ末端側には、C2領域を二つ有している(図1を
参照)。C2領域は、カルシウムイオンおよびホスファ
チジルセリンと結合する領域として知られている(Orit
a, S. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 206:
439, 1995)。本発明者らは、Doc2αが脳の神経細胞に
特異的に発現されること、および、細胞分画法により、
Doc2αの大部分はシナプス小胞画分に高濃度で存在し、
そして一部分はシナプス膜画分に存在することを明らか
にした(Naito, A. et al., Mol. Brain Res. 44: 198,
1997;およびOrita, S. etal., Biochem. Biophys. Re
s. Commun. 206: 439, 1995)。さらに、本発明者ら
は、Doc2αをPC12細胞で過剰発現させることにより、神
経伝達物質と同様の機構で放出される成長ホルモンの分
泌が促進されることを明らかにした(Orita, S.et al.,
J. Biol. Chem. 271: 7257, 1996)。これらの結果か
ら、Doc2αは神経伝達物質の放出において重要な役割を
はたしていると考えられている。
【0003】最近、Doc2αのC2領域にMunc18が結合す
ることが示された(Verhage, M. etal., Neuron 18: 45
3. 1997)。また、これとは別に、本発明者らは、Doc2
αのアミノ末端領域(図1のMid)に結合する蛋白質と
して、Munc13-1を見出した(Orita, S. et al., J. Bio
l. Chem. 272:16081, 1997)。Munc18およびMunc13は、
線虫の蛋白質であるunc18およびunc13の哺乳動物相同物
である。unc18およびunc13は、いずれも、線虫の行動異
常の原因遺伝子であり、神経伝達物質の放出に関与して
いることが示されている。したがって、Doc2αは、Munc
18およびMunc13と結合することにより神経伝達物質の放
出に働いていると考えられる。
【0004】このように、現在まで、Doc2αの生化学的
解析を通して、Doc2αの生理機能の解明が試みられてき
た。しかし、Doc2αが、実際の生体内で神経細胞の生理
機能にどのように関与しているかは解明されていない。
そのため、Doc2αの生理機能を解明するために有用な動
物モデルを提供することが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
の解決を意図するものであり、Doc2αの生理的機能を直
接明らかにすることを可能にするとともに、Doc2αの関
与する種々の病態の解明あるいは治療法の研究のために
有用な、遺伝的背景の明確な動物モデルを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のトランスジェニ
ック・マウスは、Doc2α遺伝子が欠損したマウスであ
る。
【0007】好ましい実施態様では、本発明のトランス
ジェニック・マウスは、Doc2α遺伝子のいずれかの部分
配列に対して、他の遺伝子が置換または挿入されること
により、Doc2α遺伝子が欠損したマウスである。他の遺
伝子は、選択マーカー遺伝子であり得る。
【0008】より好ましい実施態様では、本発明のトラ
ンスジェニック・マウスは、Doc2α遺伝子の第1エキソ
ンの一部を含む部分配列に対して、選択マーカー遺伝子
が置換または挿入されたマウスである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明においては、特に指示のない限り、
当該分野で公知である組換えDNA法、遺伝子導入法、蛋
白質の分離および分析法、および免疫学的手法が採用さ
れ得る。これらの手法は、市販の酵素、キット、抗体、
標識物質などを使用して行い得る。
【0011】(用語の定義)本明細書において、「Doc2
α遺伝子」は、配列表の配列番号1に示すcDNA配列を有
するマウス遺伝子、それに対応するゲノム配列を有する
遺伝子、それらの天然の突然変異体、対立遺伝子変異体
などを含む。Doc2α遺伝子は、転写調節領域から翻訳終
止コドンまでを含み、その一次転写物は10個のエキソン
および9個のイントロンからなる(図2A)。配列番号
1に示すcDNA配列に対応するゲノムDNAにおいては、配
列番号1のヌクレオチド637位と638位との間、717位と7
18位との間、792位と793位との間、902位と903位との
間、1029位と1030位との間、1089位と1090位との間、12
53位と1254位との間、1335位と1336位との間、および14
32位と1433位との間にイントロンが存在する。
【0012】本明細書において、「Doc2α遺伝子が欠損
したトランスジェニック・マウス」とは、当該分野で周
知の遺伝子操作によって遺伝子導入されたマウスであっ
て、そのマウスから抽出されたDNAについてDoc2α遺伝
子の全長をプローブとして用いてサザンブロッティング
をした場合に、野生型マウスからのDNAについてのサザ
ンブロットと比較したとき、バンドパターンにおいて、
検出可能なレベル以上の差異を示すマウスをいう。この
トランスジェニック・マウスは、Doc2α遺伝子をヘテロ
に欠損していてもよいし、ホモに欠損していてもよい
が、ホモに欠損していることが好ましい。
【0013】Doc2α遺伝子がホモに欠損したマウスにお
いては、Doc2α蛋白質に対する任意の抗体を用いたと
き、野生型マウス由来の45kDaのDoc2α蛋白質が検出さ
れ得ないことが好ましく、Doc2α蛋白質に対する任意の
抗体を用いたとき、検出され得る蛋白質がないことがよ
り好ましい。これらの検出は、例えば、本明細書に記載
の抗Doc2α抗体によって行われる。
【0014】本明細書において、「Doc2α遺伝子のいず
れかの部分配列」とは、Doc2α遺伝子の転写調節領域か
ら翻訳終止コドンまでの任意の部分配列をいう。この部
分配列は、好ましくは、エキソンの一部を含み、より好
ましくは第1エキソンの一部を含む。以下において、こ
の「部分配列」のことを、「標的配列」とも呼ぶ。
【0015】本明細書において、「他の遺伝子」とは、
Doc2α遺伝子の有する配列以外の配列を有するヌクレオ
チドをいう。他の遺伝子は、蛋白質をコードしてもよい
し、コードしなくてもよい。好ましくは、他の遺伝子は
蛋白質をコードし、より好ましくは選択マーカーをコー
ドする。
【0016】(Doc2α遺伝子が欠損したマウスの作製)
本発明のトランスジェニック・マウスは、Doc2α遺伝子
を欠損させることにより得られる。Doc2α遺伝子を欠損
させる方法としては、代表的には、遺伝子の相同組換え
による遺伝子ターゲッティング、Cre/loxP組換え系(Ku
hn,R. et al.、Science 269:1427-1429 (1995))を用
いた条件的遺伝子ターゲッティングなどが挙げられる。
【0017】遺伝子ターゲッティングの原理は公知であ
り、欠損させるべき標的遺伝子が、相同組換えにより特
異的に欠損される。相同組換えにおいては、改変した配
列を有するDNAが、細胞内に導入されて、標的遺伝子中
の部分配列(すなわち標的配列)と置き換わる。ここ
で、導入されるDNAは、改変された配列、およびその両
端の、標的配列中の対応する両端部分と相同である配列
(以下、相同配列という)を含む。従って、上記DNA
は、改変された配列において標的配列中の対応する部分
とは異なる配列を有する。細胞内で、細胞が元来有する
標的遺伝子と導入されたDNAとの間で相同組換えが起
き、その結果、細胞の標的配列が、改変された配列と置
き換わる。このようにして、標的遺伝子が改変される。
【0018】Doc2α遺伝子を欠損させるための遺伝子タ
ーゲッティングにおいては、標的配列は、Doc2α遺伝子
の一部であってもよいし、全体であってもよい。標的配
列は、Doc2αのゲノムDNAのエキソンまたはイントロン
に存在する配列であってもよく、Doc2α遺伝子の調節領
域に存在する配列であってもよい。標的配列は、好まし
くは、Doc2α遺伝子のゲノムDNAのエキソンの一部を含
む配列であり、より好ましくは、Doc2α遺伝子の第1エ
キソンの一部を含む配列である。Doc2α遺伝子の第1エ
キソンは、開始コドンならびにN末端領域のアミノ酸を
コードする(図2)。標的配列の長さは、特に限定され
ず、当業者によって任意に設定され得る。
【0019】標的配列に対応する配列は、すでにクロー
ニングされているマウスDoc2αをコードするDNA、例え
ば、マウスのDoc2αのcDNA(Naito, A. et al., Mol. B
rainRes. 44: 198, 1997)を用いて、マウスの肝臓のゲ
ノムDNAライブラリーをスクリーニングすることにより
得ることができる。
【0020】標的配列に対応する配列を得たら、この配
列の中間部分を改変する。このような改変は、当該分野
で周知の遺伝子組換え法(Maniatis,T.et al., Molecul
ar Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spri
ng Harbor Laboratory、NewYork (1989))を用いて行な
うことができる。配列の改変には、配列の欠失、挿入、
および置換が含まれる。配列の改変が挿入である場合、
標的配列は実質的に、上記の相同配列に対応する配列の
みからなり得る。置換または挿入による改変が好まし
い。改変は、Doc2α遺伝子を欠損させるに十分である必
要がある。挿入および置換に用いられる配列は、任意の
配列であり得るが、好ましくは遺伝子をコードする配列
である。挿入および置換に用いられる遺伝子の例として
は、選択マーカー遺伝子が挙げられる。選択マーカー遺
伝子の使用は、目的とする改変の検出を容易にする。選
択マーカー遺伝子の例としては、ネオマイシン耐性遺伝
子(G418(ジェネティシン)耐性により選択)、β-ラクタ
マーゼ遺伝子、ジフテリア毒素Aフラグメント遺伝子、
ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子、ハイグロ
マイシン耐性遺伝子などが挙げられる。これらの配列を
用いる改変は、試験管内で常用のDNA組換え法により行
うことができる。
【0021】改変された配列を有するDNA配列は、適切
なプラスミド、ベクターなどに組込み、大量に増幅する
ことができる。
【0022】このようにして得られた相同組換え用DNA
を、全能性を有する細胞に導入する。全能性を有する細
胞の例としては、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)、胚性
腫瘍細胞(EC細胞)が挙げられる。相同組換え用DNAの
導入方法としては、エレクトロポレーション法、マイク
ロインジェクション法、DEAE-デキストラン法、リン酸
カルシウム法などが挙げられる。上述のように、相同組
換え用DNAが導入された細胞では、細胞が元来有するDoc
2α遺伝子のDNA(標的配列)と導入されたDNAとの間で
相同組換えが生じ、標的配列が、導入されたDNA中の改
変された配列で置換される。改変された配列が選択マー
カー遺伝子を有する場合、このマーカー遺伝子がDoc2α
遺伝子中に導入される。
【0023】次いで、相同組換えの生じた細胞を選択す
る。選択は、例えば、選択マーカーの表現型、もしくは
サザンブロッティングによる標的配列とのハイブリダイ
ゼーションの検出、またはPCRによる増幅断片長の解析
などにより行うことができる。選択マーカーの使用は、
この選択を容易にする点で好ましい。
【0024】相同組換えの生じた細胞を、マウスの初期
胚に注入する。初期胚の発達段階としては、胚盤胞、8
細胞期胚などが挙げられる。胚盤胞が好ましい。
【0025】次いで、注入後の初期胚を、偽妊娠マウス
の子宮角に移植することにより、産仔を得る。産仔は、
キメラマウスとなる。得られたキメラマウスを、他の適
切な系統のマウスと交配することにより産仔を得る。キ
メラマウスの生殖細胞が相同組換え体(すなわち、Doc2
α遺伝子が欠損した細胞)に由来すれば、Doc2α遺伝子
の一方が改変されたマウス(ヘテロ接合体;ヘテロ変異
マウスともいう)を得ることができる。ヘテロ接合体で
あるマウス同士を交配することにより、正常なDoc2α遺
伝子を有さないホモ接合体(ホモ変異マウスともいう)
のトランスジェニック・マウスを得ることができる。本
発明のトランスジェニック・マウスは、ホモ接合体およ
びヘテロ接合体のトランスジェニック・マウスをいう。
【0026】得られたヘテロまたはホモのトランスジェ
ニック・マウスを用いて、Doc2α蛋白質の関与する神経
系・内分泌系疾患の病態生理、原因の解明、および治療
法の開発などを行うことが出来る。例えば、Doc2α遺伝
子が欠損したトランスジェニック・マウスについて、組
織学的研究を行い、非トランスジェニック動物には見ら
れない病態が見られた場合、この病態とDoc2αが発現し
ないこととが関連付けられる。例えば、神経伝達におけ
るDoc2α蛋白質の役割を調べるために、トランスジェニ
ック・マウスおよび非トランスジェニックマウスについ
て海馬での長期増強を測定して、両者を比較することが
できる。Doc2α蛋白質の関与する疾患の治療法の開発の
ためには、治療法の候補となる処置を本発明のトランス
ジェニック・マウスに施してその成果を評価することが
できる。モデル動物を用いるこのような治療法の開発
は、当該分野で周知であり、当業者は適切な条件を設定
して行うことができる。例えば、Doc2α蛋白質の関与す
る疾患の治療に用いる薬物の開発のためには、候補薬物
を本発明のトランスジェニック・マウスに投与して病態
の改善が行われたか否かを観察することにより、有用な
薬物を決定し得る。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもので
はない。
【0028】実施例1 マウスDoc2α遺伝子の相同組換
え用構築物の作製 常法に従って調製した129SVJ系マウスのゲノムDNAを、P
CRにより増幅し、マウスDoc2αの開始コドンを含む約15
00bのDNA配列を得た。PCRプライマーとして用いた2つ
のオリゴヌクレオチドの配列を配列表の配列番号2およ
び3に示す。129SVJ系マウス肝臓のゲノミックライブラ
リー(Stratagene社より入手)を、PCRにより増幅された
上記DNA配列をプローブとして用いてスクリーニングし
た。ポジティブなプラークを選択した。得られたプラー
クを用いて、常法に従って、ファージを調製し、このフ
ァージからDNAを抽出した。このDNAを、制限酵素Sal I
を用いて切断し、約20KbのDNA断片を回収した。このDNA
断片を、プラスミドpBluescriptを用いてサブクローン
化した。このサブクローンの配列を決定した。このサブ
クローンは、マウスDoc2α遺伝子の第1エキソンを含む
配列を有していた。
【0029】次いで、クローンの相同組換え用構築物と
してターゲッティングベクターを構築した(図2B)。
Doc2α遺伝子の上流のBgl II部位からSTOPコドン下流の
HindIII部位までの部分を標的配列とし、Doc2α遺伝子
の第1エキソンのSph I部位から第3エキソンのHind II
I部位までの部分を改変することとした。この改変を、
相同組換え体のポジティブな選択を可能とするために、
Bgl II-Hind III部分をβ-ラクタマーゼ遺伝子およびネ
オマイシン耐性遺伝子で置換することにより行なった。
相同組換え体のネガティブな選択を行うために、STOPコ
ドン下流のHindIII部位の下流にジフテリア毒素Aフラ
グメントを逆方向で組み込んだ。ネオマイシン耐性遺伝
子と、β-ラクタマーゼ遺伝子とは、in-frameとなるよ
うに組み込んだ。Bgl II-Sph I部分(3.0kb、翻訳開始
点の5'側)およびHind III-HindIII部分(5.0kb、第3
エキソンの3'側)が相同配列として用いられる。
【0030】このターゲッティングベクターとマウスの
Doc2α遺伝子との間で相同組換えが起こった場合には、
翻訳開始点から第3エキソンまでの領域(1.0kb)がβ-
ラクタマーゼ遺伝子-ネオマイシン耐性遺伝子(5.2kb)
に置き換わる(図2C)。この結果、マウスDoc2αのプ
ロモーターによりβ-ラクタマーゼ遺伝子産物およびネ
オマイシン耐性遺伝子産物が発現する。非特異的組換え
によりターゲッティングベクターがマウスのゲノムDNA
に組み込まれると、ベクターの下流に組み込んだジフテ
リアトキシンAがマウスの細胞中で発現されるため、こ
のような細胞は死滅する。従って、ネオマイシンを含有
する選択培地で生存する細胞は、Doc2α遺伝子において
特異的な相同組換えの生じた細胞である。
【0031】実施例2 ES細胞およびその培養方法 ES細胞として、129/SVJ系マウス胚盤胞由来のE14株(Ho
oper, M. L. et al. Nature 326:292, 1987)を用い
た。ES細胞の培養には、ダルベッコ改変イーグル培地(D
-MEM、12800-066、GIBCO社製)に、15%牛胎児血清(FC
S)、0.1mMの2-メルカプトエタノール、核酸混合液(80
μg/mlアデノシン、85μg/mlグアノシン、73μg/mlシチ
ジン、73μg/mlウリジン、および24μg/mlチミジンを含
む)、0.1mM非必須アミノ酸溶液、2mM L-グルタミン、
50units/ml ペニシリン、50μg/mlストレプトマイシ
ン、および103units/mlのLIF(ESGRO:白血病細胞阻害因
子、AMRAD社製)を添加した培養液(ES培地)を用いた。ES
細胞の継代は、0.25%トリプシンおよび0.04%EDTAを含
む溶液(TE溶液、GIBCO社製)中で37℃で5分間処理した
後、ピペッティングによって単一細胞にまで分散させ、
フィーダー細胞層上に播種することにより行った。培養
液は12時間の間隔で交換した。
【0032】ES細胞のフィーダー細胞として用いるマウ
ス胎児線維芽細胞の培養には、D-MEM培地に、20% FC
S、2mM L-グルタミン、50units/mlペニシリン、および
50μg/mlストレプトマイシンを添加した培地(EF培地)を
用いた。マウス胎児線維芽細胞の調製および培養は、以
下の通りに行った。胎齢10〜14日のC57BL/6J系マウスの
胎児を無菌的に採取した。この胎児をPBSで洗浄し、頭
および内臓を除き、残りの部分をハサミを用いて細切し
た。次いで、細切した切片を、TE溶液(0.05%トリプシ
ンおよび0.53mM EDTA)中で37℃で5分間処理して細胞
浮遊液を得た。得られた細胞浮遊液はナイロンメッシュ
に通して濾過し、細胞塊および組織片を除去した。濾過
後の細胞浮遊液を、1500rpmで5分間遠心し、上清を除
去し、細胞の沈澱を得た。細胞の沈澱を30mlのEF培地に
懸濁し、175mlの培養用フラスコで37℃で培養を行っ
た。3〜4日間隔で継代を行い、継代が3代目の細胞を
マイトマイシンCで処理してそれ以上の細胞分裂を防止
した。マイトマイシンCで処理した細胞を、フィーダー
細胞として用いた。マイトマイシンCでの処理は、以下
のように行った:コンフルエント状態に達したマウス胎
児線維芽細胞を、10μg/mlのマイトマイシンCを含有す
るEF培地で2時間処理し、EF培地で3回洗浄し、次いで
TE溶液を用いて37℃で5分間処理して、フラスコから細
胞を剥離させた;剥離した細胞を1500rpmで5分間遠心
し、細胞の沈澱を得た;そして、細胞の沈澱を90%FC
S、10%ジメチルスルホキシド(DMSO)に懸濁して、細胞
数を6×106cells/mlに調製し、次いで液体窒素中で凍
結保存した。フィーダー細胞は、ゼラチンでコートした
フラスコ、シャーレ、またはマイクロプレート上に、2
〜4×104cells/cm2で播種したものを用いた。
【0033】実施例3 相同組換えによるES細胞のDoc2
α遺伝子の変異 制限酵素Not Iにより線状化した相同組換え用構築物DNA
40μgを、2.3〜2.5×106個のE14株 ES細胞を含むPBSに
懸濁した。この懸濁液に、800 V、3mFの条件でエレク
トロポレーションを行なうことにより遺伝子導入を行っ
た。遺伝子導入後、125μg/ml G418(Genetisin, Sigma
社製)を含有するES培地で37℃で150時間選択培養する
ことにより、相同組換えの起きたES細胞を選択した。G4
18耐性コロニーについては、遺伝子導入の約150時間後
に、マイクロピペットを用いて20μlのTE溶液を含む96
穴のマイクロプレート(Corning 25850, Corning社製)
に移し換えて37℃にて数分間処理し、その後ピペッティ
ングにより細胞を分散させ、200μlのES細胞用培地(上
記のES培地)を含む96穴マイクロプレートに移し換え、
37℃にて培養を継続した。96穴のマイクロプレート上の
細胞がコンフルエントに達した段階で、37℃にて5分間
TE処理を行ない、次いで、3mlのES培地を含む24穴のマ
イクロプレート(IWAKI 3820-024, 岩城硝子社製)に移
し換えて培養し、細胞を増殖させた。なお、ES細胞の培
養は、すべてフィーダー細胞上で行った。
【0034】相同組換え体の確認は、サザンブロッティ
ング法(上記のManiatis,T. et al.を参照)によって以
下の通りに行った。G418耐性細胞からプロテアーゼ・フ
ェノール抽出法(Gomi,H.ら, (1995) Neuron 14, 29-4
1)に従ってゲノムDNAを抽出した。2種類の制限酵素お
よび2種類のプローブを用いて、5'側および3'側の組換
えを確認した。3'側の確認は、ゲノムDNAを制限酵素Bam
H Iで消化し、そして図2Aに示すEcoR I-BamH I断片
(0.66kbの3'probe)をプローブとして用いることにより
行った。相同組換え体は、6.6kbのバンドが検出され、
そして野生型は、8.6kbのバンドが検出されるので、検
出されるバンドの大きさにより遺伝型の確認が行える。
この方法により相同組換え体のゲノムを有することが確
認された細胞を、さらに5'側の組換えについて確認し
た。5'側の確認は、ゲノムDNAを制限酵素EcoR Iで消化
し、そして図2Aに示すEcoR I-Bgl II断片(0.3kbの5'p
robe)をプローブとして用いることにより行った。相同
組換え体は、6.4kbのバンドが検出され、そして野生型
は、5.6kbのバンドが検出されるので、検出されるバン
ドの大きさにより遺伝型の確認が行える。
【0035】3'側および5'側の確認により相同組換え体
であることが示されたコロニー数は、G418 耐性コロニ
ー288個のうち49個であった。
【0036】実施例4 Doc2α遺伝子変異ES細胞による
キメラマウスの作製 相同組換えが確認されたDoc2α遺伝子の変異を有するES
細胞を、胚盤胞へ注入した後、偽妊娠マウスの子宮角に
移植して産仔を得た。
【0037】C57BL/6J系マウスの胚の採取は、自然交配
の3.5日目に、5% FCSを含むPBSで子宮を灌流すること
によって行った。採取したC57BL/6J系マウスの胚盤胞
に、以下のようにして、胚盤胞1個あたり15〜20個の相
同組換え体のES細胞を注入した。
【0038】注入に用いたES細胞は、以下のように調製
した。凍結状態のES細胞を注入の20時間前に融解させ、
フィーダー細胞上で、ES培地中で37℃にて培養を開始し
た。37℃にて5分間のTE処理によりES細胞およびフィー
ダー細胞を分散させた後、ゼラチンコートした24穴プレ
ートに30分間静置することによりフィーダー細胞のみを
24穴プレートの底に付着させ、細胞浮遊液を回収するこ
とによりES細胞のみを回収した。ES細胞は顕微操作に供
するまで、氷上に静置した。ES細胞の注入に用いた注入
針は、毛細管(MICROCAPS 50μl)を細く引き延ばし、
先端を破砕したもののうち、先端が鋭くカットされ、か
つ毛細管の先端部の内径がES細胞よりやや小さめの針だ
けを用いた。胚を保持するために用いた保持針は、上述
の方法で引き延ばした毛細管を切断した後に先端を溶融
して作製し、これを用いた。
【0039】注入針および保持針は、それぞれ針先を約
30度屈曲させた後、マイクロマニピュレーター(NARISI
GE)にセットした。顕微操作に用いたチャンバーは5cm
のシャーレのふたを用い、10 mM Hepes緩衝液を含むES
培地(pH7.3)のドロップを置き、上面をミネラルオイ
ルで覆った。子宮より採取した胚盤胞は、37℃、5% C
O2条件下、10 mM Hepes緩衝化ES培地中で1時間培養し
て拡張させた。この胚盤胞およびES細胞を、ガラス針を
用いてドロップ中に入れ、倒立顕微鏡下でマイクロマニ
ピュレートを行った。胚盤胞1個につき15〜20個の相同
組換え体のES細胞を注入した。
【0040】ES細胞が注入された操作胚を、ES培地中で
37℃にて1時間の培養後、偽妊娠2.5日目のICR系受容雌
(8匹)の子宮角に移植した。得られた30匹の産仔のう
ち、毛色によりキメラマウスと判定できたのは23匹であ
った。この23匹の産仔のうち13匹が雄であり、10匹が雌
であった。
【0041】実施例5 ホモ変異マウスの作製 a)キメラマウスの交配 移植によって得られた23匹のキメラマウスのうち、ES細
胞の寄与率の高い11匹をC57BL/6J系マウスと交配させ
た。キメラマウスの生殖細胞が相同組換え体に由来して
いれば、娩出される産仔の毛色は野生色(アグーチ(茶)
色)を呈し、C57BL/6J系マウスの胚盤胞に由来していれ
ば黒色を呈する。11匹のキメラマウスの産仔の毛色か
ら、11匹のキメラマウスのうち6匹のキメラマウスは、
ES細胞が生殖系列へ伝達されたことが確認された。
【0042】ES細胞が生殖系列へ伝達されたことが確認
された6匹のキメラマウスから、C57BL/6J系のマウスと
の交配により、野生色の毛色を示す合計164匹の産仔が
得られた。
【0043】これらの野生色の毛色のマウスについて、
遺伝子型の解析を行った。2〜3週齢のマウスの尾先端
からゲノムDNAを調製し、制限酵素Bam HIで消化した
後、図2Aの3'probeを用いて、実施例3と同様にサザ
ンブロッティングを行って、遺伝子型を決定した。この
結果、164匹の内85匹は、Doc2α遺伝子がヘテロに変異
していることが確認された。
【0044】b)ヘテロ変異マウスの交配 雄のDoc2α遺伝子のヘテロ変異マウスを、ES細胞由来の
染色体を置き換える目的で雌のC57BL/6J系マウスと1度
以上戻し交配させた。戻し交配によって得られた産仔
は、上記のa)のようにサザンブロッティングを行うこ
とによってDoc2α遺伝子の変異を確認した。こうして得
られたDoc2α遺伝子のヘテロ変異マウス同士を交配さ
せ、サザンブロッティングにより産仔のDoc2α遺伝子の
変異を確認し、Doc2α遺伝子のホモ変異マウスを得た。
【0045】サザンブロッティングの結果の例を図3に
示す。A)は、5'probeを用いた結果を示し、B)は3'p
robeを用いた結果を示す。5'probeを用いた場合、野生
型のマウスは、5.6kbの野生型のDoc2α遺伝子のバンド
を示し、ヘテロ変異マウスは野生型の5.6kbおよび変異
型の6.4kbの2本のバンドを示し、そしてDoc2α変異遺
伝子をホモに有するホモ変異マウスは変異型の6.4kbの
バンドのみを示した。3'probeを用いた場合、野生型の
マウスは、8.6kbの野生型のDoc2α遺伝子のバンドを示
し、ヘテロ変異マウスは野生型の8.6kbおよび変異型の
6.6kbの2本のバンドを示し、そしてホモ変異マウスは
変異型の6.6kbのバンドのみを示した。
【0046】実施例6 Doc2αポリペプチドの発現およ
び精製 (1)Doc2αのN末端ポリペプチドの発現および精製 マウスDoc2αに特異的なアミノ末端側の90アミノ酸(Do
c2αのN末端ポリペプチド)をコードするDNA断片を作
製するために、発現ベクターpGEX-2T-Doc2α-Nを以下の
方法で構築した。両端にBamHIおよびKpnI部位を持ち、
翻訳開始コドンより9個目のMet以下90アミノ酸を含
み、その下流に翻訳終止コドンを持つ0.27KbのDNA断片
を、Doc2αのcDNA(BALB/c系マウスのcDNAライブラリー
(CLONTECH社製)からクローニングしたDoc2αのcDNAの
全長1.5kbが組み込まれたベクター)を鋳型としてPCR法
により得た。PCRプライマーとして用いた2つのオリゴ
ヌクレオチドの配列を、配列表の配列番号4および5に
示す。PCR反応は、常法に従って、94℃で5分間処理し
た後、94℃で1分間、50℃で1分間、72℃で2分間の反
応サイクルを30回繰り返し、さらに72℃で5分間行っ
た。反応生成物を電気泳動して270bのバンドを回収し
た。最終的に0.8μgのDNAが得られた。このDNA増幅断片
をBamHIで消化後、pGEX-2T(Pharmacia社製)のBamHI部
位に挿入し、発現ベクターpGEX-2T-Doc2α-Nを得た。
【0047】発現ベクターpGEX-2T-Doc2α-Nを導入した
大腸菌DH5α株を用いて、Doc2αのアミノ末端側の90ア
ミノ酸を、グルタチオン-S-トランスフェラーゼとの融
合タンパク質として発現させた。大腸菌DH5αの培養
は、LB培地(10g トリプトン、5g イーストエキストラ
クト、10g NaCl/1L蒸留水)で行い、Doc2αのN末端ポ
リペプチドの発現誘導は、0.1mM IPTG(イソプロピル-
β-D-チオガラクトピラノシド)を加えて、30℃で3時
間培養することにより行った。発現誘導後の大腸菌を、
PBS(-)(8g NaCl、0.2g KCl、2.9g Na2HPO4、0.2g KH2P
O4/1L蒸留水)に懸濁して超音波処理を行った。次い
で、100,000×gで1時間、4℃の条件で遠心分離し、そ
の上清をグルタチオンセファロースカラム(Pharmacia
社製)にかけた。Doc2αのN末端ポリペプチドの結合し
たカラムをPBSで洗浄後、溶出緩衝液(20mMグルタチオ
ン、50mM Tris-HCl(pH 8.0))にて、Doc2αのN末端ポ
リペプチドの融合タンパク質を溶出し精製した。
【0048】(2)組換えDoc2αの発現および精製 全長のマウスDoc2αをコードする発現ベクターpRset-Do
c2αを、上記(1)のベクターpGEX-2T-Doc2αと同様の
方法で構築した。ただし、鋳型として、両端にBamHIお
よびKpnI部位を持ち、翻訳開始コドンから翻訳終止コド
ンまでを含む、1.5kbのDNA断片をDoc2αのcDNAを用い、
そしてプライマーとして配列表の配列番号6および7を
有するオリゴヌクレオチドを用いて、1.5kbのDNA増幅断
片を0.2μg得て、このDNA断片をKpnIで消化後、pRset
(Invitorogen社製)のKpnI部位に挿入し、発現ベクターp
Rset-Doc2αを得た。
【0049】発現ベクターpRset-Doc2αを導入した大腸
菌BL2l株を用いて、オリゴヒスチジンをアミノ末端に持
つ融合タンパク質(F.W. StudierおよびB.A. Moffatt、
J. Mol. Biol., 189, 113-130 (1986))としてDoc2αを
発現させた。大腸菌BL2l株の培養はLB培地で行い、30℃
で3時間培養した。その後大腸菌をリン酸緩衝液(20mM
リン酸ナトリウム、500mM NaCl、pH 7.8)に懸濁し、超
音波処理を行った。次いで、100,000×g、1時間、4℃
の条件で遠心分離し、その上清を、プレ−ボンドレジン
(Invitrogen社製)にかけた。Doc2αタンパク質の結合し
たカラムをリン酸緩衝液(20mM リン酸ナトリウム、500
mM NaCl、pH 6.0)で洗浄後、溶出緩衝液(500mMイミダ
ゾール、20mM リン酸ナトリウム、500mM NaCl、pH 6.
0)にて、Doc2αタンパク質を溶出した。溶出したDoc2
αタンパク質を、20mM HEPES(pH 7.4)、1mM DTTを用い
て透析した後、Mono Qカラム(0.5×5cm)(Pharmacia社
製)にかけ、A緩衝液(20mM HEPES(pH 7.4)、1mM DTT、
1%コール酸)およびB緩衝液(20mM HEPES (pH 7.4)、
1mM DTT、1M NaCl、1%コール酸)を用いたNaClの塩濃
度の勾配により溶出し、Doc2αタンパク質を含むフラク
ションを集めて最終的な精製品を得た。
【0050】実施例7 抗Doc2αポリクローナル抗体の
作製 実施例6(1)で得たPBS中の精製Doc2αのN末端ポリペプ
チド(90個のアミノ酸)を、等量のフロイント完全アジ
ュバント(DIFCO LABORATORIES社製、和光純薬より購入)
と混ぜ、コンジュゲートとしてウサギ(日本白色種、
雄)の皮下に、3週間おきに3回免疫し、最終免疫から
1週間後に頸動脈より全採血して抗血清を得た。1回目
の免疫では融合タンパク質1mgを用い、2回目の免疫で
は500μg、そして3回目の免疫では10μgを用いた。
【0051】抗体価のチェックは、実施例6(2)で得
た、オリゴヒスチジンをアミノ末端に有するDoc2αタン
パク質を用いて、常法(上記のManiatis,T. et al.を参
照)に従ってウエスタンブロッティングを行うことによ
り行った。
【0052】上記抗血清を、常法に従い、グルタチオン
-S-トランスフェラーゼ(GST)結合セファロース4Bカラ
ムにかけて、抗GST抗体を除いた後、免疫に用いた融合
タンパク質結合セファロース4BカラムにかけてDoc2αに
対する抗体を精製した。
【0053】実施例8 Doc2α蛋白質の発現分析 野生型マウス、Doc2α遺伝子ヘテロ変異マウス、および
Doc2α遺伝子ホモ変異マウスを、Doc2α蛋白質の発現に
ついて調べるために、粗シナプトゾーム画分を抽出し、
ウエスタンブロット法によりその欠損の確認を行った。
【0054】(a)粗シナプトゾーム画分の調製 それぞれの遺伝型のマウス(5週齢)各2匹から大脳を
単離した。単離した大脳を、10倍量の抽出緩衝液(4mM
Hepes-NaOH (pH7.4), 0.32M スクロース, 1mMEDTA, 5mM
EGTA, 0.1mM PMSF, 10μg/ml ロイペプチン)中でテフ
ロンホモジナイザーを用いてホモジナイズした。ホモジ
ネートを、800×gで10分間の遠心分離により、粗細胞
膜分画を分離した。上清をとり、これをさらに9000×g
で15分間の遠心分離を行い、粗シナプトゾーム画分を沈
殿とすることにより分離した。沈澱した粗シナプトゾー
ム画分を、適当量の蒸留水に懸濁し、Protein Assay Ki
t(BIO-RAD社製)を用いて総蛋白質量を定量することに
より、8mg/mlの蛋白質を含むように調整した。調整後
の粗シナプトゾーム画分に等量の8M 尿素を加え、次
いで37℃にて15分間インキュベートすることにより、可
溶性粗シナプトゾーム画分を調製した。
【0055】(b)ウエスタンブロッティング 20μg相当の蛋白質を含む可溶性粗シナプトゾーム画分
を、2×SDS-サンプル緩衝液(0.25M Tris-HCl(pH6.
8)、10% SDS、40% グリセロール、10% 2-メルカプト
エタノール)中に加えることによりSDS化した。SDS化し
た溶液を、SDS-ポリアクリルアミドゲル(10%)で電気
泳動し、得られたゲルをPVDF膜(Immobilon 、Millipor
e社製)に電気的に転写した。上記実施例7で得た抗Doc
2αウサギ抗体、および西洋ワサビペルオキシダーゼに
結合した抗ウサギ イムノグロブリン-ヒツジ ポリクロ
ーナル抗体(アマシャム・ジャパン社製)を用いて、常法
(上記のManiatis,T. et al.を参照)に従ってウエスタ
ンブロッティングを行い、ECL検出試薬(アマシャム・ジ
ャパン社製)を用いてシグナルを検出した。得られた結
果を図4に示す。
【0056】図4は、野生型、Doc2α遺伝子ヘテロ変異
マウス、およびDoc2α遺伝子ホモ変異マウスの脳組織の
粗シナプトゾーム画分におけるDoc2α蛋白質の発現を示
す。野生型マウス(+/+)およびDoc2α遺伝子ヘテロ
変異マウス(+/−)の粗シナプトゾーム画分には、45
kDaのDoc2α蛋白質が認められたが、Doc2α遺伝子ホモ
変異マウス(−/−)では、この蛋白質は検出されなか
った。このことから、Doc2α遺伝子ホモ変異マウスは、
相同組換えによりDoc2α遺伝子がノックアウトされてお
り、45kDaのDoc2α蛋白質を発現しないことが確認され
た。
【0057】実施例9 Doc2αホモ変異マウスの電気生
理学的解析 Doc2αホモ変異マウスにおける神経伝達の変化を調べる
ために、それぞれの遺伝子型のマウスから脳を摘出し、
海馬スライスを作製し、フィールド電位測定法を用いて
解析を行った。
【0058】(a)海馬スライス切片の調製 Doc2αホモ変異マウスおよび野生型マウス(それぞれ、
5〜7週齢)から脳を取り出し、ピンセットおよびハサ
ミを用いて海馬体の摘出をおこなった。摘出された海馬
体を、約4℃に冷やした後、95%酸素および5%二酸化
炭素の混合ガスを通気しておいた人工脳脊髄液(ACSF:
119mM NaCl、2.5mM KCl、2.5mM CaCl2、1.3mM MgSO4、1
mM NaH2PO4、26mM NaHCO3、および10mM グルコース)中
に入れ、約3分間冷却した。冷却した海馬体を、7%寒
天を用いて試料台に固定し、マイクロスライサー(DTK-
1000, 堂阪イーエム社製)を用いて、300〜400μmの厚
さのスライスに作製した。切り出したスライスは、カル
スピペットを用いて再びACSFに移し、混合ガスで通気し
ながら35℃で約2時間保温した。
【0059】(b)海馬スライス切片を用いたフィール
ド電位測定 記録用チェンバーに、75μM Picrotoxinを含むACSF(AC
SF-Picro)を灌流させておき、そこに作製した海馬スラ
イスを置いた。75μmの白金イリジウム線で二連のバイ
ポーラ電極を作製し、刺激電極とした。外径2mmの芯入
ガラス管(GD-2、成茂社製)をプラーで引き、内部に0.
9% NaCl-2% ポンタミンスカイブルー液を充填し記録
用電極とした。それぞれの電極を微動用油圧式3次元マ
ニュピレーターで保持し、刺激電極をスライス上の海馬
CA3野から投射されているシェーファー側枝線維に突き
刺した。記録電極は、海馬CA1野の錐体細胞層の樹状突
起側に突き刺した。通常の記録用の刺激のために、80μ
秒の定電流パルスを10秒間隔で与えた。それにより引き
起こされる誘導性後シナプス応答を集合電位として記録
し、増幅器(Axopatch-1D、Axon社製)により増幅し、
増幅された電位をコンピューターにより処理し、解析を
行った。
【0060】図5は海馬CA1野における代表的な可塑
性である長期増強(long-term potentiation; LTP)の
測定結果を示す。○は野生型マウス(12例)の応答の増
強レベルを示し、そして●はDoc2αホモ変異マウス(11
例)の応答の増強レベルを示す。各点の縦線の長さは、
標準誤差の大きさを示す。野生型マウスでは、100Hz・
1秒の頻回刺激を与えると、誘導性後シナプス応答が1.
58±0.06倍に増強されるLTPが観察されたが、Doc2αホ
モ変異マウスではLTPの強さの抑制が認められた(1.32
±0.07倍)。これは、Doc2α蛋白質が、海馬CA1野の
長期増強に役割を果たすことを示す。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、Doc2α遺伝子が欠損し
たマウスが提供される。このマウスは、Doc2α遺伝子が
欠損したので、Doc2αの関与する神経系、内分泌系疾患
の病態生理、原因の解明、および治療法の開発等の研究
のための実験動物として有用である。
【0062】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:2255 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:マウス 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:361..1575 特徴を決定した方法:S 配列 TGGTGCAGAA GATGGCCAGA GCTTCAGAGC AAGCAGCAAA GGAGGGAAGC TGTGGGGTCC 60 CTGGAGGACT TGAGGGGATG GGGACAGAGG GAGAGCCCAG GATGAGAGGA AAACCCTGGA 120 AAGGTGACAG AGGGACAATG TGCAGGTAGT GAGCAGGGTT AAGGGGGAGT CACGACCTGT 180 CTGCTTTAGG ACTGATCTGG CAACCCACCC AGCCCTTTGT GAAGCCAGGC CTCCTGCCTG 240 CCCACCAGCC AGGGCAGATC ATCTTTTCCC TCGACACCCA GGAAGGGAGG GCAGTGAGGT 300 TCCTACAGAC CCCAGCCGGC CACTCCAGCT CTACACCCGT CTCCCAGTCA GAGGTGCTGC 360 ATG AGG GGC CGC AGG GGC GAT CGC ATG ACC ATC AAC ATC CAG GAG CAC 408 Met Arg Gly Arg Arg Gly Asp Arg Met Thr Ile Asn Ile Gln Glu His 5 10 15 ATG GCC ATC AAC GTG TGC CCT GGA CCC ATC AGG CCC ATC CGC CAG ATC 456 Met Ala Ile Asn Val Cys Pro Gly Pro Ile Arg Pro Ile Arg Gln Ile 20 25 30 TCC GAC TAC TTC CCT CGC AGG GGG CCA GGA CCA GAG GGT GGC GGC GGC 504 Ser Asp Tyr Phe Pro Arg Arg Gly Pro Gly Pro Glu Gly Gly Gly Gly 35 40 45 GGC GGT GGC ACG GGC TGC GGG GAA GCC CCA GCT CAT CTG GCC CCT CTG 552 Gly Gly Gly Thr Gly Cys Gly Glu Ala Pro Ala His Leu Ala Pro Leu 50 55 60 GCT CTG GCC CCC CCT GCG GCT CTC CTT GGG GCC ACT ACA CCC GAC GAT 600 Ala Leu Ala Pro Pro Ala Ala Leu Leu Gly Ala Thr Thr Pro Asp Asp 65 70 75 80 GGA GCT GAG GTA GAC AGC TAC GAC TCG GAT GAT ACC ACC GCC CTG GGC 648 Gly Ala Glu Val Asp Ser Tyr Asp Ser Asp Asp Thr Thr Ala Leu Gly 85 90 95 ACA CTG GAA TTT GAC CTT CTC TAT GAT CAG GCT TCC TGC ATG CTG CAC 696 Thr Leu Glu Phe Asp Leu Leu Tyr Asp Gln Ala Ser Cys Met Leu His 100 105 110 TGT AGA ATC CTC AGG GCC AAG GGC CTC AAG CCC ATG GAT TTC AAT GGC 744 Cys Arg Ile Leu Arg Ala Lys Gly Leu Lys Pro Met Asp Phe Asn Gly 115 120 125 CTG GCT GAC CCC TAT GTA AAG CTT CAC CTC CTG CCA GGA GCC TGC AAG 792 Leu Ala Asp Pro Tyr Val Lys Leu His Leu Leu Pro Gly Ala Cys Lys 130 135 140 GCC AAT AAG CTA AAA ACC AAG ACA CAG AGG AAC ACA CTG AAC CCT GTG 840 Ala Asn Lys Leu Lys Thr Lys Thr Gln Arg Asn Thr Leu Asn Pro Val 145 150 155 160 TGG AAT GAG GAG CTG ACG TAC AGC GGG ATC ACG GAT GAT GAC ATC ACC 888 Trp Asn Glu Glu Leu Thr Tyr Ser Gly Ile Thr Asp Asp Asp Ile Thr 165 170 175 CAC AAG GTG CTC AGG ATC TCT GTC TGT GAT GAG GAC AAG CTG AGC CAC 936 His Lys Val Leu Arg Ile Ser Val Cys Asp Glu Asp Lys Leu Ser His 180 185 190 AAT GAA TTC ATT GGG GAG ATC CGA GTG CCC CTC CGC CGC CTC AAG CCT 984 Asn Glu Phe Ile Gly Glu Ile Arg Val Pro Leu Arg Arg Leu Lys Pro 195 200 205 TCA CAG AAG AAG CAT TTT AAC ATC TGC CTT GAG CGC CAG GTC CCG CTT 1032 Ser Gln Lys Lys His Phe Asn Ile Cys Leu Glu Arg Gln Val Pro Leu 210 215 220 CCT TCA CCC TCT TCA ATG TCT GCG GCG CTG AGG GGC ATA TCC TGT TAC 1080 Pro Ser Pro Ser Ser Met Ser Ala Ala Leu Arg Gly Ile Ser Cys Tyr 225 230 235 240 CTG AAG GAG CTG GAG CAG GCA GAG CAG GGA CCT GGG CTG CTG GAA GAG 1128 Leu Lys Glu Leu Glu Gln Ala Glu Gln Gly Pro Gly Leu Leu Glu Glu 245 250 255 CGC GGC CCG ATC CTG CTG AGC CTC AGC TAC AGC TCT CGG CGG CAT GGG 1176 Arg Gly Pro Ile Leu Leu Ser Leu Ser Tyr Ser Ser Arg Arg His Gly 260 265 270 CTG CTG GTG GGC ATT GTT CGC TGT GCG CAC CTG GCT GCA ATG GAT GTT 1224 Leu Leu Val Gly Ile Val Arg Cys Ala His Leu Ala Ala Met Asp Val 275 280 285 AAC GGC TAC TCT GAC CCT TAT GTG AAG ACG TAC TTG AGA CCA GAT GTG 1272 Asn Gly Tyr Ser Asp Pro Tyr Val Lys Thr Tyr Leu Arg Pro Asp Val 290 295 300 GAT AAG AAA TCC AAG CAC AAA ACA TGT GTA AAG AAG AAG ACA CTA AAT 1320 Asp Lys Lys Ser Lys His Lys Thr Cys Val Lys Lys Lys Thr Leu Asn 305 310 315 320 CCG GAA TTT AAT GAG GAA TTC TTC TAT GAG ATT GAA CTC TCC ACT CTG 1368 Pro Glu Phe Asn Glu Glu Phe Phe Tyr Glu Ile Glu Leu Ser Thr Leu 325 330 335 GCC ACT AAG ACC CTG GAG GTC ACA GTC TGG GAC TAC GAC ATT GGC AAA 1416 Ala Thr Lys Thr Leu Glu Val Thr Val Trp Asp Tyr Asp Ile Gly Lys 340 345 350 TCC AAT GAC TTC ATA GGT GGT GTG TCT CTG GGG CCA GGA GCC CGG GGA 1464 Ser Asn Asp Phe Ile Gly Gly Val Ser Leu Gly Pro Gly Ala Arg Gly 355 360 365 GAG GCC CAG AAA CAC TGG AAT GAC TGT CTA CAT CAG CCG GAC ACA GCC 1512 Glu Ala Gln Lys His Trp Asn Asp Cys Leu His Gln Pro Asp Thr Ala 370 375 380 CTG GAG CGC TGG CAT ACT CTG ACC AGC GAG CTG CCC CCT GCA GCA GGG 1560 Leu Glu Arg Trp His Thr Leu Thr Ser Glu Leu Pro Pro Ala Ala Gly 385 390 395 400 GCT TAC CCT TTG GCT TGA GTGAACAGCA GCTGTCCATC ACAGGCCCTC TGGGGCCGGG 1619 Ala Tyr Pro Leu Ala 405 TCCAGTACCC AACCTTCGCA CGAGTGTGTT GCACGTTTAC ATGGGGTGGG ATGCCCCTGC 1678 CCCACACTAC CTGTCTTATT TTTGTGAGTC TCTGTGACGG GCCTGTCTTC TTGTGAGGGA 1738 CTGTGGAGAG CTATATTCAC ATATGCAAAC TTCCTCCTGC CTGCCTTGCT GTTACCTGCA 1798 AATATGCAAC CACCCGTGCA CAGGGCCACG TGGGAGTCTC CTGCCAGTGC CCCACCCCAT 1858 CCTGCAGCTC CTTTCTTGGC CTTTCCAGGC TGCCTGGTCC CCTGCCCCAC AGGGAGGGGG 1918 TCGGATTAGG GAAGATTAGA GGAGGACGTT TCCAAATAGA GGAAAGGACA AGGAAAGAAA 1978 GAGCCAACTC TTTAATACAG AGCCTTCACT AAATCCCAGC CCTGCGTAGC TGCTCTTCTA 2038 AAGGGGCGGC CACCGTAGGT CTCTACCTCC CGAAGATGTA GCAGACCCTT TTGGCCACTC 2098 GTTTAAATAA CTGTTCCCTG GATGGGGCTG GGATGTAAGG GCAGGACCCT GCCACCTTCC 2158 TCGGGGACAT TGTGCATGTT TACGCCTTTT CTGATTGTGT CAGTGGCCGA AGCATGGCAA 2218 CTGGGCATCA ATAAACATCT CTTGAGGAAA AAAAAAA 2255
【0063】配列番号:2 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CAATGGCCTG GACTGACCCC TATGTAAAGC TTC 33
【0064】配列番号:3 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: ACTCGGATCT CCCCAATGAA TTCATTGTGG CTC
33
【0065】配列番号:4 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CATGGATCCG GTACCATGAC CATCAACATC CAGGAG 36
【0066】配列番号:5 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: TTGGGATTCT AGGCGGTGGC ATCATCCGAG TC 32
【0067】配列番号:6 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CATGGATCCG GTACCATGAG GGGCCGCAGG GCGATC 36
【0068】配列番号:7 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CATGGATCCG GTACCTCAGG CTGAGGACAG AGCCCC 36
【図面の簡単な説明】
【図1】マウスおよびヒトのDoc2α蛋白質を示す模式図
である。図1AはマウスのDoc2α蛋白質、図1BはヒトのDo
c2α蛋白質を示す。N末端側のMidは、Munc13-1蛋白質
と相互作用するドメインである。斜線のボックスのC2
は、C2領域を示す。数字は、アミノ酸残基の位置を示
す。
【図2】マウスDoc2α遺伝子、相同組換え用ベクター、
およびDoc2α遺伝子の相同組換え体を示す模式図であ
る。ここで、BはBam HIを示し;GはBgl IIを示し;E
はEco RIを示し;HはHind IIIを示し;そしてSはSph
Iを示す。ただし、Sph I部位に関してはすべての部位を
表記していない。 A)マウスDoc2α遺伝子の制限酵素地図を示す。黒ボッ
クス部分はエキソンを示し、エキソン間の実線部分はイ
ントロンを示す。ボックス中のATGは翻訳開始の位置を
示し、STOPは翻訳終始の位置を示す。太線は、サザンブ
ロット分析用の5'プローブおよび3'プローブを示す。
Doc2α遺伝子の構築に用いた制限酵素部位を図中に示
す。 B)マウスのDoc2α遺伝子を標的とする挿入用構築物の
一例である、相同組換え用ベクターを示す。黒ボックス
部分はDoc2α遺伝子のエキソンを示し、エキソン間の実
線部分はイントロンを示す。β-ラクタマーゼ遺伝子(l
ac-Z)、ネオマイシン耐性遺伝子(pgk-Neo)、およびジ
フテリア毒素Aフラグメント(DT-A)遺伝子を矢印で示
す。矢印の向きは遺伝子が転写される方向を示す。実線
は相同領域を示す。 C)Doc2α遺伝子が改変された相同組換え体の遺伝子の
構造の模式図を示す。
【図3】マウスDNAのサザンブロット分析の結果を示す
電気泳動写真である。図3Aは、5'probeを用いた結果を
示し、図3Bは3'probeを用いた結果を示す。5'probeを用
いた場合の野生型のDoc2α遺伝子のバンドの位置(5.6k
b)およびネオマイシン遺伝子が挿入されたDoc2α欠損
遺伝子の(6.4kb)のバンドの位置を示す。3'probeを用い
た場合の野生型のDoc2α遺伝子のバンドの位置(8.6kb)
およびネオマイシン遺伝子が挿入されたDoc2α欠損遺伝
子の(6.6kb)のバンドの位置を示す。
【図4】野生型、Doc2α遺伝子ヘテロ変異マウス、およ
びDoc2α遺伝子ホモ変異マウスの脳組織の粗シナプトゾ
ーム画分における、Doc2α蛋白質の発現についてのウエ
スタンブロット分析の結果を示す電気泳動写真である。
【図5】野生型およびDoc2αホモ変異マウスにおける海
馬CA1野での長期増幅を比較した結果を示すグラフであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Doc2α遺伝子が欠損したトランスジェニ
    ック・マウス。
  2. 【請求項2】 Doc2α遺伝子のいずれかの部分配列に対
    して、他の遺伝子が置換または挿入されることによりDo
    c2α遺伝子が欠損した、請求項1に記載のマウス。
  3. 【請求項3】 前記他の遺伝子が選択マーカー遺伝子で
    ある、請求項2に記載のマウス。
  4. 【請求項4】 Doc2α遺伝子の第1エキソンの一部を含
    む部分配列に対して、選択マーカー遺伝子が置換または
    挿入された、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマウ
    ス。
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