JPH11199531A - トリメチロールアルカンの製造方法 - Google Patents

トリメチロールアルカンの製造方法

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JPH11199531A
JPH11199531A JP10301428A JP30142898A JPH11199531A JP H11199531 A JPH11199531 A JP H11199531A JP 10301428 A JP10301428 A JP 10301428A JP 30142898 A JP30142898 A JP 30142898A JP H11199531 A JPH11199531 A JP H11199531A
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JP
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trimethylolalkane
water
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reaction
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JP10301428A
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Kenji Doi
憲治 土肥
Takuhiko Jinno
卓彦 神野
Akio Moriyama
章夫 森山
Shingo Uji
信吾 宇治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Koei Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリメチロールアルカンの蟻酸エステルの生
成による収率低下がなく、容易にかつ高収率で高品質な
トリメチロールアルカンを製造できる方法を提供する。 【解決手段】 第三級アミン及び水の存在下、n−アル
カナールをホルムアルデヒドと反応させてトリメチロー
ルアルカンを製造するにあたり、副生の蟻酸第三級アミ
ン塩が熱解離し得る温度に反応終了後の反応混合物を加
熱して第三級アミン及び水を留出し、次いで得られた残
留物に含まれるトリメチロールアルカンの蟻酸エステル
を、水、アンモニア、第一級アミン又は第二級アミンと
反応させてトリメチロールアルカンを生成させる。水と
の反応により水素及び二酸化炭素並びに/又は水及び一
酸化炭素が、アンモニア、第一級アミン又は第二級アミ
ンとの反応によりホルムアミド類が、トリメチロールア
ルカンの生成に伴って副生するが、これらとトリメチロ
ールアルカンは容易に分離される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第三級アミン及び
水の存在下でのn−アルカナールとホルムアルデヒドの
反応によるトリメチロールアルカンの製造方法に関す
る。トリメチロールアルカンはアルキッド樹脂、ポリウ
レタン樹脂、(不)飽和ポリエステル樹脂、合成潤滑
油、界面活性剤、反応性モノマー等の原料として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】トリメチロールアルカンを製造する方法
としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化
物の存在下でn−アルカナールとホルムアルデヒドを反
応させる方法が公知である。この方法では、蟻酸アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属塩が副生する。トリメチロ
ールアルカンはその蟻酸塩による触媒的熱分解を受ける
ので、トリメチロールアルカンにおいて通常の単離精製
方法である蒸留を行うにあたっては、その触媒的熱分解
によるトリメチロールアルカンの収率の低下を避けるた
めに、トリメチロールアルカンと蟻酸アルカリ金属又は
アルカリ土類金属塩との分離が充分なものでなければな
らない。このためにその分離操作が煩雑なものとなる。
【0003】この製造方法を改良した方法として、アル
カリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を、第三級ア
ミン及び水に代えてトリメチロールアルカンを製造する
方法(西ドイツ特許1952738号)が提案されてい
る。この第三級アミンを用いる方法は、副生の蟻酸塩が
トリメチロールアルカンに対して触媒的熱分解作用のな
い蟻酸第三級アミン塩であり、トリメチロールアルカン
の熱分解が抑制できる。この方法は蟻酸第三級アミン塩
とトリメチロールアルカンとの沸点差を利用して蟻酸第
三級アミン塩を分離除去するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この改
良方法には次のような欠点がある。即ち、蟻酸第三級ア
ミン塩とトリメチロールアルカンとの沸点差を利用した
両者の分離の際に、蟻酸第三級アミン塩の熱解離により
生成する蟻酸とトリメチロールアルカンとが反応してト
リメチロールアルカンの蟻酸エステルが生成する。その
結果としてトリメチロールアルカンの収率が低下する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、第三級アミン及び水の存在下でn−アル
カナールとホルムアルデヒドを反応させるトリメチロー
ルアルカンの製造方法について鋭意検討した。その結
果、反応終了後の反応混合物に含まれる副生の蟻酸第三
級アミン塩が蟻酸と第三級アミンに熱解離する温度に当
該反応混合物を加熱して当該反応混合物から第三級アミ
ン及び水を留出し、次いで得られる残留物を水、アンモ
ニア、第一級アミン又は第二級アミンと反応させると、
第三級アミン及び水を留出する過程で生成し残留物中に
含まれるトリメチロールアルカンの蟻酸エステルが容易
に効率よく分解されてトリメチロールアルカンが生成
し、トリメチロールアルカンの蟻酸エステルの生成によ
るトリメチロールアルカンの収率低下が生じないことを
見出し本発明に至った。さらに、反応終了後の反応混合
物から留出した第三級アミンは、それをトリメチロール
アルカンの製造に再使用できることを見出し本発明に至
った。
【0006】即ち、本発明は、(1)第三級アミン及び
水の存在下に、n−アルカナールをホルムアルデヒドと
反応させてトリメチロールアルカンを製造するにあた
り、副生の蟻酸第三級アミン塩が熱解離し得る温度に反
応終了後の反応混合物を加熱して第三級アミン及び水を
留出し、第三級アミン及び水を留出する過程で生成し残
留物中に含まれるトリメチロールアルカンの蟻酸エステ
ルを、水、アンモニア、第一級アミン又は第二級アミン
と反応させてトリメチロールアルカンを生成させるトリ
メチロールアルカンの製造方法、(2)反応終了後の反
応混合物から留出した第三級アミンをトリメチロールア
ルカンの製造に再使用することを特徴とする(1)記載
のトリメチロールアルカンの製造方法を提供するもので
ある。
【0007】このように、本発明の方法は、副生する蟻
酸第三級アミン塩を熱解離し、また残留物中に含まれる
トリメチロールアルカンの蟻酸エステルも分解してトリ
メチロールアルカンを生成するので、実質的に蟻酸塩や
蟻酸エステルを副生しないトリメチロールアルカンの製
造方法である。尚、本発明において、反応終了後の反応
混合物から留出した第三級アミンは、トリメチロールア
ルカンの製造に再使用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、第三級アミン及
び水の存在下に、n−アルカナールをホルムアルデヒド
と反応させてトリメチロールアルカンを製造する方法
は、(1)第三級アミンの存在下でのn−アルカナール
とホルムアルデヒドとのアルドール縮合反応によるアル
ドールの生成、並びに(2)アルドール、ホルムアルデ
ヒド、第三級アミン及び水との交叉カニツアロ反応によ
るトリメチロールアルカン及び蟻酸第三級アミン塩の生
成からなる。
【0009】上記アルドール縮合反応及び交叉カニツア
ロ反応後、得られる反応混合物を副生の蟻酸第三級アミ
ン塩が熱解離し得る温度に加熱して第三級アミンを留出
する。蟻酸第三級アミン塩の熱解離により、蟻酸と第三
級アミンが生成する。生成する蟻酸は、トリメチロール
アルカンと反応してトリメチロールアルカンの蟻酸エス
テルを生成する。
【0010】第三級アミンとしてトリエチルアミン及び
n−アルカナールとしてn−ブタナールを用いた場合を
例にとり、本発明のアルドール縮合反応、交叉カニツア
ロ反応、並びに蟻酸第三級アミン塩の熱解離及びトリメ
チロールアルカンの蟻酸エステルの生成反応をそれぞれ
反応式で示すと以下の通りである。
【0011】(1)アルドール縮合反応 CH3CH2CH2CHO + 2HCHO→ CH3CH
2C(CH2OH)2CHO
【0012】(2)交叉カニツアロ反応 CH3CH2C(CH2OH)2CHO + HCHO+
N(C253 + H2O→ CH3CH2C(CH2
H)3+ HCOO-+H(C253
【0013】(3)蟻酸第三級アミン塩の熱解離及びト
リメチロールアルカンの蟻酸エステルの生成反応 HCOO-+H(C253 → HCOOH + N
(C253 CH3CH2C(CH2OH)3 + nHCOOH→ C
3CH2C(CH2OCHO)n(CH2OH)3- n (式中、nは1、2又は3である。)
【0014】(3)の反応により生成した第三級アミン
は、加熱により留出される。そして(3)の反応により
副生したトリメチロールアルカンの蟻酸エステルは残留
物中に残存する。本発明では、この残留物中に含まれる
トリメチロールアルカンの蟻酸エステルを、水、アンモ
ニア、第一級アミン又は第二級アミンと反応させてトリ
メチロールアルカンを生成させる。
【0015】トリメチロールアルカンの蟻酸エステル
を、水と反応させる場合、トリメチロールアルカンの蟻
酸エステルは分解して、トリメチロールアルカンと、水
素及び二酸化炭素並びに/又は水及び一酸化炭素を生成
する。第三級アミンとしてトリエチルアミン及びn−ア
ルカナールとしてn−ブタナールを用いた場合を例にと
り、この反応を反応式で示すと次の通りである。
【0016】CH3CH2C(CH2OCHO)n(CH2
OH)3-n + nH2O→ CH3CH2C(CH2
H)3+ m(H2 + CO2) + l(H2O +
CO) (式中、nは1、2又は3、l及びmは0〜3であっ
て、l+m=nである。)
【0017】トリメチロールアルカンの蟻酸エステル
を、アンモニア、第一級アミン又は第二級アミンと反応
させる場合、トリメチロールアルカン及びホルムアミド
類が生成する。第三級アミンとしてトリエチルアミン、
n−アルカナールとしてn−ブタナール及びアンモニ
ア、第一級アミン又は第二級アミンとしてジメチルアミ
ンを用いた場合を例にとり、この反応を反応式で示すと
次の通りである。
【0018】CH3CH2C(CH2OCHO)n(CH2
OH)3-n+ n(CH32NH→ CH3CH2C(C
2OH)3 + nHCON(CH32 (式中、nは1、2又は3を表す。)
【0019】次に本発明におけるアルドール縮合反応及
び交叉カニツァロ反応について説明する。本発明におけ
るn−アルカナールとしては、プロパナール、n−ブタ
ナール、n−ペンタナール、3−メチルブタナール、n
−ヘキサナール、3−メチルペンタナール、n−ヘプタ
ナール、4−メチルヘキサナール、n−オクタナールな
どが挙げられる。
【0020】ホルムアルデヒドは、通常5〜50重量%
のホルムアルデヒドを含有する水溶液(即ち、ホルマリ
ン)が用いられ、好ましくはメタノール含有量が1重量
%以下の5〜50重量%ホルマリンが用いられる。
【0021】第三級アミンは、その沸点が、トリメチロ
ールアルカンの沸点及びトリメチロールアルカンの蟻酸
エステルの沸点よりも低いものを使用する。このような
第三級アミンを使用すれば、反応終了後の反応混合物の
加熱によって容易に第三級アミンを留出して回収するこ
とができる。好ましい第三級アミンとしては、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)ア
ミン、トリイソプロピルアミン、トリ(n−ブチル)ア
ミン、トリイソブチルアミン、ジエチルメチルアミン、
ジメチルエチルアミン、ジメチル−n−プロピルアミ
ン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチル−n−ブチ
ルアミン、ジメチルイソブチルアミン等の脂肪族第三級
モノアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N′,
N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,
N′−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン等の脂
肪族第三級ジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチ
ルモルホリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペ
リジン等の含窒素複素環式第三級アミンなどが挙げられ
る。これらは一種又は二種以上使用することができる。
特に好ましい第三級アミンは、トリエチルアミンであ
る。
【0022】n−アルカナール、ホルムアルデヒド及び
第三級アミンのモル比は、n−アルカナール1モルに対
して、ホルムアルデヒドは3〜4モル、好ましくは3.
2〜3.6モルであり、第三級アミンは1〜2モル、好
ましくは1.1〜1.5モルである。ホルムアルデヒド
を上記範囲よりも多く用いると第三級アミンの回収が困
難となるので好ましくない。また第三級アミンを上記範
囲よりも多く用いてもトリメチロールアルカンの収率は
さらに向上することはなく、かえって中和に要する酸の
コスト負担及び第三級アミンの回収に時間を要するので
好ましくない。
【0023】水の使用量は、n−アルカナール、ホルム
アルデヒド及び第三級アミンの合計に対して200〜6
00重量%、好ましくは250〜500重量%である。
【0024】アルドール縮合反応の反応温度は−5〜9
0℃、好ましくは10〜60℃である。−5℃より低い
と反応速度が極めて遅く、また90℃より高いと副生成
物が生成しやすいので好ましくない。また、交叉カニツ
アロ反応の反応温度は20〜90℃、好ましくは40〜
80℃である。20℃より低いと反応にかなりの長時間
を要し、また90℃より高いと蟻酸第三級アミン塩以外
の副生成物が生成する傾向にあるので好ましくない。本
発明においてアルドール縮合反応及び交叉カニツアロ反
応は逐次的に反応が進行することから、より好ましく
は、先ず10〜40℃で主としてアルドール縮合反応を
行った後、40〜80℃で主として交叉カニツアロ反応
を行う。
【0025】アルドール縮合反応及び交叉カニツァロ反
応終了後、得られる反応混合物を副生の蟻酸第三級アミ
ン塩が熱解離し得る温度に加熱して第三級アミン及び水
を留出する。反応混合物を最終的に120〜190℃に
加熱すれば、蟻酸第三級アミン塩が蟻酸と第三級アミン
に熱解離し、反応混合物から第三級アミン及び水を留出
することができる。反応混合物の加熱は、減圧下、常圧
下又は加圧下のいずれで行ってもよい。留出する第三級
アミンは、本発明のトリメチロールアルカンの製造に再
使用することができる。反応混合物の加熱による第三級
アミン及び水の留出は、残留物中の水の含有量が20重
量%より少なくなるように行う。このようにすれば、第
三級アミンを収率よく回収することができる。特に、水
のほぼ全量を留出する方法が、第三級アミンを高収率で
回収できることから好ましい。そして第三級アミン及び
水を留出した残留物は、熱解離により生成する蟻酸がト
リメチロールアルカンと反応したトリメチロールアルカ
ンの蟻酸エステルを含有する。
【0026】次いで、得られた残留物を、水、アンモニ
ア、第一級アミン又は第二級アミンと反応させる。水と
反応させる場合は、水の存在下に加熱し、残留物中に含
まれるトリメチロールアルカンの蟻酸エステルを、トリ
メチロールアルカンと、水素及び二酸化炭素並びに/又
は水及び一酸化炭素に分解する。水の量は、残留物10
0重量部に対して、通常5〜50重量部、好ましくは7
〜30重量部である。水の量が上記範囲より少ないと、
トリメチロールアルカンの蟻酸エステルの分解が起こり
にくく、また水の量が上記範囲よりも多いときには分解
反応に特に問題はないが、容器効率が低くなることか
ら、上記範囲がよい。水の量は、上記反応混合物の加熱
により反応混合物から第三級アミン及び水を留出する際
に水の留出量を制御して上記範囲にすることができる
が、反応混合物から第三級アミン及び水のほぼ全てを留
出した残留物に上記範囲の量の水を添加する方法が好ま
しい。
【0027】トリメチロールアルカンの蟻酸エステルと
水との反応は、加圧下に加熱して行うことにより反応を
より容易に効率よく行うことができる。貴金属触媒を用
いない場合、通常6.9MPa(70kgf/cm2
以下の加圧下、好ましくは3.4〜5.9MPa(35
〜60kgf/cm2)以下の加圧下に、通常200〜
300℃、好ましは210〜280℃で行う。このよう
にすれば、トリメチロールアルカンの蟻酸エステルの分
解が効率よく進行して、トリメチロールアルカンの蟻酸
エステルから高収率でトリメチロールアルカンを生成さ
せることができる。
【0028】またトリメチロールアルカンの蟻酸エステ
ルと水との反応は、貴金属触媒の存在下に加熱して行う
ことにより反応をより容易に効率よく行うことができ
る。
【0029】用いる貴金属触媒としては、ルテニウム触
媒、ロジウム触媒、パラジウム触媒、オスミウム触媒、
イットリウム触媒、白金触媒などが挙げられる。特にそ
の中でもパラジウム触媒が好ましい。また、これら貴金
属触媒を周期律表第14族元素で修飾した貴金属触媒を
用いてもよい。特にその中でも鉛元素で修飾した貴金属
触媒が好ましい。これら貴金属触媒は一種又は二種以上
使用することができる。
【0030】貴金属触媒は一般にカーボン、アルミナ、
シリカ等の担体の他、塩基性窒素原子団を有する高分子
化合物等の担体に貴金属が0.5重量%〜10重量%坦
持されたものが使用される。その使用形態は粉末状、粒
状、或いはペレット状である。貴金属触媒存在下でのト
リメチロールアルカンの蟻酸エステルと水との反応方法
は懸濁法又は固定床法が用いられる。
【0031】貴金属触媒の使用量は残留物に含まれるト
リメチロールアルカンの蟻酸エステルが加水分解して発
生する蟻酸分(HCOOH)100重量%に対して貴金
属として1〜15重量%の範囲である。
【0032】また本発明のトリメチロールアルカンの蟻
酸エステルの分解に、固体酸触媒を貴金属触媒と併用す
ると、トリメチロールアルカンの蟻酸エステルの分解に
要する時間を短縮することができる。固体酸触媒として
はγ−酸化アルミニウム、シリカ−アルミナ、酸性イオ
ン交換体、天然及び合成ゼオライト、ヘテロポリ酸等が
挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することが
できる。
【0033】固体酸触媒の使用量は残留物に含まれるト
リメチロールアルカンの蟻酸エステルが加水分解して発
生する蟻酸分(HCOOH)100重量%に対し0.1
〜5重量部の範囲である。
【0034】貴金属触媒を用いる場合、トリメチロール
アルカンの蟻酸エステルと水との反応は、常圧もしくは
1.96MPa(20kgf/cm2)以下の加圧下、
好ましくは0.49〜1.47MPa(5〜15kgf
/cm2)、50〜300℃、好ましくは80〜250
℃で行う。このようにすればトリメチロールアルカンの
蟻酸エステルの分解が効率よく進行して、トリメチロー
ルアルカンの蟻酸エステルから高収率でトリメチロール
アルカンを生成させることができる。
【0035】残留物中のトリメチロールアルカンの蟻酸
エステルを、アンモニア、第一級アミン又は第二級アミ
ンと反応させる場合は、残留物をアンモニア、第一級ア
ミン又は第二級アミンと混合して反応させてトリメチロ
ールアルカン及びホルムアミド類を生成させる。
【0036】第一級アミン、第二級アミンとしては、1
個又は2個の水素原子と結合した窒素原子を少なくとも
1個分子中に有する化合物が挙げられ、好ましくは1個
又は2個の水素原子と結合した窒素原子を分子中に1個
有する第一級モノアミン、第二級モノアミンである。即
ち、トリメチロールアルカンの蟻酸エステルと反応させ
るアンモニア、第一級アミン又は第二級アミンとして
は、アンモニア、第一級モノアミン又は第二級モノアミ
ンが好ましい。
【0037】第一級モノアミンとしては、例えば、メチ
ルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプ
ロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、
n−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ネオペンチ
ルアミン、n−ヘキシルアミン、2−メチルペンチルア
ミン、3−メチルペンチルアミン、2,2−ジメチルブ
チルアミン、2,3−ジメチルブチルアミン等の脂肪族
第一級モノアミン;シクロプロピルアミン、シクロブチ
ルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン及びこれら脂環式アミンの環の炭素原子にメチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基等の脂肪族炭化水素基が結合してい
るアミン等の脂環式第一級モノアミン;及びアニリン、
ベンジルアミン、α−フェネチルアミン、β−フェネチ
ルアミン及びこれら芳香族アミンのベンゼン環にメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基等の脂肪族炭化水素基が結合し
ているアミン等の第一級モノアミンが挙げられる。
【0038】また、第二級モノアミンとしては、例え
ば、上記の第一級モノアミンの窒素原子に結合する水素
原子がさらに一つメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基等の脂肪族炭化水素基で
置換されたものが挙げられる。具体的には、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、ジ(n−プロピル)アミン、ジ
イソプロピルアミン、ジ(n−ブチル)アミン、ジイソ
ブチルアミン、ジ(n−ペンチル)アミン、ジ(n−ヘ
キシル)アミン等の脂肪族第二級モノアミン;N−メチ
ルシクロプロピルアミン、N−エチルシクロプロピルア
ミン、N−メチルシクロブチルアミン、N−エチルシク
ロブチルアミン、N−メチルシクロペンチルアミン、N
−エチルシクロペンチルアミン、N−メチルシクロヘキ
シルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン等の脂環
式第二級モノアミン;N−メチルアニリン、N−エチル
アニリン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベン
ジルアミン、N−メチル−α−フェネチルアミン、N−
エチル−α−フェネチルアミン、N−メチル−β−フェ
ネチルアミン、N−エチル−β−フェネチルアミン等の
芳香族第二級モノアミン;並びにピロリジン、ピペリジ
ン、ホモピペリジン、モルホリン及びこれらの化合物の
環の炭素原子にメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等の脂肪
族炭化水素基が結合している化合物等の含窒素環状第二
級モノアミンが挙げられる。
【0039】アンモニア、第一級アミン又は第二級アミ
ンの使用量は、トリメチロールアルカンの蟻酸エステル
における蟻酸成分1モルに対して、通常1モル以上、好
ましくは1.1〜2.0モルである。アンモニア、第一
級アミン又は第二級アミンの使用量が上記範囲より少な
いと、トリメチロールアルカンの蟻酸エステルが残る。
【0040】残留物に含まれるトリメチロールアルカン
の蟻酸エステルをアンモニア、第一級アミン又は第二級
アミンと反応させる際の反応温度は、常温以上、好まし
くは常温〜130℃であり、また反応圧は、常圧、減
圧、加圧のいずれであってもよい。反応は発熱反応であ
るので、攪拌下に上記温度に保ちながら、残留物にアン
モニア、第一級アミン又は第二級アミンを滴下しながら
反応させるのがよい。アンモニア、第一級アミン又は第
二級アミンは溶媒に溶解して残留物と混合することがで
き、好ましい溶媒は水である。
【0041】本発明の方法は、回分式及び連続式のいず
れの方式で実施してもよい。本発明の好ましい一実施態
様を回分式で実施する方法について説明する。ホルムア
ルデヒド(n−アルカナール1モルに対して3.2〜
3.6モル)及び水(n−アルカナール、ホルムアルデ
ヒド及び第三級アミンの合計量に対して250〜500
重量%)を仕込んだ反応器に、反応温度を10〜40℃
に保ちながらn−アルカナール及び第三級アミン(n−
アルカナール1モルに対して1〜1.5モル)を1〜3
時間で供給し、次いで40〜60℃、1〜3時間でアル
ドール縮合反応を完了させ、さらに60〜80℃、1〜
2時間で交叉カニツアロ反応を完了させる。反応終了
後、過剰のホルムアルデヒドを場合により第三級アミン
を加えて酸化銅触媒で60〜80℃、1〜4時間処理し
メタノールと蟻酸第三級アミン塩とする。酸化銅触媒
は、反応混合物に対し0.5〜5重量%、好ましくは1
〜3重量%使用する。酸化銅触媒による処理後、過剰の
第三級アミンを蟻酸で中和し、減圧下で反応混合物から
メタノール及び水を留出し、次いで大部分の水を留出し
た後、第三級アミンを水との共沸混合物として留出して
回収する。メタノール、水及び第三級アミンの留出は、
最終的に140〜250℃まで加熱して行う。水との共
沸混合物として回収した第三級アミンと水の混合物はそ
のまま又は水と分離した第三級アミンを該反応系に循環
して再使用する。
【0042】トリメチロールアルカンの蟻酸エステルを
水と反応させてトリメチロールアルカンを生成させる場
合であって、かつ、貴金属触媒を用いない場合は、第三
級アミン及び水を留出した後、残留物100重量部に対
して5〜50重量部の水を加え、3.4〜5.9MPa
(35〜60kgf/cm2)の加圧下に、210〜2
80℃に加熱してトリメチロールアルカンの蟻酸エステ
ルをトリメチロールアルカンと水素及び二酸化炭素並び
に/又は水及び一酸化炭素に分解するとともに、水素及
び二酸化炭素並びに/又は水及び一酸化炭素を系外に除
去する。
【0043】トリメチロールアルカンの蟻酸エステルを
水と反応させてトリメチロールアルカンを生成させる場
合であって、かつ、貴金属触媒を用いる場合は、第三級
アミン及び水を留出した後、残留物100重量部に対し
て5〜50重量部の水を加え、貴金属触媒又はさらに固
体酸触媒を添加した後、1.96MPa(20kgf/
cm2)以下の加圧下、80〜250℃に加熱してトリ
メチロールアルカンの蟻酸エステルをトリメチロールア
ルカンと水素及び二酸化炭素並びに/又は水及び一酸化
炭素に分解するとともに、水素及び二酸化炭素並びに/
又は水及び一酸化炭素を系外に除去する。
【0044】トリメチロールアルカンの蟻酸エステルを
分解して、水素及び二酸化炭素並びに/又は水及び一酸
化炭素を系外に除去した残留物を、貴金属触媒を用いな
かった場合にはそのまま又は貴金属触媒を用いた場合は
濾過した後、蒸留すれば、容易に高品質のトリメチロー
ルアルカンを単離することができる。
【0045】トリメチロールアルカンの蟻酸エステル
を、アンモニア、第一級アミン又は第二級アミンと反応
させてトリメチロールアルカンとホルムアミド類を生成
させる場合は、第三級アミン及び水を留出した残留物
に、攪拌下、常温〜130℃で、アンモニア、第一級ア
ミン又は第二級アミン(トリメチロールアルカンの蟻酸
エステルにおける蟻酸成分1モルに対して1モル以上)
を滴下しながら残留物中のトリメチロールアルカンの蟻
酸エステルと反応させてトリメチロールアルカンとホル
ムアミド類を生成させる。得られた反応混合物からは蒸
留等によりトリメチロールアルカンとホルムアミド類を
分離して回収することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
れらは例示的なものであり、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0047】実施例1 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを装備した
容量5リットルの反応器に7%ホルムアルデヒド水溶液
3822.4g(ホルムアルデヒド8.91モル)を仕
込み、内温を20℃に保ち、攪拌下にn−ブタナール1
94.7g(2.70モル)及びトリエチルアミン30
3.6g(3.00モル)を別々の滴下ロートから1.
5時間かけて滴下した。次いで40℃まで昇温して1.
5時間反応させた後、60℃まで昇温して1時間反応さ
せ、さらに80℃まで昇温して1時間反応させた。反応
終了後、酸化銅触媒100gを加え、さらにトリエチル
アミン53.5g(0.53モル)を追加して70℃で
2時間攪拌し、過剰のホルムアルデヒドを処理した。反
応液を濾過して酸化銅触媒を除き、蟻酸14.0gを添
加してpHを5に調整した。pH調整した反応液438
8.2gを、18.66kPa(140mmHg)の減
圧下、60℃まで加熱してメタノール17.9gと水3
60gを留出し、次いで33.32kPa(250mm
Hg)の減圧下、80℃まで加熱して水720gを留出
し、さらに常圧下、180℃まで加熱してトリエチルア
ミン355g(3.51モル)を水2470gとの混合
液として留出して回収した。次いで、残留物465.3
gに水80gを添加し、4.9MPa(50kgf/c
2)の加圧下、240℃に2.5時間加熱して、残留
物中のトリメチロールプロパンの蟻酸エステルをトリメ
チロールプロパンと、水素、二酸化炭素、水及び一酸化
炭素に分解し、水素、二酸化炭素、水及び一酸化炭素を
系外に除去した。残留物440gが得られ、残留物には
蟻酸及びトリメチロールプロパンの蟻酸エステルは含ま
れていなかった。得られた残留物を、33.32kPa
(250mmHg)の減圧下、80℃まで加熱して水7
5.5gを留出した。次いで0.4kPa(3mmH
g)の減圧下で蒸留してトリメチロールプロパン311
g(2.32モル)を得た(n−ブタナールに対する収
率:86%)。
【0048】実施例2 実施例1で回収したトリエチルアミンと水との混合液を
40℃で分液させてトリエチルアミンを分離した。分離
されたトリエチルアミン151.8g(1.50モル)
を使用し、反応のスケールを1/2にした以外は実施例
1と同様にしてトリメチロールプロパンの製造を行っ
た。その結果、トリメチロールプロパン152g(1.
13モル)を得た(n−ブタナールに対する収率:84
%)。尚、トリメチロールプロパンの蟻酸エステルの分
解後の残留物には蟻酸及びトリメチロールプロパンの蟻
酸エステルは含まれていなかった。
【0049】比較例1 実施例1と同様にして得たpH5に調整した反応液43
88gを使用し、当該反応液を、18.66kPa(1
40mmHg)の減圧下、60℃まで加熱してメタノー
ル18gと水375gを留出し、次いで33.32kP
a(250mmHg)の減圧下、80℃まで加熱して水
828gを留出し、さらに7.33kPa(55mmH
g)の減圧下、50℃で水2301g、トリエチルアミ
ン71g(0.70モル)及び蟻酸トリエチルアミン塩
364g(2.47モル)を留出した。得られた残留物
429g[トリメチロールプロパン266g(1.98
モル、n−ブタナールに対する収率73%)、トリメチ
ロールプロパンの蟻酸エステル110g(モノエステル
104g:0.64モル、ジエステル6g:0.03モ
ル、トリエステル:微量)、蟻酸トリエチルアミン塩5
2g(0.35モル)を含有]を0.4kPa(3mm
Hg)の減圧下で蒸留してトリメチロールプロパンの蟻
酸エステル150g(モノエステル133g:0.82
モル、ジエステル8g:0.04モル、トリエステル:
微量)及びトリメチロールプロパン246g(1.83
モル;n−ブタナールに対する収率68%)を得た。
【0050】実施例3 実施例1と同様にして得たpH5に調整した反応液43
88.2gを、18.66kPa(140mmHg)の
減圧下、60℃まで加熱してメタノール17.9gと水
360gを留出し、次いで33.32kPa(250m
mHg)の減圧下、80℃まで加熱して水720gを留
出し、さらに常圧下、180℃まで加熱してトリエチル
アミン355g(3.51モル)を水2470gとの混
合液として留出して回収した。次いで、残留物465.
3gに水72gを添加し、5%パラジウム/カーボン粉
(50%含水品)16gを加え0.98MPa(10k
gf/cm2)の加圧下、200℃に2.5時間加熱し
て、残留物中のトリメチロールプロパンの蟻酸エステル
をトリメチロールプロパンと、水素、二酸化炭素、水及
び一酸化炭素に分解し、水素、二酸化炭素、水及び一酸
化炭素を系外に除去した。残留物450gを濾過して4
38gの濾液を得た。濾液中には蟻酸及びトリメチロー
ルプロパンの蟻酸エステルは含まれていなかった。得ら
れた濾液を、33.32kPa(250mmHg)の減
圧下、80℃まで加熱して水73.5gを留出した。次
いで0.4kPa(3mmHg)の減圧下で蒸留してト
リメチロールプロパン311g(2.32モル)を得た
(n−ブタナールに対する収率:86%)。
【0051】実施例4 実施例3で使用した5%パラジウム/カーボン粉(50
%含水品)16gに代えて5%パラジウム−1%鉛/カ
ーボン粉(50%含水品)16gを使用した以外は実施
例3と同様に行い最終的にトリメチロールプロパン31
1g(2.32モル)を得た(n−ブタナールに対する
収率:86%)。尚、トリメチロールプロパンの蟻酸エ
ステルの分解は0.5時間で終了し、分解後の残留物に
は蟻酸及びトリメチロールプロパンの蟻酸エステルは含
まれていなかった。
【0052】実施例5 実施例3で使用した5%パラジウム/カーボン粉(50
%含水品)16gに代えて2%パラジウム/カーボン粉
(50%含水品)16gとシリカ−アルミナ触媒[N−
631HN:日揮化学(株)製品]5gを使用した以外
は実施例3と同様に行い最終的にトリメチロールプロパ
ン311g(2.32モル)を得た(n−ブタナールに
対する収率:86%)。尚、トリメチロールプロパンの
蟻酸エステルの分解は2.0時間で終了し、分解後の残
留物には蟻酸及びトリメチロールプロパンの蟻酸エステ
ルは含まれていなかった。
【0053】実施例6 実施例3で回収したトリエチルアミンと水との混合液を
40℃で分液してトリエチルアミンを分離した。分離さ
れたトリエチルアミン151.8g(1.50モル)を
使用し、反応のスケールを1/2にした以外は実施例3
と同様にしてトリメチロールプロパンの製造を行った。
その結果、トリメチロールプロパン152g(1.13
モル)を得た(n−ブタナールに対する収率:84
%)。尚、トリメチロールプロパンの蟻酸エステルの分
解後の残留物には蟻酸及びトリメチロールプロパンの蟻
酸エステルは含まれていなかった。
【0054】実施例7 実施例1と同様にして得たpH5に調整した反応液43
88.2gから18.66kPa(140mmHg)の
減圧下、温度60℃まで加熱してメタノール17.9g
と水360gを留出し、次いで33.32kPa(25
0mmHg)の減圧下、温度80℃まで加熱して水72
0gを留出し、さらに常圧下、180℃まで加熱してト
リエチルアミン355g(3.51モル)を水2470
gとの混合液として留出して回収した。得られた残留物
465.3gに、攪拌下及び冷却下に温度を50℃以下
に保ち、47重量%ジメチルアミン水溶液370.2g
(ジメチルアミン3.86モル)を1時間で滴下しなが
ら反応を行い、さらに1時間同温度に保持して反応を終
了させた。反応終了後の反応混合物中に蟻酸及びトリメ
チロールプロパンの蟻酸エステルは確認されなかった。
この反応混合物835.5gを、101.3kPa(7
60mmHg)の常圧下、120℃まで加熱して水19
6g及びジメチルアミン16gを留出し、次いで4kP
a(30mmHg)の減圧下、80℃まで加熱してN,
N−ジメチルホルムアミド256gを留出した。得られ
た残留物を0.4kPa(3mmHg)の減圧下で蒸留
してトリメチロールプロパン315g(2.35モル)
を得た(n−ブタナールに対する収率:87%)。
【0055】実施例8 実施例7で回収したトリエチルアミンと水との混合液を
40℃で分液させてトリエチルアミンを分離した。分離
されたトリエチルアミン151.8g(1.50モル)
を使用し、スケールを1/2にした以外は実施例7と同
様にしてトリメチロールプロパンの製造を行った。その
結果、トリメチロールプロパン156g(1.16モ
ル)を得た(n−ブタナールに対する収率:86%)。
ジメチルアミンを反応させた後の反応混合物には蟻酸及
びトリメチロールアルカンの蟻酸エステルは含まれてい
なかった。
【0056】実施例9 実施例7においてジメチルアミンに代えてピペリジン3
28.1g(3.86モル)を使用した以外は実施例7
と同様に行った。ピペリジンを添加して反応させた後の
反応混合物中に蟻酸及びトリメチロールプロパンの蟻酸
エステルは確認されなかった。この反応混合物793.
4gを、101.3kPa(760mmHg)の常圧
下、120℃まで加熱してピペリジン30.5gを留出
し、次いで4kPa(30mmHg)の減圧下、120
℃まで加熱してN−ホルミルピペリジン395.7gを
留出した。得られた残留物を0.4kPa(3mmH
g)の減圧下で蒸留してトリメチロールプロパン311
g(2.32モル)を得た(n−ブタナールに対する収
率:86%)。
【0057】実施例10 実施例7においてジメチルアミンに代えて28重量%ア
ンモニア水溶液234.8g(アンモニア3.86モ
ル)を使用した以外は実施例7と同様に行った。アンモ
ニア水溶液を添加して反応させた後の反応混合物中に蟻
酸及びトリメチロールプロパンの蟻酸エステルは確認さ
れなかった。この反応混合物700.1gを、101.
3kPa(760mmHg)の常圧下、120℃まで加
熱して水169g及びアンモニア6gを留出し、次いで
4kPa(30mmHg)の減圧下、120℃まで加熱
してホルムアミド158gを留出した。得られた残留物
を0.4kPa(3mmHg)の減圧下で蒸留してトリ
メチロールプロパン315g(2.35モル)を得た
(n−ブタナールに対する収率:87%)。
【0058】
【発明の効果】本発明のトリメチロールアルカンの製造
方法を用いれば、トリメチロールアルカンの蟻酸エステ
ルの生成によるトリメチロールアルカンの収率低下がな
く、容易にかつ効率よく高収率、高品質のトリメチロー
ルアルカンを製造することができる。また第三級アミン
の回収及び回収した第三級アミンのトリメチロールアル
カン製造での再使用が可能であるから、従来公知の製造
方法に比較して多大なメリットが期待でき、本発明のト
リメチロールアルカンの製造方法は極めて有利な工業的
製造方法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 29/80 C07C 29/80 29/92 29/92 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 宇治 信吾 千葉県袖ヶ浦市北袖25番 広栄化学工業株 式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第三級アミン及び水の存在下に、n−ア
    ルカナールをホルムアルデヒドと反応させてトリメチロ
    ールアルカンを製造するにあたり、副生の蟻酸第三級ア
    ミン塩が熱解離し得る温度に反応終了後の反応混合物を
    加熱して第三級アミン及び水を留出し、第三級アミン及
    び水を留出する過程で生成し残留物中に含まれるトリメ
    チロールアルカンの蟻酸エステルを、水、アンモニア、
    第一級アミン又は第二級アミンと反応させてトリメチロ
    ールアルカンを生成させることを特徴とするトリメチロ
    ールアルカンの製造方法。
  2. 【請求項2】 残留物中に含まれるトリメチロールアル
    カンの蟻酸エステルを、加熱下に水と反応させてトリメ
    チロールアルカンと、水素及び二酸化炭素並びに/又は
    水及び一酸化炭素を生成させる請求項1記載のトリメチ
    ロールアルカンの製造方法。
  3. 【請求項3】 トリメチロールアルカンの蟻酸エステル
    と水との反応を、6.9MPa以下の加圧下で行う請求
    項2記載のトリメチロールアルカンの製造方法。
  4. 【請求項4】 トリメチロールアルカンの蟻酸エステル
    と水との反応を、200〜300℃で行う請求項3記載
    のトリメチロールアルカンの製造方法。
  5. 【請求項5】 トリメチロールアルカンの蟻酸エステル
    と水との反応を、貴金属触媒存在下に行う請求項2記載
    のトリメチロールアルカンの製造方法。
  6. 【請求項6】 貴金属触媒がパラジウム触媒である請求
    項5記載のトリメチロールアルカンの製造方法。
  7. 【請求項7】 貴金属触媒が鉛元素で修飾された貴金属
    触媒である請求項5記載のトリメチロールアルカンの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 パラジウム触媒が鉛元素で修飾されたパ
    ラジウム触媒である請求項6記載のトリメチロールアル
    カンの製造方法。
  9. 【請求項9】 トリメチロールアルカンの蟻酸エステル
    と水との反応を、さらに固体酸触媒を存在せしめて行う
    請求項5〜8のいずれか1項記載のトリメチロールアル
    カンの製造方法。
  10. 【請求項10】 トリメチロールアルカンの蟻酸エステ
    ルと水との反応を、常圧又は1.96MPa以下の加圧
    下に行う請求項5〜9のいずれか1項記載のトリメチロ
    ールアルカンの製造方法。
  11. 【請求項11】 トリメチロールアルカンの蟻酸エステ
    ルと水との反応を、50〜300℃で行う請求項10記
    載のトリメチロールアルカンの製造方法。
  12. 【請求項12】 水及び第三級アミンを留出して得られ
    る残留物100重量部に対して水5〜50重量部を加え
    る請求項2記載のトリメチロールアルカンの製造方法。
  13. 【請求項13】 残留物中に含まれるトリメチロールア
    ルカンの蟻酸エステルを、アンモニア、第一級アミン又
    は第二級アミンと反応させてトリメチロールアルカンと
    ホルムアミド類を生成させることを特徴とする請求項1
    記載のトリメチロールアルカンの製造方法。
  14. 【請求項14】 アンモニア、第一級アミン又は第二級
    アミンが、アンモニア、第一級モノアミン又は第二級モ
    ノアミンである請求項13記載のトリメチロールアルカ
    ンの製造方法。
  15. 【請求項15】 反応終了後の反応混合物から留出せし
    めた第三級アミンをトリメチロールアルカンの製造に再
    使用することを特徴とする請求項1記載のトリメチロー
    ルアルカンの製造方法。
  16. 【請求項16】 第三級アミンがトリエチルアミンであ
    る請求項1記載のトリメチロールアルカンの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012515145A (ja) * 2009-01-12 2012-07-05 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア ポリメチロールの製造法

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