JPH11201730A - 電子写真感光体の膜厚測定装置および膜厚測定方法、電子写真感光体の製造装置および製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の膜厚測定装置および膜厚測定方法、電子写真感光体の製造装置および製造方法

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JPH11201730A
JPH11201730A JP236498A JP236498A JPH11201730A JP H11201730 A JPH11201730 A JP H11201730A JP 236498 A JP236498 A JP 236498A JP 236498 A JP236498 A JP 236498A JP H11201730 A JPH11201730 A JP H11201730A
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layer
peak wavelength
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photosensitive member
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JP236498A
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Sanae Honda
早苗 本田
Kazuya Ito
和哉 伊藤
Takanao Suzuki
孝尚 鈴木
Isamu Ishikawa
勇 石河
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真感光体に形成した測定対象層の膜厚
を精度よく測定できる電子写真感光体の測定装置および
測定方法を提供する。 【解決手段】 測定対象層までが形成された電子写真感
光体1に対し、検出エリア2に光源6からの光を光ファ
イバ5およびプローブ4を経由して照射し、検出エリア
2からの反射光をプローブ4および光ファイバ5を経由
して分光光度計7の分光器に結像させ、分光特性として
のスペクトルを得る。得られたスペクトルからピーク波
長検出部9でピーク波長を検出する。そして膜厚演算部
10で、予め検量線記憶部11に記憶されている検量線
にピーク波長を代入し、測定対象層の膜厚を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性基体上に複
数の層を積層してなる電子写真感光体において、形成し
た層の膜厚等を測定する膜厚測定装置および膜厚測定方
法、さらにはその膜厚測定装置および膜厚測定方法を用
いた電子写真感光体の製造装置および製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンタなどの電子
写真方式の画像形成装置に使用される電子写真感光体と
しては、導電性基体上に下引層と電荷発生層と電荷輸送
層とを順次積層させたものが知られている。このような
電子写真感光体を製造する際には、各層を構成するため
の光導電性材料を結着剤樹脂とともに有機溶剤に溶解ま
たは分散させて感光体塗布液として作成し、この感光体
塗布液を導電性基体の上に順次塗布、乾燥させることに
より製造する方法が知られている。
【0003】導電性基体の上に感光体塗布液を塗布する
方法として、多くの方法が知られている。例えば浸漬塗
布法は、前述の感光体塗布液を満たした塗布槽に導電性
基体を浸漬した後に、所定の速度で引き上げることによ
り、感光層を形成する方法である。特にこの方法は、そ
の生産性の高さから電子写真感光体の製造において広く
利用されている。
【0004】しかし、この浸漬塗布方法は、垂直方向に
だれが生じやすいという欠点を有している。そのため、
導電性基体上に形成される感光層に塗布むらや筋が発生
したり、あるいは膜厚の上下差が大きくなり、画像の濃
淡むら等の画質欠陥の原因となることがある。また、塗
布液には、塗膜形成のための蒸発しやすい有機溶剤を使
用していることが多く、塗布槽内の塗布液から溶剤が蒸
発して、塗布液の粘度や濃度が変化するため、その製造
工程において一定の条件で塗布することが難しい。この
ため、上記のような電子写真感光体の製造工程において
は、各層の膜厚の測定および評価を行ない、それを管理
することにより塗布工程の変動を検出し、塗布量の調整
を行なっている。
【0005】膜厚の測定方法も多種の方法が考えられて
おり、代表的なものとして例えば段差計、過電流式膜厚
計等の接触式膜厚測定方法や、色彩色差法、光吸収法、
干渉法、蛍光X線測定法等を用いた非接触式膜厚測定方
法がある。さらには透過型電子顕微鏡により直接膜厚を
測定する方法も用いられている。
【0006】これらの膜厚測定法の中でも非接触式は、
非破壊の測定法であること、形状の制約がなく例えばド
ラム形状のものを直接測定できること、測定が簡便であ
ることなどから、電子写真感光体の膜厚測定の有効な手
段として用いられている。
【0007】特に、光吸収法を用いた膜厚測定方法は、
比較的平易かつ短時間での測定が可能である。この方法
は、吸収特性を持つ膜について、ある波長の光の吸収量
がその膜厚により変動することを利用したものであり、
電子写真感光体の電荷発生層の膜厚を測定する場合によ
く用いられている。光吸収法によって得られる特性値と
して実用的なものに、吸収率、反射率等が挙げられ、い
ずれも塗膜形成前の反射光量と塗膜形成後の反射光量と
の比、もしくは塗膜への入射光量と反射光量との比を表
わすものである。これらの特性値は、測定対象となる膜
の膜厚との相関があることが多く、例えば、特開平9−
106218号公報では、あらかじめ求めた換算式を用
いて、これらの特性値から膜厚を算出する方法が開示さ
れている。
【0008】また、干渉法を用いた膜厚測定方法も、比
較的平易かつ短時間での評価が可能であることから、電
子写真感光体の下引層や電荷輸送層のような透明膜の膜
厚を測定する場合によく用いられている。例えば、特開
平4−336540号公報や特開平6−130683号
公報には、下引層等の透明膜を塗布した後に、光干渉法
により逐次膜厚を測定し、その測定結果をフィードバッ
クして塗布速度を自動制御し、膜厚の変動を抑えて均一
化を図る方法が開示されている。
【0009】図4は、光干渉法の原理説明図、図5は、
光干渉法によって得られるスペクトルの一例を示すグラ
フである。図中、21は基板、22は透明膜、23は光
源、24,25は反射光である。図4に示した例では、
基板21上に、膜厚d、膜の比屈折率nの薄い透明膜2
2が形成されている。このような試料に、透明膜22の
表面側から光源23によって光を照射する。照射された
光の一部は透明膜22の表面で反射して反射光24とな
り、一部は透明膜22の表面で比屈折率nに応じて屈折
して透明膜22内へと進む。透明膜22内に進入した光
は、基板21の表面で反射され、再び透明膜22の表面
で屈折して反射光25として放出される。これらの反射
光を受光してそのスペクトルを採取した場合、スペクト
ルは例えば図5のような波形になる。
【0010】このとき、反射光24と反射光25の進行
方向は同じであるが、反射光25は基板21の表面にお
ける反射の際に180゜位相がずれるとともに、透明膜
22内を通る分だけ位相がずれている。そのため、反射
光24と反射光25とは干渉し、反射光の光量が極大と
なる部分と極小となる部分が現われる。透明薄膜の屈折
率が既知であれば、図5に示す分光反射スペクトル上で
隣り合った光量が極大または極小の時の波長から膜厚を
算出することができる。
【0011】しかし、上述のような光吸収法を用いた膜
厚測定方法は、例えば顔料の分散が不均一な電荷発生層
を測定対象としたとき、測定波長領域で顕著な光吸収を
示さない場合があり、光の吸収量の変化を測定するには
精度が不十分となるため問題がある。図6は、光吸収法
の問題点の説明図である。例えば図6(A)に示すよう
な吸光度特性を有する測定対象の膜に対して光を照射し
た場合、その反射光のスペクトルは例えば図6(B)に
示すようになる。通常、反射スペクトルは光吸収と干渉
の両特性の影響を受けている場合が多く、平坦な吸光度
特性を有していれば図5に示すような干渉スペクトルと
なる。しかし、例えば図6(A)に示すような吸光度特
性を有している場合には、短波長側で光の吸収によって
反射光量が減少し、長波長側では図5に示すような干渉
スペクトルが現われるため、図6(B)に示すような反
射スペクトルとなる。このとき、吸光度の低い波長範囲
において極大あるいは極小が2点以上現われる場合は、
上述の干渉法を用いて膜厚を測定できる。しかし、測定
対象となる層が薄膜のときは、干渉スペクトルの周期が
長くなるため、測定波長範囲内に極大あるいは極小が1
点しか現われない場合がある。この場合は、干渉法によ
る測定も不可能である。
【0012】蛍光X線測定法を用いた膜厚測定は、Na
よりも重い無機系元素を含有する機能層を積層してなる
電子写真感光体において、特性X線を検出し、無機元素
の含有量を定量的に評価することで膜厚を算出する方法
である。この方法は、物質固有の定量情報が得られ、微
小量から多量領域まで広範囲にわたり高感度に測定でき
る。この手法を用いた膜厚測定の方法として、例えば特
開平4−142550号公報に開示されている方法など
がある。しかし、装置の機構が複雑であり取り扱いが困
難であること、窒素ガスの供給など測定環境の管理が必
要であること等から、操作性およびコストの面において
実用的でないという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、電子写真感光体の製造工程
において、電子写真感光体に形成した測定対象の膜厚を
精度よく測定できる電子写真感光体の膜厚測定装置およ
び膜厚測定方法を提供するとともに、その測定結果を製
造工程に反映させた電子写真感光体の製造装置および製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性基体上
に少なくとも測定対象となる層、例えば電荷発生層まで
の層が形成された電子写真感光体の表面に光を照射して
反射光の分光特性を検出し、検出した分光特性の波形か
ら反射光がピークとなるピーク波長を検出し、該ピーク
波長とあらかじめ求めた検量線から、測定対象となる層
の膜厚を得る。これにより、例えば図6(B)に示した
ような、反射光の分光特性としてピークのみしか得られ
ない場合であっても、正確に膜厚を測定することができ
る。
【0015】このとき、測定対象となる層までに1以上
の層が形成されている場合には、それらの層による影響
が考えられる。この影響を排除するため、ピーク波長の
検出後、測定対象外の膜厚を既知としてあらかじめ求め
た回帰式からピーク波長を補正し、補正されたピーク波
長とあらかじめ求めた検量線から、測定対象となる層の
膜厚を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の電子写真感光体
の膜厚測定装置の第1の実施の形態を示す概略構成図で
ある。図中、1は電子写真感光体、2は検出エリア、3
は分光特性検出部、4はプローブ、5は光ファイバ、6
は光源、7は分光光度計、8は膜厚算出部、9はピーク
波長検出部、10は膜厚演算部、11は検量線記憶部で
ある。電子写真感光体は、一般的に導電性基体上に下引
き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層してなる。こ
こでは、電子写真感光体1は、導電性基体上に少なくと
も測定対象となる層(以下、測定対象層と呼ぶ)までを
形成した中間製品とする。
【0017】分光特性検出部3は、この例ではプローブ
4、光ファイバ5、光源6、分光光度計7などによって
構成されている。光源6は、ハロゲン、キセノン等の一
般的に用いられる光源を用いたものである。光源6から
出射された光は光ファイバ5を経由してプローブ4から
電子写真感光体1の検出エリア2に照射される。検出エ
リア2に照射された光は電子写真感光体1に形成されて
いる各層を順次通過し、導電性基体表面で反射された
後、再び各層を順次通過してプローブ4に到着する。プ
ローブ4に入射した光は光ファイバ5を経由して分光光
度計7の分光器に結像する。分光光度計7は、検出エリ
ア2からの反射光の分光特性をスペクトルとして採取す
る。
【0018】なお、分光特性検出部3の構成は一例であ
って、例えば光源6をプローブ4内に収納したり、光フ
ァイバ5の代わりにレンズ系等の他の光学素子を用いて
もよい。分光特性検出部3は、電子写真感光体1の検出
エリア2に光を照射し、その反射光のスペクトルを得ら
れる構成であればよい。
【0019】膜厚算出部8は分光光度計7で得られたス
ペクトルから、測定対象層の膜厚を算出する。膜厚算出
部8は、ピーク波長検出部9と膜厚演算部10と検量線
記憶部11等を含んでいる。例えば、パソコン等のデー
タ処理装置により構成することができる。ピーク波長検
出部9は、分光光度計7で得られたスペクトルから反射
光量が極大値となるときの波長を求める。これをピーク
波長と呼ぶ。膜厚演算部10はピーク波長検出部9で得
られたピーク波長と、検量線記憶部11に記憶されてい
る検量線から測定対象層の膜厚を算出する。検量線記憶
部11は、膜厚演算部10で測定対象層の膜厚を算出す
る際に用いる検量線を記憶するものであり、例えばメモ
リや磁気ディスク等の記憶装置を用いることができる。
【0020】この第1の実施の形態における動作の一例
について説明する。測定対象層までの各層が形成された
電子写真感光体1の中間製品の検出エリア2に光源6か
らの光を光ファイバ5を介して照射し、検出エリア2か
らの反射光をプローブ4および光ファイバ5経由で分光
光度計7の分光器に結像させ、分光特性としてスペクト
ルを得る。
【0021】図2は、電子写真感光体の反射スペクトル
の一例を示すグラフである。例えば導電性基体上に下引
層および電荷発生層を順次積層してなる電子写真感光体
1に光源6からの光を照射し、各層を通過した光の反射
スペクトルは、例えば図2に示すようになる。このよう
な分光光度計7で得られたスペクトルは、電子写真感光
体1の導電性基体の表面と各層の表面における多重反射
による干渉、および電荷発生層による吸収の合成スペク
トルと考えられる。
【0022】図2に示したグラフでは、電荷発生層の吸
光度特性が図6(A)に示したように短波長側で吸光度
が高く、長波長側で吸光度が低い場合の反射スペクトル
を示している。一般的に、吸光度が低い波長範囲内では
干渉の効果が現われる場合が多い。干渉については図4
に示したように膜表面の反射光と膜内に侵入した光の導
電性基体表面による反射光によって発生する。このと
き、干渉法の原理より、膜厚をd、膜の比屈折率をn、
波長をλとし、mを干渉次数とすると、 2nd=mλ (m=1,2,3,・・・) のとき反射光量が極大となり、 2nd=(2m+1)λ/2 (m=0,1,2・・
・) のとき反射光量が極小となることが知られている。
【0023】さらに、その干渉波形は測定対象膜が薄膜
になるほどその周期が長くなる傾向があり、ピーク間あ
るいはボトム間はグラフ上開いてくる。分光光度計7の
特性から正確に採取可能な波長範囲は限られており、測
定範囲に光量の極大もしくは極小となる波長が1点しか
現われない場合もある。その場合でも、膜厚の変動によ
って波形周期が変化し、ピークあるいはボトムの波長が
変動する。図2において、複数の曲線を示しているが、
これらは電荷発生層の膜厚がそれぞれ異なる場合の曲線
である。図2からもわかるように、膜厚の変化に伴って
合成スペクトルのピークがシフトする。
【0024】図2に示すようなスペクトルが得られた場
合、従来の光吸収法や干渉法では膜厚の測定は不可能と
なる。しかし、スペクトルから得られるピーク波長のみ
から膜厚を得ることが可能である。すなわち、上述の式
において比屈折率nは膜によって一定と考えられる。ま
た、波形のピークの干渉次数mの値は実際には不明であ
るものの、ある程度の膜厚の変動範囲であれば図2に示
すように同じピークが移動していると考えることがで
き、干渉次数mは一定の値であると仮定することができ
る。すると、上述の反射光量が極大となる場合の関係式
は、d=kλ(k:定数)となる。つまり、膜厚dとピ
ーク波長λにはd∝λの関係があるため、ピーク波長λ
を知ればあらかじめ求めておいた関係式より膜厚dを求
めることができる。このとき用いる関係式を検量線とし
て検量線検出部11に記憶させておけばよい。
【0025】検量線検出部11に記憶させておく検量線
は、例えば、複数の電子写真感光体1について上述のよ
うに求めたピーク波長と、同じ電子写真感光体1につい
て切断面の拡大写真を透過型顕微鏡により撮影して求め
た測定対象層の実際の膜厚との回帰式とすることができ
る。例えば一次回帰の関係式 d=aw+b を求めればよい。ここで、dは膜厚、wはピーク波長、
aは回帰係数、bは定数項である。このようにして得ら
れた関係式を膜厚演算のための検量線とし、膜厚算出部
8の検量線記憶部11に記憶させておけばよい。もちろ
ん関係式はこのような一次式に限られるものではない。
【0026】分光特性検出部3の分光光度計7で分光特
性として得られたスペクトルは膜厚算出部8に渡され、
ピーク波長検出部9においてスペクトルのピーク波長が
検出される。そして膜厚演算部10において、上述のよ
うして予め得られた検量線記憶部11に記憶されている
検量線にピーク波長を代入することによって、測定対象
層の膜厚を算出することができる。
【0027】電子写真感光体1の製造工程において、導
電性基体上に各層を浸漬塗布法によって塗布する場合、
膜厚の制御は塗布速度によって行なうことができる。す
なわち、浸漬塗布法における膜厚と塗布速度の関係は、 d=K(Vη/ρg)0.5 のようになっている。ここで、Kは定数、Vは塗布速
度、ηは液粘度、ρは液密度、gは重力加速度である。
液粘度η、液密度ρが一定の条件下で、膜厚dは塗布速
度Vの0.5乗に比例するため、膜厚は塗布速度で制御
できる。
【0028】このような塗布工程によって測定対象層が
塗布された電子写真感光体1の中間製品に対し、上述の
ようにして膜厚を測定する。測定された測定対象層の膜
厚を評価し、測定対象層の塗布工程にフィードバックす
る。例えば上述のように制御可能な塗布速度を、測定さ
れた膜厚にしたがって制御することにより、均一な膜厚
で測定対象層が塗布された電子写真感光体1を製造する
ことができる。
【0029】このようにして、電子写真感光体1の測定
対象層の膜厚を中間製品の状態で正確に測定、評価する
ことができ、測定対象層の形成工程での変動がいち早く
検出でき、工程の安定化、膜厚不良品の後工程への大量
流出を防ぐことが可能となる。
【0030】図3は、本発明の電子写真感光体の膜厚測
定装置の第2の実施の形態を示す概略構成図である。図
中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略
する。12は回帰式記憶部である。上述の第1の実施の
形態では検量線を用いてピーク波長から測定対象層の膜
厚を算出したが、複数の層が積層されている場合には、
測定対象層の下層の影響もある。この第2の実施の形態
では、さらに、複数の層で形成される電子写真感光体の
測定対象外の層、例えば電荷発生層を測定対象層とする
なら下引層の膜厚を既知として、誤差を補正するための
回帰式を用いた例を示している。
【0031】膜厚算出部8は上述の第1の実施の形態と
同様、分光光度計7で得られたスペクトルから、測定対
象層の膜厚を算出するものであるが、ピーク波長検出部
9、膜厚演算部10、検量線記憶部11とともに、回帰
式記憶部12を含んでいる。回帰式記憶部12は、測定
対象外の層による誤差を補正するための回帰式を記憶す
る。膜厚演算部10は、回帰式記憶部12に記憶されて
いる回帰式を用いて、ピーク波長検出部9で得られたピ
ーク波長に含まれる測定対象外の層による誤差を補正
し、補正されたピーク波長を検量線記憶部11に記憶さ
れている検量線に代入して測定対象層の膜厚を算出す
る。なお膜厚算出部8は、回帰式記憶部12を含めて例
えばパソコン等のデータ処理装置により構成することが
できる。
【0032】上述の第1の実施の形態と同様、分光光度
計7によって例えば図2に示すような反射スペクトルが
得られる。分光光度計7で得られたスペクトルは、電子
写真感光体1の導電性基体表面と各層表面の多重反射に
よる干渉、および電荷発生層による吸収の合成スペクト
ルと考えることができる。第1の実施の形態で述べたよ
うに、得られたスペクトルのピーク波長λを知れば膜厚
dを求めることができる。ここで、電子写真感光体1が
複数の層、例えば下引き層と電荷発生層を順次積層して
形成される中間製品である場合、下引き層の膜厚の変化
により求めた電荷発生層の膜厚の誤差を生じる可能性が
ある。この誤差は、下引き層の膜厚を既知として代入す
る補正式を用いることにより低減できる。この補正式を
回帰式として回帰式記憶部12に記憶させておき、膜厚
演算部10でピーク波長を補正して膜厚を計算すればよ
い。
【0033】回帰式記憶部12に記憶させておく回帰式
は、例えば、複数の電子写真感光体1について得られた
スペクトルのピーク波長と、同じ電子写真感光体1につ
いてあらかじめ他の方法により求めた測定対象外の層の
膜厚との回帰式とする。例えば電荷発生層を測定対象層
とするとき、この電荷発生層の膜厚を一定とし、その下
層に形成される下引層の膜厚を変化させたときのピーク
波長のズレを算出し、あらかじめ干渉法により求めた下
引層の膜厚とピーク波長のずれから一次回帰の関係式 w’=αu+β を求めればよい。ここで、w’はピーク波長の補正分、
uは下引層の膜厚、αは回帰係数、βは定数項である。
得られた関係式を、ピーク波長を補正するための回帰式
とすることができる。得られた回帰式を回帰式記憶部1
2に記憶させておけばよい。なお、あらかじめ求めた下
引層の膜厚uは、外部より回帰式記憶部12へ入力でき
るようにしておくとよい。その場合、下引層の形成工程
で測定した膜厚を利用できるようにしてもよい。
【0034】また、検量線記憶部11に記憶しておく検
量線も、上述の回帰式によって得られたピーク波長の補
正分を利用できるように、例えば本発明の装置により得
られたピーク波長と実測の膜厚のデータにより、例えば
次のような一次回帰の関係式 d=a(w−w’)+b を求めておけばよい。ここで、dは膜厚、wはピーク波
長、w’はピーク波長の補正分、aは回帰係数、bは定
数項である。このような関係式を膜厚演算のための検量
線として、膜厚算出部8の検量線記憶部11に記憶させ
ておけばよい。
【0035】上述のようにして、予め測定対象層外の各
層によるピーク波長の変動を補正する回帰式を回帰式記
憶部12に記憶させ、またその回帰式で補正を考慮して
膜厚を算出するための検量線を検量線記憶部11に記憶
させた後、実際の電子写真感光体1上に形成された測定
対象層の膜厚を測定する。
【0036】第2の実施の形態における動作の一例につ
いて説明する。測定対象層までの各層が形成された電子
写真感光体1の中間製品の検出エリア2に光源6からの
光を光ファイバ5を介して照射し、検出エリア2からの
反射光をプローブ4および光ファイバ5経由で分光光度
計7の分光器に結像させ、分光特性としてスペクトルを
得る。得られたスペクトルからピーク波長検出部9でピ
ーク波長を検出する。膜厚演算部10で測定対象外の層
による補正値を回帰式記憶部12に記憶されている回帰
式を用いて得た後、検量線記憶部11に記憶されている
検量線に補正値およびピーク波長を代入することによっ
て、測定対象層の膜厚を得ることができる。
【0037】このようにして、導電性基体上に複数の層
を順次積層した電子写真感光体1の測定対象層の膜厚を
求めることができる。特にこの第2の実施の形態では、
膜厚算出部8に回帰式記憶部12を設けることで、測定
対象外の層の膜厚変動に影響されず安定した測定結果を
得ることができる。また、電子写真感光体の測定対象層
の膜厚を中間製品の状態で正確に評価することができ、
その測定対象層の形成工程での変動がいち早く検出で
き、膜厚不良品の後工程への大量流出を防ぐことが可能
となる。また、測定結果をその測定対象層の形成工程へ
フィードバックすることによって、工程の安定化を図る
ことができる。
【0038】
【実施例】まず、上述の第1の実施の形態に対応する第
1の実施例を説明する。ここでは、電子写真感光体の電
荷発生層の膜厚を求めるため、導電性基体上に下引層お
よび電荷発生層を順次浸漬塗布法により積層して中間製
品サンプルを作成した。サンプルの水準は電荷発生層の
膜厚をd1 μm〜d9 μmの9水準とした。膜厚の水準
値は不明であるが、上述のように液の粘土ηおよび液の
密度ρが一定の条件下で、膜厚dは塗布速度Vの0.5
乗に比例するため、膜厚のかわりに塗布速度で制御し
た。
【0039】このようなサンプルに、図1に示す装置を
使用し、電子写真感光体1の中間製品の検出エリア2か
らの反射光をプローブ4および光ファイバ5経由で分光
光度計7の分光器に結像させ、スペクトルを得た。光源
6はハロゲン光源を用い、使用する波長幅は400nm
〜800nmの可視光領域とした。
【0040】得られたスペクトルより膜厚算出部8のピ
ーク波長検出部9でピーク波長を検出した。さらに、こ
れらのサンプルの検出エリア2の切断面拡大写真を透過
型電子顕微鏡にて撮影して計測することにより、実際の
電荷発生層の膜厚を求めた。このようにして得られたピ
ーク波長および実際の膜厚のデータにより一次回帰の関
係式を求め、検量線として検量線記憶部11に記憶させ
た。関係式は上述のように d=aw+b で表わした。
【0041】導電性基体上に下引層および電荷発生層を
順次積層してなる電子写真感光体1の中間製品に光源6
からの光を光ファイバ5経由でプローブ4から検出エリ
ア2に照射し、検出エリア2からの反射光をプローブ4
および光ファイバ5経由で分光光度計7の分光器に結像
させ、スペクトルを得た。得られたスペクトルからピー
ク波長をピーク波長検出部9で検出し、膜厚演算部10
において、検量線記憶部11に記憶させた検量線にピー
ク波長を代入することにより、電荷発生層の膜厚を正確
に測定することができた。
【0042】次に、上述の第2の実施の形態に対応する
第2の実施例を説明する。第1の実施例と同様、電子写
真感光体の電荷発生層の膜厚を求めるため、導電性基体
上に下引層および電荷発生層を順次浸漬塗布法により積
層して中間製品サンプルを作成した。サンプルの水準は
下引層の膜厚をu1 μm〜u3 μmの3水準、電荷発生
層の膜厚をd1 μm〜d9 μmの9水準とし、これらの
直交条件により27水準とした。さらに、ここでは下引
層の膜厚をあらかじめ干渉法により求めることとし、導
電性基体上に下引層を形成したサンプルを上述と同じu
1 μm〜u3 μmの3水準で作成した。膜厚の水準は不
明であるため、制御する因子として塗布速度をとった。
【0043】このようなサンプルに、図3に示した装置
を使用し、電子写真感光体1の中間製品の検出エリア2
からの反射光をプローブ4および光ファイバ5経由で分
光光度計7の分光器に結像させ、スペクトルを得た。光
源6はハロゲン光源を用い、使用する波長幅は400n
m〜800nmの可視光領域とした。
【0044】得られたスペクトルより膜厚算出部8のピ
ーク波長検出部9でピーク波長を検出した。さらに、上
述のサンプルの検出エリア2の切断面拡大写真を透過型
電子顕微鏡にて撮影して計測することにより、実際の電
荷発生層の膜厚を求めた。得られたピーク波長および実
際の膜厚のデータにより一次回帰の関係式を求め、検量
線として検量線記憶部11に記憶させた。このとき用い
た関係式は、上述のような d=a(w−w’)+b で表わした。
【0045】また、上述より得られたピーク波長から電
荷発生層の膜厚をdn(n:1〜9)で一定条件とし、
下引き層膜厚の水準をu1 μm〜u3 μmと変えたとき
のピーク波長のずれを算出し、あらかじめ干渉法により
求めた下引層の膜厚とピーク波長のずれから一次回帰の
関係式を求め、回帰式として回帰式記憶部12に記憶さ
せた。このとき用いた関係式は、上述のような w’=αu+β で表わした。なお、あらかじめ求めた下引層の膜厚uは
外部より回帰式記憶部12へ入力できるようにした。
【0046】導電性基体上に下引層および電荷発生層を
順次積層してなる中間製品を分光光度計7で測定し、得
られたスペクトルからピーク波長をピーク波長検出部9
で検出した。膜厚演算部10は、既知である下引層の膜
厚を回帰式記憶部12に記憶させた回帰式へ検出したピ
ーク波長を代入して補正後のピーク波長を算出し、補正
後のピーク波長を検量線記憶部11に記憶させた検量線
に代入することで、電荷発生層の膜厚を正確に測定する
ことができた。
【0047】上述のようにして算出した電荷発生層の膜
厚と制御因子である塗布速度との相関を評価した。その
結果、相関係数で0.986という高い相関が得られ
た。このように本発明によれば、電子写真感光体の製造
工程において、導電性基体上に下引層および電荷発生層
を順次形成した中間製品を分光光度計で測定することに
より、精度よく電荷発生層の膜厚を測定することができ
た。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、これまでの干渉法、光吸収法の各測定方法で
は測定できなかった電子写真感光体においても、測定対
象層の膜厚を中間製品の状態で正確に評価することが可
能となる。また、測定対象層の膜厚の測定結果を測定対
象層を形成する工程にフィードバックすることにより、
その工程の変動をいち早く検出することができ、工程の
安定化、膜厚不良品の後工程への大量流出を防ぐことが
可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の膜厚測定装置の第
1の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】 電子写真感光体の反射スペクトルの一例を示
すグラフである。
【図3】 本発明の電子写真感光体の膜厚測定装置の第
2の実施の形態を示す概略構成図である。
【図4】 光干渉法の原理説明図である。
【図5】 光干渉法によって得られるスペクトルの一例
を示すグラフである。
【図6】 光吸収法の問題点の説明図である。
【符号の説明】
1…電子写真感光体、2…検出エリア、3…分光特性検
出部、4…プローブ、5…光ファイバ、6…光源、7…
分光光度計、8…膜厚算出部、9…ピーク波長検出部、
10…膜厚演算部、11…検量線記憶部、12…回帰式
記憶部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石河 勇 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に複数の層を積層してなる
    電子写真感光体の膜厚測定装置において、少なくとも測
    定対象となる層が形成された電子写真感光体の表面に光
    を照射し反射光の分光特性を検出する分光特性検出手段
    と、該分光特性検出手段で検出した前記分光特性の波形
    から反射光がピークとなるピーク波長を検出するピーク
    波長検出手段と、該ピーク波長検出手段で検出した前記
    ピーク波長とあらかじめ求めた検量線から前記測定対象
    となる層の膜厚を得る演算手段を有することを特徴とす
    る電子写真感光体の膜厚測定装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は、測定対象外の膜厚を既
    知としてあらかじめ求めた回帰式から前記ピーク波長を
    補正し、補正されたピーク波長とあらかじめ求めた検量
    線から前記測定対象となる層の膜厚を得ることを特徴と
    する請求項1に記載の電子写真感光体の膜厚測定装置。
  3. 【請求項3】 前記測定対象となる層は、電荷発生層で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    電子写真感光体の膜厚測定装置。
  4. 【請求項4】 導電性基体上に複数の層を積層してなる
    電子写真感光体の膜厚測定方法において、少なくとも測
    定対象となる層が形成された電子写真感光体の表面に光
    を照射して反射光の分光特性を検出し、検出した前記分
    光特性の波形から反射光がピークとなるピーク波長を検
    出し、該ピーク波長とあらかじめ求めた検量線から前記
    測定対象となる層の膜厚を得ることを特徴とする電子写
    真感光体の膜厚測定方法。
  5. 【請求項5】 前記ピーク波長の検出後、測定対象外の
    膜厚を既知としてあらかじめ求めた回帰式から前記ピー
    ク波長を補正し、補正されたピーク波長とあらかじめ求
    めた検量線から前記測定対象となる層の膜厚を得ること
    を特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体の膜厚測
    定方法。
  6. 【請求項6】 前記測定対象となる層は、電荷発生層で
    あることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の
    電子写真感光体の膜厚測定方法。
  7. 【請求項7】 導電性基体上に複数の層を積層して電子
    写真感光体を製造する電子写真感光体の製造装置におい
    て、導電性基体上に測定対象層を塗布する層形成手段
    と、該層形成手段で形成された前記測定対象層の膜厚を
    測定する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体の膜厚測定装置を有し、測定した前記
    膜厚を前記層形成手段にフィードバックすることを特徴
    とする電子写真感光体の製造装置。
  8. 【請求項8】 導電性基体上に複数の層を積層して電子
    写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法におい
    て、導電性基体上に測定対象層を塗布する層形成工程
    と、請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体の膜厚測定方法により前記下引層の膜厚を
    測定する工程を有し、測定した前記膜厚を前記下引層形
    成工程にフィードバックすることを特徴とする電子写真
    感光体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000305289A (ja) * 1999-02-16 2000-11-02 Ricoh Co Ltd 電子写真用感光体と、それを用いた画像形成方法及び装置
JP2003247812A (ja) * 2002-02-27 2003-09-05 Daido Metal Co Ltd 油膜厚さ測定装置付き軸受
CN111207686A (zh) * 2020-01-08 2020-05-29 中国工程物理研究院材料研究所 测量工件内表面形貌和薄膜厚度的检测装置及系统
US10948900B2 (en) 2009-11-03 2021-03-16 Applied Materials, Inc. Display of spectra contour plots versus time for semiconductor processing system control

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