JPH11203449A - グラフィックス処理装置及び方法 - Google Patents

グラフィックス処理装置及び方法

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JPH11203449A
JPH11203449A JP726398A JP726398A JPH11203449A JP H11203449 A JPH11203449 A JP H11203449A JP 726398 A JP726398 A JP 726398A JP 726398 A JP726398 A JP 726398A JP H11203449 A JPH11203449 A JP H11203449A
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JP726398A
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Yoshitaka Shin
吉高 新
Kazuyoshi Koga
和義 古賀
Akihiro Katsura
晃洋 桂
Shigeru Matsuo
松尾  茂
Tetsuya Shimomura
哲也 下村
Isao Kakebe
功 掛部
Yasuhiro Nakatsuka
康弘 中塚
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レベルの異なるマシンで共通のコンテンツを高
速に表示できるようにする。 【解決手段】システムの能力やユーザの設定を元に、3
Dグラフィックスの個々のモデルの詳細度を選択可能な
インタフェースと、その装置を提供する。また、表示可
能色の少ないシステムや、Zバッファのような資源の無
いシステムでも奇麗な表示が可能となるための方法とそ
のシステム構成を提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3D(3次元)図
形を表示する3Dグラフィックス表示技術に係わり、特
に、個人情報機器のような少ないハードウェア量のシス
テムにおいて、3D図形の表示を高速かつ十分な品質で
処理するための3Dグラフィックス表示装置及び方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】3Dグラフィックスの表示を行うシステ
ムにおいて、アプリケーションがハードウェアを直接使
うのではなく、ハードウェアとアプリケーションプログ
ラムの間に中間的なソフトウェア層(以下ミドルウェア
と呼ぶ)を導入することで、アプリケーションの開発コ
ストの低減や、ハードウェアの変更が容易になる(例え
ば、日経CG 1996年12月号特別付録参照)。
【0003】このような流れの中、従来のグラフィック
スワークステーション(GWS)は勿論、パーソナルコ
ンピュータ(PC)や、個人情報機器に対する実時間3
D表示の要求が高まっており、レベルの異なる装置で共
通のコンテンツを高速に表示できるようになることが望
ましい。
【0004】これを実現するための1つ目の問題とし
て、単位時間当たりに描画可能なポリゴン数が装置によ
って異なるため、要求時間内に3Dモデルを表示しきれ
ない場合が発生する可能性がある。これを解決するため
のアプローチとして、Level ofdetail(LOD),ポリ
ゴンリダクションがある。
【0005】LODとは同じ物体に対して、異なった詳
細度(例えばポリゴン数)の3Dモデルを用意し、実行
時にz方向の距離に応じて表示するモデルを変えること
により、不必要に高精細な表示を避け、高速な表示を可
能とする技術である(VRML2.0 SOURCEBOOK p.499〜
p.508参照)。
【0006】また、ポリゴンリダクションとは、高精細
なモデルを簡略して高速に表示するために、ユーザの設
定したルールに従ってポリゴン数を減らす技術である
(Soft Image/3D Modeling p.317〜p.346参
照)。LOD用に自動的に異なる詳細度のモデルを生成
するためにも用いられる。連続的にポリゴン数を減らす
アルゴリズムはSRA(Successive Relaxation Algorit
hm:日経CG8月号p.174)などがある。
【0007】レベルの異なるマシンで共通のコンテンツ
を、高速に表示できるようにするための2つ目の問題と
して、表示可能色数の差がある。個人情報機器において
は、表示可能色数が少ない場合が多いため、適切な表示
ができない可能性がある。
【0008】この問題を解決するためのアプローチとし
て、インデックスカラーモードを用いる方法がある。例
えば、文献“「X−Window Ver.11 プログラミング(木
下凌一著,日刊工業新聞社)”のp.242,p.243
に書かれているPseudo Colorがここでいうインデックス
カラーと同等のものである。インデックスと実際の色の
対応表であるカラーマップをハードウェアに用意するこ
とで、2D画像に関しては少ない色数で比較的奇麗な表
示を可能としている。
【0009】3D表示における輝度計算結果は、通常は
赤,青,緑の光度を0から1の間の小数で表すことが多
く、この結果を適切なインデックスに変換することと、
適切に変換できるようなカラーマップを用意することが
必要となる。これを簡単に実現する例として、カラーマ
ップを輝度計算結果が反映しやすい形式に固定する方法
がある(“Open GL Programming Guide日本語版”、アジ
ソン・ウェスレイ発行のp.192〜p.194を参
照)。
【0010】3つ目の問題として、隠面消去法の違いに
よる表示結果の差異がある。WS,PCではZバッファ
法が大勢を占めているため、このような隠面消去法の違
いを解決するためのアプローチは今のところ特にない。
しかし、個人情報機器レベルの装置においてはまだまだ
Zバッファは高価であるし、WSやPCにおいてもバス
の転送速度の問題があるため、Zバッファ法以外の隠面
消去法の考慮は重要である。
【0011】Zバッファ法の他の隠面消去法として、Z
ソート法,タイル分割法がある。これらは文献“Interf
ace, Dec.1997”のp.110,p.114 にも述べ
られているが、ここで簡単に説明する。まず、Zバッフ
ァ法は現在もっとも広く用いられている方法で、ピクセ
ル単位の隠面消去を行えるが、表示領域の面積に比例し
たメモリが必要となり、メモリとグラフィックスプロセ
ッサ間のバスの転送速度がボトルネックになりやすい。
次に、Zソート法は過去によく用いられていた方法で、
必要メモリが少なく簡単だが、面単位の隠面消去を行う
ために、近接した2つの面が正しく処理できない可能性
がある。タイル分割法はこれらの欠点を補う隠面消去法
である。画面を小領域に分割し、それぞれに小領域分の
Zバッファを利用するため、必要メモリは一定で且つピ
クセル単位の隠面消去が可能である。しかし、小領域分
割における面の並べ替え処理がオーバーヘッドになる可
能性があり、システムの計算能力が重要になる。
【0012】ハードウェア量の制限の厳しい個人情報機
器においては、現状ではZソート法を用いるのが現実的
であるが、今後の技術の発展により、Zバッファ法,タ
イル分割法またはこれら以外の隠面消去法を採用する場
合も増えてくると考えられる。
【0013】以上のような問題の他に、個人情報機器レ
ベルのシステムにおいては、表示アルゴリズムの高速化
の工夫が必要である。ここでは2つ例を挙げる。
【0014】1つ目は、面の表示領域の境界でのクリッ
ピングの高速化が必要である。クリッピングの基本的な
アルゴリズムは、表示領域と面との交点計算を行って領
域判定を行い、面を変形させるものである。交点計算と
領域判定を省略して高速化するために、表示領域よりも
広い仮想的な領域を考え、インタフェースとしてはこの
領域にはみ出すような描画をすることで、レンダリング
ハードウェアによる高速なクリッピングを行うことがで
きる。しかし、仮想的な領域のサイズにはハードウェア
的に限界がある。
【0015】2つ目は表示ポリゴン数を減らす工夫であ
る。例えば、視点から見た面の表裏判定を行い、表面だ
け描画する方法(裏面カリング)がある。文献“コンピュ
ータグラフィックス<技術系CG標準テキストブック
>”(監修:技術系CG標準テキストブック編集委員
会、発行:財団法人画像情報教育振興協会)のp.17
0,p.171に書かれているように、透視変換の場
合、視点ベクトル(視点から面内の点へのベクトル)と
面の法線との内積を求めることで面の表裏判定ができ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】まず、従来の技術の1
つ目の問題で述べた、LODとポリゴンリダクションに
関する課題を列挙する。
【0017】従来は、3Dグラフィックス表示装置の表
示可能な解像度や描画・表示速度に応じて、3Dグラフ
ィックスの詳細度を変えるような、3Dグラフィックス
表示装置と、外部入出力機器または3Dグラフィックス
開発環境のインタフェースはなかった。
【0018】本発明の1番目の目的は、システムの能力
やユーザの設定を元に、3Dグラフィックスの個々のモ
デルの詳細度を選択するインタフェースを提供すること
と、このインタフェースを用いた装置の構成を示すこと
である。
【0019】従来は、個々の3Dモデルの重要度は詳細
度の選択として考慮されていなかった。
【0020】本発明の2番目の目的は、個々の3Dモデ
ルに対しても詳細度を設定するインタフェースを提供す
ることと、このインタフェースを用いた装置の構成を示
すことである。
【0021】従来は多数の詳細度のモデルを用意しない
と、詳細度の切り替わり時に発生するちらつきを押さえ
られなかった。
【0022】本発明の3番目の目的は、多数の詳細度の
モデルを用意しなくても、3Dグラフィックス表示装置
上で必要な詳細度のモデルを生成可能となるインタフェ
ースと装置を提供することである。
【0023】次に、従来の技術の2つ目の問題で述べ
た、カラーに関する課題を挙げる。
【0024】従来は、3Dデータが色数制限を考慮して
いなかったため、インデックスカラーモードにおける輝
度計算において、色数が足りなくなる問題があった。こ
のため、3Dにおける輝度計算結果を正しく表示ができ
ず、カラーマップを固定したり、輝度の順にならべるな
どの工夫をして正しい表示に近づける必要があった。つ
まり、自由にカラーマップを決定できないという問題が
あった。
【0025】本発明の4番目の目的は、色数制限を考慮
していないような3Dデータを、自由なカラーマップを
持つインデックスカラーモードにおいても、なるべく正
しく表示できるようにするための方法及び装置を提供す
ることである。
【0026】従来は、3Dグラフィックス表示装置の表
示可能色数の能力を考慮したインタフェースが提供され
ていなかった。
【0027】本発明の5番目の目的は、表示可能色数を
問い合わせるためのインタフェースと、色数に合わせた
3Dデータに変換するための方法とその装置を提供する
ことである。
【0028】次に、従来の技術の3つ目の問題で述べ
た、隠面消去法に関する課題を挙げる。
【0029】従来は隠面消去法として特定の方法(例え
ばZバッファ法)を想定していたため、3Dデータの構
造が別の方法(例えばZソート法)ではうまく表示でき
ないといった問題があった。
【0030】本発明の6番目の目的は、3Dグラフィッ
クス表示装置の隠面消去法に適したモデルに作り替える
方法及び装置を提供することである。
【0031】従来は、3Dグラフィックス表示装置の利
用可能な隠面消去法の種類を考慮したインタフェースが
提供されていなかった。
【0032】本発明の7番目の目的は、利用可能な隠面
消去法を問い合わせるためのインタフェースと、隠面消
去法に合わせた3Dデータに変換するための方法とその
装置を提供することである。
【0033】次に、従来の技術で述べた、高速化の工夫
に関する課題を挙げる。
【0034】従来は、表示領域外にはみ出た四角形のク
リッピングを正確に交点計算を用いて行うと、ハードウ
ェアの持つ単純な四角形描画機能を用いた高速化ができ
なくなる問題があった。
【0035】本発明の8番目の目的は、四角形を分割す
ることにより、ハードウェアの持つ四角形描画機能を用
いて高速に、クリッピングされた四角形を描画する方法
と装置を提供することである。
【0036】従来は面の表裏判定に使用する面法線ベク
トルを、面毎に独立に保持するデータ構造になっていた
ため、面数に比例した回数の表裏判定が必要であった。
【0037】本発明の9番目の目的は、同一モデル内の
等しい法線ベクトルの面をまとめることにより、表裏判
定の回数を削減する方法を提供することである。
【0038】従来は、3Dグラフィックス表示装置の能
力を考慮した、表示モデルの選択,カラーテーブルの生
成,隠面消去法に適したモデルの変換などの仕組みが、
インタフェースとして提供されていなかった。
【0039】
【課題を解決するための手段】1番目と2番目の目的を
達成するために、モデル全体の詳細度設定と個々のモデ
ルに対する詳細度設定が可能なインタフェースを用意す
る。
【0040】3番目の目的を達成するために、ポリゴン
リダクションを前処理で行うときに、削除する頂点の順
序を保存しておき、その情報を持つことで、複雑な評価
なしに連続的に詳細度を落とすことが可能な3Dモデル
のデータ形式と、そのポリゴンリダクションアルゴリズ
ムを提案する。
【0041】4番目の目的を達成するために、設定され
ているカラーマップから輝度計算結果に対応する色変換
テーブルを生成する方法及び装置を提案する。そして、
5番目の目的を達成するために、この色変換テーブル生
成装置を有し、表示可能色数が少ない場合に色変換テー
ブルを用いた表示を行う装置を提案する。
【0042】6番目の目的を達成するために、Zソート
法で正しく隠面消去可能になるように面を分割する機能
を持つ装置を提案する。そして、7番目の目的を達成す
るために、この3Dデータを変換する装置を有し、隠面
消去法に応じて3Dデータを変換する装置を提案する。
【0043】8番目の目的を達成するために、ハードウ
ェアの持つクリッピング機能が使えるようになるまで面
を繰り返し分割し、描画する・しない・再分割の判定を
することで、正しくクリッピングする方法及び装置を提
案する。
【0044】9番目の目的を達成するために、同一モデ
ル内の面が比較的近距離にあることを利用し、同じ面法
線ベクトルを持つ面をグループ化する仕組みと、このグ
ループ化されたデータを用いて表裏判定回数を削減する
方法及び装置を提案する。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態である3Dグ
ラフィックスシステムを、図1から図24を用いて詳細
に説明する。
【0046】図1に、本発明を用いた3Dグラフィック
スシステムの構成例を示す。
【0047】このシステムの中心となる装置は、データ
処理,表示処理,データの入出力処理等の処理を行い、
各種データや命令を記憶する3Dグラフィックス表示装
置1である。VRML,3D地形情報のような3Dモデ
ルデータを、本システムの外部から入力し、さらに、本
システムの状態を外部に出力できる外部入出力機器2
と、ワークステーションまたはパソコンを用いた3Dグ
ラフィックス開発環境3と、キーボード14,マウス1
5などの、ユーザインタフェース機器4から、3Dグラ
フィックス表示装置1に対して、放送受信機用SCSI30,
再生装置用SCSI31,10BaseT32 ,モデムコントローラ3
3,シリアルI/O34のような外部とのインタフェー
スを介してデータを入力することができる。3Dグラフ
ィックス表示装置1は入力されたデータに基づいて、座
標計算,輝度計算,クリッピングなどの計算処理を行う
CPU50と、計算結果を用いて2次元図形を表示する
グラフィックスプロセッサ70でグラフィックスを生成
する。生成された画像は画像信号バス80を通り、表示
装置5によって表示される。
【0048】次に、表示すべき3Dモデルデータの流れ
を図1を用いて説明する。TV電波を用いて放送される
Webコンテンツ(例えばVRML)は、放送受信機1
0で受信され、放送受信機用SCSIケーブル20を介
して、放送受信機用SCSI30に入る。さらに、外部入出力
バス40,外部バスインタフェース52を通り、主記憶
53に保存される。DVD,CD再生装置11について
も同様である。WWWサーバ12,3Dグラフィックス
開発環境13から出力されるデータは、インターネット
回線22やLANを通して10BaseT32 ,モデムコントロ
ーラ33に入る。外部入出力バス40以降は放送受信機
10と同様である。ただし、インターネット回線22は
双方向アクセスが可能であることに注意する必要があ
る。
【0049】ユーザインタフェース機器4については、
キーボード14,マウス15などからの情報がシリアル
I/O34を通して割込コントローラ51,外部バスイ
ンタフェース52に入り、CPU50に対して割込を発
生させる。これによって、CPU50は主記憶53に置
かれている、ユーザの指示を解釈するためのプログラム
を実行する。
【0050】次に、3Dグラフィックス表示の核となる
CPU50とグラフィックスプロセッサ70の動作内容
について説明する。3Dグラフィックスシステムに必要
なソフトウェアは主記憶53に格納している。上記のユ
ーザインタフェース機器4の割込処理の他に、3Dモデ
ルからグラフィックスプロセッサ70用のディスプレイ
リスト(描画・表示命令列)を生成し、グラフィックス
メモリを管理する機能を持つ3Dグラフィックスミドル
ウェア,外部入出力機器2から送られる汎用の3Dモデ
ルデータをミドルウェアが解釈可能な形に変換するため
のフィルタ,外部入出力機器2、特にインターネット回
線22とつながっている機器との通信プログラムなどが
ある。これらのソフトウェアはシステムバス60を介し
てCPU50で実行される。
【0051】図2を用いて、グラフィックスプロセッサ
70の詳細を説明する。CPU50で生成されたディス
プレイリストはメモリインタフェース705を介して、
グラフィックスメモリ72内のディスプレイリストバッ
ファ721に保存される。ディスプレイリストはCPU
50からの要求を受けて、レンダリング装置706が解
釈し、生成された画像データはフレームバッファ722
に保存される。画像表示については、ディスプレイ装置
707がフレームバッファ722からデータを読み出し
CRT表示用I/O709を介して画像信号バス80に
出力する。
【0052】3Dグラフィックス表示するためのアルゴ
リズムの詳細は文献“コンピュータグラフィックス<技
術系CG標準テキストブック>”(監修:技術系CG標
準テキストブック編集委員会、発行:財団法人画像情報
教育振興協会)に詳しいが、ここでは図5を用いて簡単
に説明する。まず、詳細度の選択921では、詳細度テ
ーブル915を元に、従来のz方向の距離だけでなく、
システムの能力から決まる表示可能レートや、個々のモ
デルの重要度も考慮して詳細度のモデルを選択する。座
標変換922では選択されたモデルに対し、モデル座標
変換や視点座標変換を行う。輝度計算923では法線ベ
クトルと、光源やモデルの材質を用いて色の計算を行
う。クリッピング924で表示する領域内の図形を切り
出す。最後にグラフィックスプロセッサ70用のディス
プレイリスト生成925をする。
【0053】以下本発明の特徴を具現化するものであ
る、3Dグラフィックス表示装置1とその他の機器
(2,3,4)とのインタフェース上を流れるデータの
構造、そしてこれを解釈するアルゴリズムについて詳し
く説明する。
【0054】まず1つ目として、LODとポリゴンリダ
クションの例を説明する。
【0055】図3の3Dモデルの例912(Torus1)は
128面の三角形からなるドーナツ型の図形である。こ
のような3Dモデルは図3の左側の項目として挙げてい
る、頂点数901,頂点座標902,三角形数903,
三角形(を構成する頂点)904,色905,法線ベク
トル906,テクスチャID907,テクスチャ座標9
08からなるデータ構造90で記述可能である。本実施
例では発明の特徴を明確にするため、頂点と三角形につ
いてのみを詳しく説明する。また、一般に3Dモデルを
多角形で表すことも可能だが、多角形は三角形を複数組
み合わせれば構成可能なので、ここでは簡単のため多角
形により構成されるモデルについては記述を省く。
【0056】一例として、図3のデータ構造90に基づ
く、Torus1を中心座標(0,0,0)に置いたときの実際
の頂点座標902を図7,三角形を構成する頂点904
を図9に示す。
【0057】このTorus1に対して、図4のような、詳細
度を下げたモデル913であるTorus2を生成するポリゴ
ンリダクションのアルゴリズムは既に多くある。本発明
におけるポリゴンリダクションアルゴリズムに対する要
件は、(1)3Dモデルは三角形から構成される、
(2)詳細度を下げたモデルの頂点座標は、元のモデル
の頂点座標の部分集合になっている、が満たされていれ
ばよい。
【0058】詳細度の異なる3Dモデルから、図4に示
すような詳細度テーブル915と、モデルの代表点の座
標914を、3Dモデルデータと別に3Dグラフィック
ス表示装置1に渡す。詳細度テーブル915は最低限、
モデル名9151のようにモデルデータを選択するため
に必要となる情報と、三角形の面数で決定される詳細度
9153があればよい。ちなみに、三角形の面数ではな
く、頂点数などの他のパラメータを使うことも可能であ
る。モデルの代表点914は、図7,図9の例では
(0,0,0)とできる。この座標はユーザが指定して
もよいし、モデル作成時にたとえば重心計算によって自
動的に決定してもよい。モデルの代表点は3Dグラフィ
ックス表示装置1で決定してもよいが、処理が遅くなる
可能性がある。
【0059】次に、本発明の特徴的な部分である詳細度
の選択921について、図6を用いて、より詳しく説明
する。まず、座標変換9211で、モデルの代表点の座
標変換を行い、視点からの距離を表すz座標の値を得
る。次にz値から決まる詳細度係数の計算9212をす
る。これについては図12で表されるように、(1)z値
に対して詳細度係数を得る関数f(z)916を考え、こ
の係数を受け渡す、(2)あるz値に対応する詳細度のテ
ーブル917を受け渡す、という方法がある。これによ
って計算された係数を元に、詳細度は全体の詳細度×モ
デルの詳細度係数×z値から決まる詳細度係数によって
計算される9213。ここで全体の詳細度は、システム
の能力から決まる表示可能レートに対応する値である。
この値はシステム側が提供してもよいし、ユーザインタ
フェース機器4によりユーザの指定を促してもよい。詳
細度から三角形の面数が計算できる9214。この値を
元に、近い三角形の面数のモデルを詳細度テーブル91
5から選択する9215。
【0060】近い三角形の面数のモデルを選択するかわ
りに、本システム内で所望の面数のモデルを生成するこ
と、またはインターネット回線22を通してWWWサー
バ12や3Dグラフィックス開発環境13に対し所望の
面数のモデルの生成を依頼し、結果を受け取ることは可
能であるが、特に工夫がなければポリゴンリダクション
に非常に時間がかかるために、現実的ではない。そこ
で、図3の結合可能頂点910と頂点を含む三角形のリ
スト911を3Dモデルデータに付随することで、これ
を解決する。これらの情報は、ポリゴンリダクション時
に容易に生成可能である。結合可能頂点910は、頂点
を削除する際に、結合する頂点を履歴として残しておけ
ばよい。また、頂点を含む三角形のリスト911は図3
の三角形904の単なる逆変換テーブルであるので、こ
れも前処理段階であるポリゴンリダクション実行時に生
成する分には問題は無い。
【0061】以下、具体例を挙げて所望の面数のモデル
の生成アルゴリズムを説明する。まず、ポリゴンリダク
ションの結果として、図4のTorus2が得られたとする。
この頂点座標は前述の条件から、Torus1の頂点座標の部
分集合になっている。具体的には、図7の頂点番号0か
ら31までがTorus2の頂点座標に対応する。頂点座標の
順序は自動的に決まるものでは無いので、この例のよう
に頂点番号が低いほど、削除されない重要な点となるよ
うに並べ替える。図8は、結合可能頂点910と頂点を
含む三角形番号のリスト911の具体例である。頂点を
含む三角形番号のリスト911は、図8から生成でき
る。たとえば、頂点番号0を含む三角形番号は0,1,
15,112,126,127となっているが、図9に
おいてこれらの三角形番号に対応する頂点番号には、す
べて0が含まれている。
【0062】図8を元に、Torus1から頂点番号iを削除
したモデル(以下Torus1′と表現する)を生成するアル
ゴリズムは次のようになる。(1)図8から結合可能頂
点i′を得る、(2)頂点iを含む三角形番号のリスト
の要素すべてに対して、対応する三角形の頂点番号iを
i′に付け替える、(3)付け替えた三角形において、
頂点が重複するものを削除する。
【0063】例としてi=63を考える。(1)i′=
31、(2)三角形番号108,109,110,12
5,126,127に対し、頂点番号63となっている
ものを31に付け替える、(3)三角形番号108,1
09,125は頂点が重複しているので削除する。図1
0はi=63から32までアルゴリズムを実行したとき
にできるTorus2の(2)の段階の三角形頂点番号表であ
る。図11は(3)の段階、つまり三角形でないものを
削除したものである。
【0064】以上のポリゴンリダクションアルゴリズム
は3Dグラフィックス表示装置1上で実行してもよい
し、インターネット回線22を通してWWWサーバ12
や3Dグラフィックス開発環境13に任せてもよい。さ
らに、ある程度の詳細度のモデルまではWWWサーバ1
2や3Dグラフィックス開発環境13でこのアルゴリズ
ムを実行し、それ以下の詳細度のモデルについては3D
グラフィックス表示装置1でこのアルゴリズムを実行す
ることも可能である。
【0065】一般のポリゴンリダクションアルゴリズム
と異なり、削除する頂点が前処理で決まっているので、
比較的短時間での実行が可能となる。
【0066】このアルゴリズムを用いると、原理的には
最大詳細度モデルについて図3に示すデータを持ってい
れば、任意の面数のモデルを生成できる。しかし、頂点
数が非常に多いモデルから、頂点数の少ないモデルを生
成するのは非常に時間がかかるので、いくつかの詳細度
のモデルデータを用意することで、この問題は解決可能
である。ここで、頂点座標については各詳細度に共通の
情報とできることに注意する。この方法を発展させて、
データの送信順序を低い詳細度のモデルから送るように
することで、徐々に詳細なモデルを表示することが可能
となる。さらに、必要な詳細度が得られれば、その段階
でデータの受信を止めるといったフレキシブルな対応が
可能となり、システムの負荷や通信量の削減ができる。
【0067】次に、2つ目の例として、1ピクセルあた
りの表示色数が少ない場合によく用いられるインデック
スカラーモードにおいて、輝度計算結果を正しい表示に
近づけるための方法について、図19から図22を用い
て説明する。
【0068】インデックス1201と表示色(赤120
2,緑1203,青1204で表現)の対応表を、25
6色表示の場合を例にあげ、図19のように、8bit イ
ンデックスカラーテーブル1200と呼ぶことにする。
これはカラーマップと呼ばれるものとほぼ同じである
が、表示色のデータフォーマットを規定していない点で
異なる。ただし、このフォーマットを規定すればカラー
マップと同じものになる。カラーマップは、グラフィッ
クスプロセッサ70の中の内部レジスタで保存され、デ
ィスプレイ装置707で使用される。
【0069】事前にインデックス1201と輝度階調値
1211から色を計算して表にした、色変換テーブル1
210を作成することで、8bit インデックスカラーテ
ーブルの内容をユーザが自由に決められる。さらに、輝
度計算結果に対応するインデックス(以下、輝度インデ
ックスカラー1223と呼ぶ)が一度の表引きで求まる
ため、高速である。
【0070】図20を用いて、色変換テーブル作成12
30のアルゴリズムを説明する。入力として、輝度階調
の段階L1220と8bit インデックスカラーテーブル
R[256],G[256],B[256]1200が
必要である。以下動作を順に説明する。行(インデック
ス1201に対応)のカウンタiを0に初期化し123
1、列(輝度階調値1211に対応)のカウンタjを0
に初期化する1232。次に、インデックスiに対して、輝
度階調値jを元にRGBの値Rij,Gij,Bijを計算す
る1233。ここで同時に、後で使用するdcminとindex
を初期化している。(Rij,Gij,Bij)の最近似色を
検索する部分が1234,1235,1241,124
2,1243である。1243でkが256になると、
最近似色のインデックスがindexに得られるので、これ
をtable[i][j]に保存し、jに1を加える124
4。列について輝度階調の段階L1220の回数だけ1
233に戻り、インデックスiに対応する色変換テーブ
ル1210ができる。さらに、この操作を256回繰り
返す1246,1247。このようにして、色変換テー
ブル1210が得られる。
【0071】この色変換テーブル1210の3Dグラフ
ィックス表示装置における使用法を図21で説明する。
輝度計算923の結果得られる輝度階調l1221と、
輝度が0.5 のときに表示されるインデックスカラーを
表すベースインデックスカラー1222と、輝度階調の
段階L1220と、色変換テーブル1210を入力とす
る。まず、輝度階調1121と輝度階調の段階を乗算し
1251、これを整数化する1252。この値を0〜
(L−1)にクリップし1253、クリップした値を列、
ベースインデックスカラー1222を行として、色変換
テーブル1210を参照し、輝度インデックスカラー1
223を得る。
【0072】以上の方法により、ユーザが自由に設定し
たインデックスカラーテーブルを用いた高速輝度計算処
理が可能となる。ただし、この方法の問題点として、輝
度計算結果を単なる輝度値とみなすために、光源の色の
情報を正しく反映していない。
【0073】インデックスカラーモードにおいて、輝度
計算結果として色の情報をすべて利用し、本来表示され
るはずの画像に近づけるための方法として、システム使
用領域を使う輝度インデックスカラーの計算1270ア
ルゴリズムを図22を用いて説明する。
【0074】システム使用領域とは、ここではインデッ
クスカラーテーブルにおいて、ユーザが使用しない領域
と定義する。システム使用領域カラー数si1261を設定す
ると、ユーザは0〜(255−si)までのインデック
スカラーを利用できる。インデックスカラーテーブルに
対し、各カラーが使用中か否かのフラグを追加し、これ
によりシステム使用領域を管理する。
【0075】アルゴリズムを説明する。まず空いている
システム使用領域のインデックスを求める1271。空
きがある場合は、空いている場所に輝度計算結果(R,
G,B)を登録し、この場所を輝度インデックスカラー
として出力する。空きが無い場合は、システム使用領域
を圧縮するかしないかをユーザが予め決めておく必要が
ある。圧縮する場合は、近い色を検索して一つにまとめ
る操作をし、1271に戻る。圧縮しない場合はインデ
ックスカラーテーブルから近似色を検索し、これを出力
する1276。
【0076】次に、色変換テーブル1210を用いた装
置の例を説明する。WWWサーバ12や放送受信機10
からは色数の制限を考慮していない3Dグラフィックス
情報が送信されることが多い。これに対し、中間サーバ
が色変換テーブル作成1230のアルゴリズムを実行し、色
変換テーブルを3Dグラフィックス表示装置1に送信す
ることで、装置の表示可能色が少ないために、またはユ
ーザの要求でインデックスカラーモードを利用する場合
にも、高速な色変換が可能となる。もちろん、この色変
換テーブル1210はWWWサーバ12などが送信して
もよいが、装置の性能が多種多様なために、高性能な装
置においては余計な情報となる可能性がある。この意味
で、中間サーバを置くメリットがある。
【0077】3つ目の例として、隠面消去法に合わせた
モデルへの変換の例を説明する。図24の(a)2つの
面が互いに交差している例の場合、Zソート法による隠
面消去を行うと、(b)の図のような表示になってしま
う。クライアントの情報を予め知るか、サーバが問い合
わせることによって、(c)のように三角形ABCを四角
形ACHGと三角形GHBに分割することができる。分
割は、点Gは直線ABと面DEF、点Hは直線BCと面
DEFの交点を求めれば簡単に行える。
【0078】このような分割をWWWサーバ12,3D
グラフィックス開発環境3のように、3Dグラフィック
ス表示装置1と双方向通信可能な装置上で行うために
は、まず、サーバまたは開発環境が3Dグラフィックス
表示装置に利用可能な隠面消去法を問い合わせる。次
に、もしZソート法を利用するのであれば、Zソート法
では正しく表示されない部分を分割したモデルを生成
し、3Dグラフィックス表示装置に送信する。ここで、
分割アルゴリズムを実行する装置は、必ずしもサーバや
開発環境であるとは限らず、これらに接続され、双方向
通信可能な別の装置上で行われてもよい。
【0079】ハードウェア量の少ないシステムにおける
3D表示の高速表示に関する方法を以下で説明する。
【0080】1つ目の方法として、境界領域の正確な表
示のためのクリッピング924のアルゴリズムを図15
から図18を用いて説明する。
【0081】図15はグラフィックスプロセッサ70が
持つ四角形描画コマンドのフォーマット1100とその
動作1114を示したものである。16bit のコマンド
列をCPU50からグラフィックスプロセッサ70に与
えることで、四角形描画コマンドの動作1114に示す
ようなテクスチャ領域の矩形部分1115(左上のX座
標TXS1102,Y座標TYS1103,幅TDX1104,高さTDY1105)
から表示領域内の(DX1,DY1),(DX2,DY
2),(DX3,DY3),(DX4,DY4)(11
06〜1113で指定)を頂点とする四角形1116内
に、1101で指定する描画モードに応じてコピーされる。
3次元描画において主に用いられるのは、テクスチャ領
域の矩形部分1115の図形を表示領域内の四角形1116
の形に合わせて変形するモードである。
【0082】グラフィックスプロセッサ70は表示領域
外への描画のクリッピングを機能を持っている。しか
し、四角形描画コマンドのフォーマット1100の制約
から、図16に示すようなハードウェアリミット112
1が存在し、この中の座標でないと、正しく描画されな
い。ちなみに、この例の場合では、MaxX=102
3,MaxY=1023,MinX=−1024,Mi
nY=−1024となっている。図16において、四角
形A,Bはグラフィックスプロセッサ70がクリッピン
グを行うので、インタフェースを通して見れば、完全描
画を行うことに相当する。四角形C,Dは一般的な領域
判定アルゴリズム(「コンピュータによる図形処理工
学,山口富士夫著,日刊工業新聞社」p.141参照)
を用いて容易に描画する必要がないことがわかる。しか
し、四角形Eについては、図17の1131に示すように、
四角形描画コマンドのフォーマット1100では指定で
きない範囲にあるので、ハードウェアリミットx=Ma
xX以内に納まるように面を切る必要がある。このよう
に、クリッピングはハードウェアだけでは完全には達成
できない。
【0083】図17で、図16の四角形Eのクリッピン
グ手法を2つ挙げる。一般的にソフトウェアにおいて
は、(i)表示領域の境界でクリッピング1132する
手法が用いられる。この方法は表示領域と面との交点計
算が必要である。しかし、このような切り出しを行う
と、テクスチャに関しては四角形描画コマンドのフォー
マット1100に対応できなくなる。
【0084】解決方法としては、多角形のテクスチャ付
き多角形描画コマンドをグラフィックスプロセッサ70
に入れるか、(ii)面分割クリッピング1133をCPU
50で行うという方法があるが、前者の方法では、クリ
ッピング結果が複雑な形になればなるほど座標計算が複
雑になるため、CPU50での計算がやはり必要にな
る。一方、面分割クリッピング1133を行えば、テク
スチャ座標,幅,高さの情報(1102〜1105)の
計算も簡単であるので、テクスチャ付き四角形描画にお
いては十分実用的である。
【0085】1131に示している四角形Eを面分割ク
リッピングしたときの分割の過程を1133で示してい
る。この具体的なアルゴリズムとして、領域の右側(x
=MaxXの部分)についての面分割クリッピングのア
ルゴリズムを図18に示す。入力は、頂点座標1(x
1,y1)1141、頂点座標2(x2,y2)114
2、頂点座標3(x3,y3)1143、頂点座標4
(x4,y4)1144と、表示領域の境界座標(右
側)X1145,ハードウェアリミット(右側)MaxX
1146である。まず頂点の最小x値を求める116
2。この値xが表示領域内に納まっているかどうかを判
断し1163、納まっていないなら描画しない1168。納
まっている場合は、頂点の最大x値を求める1164。
この値がハードウェアリミットを超えているかどうかを
判断し1165、超えていなければ完全描画する116
7。超えていない場合は各辺の中点を求め、四角形を分
割し、このアルゴリズムを分割した四角形それぞれにつ
いて適用する1166。これによって、完全描画する四
角形の情報として、描画する複数の面の頂点座標115
1が得られる。
【0086】図15から図18で説明した面分割クリッ
ピングは、Z方向(奥行き方向)のクリッピングにも利
用できる。ハードウェアリミットのz座標をMinZ
(視点のある位置)、表示領域の境界z座標をnearZ
(視点ピラミッドにおけるヒーザ面のz座標。「コンピ
ュータによる図形処理工学,山口富士夫著,日刊工業新
聞社」p.171参照)とすれば、分割により視点より
前方にかならず頂点が入るような四角形に分割できる。
この方法だけz=nearZ面(クリッピング面)で正しく
クリッピングされない。そこで、クリッピング面との交
点を計算する。2つの交点を結ぶ線分が表示領域内に入
っているかどうかを、一般的なクリッピングアルゴリズ
ムで用いられる領域判定法(“コンピュータグラフィッ
クス<技術系CG標準テキストブック>”(監修:技術
系CG標準テキストブック編集委員会、発行:財団法人
画像情報教育振興協会)p.107参照)を用いて判定
する。領域外と判定されれば、クリッピングによる切断
線は表示領域外にあるので、ハードウェアによって自動
的にクリッピングされる。領域内の場合は交点から描画
領域を求め、マスクを設定する。グラフィックスプロセ
ッサ70はマスクを参照しながら分割四角形を描画する
ことで、z面で正しくクリッピングし、かつ正確なテク
スチャ付き四角形を描画できる。ちなみに、ここでいう
マスクの概念は2次元グラフィックスでは良く用いられ
る。例として、「X−Window Ver.11 プログラミング,
木下凌一著,日刊工業新聞社」のp.294のクリップ
マスクがある。
【0087】2つ目の方法として、座標変換922で行
われている、透視投影における面の表裏判定の高速化を
図13と図14を用いて説明する。
【0088】描画の高速化を達成するためには面の表裏
判定を行い、見えない裏面を描画しないという方法が一
般的に用いられている。本システムでは、図13のよう
に、表裏判定1012を投影変換前に行っている。図1
3のうち、ボディ座標系頂点座標1001,頂点座標の
モデリング変換1002,ワールド座標系頂点座標10
03,ボディ座標系法線ベクトル1008,法線ベクト
ルのモデリング変換1009,単位ベクトル化101
0,ワールド座標系法線ベクトル1011は3次元図形
処理についての一般的用語と同じ意味である(「コンピ
ュータによる図形処理工学,山口富士夫著,日刊工業新
聞社」p.211参照)。代表頂点の選択1006で
は、面の頂点の中から一つ座標を選択するか、または面
内の任意の点を選択し、頂点座標の代表点1007を出
力する。裏面の削除1004では判定結果1014にし
たがって、ワールド座標系頂点座標1003から裏面の
部分を削除し、これを表面のものモデルデータ1005
とする。
【0089】表裏判定のアルゴリズムを図14を用いて
説明する。投影方法の選択はユーザによって事前に行わ
れているとし、この選択結果を投影モード1013と表
現する。投影モードが正投影の場合は、面法線のz方向
の値の正負により表裏を判定できる10123。透視変
換においては、面の法線ベクトル(a,b,c,d)1
011と頂点座標の代表点(x,y,z,w)1007
とすると、(a,b,c)と(x,y,z)の内積計算
結果の符号だけで表裏判定できる。ここで、同次座標パ
ラメータd,wが省略できる理由は簡単な計算でわかる
ので省略する。以上から、一つの面に対して、掛け算3
回と足し算2回で表裏判定が可能となり、描画の必要の
ない面の投影変換以降の処理をせずにすむ。なお、正投
影でも透視投影でもない場合、判定結果を不明1012
7として、必要であれば投影変換後に再判定する。
【0090】まず、図13,図14で説明した面の表裏
判定の回数を削減する方法として、3Dモデル作成時に
同じ面法線を持つ面を見つけて、表裏判定1012をこ
れらの面に対して一度ですませる方法と、3Dモデル作
成時に逆方向の面法線を持つ面のペアを見つけて、一方
が表であれば一方は裏という判定をすることで、判定回
数を半分にする方法がある。3Dグラフィックス表示装
置1の外部でこのような3Dデータを作成し、装置内で
解釈することで表裏判定回数を減らすことが可能にな
る。
【0091】最後に、3Dグラフィックス表示装置1
と、外部入出力機器2や3Dグラフィックス開発装置3
との間に、ここまでに説明した機能を持つ装置を置いた
例として、図1と異なる実施形態である図23を説明す
る。
【0092】これは図1のシステム構成例にWWW中間
サーバ2001と放送受信中間サーバ2011(以下、
2つをまとめて中間サーバと呼ぶ)、そして、それぞれ
を3Dグラフィックス表示装置1とつなぐためのWWW
中間サーバ用接続回線2002と放送受信中間サーバ用接続
ケーブル2012(以下、この2つをまとめて接続線と
呼ぶ)が加わったシステムの構成をとる。このような中
間サーバを置く理由は2つある。
【0093】一つは、中間サーバを3Dグラフィックス
表示装置1の近距離に置くことで、接続線の帯域を大き
くとれるので、中間サーバと3Dグラフィックス表示装
置1間でのインタラクティブな情報通信が可能となるた
めである。もう一つは、WWWサーバ12のような外部デ
ータベースにおいては、必ずしも3Dグラフィックス表
示装置1の想定している個人情報機器レベルの装置だけ
にデータを送信するとは限らないため、一般的な3Dデ
ータから3Dグラフィックス表示装置1向けのデータを
生成するための中間的な装置を用意して、本発明で挙げ
た方法を実装し、表示性能を上げるためである。
【0094】初めの理由の具体例として、WWWサーバ
12から膨大な3DデータがWWW中間サーバ2001
に図3のデータ構造に当てはまる形式で送信されるとす
る。まず、WWW中間サーバ2001は3Dグラフィッ
クス表示装置1の状態を接続線を経由して問い合わせ
る。状態の情報としては、画面サイズ,表示可能色や、
描画性能などが考えられる。これらの情報を元にすれ
ば、WWW中間サーバ2001側で削除する頂点を検索する
必要がないので、図3のデータ構造に基づくモデルを高
速にリダクション可能である。WWW中間サーバ200
1で生成されたLODモデルは3Dグラフィックス表示装
置1に送られ、装置の能力に適合した3Dモデルの表示
が可能となる。
【0095】以上の実施例を纏めると、CPUで3D幾
何計算を行い、グラフィックスプロセッサで計算結果を
レンダリングすることを特徴とするグラフィックス表示
装置に対して、グラフィックス表示装置の性能や機能を
元にして、3Dモデルデータや色に関する情報を表示し
やすいように変換する方法と装置に関する項目を説明し
た。3D幾何計算はかならずしもCPUで行う必要はな
く、専用の幾何計算用プロセッサをグラフィックス表示
装置内に用意してもよい。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、ワークステーションや
上位のパーソナルコンピュータ向けに作成された3Dグ
ラフィックスデータに頂点削除順序のような情報を加
え、これを解釈する3Dグラフィックス表示装置によ
り、個人情報機器のようなハードウェア量の少ないシス
テムにおいても、十分な3D表示速度と品質が得られ
る。さらに、表示可能色の制限や隠面消去法の種類など
の3Dグラフィックス表示装置の能力を考慮したシステ
ム構成をとるための方法を用いることにより、汎用の3
Dデータにおいてもハードウェア量の少ないシステムで
十分な表示速度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である3Dグラフィックス
システムの構成例。
【図2】グラフィックスプロセッサの詳細。
【図3】3Dモデルのデータ構造と3Dモデルの例。
【図4】詳細度の異なる3Dモデルと、詳細度テーブ
ル。
【図5】3Dモデルの表示アルゴリズム。
【図6】詳細度の選択アルゴリズム。
【図7】Torus1の頂点座標の表。
【図8】Torus1の連続的なポリゴンリダクションに必要
な情報の表。
【図9】Torus1の三角形頂点番号の表。
【図10】Torus2の三角形頂点番号(1)の表。
【図11】Torus2の三角形頂点番号(2)の表。
【図12】z値に対応する詳細度係数の設定方法。
【図13】面の表裏判定に関わる機能ブロック図。
【図14】面の表裏判定アルゴリズム。
【図15】四角形描画コマンドのフォーマットと動作。
【図16】ハードウェアリミット(四角形描画可能な範
囲)による四角形描画の制限。
【図17】制限により描画できない四角形のクリッピン
グ手法。
【図18】領域の右側部分における、面分割クリッピン
グアルゴリズム。
【図19】インデックスカラーテーブルと色変換テーブ
ルのフォーマット。
【図20】色変換テーブル作成アルゴリズム。
【図21】色変換テーブルによる輝度インデックスカラ
ーの計算アルゴリズム。
【図22】システム使用領域を使う輝度インデックスカ
ラーの計算アルゴリズム。
【図23】中間サーバを用いたシステム構成例。
【図24】Zソート法に適した面の分割。
【符号の説明】
1…3Dグラフィックス表示装置、2…外部入出力機
器、3,13…3Dグラフィックス開発環境、4…ユー
ザインタフェース機器、5…表示装置(CRT)、10
…放送受信機、11…DVD,CD再生装置、12…W
WWサーバ、14…キーボード、15…マウス、20…
放送受信機用SCSIケーブル、21…再生装置用SC
SIケーブル、22…インターネット回線、23…キー
ボードケーブル、24…マウスケーブル、30…放送受
信機用SCSI、31…再生装置用SCSI、32…10
BaseT 、33…モデムコントローラ、34…シリアルI
/O、35…タイマ、40…外部入出力バス、50…C
PU、51…割込コントローラ、52…外部バスインタ
フェース、53…主記憶、60…システムバス、70…
グラフィックスプロセッサ、71…グラフィックスメモ
リバス、72…グラフィックスメモリ、80…画像信号
バス、701…システムバス用I/O、702…グラフ
ィックスプロセッサ内部バス、703…内部レジスタ、
704…内部レジスタ信号線、705…メモリインタフ
ェース、706…レンダリング装置、707…ディスプ
レイ装置、708…画像信号出力線、709…CRT表
示用I/O、721…ディスプレイリストバッファ、7
22…フレームバッファ、723…テクスチャバッファ、
1012…表裏判定、1100…四角形描画コマンドの
フォーマット(16bit )、1114…四角形描画コマ
ンドの動作、1132…表示領域の境界でクリッピン
グ、1133…面分割クリッピング、1161…面分割
クリッピング(右側)、1200…8bit インデックス
カラーテーブル、1210…色変換テーブル、1230
…色変換テーブル作成、1250…色変換テーブルによ
る輝度インデックスカラーの計算、1270…システム
使用領域を使う輝度インデックスカラーの計算、143
0…クライアント側がZソート法で隠面消去するという
情報を元に、サーバ側で面を分割、2001…WWW中
間サーバ、2011…放送受信中間サーバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 茂 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 下村 哲也 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 掛部 功 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中塚 康弘 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グラフィックスデータを作成する開発環境
    と実行する環境を独立に持ち、実行環境の能力や制約に
    応じ、最適な表示を行うためのデータ変換処理機構を開
    発環境に持つグラフィックスシステム。
  2. 【請求項2】グラフィックスデータを作成または送信す
    る開発環境と、実行する環境とを独立に持ち、実行環境
    の能力や制約に応じ、グラフィックスデータを開発環境
    または実行環境で動的に変換することを特徴とするグラ
    フィックスシステム。
  3. 【請求項3】グラフィックスデータを送信するサーバと
    実行する環境とを独立に持ち、実行環境の能力や制約に
    応じ、最適な表示を行うためのデータ変換処理機構をサ
    ーバに持つグラフィックスシステム。
  4. 【請求項4】グラフィックスデータを送信するサーバと
    実行する環境とを独立に持ち、実行環境の能力や制約に
    応じ、グラフィックスデータをサーバまたは実行環境で
    動的に変換することを特徴とするグラフィックスシステ
    ム。
  5. 【請求項5】グラフィックスデータを作成する開発環境
    と、番号と色を対応させるカラーマップを持つことを特
    徴とする実行環境を持ち、このカラーマップから色変換
    テーブルを開発環境または実行環境で作成することによ
    り、色の輝度階調計算を行うことを特徴とするグラフィ
    ックスシステム。
  6. 【請求項6】グラフィックスデータを送信するサーバ
    と、番号と色を対応させるカラーマップを持つことを特
    徴とする実行環境を持ち、このカラーマップから色変換
    テーブルをサーバまたは実行環境で作成することによ
    り、色の輝度階調計算を行うことを特徴とするグラフィ
    ックスシステム。
  7. 【請求項7】グラフィックスデータを作成する開発環境
    と、Zソート法で隠面消去をすることを特徴とする実行
    環境を持ち、Zソート法に適した3Dデータへの分割を
    開発環境または実行環境で行うことにより、正確な隠面
    消去を行うことを特徴とするグラフィックスシステム。
  8. 【請求項8】グラフィックスデータを送信するサーバ
    と、Zソート法で隠面消去をすることを特徴とする実行
    環境を持ち、Zソート法に適した3Dデータへの分割を
    サーバまたは実行環境で行うことにより、正確な隠面消
    去を行うことを特徴とするグラフィックスシステム。
  9. 【請求項9】2次元のクリッピング機能を持つグラフィ
    ックス表示装置において、描画する面を視線の奥行きの
    方向の平面によってクリッピングする際に、面を分割す
    ることによって正しく表示する方法。
  10. 【請求項10】グラフィックスデータを作成する開発環
    境と実行環境を持ち、開発環境で予め計算結果が同じま
    たは近くなるようなデータをまとめておき、実行環境で
    これを一度に計算することによって、正確または近似的
    な表示を可能とすることを特徴とするグラフィックスシ
    ステム。
  11. 【請求項11】グラフィックスデータを送信するサーバ
    と実行環境を持ち、サーバで予め計算結果が同じまたは
    近くなるようなデータをまとめておき、実行環境でこれ
    を一度に計算することによって、正確または近似的な表
    示を可能とすることを特徴とするグラフィックスシステ
    ム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005306286A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Kyosan Electric Mfg Co Ltd 列車運行状況の表示装置
JP2006146309A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Fujitsu Ltd 描画データ作成方法、描画データ作成装置及び描画データ作成プログラム
JP2022546045A (ja) * 2019-08-28 2022-11-02 ソウ・リアル・ディジタル・トゥインズ・アクチエンゲゼルシャフト 複数の部品を備える対象物の3次元ワイヤーフレームモデルを生成するコンピュータ実装の方法
WO2024257490A1 (ja) * 2023-06-15 2024-12-19 ソニーグループ株式会社 画像処理装置、画像処理方法、及び画像表示システム

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