JPH11203708A - 光記録・再生装置および光記録・再生方法 - Google Patents

光記録・再生装置および光記録・再生方法

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JPH11203708A
JPH11203708A JP10208764A JP20876498A JPH11203708A JP H11203708 A JPH11203708 A JP H11203708A JP 10208764 A JP10208764 A JP 10208764A JP 20876498 A JP20876498 A JP 20876498A JP H11203708 A JPH11203708 A JP H11203708A
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JP
Japan
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lens
light
recording medium
recording
evanescent wave
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JP10208764A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Hirono
方敏 廣野
Yoriyuki Ishibashi
頼幸 石橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学的分解能に優れた光記録・再生装置を提供
する。 【解決手段】光源2からの光を用いて記録媒体20に情
報の記録・再生を行う光記録・再生装置において、光源
2から記録媒体20までの光路上にエバネッセント波を
発生可能な半球レンズ14を設けるとともに、エバネッ
セント波の発生に寄与せずに半球レンズ14を通過する
光の少なくとも一部を遮断するためのアニュラーアパー
チャ5を設けた。ここでアニュラーアパーチャ5は、半
球レンズ14を通過するレーザ光の中心を遮断して中空
円環状のビームを整形するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エバネッセント波
を発生可能なレンズを用いて、光ディスクヘの信号記録
や信号再生を行う光記録・再生装置および光記録・再生
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、情報記録分野においては高密度記
録のための様々な技術革新が見られる。記録媒体という
限られた領域に高密度記録を行うためには、半導体レー
ザなどのレーザ光源から照射された光のスポットサイズ
をできるだけ小さくする必要がある。こういった要望を
満たすものとして、エバネッセント波を介して形成され
る極めて微小なスポットを用いて記録・再生を行う技術
が開発されている。
【0003】これは、エバネッセント波を発生可能なレ
ンズ(以下、「エバネッセント波発生用レンズ」と言
う)を用い、このエバネッセント波発生用レンズ内で光
が全反射することにより生成されるエバネッセント波を
利用するものである。なお、記録媒体に近接は位置され
たエバネッセント波発生用レンズは一般的にはSIL
(Solid Immersion Lens)と呼ばれている。エバネッセ
ント波発生用レンズによって生成されるエバネッセント
波は、微小な光スポットとして存在するため、光ディス
クなどの記録媒体に対する情報の記録密度を高めること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、エバネッセ
ント波を生成するためにエバネッセント波発生用レンズ
に光を入射させても、エバネッセント波の発生効率は必
ずしも十分なものではなかった。
【0005】図24は、エバネッセント波発生用レンズ
として半球レンズを使用した場合の概略構成を示す従来
例である。同図に示すように、対物レンズ101で集光
された光は、半球レンズ(エバネッセント波発生用レン
ズ)102の曲面に垂直に入射し、半球レンズ102内
で集光されて記録媒体103上の記録面にエバネッセン
ト波による光スポットを形成する。
【0006】また図25は、図24の概略構成におい
て、半球レンズ102と記録媒体103の屈折率を約
1.88に、半球レンズ102と記録媒体103との間
のギャップを入射光の波長の約0.3倍に、半球レンズ
102内での端光線の入射角度を約57.6°にそれぞ
れ設定した場合の、光スポットのノーマライズされた強
度分布を示したグラフである。ここでグラフの横軸は、
記録媒体103上の記録面内の半径方向の位置(q/
λ)を表している。
【0007】図25からも明らかなように、形成される
光スポットが記録媒体103上の記録面内の半径方向に
わたって複数のピークを有することが理解できる。グラ
フ中心部に発生する最大ピークに対して、その両脇に発
生するピークはサイドローブと呼ばれ、光学的な分解能
を低下させる要因となる。
【0008】このように、サイドローブの発生によって
装置の光学的分解能を容易に上げることができないとい
う問題があった。本発明は、このような点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、光学的分解能に優れた光
記録・再生装置および光記録・再生方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、光源からの光を用いて記録媒体に情報の
記録・再生を行う光記録・再生装置において、光源から
記録媒体までの光路上に設けられたエバネッセント波を
発生可能なレンズと、エバネッセント波の発生に寄与せ
ずに前記エバネッセント波を発生可能なレンズを通過す
る光の少なくとも一部を遮断する光遮断手段と、を有す
る装置としたことを特徴としている。
【0010】また、前記エバネッセント波を発生可能な
レンズの前段に、前記エバネッセント波を発生可能なレ
ンズに対して前記光源からの光を集光するための対物レ
ンズを設けることができる。
【0011】同様に、前記エバネッセント波を発生可能
なレンズの前段で、かつ前記対物レンズの後段に、メニ
スカスレンズを設けることができる。ここで、光遮断手
段は、前記エバネッセント波を発生可能なレンズに直接
設けることができる。
【0012】また、光遮断手段は、前記エバネッセント
波を発生可能なレンズと前記光源との間に設けることが
できる。また、光遮断手段は、前記対物レンズに直接設
けることができる。
【0013】また、光遮断手段は、前記対物レンズと前
記光源との間に設けることができる。また、光遮断手段
は、光の遮断面積を変化させる光遮断面積可変機能を備
える。これは例えば液晶シャッタを用いることができ
る。
【0014】さらに本発明では、光源からの光を用いて
記録媒体に情報の記録・再生を行う光記録・再生方法に
おいて、光源からの光の少なくとも一部を遮断するステ
ップと、遮断されなかった光をエバネッセント波を発生
可能なレンズ内で通過させるステップと、エバネッセン
ト波を発生可能なレンズ内を通過した光を記録媒体に照
射するステップと、を有する光記録・再生方法としたこ
とを特徴としている。
【0015】上述した本発明によれば、エバネッセント
波を発生可能なレンズに対して、エバネッセント波の発
生に寄与しない光が入射しないようにしたため、光学的
分解能に優れた光記録・再生装置および光記録・再生方
法が実現する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は、本発明の光記録・再生装置
の全体構成を示す図である。同図に示した光記録・再生
装置は、半導体レーザからなる光源2と、コリメータレ
ンズ4と、アニュラーアパーチャ(円環状に形成された
絞り)5と、コンデンサレンズ6と、ピンホール部8
と、コリメータレンズ10と、対物レンズ12と、半球
レンズ14とを備えている。ここで半球レンズ14はエ
バネッセント波発生用レンズ、すなわちSILに相当す
るものである。そして半球レンズ14から照射される光
が記録媒体20に照射される。これら一連の光学部品に
より、レーザ光の光路が形成されている。
【0017】光源2から発生された記録信号が重畳した
レーザ光は、コリメータレンズ4によって平行光に整形
され、アニュラーアパーチャ(光遮断手段)5を通過す
る。このアニュラーアパーチャ5は図2に示すように、
円環状の開口部5aを有している。そのため、このアニ
ュラーアパーチャ5を通過したレーザ光は中空円環状と
なってコンデンサレンズ6に入射する。なお、アニュラ
ーアパーチャ5の開口部5aと対物レンズ12とは、そ
の光学的な中心軸が一致するように設定されている。
【0018】コンデンサレンズ6を通過したレーザ光は
ピンホール部8を通過した後コリメータレンズ10に入
射し、このコリメータレンズ10によって平行とされ
る。この平行光が対物レンズ12を介して半球レンズ1
4に入射すると、半球レンズ14の底面に微小なビーム
スポットが形成される。そして、このビームスポット
は、エバネッセント波を介してエアギャップを伝播し、
記録媒体20の表面を透過し記録層に対して情報が記録
される。
【0019】ここで半球レンズ14は、記録媒体20の
回転に伴う流体軸受作用(air bearing )により発生す
る圧力を利用し、記録媒体20との間に所定間隔の隙間
を介して対向できるように構成されている。なお、半球
レンズ14と記録媒体とが接触する状態であってもよ
い。
【0020】なお、図1においてθmは、半球レンズ1
4内でのレーザ光の最大入射角度を、θcは半球レンズ
14における臨界角を示している。また、ピンホール部
8は、コンデンサレンズ6およびコリメートレンズ10
のそれぞれの焦点距離f1,f2だけ離間した位置に配
置される。したがって、コンデンサレンズ6とコリメー
タレンズ10とはf1+f2だけ離れた位置関係とな
る。
【0021】そして、エバネッセント波発生用レンズ1
4と記録媒体20との距離は、使用されるレーザ光の波
長の例えば1/3以下となるように近接して置かれる。
例えば、光源2として半導体青色レーザ(波長約400
nm)を使用する場合には、半球レンズ14と記録媒体
20との距離は120nm以下に設定されることが好ま
しい。
【0022】このように構成された本実施の形態の光記
録・再生装置において、アニュラーアパーチャ5によっ
て形成される中空円環状の光の環のサイズを△rとし、
対物レンズ12に入射される中空円環状の光の環のサイ
ズを△r´とすると(図1参照)、以下の関係式が成り
立つ。
【0023】
【数1】
【0024】そしてこの実施形態では、エバネッセント
波発生用レンズ14に対してほぼ臨界角θc以上の入射
角度のものだけが入射するように、アニュラーアパーチ
ャ5のサイズ△rを設定してある。これにより、対物レ
ンズ12からエバネッセント波発生用レンズ14に入射
する、エバネッセント波を発生させない光のほとんどを
遮断することが可能となる。もちろん本発明では、レー
ザ光の光軸付近の光を遮断するべく中空円環状の絞りを
設けさえすれば、必要な効果を得ることができる。
【0025】半球レンズ14の臨界角θc以上の入射角
度のレーザ光だけを通過させるように構成とすると、以
下のような結果が得られる。すなわち、図25に示した
ものと同様に、半球レンズ14と記録媒体20の屈折率
を約1.88に、半球レンズ14と記録媒体20との間
のギャップを波長の約0.3倍に、半球レンズ14内で
の端光線の入射角度を約57.6°にそれぞれ設定す
る。光路中にアニュラーアパーチャ5を設け、光スポッ
トのノーマライズされた強度分布を計測すると、図3の
ような波形になる。図3における横軸は、記録媒体10
3上の記録面内の半径方向の位置(q/λ)を表してい
る。
【0026】ここで、図3と図25とを比較する。図2
5では、中心部に発生する最大ピークに対して、その両
脇にはサイドローブと呼ばれるピークが存在する。これ
に対して、アニュラーアパーチャ5を設けた図3では、
最大ピークの両側に発生するサイドローブの高さが大幅
に減少していることが理解できる。
【0027】通常、光学系を設計するにあたっては、レ
ンズの光軸付近に入射する光を遮断して、レンズの周辺
部分のみ光の通過を許容する手法はよく知られている。
これは一般に「輪帯照明(apodization )」と呼ばれて
いる。この手法を用いると、最大ピークの半値幅を狭め
られるものの、逆にサイドローブが増大してしまうこと
が知られている。
【0028】これに対して本発明の手法は、上記輪帯照
明(apodization )とは現象自体が全く異なっている。
つまり、本発明ではアニュラーアパーチャ5などの絞り
を用いることにより、臨界角θcより小さな入射角度の
レーザ光を遮断することができるため、サイドローブを
減少させることが可能となるのである。したがって、装
置の光学的分解能が大幅に向上するのである。こういっ
た効果は、半球レンズに限らず、その他の一般的なエバ
ネッセント波発生用レンズを用いた場合にも得られる。
【0029】さらに詳しく説明する。エバネッセント波
発生用レンズで臨界角θc以上の入射角度で集光された
光、すなわち光軸に対して離間した位置に照射される中
空円環状の光を「外部光」と名づける。また、光軸付近
の光を「内部光」と名づける。
【0030】図4は、外部光が内部光よりも多く記録媒
体側に透過する場合のスポットの強度分布特性を示すグ
ラフ、図5は外部光と内部光とが同じ量だけ記録媒体側
に透過する場合のスポットの強度分特性を示すグラフ、
図6は内部光が外部光よりも多く記録媒体側に透過する
場合のスポットの強度分布特性を示すグラフである。
【0031】記録媒体側に形成される最終的な光スポッ
ト(内部光+外部光)の強度分布形状が、内部光から受
ける影響を極力少なくするためには、図4に示すよう
に、内部光の透過率をできるだけ小さくすると同時に、
外部光の透過率をでけるだけ大きくする必要がある。こ
の場合の透過率を左右する要因としては、対物レンズの
NA、エバネッセント波発生用レンズのレンズ形状と屈
折率、エバネッセント波発生用レンズと記録媒体間の距
離、および記録媒体の表面膜の屈折率(表面膜が存在し
ない場合には記録媒体自体の屈折率)が挙げられる。
【0032】もちろん本発明では、レーザ光の光軸付近
の光を遮断するべく中空円環状の絞りを設けるだけで、
臨界角との関係に関係なく、装置の光学的分解能を向上
させることができる。
【0033】このように本発明では、エバネッセント波
の発生に寄与することのない光が半球レンズ14(エバ
ネッセント波発生用レンズ)に入射しないようにしたた
め、従来に比べて、装置の光学的分解能を向上させるこ
とが容易になる。
【0034】また、本発明は装置の光路内にアニュラー
アパーチャ5、すなわち絞りを設けるだけの構造で実現
できる。そのため光学系の大掛かりな設計変更は必要な
く、コスト面でも不利になることがない。
【0035】図7は、本発明の光記録・再生装置の第2
の実施形態に係る全体構成を示す図であり、図8は、同
実施形態に係る光記録・再生装置の一部を構成する光学
系の概略構成図、図9は対物レンズの平面図である。な
お、以下の各実施形態においては図1に示したものと同
一構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略す
る。
【0036】この実施例形態では、対物レンズ12Aの
表面もしくは対物レンズ12Aの内部に、対物レンズ1
2Aの光軸と同軸の関係に、同心円状の絞り13が設け
られている(図7参照)。
【0037】ここで、絞り13としては、光を透過させ
ずに遮光する部材であれば各種のものを用いることがで
きる。例えば、対物レンズ12Aに黒色などの光吸収率
の高い色からなる材料を塗布あるいは蒸着することによ
って絞り13を形成する方法などである。
【0038】このように対物レンズ12Aに直接的に絞
り13を設けることによっても、光源から照射された光
が遮断される。そのため、対物レンズ12Aに到達した
光のうち、絞り13の外側の部分に到達した光のみが対
物レンズ12A内を通過して半球レンズ14に入射する
ことができる。
【0039】なお、絞り13は、半球レンズ14に臨界
角θc以上の光のみが入射するような口径となるように
形成されることが好ましい。しかし、少なくともレーザ
光を中空円環状に整形することができれば本発明の効果
を期待することができる。
【0040】図10は、本発明の光記録・再生装置の第
3の実施形態に係る光学系の概略構成図である。本実施
形態における装置の全体構成はほぼ図1と同じであるた
め、図示は省略してある。
【0041】この実施形態では対物レンズ12の前段、
すなわち、半導体レーザ等からなる光源と対物レンズ1
2との間に、光学部品としての絞り部材11を設けたこ
とを特徴としている。
【0042】ここで絞り部材11は、図1に示したアニ
ュラーアパーチャ5と同様に、対物レンズ12に入射す
る光のうち光軸付近の光を遮断するように構成されてい
る。具体的には液晶シャッターであり、絞り制御部11
Aからの制御信号によりシャッターのON/OFFある
いはシャッタ面積を制御することが可能である。
【0043】この実施形態においても、対物レンズ12
に入射する光の一部を遮断することで、エバネッセント
波の発生に寄与しない光が半球レンズ14に入射するの
が防止される。これにより、先の実施形態と同様に、光
スポットの強度分布にサイドローブがほとんど存在しな
くなり、装置の光学的分解能を容易に向上させることが
できる。
【0044】なお、第3の実施形態における絞り部材1
1は、半球レンズや対物レンズなどのレンズ類に対して
直接的に絞りを形成したもの(例えば第2 の実施形態)
とは異なり、必要に応じて絞り部材11を光路から取り
外すことも可能である。
【0045】また、図10に示すように液晶シャッタを
用いた場合には、絞り制御部11Aからの電気信号に応
じてシャッタ面積を変化させることも可能である。した
がって、絞り部材11による絞り量を自由に変化させる
ことができる。これは、装置の大量生産を行う場合にお
いて発生しやすい、個々の光学部品の特性のバラつきを
比較的容易に補正することができる。また、記録媒体の
種類等に応じて絞り量を微調整することも可能となる。
【0046】なお、絞り部材11を対物レンズ12の前
段に設ける代わりに、対物レンズ12の後段に設けるこ
とも可能である。図11は、本発明の光記録・再生装置
の第4の実施形態に係る光学系の概略構成図である。
【0047】この実施形態では、半球レンズの表面もし
くは半球レンズの内部に、半球レンズの光軸と同軸の関
係に、同心円状の絞りが設けられている。なお、ここで
の絞り13は、半球レンズ14Aに臨界角θc以上の光
のみが入射するような口径となるように形成されてい
る。もちろん、少なくともレーザ光を中空円環状に整形
することができれば、本発明の効果を期待することがで
きる。
【0048】本実施形態においても、エバネッセント波
の発生に寄与することのない光が半球レンズ14Aを透
過しないようにできるため、従来に比べて、装置の光学
的分解能を向上させることが容易になる。
【0049】図12は、本発明の光記録・再生装置の第
5の実施形態に係る光学系の概略構成図である。この実
施形態では、エバネッセント波発生用レンズすなわちS
ILとして、より球体に近い形状のレンズ15(以下、
単に「球体レンズ」と言う)を用いている。球体レンズ
15の球面の曲率半径をr、屈折率をnとした場合、球
体レンズ15の中心肉厚は約r(1+1/n)である。
球体レンズ15の球面の中心から約nr下の光軸上の点
に向けられたレーザ光は、球面で屈折し、球体レンズ1
5の底面の中心に集光する。
【0050】球体レンズ15の球面で屈折したレーザ光
は、入射角度が上がる。したがって、NAのより小さい
対物レンズを使用して光学系を設計することも可能とな
る。例えば振動などによって対物レンズがその光軸方向
に変位し、記録媒体20との相対位置が変化したとして
も、対物レンズのNAが小さければ光学的な悪影響を少
なく抑えることができる。
【0051】図13は、本発明の光記録・再生装置の第
6の実施形態に係る光学系の概略構成図である。この実
施形態では、エバネッセント発生用レンズと対物レンズ
とが一体になった非球面レンズ16を用いている。そし
て非球面レンズ16には、レンズの表面もしくは内部
に、臨界角θc以上の入射角度のレーザ光だけを通過さ
せるように絞り13が形成されている。
【0052】このような絞り13を設けることにより、
エバネッセント波の発生に寄与しない光が非球面レンズ
16を透過するのが防止される。これにより、先の実施
形態と同様に、光スポットの強度分布にサイドローブが
ほとんど存在しなくなり、装置の光学的分解能を容易に
向上させることができる。
【0053】また、先に説明した各実施形態と比較して
光学素子の個数を減らすことができるため、光学系の構
成が簡略化するとともに製作コストを低減できる。上記
したそれぞれの実施の形態は、絞り等を設けることによ
ってエバネッセント波発生用レンズに入射する光の強度
分布を調整するものであった。これに対して、記録媒体
の記録層の表面膜(膜のない場合は記録媒体自体)の光
学的な屈折率を最適化することによっても、レーザ光の
スポットのサイズを小さくすることが可能となる。以
下、このことについて説明する。
【0054】図14は、本発明の光記録・再生装置の第
7の実施形態に係る光学系の概略構成図であり、図15
乃至図17は記録媒体の表面膜の屈折率とエアギャップ
の透過率との関係を示すグラフである。この実施の形態
にて用いられる装置の全体構成は、基本的には図1や図
7に示したものと同じである。
【0055】図14においては、球体レンズ15内での
入射角度が臨界角θc以下となるレーザ光31の記録媒
体20への透過率(内部透過率)をI1、球体レンズ1
5内での入射角度が臨界角θc以上となるレーザ光35
の記録媒体20への透過率(外部透過率)をI2とす
る。内部透過率I1と外部透過率I2とはおおよそ以下
の式で表される。
【0056】
【数2】 ここで
【0057】
【数3】 である。なおここでn0は球体レンズ15の屈折率、n
2は記録媒体20の表面膜(膜のない場合は記録媒体自
体)の屈折率、θcは球体レンズ15におけるレーザ光
の臨界角、θmは球体レンズ14内でのレーザ光の最大
入射角度、dは球体レンズ14の底面と記録媒体20表
面との距離、λ1はレーザの空気内での波長を表してい
る。
【0058】今、n0を1.83(よってθcは約3
3.1°)、θmを約66.2°、dを150nm、λ
1を830nmとする。すると、屈折率n2に対する透
過率I1の関係、屈折率n2に対する透過率I2の関
係、屈折率n2に対するI2/I1の関係は、それぞれ
図15,図16,図17のように表現される。
【0059】この場合、屈折率n2は、外部透過率I2
が最大となるときの屈折率(約1.8)よりも大きく
(図16参照)、外部透過率I2と内部透過率I1との
比I2/I1が最大となるときの屈折率(約2.17)
よりも小さければ(図17参照)、記録媒体20の表面
に形成されるスポットを小さくすることが可能となる。
【0060】図18は、本発明の光記録・再生装置の第
8の実施形態に係る光学系の概略構成図であり、図19
乃至図21は記録媒体の表面膜の屈折率とエアギャップ
の透過率との関係を示すグラフである。この実施の形態
にて用いられる装置の全体構成は、基本的には図1や図
7に示したものと同じである。
【0061】この実施形態では、エバネッセント波発生
用レンズとして球体レンズの代わりに半球レンズ14を
用いている点が異なる。図18においても、半球レンズ
14内での入射角度が臨界角θc以下となるレーザ光3
1の記録媒体20への透過率(内部透過率)をI1、半
球レンズ16内での入射角度が臨界角θc以上となるレ
ーザ光35の記録媒体20への透過率(外部透過率)を
I2とする。内部透過率I1と外部透過率I2とはおお
よそ以下の式で表される。
【0062】
【数4】 ここで
【0063】
【数5】 である。なおここでn0は半球レンズ14の屈折率、n
2は記録媒体20の表面膜(膜のない場合は記録媒体自
体)の屈折率、θcは半球レンズ14におけるレーザ光
の臨界角、θmは半球レンズ14内でのレーザ光の最大
入射角度、dは半球レンズ16の底面と記録媒体20表
面との距離、λ1はレーザの空気内での波長を表してい
る。
【0064】今、n0を1.83(よってθcは約3
3.1°)、θmを約66.2°、dを150nm、λ
1を830nmとする。すると、屈折率n2に対する透
過率I1の関係、屈折率n2に対する透過率I2の関
係、屈折率n2に対するI2/I1の関係は、それぞれ
図19,図20,図21のように表現される。
【0065】この場合、屈折率n2は、外部透過率I2
が最大となるときの屈折率(約1.93)よりも大きく
(図20参照)、外部透過率I2と内部透過率I1との
比I2/I1が最大となるときの屈折率(=∞)よりも
小さければ(図21参照)、すなわち1.93以上であ
れば、記録媒体20の表面に形成されるスポットを小さ
くすることが可能となる。
【0066】図22は、本発明の光記録・再生装置の第
9の実施形態に係る光学系の概略構成図である。同図に
示す装置は、2個の対物レンズ12と記録媒体20の間
にプリズム18を設け、プリズム18の底面に発生する
エバネッセント波を利用したものである。すなわち、2
個の対物レンズ12とプリズム18とを結合することに
より、エバネッセント波発生用レンズの機能を持たせて
いる。一方の対物レンズは平行光を集光してプリズムの
底面に焦点を合わせる役割を持ち、他方の対物レンズは
プリズムの底面もしくは記録媒体で反射した光を平行光
にする役割を持つ。
【0067】この実施形態の場合には、図示のように、
入射したレーザ光30の全て、もしくはほとんとが、臨
界角θc以上の入射角度で集光されることになる。した
がって、プリズム18の底面が記録媒体20の表面の近
接場(おおよそ光の波長の1/3以下)に位置し、記録
媒体20の表面膜(膜のない場合は記録媒体自体)の屈
折率が通常の値(おおよそ1.5から2.5)であれ
ば、プリズム18に対して臨界角θc以上の入射角度で
入射するレーザ光35の記録媒体20への透過率I2
と、プリズム10に対して臨界角θc以下の入射角度で
入射するレーザ光31の記録媒体20への透過率I1と
の比(I2/I1)は、記録媒体20の表面膜(膜のな
い場合は記録媒体自体)の屈折率にかかわらず大きな値
となる。もちろん、絞りなどの構成要素は不要である。
【0068】よって、記録媒体20に形成される光スポ
ットの微細化に応じて屈折率を適当に設定すれば、エバ
ネッセント波を介して記録媒体に照射されるレーザ光3
5の透過率を大きな値にすることができる。
【0069】図23は、本発明の光記録・再生装置の第
10の実施形態に係る光学系の概略構成図である。同図
に示す装置は、対物レンズ12と球体レンズ15との間
にメニスカスレンズ19を設け、対物レンズ12とメニ
スカスレンズ19とによってレーザ光を集光させ、球体
レンズ15によってエバネッセント光を発生する構成と
なっている。メニスカスレンズ19の表面もしくはメニ
スカスレンズ19の内部には、メニスカスレンズ19の
光軸付近のレーザ光を遮断するための絞り13が設けら
れている。
【0070】ここで対物レンズ12,球体レンズ15お
よびメニスカスレンズ19は、光学収差をできるだけ少
なくするために、アプラナティック(aplanatic )な条
件を満たすように配置されている。
【0071】ここで、対物レンズ12を通過した直後の
レーザ光の端光線の入射角度をθ1、メニスカスレンズ
19を通過した直後のレーザ光の端光線の入射角度をθ
2、球体レンズ15内でのレーザ光の端光線の入射角度
をθ3、メニスカスレンズ19の屈折率をn1、球体レ
ンズ15の屈折率をn2とすると、次の式が成り立つ。
【0072】
【数6】
【0073】上式より明らかなように、メニスカスレン
ズ19を介して球体レンズ15に入射する光のNAは、
メニスカスレンズ19を配置しない場合の開口数NA´
(=sinθ1)のn1倍になる。本実施形態の場合に
は、図23に示すように、メニスカスレンズ19と球体
レンズ15との距離は、保持部材21により一定に保た
れている。そのため、球体レンズ15内でのレーザ光の
端光線の入射角度を変えることなく対物レンズ2のNA
を小さくしたことと同等となる。
【0074】対物レンズ12のNAが低いほど、対物レ
ンズ12の焦点深度が深くなる。そのため、対物レンズ
12と球体レンズ15との距離の変化に対して、球体レ
ンズ15底面での光のスポット径は変化しにくくなる。
すなわち、メニスカスレンズ19を設けると、対物レン
ズ12の位置ずれが記録・再生の分解能に及ぼす影響が
少なくなる。
【0075】なお、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施できることは言うまでもない。例え
ば、本発明の絞り4としては、光を透過させずに遮光す
る部材であれば各種のものを用いることができる。これ
は、先に説明したように、対物レンズ1aに黒色などの
光吸収率の高い色からなる材料を塗布あるいは蒸着する
ことによって絞り4を形成する方法などである。また、
レンズの表面を梨地状に処理することにより光を乱反射
させ、これによって絞りの機能を持たせることももちろ
ん可能である。
【0076】また、本発明は光記録・再生装置としてC
D−ROMなどの光ディスクの原盤を製作するための原
盤記録装置も含むものである。この場合、記録媒体とし
てはフォトレジストが使用される。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
学的分解能に優れた光記録・再生装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録・再生装置の第1 の実施形態に
係る全体構成を示す図。
【図2】第1 の実施形態におけるアニュラーアパーチャ
の平面図。
【図3】本発明における光スポットのノーマライズされ
た強度分布を示すグラフ。
【図4】外部光が内部光よりも多く記録媒体側に透過す
る場合のスポットの強度分布特性を示すグラフ。
【図5】外部光と内部光とが同じ量だけ記録媒体側に透
過する場合のスポットの強度分特性を示すグラフ。
【図6】外部光が内部光よりも多く記録媒体側に透過す
る場合のスポットの強度分布特性を示すグラフ。
【図7】本発明の光記録・再生装置の第2の実施形態に
係る全体構成を示す図。
【図8】同実施形態に係る光記録・再生装置の一部を構
成する光学系の概略構成図。
【図9】第2の実施形態における対物レンズの平面図。
【図10】本発明の光記録・再生装置の第3の実施形態
に係る光学系の概略構成図。
【図11】本発明の光記録・再生装置の第4の実施形態
に係る光学系の概略構成図。
【図12】本発明の光記録・再生装置の第5の実施形態
に係る光学系の概略構成図。
【図13】本発明の光記録・再生装置の第6の実施形態
に係る光学系の概略構成図。
【図14】本発明の光記録・再生装置の第7の実施形態
に係る光学系の概略構成図。
【図15】記録媒体の表面膜の屈折率とエアギャップの
内部透過率との関係を示すグラフ。
【図16】記録媒体の表面膜の屈折率とエアギャップの
外部透過率との関係を示すグラフ。
【図17】記録媒体の表面膜の屈折率とエアギャップの
外部透過率/内部透過率との関係を示すグラフ。
【図18】本発明の光記録・再生装置の第8の実施形態
に係る光学系の概略構成図。
【図19】記録媒体の表面膜の屈折率とエアギャップの
内部透過率との関係を示すグラフ。
【図20】記録媒体の表面膜の屈折率とエアギャップの
外部透過率との関係を示すグラフ。
【図21】記録媒体の表面膜の屈折率とエアギャップの
外部透過率/内部透過率との関係を示すグラフ。
【図22】本発明の光記録・再生装置の第9の実施形態
に係る光学系の概略構成図。
【図23】本発明の光記録・再生装置の第10の実施形
態に係る光学系の概略構成図。
【図24】エバネッセント波発生用レンズとして半球レ
ンズを使用した場合の概略構成を示す従来例。
【図25】従来における光スポットのノーマライズされ
た強度分布を示すグラフ。
【符号の説明】
2 光源 5 アニュラーアパーチャ(光遮断手段) 11 絞り部材(光遮断手段) 12,12A 対物レンズ 13 絞り(光遮断手段) 14,14A 半球レンズ(エバネッセント波発生用レ
ンズ) 15 球体レンズ(エバネッセント波発生用レンズ) 16 非球面レンズ(エバネッセント波発生用レンズ) 19 メニスカスレンズ 20 記録媒体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光を用いて記録媒体に情報の記
    録・再生を行う光記録・再生装置において、 光源から記録媒体までの光路上に設けられたエバネッセ
    ント波を発生可能なレンズと、 エバネッセント波の発生に寄与せずに前記エバネッセン
    ト波を発生可能なレンズを通過する光の少なくとも一部
    を遮断する光遮断手段と、 を有することを特徴とする光記録・再生装置。
  2. 【請求項2】前記エバネッセント波を発生可能なレンズ
    の前段に、前記エバネッセント波を発生可能なレンズに
    対して前記光源からの光を集光するための対物レンズを
    設けたことを特徴とする請求項1記載の光記録・再生装
    置。
  3. 【請求項3】前記エバネッセント波を発生可能なレンズ
    の前段で、かつ前記対物レンズの後段に、メニスカスレ
    ンズを設けたことを特徴とする請求項1記載の光記録・
    再生装置。
  4. 【請求項4】前記光遮断手段は、前記エバネッセント波
    を発生可能なレンズに直接設けてなることを特徴とする
    請求項1記載の光記録・再生装置。
  5. 【請求項5】前記光遮断手段は、前記エバネッセント波
    を発生可能なレンズと前記光源との間に設けてなること
    を特徴とする請求項1記載の光記録・再生装置。
  6. 【請求項6】前記光遮断手段は、前記対物レンズに直接
    設けてなることを特徴とする請求項1記載の光記録・再
    生装置。
  7. 【請求項7】前記光遮断手段は、前記対物レンズと前記
    光源との間に設けてなることを特徴とする請求項1記載
    の光記録・再生装置。
  8. 【請求項8】前記光遮断手段は、光の遮断面積を変化さ
    せる光遮断面積可変機能を備えてなることを特徴とする
    請求項1記載の光記録・再生装置。
  9. 【請求項9】前記光遮断手段は液晶シャッタであること
    を特徴とする請求項8記載の光記録・再生装置。
  10. 【請求項10】光源からの光を用いて記録媒体に情報の
    記録・再生を行う光記録・再生方法において、 光源からの光の少なくとも一部を遮断するステップと、 遮断されなかった光をエバネッセント波を発生可能なレ
    ンズ内で通過させるステップと、 エバネッセント波を発生可能なレンズ内を通過した光を
    記録媒体に照射するステップと、を有することを特徴と
    する光記録・再生方法
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