JPH11204013A - 静電型可動接点素子及び論理演算装置 - Google Patents

静電型可動接点素子及び論理演算装置

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JPH11204013A
JPH11204013A JP843698A JP843698A JPH11204013A JP H11204013 A JPH11204013 A JP H11204013A JP 843698 A JP843698 A JP 843698A JP 843698 A JP843698 A JP 843698A JP H11204013 A JPH11204013 A JP H11204013A
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Akihiko Hirata
明彦 枚田
Katsuyuki Machida
克之 町田
Masahiko Maeda
正彦 前田
Oku Kuraki
憶 久良木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの静電型可動接点素子で複数入力の論理
演算を実現する。 【解決手段】 支持梁7には、可動部駆動用電極2a,
2bと対向するように可動吸引電極5が設けられ、固定
コンタクト電極3a,3bと対向するように可動コンタ
クト電極6が設けられている。電極2a,2bの面積を
S1、S2とし、支持梁7の駆動に必要な可動部駆動用
電極の面積をSVとしたとき、S1,S2<SV<S1
+S2となるように電極2a,2bの面積を設定する。
可動部駆動用電極2a,2bの両方に所定の電圧を印加
した場合、電極2a,2bと電極5との間の静電引力に
よって支持梁7がたわんで、電極3a,3bと電極6と
が接触する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つの素子で論理
演算を実現する静電型可動接点素子、及び静電型可動接
点素子を用いた論理演算装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ICプロセス技術を活用すること
により、半導体基板上に微細な梁構造を作製すること
で、半導体センサやアクチュエーターなど、可動部を有
する微小機械素子を作製した例が多数報告されている。
この手法により形成された微小機械素子は、基本的には
LSI製造と同じ技術により形成されるため、微小機械
素子の駆動回路、あるいは検出回路との集積が容易であ
ること、大量生産が可能であるため、製造コストが安価
なこと、及び微細構造を容易に形成できること等の利点
を有する。
【0003】特に、論理回路を実現するための主要部品
であるスイッチをマイクロマシン技術により形成する研
究は精力的に進められてきた。この中で、静電引力を利
用して接点の開閉を行う静電型可動接点素子は、製作プ
ロセスが従来のSiプロセスと整合性が良いこと等から
有望な技術と考えられる(参考文献:”Dynamic Microm
echanics on Silicon:Technique and Devices”IEEE Tr
ans.Electron Devices,ED-25,No 10,(1978)1241.)。
【0004】図8(a)は従来の静電型可動接点素子の
断面図である。この静電型可動接点素子では、絶縁性基
体21の上に可動部駆動用電極22及び固定コンタクト
電極23a,23bが設けられている。また、絶縁性基
体21の上に接続部33が設けられ、接続部33の上に
支持梁27が設けられている。一方が接続部33を介し
て基体21に固定された支持梁27の固定されていない
方の下面には、微小空隙24を隔てて可動部駆動用電極
22と対向するように可動吸引電極25が設けられると
共に、微小空隙24を隔てて固定コンタクト電極23
a,23bと対向するように可動コンタクト電極26が
設けられている。可動部駆動用電極22は、入力端子2
9に接続されている。固定コンタクト電極23aは、出
力端子30に接続されると共に抵抗31を介して接地さ
れ、固定コンタクト電極23bは、直流電源32に接続
されている。また、接続部33は接地されている。
【0005】可動コンタクト電極26と支持梁27との
間には絶縁膜28が形成されているため、可動コンタク
ト電極26は、支持梁27とは絶縁されている。また、
可動吸引電極25は支持梁27の下面に直接形成されて
いるので、可動吸引電極25と支持梁27は導通してお
り、これにより可動吸引電極25は接地されている。可
動部駆動用電極22−可動吸引電極25間に電圧を印加
すると、静電引力が発生して両電極が引き合う。この結
果、図8(b)に示すように、支持梁27がたわみ、可
動コンタクト電極26と固定コンタクト電極23a,2
3bが接触することにより接点が閉じる。電圧印加を停
止すると、支持梁27の弾性力で可動コンタクト電極2
6が元の位置に戻ることにより、接点が開放する。
【0006】図9にこの静電型可動接点素子を使用した
NAND及びNORの論理回路を示す。図9(a)の論
理回路はNAND論理を実現する論理回路であり、図9
(b)の論理回路はNOR論理を実現する論理回路であ
る。同図において、41a及び41bが静電型可動接点
素子、42a及び42bが入力端子、43が出力端子、
44が抵抗、45が直流電源である。図9に示すよう
に、図8の静電型可動接点素子を使用してNANDやN
OR等の論理回路を組むためには、通常のスイッチと同
様、2個のスイッチが必要である。さらに、3個以上の
入力信号に対する論理を実現するためには、入力信号の
数に相当するスイッチの数が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】静電型可動接点素子に
は、MOSFETで形成したスイッチと比較した場合、
低抵抗であるという利点がある。しかし、占有面積は数
千μm2 以上とかなり大きい。このため、一つの論理回
路を実現するために複数の静電型可動接点素子を使用す
ると、論理回路の占有する面積が大きくなる。この結
果、静電型可動接点素子を使用した論理回路では、微細
化及び高集積化が困難であるという問題点があった。本
発明は、上記課題を解決するためになされたもので、1
つの素子でNANDやNOR等の論理演算を実現する静
電型可動接点素子及び論理演算装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載のように、基体に設けられた可動部駆動用電極と、基
体に設けられた固定接点となる固定コンタクト電極と、
基体に一部が固定された支持梁と、可動部駆動用電極と
対向するように支持梁に設けられた可動吸引電極と、固
定コンタクト電極と対向するように支持梁に設けられた
可動接点となる可動コンタクト電極とを備え、可動部駆
動用電極と可動吸引電極間の静電引力により支持梁を動
かして固定コンタクト電極と可動コンタクト電極とから
なる接点を開閉する静電型可動接点素子であって、上記
可動部駆動用電極が、基体上に複数設けられたものであ
り、各電極が同一の面積を有するものである。このよう
に、可動吸引電極間を引き寄せるための可動部駆動用電
極を複数に分割し、その各々の可動部駆動用電極に独立
に電圧を印加できるようにした。この構造では、電圧が
印加される可動部駆動用電極の数が異なれば、静電引力
の働く電極の面積も異なる。この結果、電圧が印加され
る可動部駆動用電極の数により接点の開閉が制御可能に
なり、複数入力の論理演算が実現できる。また、請求項
2に記載のように、上記可動部駆動用電極が、基体上に
複数設けられたものであり、各電極が異なる面積を有す
るものである。
【0009】また、請求項3に記載のように、上記静電
型可動接点素子は、2つの上記可動部駆動用電極を有
し、この第1、第2の可動部駆動用電極の面積をS1、
S2とし、可動部駆動用電極への所定の印加電圧に対し
て上記支持梁の駆動に必要な可動部駆動用電極の面積を
SVとしたとき、S1,S2<SV<S1+S2となる
ように可動部駆動用電極の面積が設定されたものであ
り、第1、第2の可動部駆動用電極の両方に上記所定の
電圧を印加した場合にのみ上記接点の状態が変わるよう
にしたものである。また、請求項4に記載のように、上
記静電型可動接点素子は、2つの上記可動部駆動用電極
を有し、この第1、第2の可動部駆動用電極の面積をS
1、S2とし、可動部駆動用電極への所定の印加電圧に
対して上記支持梁の駆動に必要な可動部駆動用電極の面
積をSVとしたとき、SV<S1,S2となるように可
動部駆動用電極の面積が設定されたものであり、第1、
第2の可動部駆動用電極の少なくとも一方に上記所定の
電圧を印加した場合に上記接点の状態が変わるようにし
たものである。また、請求項5に記載のように、上記静
電型可動接点素子は、可動部駆動用電極への所定の印加
電圧に対して上記支持梁の駆動に必要な可動部駆動用電
極の面積をSVとしたとき、上記所定の電圧が印加され
た可動部駆動用電極の面積の合計が面積SVを超えた場
合のみ上記接点の状態が変わるように、各可動部駆動用
電極の面積及び個数が設定されたものである。
【0010】また、請求項6に記載のように、請求項5
記載の静電型可動接点素子のうち各可動部駆動用電極の
面積が同一である静電型可動接点素子を備えた複数入力
の論理演算装置において、入力信号が与えられた可動部
駆動用電極の数に応じて演算結果が出力されることを特
徴とするものである。また、請求項7に記載のように、
請求項5記載の静電型可動接点素子のうち各可動部駆動
用電極の面積が異なる静電型可動接点素子を備えた複数
入力の論理演算装置において、可動部駆動用電極に与え
られる各入力信号に対して各可動部駆動用電極の面積に
比例する重み関数をかけた演算結果が出力されることを
特徴とするものである。また、請求項8に記載のよう
に、AND,OR,NAND,NOR等の論理演算を1
つの静電型可動接点素子で実現するものである。また、
請求項9に記載のように、多数決論理の演算を1つの静
電型可動接点素子で実現するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]次に、本発
明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明す
る。図1は、本発明の第1の実施の形態となる、AND
論理を実現する静電型可動接点素子の断面図である。本
実施の形態の静電型可動接点素子では、絶縁性基体1の
上に可動部駆動用電極2a,2b及び固定コンタクト電
極3a,3bが設けられている。また、絶縁性基体1の
上に接続部13が設けられ、接続部13の上に支持梁7
が設けられている。
【0012】このように、一方が接続部13を介して基
体1に固定された支持梁7の固定されていない他方の下
面には、微小空隙4を隔てて可動部駆動用電極2a,2
bと対向するように可動吸引電極5が設けられると共
に、微小空隙4を隔てて固定コンタクト電極3a,3b
と対向するように可動コンタクト電極6が設けられてい
る。
【0013】可動部駆動用電極2a,2bは、入力端子
9a,9bにそれぞれ接続されている。固定コンタクト
電極3aは、出力端子10に接続されると共に抵抗11
を介して接地され、固定コンタクト電極3bは、出力電
圧が5Vの直流電源12に接続されている。また、接続
部13は接地されている。
【0014】なお、可動コンタクト電極6と支持梁7と
の間には絶縁膜8が形成されているため、可動コンタク
ト電極6は、支持梁7とは絶縁されている。また、可動
吸引電極5は支持梁7の下面に直接形成されているの
で、可動吸引電極5と支持梁7は導通しており、これに
より可動吸引電極5は、支持梁7、接続部13を介して
接地されている。
【0015】本実施の形態では、可動吸引電極5、可動
部駆動用電極2a,2b、支持梁7及び接続部13をア
ルミニウムにより形成し、固定コンタクト電極3a,3
b及び可動コンタクト電極6を金により形成した。各電
極の膜厚は、0.5μmである。
【0016】そして、可動コンタクト電極6の面積を6
μm×14μm、固定コンタクト電極3a,3bの面積
を4μm×5μm、可動吸引電極5の面積を7μm×1
0μm、可動部駆動用電極2a,2bの面積を各々3μ
m×10μmとした。以下、可動部駆動用電極2a,2
bの面積をそれぞれS1,S2とする。また、支持梁7
の幅を10μm、長さを15μm、厚さを0.5μmと
した。
【0017】なお、静電引力の発生時に可動吸引電極5
と可動部駆動用電極2a,2bとが接触すると、静電引
力が消失してしまうので、静電引力が働いていないとき
の微小空隙4の厚さ方向(図1上下方向)の大きさは、
固定コンタクト電極3a,3bと可動コンタクト電極6
間よりも可動部駆動用電極2a,2bと可動吸引電極5
間の方が大きくなるように設定されている。
【0018】これにより、静電引力が生じて固定コンタ
クト電極3a,3bと可動コンタクト電極6とが接触し
ても、可動部駆動用電極2a,2bと可動吸引電極5は
接触しないようになっている。本実施の形態では、微小
空隙4の厚さ方向の大きさを、可動部駆動用電極2a,
2bと可動吸引電極5間において0.4μmとしてい
る。
【0019】図2に、可動部駆動用電極の面積と可動部
を駆動するために必要な直流電圧との関係を示す。図2
から明らかなように、可動部駆動用電極に15Vの直流
電圧を印加する場合、支持梁7をたわませるのに必要な
静電引力を得るための可動部駆動用電極の面積の合計S
Vは40μm2 以上である。
【0020】したがって、入力端子9a,9bの両方に
信号として直流電圧15Vを入力すると、可動部駆動用
電極2a,2bのうち電圧が印加される可動部駆動用電
極の総面積SRはS1+S2、すなわち60μm2 とな
り、SV<SRとなるので、支持梁7をたわませるのに
十分な静電引力が可動部駆動用電極2a,2bと可動吸
引電極5との間に生じる。
【0021】この静電引力により可動吸引電極5が可動
部駆動用電極2a,2bの方に引き寄せられて支持梁7
がたわみ、可動コンタクト電極6と固定コンタクト電極
3a,3bとが接触する。この結果、固定コンタクト電
極3aと3bは、可動コンタクト電極6を介して接続さ
れるので、直流電源12からの電圧5Vが出力端子10
に供給される。こうして、出力端子10に出力される電
圧は5Vとなる。
【0022】一方、入力端子9a,9bの何れか一方の
みに直流電圧15Vを入力した場合、あるいは入力端子
9a,9bのどちらにも電圧を入力しない場合には、可
動部駆動用電極2a,2bのうち電圧が印加される可動
部駆動用電極の総面積SRは0あるいは30μm2 とな
り、SR<SVとなるので、支持梁7をたわませるのに
必要な静電引力が得られない。したがって、固定コンタ
クト電極3a−3b間は導通しないので、出力端子10
に出力される電圧は0Vとなる。
【0023】以上のように、本実施の形態の静電型可動
接点素子は、入力端子9a,9bの両方に「1」を表す
「H」レベルの信号(本実施の形態では15V)が入力
されると、「1」を表す「H」レベル(5V)を出力
し、入力端子9a,9bの少なくとも一方に「0」を表
す「L」レベルの信号(電圧を供給しないため0V)が
入力されると、「0」を表す「L」レベル(0V)を出
力する。こうして、1つの静電型可動接点素子により、
AND論理を実現することができる。
【0024】なお、本実施の形態では、可動吸引電極5
の面積を7μm×10μm、可動部駆動用電極2a,2
bの面積を各々3μm×10μmとした。しかし、S
1,S2<SV<S1+S2が成り立つように面積S
1,S2,SVを設定すれば、他の大きさでも構わない
ことは言うまでもない。
【0025】また、本実施の形態では、可動吸引電極5
及び可動部駆動用電極2a,2bをアルミニウムにより
形成したが、導電体であれば他の材料であっても構わな
い。同様に、固定コンタクト電極3a,3b及び可動コ
ンタクト電極6を金により形成したが、両者が接触した
際に導通が生じる導電体であれば他の材料を用いても構
わない。
【0026】また、支持梁7及び接続部13をアルミニ
ウムにより形成したが、導電体あるいは絶縁体でも構わ
ない。ただし、支持梁7あるいは接続部13に絶縁体を
用いた場合は、可動吸引電極5に電圧を印加できるよう
に配線を引き出す構造にする必要がある。
【0027】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態を示す。図3は、本発明の第2の実施の形
態となる、NAND論理を実現する静電型可動接点素子
の断面図である。本実施の形態の静電型可動接点素子で
は、固定コンタクト電極3bは、出力端子10に接続さ
れると共に抵抗11を介して直流電源12に接続され、
固定コンタクト電極3aは、接地されている。その他の
構成は図1と同様である。
【0028】以上の構成で、入力端子9a,9bの両方
に信号として直流電圧15Vを入力すると、第1の実施
の形態と同様に、静電引力により可動吸引電極5が可動
部駆動用電極2a,2bの方に引き寄せられて支持梁7
がたわみ、可動コンタクト電極6と固定コンタクト電極
3a,3bとが接触する。この結果、固定コンタクト電
極3aと3bは、可動コンタクト電極6を介して接続さ
れるので、出力端子10は固定コンタクト電極3b、可
動コンタクト電極6、固定コンタクト電極3aを介して
接地される。したがって、出力端子10に出力される電
圧は0Vとなる。
【0029】一方、入力端子9a,9bの何れか一方の
みに直流電圧15Vを入力した場合、あるいは入力端子
9a,9bのどちらにも電圧を入力しない場合には、支
持梁7をたわませるのに必要な静電引力が得られないた
め、固定コンタクト電極3a−3b間は導通しない。こ
の結果、抵抗11を介して直流電源12からの電圧5V
が出力端子10に供給される。こうして、出力端子10
に出力される電圧は5Vとなる。
【0030】以上のように、本実施の形態の静電型可動
接点素子は、入力端子9a,9bの両方に「1」を表す
「H」レベルの信号が入力されると、「0」を表す
「L」レベルを出力し、入力端子9a,9bの少なくと
も一方に「0」を表す「L」レベルの信号が入力される
と、「1」を表す「H」レベルを出力する。こうして、
1つの静電型可動接点素子により、NAND論理を実現
することができる。
【0031】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態を示す。図4は、本発明の第3の実施の形
態となる、OR論理を実現する静電型可動接点素子の断
面図である。本実施の形態の静電型可動接点素子では、
絶縁性基体1の上に可動部駆動用電極2c,2dを設
け、この可動部駆動用電極2c,2dを入力端子9a,
9bにそれぞれ接続しているが、可動部駆動用電極2
c,2dの面積を各々5μm×10μmとしている。
【0032】また、支持梁7の固定されていない方の下
面には、微小空隙4を隔てて可動部駆動用電極2c,2
dと対向するように可動吸引電極5aが設けられている
が、この可動吸引電極5aの面積を11μm×10μm
としている。その他の構成は図1と同様である。本実施
の形態においても、可動部駆動用電極に15Vの直流電
圧を印加する場合、支持梁7をたわませるのに必要な静
電引力を得るための可動部駆動用電極の面積の合計SV
は40μm2 以上である。
【0033】以上の構成で、入力端子9a,9bの少な
くとも一方に信号として直流電圧15Vを入力すると、
可動部駆動用電極2c,2dのうち電圧が印加される可
動部駆動用電極の総面積SRは50あるいは100μm
2 となり、SV<SRとなるので、支持梁7をたわませ
るのに十分な静電引力が可動部駆動用電極2c,2dと
可動吸引電極5aとの間に生じる。
【0034】この静電引力により可動吸引電極5aが可
動部駆動用電極2c,2dの方に引き寄せられて支持梁
7がたわみ、可動コンタクト電極6と固定コンタクト電
極3a,3bとが接触する。この結果、固定コンタクト
電極3aと3bは、可動コンタクト電極6を介して接続
されるので、直流電源12からの電圧5Vが出力端子1
0に供給される。こうして、出力端子10に出力される
電圧は5Vとなる。
【0035】一方、入力端子9a,9bのどちらにも電
圧を入力しない場合には、電圧が印加される可動部駆動
用電極の総面積SRは0となり、SR<SVとなるの
で、支持梁7をたわませるのに必要な静電引力が得られ
ない。したがって、固定コンタクト電極3a−3b間は
導通しないので、出力端子10に出力される電圧は0V
となる。
【0036】以上のように、本実施の形態の静電型可動
接点素子は、入力端子9a,9bの少なくとも一方に
「1」を表す「H」レベルの信号が入力されると、
「1」を表す「H」レベルを出力し、入力端子9a,9
bの両方に「0」を表す「L」レベルの信号が入力され
ると、「0」を表す「L」レベルを出力する。こうし
て、1つの静電型可動接点素子により、OR論理を実現
することができる。
【0037】なお、本実施の形態では、可動吸引電極5
aの面積を11μm×10μm、可動部駆動用電極2
c,2dの面積を各々5μm×10μmとした。しか
し、可動部駆動用電極2c,2dの面積をそれぞれS
3,S4としたとき、SV<S3,S4が成り立つよう
にS3,S4,SVを設定すれば、他の大きさでも構わ
ないことは言うまでもない。
【0038】[第4の実施の形態]次に、本発明の第4
の実施の形態を示す。図5は、本発明の第4の実施の形
態となる、NOR論理を実現する静電型可動接点素子の
断面図である。本実施の形態の静電型可動接点素子で
は、固定コンタクト電極3bは、出力端子10に接続さ
れると共に抵抗11を介して直流電源12に接続され、
固定コンタクト電極3aは、接地されている。その他の
構成は図4と同様である。
【0039】以上の構成で、入力端子9a,9bの少な
くとも一方に信号として直流電圧15Vを入力すると、
第3の実施の形態と同様に、静電引力により可動吸引電
極5aが可動部駆動用電極2c,2dの方に引き寄せら
れて支持梁7がたわみ、可動コンタクト電極6と固定コ
ンタクト電極3a,3bとが接触する。この結果、固定
コンタクト電極3aと3bは、可動コンタクト電極6を
介して接続されるので、出力端子10は固定コンタクト
電極3b、可動コンタクト電極6、固定コンタクト電極
3aを介して接地される。したがって、出力端子10に
出力される電圧は0Vとなる。
【0040】一方、入力端子9a,9bのどちらにも電
圧を入力しない場合には、支持梁7をたわませるのに必
要な静電引力が得られないため、固定コンタクト電極3
a−3b間は導通しない。この結果、抵抗11を介して
直流電源12からの電圧5Vが出力端子10に供給され
る。こうして、出力端子10に出力される電圧は5Vと
なる。
【0041】以上のように、本実施の形態の静電型可動
接点素子は、入力端子9a,9bの少なくとも一方に
「1」を表す「H」レベルの信号が入力されると、
「0」を表す「L」レベルを出力し、入力端子9a,9
bの両方に「0」を表す「L」レベルの信号が入力され
ると、「1」を表す「H」レベルを出力する。こうし
て、1つの静電型可動接点素子により、NOR論理を実
現することができる。
【0042】[第5の実施の形態]次に、本発明の第5
の実施の形態を示す。図6は、本発明の第5の実施の形
態となる、3値入力のAND論理を実現する静電型可動
接点素子の断面図である。本実施の形態の静電型可動接
点素子では、絶縁性基体1の上に可動部駆動用電極2
e,2f,2gを設け、この可動部駆動用電極2e,2
f,2gを入力端子9a,9b,9cにそれぞれ接続し
ており、可動部駆動用電極2e,2f,2gの面積S
5,S6,S7を各々15μm2 としている。その他の
構成は図1と同様である。
【0043】以上の構成で、入力端子9a,9b,9c
の全てに信号として直流電圧15Vを入力すると、電圧
が印加される可動部駆動用電極の総面積SRはS5+S
6+S7、すなわち45μm2 となり、SV<SRとな
るので、支持梁7をたわませるのに十分な静電引力が可
動部駆動用電極2e,2f,2gと可動吸引電極5との
間に生じる。
【0044】この静電引力により支持梁7がたわみ、可
動コンタクト電極6と固定コンタクト電極3a,3bと
が接触する。この結果、固定コンタクト電極3aと3b
は、可動コンタクト電極6を介して接続されるので、直
流電源12からの電圧5Vが出力端子10に供給され
る。こうして、出力端子10に出力される電圧は5Vと
なる。
【0045】一方、入力端子9a,9b,9cの少なく
とも1つに電圧を入力しない場合には、SR<SVとな
るので、支持梁7をたわませるのに必要な静電引力が得
られない。したがって、固定コンタクト電極3a−3b
間は導通しないので、出力端子10に出力される電圧は
0Vとなる。
【0046】以上のように、本実施の形態の静電型可動
接点素子は、入力端子9a,9b,9cの全てに「1」
を表す「H」レベルの信号が入力されると、「1」を表
す「H」レベルを出力し、入力端子9a,9b,9cの
少なくとも1つに「0」を表す「L」レベルの信号が入
力されると、「0」を表す「L」レベルを出力する。こ
うして、1つの静電型可動接点素子により、3値入力の
AND論理を実現することができる。
【0047】なお、本実施の形態では、3値入力のAN
D論理を実現する例を示した。しかし、可動部駆動用電
極2e,2f,2gの面積S5,S6,S7を各々50
μm2 とすると、3値入力のOR論理を実現できること
は言うまでもない。また、目的とするSRとSVの関係
を選択することにより、3値以上の入力に対しての論理
演算も可能である。
【0048】[第6の実施の形態]次に、本発明の第6
の実施の形態を示す。図7は、本発明の第6の実施の形
態となる、NAND論理を実現する静電型可動接点素子
の断面図である。本実施の形態の静電型可動接点素子で
は、絶縁性基体1の上に導電体からなる接続部14a,
14bが設けられ、接続部14a,14bの上に導電体
からなるコンタクト電極支持部15a,15bがそれぞ
れ設けられている。このコンタクト電極支持部15a,
15bによって固定コンタクト電極3a,3bが支えら
れている。
【0049】また、一方が接続部13を介して基体1に
固定された支持梁7の固定されていない他方の上面には
絶縁膜8aが形成され、絶縁膜8aの上に可動コンタク
ト電極6aが形成されている。接続部14aは出力端子
10に接続されると共に抵抗11を介して接地され、接
続部14bは直流電源12に接続されている。
【0050】したがって、固定コンタクト電極3aは、
コンタクト電極支持部15a、接続部14aを介して出
力端子10及び抵抗11に接続され、固定コンタクト電
極3bは、コンタクト電極支持部15b、接続部14b
を介して直流電源12に接続される。本実施の形態で
は、第1〜第5の実施の形態がNO(Normally Open )
の接点を提供するのに対し、NC(Normally Close)の
接点を提供する。つまり、可動コンタクト電極6は、通
常、固定コンタクト電極3a,3bと接触している。
【0051】以上の構成で、入力端子9a,9bの両方
に信号として直流電圧15Vを入力すると、第1の実施
の形態と同様に、静電引力により可動吸引電極5が可動
部駆動用電極2a,2bの方に引き寄せられて支持梁7
がたわむ。この結果、可動コンタクト電極6と固定コン
タクト電極3a,3bとが離れるので、出力端子10は
抵抗11を介して接地される。したがって、出力端子1
0に出力される電圧は0Vとなる。
【0052】一方、入力端子9a,9bの何れか一方の
みに直流電圧15Vを入力した場合、あるいは入力端子
9a,9bのどちらにも電圧を入力しない場合には、支
持梁7をたわませるのに必要な静電引力が得られないた
め、可動コンタクト電極6と固定コンタクト電極3a,
3bとは接触したままである。この結果、固定コンタク
ト電極3aと3bは、可動コンタクト電極6を介して接
続されるので、直流電源12からの電圧5Vが出力端子
10に供給される。こうして、出力端子10に出力され
る電圧は5Vとなる。
【0053】以上のように、本実施の形態の静電型可動
接点素子は、入力端子9a,9bの両方に「1」を表す
「H」レベルの信号が入力されると、「0」を表す
「L」レベルを出力し、入力端子9a,9bの少なくと
も一方に「0」を表す「L」レベルの信号が入力される
と、「1」を表す「H」レベルを出力する。こうして、
1つの静電型可動接点素子により、NAND論理を実現
することができる。
【0054】なお、以上の実施の形態では、ANDやO
R等の基本論理演算を実現してきたが、本発明の静電型
可動接点素子を使用すれば、多数決論理などその他の論
理演算を実現できることは言うまでもない。また、各可
動部駆動用電極を全て同じ面積としたが、各可動部駆動
用電極の面積を変えることにより各入力信号に重み関数
をかけた入力に対する論理演算を行う論理演算装置を実
現することが可能であることは言うまでもない。
【0055】ところで、上述の実施の形態では、断面図
で説明する都合上、各電極や支持梁等を横一列に並べた
が、これらは2次元平面上で考えればより自由な配置が
可能であることは言うまでもない。また、以上の実施の
形態では、支持梁7の片側だけを基体1に固定している
が、両側を固定した梁構造でも良いことは言うまでもな
い。そして、支持梁7の本数も一方向に一本とは限ら
ず、複数本の梁を用いるようにしても良い。
【0056】また、上述の全ての実施の形態では、可動
部を駆動するための所定の電圧を15Vとしたが、電圧
を印加する電極の数によって接点の開閉を制御できる電
圧、あるいはスイッチの構造であれば、他の電圧でも良
い。また、対向する電極間に電圧を印加して可動部を有
する電極を引き寄せることにより、接点の開閉を行う形
態の静電型可動接点素子であれば、他の構造であっても
構わないことは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、1つの静電型可動接点
素子によりNANDやNOR等の複数入力の論理演算を
実現することができる。その結果、本発明によれば以下
の効果が得られる。 (1)1つの静電型可動接点素子によりNANDやNO
R等の複数入力の論理演算が実現可能なため、基板上で
の素子の占有面積を縮小できる。 (2)入力端子を3つ以上にすることが可能なため、A
・B・CやA+B+C等、3つ以上の入力に対するNA
NDやNOR等の論理演算を1つの静電型可動接点素子
で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態となる、AND論
理を実現する静電型可動接点素子の断面図である。
【図2】 可動部駆動用電極の面積と可動部を駆動する
ために必要な直流電圧との関係を示す図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態となる、NAND
論理を実現する静電型可動接点素子の断面図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態となる、OR論理
を実現する静電型可動接点素子の断面図である。
【図5】 本発明の第4の実施の形態となる、NOR論
理を実現する静電型可動接点素子の断面図である。
【図6】 本発明の第5の実施の形態となる、3値入力
のAND論理を実現する静電型可動接点素子の断面図で
ある。
【図7】 本発明の第6の実施の形態となる、NAND
論理を実現する静電型可動接点素子の断面図である。
【図8】 従来の静電型可動接点素子の断面図である。
【図9】 図8の静電型可動接点素子を使用したNAN
D及びNORの論理回路の回路図である。
【符号の説明】 1…絶縁性基体、2a、2b、2c、2d、2e、2
f、2g…可動部駆動用電極、3a、3b…固定コンタ
クト電極、4…微小空隙、5、5a…可動吸引電極、
6、6a…可動コンタクト電極、7…支持梁、8、8a
…絶縁膜、9a、9b、9c…入力端子、10…出力端
子、11…抵抗、12…直流電源、13、14a,14
b…接続部、15a、15b…コンタクト電極支持部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久良木 憶 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体に設けられた可動部駆動用電極と、 基体に設けられた固定接点となる固定コンタクト電極
    と、 基体に一部が固定された支持梁と、 可動部駆動用電極と対向するように支持梁に設けられた
    可動吸引電極と、 固定コンタクト電極と対向するように支持梁に設けられ
    た可動接点となる可動コンタクト電極とを備え、可動部
    駆動用電極と可動吸引電極間の静電引力により支持梁を
    動かして固定コンタクト電極と可動コンタクト電極とか
    らなる接点を開閉する静電型可動接点素子であって、 前記可動部駆動用電極は、基体上に複数設けられたもの
    であり、各電極が同一の面積を有するものであることを
    特徴とする静電型可動接点素子。
  2. 【請求項2】 基体に設けられた可動部駆動用電極と、 基体に設けられた固定接点となる固定コンタクト電極
    と、 基体に一部が固定された支持梁と、 可動部駆動用電極と対向するように支持梁に設けられた
    可動吸引電極と、 固定コンタクト電極と対向するように支持梁に設けられ
    た可動接点となる可動コンタクト電極とを備え、可動部
    駆動用電極と可動吸引電極間の静電引力により支持梁を
    動かして固定コンタクト電極と可動コンタクト電極とか
    らなる接点を開閉する静電型可動接点素子であって、 前記可動部駆動用電極は、基体上に複数設けられたもの
    であり、各電極が異なる面積を有するものであることを
    特徴とする静電型可動接点素子。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記静電型可動接点素子は、2つの前記可動部駆動用電
    極を有し、この第1、第2の可動部駆動用電極の面積を
    S1、S2とし、可動部駆動用電極への所定の印加電圧
    に対して前記支持梁の駆動に必要な可動部駆動用電極の
    面積をSVとしたとき、S1,S2<SV<S1+S2
    となるように可動部駆動用電極の面積が設定されたもの
    であり、第1、第2の可動部駆動用電極の両方に前記所
    定の電圧を印加した場合にのみ前記接点の状態が変わる
    ようにしたことを特徴とする静電型可動接点素子。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記静電型可動接点素子は、2つの前記可動部駆動用電
    極を有し、この第1、第2の可動部駆動用電極の面積を
    S1、S2とし、可動部駆動用電極への所定の印加電圧
    に対して前記支持梁の駆動に必要な可動部駆動用電極の
    面積をSVとしたとき、SV<S1,S2となるように
    可動部駆動用電極の面積が設定されたものであり、第
    1、第2の可動部駆動用電極の少なくとも一方に前記所
    定の電圧を印加した場合に前記接点の状態が変わるよう
    にしたことを特徴とする静電型可動接点素子。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは請求項2において、 前記静電型可動接点素子は、可動部駆動用電極への所定
    の印加電圧に対して前記支持梁の駆動に必要な可動部駆
    動用電極の面積をSVとしたとき、前記所定の電圧が印
    加された可動部駆動用電極の面積の合計が面積SVを超
    えた場合のみ前記接点の状態が変わるように、各可動部
    駆動用電極の面積及び個数が設定されたものであること
    を特徴とする静電型可動接点素子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の静電型可動接点素子のう
    ち各可動部駆動用電極の面積が同一である静電型可動接
    点素子を備えた複数入力の論理演算装置において、 入力信号が与えられた可動部駆動用電極の数に応じて演
    算結果が出力されることを特徴とする論理演算装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の静電型可動接点素子のう
    ち各可動部駆動用電極の面積が異なる静電型可動接点素
    子を備えた複数入力の論理演算装置において、 可動部駆動用電極に与えられる各入力信号に対して各可
    動部駆動用電極の面積に比例する重み関数をかけた演算
    結果が出力されることを特徴とする論理演算装置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の静電型可動接点素子を備
    えた複数入力の論理演算装置において、 AND,OR,NAND,NOR等の論理演算を1つの
    静電型可動接点素子で実現することを特徴とする論理演
    算装置。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の静電型可動接点素子を備
    えた複数入力の論理演算装置において、 多数決論理の演算を1つの静電型可動接点素子で実現す
    ることを特徴とする論理演算装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6875936B1 (en) 1998-12-22 2005-04-05 Nec Corporation Micromachine switch and its production method
JP2005109071A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Hitachi Ltd Memsスイッチを有する半導体装置
KR100717870B1 (ko) 2005-11-04 2007-05-14 한국과학기술원 기계적인 스위치를 이용한 논리 회로
JP2013508894A (ja) * 2009-10-15 2013-03-07 アルテラ コーポレイション 構成可能なマルチゲートスイッチ回路

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