JPH11204280A - 誘電体バリア放電ランプ光源装置 - Google Patents

誘電体バリア放電ランプ光源装置

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JPH11204280A
JPH11204280A JP10013540A JP1354098A JPH11204280A JP H11204280 A JPH11204280 A JP H11204280A JP 10013540 A JP10013540 A JP 10013540A JP 1354098 A JP1354098 A JP 1354098A JP H11204280 A JPH11204280 A JP H11204280A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 小出力インピーダンス給電装置により誘電体
バリア放電ランプの全壁面均一放電させる際、ランプ印
加電圧を放電最小エネルギーより高くしても、エキシマ
発光効率劣化が許容可能な程度とする。 【解決手段】 エキシマ空間2を有する誘電体バリア放
電ランプ1と、高電圧給電装置7とから成る光源装置に
おいて、昇圧トランス8を介し、概略周期的波形の高電
圧を放電々極3,4に印加する際、ランプの放電開始時
点Kの印加電圧Vk、K点放電の1つ前に起こる放電の
終了時の印加電圧Vf、点Kから印加電圧極性が変化す
る点迄の期間内の極大点U5の印加電圧Vh、点Kから
点U5の期間内で絶対値が最小電圧となる点U4での印
加電圧をVbとすれば、VkとVfの差の絶対値Vx
と、VhとVbの差の絶対値Vyの間の関係がVy/V
x≦1.0となる様にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、光化学
反応用の紫外線光源として使用される放電ランプの一種
で、誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成し、
前記エキシマ分子から放射される光を利用するいわゆる
誘電体バリア放電ランプを含む光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この発明に関連した技術としては、誘電
体バリア放電ランプについては、例えば、日本国公開特
許公報平2−7353号があり、そこには、放電容器に
エキシマ分子を形成する放電用ガスを充填し、誘電体バ
リア放電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気
学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再
販7刷発行第263ページ参照)によってエキシマ分子
を形成せしめ、前記エキシマ分子から放射される光を取
り出す放射器が記載されている。
【0003】誘電体バリア放電ランプには、放電プラズ
マ空間を挟んで電極の間に、1枚または2枚の誘電体が
存在する。図1は、2枚の誘電体5,6が存在する誘電
体バリア放電ランプ1を表している。因みに、第1図で
はランプ封体9が、誘電体5,6を兼ねている。
【0004】誘電体バリア放電ランプ1を点灯させる際
は、その両極の電極3,4に、例えば、10kHz〜2
00kHz、2kV〜10kVの高周波の交流電圧が印
加される。ところが放電プラズマ空間2と電極3,4の
間に介在する誘電体5,6のため、電極3,4から放電
プラズマ空間2に直接に電流が流れるのではなく、誘電
体5,6がコンデンサの働きをすることによって電流が
流れる。すなわち、各誘電体5,6の放電プラズマ空間
2側の面には、各電極3,4側の面と等量逆符号の電荷
が誘電体の分極により誘起され、放電プラズマ空間2を
挟んで対向する誘電体5,6の面の間で放電する。
【0005】誘電体5,6の放電プラズマ空間2側の面
に沿っては電流があまり流れないため、放電が生じた部
分では、誘電体5,6の放電プラズマ空間2側の面に誘
起された電荷は、放電により移動した電荷により中和さ
れ、放電プラズマ空間2の電界が減少するため、電極
3,4への電圧印加が継続されていても、放電電流はや
がて停止してしまう。ただし、電極3,4への印加電圧
がさらに上昇する場合は、放電電流は持続する。
【0006】1度放電が生じた後、放電が停止した場合
は、電極3,4に印加される電圧の極性が反転するま
で、再放電しない。
【0007】例えばキセノンガスを封入した誘電体バリ
ア放電ランプの場合、キセノンガスは、放電によりイオ
ンと電子に分離し、キセノンプラズマとなる。このプラ
ズマ中で、特定のエネルギー準位に励起されたキセノン
が結合し、エキシマ分子が形成される。キセノンエキシ
マは、ある寿命時間を経過すると解離してしまうが、こ
のときに開放されるエネルギーが真空紫外波長の光子と
して放出される。誘電体バリア放電ランプが真空紫外光
源として効率的に動作させるためには、このエキシマ分
子形成を効率的にする必要がある。
【0008】ここで、放電時に効率的なエキシマ分子形
成を阻害する大きな要因は、放電プラズマをエキシマ分
子形成に寄与しないエネルギー準位へ励起してしまうこ
とである。
【0009】放電開始直後の放電プラズマの電子運動は
集団的であり、エネルギーは高いが温度は低い状態にあ
る。この状態では、放電プラズマは、エキシマ分子を形
成するために必要な、共鳴状態に遷移する確率が高い。
しかし放電時間が長くなると、プラズマの電子運動は次
第に熱的、すなわち、マックスウェル−ボルツマン分布
と呼ばれる熱平衡状態になり、プラズマ温度が上昇し、
エキシマ分子を形成できないような、より高い励起状態
に遷移する確率が上昇してしまう。
【0010】さらに、エキシマ分子が形成された場合で
も、寿命時間の経過を待って所期の光子を放出して自然
に解離する前に、後続の放電により、エキシマ分子が破
壊される場合もある。実際、キセノンエキシマの例で
は、放電開始から真空紫外波長の光子放出まで、1μs
程度の期間を要し、この期間内の後続の放電や再放電
は、エキシマ発光の効率を低下させる。
【0011】すなわち、一度放電が開始したならば、後
続する放電のエネルギーはできるだけ小さくすることが
最も重要であることがわかる。
【0012】放電時間が短い場合であっても、その放電
期間に注入されるエネルギーが大き過ぎると、同様に高
い励起状態に遷移する確率が上昇してしまう。高い励起
状態に遷移したプラズマは、赤外線を放射して緩和し、
ランプの温度を上昇させるだけで、エキシマ発光に寄与
しない。
【0013】すなわち、エキシマ分子形成に寄与しない
エネルギー準位への放電プラズマの励起を抑制するよう
な放電駆動を行わなければならないのである。この点
で、従来の誘電体バリア放電ランプ光源装置は満足でき
るものではかった。
【0014】誘電体バリア放電を含む、全てのパルス放
電によるエキシマ発光の高効率化を達成しようとする提
案として、特開平1−243363があり、これは、一
度放電が開始したならば、後続する放電のエネルギーは
できるだけ小さくすること、という前記の条件に沿うも
のである。しかし、この提案に記載されているものは、
どういうパラメータを調整すればエキシマ発光が高効率
化できるか、についてであって、そのパラメータ値の効
果的な条件については、具体的には何ら示されていな
い。とりわけ、誘電体バリア放電の場合は、放電プラズ
マ空間への電圧印加や電流注入は誘電体を介して行わな
ければならないため、この電圧や電流の制御の自由度が
低く、最適条件を見出すことは非常に困難である。
【0015】誘電体バリア放電ランプの効率を改善しよ
うとする提案として、例えば、特表平8−508363
がある。しかし、この提案においては、前記のエキシマ
分子形成を効率的にするための、エキシマ分子形成に寄
与しないエネルギー準位への放電プラズマの励起を抑制
することの達成に真に効果的な、具体的な事項は何ら述
べられていない。
【0016】誘電体バリア放電を利用した蛍光灯の駆動
波形に関する改善提案として、例えば、特開平6−16
3006号がある。これによると、正負極性の矩形パル
ス列や交流の矩形波で駆動することにより、蛍光灯の輝
度が向上するということが述べられている。この中で
は、矩形パルス列や矩形波について、周波数やデューテ
ィ比に関連して、印加電圧の変化に対する輝度の変化の
実験結果が記載されており、従来の正弦波駆動と比較し
た効率の向上の説明がなされている。しかし、現実の給
電装置においては、高電圧トランスなどが含まれ、理想
的な矩形パルス列や矩形波を印加することは不可能であ
り、給電装置の出力インピーダンスとランプのインピー
ダンスの相互作用により、波形は鈍化するし、また、部
分的には共振により正弦波的電圧が印加されてしまう。
このような現実の給電装置における、理想的な矩形的波
形からのズレがあった場合に、ズレのなかの如何なる成
分は有害で、どの程度のズレまで許容できるかを明確に
しない限り、経済的に見合う実用的な光源装置を設計、
製作することはできない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、エキシマ分子を効率的に生成し、真空紫
外光源として効率的に動作できる誘電体バリア放電ラン
プを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明に係る誘電体バリア光源装置は、誘電体バリ
ア放電によってエキシマ分子を生成する放電用ガスが充
填された放電プラズマ空間(2)があって、この放電用
ガスに放電現象を誘起せしめるための両極の電極(3,
4)のうちの少なくとも一方と前記放電用ガスの間に誘
電体(5,6)が介在する構造を有する誘電体バリア放
電ランプ(1)と、前記誘電体バリア放電ランプの前記
電極(3,4)に高電圧を印加するための給電装置
(7)とを有する誘電体バリア放電ランプ光源装置にお
いて、前記給電装置(7)が昇圧トランス(8)を介し
て前記誘電体バリア放電ランプ(1)に概略周期的な波
形の高電圧を印加するものであって、ランプ印加電圧波
形の放電開始時に対応する点(K)に注目したとき、前
記ランプ印加電圧波形の放電開始時に対応する点(K)
の電圧Vkと、前記ランプ印加電圧波形の放電開始時に
対応する点(K)が属する放電より一つ前の放電につい
ての放電終了時のランプ印加電圧Vfと、前記ランプ印
加電圧波形の放電開始時に対応する点(K)を通過時点
から次にランプ印加電圧の極性が変化するまでの期間内
でランプ印加電圧の絶対値の極大を示す点(U5)にお
けるランプ印加電圧Vhと、前記ランプ印加電圧波形の
放電開始時に対応する点(K)から前記ランプ印加電圧
の絶対値の極大を示す点(U5)に至る閉区間のなかで
絶対値が最小となるランプ印加電圧波形上の点(U4)
におけるランプ印加電圧Vbとについて、前記VkとV
fの差Vk−Vfの絶対値Vxと、前記VhとVbの差
Vh−Vbの絶対値Vyとの関係に関して、Vy/Vx
≦1.0を満足することを特徴とする。さらに、請求項
2に係る誘電体バリア放電ランプ光源装置は、前記ラン
プ印加電圧波形の放電開始時に対応する点(K)の電圧
Vkとして、電圧の立上りまたは立下り部のランプ印加
電圧波形に現れる、屈曲点(K)の電圧を適用したこと
を特徴とする。さらに、請求項3に記載する誘電体バリ
ア放電ランプ光源装置は、誘電体のうち、放電プラズマ
空間に対向する側の面には蛍光体を塗布することを特徴
とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本願発明の課題であるエキシマ分
子を効率的に形成するためには、エキシマ分子の形成に
寄与しないエネルギー準位への放電プラズマの励起を抑
制することである。そして、このためには、ランプ印加
電圧が有限の増加率で上昇し、放電開始電圧に達して放
電が開始されれば、できるだけ速やかに放電を終了させ
ればよい。
【0020】誘電体バリア放電ランプ1の電気回路的な
動作は、図2に示すように、放電プラズマ空間2の放電
路は、抵抗10とスイッチ11を直列に接続したものと
なる。また、誘電体バリア放電ランプ1には、電極3,
4と放電プラズマ空間2の間に誘電体5,6があり、こ
れは電気回路的にはコンデンサとして働く。ただし、誘
電体が2枚の場合は、それぞれのコンデンサを直列合成
した1個のコンデンサ13と考えられる。
【0021】このコンデンサが放電プラズマ空間2に対
して直列に挿入された構造であるため、誘電体バリア放
電ランプ1にはランプ印加電圧の極性が変化した直後の
ある期間内にのみ放電電流が流れ、ランプ印加電圧を実
質的に零とした休止期間を有するパルス電圧を印加せず
とも、自然に放電の休止期間が生ずる。また、放電プラ
ズマ空間2の電圧が放電開始電圧に達しない限り、放電
は生じないため、ランプ印加電圧の立上りまたは立下り
速度が急峻である必要はない。
【0022】放電プラズマ空間2自体もコンデンサ12
を形成しており、放電が開始されれば、このコンデンサ
に充電されたエネルギーのほとんどが放電に費やされる
ため、給電装置7は、放電開始以降に誘電体バリア放電
ランプ1に必要以上の電流を追加して流さないようなも
のとすればよいことがわかる。
【0023】次に、ランプ壁面の単位面積あたりについ
て考える。放電開始電圧は、ガス圧と放電ギャップの間
隔が決まればほとんど自動的に決まる。また、放電プラ
ズマ空間が形成するコンデンサ12の静電容量C1は、
放電ギャップ間隔により決まるため、1発の放電が開始
してから終了するまでの期間にプラズマに与えられる最
小エネルギーは、放電プラズマ空間が形成するコンデン
サ12に充電された電荷が全て放電するエネルギーであ
り、これはランプの構造により決まってしまう。前記の
エキシマ分子形成を効率的にするための、エキシマ分子
形成に寄与しないエネルギー準位への放電プラズマの励
起を抑制することは、この最小エネルギーの放電の条件
において、最も良く達成されることになる。
【0024】ところが、この最小エネルギーの放電の条
件とは、極めて大きな出力インピーダンスを有する給電
装置を用いて、ランプ印加電圧を極めてゆっくりと上昇
させ、放電させることにより、原理的には実現可能であ
る。しかし、このような給電装置は、実際の光源装置と
して応用する場合には問題がある。
【0025】第1の問題は、出力インピーダンスが大き
いと、周期的な繰返し放電のための、高速の動作速度が
得られないことである。第2の問題は、この最小エネル
ギーの放電の条件では、放電ギャップ間隔のランプ内の
位置的不均一の影響による1個のランプ内での放電の不
均一が生じることがある点である。
【0026】従って、必要な光量を実現可能なような小
さい出力インピーダンスを有する給電装置を使用し、か
つ、誘電体バリア放電ランプの全壁面において均一に放
電を生じせしめる余裕を持たせた、実用的な光源装置と
する等のために、前記最小エネルギーの放電の条件より
もランプ印加電圧を高くし、しかも、ランプ印加電圧を
高くしたことによるエキシマ発光の効率低下が容認可能
な範囲の条件を見出す必要がある。本発明の請求項1に
記載された条件が、この実用的な条件である。
【0027】なお、前記最小エネルギーの放電の条件に
関しては、放電を開始してから、放電プラズマ空間が形
成するコンデンサ12に充電された電荷が全て放電する
前に放電を停止させるように、ランプ印加電圧波形を操
作することにより、放電エネルギーを前記最小エネルギ
ーよりも小さくすることは可能である。しかし、この方
法では、技術的な難度が高い割に効果は薄い。
【0028】実用的な給電装置における、ランプ印加電
圧E(t)波形、および放電プラズマ空間2の電圧、すな
わち放電ギャップ電圧V1(t)の波形、放電電流Id(t)の
典型的な波形を図3に示す。屈曲点Kに対し、これが属
する放電より一つ前の放電についての放電電流波形J1
が終了する点J2においては、放電ギャップ電圧は放電
維持電圧程度となっており、点G1に示すように、近似
的にはこれはほとんど0Vと見なして良い。また、放電
電流が停止する点J2に対応するランプ印加電圧波形上
の点U2は、その絶対値の極大点U1、またはそれを少
し過ぎたあたりに存在する。実際の光源装置に対する評
価においては、点U2は前記絶対値の極大点U1に存在
するものとできる。
【0029】点U2以降、屈曲点Kまでのランプ印加電
圧波形の変化は、C2/(C1+C2)倍に縮小されて、
放電ギャップ電圧波形にそのまま現れる。ここで、C1
とC2は、放電プラズマ空間2のコンデンサ12の静電
容量C1と、誘電体5,6のコンデンサ13の静電容量
C2である。電極3,4の両方に誘電体5,6が存在す
る誘電体バリア放電ランプの場合は、C2は、それぞれ
の誘電体の単独の静電容量が直列合成されたものと考え
られる。
【0030】傾斜線U3のようにランプ印加電圧の極性
が急変すると、放電ギャップ電圧も傾斜線G2のように
急変し、これが放電開始電圧に達した点G3で放電が開
始する。
【0031】放電が開始すると、放電電流波形J3が急
激に現われ、その結果放電ギャップ電圧は傾斜線G4の
ように急激に低下し、点G3は頂点となる。
【0032】ここで、実用的な給電装置において、ラン
プ印加電圧に図3のような屈曲点Kが生ずる理由は次の
通りである。傾斜線G4のように、放電ギャップ電圧す
なわち放電プラズマ空間の電圧の急激な低下分に応じ
て、ランプ印加電圧も低下しようとする。このランプ印
加電圧低下分は給電装置7が補償しようとするが、昇圧
トランス8の磁束漏洩やケーブルのインダクタンスに起
因する、誘導性の出力インピーダンスが存在するため、
ランプ印加電圧低下分の補償が遅れ、その結果として、
絶対値の大きい方向に凸の屈曲点Kが生ずる。また、こ
の誘導性の出力インピーダンスと誘電体バリア放電ラン
プ1の静電容量との共振により、屈曲点Kの後にランプ
印加電圧に対する振動成分が混入する。
【0033】その結果、ランプ印加電圧波形上に絶対値
の極小点U4や絶対値の極大点U5が生じることがあ
る。この成分に対応して、図3に示すように、放電電流
波形J3には、最初の急峻な立上り後の減衰の途中に盛
上がり部J4が発生することが多い。本発明のねらい
は、この振動成分を利用して、誘電体バリア放電ランプ
に必要な電力を投入し、なおかつ紫外線発光効率を低下
させないようにすることにある。
【0034】点G5のように、放電ギャップ電圧が0V
近くまで低下すると、放電電流波形J3は点J5のよう
に終了する。また、このときのランプ印加電圧波形上の
点U6は、概ねランプ印加電圧波形の絶対値の極大点U
5付近に存在する。実際の光源装置に対する評価におい
ては、点U6は前記絶対値の極大点U5に存在するもの
として良い。
【0035】ここで、本発明の請求項1に記載の条件の
物理的意味を明確にするために、図3のランプ印加電圧
の実際的な波形をモデル化した図4を用いて、定量的な
放電現象の解析を試みる。
【0036】図4の平坦領域M2は、図3の、前回の放
電が終了した時点のランプ印加電圧波形上の点U2、す
なわち点U1における、ランプ印加電圧がVfである状
態に対応する。図4の傾斜線M3は、図3の、ランプ印
加電圧の立上り部傾斜線U3に対応する。図4の点M1
は、図3の屈曲点Kに対応する。図4の平坦領域M4
は、図3の屈曲点K通過後から絶対値の極小点U4に至
る部分を近似し、その電圧はVkに等しいとする。図4
の平坦領域M5は、図3の絶対値の極大点U5に対応
し、その電圧はVhに等しいとする。
【0037】図4において、ランプ印加電圧が平坦領域
M2の状態では、放電ギャップ電圧は0Vである。この
状態から点M1に至るまでのランプ印加電圧の変化は、
(Vk−Vf)であり、これに伴い放電ギャップ電圧
は、0からVgに変化する。ここで、Vg=C2/((C
1+C2)・(Vk−Vf)) (式2) 放電電流波形J3における最初の急峻な立上りに続く減
衰期間に放電プラズマに与えられるエネルギーに対応し
て、点M1において放電が開始したとき、放電プラズマ
に与えられるエネルギーW1を求めたい。
【0038】誘電体バリア放電ランプを等価回路に表す
と図5のようになる。ここで、C1とC2は、放電プラ
ズマ空間2のコンデンサ12の静電容量C1と、誘電体
5,6のコンデンサ13の静電容量C2である。また、
Rは放電プラズマの抵抗に相当する。C1の初期充電電
圧をVgとかくと、スイッチSW1を閉じることによ
り、Rで消費される全エネルギーW1は、次のように求
められる。 W1=(1/2)・(C1+C2)・Vg2 (式3) なお、Rでの電力消費が完了した時点では、C1、C2
の電圧V1、V2は、 V1=0、 V2=Vk (式4) である。(式3)のVgに(式2)を適用して、W1は次のよ
うに求められる。 W1=(1/2)・(C22)/((C1+C2)・(Vk−Vf) 2) (式5) ここで、(Vk−Vf)の差の絶対値をVxとする。
【0039】図4において、ランプ印加電圧が平坦領域
M4の最終状態では、(式4)より放電ギャップ電圧は
0、また誘電体の電圧はVkである。放電電流波形J3
の減衰の途中から発生する盛上がり部J4およびそれ以
降の期間に放電プラズマに与えられるエネルギーに対応
して、この状態から電圧Vhを有する平坦領域M5の状
態に変化したときに、放電プラズマに与えられるエネル
ギーW2を求めたい。
【0040】等価回路図6において、C1、C2の初期
充電電圧を、前記(式4)を引用した V1=0、V2=Vk (式6) とし、SW2を閉じることにより、Rで消費される全エ
ネルギーW2は、次のように求められる。 W2=(1/2)・(C22)/((C1+C2)・(Vh−Vk) 2) (式7)
【0041】ここで、図3のランプ印加電圧波形のよう
に、屈曲点Kから絶対値の極大点U5に至る間に絶対値
の極小点、すなわち、絶対値がVkより小さい点U4が
存在する場合に、前記W1、W2がどのように補正され
るべきかについて考える。図3から明らかなように、放
電電流波形J3のピークは、ランプ印加電圧波形の屈曲
点Kの時刻付近に存在する。絶対値の極小点U4の時刻
においては、放電電流波形J3のピークを既に過ぎてお
り、従って、ランプ印加電圧波形に絶対値の極小点U4
が存在することによる前記エネルギーW1への影響はご
く僅かであり、無視してよいことがわかる。一方、ラン
プ印加電圧波形において、絶対値の極小点U4を過ぎて
から、絶対値の極大点U5に至る間に放電プラズマに与
えられるエネルギーW2は、前記初期条件(式6)にお
いて、V2=Vbと修正すればよいから、結局、(式
7)は次のように修正される。 W2=(1/2)・(C22)/((C1+C2)・(Vh−Vb)2) (式8) ここで、(Vh−Vb)の差の絶対値をVyとする。
【0042】(式5)のW1は、前記最小エネルギーの放
電の条件の放電エネルギーと、給電装置の出力インピー
ダンスが小さいことに起因して放電時にランプ印加電圧
を屈曲点K付近に維持され、それにより誘電体5,6が
形成するコンデンサ13を介して放電プラズマ空間2に
流入する放電エネルギーとの和であり、言わば実用的な
給電装置を実現する上で、不可避のエネルギー投入であ
る。
【0043】これに対し、(式8)のW2は、前記放電ギ
ャップ間隔のランプ内の位置的不均一の影響による1個
のランプ内での放電の不均一を避けるためにやむを得ず
投入するエネルギーである。
【0044】以上で行った放電現象の解析により、Vx
とVyが本発明の課題を解決する上で重要なファクター
になることが分かる。すなわち、Vxに比してVyを小
さくすることが、一度放電が開始したならば、後続する
放電のエネルギーはできるだけ小さくすること、という
前記の条件に合致するものであり、これにより前記エキ
シマ分子形成に寄与しないエネルギー準位への放電プラ
ズマの励起を抑制することができ、結果として高効率な
真空紫外波長の光源が実現される。ただし、(式1)の
右辺に現れる数値は、発明者らの実験によって得られた
ものである。
【0045】ここで、VxとVyについてエキシマ発光
の効率について実験をした。図7にその実験結果のグラ
フを示す。ここで、図7の縦軸の目盛は、プロットされ
た点のなかで最も効率の高いものを1とする相対目盛で
ある。プロットされた各点の共通の実験条件は次の通り
である。 インバータ回路:ハーフブリッジ方式 周波数:20、40、80kHz トランス1次側インダクタンス:1.1mH トランス2次側インダクタンス:630mH トランス結合係数:0.9993 誘電体:石英ガラス−厚さ1mm 放電ガス:キセノン−圧力33kPa 放電ギャップ:4.3mm 非放電時のランプ静電容量:12pF 実験は、1次側のインバータ回路に供給する周波数、お
よびDC電圧を様々に変化させ、得られたランプ印加電
圧波形からVy/Vxの値を算出して横軸方向の値と
し、また、この時に測定される紫外線光量に対する誘電
体バリア放電ランプへの投入電力との比を算出して縦軸
方向の値としてそれぞれの結果をプロットした。紫外線
光量の測定は、蛍光体とシリコンフォトダイオードを組
合わせて構成された紫外線照度センサを、窒素ガス雰囲
気中でランプから一定距離に置き、検出される照度値に
基づいて行った。ランプに直列に挿入したフィルムコン
デンサにより、ランプ電流の積分電圧波形を発生させ、
これと、ランプ印加電圧波形とから形成されるリサージ
ュ図形の面積によって、誘電体バリア放電ランプへの投
入電力を測定した。
【0046】図7から明らかなように、放電ギャップ間
隔のランプ内の位置的不均一の影響を避ける等ためにV
y/Vxを大きくしてゆくと効率が低くなるが、Vy/V
xが1.0を超えると、効率が急激に低下し、また実現
される効率の値のバラツキが増加することが見てとれ
る。従って、エキシマ発光の効率低下が容認可能な範囲
の条件を実現するためには、Vy/Vx≦1.0、望まし
くは、Vy/Vx≦0.9とすることが必要であることがわ
かる。さらに、Vy/Vxが0.8以下の領域では、それ
以外の領域に比して、Vy/Vxの変化に対する効率の
変化率が小さく、高い効率が安定的に実現されることが
見てとれる。またこの領域では、ランプ印加電圧がより
小さくなり、トランス等の高電圧素子の製作、安全のた
めの絶縁対策が容易となる利点もある。実際、図7の前
記実験条件においては、80kHzでの点灯では、Vy
/Vx≒1.0を与えるランプ印加電圧波形が8.8kV
pp(ピークピーク間電圧)であったものが、Vy/V
x≒0.8を与えるランプ印加電圧波形では、6.7kV
ppに低下した。従って、工業的応用において、高効率
な光源装置を低コストで実現するためには、Vy/Vx
≦0.8とすることが有利である。さらに、Vy/Vxが
0.5以下では、ほぼ常に最高に近い効率が得られ、ラ
ンプ印加電圧がさらに小さくなり、実際、図7の前記実
験条件においては、80kHzでの点灯において、Vy
/Vx≒0.5を与えるランプ印加電圧波形では4.5k
Vppに低下した。従って、光源装置のさらなる高効率
化と低コスト化を実現するためには、Vy/Vx≦0.5
とすることがより有利であることがわかる。
【0047】ところで、(式8)と(式5)の両辺の比
をとると、W2/W1=(Vh−Vb)2/(Vk−V
f)2となる。この式の右辺に対してVx、Vyを適用
すると、W2/W1=(Vy/Vx)2を得る。従って、
Vy/Vx≦1.0ということは、W2/W1≦1.0とな
る。そして、この条件こそがエキシマ発光の効率低下が
容認可能な範囲の条件であることを意味している。
【0048】なお、前記放電現象の解析の過程より明ら
かなように、ランプ印加電圧波形上において、ランプ印
加電圧波形の放電開始時に対応する点、すなわち屈曲点
Kから絶対値の極大点U5に至る間に絶対値の極小点U
4が存在しない場合は、電圧Vbとしてランプ印加電圧
波形の放電開始時に対応する点の電圧Vkをとればよい
ことがわかる。また、絶対値の極大を示す点U5が存在
しない場合は、本発明の請求項1に記載の条件において
電圧Vh、Vbが電圧Vkに等しいと解釈すればよい。
この場合は、前記最小エネルギーの放電の条件により近
づくことになるため、効率の点では理想的といえる。し
かし、前記のように、放電ギャップ間隔のランプ内の位
置的不均一の影響による1個のランプ内での放電の不均
一が生じ易くなるため、注意して適用する方がよい。こ
の不均一を嫌う用途の場合は、Vy/Vx≧0.1、とす
る方が望ましい。ここで、図3に示すようなランプ電圧
E(t)の波形において、正負のいずれの状態において
も、Vx/Vy≦1.0の条件を満たせば何ら問題は生
じない。しかしながら、正負のいずれかの状態において
のみ、Vx/Vy≦1.0の条件を満たし、他方の状態
においてはVx/Vy≦1.0の条件を満たさないよう
な場合は、正の状態におけるVx/Vyの値と、負の状
態におけるVx/Vyの値の平均値を計算し、この平均
値が1.0以下という条件を満たすか否かで判断する。
【0049】なお、前記放電現象の解析のなかで、(式
4)において、V1=0となることを利用したが、これ
は、誘電体バリア放電ランプにおいて、実際に放電ギャ
ップ電圧が0となって放電が停止することを述べたもの
ではなく、放電電流波形J3における最初の急峻な立上
りに続く減衰期間と、放電電流波形J3の減衰の途中か
ら発生する盛上がり部J4およびそれ以降の期間とに分
割して放電プラズマに与えられるエネルギーを見積るた
めの、モデル解析上のテクニックであることを付け加え
ておく。
【0050】なお、本発明においては誘電体のうち、放
電プラズマ空間に対向する面には、その少なくとも一部
に蛍光体を塗布することもできる。これにより、可視光
を放射するランプとすることができる。
【0051】
【実施例】以下において、本発明に基づく前記のエキシ
マ分子形成を効率的にするための、エキシマ分子形成に
寄与しないエネルギー準位への放電プラズマの励起を抑
制することが達成された誘電体バリア放電ランプ光源装
置の実施例について説明する。
【0052】図8は、ハーフブリッジ方式のインバータ
回路を用いた誘電体バリア放電ランプの点灯回路の、簡
略化して記載した回路図である。図9は、このときの誘
電体バリア放電ランプ1の電圧波形E(t)と電流波形I
s(t)の実測データである。図10は、図9に概ね示す
区間Zの部分を拡大測定したものである。図11は、図
10の波形を計算機にて解析処理して放電電流波形Id
(t)を算出し、電圧波形E(t)と電流波形Is(t)とと
もに示したものである。
【0053】ここで、図11のように、電圧波形E(t)
と電流波形Is(t)から放電電流波形Id(t)を算出す
る方法について説明する。
【0054】放電プラズマ空間2のコンデンサ12の静
電容量C1、誘電体5,6のコンデンサ13の静電容量
C2、それに誘電体バリア放電ランプに並列的に存在す
る浮遊静電容量C3により決まる、次の2個の係数F=
1+C1/C2 (式9) Cv=C1+C3・F (式1
0)を用いれば、放電電流波形Id(t)は次式により求め
ることができる。 Id(t)=F・Is(t)−Cv・dE(t)/dt (式11)
【0055】この方法は、数値微分を使用するため、得
られた結果の波形なかの電流値の小さい領域における精
度はあまり良くないが、放電開始時は速い立上がりを示
すため、これを見出す目的で使用する限り問題はない。
【0056】図9、図10、図11の場合の解析条件、
および実験条件は次の通りである。 C1:35pF C2:220pF C3:15pF 周波数:30kHz トランス1次側インダクタンス:1.1mH トランス2次側インダクタンス:630mH トランス結合係数:0.9993 誘電体:石英ガラス−厚さ1mm 放電ガス:キセノン−圧力33kPa 放電ギャップ:4.3mm
【0057】図11においては、放電電流波形Id(t)
は、時刻Tdにおいて鋭く立ち上がっており、これが放
電開始の瞬間であることがわかる。電圧波形E(t)上で
は、時刻Tdに対応して屈曲点Kを形成している。
【0058】前記Vx、Vyを算出するための電圧値V
k、Vb、Vhは図11に、Vfは図9に記載の通りで
ある。 ただし、この場合はVfは負である。この実測
値を(式1)に代入すれば、Vy/Vx=0.30とな
る。
【0059】次に他の実施例を示す。図12は、フルブ
リッジ方式のインバータ回路を用いた誘電体バリア放電
ランプの点灯回路の、簡略化して記載した回路図であ
る。図13は、このときの誘電体バリア放電ランプ1の
電圧波形E(t)と電流波形Is(t)の実測データであ
る。図14は、図13に概ね示す区間Zの部分を拡大測
定したものである。図15は、図14の波形を計算機に
て解析処理して放電電流波形Id(t)を算出し、電圧波
形E(t)と電流波形Is(t)とともに示したものであ
る。
【0060】図13、図14、図15の場合の解析条件
および実験条件は、周波数が21kHzであること以外
は、前記図9、図10、図11の場合の解析条件および
実験条件と同様である。なお、図11の時刻Ta1付近
においては、電圧波形E(t)、電流波形Is(t)ともに
大きい振幅を有しているが、放電電流波形Id(t)には
有意な振幅が存在せず、従って、この実験条件では、時
刻Ta1付近では放電が生じていないことを示してい
る。同様波形の点灯であっても、条件によっては、これ
に対応する部分で放電が生ずる場合もある。
【0061】図15においては、放電電流波形Id(t)
は、時刻Tdにおいて鋭く立ち上がっており、これが放
電開始の瞬間であることがわかる。電圧波形E(t)上で
は、時刻Tdに対応して屈曲点Kを形成している。
【0062】前記Vx、Vyを算出するための電圧値V
k、Vb、Vhは図11に、Vfは図13に記載の通り
である。ただし、この場合はVfは負である。この実測
値を(式1)に代入すれば、Vy/Vx=0.18とな
る。
【0063】次にさらなる他の実施例を示す。図16
は、フライバック方式のインバータ回路を用いた誘電体
バリア放電ランプの点灯回路の、簡略化して記載した回
路図である。図17は、このときの誘電体バリア放電ラ
ンプ1の電圧波形E(t)と電流波形Is(t)の実測デー
タである。図18は、図17に概ね示す区間Zの部分を
拡大測定したものである。図19は、図18の波形を計
算機にて解析処理して放電電流波形Id(t)を算出し、
電圧波形E(t)と電流波形Is(t)とともに示したもの
である。
【0064】図17、図18、図19の場合の解析条
件、および実験条件は次の通りである。 C1:35pF C2:220pF C3:15pF 周波数:36kkHz トランス1次側インダクタンス:33μH トランス2次側インダクタンス:6.1mH トランス結合係数:0.9930 誘電体:石英ガラス−厚さ1mm 放電ガス:キセノン−圧力33kPa 放電ギャップ:4.3mm
【0065】図19においては、放電電流波形Id(t)
は、時刻Td1および時刻Td2の2点において鋭く立
ち上がっており、従って、これらの瞬間において放電開
始が発生していることがわかる。電圧波形E(t)上で
は、時刻Td1および時刻Td2に対応してそれぞれ屈
曲点K1および屈曲点K2を形成している。2個所の屈
曲点のうち、屈曲点K2は比較的わかりにくいが、時刻
Td2における放電電流波形Id(t)の立上り方が急峻
であることにより判別が可能となる。電圧波形E(t)を
さらに注意して見ると、時刻Td3および時刻Td4に
おいても、屈曲点K2と類似の屈曲点K3、屈曲点K4
が見られ、放電電流波形Id(t)からもこれらを放電開
始と判断できる。
【0066】本発明の請求項1に記載の条件に基づいて
Vy/Vxの値を計算する場合は、図19に従い、時刻
Td1にて開始した放電に関しては、Vf=Vk4、V
k=Vk1、Vb=Vb1、Vh=Vh1として計算す
ればよい。同様に、時刻Td2にて開始した放電に関し
ては、Vf=Vh1、Vk=Vk2、Vb=Vk2、V
h=Vh2として計算すればよい。また、時刻Td3に
て開始した放電に関しては、Vf=Vh2、Vk=0、
Vb=0、Vh=Vh3として計算すればよい。さら
に、時刻Td4にて開始した放電に関しては、Vf=V
h3、Vk=Vk4、Vb=Vk4、Vh=Vk4とし
て計算すればよい。しかし、これら4箇所の放電それぞ
れの、全体に対する寄与を、放電電流波形Id(t)とI
d=0の直線が囲む面積から判断すれば、実質的に効率
を支配している主たる放電は、時刻Td2にて開始した
放電であるから、これ以外のものは無視してよく、従っ
て、この波形全体について、Vy/Vx=0.32とな
る。
【0067】
【発明の効果】本発明の誘電体バリア放電ランプ光源装
置は、給電装置(7)が昇圧トランス(8)を介して前
記誘電体バリア放電ランプ(1)に概略周期的な波形の
高電圧を印加して、このとき、ランプ印加電圧波形の放
電開始時に対応する点(K)に注目したとき、前記ラン
プ印加電圧波形の放電開始時に対応する点(K)の電圧
Vkと前記ランプ印加電圧波形の放電開始時に対応する
点(K)が属する放電より一つ前の放電についての放電
終了時のランプ印加電圧Vfと、前記ランプ印加電圧波
形の放電開始時に対応する点(K)を通過時点から次に
ランプ印加電圧の極性が変化するまでの期間内でランプ
印加電圧の絶対値の極大を示す点(U5)におけるラン
プ印加電圧Vhと、前記ランプ印加電圧波形の放電開始
時に対応する点(K)から前記ランプ印加電圧の絶対値
の極大を示す点(U5)に至る閉区間のなかで絶対値が
最小となるランプ印加電圧波形上の点(U4)における
ランプ印加電圧Vbとについて、前記VkとVfの差V
k−Vfの絶対値Vxと、前記VhとVbの差Vh−V
bの絶対値Vyとの関係に関して、Vy/Vx≦1.0を
満足するようにしたので、実現可能な小さい出力インピ
ーダンスを有する給電装置を使って、誘電体バリア放電
ランプの全壁面において均一に放電を生じさせるため
に、放電を生じさせる最小のエネルギーよりもランプ印
加電圧を高くし、しかも、ランプ印加電圧を高くしたこ
とによるエキシマ発光の効率低下が容認可能な程度をす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2枚の誘電体5,6が存在する誘電体バリア放
電ランプを示す。
【図2】誘電体バリア放電ランプ1の電気回路的な動作
を表す等価回路を示す。
【図3】典型的なランプ印加電圧、放電ギャップ電圧、
放電電流の波形を示す。
【図4】モデル化したランプ印加電圧波形を示す。
【図5】誘電体バリア放電ランプの放電を解析するため
の等価回路を示す。
【図6】誘電体バリア放電ランプの放電を解析するため
の等価回路を示す。
【図7】Vy/Vxと効率の関係を示す実験データを示
す。
【図8】ハーフブリッジインバータを用いた誘電体バリ
ア放電ランプの点灯回路を示す。
【図9】電圧波形E(t)と電流波形Is(t)の実測デー
タを示す。
【図10】電圧波形E(t)と電流波形Is(t)の実測デ
ータを示す。
【図11】計算機にて解析処理した波形データを示す。
【図12】フルブリッジインバータを用いた誘電体バリ
ア放電ランプの点灯回路を示す。
【図13】電圧波形E(t)と電流波形Is(t)の実測デ
ータを示す。
【図14】電圧波形E(t)と電流波形Is(t)の実測デ
ータを示す。
【図15】計算機にて解析処理した波形データを示す。
【図16】フライバックインバータを用いた誘電体バリ
ア放電ランプの点灯回路を示す。
【図17】電圧波形E(t)と電流波形Is(t)の実測デ
ータを示す。
【図18】電圧波形E(t)と電流波形Is(t)の実測デ
ータを示す。
【図19】計算機にて解析処理した波形データを示す。
【符号の説明】
1:誘電体バリア放電ランプ 2:放電プラズマ空間 3、4:電極 5、6:誘電体 7:給電装置 8:昇圧トランス 9:ランプ封体 10:抵抗 11:スイッチ 12:コンデンサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体バリア放電によってエキシマ分子を
    生成する放電用ガスが充填された放電プラズマ空間
    (2)があって、この放電用ガスに放電現象を誘起せし
    めるための両極の電極(3,4)のうちの少なくとも一
    方と前記放電用ガスの間に誘電体(5,6)が介在する
    構造を有する誘電体バリア放電ランプ(1)と、前記誘
    電体バリア放電ランプの前記電極(3,4)に高電圧を
    印加するための給電装置(7)とを有する誘電体バリア
    放電ランプ光源装置において、前記給電装置(7)が昇
    圧トランス(8)を介して前記誘電体バリア放電ランプ
    (1)に概略周期的な波形の高電圧を印加するものであ
    って、 ランプ印加電圧波形の放電開始時に対応する点(K)に
    注目したとき、前記ランプ印加電圧波形の放電開始時に
    対応する点(K)の電圧Vkと、 前記ランプ印加電圧波形の放電開始時に対応する点
    (K)が属する放電より一つ前の放電についての放電終
    了時のランプ印加電圧Vfと、前記ランプ印加電圧波形
    の放電開始時に対応する点(K)を通過時点から次にラ
    ンプ印加電圧の極性が変化するまでの期間内でランプ印
    加電圧の絶対値の極大を示す点(U5)におけるランプ
    印加電圧Vhと、前記ランプ印加電圧波形の放電開始時
    に対応する点(K)から前記ランプ印加電圧の絶対値の
    極大を示す点(U5)に至る閉区間のなかで絶対値が最
    小となるランプ印加電圧波形上の点(U4)におけるラ
    ンプ印加電圧Vbとについて、 前記VkとVfの差Vk−Vfの絶対値Vxと、 前記VhとVbの差Vh−Vbの絶対値Vyとの関係に
    関して、次の条件、 Vy/Vx≦1.0 (式1) を満足することを特徴とする誘電体バリア放電ランプ光
    源装置。
  2. 【請求項2】前記ランプ印加電圧波形の放電開始時に対
    応する点(K)の電圧Vkとして、電圧の立上りまたは
    立下り部のランプ印加電圧波形に現れる、屈曲点の電圧
    を適用したことを特徴とする請求項1に記載する誘電体
    バリア放電ランプ光源装置。
  3. 【請求項3】前記誘電体(5,6)の放電プラズマ空間
    (2)側の面には、その少なくとも一部に蛍光体が塗布さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載する誘電体バ
    リア放電ランプ光源装置。
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