JPH11204290A - インバータ式x線高電圧装置 - Google Patents

インバータ式x線高電圧装置

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JPH11204290A
JPH11204290A JP1646598A JP1646598A JPH11204290A JP H11204290 A JPH11204290 A JP H11204290A JP 1646598 A JP1646598 A JP 1646598A JP 1646598 A JP1646598 A JP 1646598A JP H11204290 A JPH11204290 A JP H11204290A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周辺機器に電磁ノイズの障害を与えることな
く、医用X線装置に要求される理想に近い管電圧波形が
を得られ、しかも設置面積が小さく、小型・軽量で安価
なインバータ式X線高電圧装置を提供する。 【解決手段】 商用電源を整流して直流電圧を得るコン
バータ回路1と、この電源からの直流電圧を受電して高
周波の交流電圧に変換すると共に出力電圧(管電圧)を
制御するインバータ回路2と,このインバータ回路2か
らの交流電圧を昇圧する高電圧変圧器3と,この高電圧
変圧器3の出力電圧を直流に変換する高電圧整流回路4
と,この高電圧整流回路4からの直流高電圧を印加して
X線を放射するX線管6とを備え、上記インバータ回路
2の出力二端子のうち、少なくともどちらか一方にシー
ト状の導体が電気的に接続され、それより延長された上
記シート状の導体板が高電圧変圧器の一次巻線として高
電圧変圧器鉄心に巻回する。そして、上記インバータ回
路のスイッチング素子は直接的,あるいは熱伝導率の高
い固定板を介して間接的に上記高電圧変圧器を収納する
容器の外壁面に装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインバータ式X線高
電圧装置に係り、特にインバータ回路と高電圧変圧器間
のインダクタンス及びこの高電圧変圧器の一次巻線のイ
ンダクタンスを小さくして電磁ノイズの低減と高周波化
による小型化を図るに好適なインバータ式X線高電圧装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術によるインバータ式X線高電圧
装置について図2を用いて説明する。インバータ回路2
は、このインバータ回路2の位相差や周波数あるいはパ
ルス幅等を制御することにより負荷であるX線管6に直
流の高電圧(以下、管電圧と呼ぶ)を印加するものであ
る。すなわち、商用電源からの交流電圧をコンバータ回
路1で直流電圧に変換してこれを平滑コンデンサ11で
平滑しインバータ回路2の直流電源電圧とする。この直
流電源電圧をインバータ回路2の直流電源とし、このイ
ンバータ回路2から出力された高周波の交流電圧を高電
圧変圧器3で昇圧し、これを高電圧整流回路4で高電圧
の直流に変換し、高電圧ケーブル5を介してX線管6に
印加する。大出力が必要な装置では、インバータ回路2
の出力と高電圧変圧器3との間にコンデンサ10を挿入
し、このコンデンサ10と前記高電圧変圧器3の漏れイ
ンダクタンスとの共振現象を利用する場合もある。な
お、高電圧変圧器3は、通常絶縁耐圧の確保と冷却を目
的として高電圧整流回路4と共に絶縁油を満たした高電
圧変圧器タンク内に設置される。また、高電圧ケーブル
5は静電容量を持っており、これが管電圧の平滑作用を
もたらす。管電圧フィードバック制御回路9は実際の管
電圧Vxを管電圧検出器8で検出し、これと目標管電圧
Vrとを入力してインバータ回路2の位相差や周波数あ
るいはパルス幅を求め、検出した管電圧Vxが目標管電
圧Vrと一致するように制御する。管電流はフィラメン
ト加熱回路(図示せず)によってX線管6のフィラメン
トの温度を調節することによって制御する。
【0003】上記構成のX線高電圧装置において、イン
バータ回路2のスイッチング素子には、例えば絶縁ゲー
ト型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTと略記)
が用いられ、これらのIGBTはX線曝射中にスイッチ
ング損失及び導通損失によって発熱するが、通常それら
のIGBTは放熱フィンを伴うヒートシンクと呼ばれる
熱容量が大きい金属に固定され、それと同時に冷却ファ
ン等を用いて上記ヒートシンクを強制空冷する手法を用
いている。
【0004】このようなインバータ式X線高電圧装置の
インバータ回路のヒートシンクと冷却ファンによる冷却
及び高電圧変圧器の絶縁,冷却は以下のようにしてい
る。すなわち、X線高電圧装置には、大出力を短時間曝
射する撮影モードと小出力を長時間曝射する透視モード
があるが、撮影モードにおいてはIGBTの損失が大き
いためこのIGBTの温度は急激に上昇するが、高電圧
変圧器を収納する容器(高電圧変圧器タンク)の温度
は、容積が比較的大きい(熱容量が大きい)と同時に油
冷式であるために、ほとんど上昇することはない。一
方、透視モードにおいては電力損失が小さいためにイン
バータ回路2はほとんど温度上昇はせず、また高電圧変
圧器タンクも撮影時よりは若干温度上昇はするものの、
その上昇は非常に僅かなものである。従って、上記ヒー
トシンク及び冷却ファンは主に撮影時のインバータ回路
2の温度上昇の抑制のため必要であったが、高電圧変圧
器タンク内に注入される絶縁油は上述したように絶縁耐
圧の確保と同時に高電圧変圧器3の冷却という二つの目
的を有するものであり、注入される絶縁油量は従来絶縁
耐圧の確保の点からのみ決定されていた。例えば、最高
150kVに達する高電圧変圧器3の二次巻線と,通常
アース電位とする高電圧変圧器タンクとの絶縁耐圧を確
保するためにはそれ相応の大きな絶縁距離を設けなけれ
ばならなく、そのスペース一杯に絶縁油が満たされてい
た。しかし、上述したように絶縁油及び高電圧変圧器タ
ンクの温度上昇は従来非常に小さかったため、単に冷却
という目的からのみ見れば、注入される絶縁油は必要以
上に多量であり、その意味でオーバースペックであっ
た。このように、インバータ回路2のヒートシンク及び
冷却ファンは比較的大きな体積と重量とを要し、高電圧
変圧器も大型であったので、これらは別々の筐体に収納
され分離して配置されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置では、先
述したように、以下のような課題及び改善されるべき点
などがあった。 (1)インバータ回路2と高電圧変圧器3との間の配線
のインダクタンス及び高電圧変圧器の一次巻線のインダ
クタンス成分が大きく、これによって電磁ノイズが発生
し、この対策に多くの費用と労力を費やしていた。
【0006】従来上記構成のX線高電圧装置において
は、インバータ回路2の出力から高電圧変圧器3に至る
電気的接続には通常銅線が用いられており、これには多
くのインダクタンス成分が含まれている。また高電圧変
圧器の一次巻線にも通常の銅線が用いられているのでこ
の巻線によるインダクタンス成分も含めた回路の寄生イ
ンダクタンス成分の存在により、上記スイッチング素子
で高周波の大電流をスイッチング毎に前記インダクタン
ス(このインダクタンスの大きさをLとする)によるL
×(di/dt)の電圧によって電磁ノイズが発生し、
これが制御回路や周辺機器に悪影響を与え、時には誤動
作を引き起こす場合もあった。また、特にX線テレビ装
置と組み合わせてX線透視画像を得る等の際には前記ノ
イズ対策として多くの費用と労力を費やさなければなら
ない等、抜本的な改善が望まれていた。このような問題
を引き起こす前記インダクタンス成分は、インバータ回
路2と高電圧変圧器3は別々の筐体に収納されているた
めこの間の配線が長いこと、これらの電気的接続(高電
圧変圧器も含めて)には通常の銅線が用いられているこ
と等のため、インダクタンスの低減に限界があった。
【0007】(2)上記インダクタンス成分の影響によ
り、インバータ回路2の動作周波数を上げられないため
に、高電圧変圧器の小型化や管電圧波形改善に限界があ
った。
【0008】最近の医用X線装置においては、診断能の
高い、鮮鋭なX線写真を撮るためにX線高電圧装置には
高精度で再現性の良い大電流,短時間制御が要求されて
おり、立ち上がりが高速で脈動の無い管電圧波形が求め
られている(図5に理想的な管電圧波形と実際の管電圧
波形とを比較して示す)。また、管電圧の立ち上がり、
立ち下がりの高速化は写真効果の向上及び軟X線による
被曝低減の意味からも強く要求されており、それらを実
現する手段としてインバータ動作周波数の高周波化が進
んでいる。ところが、そのインバータ動作周波数の高周
波化の障害になる一つの要因として、インバータ回路2
の出力から高電圧変圧器3に至る配線のインダクタンス
及び前記高電圧変圧器の一次巻線のインダクタンスの存
在がある。もし、これらのインダクタンスが大きいまま
にインバータ動作周波数を高くすると、インダクタンス
のインピーダンスは動作周波数の2乗に比例するから、
負荷に電流が十分に流れず、所定のX線出力が得られな
くなってしまうことになる。従って、高周波化のために
はこれらのインダクタンス成分の低減が必要となる。
【0009】さらに、最近の医用X線装置は、上述した
ような性能面だけでなく、設置面積の縮減,小型軽量
化,低価格化に対する要求が益々強まる一方であり、中
でも高電圧変圧器3が装置体積に占める割合は高く、高
電圧変圧器3を小型化するためにも高周波化が求められ
ている。本発明の目的は、インバータ回路と高電圧変圧
器間の配線のインダクタンス成分及び前記高電圧変圧器
の一次巻線のインダクタンス成分を小さくして、電磁ノ
イズの低減と高周波化を図り、周辺機器に障害を与える
ことなく、医用X線装置に要求される理想に近い管電圧
波形を得ることのでき、しかも設置面積が小さく、小型
・軽量で安価なインバータ式X線高電圧装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、直流電源と,
この直流電源電圧を高周波の交流電圧に変換するインバ
ータ回路と,このインバータ回路の出力電圧を昇圧する
高電圧変圧器と,この高電圧変圧器の出力を整流する高
電圧整流回路とを備え、この高電圧整流回路の出力電圧
である直流の高電圧をX線管に印加するインバータ式X
線高電圧装置において、上記インバータ回路の出力の二
端子のうち、少なくともどちらか一方にシート状の導体
を電気的に接続し、それより延長された前記シート状の
導体を上記高電圧変圧器の一次巻線とすることによって
達成される。このように、インバータ回路と高電圧変圧
器間の配線及び高電圧変圧器の一次巻線にシート状の導
体を用いることによって、前記インバータ回路の出力電
流が特定経路(方向)に集中して流れないので前記イン
バータ回路と高電圧変圧器間の配線及び高電圧変圧器の
一次巻線のインダクタンス成分を低減できる。したがっ
て、上記インバータ回路のスイッチング素子で高周波の
大電流をスイッチング毎に前記インダクタンス(このイ
ンダクタンスの大きさをLとする)によるL(di/d
t)の電圧によって発生する電磁ノイズを抑制でき、こ
れが制御回路や周辺機器に悪影響を与え、誤動作を引き
起こすのを防止できる。特に、X線テレビ装置と組み合
わせてX線透視画像を得る等の際には前記ノイズ対策の
費用と労力を軽減できるのでその効果は大きい。
【0011】また、上記インバータ回路のスイッチング
素子は直接的,あるいは熱伝導率の高い固定板を介して
間接的に上記高電圧変圧器を収納する容器の外壁面に装
着することによって、前記インバータ回路と高電圧変圧
器間の配線距離を短縮できる。これによって、さらにイ
ンバータ回路と高電圧変圧器間の配線のインダクタンス
成分は小さくなるので前記電磁ノイズ対策の軽減に一層
の効果を発揮するものである。
【0012】また、上記の方法によりインバータ回路と
高電圧変圧器間の配線及び高電圧変圧器の一次巻線のイ
ンダクタンス成分を低減することにより、前記インバー
タ回路の動作周波数をさらに高くすることができ、前記
高電圧変圧器の一層の小型化が可能となる。
【0013】以上のような解決手段を用いることによっ
て、電磁ノイズが周辺機器に障害を与えることなく、医
用X線装置に要求される理想に近い管電圧波形を得るこ
とができ、しかも設置面積が小さく、小型・軽量で安価
なインバータ式X線高電圧装置を得ることができるもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明によるインバ
ータ式X線高電圧装置の実装図である。このX線高電圧
装置は、コンバータ回路からの直流電圧をインバータ回
路を用いて高周波の交流電圧に変換し、その出力電圧を
昇圧した後整流して直流電圧をX線管に供給してX線を
放射するもので、図2の回路図に示される、コンバータ
回路1と,インバータ回路2と,高電圧変圧器3と,高
電圧整流回路4と,高電圧ケーブル5と,X線管6と,
管電圧検出器8と,ディジタル制御方式による管電圧フ
ィードバック制御装置9等を備えて構成される。
【0015】図1はそのうち、X線管6,管電圧検出器
8,及びディジタル制御方式による管電圧フィードバッ
ク制御装置9は除外して示してある。
【0016】次に、上記構成要素の機能について図1,
図2を参照しながらそれぞれ簡単に説明する。上記コン
バータ回路1は、直流電圧を供給する装置であり、50
Hzまたは60Hzの商用電源の電圧を整流すると共に
平滑コンデンサ11で平滑することによって直流電圧を
得るようになっている。インバータ回路2は、上記コン
バータ回路1から出力された直流電圧を受電して高周波
の交流電圧に変換すると共にX線管に出力される電圧
(以下管電圧)を制御するものである。高電圧変圧器3
は、上記インバータ回路2からの交流電圧を昇圧するも
ので、その一次巻線がインバータ回路2の出力側に接続
されている。
【0017】X線管6は、上記高電圧整流回路4からの
出力電圧を高電圧ケーブル5を介して入力しX線を放射
するもので、高電圧整流回路4の出力側に接続されてい
る。高電圧ケーブル5はブッシング18の形状にマッチ
したケーブルヘッド19を持ち、これによりX線管6へ
接続している。さらに、管電圧検出器8は、上記X線管
6に供給される管電圧を検出してインバータ回路2への
管電圧信号Vxを送出するものであり、上記整流回路4
の出力側にてX線管6の入力側に接続している。そし
て、上記フィードバック制御装置9は、目標管電圧信号
Vrと上記管電圧検出器8で検出した管電圧信号Vxを
入力して目標管電圧信号Vrと管電圧信号Vxとを比較
演算し上記X線管6の管電圧信号Vxが所定の電圧にな
るように上記インバータ回路2へ制御信号Sを送出する
ものである。
【0018】ここで、先ずインバータ回路2と高電圧変
圧器3のタンク12の構成及び部品配置について述べ
る。本実施例による主回路は図3に示すように、コンバ
ータ回路1とインバータ回路2が共に4つのスイッチン
グ素子IGBTを用いており、それぞれ図4に示すよう
な一つのパッケージに2つのIGBTが内蔵されている
タイプのIGBTモジュール13を2個用い、これによ
りフルブリッジを構成している。本発明によるコンバー
タ回路1及びインバータ回路2は、そのスイッチング素
子であるIGBTモジュール13がボルトにより高電圧
変圧器3,高電圧整流器4,及びブッシング18等を内
蔵し絶縁油20が注入された高電圧変圧器タンク12の
一外壁面に密着された状態で固定・保持されている。
【0019】さらに、コンバータ回路1の出力電圧を平
滑する平滑コンデンサ11には大容量のアルミ電解コン
デンサを用いており、耐電圧を高くするために2個直列
に接続している。
【0020】上記平滑コンデンサ11はコンバータ回路
1とインバータ回路2と共にその軸を高電圧変圧器タン
ク12の外壁面に沿うよう支持具等(図示省略)により
固定・保持される(図示省略)。次に、上述した主回路
構成要素の電気的接続の方法等について主に述べる。
【0021】コンバータ回路1の出力電圧を平滑するコ
ンデンサ11は、配線のインダクタンス成分を低減して
IGBTのスイッチング時のサージ電圧を抑制するため
と同時に最小限のスペース内に部品が配置されるようI
GBTモジュール13に可能な限り近接させる。
【0022】上記コンデンサ11は、図1のように必要
な電流容量と耐電圧を確保できる程度で薄く広い銅板2
1(必要に応じて折り曲げた形状のものもある)等を用
いて上記コンバータ回路1,インバータ回路2のIGB
Tモジュール13と最短距離で電気的に接続し前記平滑
コンデンサ11とコンバータ回路1間の配線のインダク
タンス成分の低減を図る。
【0023】3つの端子を有している上記IGBTモジ
ュール13の等価回路を図4に示すが、図4における3
つの端子は図1中のC1,C2E1,E2の端子にそれ
ぞれ対応している。IGBTモジュール13の上面には
スイッチング時のサージ電圧抑制のためのスナバ回路が
配置されたり、IGBT駆動用の配線(図示省略)など
が必要なため、IGBTモジュール13の上面のスペー
スはあまり複雑にならぬような実装が求められる。
【0024】このため、図1の例ではコンバータ回路1
用IGBTモジュール13の“E2”端子は、平滑コン
デンサ11に近い側のIGBTモジュール13の側面を
沿うように設けられた銅板21を介して平滑コンデンサ
11(2)のマイナス端子に電気的に接続されている。
【0025】続いて本発明の要部であるインバータ回路
2と高電圧変圧器3との電気的接続方法について詳細に
説明する。インバータ回路2から高電圧変圧器3に至る
配線14は、その間の配線のインダクタンスの低減を図
るため、インバータ回路2の二つの出力端子31,32
には共にシート状の導体が電気的に接続され、それを高
電圧変圧器3の方向に延長してある。この延長されたシ
ート状の導体は必要な電流容量を確保できる断面積を持
つ程度で可能な限り薄く広いものを用い、一次側のみ高
電圧変圧器タンク12の外に出されている高電圧変圧器
3に達し、そのまま上記高電圧変圧器3の一次巻線とし
て用いる。
【0026】上記二つのインバータ回路の出力端子3
1,32と電気的に接続している上記二つのシート状一
次巻線は、それぞれ絶縁紙16等を間に挟みその耐電圧
を確保しながら必要な巻数が高電圧変圧器タンク12外
に位置している変圧器鉄心7の片側脚部に巻かれるが、
それら二つのシート状巻線は互いに逆方向に巻かれてシ
ート状巻線の内側(鉄心7に近い側)にて互いが銅線で
接続される。また、上記シート状の導体の表面は絶縁紙
16で覆われ、耐電圧の強化と安全性の向上を図ってい
る。高電圧変圧器3の二次巻線15は、その電圧が15
0kVにも達するため絶縁油中に浸されており、その出
力は上記高電圧変圧器3の下部に設けられた高電圧整流
器4に達し、ブッシング18及び高電圧ケーブル5を介
してX線管6に至る。なお、スイッチング素子であるI
GBTモジュール13は、上記のように高電圧変圧器タ
ンク12の外壁面に直接固定せず、熱伝達率が高くかつ
機械的強度に耐えうる程度の薄い金属等の固定板に、一
旦コンバータ回路1,平滑コンデンサ11と共に固定
し、前記固定板を高電圧変圧器タンク12の外壁面に固
定・保持する方法でも構わない。
【0027】一方、X線制御回路9は、図示を省略する
が、インバータ回路2を固定した外壁面に支持具を設け
てIGBTモジュール13の前面に固定することが可能
である。
【0028】上記のようなシート状の導体によりインバ
ータ回路2と高電圧変圧器3とを電気的に接続し、上記
インバータ回路2を高電圧変圧器タンク12に直接固定
することにより、前記インバータ回路2と高電圧変圧器
3間の距離が非常に短くなることとインバータ回路の出
力電流が特定経路(方向)に集中して流れず等価的なイ
ンダクタンスを低減でき、周辺機器に有害な電磁ノイズ
の発生に抑制することが可能になる。
【0029】このように、インバータ回路2を高電圧変
圧器タンク12に直接固定した場合、このインバータ回
路2のスイッチング素子の発熱は以下のようにして抑制
される。
【0030】IGBTモジュール13での発熱の一部分
は以下に述べる経路の各プロセスにおいて直接周囲の空
気や電気配線経路あるいは各部品の支持具等にも伝達さ
れるが、上記発熱の大部分はIGBTモジュール13の
ケースに、このケースから(固定板を用いる場合には固
定板を介在した後)高電圧変圧器タンク12の壁面に、
この高電圧変圧器タンク12の壁面から高電圧変圧器タ
ンク12内部の絶縁油20へと順に伝達される。上記I
GBTモジュール13と高電圧変圧器タンク12外壁面
とのすき間には、例えばシリコングリース等が塗布され
て互いの密着度を高めて(接触面積を大きくすることで
接触熱抵抗を小さくして)おき、IGBTモジュール1
3での発熱を熱容量の大きい高電圧変圧器タンク12に
効率よく伝達させて、IGBTモジュール13の冷却効
果を高めるようにする。高電圧変圧器タンク12内の絶
縁油20は上述したように、従来、高電圧変圧器3のみ
の冷却という目的から見れば必要以上に多量であり、有
効に活用されてはいなかったが、上記の様な構成とする
ことにより、絶縁油20は高電圧変圧器3のみならずI
GBTモジュール13の冷却にも有効に活用でき、イン
バータ式X線高電圧装置にとってバランスのよい熱設計
となる。
【0031】なお、図1においては、インバータ回路2
の二つの出力端子31,32は共に導体板が延長されこ
れらが直接高電圧変圧器3の一次巻線として用いられた
が、インバータ2の出力側に共振用のコンデンサ10
(図2に図示)を接続したい場合には上記インバータ回
路2の出力端子のうち片側一方に銅線を用いてインバー
タ回路2の出力と高電圧変圧器3との間にコンデンサを
接続することも可能であるし、上記片側のインバータ出
力端子と上記共振コンデンサ10,及び上記共振コンデ
ンサ10と高電圧変圧器3との間をそれぞれ導体板で接
続することも可能である。
【0032】さらに、図1においては高電圧整流器4の
出力電圧は高電圧変圧器タンク12の側面を介して高電
圧ケーブル5に出力されているが、高電圧変圧器タンク
12側面のスペースを有効に使用したい場合等には高電
圧変圧器タンク12の上面を介して出力させてもよい。
【0033】また、高電圧変圧器3の一次側は上記高電
圧変圧器タンク12の上面から外部へ出されたが、上記
高電圧変圧器タンク12の上部を有効に活用したい場合
などには側面より外部に出すようにしてもよい。また、
上記の実施例において、インバータ回路2にはフルブリ
ッジ構成の回路方式としたが、これに限定するものでは
なくハーフブリッジ構成のインバータ回路方式でも良
い。
【0034】この構成では、前記フルブリッジ構成のも
のよりスイッチング素子の数が少なくて済むので実装が
簡素になるという効果がある。なお、コンバータ回路1
にはフルブリッジの4つのスイッチング素子の全てにI
GBTを用いるコンバータ回路を適用することとした
が、これは図3のコンバータ回路よりやや力率が低下す
るものの、二つのコンバータ回路1用IGBTモジュー
ルのうちどちらか一方をダイオードモジュールとするコ
ンバータ回路を用いてもよい。
【0035】あるいは、一切IGBTを用いず、IGB
Tモジュール13の代わりにダイオードモジュール又は
サイリスタモジュールを配置した整流方式としても良
い。ただし、この場合ダイオードあるいはサイリスタは
商用周波数でしか動作しないため発熱はあまり問題には
ならず、必ずしも固定板に設置して冷却効果を高める必
要はなく、他の部品との兼ね合いも考慮して設置しやす
い場所に配置すれば良い。
【0036】さらに、上述した実施例においてIGBT
モジュール13同士及びIGBTモジュール13と平滑
コンデンサ11との電気的接続は銅板21を用いている
が、この電気的接続は銅板を用いても電線を用いても構
わない。
【0037】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、インバータ回路と高電圧変圧器との間の配線のイン
ダクタンス及び前記高電圧変圧器の一次巻線のインダク
タンスを低減できるので、電磁ノイズの発生を抑制する
ことができる。特にX線テレビ装置と組み合わせてX線
透視画像を得る等の際にはノイズ対策として多くの費用
と労力を費やす必要がなくなる。
【0038】またインバータ回路の動作周波数を一層高
周波化できるので、高電圧変圧器のさらなる小型化と理
想に近い管電圧波形を得ることができるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示すインバータ式X線
高電圧装置の実装図である。
【図2】インバータ式X線高電圧装置の回路構成図であ
る。
【図3】図1の本発明の第一の実施例におけるコンバー
タ回路とインバータ回路の回路図である。
【図4】図1に示す実施例に使用するIGBTモジュー
ルの等価回路図である。
【図5】医用X線装置における管電圧の理想的波形図及
び実際の波形図である。
【符号の説明】
1 コンバータ回路 2 インバータ回路 3 高電圧変圧器 4 高電圧整流器 5 高電圧ケーブル 6 X線管 7 高電圧変圧器鉄心 10 共振用コンデンサ 11 平滑コンデンサ 12 高電圧変圧器収納容器 13 IGBTモジュール 14 インバータ回路から高電圧変圧器に至る配線(高
電圧変圧器一次巻線含む) 15 高電圧変圧器二次巻線 16 絶縁紙 17 コンデンサ支持具 18 ブッシング 19 ケーブルヘッド 20 絶縁油 21 銅板
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05G 1/20 H05G 1/20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源と,この直流電源電圧を高周波
    の交流電圧に変換するインバータ回路と,このインバー
    タ回路の出力電圧を昇圧する高電圧変圧器と,この高電
    圧変圧器の出力を整流する高電圧整流回路とを備え、こ
    の高電圧整流回路の出力電圧である直流の高電圧をX線
    管に印加するインバータ式X線高電圧装置において、上
    記インバータ回路の出力の二端子のうち、少なくともど
    ちらか一方にシート状の導体を電気的に接続し、それよ
    り延長された前記シート状の導体を上記高電圧変圧器の
    一次巻線とすることを特徴とするインバータ式X線高電
    圧装置。
  2. 【請求項2】 上記インバータ回路のスイッチング素子
    は直接的,あるいは熱伝導率の高い固定板を介して間接
    的に上記高電圧変圧器を収納する容器の外壁面に装着す
    ることを特徴とする請求項1に記載のインバータ式X線
    高電圧装置。
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