JPH11205151A - 変調器およびオーバサンプル形a/d変換器 - Google Patents

変調器およびオーバサンプル形a/d変換器

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JPH11205151A
JPH11205151A JP325098A JP325098A JPH11205151A JP H11205151 A JPH11205151 A JP H11205151A JP 325098 A JP325098 A JP 325098A JP 325098 A JP325098 A JP 325098A JP H11205151 A JPH11205151 A JP H11205151A
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武司 塩谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変調精度の高い変調器を提供する。 【解決手段】積分器14は入力アナログ信号とフィード
バック信号との差電圧を積分入力電圧とし、該積分入力
電圧と第1の基準電圧との差電圧を積分する。量子化回
路4は第2の基準電圧との大小関係により積分器14の
積分出力を量子化する。サンプリング容量列9は重み付
けられた複数の容量から構成され、量子化回路4の出力
からフィードバック信号を生成する。スイッチ群11は
サンプリング容量列9を構成する複数の容量をフィード
バック信号を生成するための基準となる2種類の電圧源
Vrefp,Vrefmのそれぞれに切り換えて接続する複数の
スイッチから構成される。デジタルロジック13はスイ
ッチ群11を予め設定されたタイミングで切り換える。
量子化回路14は比較器を用いて構成され、インバータ
42、容量41、スイッチ40を備える。そして、前記
第1の基準電圧と第2の基準電圧とを単位利得増幅器1
31のオフセット電圧と等しい電圧となるよう動作す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変調器およびオー
バサンプル形A/D変換器に係り、詳しくは、アナログ
信号をデジタル符号化するオーバサンプル形A/D変換
器、および、当該A/D変換器において用いられる変調
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、オーバサンプル形A/D変換器
の基本構成を表すブロック図である。オーバサンプル形
A/D変換器は、入力端子1、変調器80、デジタルフ
ィルタ81、出力端子100から構成されている。
【0003】変調器80は、入力端子1から入力された
アナログ信号を当該アナログ信号の周波数に比べて非常
に高い周波数でサンプリングし、そのサンプリングされ
たアナログ信号を量子化することにより、アナログ信号
をデジタル信号に変調する。デジタルフィルタ81は、
変調器80から出力されるデジタル信号の高域に含まれ
る量子化雑音を除去すると共に、デジタル信号のサンプ
リングレートを低下させる。その量子化雑音が除去され
ると共にサンプリングレートが低下されたデジタル信号
は、出力端子100から出力される。
【0004】図10(a)〜(c)は、変調器80の諸
形式を表すブロック図ある。尚、図10において、図9
に示すものと同じ構成部材については符号を等しくして
ある。図10(a)は、1次ΔΣ形の変調器80の基本
構成を表すブロック図である。
【0005】1次ΔΣ形の変調器80は、入力端子1、
加算器91、積分器14、量子化回路4、遅延器90、
D/A変換器93、出力端子101から構成されてい
る。加算器91は、入力端子1から入力されたアナログ
信号からD/A変換器93の出力を差し引く。積分器1
4は加算器91の出力を積分し、量子化回路4は積分器
14の出力を量子化する。量子化回路4の出力は、出力
端子101から出力されると共に、遅延器90を介して
D/A変換器93に帰還される。
【0006】つまり、1次ΔΣ形の変調器80は、入力
端子1から入力されたアナログ信号と、量子化回路4か
ら出力された量子化信号との差を積分器14にて積分
し、その積分結果が最小となるような量子化信号を得る
変調器である。ここで、変調器80を、入力端子1から
入力されたアナログ信号の周波数に比べて非常に高い周
波数で動作させると、積分器14の特性により量子化雑
音は高い周波数帯域に分布するようになる。この高い周
波数帯域に分布する量子化雑音は、出力端子101から
の出力が入力されるデジタルフィルタ81によって除去
されるので、入力端子1から入力されたアナログ信号に
対して高精度なA/D変換を行うことができる。
【0007】図10(b)は、2次ΔΣ形の変調器80
の基本構成を表すブロック図である。2次ΔΣ形の変調
器80は、入力端子1、加算器91,92、積分器1
4,15、量子化回路4、遅延器90、D/A変換器9
3、出力端子101から構成されている。
【0008】加算器91は、入力端子1から入力された
アナログ信号からD/A変換器93の出力を差し引く。
積分器14は加算器91の出力を積分する。加算器92
は、積分器14の出力からD/A変換器93の出力を差
し引く。積分器15は加算器92の出力を積分し、量子
化回路4は積分器15の出力を量子化する。量子化回路
4の出力は、出力端子101から出力されると共に、遅
延器90を介してD/A変換器93に帰還される。
【0009】つまり、2次ΔΣ形の変調器80は、1次
ΔΣ形の変調器を拡張して積分器を2段に設けた変調器
であり、1次ΔΣ形の変調器よりもさらに高精度なA/
D変換を行うことができる。図10(c)は、1次予測
1次ノイズシェイピング形の変調器80の基本構成を表
すブロック図である。
【0010】1次予測1次ノイズシェイピング形の変調
器80は、入力端子1、加算器91,92、積分器1
4,15、量子化回路4、遅延器90、D/A変換器9
3、出力端子101から構成されている。加算器91
は、入力端子1から入力されたアナログ信号からD/A
変換器93の出力を差し引く。積分器14は加算器91
の出力を積分し、量子化回路4は積分器14の出力を量
子化する。量子化回路4の出力は遅延器90を介して、
加算器92へ送られると共に、積分器15へ送られる。
積分器15は遅延器90の出力を積分する。積分器15
の出力は、出力端子101から出力されると共に、加算
器92へ送られる。加算器92は、遅延器90の出力と
積分器15の出力とを加算する。加算器92の出力はD
/A変換器93に帰還される。
【0011】つまり、1次予測1次ノイズシェイピング
形の変調器80は、量子化回路4から出力された量子化
信号を積分器15にて積分し、その積分結果をアナログ
信号を予測する予測信号とし、その予測信号と入力端子
1から入力されたアナログ信号との差を積分器14にて
積分し、その積分結果が最小となるような量子化信号を
得る変調器である。従って、1次予測1次ノイズシェイ
ピング形の変調器80によれば、予測信号にてアナログ
信号を予測するため、1次ΔΣ形の変調器よりもさらに
高精度なA/D変換を行うことができる。
【0012】図11は、特公平7−79243号公報に
開示された1次予測1次ノイズシェイピング形の変調器
80を表すブロック図である。尚、図11において、図
10(c)に示す変調器80と同じ構成部材については
符号を等しくしてある。積分器14は、演算増幅器2、
スイッチ20〜24、積分容量5、サンプリング容量
7,8から構成されている。入力端子1と演算増幅器2
の反転入力端子との間には、スイッチ20,サンプリン
グ容量7,スイッチ23がこの順番で直列に接続されて
いる。スイッチ20とサンプリング容量7の間のノード
はスイッチ21を介して接地されている。サンプリング
容量7とスイッチ23との間のノードは、スイッチ22
を介して接地されると共に、サンプリング容量8を介し
てサンプリング容量列9に接続されている。サンプリン
グ容量8とサンプリング容量列9との間のノードはスイ
ッチ24を介して接地されている。演算増幅器2の反転
入力端子と出力端子との間には積分容量5が接続され、
演算増幅器2の非反転入力端子は接地されている。
【0013】量子化回路4は比較器102により構成さ
れ、比較器102の非反転入力端子には演算増幅器2の
出力端子が接続され、比較器102の反転入力端子は接
地され、比較器102の出力端子はデジタルロジック1
3に接続されている。D/A変換器93は、デジタルロ
ジック13、サンプリング容量列9、スイッチ群11か
ら構成されている。サンプリング容量列9は2進の重み
付けされた複数の容量から構成され、その各容量に直列
接続されたスイッチa0,b0,a1,b1,a2,b
2,a3,b3,a4,b4,a5,b5から構成され
るスイッチ群11により、各容量は各々D/A変換器9
3の基準となる電圧源Vrefp,Vrefmのいずれかに接続
される。デジタルロジック13は、量子化回路4の出力
に基づいて、スイッチ群11を構成する各スイッチのオ
ン・オフ動作を制御する。尚、デジタルロジック13
は、遅延器90および積分器15の機能をも有し、出力
端子101に接続されている。
【0014】図12に、積分器14の各スイッチ20〜
24のオン・オフ動作を制御するための制御信号のタイ
ミングチャートを示す。各制御信号f1,f2は、互い
の論理レベルが「1」となる重複期間が存在せず、互い
の論理レベルが「0」となる非重複期間が存在する2相
クロックである。
【0015】各スイッチ20,22は、制御信号f1に
従ってオン・オフ動作が制御され、その論理レベルが
「1」のときにオンし、「0」のときにオフする。ま
た、各スイッチ21,23,24は、制御信号f2に従
ってオン・オフ動作が制御され、その論理レベルが
「1」のときにオンし、「0」のときにオフする。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図11に示す積分器1
4は、入力端子1から入力されるアナログ信号と、D/
A変換器93(サンプリング容量列9)から入力される
フィードバック信号とを入力する2入力形の積分器であ
って、アナログ入力信号とフィードバック信号の各々の
電圧と、演算増幅器2の非反転入力に入力される接地電
圧との差電圧を積分する働きをする。ここで、説明を簡
略化するため、図13に示すように、積分器14からス
イッチ24およびサンプリング容量8を省いた1入力形
の積分器14aを例にとり、従来の技術の問題点を説明
する。
【0017】積分器14aにおいて、まず、積分容量5
に蓄積された電荷を零とし、制御信号f1の論理レベル
が「1」(制御信号f2の論理レベルが「0」)のとき
に、積分容量5に充電される電荷Q1と、サンプリング
容量7に充電される電荷Q2とを式(1)(2)によっ
て求める。このとき、入力端子1に入力されるアナログ
信号の電圧(入力電圧)をVin、演算増幅器2の出力端
子110から出力される出力電圧をVout1とする。ま
た、積分容量5の容量値をC0、サンプリング容量7の
容量値をC1とする。
【0018】演算増幅器2の非反転入力端子に入力され
る接地電圧は0Vだから、Q1,Q2は各々Vout1、
Vinと接地電圧0Vとの差電圧と各容量値C0,C1の
積で表され、次のように求められる。 Q1=C0・(Vout1−0)=0 ………(式1) Q2=C1・(Vin−0) ………(式2) そして、制御信号f1の論理レベルが「0」(制御信号
f2の論理レベルが「1」)に切り替わったとき、積分
容量5に充電される電荷Q3と、サンプリング容量7に
充電される電荷Q4とを式(3)(4)によって求め
る。このとき、演算増幅器2の出力端子110から出力
される出力電圧(積分器14の出力電圧)をVout2と
する。
【0019】 Q3=C0・(Vout2−0) ………(式3) Q4=0 ………(式4) 積分容量5およびサンプリング容量7に蓄積された電荷
には電荷保存則が成り立つため、その総和は一定であ
り、式(1)〜式(4)から式(5)が求められる。
【0020】 Vout2=(C1/C0)・Vin ………(式5) ところで、演算増幅器2がオフセット電圧Voffを有す
る場合、図13に示す積分器14aの等価回路は、図1
4に示す積分器14bのようになる。積分器14bにお
いては、演算増幅器2の非反転入力端子に直流電源11
1が接続されて、オフセット電圧Voffが印加されてい
る。
【0021】積分器14bにおいて、式(1)〜式
(5)と同様の条件で解析を行うと、式(6)〜式(1
0)が求められる。 Q1=C0・(Vout1−Voff)=0 ………(式6) Q2=C1・Vin ………(式7) Q3=C0・(Vout2−Voff) ………(式8) Q4=C1・(−Voff) ………(式9) Vout2=Voff+(C1/C0)・(Vin+Voff) ………(式10) 式(10)に示すように、演算増幅器2がオフセット電
圧Voffを有すると、演算増幅器2の出力電圧Vout2に
オフセット電圧Voffの影響が現れることになり、積分
器14bの出力側からみるとオフセット電圧Voff分だ
け入力電圧Vinが増えたのと同じことになるため、オフ
セット電圧Voffに対応して出力電圧Vout2が大きくな
ってしまう。
【0022】同様に、図11に示す2入力形の積分器1
4においても、演算増幅器2がオフセット電圧を有する
と、演算増幅器2の出力電圧にオフセット電圧の影響が
現れ、そのオフセット電圧に対応して出力電圧が不要に
大きくなってしまう。従来の1次予測1次ノイズシェイ
ピング形の変調器80において、量子化回路4を構成す
る比較器102は、入力端子1から入力されるアナログ
信号の最大入力振幅の中間電位(この例では、接地電
圧)を基準に、積分器14の出力が大きいか小さいかを
判定して、量子化を行うようになっている。従って、演
算増幅器2がオフセット電圧を有すると、そのオフセッ
ト電圧の影響で積分器14の出力が不正確になるため、
量子化回路4の出力も不正確になる。その結果、1次予
測1次ノイズシェイピング形の変調器80は変調精度が
低下することになる。
【0023】ところで、図10に示すように、1次ΔΣ
形の変調器80は、1次予測1次ノイズシェイピング形
の変調器80から積分器15および加算器92を省いた
構成であり、1次予測1次ノイズシェイピング形の変調
器80における積分器15はデジタルロジック13によ
って構成されている。そのため、1次ΔΣ形の変調器8
0においても、積分器14を構成する演算増幅器2がオ
フセット電圧を有する場合、1次予測1次ノイズシェイ
ピング形の変調器80と同様に、変調精度が低下するこ
とになる。
【0024】図15は、2次ΔΣ形の変調器80の具体
例を表すブロック図である。尚、図15において、図1
0(b)および図11に示す変調器80と同じ構成部材
については符号を等しくしてある。積分器14は、演算
増幅器2、スイッチ20〜23,28、積分容量5、サ
ンプリング容量7から構成されている。入力端子1と演
算増幅器2の反転入力端子との間には、スイッチ20,
サンプリング容量7,スイッチ23がこの順番で直列に
接続されている。スイッチ20とサンプリング容量7の
間のノードはスイッチ21を介して接地されている。サ
ンプリング容量7とスイッチ23との間のノードは、ス
イッチ22を介して接地されると共に、サンプリング容
量9aを介してスイッチ群11に接続されている。サン
プリング容量9aとスイッチ群11との間のノードは、
スイッチ28を介して接地されている。演算増幅器2の
反転入力端子と出力端子との間には積分容量5が接続さ
れ、演算増幅器2の非反転入力端子は接地されている。
【0025】積分器15は、演算増幅器3、スイッチ2
4〜27,29、積分容量6、サンプリング容量8から
構成されている。演算増幅器2の出力端子と演算増幅器
3の反転入力端子との間には、スイッチ24,サンプリ
ング容量8,スイッチ27がこの順番で直列に接続され
ている。スイッチ24とサンプリング容量8の間のノー
ドはスイッチ25を介して接地されている。サンプリン
グ容量8とスイッチ27との間のノードは、スイッチ2
6を介して接地されると共に、サンプリング容量9bを
介してスイッチ群12に接続されている。サンプリング
容量9bとスイッチ群12との間のノードは、スイッチ
29を介して接地されている。演算増幅器3の反転入力
端子と出力端子との間には積分容量6が接続され、演算
増幅器3の非反転入力端子は接地されている。
【0026】D/A変換器93は、デジタルロジック1
3、サンプリング容量9a,9b、スイッチ群11,1
2から構成されている。サンプリング容量9aに直列接
続されたスイッチf11,f12から構成されるスイッ
チ群11により、サンプリング容量9aは各々D/A変
換器93の基準となる電圧源Vrefp,Vrefmのいずれか
に接続される。また、サンプリング容量9bに直列接続
されたスイッチf15,f16から構成されるスイッチ
群12により、サンプリング容量9bは各々D/A変換
器93の基準となる電圧源Vrefp,Vrefmのいずれかに
接続される。デジタルロジック13は、図12に示す制
御信号f1,f2および量子化回路4の出力に基づい
て、各スイッチ群11,12を構成する各スイッチのオ
ン・オフ動作を制御する。尚、デジタルロジック13は
遅延器90の機能をも有する。
【0027】各スイッチ20,22,25,27,29
は、図12に示す制御信号f1に従ってオン・オフ動作
が制御され、その論理レベルが「1」のときにオンし、
「0」のときにオフする。また、各スイッチ21,2
3,24,26,28は、制御信号f2に従ってオン・
オフ動作が制御され、その論理レベルが「1」のときに
オンし、「0」のときにオフする。
【0028】このように構成された2次ΔΣ形の変調器
80における積分器14は、入力端子1に入力されるア
ナログ信号と、サンプリング容量9aおよびスイッチ群
11などにより形成されるフィードバック信号とを入力
する2入力の積分器であって、アナログ入力信号とフィ
ードバック信号の各々の電圧と、演算増幅器2の非反転
入力端子に入力される接地電圧との差電圧を積分する働
きをする。また、積分器15も積分器14の出力信号
と、サンプリング容量9bおよびスイッチ群12などに
より形成されるフィードバック信号とを入力する2入力
の積分器であって、積分器14の出力信号とフィードバ
ック信号の各々の電圧と、演算増幅器3の非反転入力端
子に入力される接地電圧との差電圧を積分する働きをす
る。
【0029】しかし、図11の1次予測1次ノイズシェ
イピング形変調器80の場合と同様に、簡単に説明する
ために、図15の積分器14,15を1入力の積分器と
して演算増幅器2,3のオフセット電圧の影響を調べて
みる(図15においてサンプリング容量9a,9bおよ
びスイッチ群11,12を省略して演算増幅器2,3の
オフセット電圧の影響を調べてみる)。
【0030】入力端子1に入力されるアナログ信号の電
圧(入力電圧)をVin、演算増幅器3の出力端子から出
力される出力電圧(積分器15の出力電圧)をVo1と
する。また、積分容量5の容量値をC2、積分容量6の
容量値をC0、サンプリング容量7の容量値をC3、サ
ンプリング容量8の容量値をC1とする。
【0031】そして、演算増幅器2がオフセット電圧V
off1を有し、演算増幅器3がオフセット電圧Voff2を
有する場合、式(10)と同様に解析を行うと、式(1
1)が求められる。 Vo1=Voff2+(C1/C0) ・{Voff1+(C3/C2)・(Vin+Voff1)+Voff2} ………(式11) 式(11)に示すように、各演算増幅器2,3がそれぞ
れオフセット電圧Voff1,Voff2を有すると、演算増
幅器3の出力電圧Vo1に各オフセット電圧Voff1,V
off2の影響が現れることになり、各オフセット電圧Vo
ff1,Voff2に対応して出力電圧Vo1が大きくなって
しまう。
【0032】式(11)は1入力の積分器で考えたが、
積分器14,15が図15に示されるような2入力の積
分器であっても同様に、積分器15の出力電圧は各オフ
セット電圧Voff1,Voff2に対応して大きくなってし
まう。従来の2次ΔΣ形の変調器80において、量子化
回路4を構成する比較器102は、入力端子1から入力
されるアナログ信号の最大入力振幅の中間電位(この例
では、接地電位)を基準に、積分器15の出力が大きい
か小さいかを判定して、量子化を行うようになってい
る。従って、各演算増幅器2,3がオフセット電圧を有
すると、それらのオフセット電圧の影響で積分器14,
15の出力が不正確になるため、量子化回路4の出力も
不正確になる。その結果、2次ΔΣ形の変調器80は変
調精度が低下することになる。
【0033】このように、図10に示すいずれの形式の
変調器80においても、積分器14,15を構成する演
算増幅器2,3がオフセット電圧を有すると、変調器8
0の変調精度が低下することになる。ところで、積分器
14,15が図11および図15に示す構成をとらない
場合でも、積分器14,15が演算増幅器や他の増幅器
を用いて構成されている場合には、その演算増幅器また
は他の増幅器がオフセット電圧を有すると、やはり変調
器80の変調精度が低下する。
【0034】そして、変調器80の変調精度が低下する
と、オーバサンプル形A/D変換器のA/D変換精度も
低下することになる。本発明は上記問題点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、変調精度の高
い変調器を提供することにある。また、本発明の別の目
的は、変調精度の高い変調器を用いたA/D変換精度の
高いオーバサンプル形A/D変換器を提供することにあ
る。
【0035】
【課題を解決するための手段】かかる目的を解決するた
めになされた請求項1に記載の発明は、積分入力電圧と
第1の基準電圧との差電圧を積分するための積分器と、
比較器を用いて構成され、前記積分器の積分出力が第2
の基準電圧より大きいか小さいかを判定して量子化する
量子化回路とを備えた変調器である。そして、前記積分
器はオフセット電圧を有する増幅器を用いて構成される
と共に、前記第1および第2の基準電圧が、前記積分器
を構成する増幅器のオフセット電圧と等しい電圧であ
る。
【0036】従って、本発明によれば、積分器は、積分
入力電圧と、オフセット電圧と等しい第1の基準電圧と
の差電圧を積分する。また、量子化回路は、オフセット
電圧と等しい第2の基準電圧より、積分器の積分出力が
大きいか小さいかを判定して量子化する。そのため、増
幅器がオフセット電圧を有する場合でも、積分器による
積分動作と量子化回路の比較器による比較動作とが増幅
器のオフセット電圧を基準に行われるため、そのオフセ
ット電圧が積分動作および比較動作に影響を与えること
はない。そのため、増幅器の有するオフセット電圧の影
響を回避することが可能になり、高い変調精度を得るこ
とができる。
【0037】次に、請求項2に記載の発明は、入力アナ
ログ信号とフィードバック信号との差電圧を積分入力電
圧とし、該積分入力電圧と第1の基準電圧との差電圧を
積分するための積分器と、前記積分器の積分出力が第2
の基準電圧より大きいか小さいかを判定して量子化する
量子化回路と、前記量子化回路の出力から第1の基準電
圧を生成する第1のサンプリング容量と、前記第1のサ
ンプリング容量を2種類の基準電圧源のそれぞれに切り
換えて接続する各スイッチから構成される第1のスイッ
チ群と、前記第1のスイッチ群を予め設定されたタイミ
ングで切り換える制御ロジックとを備えた変調器であ
る。そして、前記積分器は、オフセット電圧を有する増
幅器と、積分結果の電圧を保持するための積分容量と、
第2のサンプリング容量および複数のスイッチから構成
された第2のスイッチ群から成り、入力アナログ信号を
一定周期でサンプリングし、得られた電荷を前記積分容
量に転送すると共に、サンプリング期間中に前記増幅器
に前記第1の基準電圧を入力し、これに対するオフセッ
ト電圧を増幅器に生じさせる働きをする回路とを備え
る。また、前記第1のサンプリング容量は、前記第2の
サンプリング容量と並列に、前記増幅器に接続されてフ
ィードバック信号をサンプリングする。さらに、前記量
子化回路は、前記積分器を構成する増幅器の出力端子と
容量を介して接続されたインバータと、前記積分器のサ
ンプリング期間中に前記インバータの入出力端子を短絡
するスイッチとを備えた比較器を用いて構成され、前記
第1および第2の基準電圧が、前記積分器を構成する増
幅器のオフセット電圧と等しい電圧である。
【0038】従って、本発明によれば、請求項1に記載
の発明と同様の作用により、量子化回路を構成するイン
バータの入力電圧に積分器を構成する増幅器のオフセッ
ト電圧が含まれないため、増幅器のオフセット電圧の影
響を回避することが可能になり、変調精度の高い変調器
を得ることができる。
【0039】ところで、請求項2に記載の変調器におい
て、請求項3に記載の発明のように、前記第1のサンプ
リング容量が重み付けられた複数の容量を備えた容量列
から成の場合は1次予測1次ノイズシェイピング形の変
調器を得ることができる。また、請求項2または請求項
3に記載の変調器において、前記積分器を構成する増幅
器は、請求項4に記載の発明のように単位利得増幅器か
ら成るか、または、請求項5に記載の発明のように演算
増幅器から成る。
【0040】次に、請求項6に記載の発明は、請求項2
〜5のいずれか1項に記載の変調器において、前記積分
器は、入力アナログ信号と第1のフィードバック信号と
の差電圧を第1の積分入力電圧とし、該第1の積分入力
電圧と第1の基準電圧との差電圧を積分するための第1
の積分器と、第1の積分器の積分出力と第2のフィード
バック信号との差電圧を第2の積分入力電圧とし、該第
2の積分入力電圧と第3の基準電圧との差電圧を積分す
るための第2の積分器とより成る。また、前記量子化回
路は、前記第2の積分器の積分出力が第2の基準電圧よ
り大きいか小さいかを判定して量子化する。そして、前
記量子化回路の出力から第1のフィードバック信号を生
成する第1のサンプリング容量と、前記量子化回路の出
力から第2のフィードバック信号を生成する第3のサン
プリング容量と、前記第1のサンプリング容量をフィー
ドバック信号を生成するための基準となる2種類の電圧
源のそれぞれに切り換えて接続する各スイッチから構成
される第1のスイッチ群と、前記第3のサンプリング容
量を前記2種類の電圧源のそれぞれに切り換えて接続す
る各スイッチから構成される第3のスイッチ群と、前記
第1および第3のスイッチ群を予め設定されたタイミン
グで切り換える制御ロジックとを備えた変調器である。
そして、前記第1の積分器は、オフセット電圧を有する
第1の増幅器と、第1の積分結果の電圧を保持するため
の第1の積分容量と、第2のサンプリング容量および複
数のスイッチから構成された第2のスイッチ群から成
り、入力アナログ信号を一定周期でサンプリングし、得
られた電荷を前記第1の積分容量に転送すると共に、サ
ンプリング期間中に前記第1の増幅器に前記第1の基準
電圧を入力し、これに対するオフセット電圧を第1の増
幅器に生じさせる働きをする回路とを備える。また、前
記第1のサンプリング容量は、前記第2のサンプリング
容量と並列に、前記第1の増幅器に接続されて第1のフ
ィードバック信号をサンプリングする。前記第2の積分
器は、オフセット電圧を有する第2の増幅器と、第2の
積分結果の電圧を保持するための第2の積分容量と、第
4のサンプリング容量および複数のスイッチから構成さ
れた第4のスイッチ群から成り、前記第1の積分出力を
一定周期でサンプリングし、得られた電荷を前記第2の
積分容量に転送すると共に、サンプリング期間中に前記
第2の増幅器に前記第3の基準電圧を入力し、これに対
するオフセット電圧を第2の増幅器に生じさせる働きを
する回路とを備える。また、前記第3のサンプリング容
量は、前記第4のサンプリング容量と並列に、前記第2
の増幅器に接続されて第2のフィードバック信号をサン
プリングする。そして、前記量子化回路は、前記第2の
積分器を構成する第2の増幅器の出力端子と容量を介し
て接続されたインバータと、前記第2の積分器のサンプ
リング期間中に前記インバータの入出力端子を短絡する
スイッチとを備えた比較器を用いて構成され、前記第2
および第3の基準電圧が、前記第2の積分器を構成する
第2の増幅器のオフセット電圧と等しい電圧である。
【0041】従って、本発明によれば、量子化回路を構
成するインバータの入力電圧に第2の増幅器のオフセッ
ト電圧が含まれないため、第2の増幅器のオフセット電
圧の影響を回避することが可能になる。また、第4のサ
ンプリング容量を第2の積分容量よりも十分に小さく設
定することにより、第1の増幅器のオフセット電圧の影
響をあまり受けないようにすることが可能になり、変調
精度の高い変調器を得ることができる。
【0042】次に、請求項7に記載の発明は、請求項4
に記載の変調器において、前記単位利得増幅器はソース
ホロワ回路によって構成されている。ソースホロワ回路
はオフセット電圧が大きいが、請求項4に記載の変調器
によれば、オフセット電圧の影響を回避することが可能
であるため、簡単なソースホロワによって構成される単
位利得増幅器を用いることができる。また、単位利得増
幅器はゲインが1であるため、ゲイン無限大の演算増幅
器に比べて雑音の影響を受けにくい。
【0043】従って、本発明によれば、ソースホロワに
よって構成される単位利得増幅器の優れた特徴(簡単な
構造で低消費電力かつ高速動作が可能)を備えた、低消
費電力で高速かつ高精度な変調器を得ることができる。
そして、請求項8に記載の発明のように、変調精度の高
い請求項1〜7のいずれか1項に記載の変調器と、前記
変調器の出力から量子化雑音を除去するフィルタとを組
み合わせれば、A/D変換精度の高いオーバサンプル形
A/D変換器を得ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図面と共に説明する。尚、本
実施形態において、図9〜図12に示した従来の形態と
同じ構成部材については符号を等しくしてその詳細な説
明を省略する。
【0045】図1は、本実施形態の1次予測1次ノイズ
シェイピング形の変調器80を表すブロック図である。
積分器14は、単位利得増幅器131、第2のスイッチ
群としてのスイッチ20〜25、積分容量5、第1のサ
ンプリング容量7から構成されている。単位利得増幅器
131はゲインが1の増幅器である。単位利得増幅器1
31の入力端子は、直列に接続された各スイッチ21,
20を介して入力端子1に接続されると共に、スイッチ
22を介して接地されると共に、直列に接続されたスイ
ッチ23および積分容量5を介して接地されると共に、
スイッチ24,25を介してスイッチ群11に接続され
ている。各スイッチ20,21間のノードと単位利得増
幅器131の出力端子との間にはサンプリング容量7が
接続されている。単位利得増幅器131の出力端子には
サンプリング容量列9が接続されている。
【0046】量子化回路4は比較器により構成され、そ
の比較器は、スイッチ40、容量41、インバータ4
2,43、ラッチ回路44から構成されている。各イン
バータ42,43は直列に接続され、容量41はインバ
ータ42の入力端子と単位利得増幅器131の出力端子
との間に接続され、スイッチ40はインバータ42の入
出力端子間に接続され、インバータ43の出力端子はラ
ッチ回路44を介してデジタルロジック(制御ロジッ
ク)13に接続されている。
【0047】D/A変換器93は、デジタルロジック1
3、サンプリング容量列9、第1のスイッチ群11から
構成されている。サンプリング容量列9は2進の重み付
けされた複数の容量から構成され、その各容量に直列接
続されたスイッチS0,S1,S2,S3,S4は、ス
イッチ25を介して単位利得増幅器131の入力端子に
接続されると共に、各スイッチf13,f14を介して
それぞれD/A変換器93の基準となる電圧源Vrefp,
Vrefmに接続されている。また、サンプリング容量列9
を構成するサンプリング容量9aは、スイッチ24を介
して単位利得増幅器131の入力端子に接続されると共
に、各スイッチf11,f12を介してそれぞれD/A
変換器93の基準となる電圧源Vrefp,Vrefmに接続さ
れている。デジタルロジック13は、図12に示す制御
信号f1および量子化回路4の出力に基づいて、スイッ
チ群11を構成する各スイッチS0,S1,S2,S
3,S4,f11,f12,f13,f14のオン・オ
フ動作を制御する。尚、デジタルロジック13は、遅延
器90および積分器15の機能をも有し、出力端子10
1に接続されている。
【0048】各スイッチ20,22,40は、図12に
示す制御信号f1に従ってオン・オフ動作が制御され、
その論理レベルが「1」のときにオンし、「0」のとき
にオフする。また、各スイッチ21,23,24,25
は、制御信号f2に従ってオン・オフ動作が制御され、
その論理レベルが「1」のときにオンし、「0」のとき
にオフする。
【0049】次に、本実施形態の作用について説明す
る。図1に示す積分器14は、入力端子1から入力され
るアナログ信号(入力アナログ信号)と、D/A変換器
93(サンプリング容量列9)から入力されるフィード
バック信号とを入力する2入力形の積分器である。ここ
で、説明を簡略化するため、図2に示すように、積分器
14から各スイッチ24,25を省いた1入力形の積分
器14aを例にとって説明する。
【0050】単位利得増幅器131の有するオフセット
電圧をVoffとすると、単位利得増幅器131の入力電
圧Vuiおよび出力電圧Vuoは式(12)によって表され
る。 Vuo=Vui+Voff ………(式12) 積分器14aにおいて、まず、積分容量5に蓄積された
電荷を零とし、制御信号f1の論理レベルが「1」(制
御信号f2の論理レベルが「0」)のときに、積分容量
5に充電される電荷Q1と、サンプリング容量7に充電
される電荷Q2とを式(13)(14)によって求め
る。このとき、入力端子1に入力されるアナログ信号の
電圧(入力電圧)をVinとする。また、積分容量5の容
量値をC0、サンプリング容量7の容量値をC1とす
る。
【0051】 Q1=0 ………(式13) Q2=C1・(Vin−Voff) ………(式14) このとき、量子化回路4において、容量41に蓄積され
る電荷Q41は、オンしたスイッチ40によりインバー
タ42の入出力端子間が短絡されているため、式(1
5)によって求められる。ここで、容量41の容量値を
C4、インバータ42のしきい値電圧をVithとする。
【0052】 Q41=C4・(Voff−Vith) ………(式15) そして、制御信号f1の論理レベルが「0」(制御信号
f2の論理レベルが「1」)に切り替わったとき、積分
容量5に充電される電荷Q3と、サンプリング容量7に
充電される電荷Q4とを式(16)(17)によって求
める。
【0053】 Q3=C0・Vui ………(式16) Q4=C1・(Vui−Vuo) ………(式17) 積分容量5およびサンプリング容量7に蓄積された電荷
には電荷保存則が成り立つため、その総和は一定であ
り、式(12)〜式(17)から式(18)が求められ
る。
【0054】 Vuo=Voff+(C1/C0)・Vin ………(式18) このとき、容量41に蓄積された電荷は保存されるた
め、インバータ42の入力電圧Viiは式(19)によっ
て求められる。 Vii=Vuo−(Voff−Vith) ………(式19) 式(18)および式(19)より式(20)が求められ
る。
【0055】 Vii=Vith+(C1/C0)・Vin ………(式20) 式(20)に示すように、インバータ42の入力電圧V
iiには単位利得増幅器131のオフセット電圧Voffは
含まれない。そして、インバータ42の出力電圧は、し
きい値電圧Vithを基準にして、しきい値電圧Vithより
入力電圧Viiが高いときは論理レベル「0」、低いとき
は論理レベル「1」に対応した値になる。
【0056】同様に、図1に示す2入力形の積分器14
においても、インバータ42の入力電圧Viiに単位利得
増幅器131のオフセット電圧Voffが含まれることは
ない。すなわち、制御信号f1に従ってスイッチ22が
オンしたとき、単位利得増幅器131の入力端子はスイ
ッチ22を介して接地され、そのとき単位利得増幅器1
31から出力されるオフセット電圧Voffを第1の基準
電圧とし、積分器14は、当該第1の基準電圧(=オフ
セット電圧Voff)と、入力端子1から入力される入力
アナログ信号との差電圧を積分する。そして、量子化回
路4は、制御信号f1に従ってスイッチ40がオンした
ときに積分器14から入力される単位利得増幅器131
のオフセット電圧Voffを第2の基準電圧とし、制御信
号f1に従ってスイッチ40がオフしたとき、当該第2
の基準電圧(=オフセット電圧Voff)が積分器14の
積分出力より大きいか小さいかを判定することにより量
子化を行う。
【0057】これは、積分器14における積分動作と量
子化回路4における比較動作とを、単位利得増幅器13
1のオフセット電圧Voffを基準にして行っていること
にほかならない。従って、本実施形態の1次予測1次ノ
イズシェイピング形の変調器80においては、積分器1
4を構成する単位利得増幅器131がオフセット電圧を
有する場合でも、そのオフセット電圧が量子化回路4の
出力に影響を与えることはない。そのため、本実施形態
の1次予測1次ノイズシェイピング形の変調器80によ
れば、単位利得増幅器131のオフセット電圧の影響を
回避することが可能になり、高い変調精度を得ることが
できる。その結果、図9に示すように、本実施形態の1
次予測1次ノイズシェイピング形の変調器80を用いて
構成されたオーバサンプル形A/D変換器によれば、高
いA/D変換精度を得ることができる。
【0058】図3(a)〜(c)は、単位利得増幅器1
31の具体例を表す回路図である。図3(a)に示す単
位利得増幅器131は、NチャネルMOSトランジスタ
32およびPチャネルMOSトランジスタ33から成る
CMOS回路によって構成され、NチャネルMOSトラ
ンジスタ32のドレインは高電位側電源VDDに接続さ
れ、PチャネルMOSトランジスタ33のドレインは低
電位側電源−VDDに接続され、各トランジスタ32,
33のゲートは単位利得増幅器131の入力端子30に
接続され、各トランジスタ32,33のソースは単位利
得増幅器131の出力端子31に接続されている。
【0059】図3(b)に示す単位利得増幅器131
は、NチャネルMOSトランジスタ32,35によって
構成され、NチャネルMOSトランジスタ32のドレイ
ンは高電位側電源VDDに接続され、NチャネルMOS
トランジスタ35のソースは低電位側電源−VDDに接
続され、NチャネルMOSトランジスタ32のゲートは
単位利得増幅器131の入力端子30に接続され、Nチ
ャネルMOSトランジスタ35のゲートはバイアス端子
34に接続され、NチャネルMOSトランジスタ32の
ソースおよびNチャネルMOSトランジスタ35のドレ
インは単位利得増幅器131の出力端子31に接続され
ている。バイアス端子34には低電位側電源−VDDの
電圧よりも若干高い電圧が印加され、NチャネルMOS
トランジスタ35は、NチャネルMOSトランジスタ定
32のソース抵抗として機能する。
【0060】図3(c)に示す単位利得増幅器131
は、PチャネルMOSトランジスタ33,36によって
構成され、PチャネルMOSトランジスタ36のソース
は高電位側電源VDDに接続され、PチャネルMOSト
ランジスタ33のドレインは低電位側電源−VDDに接
続され、PチャネルMOSトランジスタ33のゲートは
単位利得増幅器131の入力端子30に接続され、Pチ
ャネルMOSトランジスタ36のゲートはバイアス端子
34に接続され、PチャネルMOSトランジスタ33の
ソースおよびPチャネルMOSトランジスタ36のドレ
インは単位利得増幅器131の出力端子31に接続され
ている。バイアス端子34には高電位側電源VDDの電
圧よりも若干低い電圧が印加され、PチャネルMOSト
ランジスタ36は、PチャネルMOSトランジスタ定3
3のソース抵抗として機能する。
【0061】図3(a)〜(c)に示すようなソースホ
ロワ回路によって構成される単位利得増幅器131は、
オフセット電圧が大きいため、高い精度が必要とされる
用途では一般に用いられない。しかし、本実施形態の1
次予測1次ノイズシェイピング形の変調器80によれ
ば、単位利得増幅器131のオフセット電圧の影響が回
避されるため、簡単なソースホロワ回路によって構成さ
れる単位利得増幅器131を用いることができる。
【0062】ソースホロワ回路によって構成される単位
利得増幅器131には、以下の利点がある。 MOSトランジスタの縦続段数が2段であるため、M
OSトランジスタの縦続段数が3段である演算増幅器に
比べて、低電源電圧化を図ることが可能である。
【0063】演算増幅器に比べて消費電流が小さい。 上記より、低消費電力化に有利である。 位相補償容量を必要としないため高速動作が可能であ
る。 ゲインが1であるため、ゲイン無限大の演算増幅器に
比べて、MOSトランジスタの熱雑音の影響を受けにく
い。
【0064】上記〜より、ソースホロワ回路によっ
て構成される単位利得増幅器131を用いた積分器14
によれば、低消費電力で高速かつ高精度な変調器80お
よびオーバサンプリングA/D変換器を得ることができ
る。 (第2実施形態)次に、本発明を具体化した第2実施形
態を図面と共に説明する。尚、本実施形態において、第
1実施形態と同じ構成部材については符号を等しくして
その詳細な説明を省略する。
【0065】図4は、本実施形態の1次予測1次ノイズ
シェイピング形の変調器80を表すブロック図である。
積分器14は、演算増幅器2、第2のスイッチ群として
のスイッチ20〜25、積分容量5、第1のサンプリン
グ容量7から構成されている。演算増幅器2の反転入力
端子は、直列に接続されたサンプリング容量7およびス
イッチ20を介して入力端子1に接続されると共に、ス
イッチ22を介して演算増幅器2の出力端子に接続され
ると共に、直列に接続された積分容量5およびスイッチ
23を介して演算増幅器2の出力端子に接続されると共
に、サンプリング容量列9に接続されている。演算増幅
器2の非反転入力端子は接地されている。サンプリング
容量7とスイッチ20との間のノードはスイッチ21を
介して接地されている。
【0066】量子化回路4の構成は第1実施形態のそれ
と同じであり、容量41はインバータ42の入力端子と
演算増幅器2の出力端子との間に接続されている。D/
A変換器93は、デジタルロジック13、サンプリング
容量列9、第1のスイッチ群11から構成されている。
サンプリング容量列9は2進の重み付けされた複数の容
量から構成され、その各容量に直列接続されたスイッチ
S0,S1,S2,S3,S4は、スイッチ25を介し
て演算増幅器2の非反転入力端子に接続されると共に、
各スイッチf13,f14を介してそれぞれD/A変換
器93の基準となる電圧源Vrefp,Vrefmに接続されて
いる。また、サンプリング容量列9を構成するサンプリ
ング容量9aは、スイッチ24を介して演算増幅器2の
非反転入力端子に接続されると共に、各スイッチf1
1,f12を介してそれぞれD/A変換器93の基準と
なる電圧源Vrefp,Vrefmに接続されている。デジタル
ロジック13は、図12に示す制御信号f1および量子
化回路4の出力に基づいて、スイッチ群11を構成する
各スイッチS0,S1,S2,S3,S4,f11,f
12,f13,f14のオン・オフ動作を制御する。
尚、デジタルロジック13は、遅延器90および積分器
15の機能をも有し、出力端子101に接続されてい
る。
【0067】各スイッチ20,22,40は、図12に
示す制御信号f1に従ってオン・オフ動作が制御され、
その論理レベルが「1」のときにオンし、「0」のとき
にオフする。また、各スイッチ21,23,24,25
は、制御信号f2に従ってオン・オフ動作が制御され、
その論理レベルが「1」のときにオンし、「0」のとき
にオフする。
【0068】次に、本実施形態の作用について説明す
る。図4に示す積分器14は、入力端子1から入力され
るアナログ信号と、D/A変換器93(サンプリング容
量列9)から入力されるフィードバック信号とを入力す
る2入力形の積分器である。ここで、説明を簡略化する
ため、積分器14から各スイッチ24,25を省いた1
入力形の積分器を例にとって説明する。
【0069】積分器14において、まず、積分容量5に
蓄積された電荷を零とし、制御信号f1の論理レベルが
「0」(制御信号f2の論理レベルが「1」)のとき
に、入力端子1に入力されるアナログ信号の電圧(入力
電圧)をVin、演算増幅器2の出力端子から出力される
出力電圧(積分器14の出力電圧)をVout1、演算増
幅器2の有するオフセット電圧をVoffとする。
【0070】そして、制御信号f1の論理レベルが
「1」(制御信号f2の論理レベルが「0」)に切り替
わったとき、積分容量5に充電される電荷Q1と、サン
プリング容量7に充電される電荷Q2とを式(21)
(22)によって求める。ここで、積分容量5の容量値
をC0、サンプリング容量7の容量値をC1とする。
【0071】 Q1=C0・(Vout1−Voff)=0 ………(式21) Q2=C1・(Vin−Voff) ………(式22) このとき、量子化回路4において、容量41に蓄積され
る電荷Q41は、オンしたスイッチ40によりインバー
タ42の入出力端子間が短絡されているため、式(2
3)によって求められる。ここで、容量41の容量値を
C4、インバータ42のしきい値電圧をVithとする。
【0072】 Q41=C4・(Voff−Vith) ………(式23) そして、制御信号f1の論理レベルが「0」(制御信号
f2の論理レベルが「1」)に切り替わったとき、積分
容量5に充電される電荷Q3と、サンプリング容量7に
充電される電荷Q4とを式(24)(25)によって求
める。このとき、演算増幅器2の出力端子から出力され
る出力電圧(積分器14の出力電圧)をVout2とす
る。
【0073】 Q3=C0・(Vout2−Voff) ………(式24) Q4=C1・(−Voff) ………(式25) 積分容量5およびサンプリング容量7に蓄積された電荷
には電荷保存則が成り立つため、その総和は一定であ
り、式(21)〜式(25)から式(26)が求められ
る。
【0074】 Vout2=Voff+(C1/C0)・Vin ………(式26) このとき、容量41に蓄積された電荷は保存されるた
め、インバータ42の入力電圧Viiは式(27)によっ
て求められる。 Vii=Vout2−(Voff−Vith) ………(式27) 式(26)および式(27)より式(28)が求められ
る。
【0075】 Vii=Vith+(C1/C0)・Vin ………(式28) 式(28)に示すように、インバータ42の入力電圧V
iiには演算増幅器2のオフセット電圧Voffは含まれな
い。そして、インバータ42の出力電圧は、しきい値電
圧Vithを基準にして、しきい値電圧Vithより入力電圧
Viiが高いときは論理レベル「0」、低いときは論理レ
ベル「1」に対応した値になる。これは、積分器14に
おける積分動作と量子化回路4における比較動作とを、
演算増幅器2のオフセット電圧Voffを基準にして行っ
ていることにほかならない。
【0076】同様に、図4に示す2入力形の積分器14
においても、インバータ42の入力電圧Viiに演算増幅
器2のオフセット電圧Voffが含まれることはない。す
なわち、制御信号f1に従ってスイッチ22がオンした
とき、演算増幅器2の反転入力端子と出力端子とはスイ
ッチ22を介して接続されるため、演算増幅器2の非反
転入力端子が接地されていることで演算増幅器2から出
力されるオフセット電圧Voffは、スイッチ22を介し
て演算増幅器2の反転入力端子に入力される。そのた
め、積分器14は、演算増幅器2から出力されるオフセ
ット電圧Voffを第1の基準電圧とし、当該第1の基準
電圧(=オフセット電圧Voff)と、入力端子1から入
力される入力アナログ信号との差電圧を積分する。そし
て、量子化回路4は、制御信号f1に従ってスイッチ4
0がオンしたときに積分器14から入力される演算増幅
器2のオフセット電圧Voffを第2の基準電圧とし、制
御信号f1に従ってスイッチ40がオフしたとき、当該
第2の基準電圧(=オフセット電圧Voff)が積分器1
4の積分出力より大きいか小さいかを判定することによ
り量子化を行う。
【0077】これは、積分器14における積分動作と量
子化回路4における比較動作とを、演算増幅器2のオフ
セット電圧Voffを基準にして行っていることにほかな
らない。従って、本実施形態の1次予測1次ノイズシェ
イピング形の変調器80においては、積分器14を構成
する演算増幅器2がオフセット電圧を有する場合でも、
そのオフセット電圧が量子化回路4の出力に影響を与え
ることはない。そのため、本実施形態の1次予測1次ノ
イズシェイピング形の変調器80によれば、演算増幅器
2のオフセット電圧の影響を回避することが可能にな
り、高い変調精度を得ることができる。その結果、図9
に示すように、本実施形態の1次予測1次ノイズシェイ
ピング形の変調器80を用いて構成されたオーバサンプ
ル形A/D変換器によれば、高いA/D変換精度を得る
ことができる。
【0078】(第3実施形態)次に、本発明を具体化し
た第3実施形態を図面と共に説明する。尚、本実施形態
において、第1実施形態と同じ構成部材については符号
を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0079】図5は、本実施形態の1次ΔΣ形の変調器
80を表すブロック図である。図5に示す1次ΔΣ形の
変調器80において、図1に示す1次予測1次ノイズシ
ェイピング形の変調器80と異なるのは、以下の点だけ
である。 [1]サンプリング容量列9を構成する各容量のうち第
2のサンプリング容量9aを除く容量が省かれている。
【0080】[2]積分器14を構成するスイッチ25
が省かれている。また、スイッチ群11を構成する各ス
イッチのうちスイッチf11,f12を除くスイッチが
省かれている。 [3]デジタルロジック13は遅延器90の機能を有
し、量子化回路4を構成するラッチ回路44は出力端子
101に接続されている。
【0081】従って、本実施形態の1次ΔΣ形の変調器
80によれば、第1実施形態の1次予測1次ノイズシェ
イピング形の変調器80と同様に、積分器14を構成す
る単位利得増幅器131がオフセット電圧を有する場合
でも、そのオフセット電圧が量子化回路4の出力に影響
を与えることはない。そのため、本実施形態の1次ΔΣ
形の変調器80によれば、単位利得増幅器131のオフ
セット電圧の影響を回避することが可能になり、高い変
調精度を得ることができる。その結果、図9に示すよう
に、本実施形態の1次ΔΣ形の変調器80を用いて構成
されたオーバサンプル形A/D変換器によれば、高いA
/D変換精度を得ることができる。
【0082】そして、本実施形態においても第1実施形
態と同様に、図3(a)〜(c)に示すような簡単なソ
ースホロワ回路によって構成される単位利得増幅器13
1を用いることが可能になるため、単位利得増幅器13
1の利点を生かして、低消費電力で高速かつ高精度な変
調器80およびオーバサンプリングA/D変換器を得る
ことができる。
【0083】(第4実施形態)次に、本発明を具体化し
た第4実施形態を図面と共に説明する。尚、本実施形態
において、第2実施形態と同じ構成部材については符号
を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0084】図6は、本実施形態の1次ΔΣ形の変調器
80を表すブロック図である。図6に示す1次ΔΣ形の
変調器80において、図4に示す1次予測1次ノイズシ
ェイピング形の変調器80と異なるのは、以下の点だけ
である。 [1]サンプリング容量列9を構成する各容量のうちサ
ンプリング容量9aを除く容量が省かれている。
【0085】[2]積分器14を構成するスイッチ25
が省かれている。また、スイッチ群11を構成する各ス
イッチのうちスイッチf11,f12を除くスイッチが
省かれている。 [3]デジタルロジック13は遅延器90の機能を有
し、量子化回路4を構成するラッチ回路44は出力端子
101に接続されている。
【0086】従って、本実施形態の1次ΔΣ形の変調器
80によれば、第2実施形態の1次予測1次ノイズシェ
イピング形の変調器80と同様に、積分器14を構成す
る演算増幅器2がオフセット電圧を有する場合でも、そ
のオフセット電圧が量子化回路4の出力に影響を与える
ことはない。そのため、本実施形態の1次ΔΣ形の変調
器80によれば、演算増幅器2のオフセット電圧の影響
を回避することが可能になり、高い変調精度を得ること
ができる。その結果、図9に示すように、本実施形態の
1次ΔΣ形の変調器80を用いて構成されたオーバサン
プル形A/D変換器によれば、高いA/D変換精度を得
ることができる。
【0087】(第5実施形態)次に、本発明を具体化し
た第5実施形態を図面と共に説明する。尚、本実施形態
において、図15に示した従来の形態と同じ構成部材に
ついては符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0088】図7は、本実施形態の2次ΔΣ形の変調器
80を表すブロック図である。第1の積分器14は、第
1の演算増幅器2、第3のスイッチ群としてのスイッチ
20〜23,28、第1の積分容量5、第3のサンプリ
ング容量7から構成されている。演算増幅器2の反転入
力端子は、直列に接続されたサンプリング容量7および
スイッチ20を介して入力端子1に接続されると共に、
スイッチ22を介して演算増幅器2の出力端子に接続さ
れると共に、直列に接続された積分容量5およびスイッ
チ23を介して演算増幅器2の出力端子に接続されると
共に、第1のサンプリング容量9aを介して第1のスイ
ッチ群11に接続されている。演算増幅器2の非反転入
力端子は接地されている。サンプリング容量7とスイッ
チ20との間のノードはスイッチ21を介して接地され
ている。サンプリング容量9aとスイッチ群11との間
のノードは、スイッチ28を介して接地されている。
【0089】第2の積分器15は、第2の演算増幅器
3、第4のスイッチ群としてのスイッチ24〜27,2
9、第2の積分容量6、第4のサンプリング容量8から
構成されている。演算増幅器3の反転入力端子は、直列
に接続されたサンプリング容量8およびスイッチ24を
介して演算増幅器2の出力端子に接続されると共に、ス
イッチ26を介して演算増幅器3の出力端子に接続され
ると共に、直列に接続された積分容量6およびスイッチ
27を介して演算増幅器3の出力端子に接続されると共
に、第2のサンプリング容量9bを介して第2のスイッ
チ群12に接続されている。演算増幅器3の非反転入力
端子は接地されている。サンプリング容量8とスイッチ
24との間のノードはスイッチ25を介して接地されて
いる。サンプリング容量9bとスイッチ群12との間の
ノードは、スイッチ29を介して接地されている。
【0090】量子化回路4の構成は第1実施形態のそれ
と同じであり、容量41はインバータ42の入力端子と
演算増幅器3の出力端子との間に接続されている。D/
A変換器93は、デジタルロジック13、サンプリング
容量9a,9b、スイッチ群11,12から構成されて
いる。サンプリング容量9aに直列接続されたスイッチ
f11,f12から構成されるスイッチ群11により、
サンプリング容量9aはD/A変換器93の基準となる
電圧源Vrefp,Vrefmのいずれかに接続される。また、
サンプリング容量9bに直列接続されたスイッチf1
5,f16から構成されるスイッチ群12により、サン
プリング容量9bはD/A変換器93の基準となる電圧
源Vrefp,Vrefmのいずれかに接続される。デジタルロ
ジック13は、図12に示す制御信号f1,f2および
量子化回路4の出力に基づいて、各スイッチ群11,1
2を構成する各スイッチのオン・オフ動作を制御する。
尚、デジタルロジック13は遅延器90の機能をも有す
る。
【0091】各スイッチ20,22,25,27,29
は、図12に示す制御信号f1に従ってオン・オフ動作
が制御され、その論理レベルが「1」のときにオンし、
「0」のときにオフする。また、各スイッチ21,2
3,24,26,28,40は、制御信号f2に従って
オン・オフ動作が制御され、その論理レベルが「1」の
ときにオンし、「0」のときにオフする。
【0092】次に、本実施形態の作用について説明す
る。尚、図15の従来構成について式(11)を求めて
問題点を説明したように、図7の積分器14,15を1
入力の積分器として、演算増幅器2,3のオフセット電
圧の影響を解析する(図7においてサンプリング容量9
a,9bおよびスイッチ群11,12を省略して演算増
幅器2,3のオフセット電圧の影響を解析する)。
【0093】本実施形態の2次ΔΣ形の変調器80にお
いて、入力端子1に入力されるアナログ信号の電圧(入
力電圧)をVin、演算増幅器3の出力端子から出力され
る出力電圧(積分器15の出力電圧)をVo1とする。
また、積分容量5の容量値をC2、積分容量6の容量値
をC0、サンプリング容量7の容量値をC3、サンプリ
ング容量8の容量値をC1とする。
【0094】そして、演算増幅器2がオフセット電圧V
off1を有し、演算増幅器3がオフセット電圧Voff2を
有する場合、式(11)と同様に解析を行うと、式(2
9)が求められる。 Vo1=Voff2+(C1/C0)・{Voff1+(C3/C2)Vin} ………(式29) すなわち、制御信号f1に従ってスイッチ22がオンし
たとき、演算増幅器2の反転入力端子と出力端子とはス
イッチ22を介して接続されるため、演算増幅器2の非
反転入力端子が接地されていることで演算増幅器2から
出力されるオフセット電圧Voff1は、スイッチ22を
介して演算増幅器2の反転入力端子に入力される。その
ため、積分器14は、演算増幅器2から出力されるオフ
セット電圧Voff1を第1の基準電圧とし、当該第1の
基準電圧(=オフセット電圧Voff1)と、入力端子1
から入力される入力アナログ信号との差電圧を積分す
る。
【0095】また、制御信号f2に従ってスイッチ26
がオンしたとき、演算増幅器3の反転入力端子と出力端
子とはスイッチ26を介して接続されるため、演算増幅
器3の非反転入力端子が接地されていることで演算増幅
器3から出力されるオフセット電圧Voff2は、スイッ
チ26を介して演算増幅器3の反転入力端子に入力され
る。そのため、積分器15は、演算増幅器3から出力さ
れるオフセット電圧Voff2を第1の基準電圧とし、当
該第1の基準電圧(=オフセット電圧Voff2)と、積
分器14の積分出力との差電圧を積分する。
【0096】そして、量子化回路4は、制御信号f2に
従ってスイッチ40がオンしたときに積分器15から入
力される演算増幅器3のオフセット電圧Voff2を第2
の基準電圧とし、制御信号f2に従ってスイッチ40が
オフしたとき、当該第2の基準電圧(=オフセット電圧
Voff2)が積分器15の積分出力より大きいか小さい
かを判定することにより量子化を行う。
【0097】これは、積分器15における積分動作と量
子化回路4における比較動作とを、演算増幅器3のオフ
セット電圧Voff2を基準にして行っていることにほか
ならない。従って、本実施形態の2次ΔΣ形の変調器8
0において、積分器15を構成する演算増幅器3のオフ
セット電圧Voff2が量子化回路4の出力に影響を与え
ることはない。また、式(11)と式(29)とを比べ
れば分かるように、本実施形態の2次ΔΣ形の変調器8
0において、積分器14を構成する演算増幅器2のオフ
セット電圧Voff1が量子化回路4の出力に与える影響
は、図15に示す従来の2次ΔΣ形の変調器80のそれ
に比べて小さくなる。
【0098】一般に、2次△Σの変調器80における積
分器15の出力は大振幅になることが知られており、演
算増幅器3の出力電圧Vo1の飽和を防止するために、
式(11)(29)における(C1/CO)は、通常、
1以下の値(例えば、1/4)に設定される。そのた
め、式(11)と式(29)とを比べれば分かるよう
に、積分器15の出力電圧Vo1において支配的となる
のは、オフセット電圧Voff2である。
【0099】式(29)は1入力の積分器で考えたが、
積分器14,15が図7に示されるような2入力の積分
器であっても同様で、演算増幅器3のオフセット電圧V
off2の影響はキャンセルされ、演算増幅器2のオフセ
ット電圧Voff1についても図15に示す従来の2次Δ
Σ形の変調器80の場合より影響は小さくなる。
【0100】従って、本実施形態の2次ΔΣ形の変調器
80によれば、図15に示す従来の2次ΔΣ形の変調器
80に比べて、高い変調精度を得ることができる。その
結果、図9に示すように、本実施形態の2次ΔΣ形の変
調器80を用いて構成されたオーバサンプル形A/D変
換器によれば、高いA/D変換精度を得ることができ
る。
【0101】図8は、本実施形態の2次ΔΣ形の変調器
80と、図15に示す従来の2次ΔΣ形の変調器80と
を比較したシミュレーション結果である。図8(a)
に、入力端子1から入力されたアナログ信号の波形を示
す。図8(b)に、本実施形態の2次ΔΣ形の変調器8
0の出力端子101から出力されるデジタル信号を示
す。
【0102】図8(c)に、図15に示す従来の2次Δ
Σ形の変調器80の出力端子101から出力されるデジ
タル信号を示す。図8(c)に示すように、従来の変調
器80では、オフセット電圧が少しでも存在するとデジ
タル信号が「1」に偏りやすくなり、オフセット電圧が
大きくなるとデジタル信号が「1」のまま変化しなくな
ってしまうそれに対して、図8(b)に示すように、本
実施形態の変調器80では、オフセット電圧が大きい場
合でも、デジタル信号に偏りは見られず、オフセット電
圧によって変調精度が低下しないことが確認できる。
【0103】尚、本発明は上記各実施形態に限定される
ものではなく、例えば、各制御信号f1,f2のタイミ
ングを反対にしても上記実施形態と同様の作用および効
果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の変調器を表すブロック図。
【図2】第1実施形態の変調器の作用を説明するための
要部ブロック図。
【図3】第1および第3実施形態で用いられる単位利得
増幅器の具体例を表す回路図。
【図4】第2実施形態の変調器を表すブロック図。
【図5】第3実施形態の変調器を表すブロック図。
【図6】第4実施形態の変調器を表すブロック図。
【図7】第5実施形態の変調器を表すブロック図。
【図8】第5実施形態の変調器の作用を説明するための
特性図。
【図9】オーバサンプル形A/D変換器を表すブロック
図。
【図10】変調器の諸形式を表すブロック図。
【図11】従来の変調器を表すブロック図。
【図12】第1〜第5実施形態および従来の変調器を制
御するための制御信号のタイミングチャート。
【図13】従来の変調器の作用を説明するための要部ブ
ロック図。
【図14】従来の変調器の作用を説明するための要部ブ
ロック図。
【図15】従来の変調器を表すブロック図。
【符号の説明】
2,3…演算増幅器 4…量子化回路 5…積分容
量 7,8,9a,9b…サンプリング容量 9…サンプ
リング容量列 11,12…スイッチ群 13…デジタルロジック 14,15…積分器 20〜29,40…スイッチ
41…容量 42…インバータ 80…変調器 81…デジタル
フィルタ 131…単位利得増幅器 Vrefp,Vrefm…基準電圧

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積分入力電圧と第1の基準電圧との差電
    圧を積分するための積分器と、 比較器を用いて構成され、前記積分器の積分出力が第2
    の基準電圧より大きいか小さいかを判定して量子化する
    量子化回路とを備えた変調器であって、 前記積分器は、増幅器を用いて構成されると共に、前記
    第1および第2の基準電圧を、前記積分器を構成する増
    幅器のオフセット電圧と等しい電圧にすることによっ
    て、前記増幅器にオフセット電圧が存在しても、その影
    響を補償したことを特徴とする変調器。
  2. 【請求項2】 入力アナログ信号とフィードバック信号
    との差電圧を積分入力電圧とし、該積分入力電圧と第1
    の基準電圧との差電圧を積分するための積分器と、 前記積分器の積分出力が第2の基準電圧より大きいか小
    さいかを判定して量子化する量子化回路と、 前記量子化回路の出力からフィードバック信号を生成す
    る第1のサンプリング容量と、 前記第1のサンプリング容量をフィードバック信号を生
    成するための基準となる2種類の電圧源のそれぞれに切
    り換えて接続する各スイッチから構成される第1のスイ
    ッチ群と、 前記第1のスイッチ群を予め設定されたタイミングで切
    り換える制御ロジックとを備えた変調器であって、 前記積分器は、 オフセット電圧を有する増幅器と、 積分結果の電圧を保持するための積分容量と、 第2のサンプリング容量および複数のスイッチから構成
    された第2のスイッチ群から成り、入力アナログ信号を
    一定周期でサンプリングし、得られた電荷を前記積分容
    量に転送すると共に、サンプリング期間中に前記増幅器
    に前記第1の基準電圧を入力し、これに対するオフセッ
    ト電圧を増幅器に生じさせる働きをする回路とを備え、 前記第1のサンプリング容量は、前記第2のサンプリン
    グ容量と並列に、前記増幅器に接続されてフィードバッ
    ク信号をサンプリングし、 前記量子化回路は、 前記積分器を構成する増幅器の出力端子と容量を介して
    接続されたインバータと、 前記積分器のサンプリング期間中に前記インバータの入
    出力端子を短絡するスイッチとを備えた比較器を用いて
    構成され、 前記第1および第2の基準電圧が、前記積分器を構成す
    る増幅器のオフセット電圧と等しい電圧であることを特
    徴とする変調器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の変調器において、 前記第1のサンプリング容量は重み付けられた複数の容
    量を備えた容量列から成ることを特徴とする変調器。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の変調器
    において、 前記積分器を構成する増幅器は単位利得増幅器より成る
    ことを特徴とする変調器。
  5. 【請求項5】 請求項2または請求項3に記載の変調器
    において、 前記積分器を構成する増幅器は演算増幅器より成ること
    を特徴とする変調器。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の変
    調器において、 前記積分器は、入力アナログ信号と第1のフィードバッ
    ク信号との差電圧を第1の積分入力電圧とし、該第1の
    積分入力電圧と第1の基準電圧との差電圧を積分するた
    めの第1の積分器と、第1の積分器の積分出力と第2の
    フィードバック信号との差電圧を第2の積分入力電圧と
    し、該第2の積分入力電圧と第3の基準電圧との差電圧
    を積分するための第2の積分器とより成り、 前記量子化回路は、前記第2の積分器の積分出力が第2
    の基準電圧より大きいか小さいかを判定して量子化し、 前記量子化回路の出力から第1のフィードバック信号を
    生成する第1のサンプリング容量と、 前記量子化回路の出力から第2のフィードバック信号を
    生成する第3のサンプリング容量と、 前記第1のサンプリング容量をフィードバック信号を生
    成するための基準となる2種類の電圧源のそれぞれに切
    り換えて接続する各スイッチから構成される第1のスイ
    ッチ群と、 前記第3のサンプリング容量を前記2種類の電圧源のそ
    れぞれに切り換えて接続する各スイッチから構成される
    第3のスイッチ群と、 前記第1および第3のスイッチ群を予め設定されたタイ
    ミングで切り換える制御ロジックとを備えた変調器であ
    って、 前記第1の積分器は、 オフセット電圧を有する第1の増幅器と、 第1の積分結果の電圧を保持するための第1の積分容量
    と、 第2のサンプリング容量および複数のスイッチから構成
    された第2のスイッチ群から成り、入力アナログ信号を
    一定周期でサンプリングし、得られた電荷を前記第1の
    積分容量に転送すると共に、サンプリング期間中に前記
    第1の増幅器に前記第1の基準電圧を入力し、これに対
    するオフセット電圧を第1の増幅器に生じさせる働きを
    する回路とを備え、 前記第1のサンプリング容量は、前記第2のサンプリン
    グ容量と並列に、前記第1の増幅器に接続されて第1の
    フィードバック信号をサンプリングし、 前記第2の積分器は、 オフセット電圧を有する第2の増幅器と、 第2の積分結果の電圧を保持するための第2の積分容量
    と、 第4のサンプリング容量および複数のスイッチから構成
    された第4のスイッチ群から成り、前記第1の積分出力
    を一定周期でサンプリングし、得られた電荷を前記第2
    の積分容量に転送すると共に、サンプリング期間中に前
    記第2の増幅器に前記第3の基準電圧を入力し、これに
    対するオフセット電圧を第2の増幅器に生じさせる働き
    をする回路とを備え、 前記第3のサンプリング容量は、前記第4のサンプリン
    グ容量と並列に、前記第2の増幅器に接続されて第2の
    フィードバック信号をサンプリングし、 前記量子化回路は、 前記第2の積分器を構成する第2の増幅器の出力端子と
    容量を介して接続されたインバータと、 前記第2の積分器のサンプリング期間中に前記インバー
    タの入出力端子を短絡するスイッチとを備えた比較器を
    用いて構成され、 前記第2および第3の基準電圧が、前記第2の積分器を
    構成する第2の増幅器のオフセット電圧と等しい電圧で
    あることを特徴とする変調器。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の変調器において、 前記単位利得増幅器はソースホロワ回路によって構成さ
    れることを特徴とする変調器。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の変
    調器と、 前記変調器の出力から量子化雑音を除去するフィルタと
    を備えたオーバサンプル形A/D変換器。
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