JPH11206759A - 針状超音波探触子および超音波診断装置 - Google Patents

針状超音波探触子および超音波診断装置

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JPH11206759A
JPH11206759A JP998998A JP998998A JPH11206759A JP H11206759 A JPH11206759 A JP H11206759A JP 998998 A JP998998 A JP 998998A JP 998998 A JP998998 A JP 998998A JP H11206759 A JPH11206759 A JP H11206759A
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    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プローブ径を太くすることなく高画質の超音
波画像を撮像することが可能な超音波プローブを提供す
ること。 【解決手段】 先端が棒状または穿刺針状をなす直線状
もしくは屈曲可能な構造をなし、生体内に挿入または刺
入して側面に設けた超音波変換手段から超音波信号を周
囲の生体組織に送受波する針状超音波探触子において、
延在方向と垂直をなす軸に対して回転対象をなす曲面形
状に形成された凹面部と、該凹部に沿って形成された超
音波変換手段とを具備し、該超音波変換手段から超音波
を送受波する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、針状超音波探触子
および超音波診断装置に関し、特に、体内深層部や管腔
壁等の微細な組織性状や構造を実時間で計測する超音波
診断装置の針状超音波探触子(針状超音波プローブ)に
適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】臓器に発生した病変を診断する方法とし
て生体検査(バイオプシ)が知られている。この生体検
査は、超音波撮像装置で体腔内の臓器を描出しながら、
穿刺針を病変部まで刺入し、針の内部に病変部の生体組
織を導入して採取し、この生体組織を鑑別して病名の診
断を行うものである。しかしながら、この診断方法では
生体組織を体外に摘出した後に、固定および染色してか
ら検査を行う必要があるので、ただちに診断することが
できず、また取り出した生体組織が生体内の状態から変
化してしまうという問題があった。
【0003】これらの問題を解決する方法として、穿刺
針に超音波変換器を取り付けて直接病変部に刺入し、病
変部の組織性状を測定したり、周囲の生体組織を画像化
する針状超音波プローブが提案されてきた。特に、周囲
の組織を画像化することを目的としたプローブの例とし
ては、特公平5−9097号(以下、「文献1」と記
す)のごとく、外針の一部に開口部を設けて内針側面に
実装した超音波変換器を露出させ、これを走査するよう
にしたものや、ウルトラソニックイメージング誌15巻
1−13ページ(Ultrasonic Imaging Vol.15 pp.1-13
(1993))(以下、「文献2」と記す)のごとく、外針の
先端から超音波変換器を実装した内針を露出させるもの
などが知られていた。これらの例では、針の軸に垂直な
平面、または針の軸を含む平面の画像、いわゆるBモー
ド像を得る構成であった。ただし、これらの針状超音波
プローブを用いた場合では、生体組織による超音波の吸
収の制限のために、この方式で用いられる超音波の周波
数はおおむね100MHz以下であった。
【0004】さらには、ウルトラソニックイメージング
誌18巻231−239ページ(Ultrasonic Imaging V
ol.15 pp.231-239 (1996))(以下、「文献3」と記
す)等では、100MHz以上の高周波、高分解能の超
音波変換器を搭載した針状または棒状の超音波プローブ
用い、これを生体組織内で回転方向、軸方向に機械的に
走査して針の周囲の円筒形の面の画像、いわば円筒型C
モードを得る方式が提案されていた。
【0005】以上に示す文献1〜3とは別に、血管、消
化管、胆管、膵管および尿管などの管腔壁にできた腫瘤
の深達度の診断などを目的とする超音波プローブが知ら
れている。この超音波プローブは、血管内超音波プロー
ブあるいは細径超音波プローブなどと呼ばれており、管
腔内に挿入できる径の細い、屈曲可能なプローブであっ
た。この超音波プローブを用いた計測では、超音波の周
波数は最大40MHz程度でBモードの撮像を行ってい
た。
【0006】このように、被検体への負担を軽減しつつ
体内深層部の微細構造を描画するために、医療用超音波
プローブは、細径化および高周波化するのが一つの技術
潮流になっている。これらのプローブの直径は、概ね5
mm以下であった。なお、本願明細書中においては、以
下、これらのプローブを、「細径超音波プローブ」また
は「細径プローブ」と総称する。
【0007】以上説明したように、画像化を目的とした
医療用の細径超音波プローブでは、超音波変換器に音響
レンズが設けられ、これによって超音波を収束させて高
い分解能を得るのが一般的であった。たとえば、文献3
に記載の細径超音波プローブでは、音響レンズ材(以
下、「基材」と記す)については、周囲の生体組織に対
向する面に音響レンズを設け、その反対面に下部電極、
圧電薄膜、上部電極の3層膜を形成した構造であった。
この構成では、圧電薄膜で発生した超音波(送波時の超
音波)は、基材内部を伝搬して反対面の音響レンズに達
し、収束して焦点を結んでいた。
【0008】一方、超音波顕微鏡用の超音波変換器を主
たる応用として、例えば、特開昭60−96996号
(以下、「文献4」と記す)もしくは特開平2−293
1号(以下、「文献5」と記す)等に記載されるよう
に、基材の表面に凹型形状の音響レンズ面を形成し、こ
の音響レンズ面に圧電薄膜および電極膜を形成する方式
もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0010】従来の医療用の細径超音波プローブでは、
圧電薄膜で変換された超音波は基材を伝搬し、その後、
超音波プローブの周辺に満たした生理食塩水を伝搬し、
その後、当該超音波プローブ周辺の生体組織に伝搬さ
せ、生体組織で反射した超音波信号を送波時とは逆に順
路で電気信号に変換し、この信号から超音波画像を得て
いた。このために、前述する文献1〜3に記載の細径超
音波プローブでは、基材と生理食塩水との音響インピー
ダンスの違いによって、基材と生理食塩水との境界面で
超音波の反射が生じてしまい、超音波画像の画質を低下
させてしまうという問題があった。すなわち、圧電薄膜
で検出される超音波信号の内で、生体組織内で反射され
てきた超音波と基材内における反射に伴う超音波とを分
離することができないという問題があった。
【0011】また、文献4および文献5に記載の超音波
変換器では、圧電薄膜で変換された超音波は、基材内部
に伝搬すると共に、たとえば、音響レンズ面と非測定物
である試料との間に設けられた水等の伝搬体を伝搬して
試料に送波されていた。このとき、試料内で反射された
超音波は、伝搬体を伝搬して圧電薄膜に受波されてい
た。一方、基材内に伝搬した超音波は、当該基材内部で
反射を繰り返しつつ基材内で減衰していた。このような
構成の超音波変換器では、原理的に受波時における、基
材内へ伝搬した超音波の反射波の影響を防止することが
可能である。たとえば、文献4および5に記載の超音波
変換器では、下記の数1を満たすことにより、基材内に
入射した超音波が受波に重畳すること、すなわち、基材
内における内部反射の影響を防止している。
【0012】しかしながら、この技術をそのまま細径超
音波プローブに適用した場合には、超音波の送波方向に
対する基材の厚さ、すなわち、細径超音波プローブが太
くなってしまうという問題があった。
【0013】たとえば、文献3を例にとって数1を計算
してみると、基材としてサファイアを用いた場合では、
音速がv1=11000m/s、音響レンズの焦点距離
は0.5mmとなるので、音響レンズから焦点までの超
音波の伝搬時間tは、媒体を水とした場合(ただし、水
中の音速1500m/sである)、t=0.33msと
なる。したがって、数1を満たす基材の厚さd1は、d
1>3.6mmとなり、針状超音波プローブの直径が、
4〜5mm以上に制限されてしまうという問題があっ
た。
【0014】この結果から明らかなように、細径超音波
プローブにおいては、基材の厚さを厚くする、すなわち
数1を満たす厚さとすることによって、基材の内部反射
を防止するのは極めて困難であった。
【0015】
【数1】d1/v1 > t ただし、v1は基材の音速、d1は厚さ、tは音響レンズ
から焦点までの超音波の伝搬時間を示す。
【0016】さらには、超音波顕微鏡では、超音波の伝
搬体として水を使用するのが一般的であり、生理食塩水
を伝搬体として使用する細径超音波プローブと大きく異
なっている。このために、文献4および文献5に記載の
超音波変換器では、圧電薄膜に駆動電圧を供給するため
の信号線および圧電薄膜との接続に関する記述がされて
おらず、この構成をそのまま細径超音波プローブに適用
した場合には、信号線が短絡してしまう、あるいは、約
80V程度が印加される信号線と被検体とが接触してし
まい、被検体が感電してしまうという問題があった。
【0017】本発明の目的は、プローブ径を太くするこ
となく高画質の超音波画像を撮像することが可能な超音
波プローブを提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、安全性を向上するこ
とが可能な超音波プローブを提供することにある。
【0019】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0021】(1)先端が棒状または穿刺針状をなす直
線状もしくは屈曲可能な構造をなし、生体内に挿入また
は刺入して側面に設けた超音波変換手段から超音波信号
を周囲の生体組織に送受波する針状超音波探触子におい
て、延在方向と垂直をなす軸に対して回転対象をなす曲
面形状に形成された凹面部と、該凹部に沿って形成され
た超音波変換手段とを具備し、該超音波変換手段から超
音波を送受波する。
【0022】(2)超音波を送受波する超音波変換手段
を有する超音波探触子と、受波した超音波から超音波像
を構成する信号処理手段と、該超音波像を表示する表示
手段とを有する超音波診断装置において、前述する
(1)の超音波探触子を用いることを特徴とする超音波
診断装置。
【0023】前述した(1)および(2)手段によれ
ば、超音波変換手段から送波される超音波の内、被検体
の生体組織に送波される超音波と、この超音波と対称と
なる方向に送波される超音波とを完全に分離することが
できるので、被検体の生体組織内で反射されてきて超音
波変換手段で受波した超音波にしめる当該超音波変換手
段における内部反射の超音波の影響を防止することがで
きる。したがって、高画質の超音波画像を撮像すること
ができる。なお、詳細については、後述する低減原理の
項に示す。
【0024】(内部反射の低減原理)図10に基づい
て、超音波変換手段における内部反射と本発明によるこ
の内部反射の低減原理を説明する。
【0025】図10aから明らかなように、本発明で
は、凹面をなす音響レンズ面に圧電薄膜4と図示しない
電極膜を形成する場合では、圧電薄膜4が励振されるこ
とによって発生する超音波は、生体組織方向に出射され
る超音波100(図10中では上方方向)とともに、基
材1の内部(図では下方)にも超音波200が送波され
る。このとき、生体組織方向に伝搬した超音波100
は、音響レンズの作用により生体組織内部で焦点を結
び、その位置での音響特性を反映して反射する。これが
本来の信号(受波信号)である。一方、基材1の内部に
送波された超音波200は主に基材の反対面で反射す
る。これが内部反射の原因となり、基材の上下面間で反
射を繰り返して多重反射となる。
【0026】図10bに示すように、従来の超音波プロ
ーブでは、圧電薄膜4は音響レンズの反対側の平坦面に
成膜され、これが励振されることによって発生した超音
波は基材1の内部を伝搬して音響レンズに達し、屈折し
て焦点を結ぶ超音波100となる。したがって、まず、
音響レンズ面で反射してエネルギーを失い、反射した成
分200が内部反射の原因となる。
【0027】図10a,bから明らかなように、本発明
の超音波プローブでは、信号となる超音波100は基材
1内を伝搬しない。したがって、信号となる超音波10
0は、音響レンズ面では反射せず、無駄なく焦点に伝搬
するため信号のS/Nが向上する。さらには、信号とな
る超音波100と内部反射の原因となる超音波200で
は、始めから異なった方向に伝搬するため、内部反射の
成分だけを減衰させることが可能である。すなわち、本
発明の構成で内部反射を軽減するためには、基材の反対
面(音響レンズを形成した面に対向する側の面)に超音
波を拡散、吸収または透過させる構造を設けることによ
って、音響レンズの反対面で反射する超音波200を低
減させることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
【0029】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の針状超音波プローブ(超音波探触子)の概略構成
を説明するための断面図であり、図2は本実施の形態1
の超音波変換器部分の拡大図である。
【0031】図1および図2において、1は基材、2は
音響レンズ、3は下部電極、4は圧電薄膜、5は上部電
極、6は第1の絶縁膜、9は第2の絶縁膜、10は針
体、20は生理食塩水、30は第1の信号線、35は第
2の信号線、40,45は絶縁被覆を示す。ただし、以
下の説明においては、説明を容易にするために、必要に
応じて部分ごとの寸法比を変えている。また、煩雑さを
防ぐために、その図で説明すべき内容以外の部分は適宜
省略して示す。
【0032】図1および図2から明らかなように、本実
施の形態1の針状超音波プローブでは、超音波変換器
(超音波変換手段)は基材1に凹面(凹面部)をなす音
響レンズ2を加工・形成し、この凹面に沿って、下部電
極3、圧電薄膜4、上部電極5、絶縁膜6を形成したも
のである。このときの基材1の材質としては、生理食塩
水に対する耐腐食性能が高い金属やセラミクスなどの微
細加工の可能なものであれば何でもよいが、本実施の形
態1では、特に、加工性が容易であることから真鍮を用
いるものとする。他の材質としては、リン青銅等も真鍮
と同様に加工性が容易である。
【0033】上部および下部電極3,5は共に金(A
u)を用いており、圧電薄膜4はPVDF(ポリフッ化
ビニリデン)またはP(VDF・TrFE)(ポリフッ
化ビニリデンと3フッ化エチレンとの共重合体)等の高
分子圧電体膜を用いるものとする。ただし、これら高分
子圧電体膜は、曲面上(本実施の形態1では凹面部分)
に形成することが可能であることはいうまでもない。ま
た、上部および下部電極3,5の厚さは共に0.2μm
であり、圧電薄膜4の厚さはP(VDF・TrFE)の
場合で6μmである。ただし、図2では説明のために、
圧電薄膜4の厚さを強調して示している。また、圧電薄
膜4の厚さは、使用する超音波の周波数のよって変更す
る必要があることはいうまでもなく、本実施の形態1で
は100MHzの超音波を使用するので、厚さを6μm
とした。よって、たとえば、200MHzの超音波を使
用する場合には、その厚さを3μmに設定する必要があ
る。
【0034】音響レンズ2を形成する凹面は、その軸線
に対して回転対称形をなす非球面状の形状とすることに
よって、圧電薄膜4で発生された超音波を所定の位置で
集束させるためである。ただし、本実施の形態1におい
ては、送受波する超音波の中心周波数は100MHz、
音響レンズの焦点距離は500μm、レンズのF値は1
とする。針状超音波プローブの直径は1mmである。超
音波変換器は針体10の内部に実装されるが、音響レン
ズと生体組織表面の間の距離は、必要に応じて間隔を開
けるように実装される。なお、音響レンズ2の形状とし
ては、収差を低減するためには非球面レンズが望ましい
が、簡単には球面レンズであってよい。
【0035】針体10の内部には生理食塩水20が満た
されており、必要に応じてこの針体10内の生理食塩水
20に水圧をかけることにより、音響レンズ2の近傍に
生理食塩水20が漏出し、音響レンズ10と図示しない
生体組織表面との間に供給される。ただし、本実施の形
態1では、針体10の材質として、生理食塩水に対する
腐食性能が高いステンレスを用いることとしたが、これ
に限定されることはなく、基材1と同様に、他の金属等
でもよいことはいうまでもない。
【0036】基材1の音響レンズ2との反対側の形状は
円錐形に加工されており、図2に示すように、基材1の
断面では先端の断面での角度は120゜である。また、
基材の厚さ(音響レンズ端部から円錐形の頂点まで)は
300μmであり、本実施の形態1では、さらに、基材
1の周囲が第2の絶縁膜9で被われる構造となってい
る。ただし、絶縁膜9としては、本実施の形態1ではテ
フロン等の樹脂製の材料である。ここで、圧電薄膜4か
ら送波され基材1内を伝搬してきた超音波は、この構造
すなわち円錐形の形状により基材1の内部に散乱され、
しだいに針体10の内部に満たした生理食塩水20に吸
収されていく。これによって、基材1の内部反射は強い
振幅をもたず、信号計測の障害にならない。すなわち、
本実施の形態1の超音波変換器の構成では、圧電薄膜4
で生成された超音波は、直接、生理食塩水20を介して
生体組織側に送波されると共に、その反対の側である基
材1の内部に送波されることとなる。一方、受波時にお
いては、生体組織側に送波された超音波は音響レンズの
焦点部分で反射され、送波と逆の経路で直接圧電薄膜4
に入射するのに対して、基材1内に送波された超音波は
前述するように、基材1の内部で減衰されてしまうの
で、圧電薄膜4で検出された場合であっても、音響レン
ズ2側から入射された超音波の信号強度に比較して十分
振幅の小さい信号となる。したがって、前述した手段の
項に示すように、従来の構成においては分離することが
できなかった基材1の超音波を、本実施の形態1におい
てはほぼ完全に分離できるので、その影響に伴う超音波
画像の劣化をほぼ完全に取り除くことが可能となる。
【0037】ただし、本実施の形態1においては、基材
1の先端の断面の角度を120゜として設定したが、一
般的に知られるようにこの角度は基材1に入射した超音
波が最も効率よく散乱する角度であって、この角度に限
定されることはなく、基本的には、音響レンズ2と対す
る側の面を音響レンズ2となる凹部の軸線と直交しない
ように形成すればよいことはいうまでもない。したがっ
て、本実施の形態1においては、円錐形とした、基材1
の音響レンズ2と対向する側の面の形状を角錐形、ある
いは、凹部の軸線と直交しない任意の1以上の平面で切
断した形状としてもよい。
【0038】また、図2に示すように、上部電極の上す
なわち送波面側にはさらに保護膜と音響整合層との機能
を兼ねた第1の絶縁膜6が設けられている。ただし、絶
縁膜6の材質としては、例えば、SiO2(酸化シリコ
ン膜)等が適当である。この絶縁膜6は、第1の信号線
30との接続部分以外は上部電極の全体を覆う構成とな
っている。本実施の形態1においては、基材1として金
属である真鍮を用いているので、下部電極3は基材1と
等電位になっており、信号線の一方である第2の信号線
35は基材に接続される構成となっている。ただし、第
1および第2の信号線30,35もまた、それぞれ絶縁
被覆40,45に被われて絶縁されている。したがっ
て、本実施の形態1の超音波プローブでは、これらの絶
縁膜6,9や絶縁被覆40,45の絶縁によって、上部
および下部の電極3,5は超音波変換器周囲で周囲環境
に対して全く露出せず、周囲を生理食塩水20が満たし
ていても供給した電力や受信した信号が漏洩したり、電
極間が短絡したりすることを防止できる。したがって、
超音波プローブの安全性を向上することができる。
【0039】また、図1および図2から明らかなよう
に、基材1が金属でできている場合には、下部電極3は
必ずしも必要ではないことはいうまでもない。
【0040】以上説明したように、本発明の実施の形態
1の針状超音波プローブでは、基材1の一方の側の面上
に音響レンズ2となる凹部形状の溝を設け、この溝に沿
って下部電極3、圧電薄膜4、上部電極5を順番に形成
すると共に、基材2の他方の側の面の形状を頂角が12
0°の円錐状に形成し、この基材1を送波面側すなわち
音響レンズ2側が針状超音波プローブの中心軸方向と垂
直をなすように構成することによって、圧電薄膜4によ
って発生された超音波は、その振動方向すなわち凹部の
曲面に対する法線方向である生体組織側と基材1の側と
に送波される。このとき、生体組織側に送波された超音
波は、生体組織内で反射した後に圧電薄膜4で受波され
て電気信号(受波信号)に変換される。一方、基材1の
内部に送波された超音波は、前述するように、円錐形の
形状により圧電薄膜4に入射されることなく、基材1の
内部に散乱されて、しだいに針体10の内部に満たした
生理食塩水20に吸収されて減衰していく。したがっ
て、本実施の形態1の針状超音波プローブでは、基材1
の厚さを前述する数1を満たすような厚さにすることな
く、すなわち、針状超音波プローブ径を太くすることな
く、基材1の内部反射の影響を防止することができる。
この結果、高画質の超音波画像を撮像することができ
る。
【0041】さらには、本実施の形態1の針状超音波プ
ローブでは、圧電薄膜4に駆動電圧を供給する第1およ
び第2の信号線30,35、上部および下部の電極3,
5、並びに、下部電極3と接続される基材1を、それぞ
れ絶縁皮膜および絶縁被覆で覆う構造としているので、
供給した電力や受信した信号が漏洩したり、電極間が短
絡することを防止できる。したがって、針状超音波プロ
ーブの安全性を向上することができる。
【0042】(実施の形態2)図3は本発明の実施の形
態2の針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を
説明するための断面図であり、本実施の形態2の針状超
音波プローブは実施の形態1の針状超音波プローブと超
音波変換器の構成が異なるのみで、他の構成は同じとな
るので、本実施の形態2においては、超音波変換器の構
成についてのみ説明する。
【0043】図2に示すように、本実施の形態2の針状
超音波プローブでは、音響レンズ2と対向する側の面
を、たとえば、頂角が120°であり、紙面鉛直方向に
延在する三角波形に形成している。
【0044】本実施の形態2の針状超音波プローブで
は、音響レンズ2と対向する側の面をこのような形状に
形成することによって、圧電薄膜4から送波されて基材
1内を伝搬してきた超音波は、この三角波形の面で散乱
されて基材1の内部に散乱され、しだいに針体10の内
部に満たした生理食塩水20に吸収されていく。すなわ
ち、基材1の内部反射に伴う強い振幅の超音波が圧電薄
膜4で検出されることによる、受波信号計測の障害を防
止できる。すなわち、生体組織内で反射された生体組織
および生理食塩水20を介して直接圧電薄膜4に入射す
ると共に、基材1内に送波された超音波は前述するよう
に、基材1の内部で減衰されてしまうので、圧電薄膜4
で検出された場合であっても、音響レンズ2側から入射
された超音波の信号強度に比較して十分振幅の小さい信
号となる。したがって、前述した手段の項に示すよう
に、従来の構成においては分離することができなかった
基材1の超音波を、本実施の形態1においてはほぼ完全
に分離できるので、その影響に伴う超音波画像の劣化を
ほぼ完全に取り除くことが可能となる。
【0045】ただし、本実施の形態2においては、三角
波形の先端の角度を120゜として設定したが、この角
度に限定されることはなく、基本的には、音響レンズ2
と対する側の面を音響レンズ2となる凹部の軸線と直交
しないように形成すればよいことはいうまでもない。そ
の結果、本実施の形態2の針状超音波プローブでは、実
施の形態1と同様に、基材1の厚さを前述する数1を満
たすような厚さにすることなく、すなわち、針状超音波
プローブ径を太くすることなく、基材1の内部反射を防
止することができる。よって、高画質の超音波画像を撮
像することができる。
【0046】また、本実施の形態2の針状超音波プロー
ブでは、実施の形態1と同様に、圧電薄膜4に駆動電圧
を供給する第1および第2の信号線30,35、上部お
よび下部の電極3,5、並びに、下部電極3と接続され
る基材1を、それぞれ絶縁皮膜および絶縁被覆で覆う構
造としているので、供給した電力や受信した信号が漏洩
したり、電極間が短絡することを防止できる。したがっ
て、針状超音波プローブの安全性を向上することができ
る。
【0047】なお、本実施の形態2においては、音響レ
ンズ2と対向する側の面を三角波形に形成することとし
たが、これに限定されることはなく、たとえば、音響レ
ンズ2と対向する側の面を磨りガラスの表面のように、
複数の凹凸を設けた形状としてもよいことはいうまでも
ない。さらには、音響レンズ2と対する側の面に凹部の
軸線と直交する面を有しないように、当該面の一面に複
数個の角錐を形成してもよい。ただし、これらの場合に
は、この面での超音波の反射を防止するために、凹凸部
分の凹部と凸部との高さの差が、基材1と使用する超音
波の波長とによって決定される長さの1/2以上でなけ
ればならない。
【0048】(実施の形態3)図4は本発明の実施の形
態3の針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を
説明するための断面図であり、本実施の形態3の針状超
音波プローブは実施の形態1,2の針状超音波プローブ
と超音波変換器の構成が異なるのみで、他の構成は同じ
となるので、本実施の形態3においては、超音波変換器
の構成についてのみ説明する。
【0049】図4から明らかなように、本実施の形態3
の超音波変換器では、音響レンズ2を形成する凹部側の
面の構成およびこの凹部に設けた圧電薄膜4に駆動電流
を供給する信号線30,35の構成は、実施の形態1の
超音波変換器と同様の構成となる。一方、音響レンズ2
を形成する凹部に対向する側の面には、たとえば、音響
インピーダンスを調整するための金属粉を混入した周知
のエポキシ樹脂をダンピング材7として配置している。
したがって、本実施の形態3の超音波変換器では、圧電
薄膜4の振動によって発生されて基材1内を伝搬してき
た超音波は、このダンピング材7によってそのほとんど
が吸収され、吸収されなかった一部の超音波が基材1内
を伝搬して圧電薄膜4で検出されることとなる。しかし
ながら、このときの超音波は、音響レンズ2側から入射
された超音波の信号強度に比較して基材1内からの超音
波は十分振幅の小さい信号である。したがって、前述し
た実施の形態1,2の超音波変換器と同様に、従来の構
成においては分離することができなかった基材1の超音
波を、本実施の形態1においてはほぼ完全に分離できる
ので、その影響に伴う超音波画像の劣化をほぼ完全に取
り除くことが可能となる。その結果、本実施の形態3の
針状超音波プローブでは、実施の形態1,2と同様に、
基材1の厚さを前述する数1を満たすような厚さにする
ことなく、すなわち、針状超音波プローブ径を太くする
ことなく、基材1の内部反射を防止することができる。
よって、アーチファクトを大幅に低減した高画質の超音
波画像を撮像することができる。ただし、ダンピング材
7の厚さをより厚くすることによって、さらに、高画質
の超音波画像を撮像できることはいうまでもない。
【0050】また、本実施の形態3の針状超音波プロー
ブでは、実施の形態1,2と同様に、圧電薄膜4に駆動
電圧を供給する第1および第2の信号線30,35、上
部および下部の電極3,5、並びに、下部電極3と接続
される基材1を、それぞれ絶縁皮膜および絶縁被覆で覆
う構造としているので、供給した電力や受信した信号が
漏洩したり、電極間が短絡することを防止できる。した
がって、針状超音波プローブの安全性を向上することが
できる。
【0051】なお、本実施の形態3では、ダンピング材
7としてエポキシ樹脂を用いた場合について説明した
が、従来の探触子において音響整合層として用いてい
る、たとえば、ゴム等を使用した場合であっても、前述
する効果を得ることができることはいうまでもない。
【0052】(実施の形態4)図5は本実施の形態4の
針状超音波プローブの超音波変換部の概略構成を説明す
るための断面図であり、本実施の形態4の針状超音波プ
ローブは実施の形態1の針状超音波プローブと超音波変
換器の構成が異なるのみで、他の構成は同じとなるの
で、本実施の形態4においては、超音波変換器の構成に
ついてのみ説明する。
【0053】図5から明らかなように、本実施の形態4
の超音波変換器では、音響レンズ2を形成する凹部側の
面の構成およびこの凹部に設けた圧電薄膜4に駆動電流
を供給する信号線30,35の構成は、実施の形態1の
超音波変換器と同様の構成となる。
【0054】一方、音響レンズ2を形成する凹部に対向
する側の面には、たとえば、音響インピーダンスを調整
するための周知の酸化シリコン膜(SiO2膜)からな
る音響整合層8を配置している。ただし、音響整合層8
厚さは、送受波に使用する超音波の波長の1/4の整数
倍に設定される。
【0055】したがって、本実施の形態4の超音波変換
器では、圧電薄膜4の振動によって発生されて基材1内
を伝搬してきた超音波は、この音響整合層8によってそ
のほとんどが針体10内を満たす生理食塩水20中に伝
搬して減衰することとなる。一方、音響整合層8によっ
て生理食塩水20中に伝搬しなかった一部の超音波は、
基材1内を伝搬して圧電薄膜4で検出されることとな
る。しかしながら、このときの超音波は、音響レンズ2
側から入射された超音波の信号強度に比較して基材1内
からの超音波は十分振幅の小さい信号である。したがっ
て、前述した実施の形態1の超音波変換器と同様に、従
来の構成においては分離することができなかった基材1
の超音波を、本実施の形態1においてはほぼ完全に分離
できるので、その影響に伴う超音波画像の劣化をほぼ完
全に取り除くことが可能となる。その結果、本実施の形
態4の針状超音波プローブでは、実施の形態1と同様
に、基材1の厚さを前述する数1を満たすような厚さに
することなく、すなわち、針状超音波プローブ径を太く
することなく、基材1の内部反射を防止することができ
る。よって、高画質の超音波画像を撮像することができ
る。
【0056】また、本実施の形態4の針状超音波プロー
ブでは、実施の形態1と同様に、圧電薄膜4に駆動電圧
を供給する第1および第2の信号線30,35、上部お
よび下部の電極3,5、並びに、下部電極3と接続され
る基材1を、それぞれ絶縁皮膜および絶縁被覆で覆う構
造としているので、供給した電力や受信した信号が漏洩
したり、電極間が短絡することを防止できる。したがっ
て、針状超音波プローブの安全性を向上することができ
る。
【0057】(実施の形態5)図6は本発明の実施の形
態5の針状超音波プローブの概略構成を説明するための
断面図であり、11は針体、50は供給管を示す。
【0058】この図6から明らかなように、本実施の形
態5の針状超音波プローブでは、針体11の側面に音響
レンズ2となる非球面形の凹部を設け、この凹部に前述
する実施の形態1と同様に、圧電薄膜4を形成すること
によって、超音波の送受を行う構成となっている。すな
わち、本実施の形態5の針状超音波プローブでは、前述
した音響変換器の基材1と針体とを一体とした構造とな
っている。したがって、本実施の形態5では、この図6
に示すように、音響レンズ2から送波される超音波を被
検体の生体組織に伝達するための生理食塩水20を音響
レンズ2の周囲に供給するための供給管50が針体11
内に設けられている。一方、音響レンズ2部分に形成し
た図示しない圧電薄膜に駆動電圧を供給する信号線3
0,35は、針体11の側面に延在方向に設けた溝15
に埋設して配置される。ただし、この溝15は、信号線
30,35を配置した後に、たとえば、周知の絶縁体に
よってその表面が針体11と同様の円形形状となるよう
に成形されて埋められている。
【0059】図7は本発明の実施の形態5の針状超音波
プローブの音響レンズ2の部分の拡大図であり、この図
7から明らかなように、本実施の形態5においても、前
述する実施の形態1と同様に、音響レンズ2となる凹部
に下部電極3、圧電薄膜4、上部電極5および絶縁膜6
とを順番に形成し、絶縁体60によって埋設される信号
30,35とそれぞれの電極3,5とを接続する構成と
なっている。
【0060】ただし、図7から明らかなように、下部電
極3と針体11とは直接接続される構成となっているの
で、下部電極3と針体11とは同電位となっている。し
たがって、本実施の形態5の針状超音波プローブでは、
下部電極3に接続される第2の信号線35にアース側の
電圧を供給することによって、被検体が感電してしまう
ことを防止できる。また、本実施の形態5では、溝15
部分に第1および第2の信号線30,35を絶縁体60
で埋設するという構成となっているので、これらの信号
線30,35を、特に、被覆しなくてもよい。ただし、
第1および第2の信号線30,35として、実施の形態
1と同様に、絶縁被覆40,45を施した信号線を用い
ることによって、製造時における第1および第2の信号
線30,35の配設が容易となり、作業効率を向上でき
ることはいうまでもない。
【0061】次に、図8に本発明の実施の形態5の針状
超音波プローブにおける超音波の除去作用を説明するた
めの図を示し、以下、図8に基づいて、針体11内にお
ける超音波の除去作用を説明する。
【0062】図8に示すように、実施の形態5の針状超
音波プローブは、軸方向に垂直な断面は円形状である。
すなわち、音響レンズ2を形成した部分においても、音
響レンズ2部分を除いた他の部分は全て円形状となって
いる。
【0063】したがって、圧電薄膜4から針体11の側
(下部電極3の側)に送波された超音波は、下部電極3
を伝搬し針体11の内部に伝搬した後に、針体11の表
面に到達する。このとき、前述するように、針体11は
その形状が円錐もしくは円柱状となっている、すなわ
ち、音響レンズ2となる凹部の軸線と垂直となる面が存
在しないので、針体11を伝搬した超音波は針体11の
側面部分で散乱された後に、針体11の内部でそのほと
んどが減衰することになる。このとき、一部の超音波は
圧電薄膜4で検出されることとなるが、前述した実施の
形態1と同様に、圧電薄膜4で検出される針体11から
の超音波は、生体組織内から反射されてくる超音波の信
号強度に比較して十分振幅の小さい信号である。したが
って、前述した実施の形態1の針状超音波プローブと同
様に、従来の構成においては分離することができなかっ
た不要の超音波を、本実施の形態5においてはほぼ完全
に分離できるので、その影響に伴う超音波画像の劣化を
ほぼ完全に取り除くことが可能となる。その結果、本実
施の形態5の針状超音波プローブでは、針状超音波プロ
ーブ径を太くすることなく、内部反射を防止することが
できる。よって、高画質の超音波画像を撮像することが
できる。
【0064】また、本実施の形態5の針状超音波プロー
ブにおいても、実施の形態1と同様に、圧電薄膜4に駆
動電圧を供給する第1および第2の信号線30,35、
並びに、上部および下部の電極3,5を、それぞれ絶縁
膜6および絶縁体60で覆う構造としているので、供給
した電力や受信した信号が漏洩したり、電極間が短絡す
ることを防止できる。したがって、針状超音波プローブ
の安全性を向上することができる。
【0065】さらには、この構造では図1から図5に示
す実施の形態1〜4の針状超音波プローブに比べてその
構造が簡単になるので、たとえば、1本の針体11に複
数の個の超音波変換器を搭載することも容易である。こ
の結果、一度に、多くの個所の測定ができ、検査に要す
る時間を短縮することが可能となる。
【0066】さらには、針体11の材質を、前述した実
施の形態1の基材1と同様に、加工性が容易な真鍮等を
用いることによって、製造時における音響レンズ部分の
加工性能を向上できるので、生産効率を向上することが
できる。
【0067】(実施の形態6)図9は本発明の実施の形
態6の超音波診断装置の概略構成を説明するためのブロ
ック図であり、901は針状超音波プローブ、902は
送受波回路、903は信号処理装置、904は記憶装
置、905は表示装置を示す。
【0068】針状超音波プローブ901は、前述する実
施の形態1〜5に示す針状超音波プローブであり、前述
するように、先端部分の形状が、たとえば、注射器ある
いは生検針同様に生体組織に刺入しやすいように、穿刺
針状となっている。また、側面部分には、超音波変換器
が設けられている。
【0069】送受波回路902は、超音波変換器から1
00MHz以上の超音波を発生させるための高周波信号
を発生させると共に、受波時には、超音波変換器が受波
した超音波に対応して発生する高周波信号を増幅した
後、信号処理装置に出力する周知の送受波回路である。
また、送受波回路902は、図示しない制御装置とも接
続されており、この制御装置の制御信号に基づいて送波
時の高周波信号の発生と増幅とを行う。
【0070】信号処理装置903は、まず、送受波回路
902から出力されるアナログの高周波の受波信号をA
/D変換器でデジタル信号(デジタル高周波信号)に変
換する。次に、信号処理装置903は、予め検者等によ
って設定された指示に基づいて、このデジタル高周波信
号から針状超音波プローブ901の周辺組織の超音波の
反射率、音速、減衰率等の超音波像の内から1以上の項
目についての計算を行う。このとき、反射率は、受波信
号から得られたデジタル高周波信号の時間波形、すなわ
ち、信号強度の時間変化から計算する。一方、音速およ
び減衰率については、超音波変換器から出力される超音
波の焦点位置に設けた超音波の反射体からの反射信号の
強度と遅延時間を予め求めておき、これをもとに計算す
る。次に、信号処理装置903は、計算値に対して周知
のフィルタリング処理を行った後に、その値を画像化し
て表示装置905および記憶装置904に出力する。こ
のとき、本実施の形態の超音波診断装置では、本実施の
形態1〜5の針状超音波プローブ901を用いているの
で、生体組織内から反射されてくる超音波の信号強度に
比較して、超音波変換器内での反射波の振幅は十分小さ
いものである。したがって、本実施の形態の超音波診断
装置では、従来の同様の周知のフィルタリング処理のみ
で、この超音波変換器内で発生する反射波の成分を除去
できる。その結果、アーチファクトを低減した高画質の
超音波像を撮像することができる。よって、医師の診断
効率を向上することができる。
【0071】記憶手段904は、たとえば、磁気ディス
ク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置あるいは
磁気テープ装置等の周知の記憶手段であり、信号処理装
置903が計算した計算値を格納する。
【0072】表示装置905は、周知の表示装置であ
り、信号処理装置903の出力に基づいて、該出力値を
表示する。
【0073】次に、図9に基づいて、本実施の形態の超
音波診断装置の動作を説明する。
【0074】まず、図示しない操作卓からの検者の検査
開始指示が本実施の形態6の超音波撮像装置の撮像動作
の開始となる。ただし、このときには、針状超音波プロ
ーブは、図示しない被検体の生体組織中に刺し入れられ
ている。
【0075】検査開始指示に基づいて、図示しない制御
装置が送受波回路902に高周波信号を発生させること
によって、まず、超音波変換器から、たとえば、150
MHzの超音波を生体組織に対して送波させる。次に、
超音波変換器が受波した反射波を送受波回路902が増
幅した後、信号処理装置903に出力する。信号処理装
置903は、送受波回路902から入力された信号(高
周波信号)をデジタル信号に変換した後、該デジタル信
号を、たとえば、図示しないメモリに一時的に格納する
ことにより記録する。
【0076】次に、信号処理装置903が、たとえば、
送波を行ったときの高周波信号レベルと受波した高周波
信号の信号レベルとから、各測定位置での反射率を計算
し、その結果を表示装置905に出力し表示させる。
【0077】このとき、たとえば、信号処理装置903
は、記憶装置904に記憶している過去の症例の内か
ら、前述のパラメータに等しいあるいは近い値を有する
症例を検索し、可能性のある疾患の名称等を表示装置9
05に出力し表示する。
【0078】具体的には、たとえば、癌細胞は繊維化し
て正常細胞と比較して超音波の反射率が高くなることが
知られている。そこで、通常の症例から癌細胞と正常細
胞の超音波反射率の平均を求め、これを記憶装置905
に記憶させておく。
【0079】検査に際しては、針状超音波探触子の超音
波変換器を正常細胞と関心部位の双方にまたがって走査
する。
【0080】信号処理装置903における信号処理時に
おいては、正常細胞部位と関心部位との反射率および各
部位での平均値とをそれぞれ計算し、この値を記憶装置
904に記憶する過去の症例ならびに正常細胞および癌
細胞の反射率の平均値と比較する。その結果、関心部位
が癌細胞である可能性を、たとえば、百分率で表示し、
医師の診断を容易ならしめることができるので、医師の
診断効率を向上することができる。
【0081】なお、本実施の形態においては、基材1の
音響レンズ2面と対向する側の面を、当該音響レンズ2
となる凹部の軸線と垂直とならないような構成、あるい
は、対向する面に超音波を吸収する吸収体を配置する構
成としたが、この2つの構成を組み合わせた構成として
もよく、組み合わせることによって基材1内に送波され
た超音波の影響をさらに低減した高画質の超音波画像を
撮像できることはいうまでもない。
【0082】また、本発明は針状超音波プローブに限ら
ず、たとえば、血管内超音波プローブなどの径の細い超
音波プローブ全般に適用できることはいうまでもない。
【0083】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0084】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0085】(1)超音波プローブの径を太くすること
なく高画質の超音波画像を撮像することができる。
【0086】(2)超音波プローブの安全性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の針状超音波プローブの
概略構成を説明するための断面図である。
【図2】本実施の形態1の超音波変換器部分の拡大図で
ある。
【図3】本発明の実施の形態2の針状超音波プローブの
超音波変換部の概略構成を説明するための断面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態3の針状超音波プローブの
超音波変換部の概略構成を説明するための断面図であ
る。
【図5】本実施の形態4の針状超音波プローブの超音波
変換部の概略構成を説明するための断面図である。
【図6】本発明の実施の形態5の針状超音波プローブの
概略構成を説明するための断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5の針状超音波プローブの
音響レンズ2の部分の拡大図である。
【図8】本発明の実施の形態5の針状超音波プローブに
おける超音波の除去作用を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態6の超音波診断装置の概略
構成を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明による超音波変換手段における内部反
射の低減原理を説明するための図である。
【符号の説明】
1…基材、2…音響レンズ、3…下部電極、4…圧電薄
膜、5…上部電極、6…第1の絶縁膜、9…第2の絶縁
膜、10…針体、11…針体、20…生理食塩水、30
…第1の信号線、35…第2の信号線、40,45…絶
縁被覆、50…供給管、901…針状超音波プローブ、
902…送受波回路、903…信号処理装置、904…
記憶装置、905…表示装置。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端が棒状または穿刺針状をなす直線状
    もしくは屈曲可能な構造をなし、生体内に挿入または刺
    入して側面に設けた超音波変換手段から超音波信号を周
    囲の生体組織に送受波する針状超音波探触子において、 延在方向と垂直をなす軸に対して回転対象をなす曲面形
    状に形成された凹面部と、該凹部に沿って形成された超
    音波変換手段とを具備し、該超音波変換手段から超音波
    を送受波することを特徴とする針状超音波探触子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波探触子におい
    て、 前記凹面部を有する基材部と、先端が棒状もしくは穿刺
    針状をなす中空の外針部とからなり、前記中空部分に生
    理食塩水を満たし、被検体への差入後に前記生理食塩水
    に水圧をかけて前記基材部の近傍に当該生理食塩水を充
    満させた後に超音波の送受を行うことを特徴とする超音
    波探触子。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2に記載の超音波探触
    子において、 前記外針部の直径が5mm以下であることを特徴とする
    超音波探触子。
  4. 【請求項4】 請求項2もしくは3に記載の超音波探触
    子において、 前記基材部の内で前記凹面部が形成される面と対向する
    側の面を、前記凹面部の軸線と直交する面を有しない形
    状とすることを特徴とする超音波探触子。
  5. 【請求項5】 請求項2もしくは3に記載の超音波探触
    子において、 前記基材部の内で前記凹面部が形成される面と対向する
    側の面の形状を、前記凹面部と軸線を共有する円錐状と
    することを特徴とする超音波探触子。
  6. 【請求項6】 請求項2もしくは3に記載の超音波探触
    子において、 前記基材部の内で前記凹面部が形成される面と対向する
    側の面に、基材の材質と超音波の周波数とから決定され
    る波長の1/2以上の差を有する凹凸を設けたことを特
    徴とする超音波探触子。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし6の内のいずれか1項に
    記載の超音波探触子において、 前記基材部の内で前記凹面部が形成される面と対向する
    側の面に、超音波を吸収するダンピング材を形成したこ
    とを特徴とする超音波探触子。
  8. 【請求項8】 請求項2ないし6の内のいずれか1項に
    記載の超音波探触子において、 前記基材部の内で前記凹面部が形成される面と対向する
    側の面に、前記基材部の音響インピーダンスと前記生理
    食塩水の音響インピーダンスとの間の値の音響インピー
    ダンスを有し、その厚さが送受波する超音波の中心周波
    数の1/4もしくはその整数倍となる音響整合層膜を形
    成したことを特徴とする超音波探触子。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8の内のいずれか1項に
    記載の超音波探触子において、 前記超音波変換手段は、圧電薄膜と、該圧電薄膜に駆動
    電圧を供給し、また圧電薄膜の出力電圧を感知する電極
    部と、該電極部を覆う絶縁体膜とを具備することを特徴
    とする超音波探触子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の超音波探触子におい
    て、 前記絶縁体膜は、前記圧電薄膜の音響インピーダンスと
    前記生理食塩水の音響インピーダンスとの間の値の音響
    インピーダンスを有し、その厚さが送受波する超音波の
    中心周波数の1/4もしくはその整数倍であることを特
    徴とする超音波探触子。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の超音波探触子におい
    て、 前記凹面部を当該超音波探触子の構成部材の側面部分に
    設けたことを特徴とする超音波探触子。
  12. 【請求項12】 超音波を送受波する超音波変換手段を
    有する超音波探触子と、受波した超音波から超音波像を
    構成する信号処理手段と、該超音波像を表示する表示手
    段とを有する超音波診断装置において、 請求項1ないし11の内のいずれか1項に記載の超音波
    探触子を用いることを特徴とする超音波診断装置。
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