JPH11206930A - ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法

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JPH11206930A
JPH11206930A JP10018945A JP1894598A JPH11206930A JP H11206930 A JPH11206930 A JP H11206930A JP 10018945 A JP10018945 A JP 10018945A JP 1894598 A JP1894598 A JP 1894598A JP H11206930 A JPH11206930 A JP H11206930A
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head
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Akira Ichikawa
彰 市川
Daisaku Yoshida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な強度と錆難さを兼ね備え、耐久性およ
ぴ耐蝕性に優れ、かつ適度な柔らかさをもち、ネック部
の曲げ調整を容易に行なうことができるとともに、製造
上の管理が容易で製造コストを廉価とすることができる
ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 Cを0.18〜0.24重量%、Siを
2.2〜2.7重量%、Mnを0.5〜1.0重量%、
Crを18.0〜20.0重量%、Niを8.0〜9.
5重量%、Cuを2.5〜3.0重量%を含み、Pおよ
びSが0.003%以下に規制され、残部がFeおよび
不可避的に混入する不純物からなる材料を用いてヘッド
を成形し、この成形したヘッドを真空中で1050〜1
070℃の温度に2時間保持して溶体化処理し、この処
理後に窒素雰囲気中で冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフのプレーに
使用するアイアンやパターのヘッドの材料組成を改良し
たゴルフクラブヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にゴルフクラブヘッドは、軟鋼やS
US304ステンレス鋼、SUS630ステンレス鋼あ
るいは2相ステンレス鋼等のステンレス鋼がその材料と
して用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】軟鋼を材料とするアイ
アンヘッドにおいては、その軟鋼がもつ柔らかさによつ
てソフトな打撃感触が得られるとともに、工具を用いて
ヘッドのライ角やロフト角の角度調整(ネック部の曲げ
調整)を容易に行なうことができる利点がある。しかし
その反面、軟鋼の錆易さのために防錆処理(例えばめっ
き等の表面処理)を施さなければならないという面倒な
点がある。
【0004】アイアンヘッドの材料としてSUS304
ステンレス鋼を用いた場合には、耐蝕性には優れるがそ
の反面、機械的強度が劣る。ステンレス鋼の金属組織と
しては、マルテンサイト、オーステナイトおよびフェラ
イトの三種類を挙げることができ、SUS630ステン
レス鋼はマルテンサイトを主な金属組織とするステンレ
ス鋼である。このSUS630ステンレス鋼をヘッドの
材料として用いると機械的強度に優れるがその反面、耐
蝕性が充分でないという問題がある。
【0005】一方、特開昭49−115014号公報に
おいては、アイアンヘッドの材料としてマルテンサイト
とオーステナイトとの混合組織からなるステンレス鋼を
用いることが提案されている。マルテンサイトとオース
テナイトとの混合組織からなるステンレス鋼は、SUS
630ステンレス鋼を改良したもので、SUS630ス
テンレス鋼と同じマルテンサイト系のステンレス鋼に分
類され、やはり強度は高いが耐蝕性の点で問題がある。
【0006】ところで、アイアンヘッドの構造上の一つ
のタイプとして、ウエイト配分をソール部(底部)に集
中させてスイートスポットの位置を低く設定したいわゆ
る低重心タイプが知られている。この低重心タイプのア
イアンヘッドは、図1に示すように、スイートスポット
の位置を低く設定するためにソール部1を厚くし、フェ
イス部2を肉薄に形成してあり、打球時にボールが上が
り易く、ビギナーでも打ち易いという特性をもってい
る。
【0007】特に、このようなソール部1を厚くしフェ
イス部2を肉薄とした低重心タイプのアイアンヘッドに
おいては、そのフェイス部2が肉薄である分、高強度の
材料を用いる必要がある。このため強度の劣るSUS3
04ステンレス鋼は不向で、SUS630ステンレス鋼
が使用されることが多い。
【0008】しかしながら、SUS630ステンレス鋼
を用いると、強度が高いためヘッドのネック部3の曲げ
調整が難しくなる。また低重心タイプのアイアンヘッド
では、ソール部1を厚くしているため、ヘッドの背面の
凹状のキャビティ部4の奥行きが深く、このためキャビ
ティ部4の内面を研削して表面仕上げを施すことが難し
く、この結果、キャビティ部4に錆が発生し、外観が悪
くなるという問題がある。
【0009】そこで、オーステナイトとフェライトの2
相の金属組織を主体とする2相ステンレス鋼が開発さ
れ、この2相ステンレス鋼がヘッドの材料として用いら
れるようになってきている。この2相ステンレス鋼は機
械的強度および耐蝕性に優れているとともに、曲げ調整
や研削が比較的容易であり、したがって機械的な性質の
上ではクラブヘッドの材料として好適している。
【0010】一般にゴルフクラブヘッドは、その材料を
用いて精密鋳造法によりヘッドを成形し、この成形後に
ヘッドを熱処理し、この後、最終的な研磨仕上げを施す
工程を経て製造されるが、ヘッドの材料として前記ステ
ンレス鋼が用いられる場合、その金属組織が2相である
ことから、製造上の管理、特に熱処理の管理が難しく、
このため製造コストが高くなる難点がある。
【0011】本発明はこのような点に着目してなされた
もので、その目的とするところは、充分な強度と錆難さ
を兼ね備え、耐久性およぴ耐蝕性に優れ、かつ適度な柔
らかさをもち、ネック部の曲げ調整を容易に行なうこと
ができるとともに、製造上の管理が容易で製造コストを
廉価とすることができるゴルフクラブヘッドおよびその
製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような目的
を達成するために、オーステナイト系の金属組織を主体
とするステンレス鋼を用いてゴルフクラブヘッドを形成
するようにしたものである。
【0013】そのステンレス鋼としては、C(炭素)を
0.18〜0.24重量%、Si(珪素)を2.2〜
2.7重量%、Mn(マンガン)を0.5〜1.0重量
%、Cr(クロム)を18.0〜20.0重量%、Ni
(ニッケル)を8.0〜9.5重量%、Cu(銅)を
2.5〜3.0重量%を含み、P(燐)およびS(硫
黄)が0.003%以下に規制され、残部がFe(鉄)
および不可避的に混入する不純物からなる材料である。
【0014】そしてこの材料を用いてヘッドを成形し、
この成形したヘッドを真空中で1050〜1070℃の
温度に2時間保持して溶体化処理し、この処理後に窒素
雰囲気中で冷却する。製造するヘッドの構造としては、
例えばフェイス部が肉薄でソール部が厚い低重心タイプ
とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明におけるゴルフクラブのヘ
ッドは、オーステナイト系の金属組織を主体とするステ
ンレス鋼を用いて形成する。このステンレス鋼は、Cを
0.18〜0.24重量%、Siを2.2〜2.7重量
%、Mnを0.5〜1.0重量%、Crを18.0〜2
0.0重量%、Niを8.0〜9.5重量%、Cuを
2.5〜3.0重量%を含み、PおよびSが0.003
重量%以下に規制され、残部がFeおよび不可避的に混
入する不純物からなる材料である。
【0016】そしてこの材料を用い、例えば精密鋳造法
により低重心タイプのヘッドを成形する。このヘッドの
成形後には、ヘッドを熱処理槽内に挿入し、真空中で1
050〜1070℃の温度に2時間保持する条件でその
ヘッドを溶体化処理する。この溶体化処理後には、熱処
理槽内に窒素ガスを注入して20分以下の時間内でヘッ
ドをほぼ450℃にまで冷却し、この後、ヘッドを空冷
により冷却して熱処理槽内から取り出す。ヘッドの熱処
理が完了した後には、最終的な研磨仕上げを施してヘッ
ドを完成させる。
【0017】本発明で用いる材料は、SUS304ステ
ンレス鋼を上回る強度を有するステンレス鋼であり、ま
たSUS630ステンレス鋼や軟鋼よりも柔らかく、か
つSUS630ステンレス鋼や軟鋼よりも耐蝕性に優れ
ている。
【0018】したがって、この材料により製造したゴル
フクラブヘッドにおいては、ネック部の曲げ調整を容易
に行なえ、また防錆処埋を不要とすることができる。さ
らにこの材料は、SUS304ステンレス鋼を上回る強
度を有し、かつ耐蝕性に優れるから、ソール部が厚くフ
ェイス部が肉薄である低重心タイプのアイアンヘッドの
製造に特に適する。
【0019】このようなヘッドの材料は、SUS630
系やSUS304系のステンレスのスクラップを用いる
ことが可能なオーステナイト系の金属組織を主体とする
ステンレス鋼である。そしてこのステンレス鋼はγ単相
系の合金であるから、2相ステンレス鋼よりもその製造
上の管理、特に熱処理の管理が容易であり、したがって
製造コストが低減し、廉価なヘッドを得ることが可能と
なる。
【0020】
【実施例】次の表1には、ゴルフクラブヘッド用の材料
の成分組成(重量%)を示してある。この表1には、本
発明に係る材料としての実施例1および実施例2と、比
較例1としてのSUS630ステンレス鋼、比較例2と
してのSUS304ステンレス鋼、比較例3としての軟
鋼(JIS規格SCM415)、比較例4としての2相
ステンレス鋼の成分組成をそれぞれ示してある。
【0021】
【表1】
【0022】この表1に示す実施例1および実施例2の
ステンレス鋼を材料として用い、精密鋳造法による鋳造
成形、ならびにその成形後の熱処埋、研磨仕上げの工程
を経て実施例1および実施例2のアイアンヘッドを製造
した。
【0023】また、表1に示す比較例1(SUS63
0)、比較例2(SUS304)、比較例3(軟鋼)、
比較例4(2相ステンレス鋼)の材料を用い、鋳造成
形、熱処埋、研磨仕上げの工程を経て比較例1、比較例
2、比較例3、比較例4としてのアイアンヘッドを製造
した。なお、製造した各アイアンヘッドは同一形状で、
フェイス部の肉厚が4.3mmの低重心タイプのヘッド
である。
【0024】そしてこれらアイアンヘッドの機械的性
質、すなわち0.2%耐力(Kgf/mm2 )、引張強
さ(Kgf/mm2 )、伸び(%)、硬度(Hv:ビッ
カース硬度)、およびヘッドの実打耐久性、耐蝕性、ネ
ック部の角度調整の難易性について測定した。この測定
の結果を次の表2に示してある。
【0025】
【表2】
【0026】実打耐久性は、アイアンヘッドにシャフト
およびグリップを取り付けたゴルフクラブをスィングロ
ボット装置にセットし、ボールを繰り返して実打したと
きのそのヘッドのライ角やロフト角の変化を評価したも
のである。この実打耐久性の評価は、「変化なし」を
○、「やや変化」をΔ、「変化あり」を×とした。
【0027】耐蝕性は、アイアンヘッドを30日間屋外
に放置した後、外観を観察して評価した結果であり、そ
の評価は、「よい」を○、「やや難あり」をΔ、「悪
い」を×とした。
【0028】角度調整の難易性は、アイアンヘッドのネ
ック部の曲げ調整の容易さを評価したもので、その評価
は、「曲げ易い」を○、「曲げ難い」を×とした。製造
管理の難易性は、ヘッドを製造する時の管理の難易を評
価したもので、「容易」をA、「難しい」をBとした。
【0029】表2に示されているように、実施例1およ
び実施例2のアイアンヘッドは、機械的性質が比較例1
(SUS630ステンレス鋼)と比較例2(SUS30
4ステンレス鋼)とのほぼ中間の性質をもち、かつ比較
例3(軟鋼)および比較例4(2相ステンレス鋼)とほ
ぼ同等の柔らかさをもっていることが分かる。
【0030】引張り強さは、比較例2(SUS304ス
テンレス鋼)が52.4Kgf/mm2 であるのに対
し、実施例1および実施例2がそれぞれ65.0Kgf
/mm2 、65.9Kgf/mm2 と高く、また繰り返
しの実打テストによる耐久性では、比較例2(SUS3
04ステンレス鋼)のヘッドのフェイス部の表面に凹み
およびロフト角に変化が生じたのに対し、実施例1およ
び実施例2のヘッドの実打耐久性においては問題が生じ
ていない。
【0031】硬度(Hv)は、比較例1(SUS630
ステンレス鋼)が325であるのに対し、実施例1およ
び実施例2がそれぞれ244、245と低く、ネック部
の角度調整に際して比較例1(SUS630ステンレス
鋼)のヘッドでは曲げ難いのに対して実施例1および実
施例2のヘッドでは容易に曲げることができる。
【0032】耐蝕性の点では、比較例3のヘッドではフ
ェイス部の背面側のキャビティ部に錆が発生して外観が
非常に悪くなったのに対し、実施例1および実施例2の
ヘッドでは錆がほとんど発生していない。
【0033】製造管理の難易性の点では、実施例1およ
び実施例2のヘッドの材料であるステンレス鋼がγ単相
系の合金であるから、2相ステンレス鋼よりも特に熱処
理の管理が容易となっている。なお、本発明はアイアン
ヘッドを対象とする場合に限らず、パターのヘッドの製
造においても同様に適用することができるものである。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ヘッドの
材料がSUS304ステンレス鋼よりも強度が上回り、
またSUS630ステンレス鋼よりも耐蝕性に優れてお
り、したがって、特にフェイス部が肉薄でソール部が厚
い低重心タイプのアイアンヘッドへの適用に有利であ
り、またSUS630ステンレス鋼を材料とするヘッド
と比較して錆難く、めっき等の防錆処理が不要となり、
低重心タイプのアイアンヘッドであっても、その背面の
キャビティ部に錆が発生するようなことがなく、きれい
な外観を維持することができる。
【0035】また、本発明に係るヘッドの材料は、SU
S630ステンレス鋼よりも柔らかい材料であり、した
がってネック部の曲げ調整を容易に行なえ、ゴルフアー
の要望に応じて簡単にライ角やロフト角を調整すること
ができる。
【0036】さらに本発明に係るヘッドの材料は、SU
S630系やSUS304系のステンレスのスクラップ
を用いることが可能で、2相ステンレス鋼よりヘッド製
造時の特に熱処理の管理が容易であり、したがって製造
コストが低廉となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】低重心タイプのアイアンヘッドを示す側面図。
【符号の説明】
1…ソール部 2…フェイス部 3…ネック部 4…キャビティ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーステナイト系の金属組織を主体とする
    ステンレス鋼により形成されていることを特徴とするゴ
    ルフクラブヘッド。
  2. 【請求項2】Cを0.18〜0.24重量%、Siを
    2.2〜2.7重量%、Mnを0.5〜1.0重量%、
    Crを18.0〜20.0重量%、Niを8.0〜9.
    5重量%、Cuを2.5〜3.0重量%を含み、Pおよ
    びSが0.003%以下に規制され、残部がFeおよび
    不可避的に混入する不純物からなる材料を用いてヘッド
    を成形し、この成形したヘッドを真空中で1050〜1
    070℃の温度に2時間保持して溶体化処理し、この処
    理後に窒素雰囲気中で冷却することを特徴とするゴルフ
    クラブヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】ヘッドの構造が、フェイス部が肉薄でソー
    ル部が厚い低重心タイプであることを特徴とする請求項
    2に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002038227A1 (fr) * 2000-11-07 2002-05-16 Mizuno Corporation Club de golf
JP2014161691A (ja) * 2013-02-28 2014-09-08 Fusheng Precision Co Ltd ゴルフクラブの合金

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WO2002038227A1 (fr) * 2000-11-07 2002-05-16 Mizuno Corporation Club de golf
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