JPH11207151A - 溶液中のミネラル分離方法 - Google Patents

溶液中のミネラル分離方法

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JPH11207151A
JPH11207151A JP10012283A JP1228398A JPH11207151A JP H11207151 A JPH11207151 A JP H11207151A JP 10012283 A JP10012283 A JP 10012283A JP 1228398 A JP1228398 A JP 1228398A JP H11207151 A JPH11207151 A JP H11207151A
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JP
Japan
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solution
ions
kcl
monovalent
electrodialysis
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Application number
JP10012283A
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English (en)
Inventor
Masashi Oda
将史 小田
Hideaki Kurokawa
秀昭 黒川
Takayuki Matsumoto
隆行 松本
Masayoshi Kondo
政義 近藤
Satoshi Sugawara
敏 菅原
Keiji Nitta
慶治 新田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1価イオン及び多価イオンを含む溶液に残留す
るNaイオン及びClイオンの量を低減する。 【解決手段】湿式酸化処理尿である分離対象溶液1は、
Na,K,Clなどの1価イオンとCa,Mg,S
4 ,PO4 などの多価イオンをミネラル成分として含
有する。分離対象溶液1は、混合槽3内で固体または水
溶液のKCl2と混合される。混合槽3内の分離対象溶
液1は、電気透析装置4に供給され、電気透析により、
1価イオンが除去された脱塩液5、及び1価イオン濃縮
液6に分離される。KClを添加して、脱塩液に残留す
るKの量を増やしてやればKCl添加前に比べて、多価
イオンの透過が始まる限界1価陽イオン濃度を下げるこ
とができる。これにより電気透析後のNaの残留量が減
ると同時に、溶液内の電気的中性条件を満足させるため
Clイオンが減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミネラル分離方法
に係り、特に閉鎖系での物質リサイクルを成立させるた
めに好適なミネラル分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Na,K,Clなど1価イオン、及びC
a,Mg,SO4 ,PO4 などの多価イオンをミネラル
成分として含有する溶液(例えば人間の尿)から人間の
生存に必要なNaClと、植物の生育に必要なイオンを
分離・回収する方法としては、特開平7−39728号公報
に記載されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、分離
対象となる溶液をそのまま電気透析することから、例え
ば人間の尿のように1価の陽イオンが1価の陰イオンに
比べて過剰であり、かつNaイオンがKイオンに比べて
非常に多い溶液からミネラルを分離・回収する場合に
は、以下のような問題が生じる。第一に、電気透析後の
分離対象溶液(以下脱塩液と呼ぶ)の中に大量のNaイ
オンとClイオンが残留することである。ここで、Na
とClを残留させないために長時間の電気透析を続ける
と2価イオンが1価イオンと共に除去されてしまう(図
10)。第二に、電気透析により生じた1価イオンの濃
縮液に植物の生育に必要なKイオンが含まれ、温度差晶
析によりKClの形で取り出されることである。
【0004】閉鎖系では、尿から1価イオンを除去した
脱塩液を通常そのまま植物栽培の養液として用いる。し
かし、脱塩液内にNaイオン及びClイオンが多量に存
在すると塩害を引き起こす。かといって、過剰な電気透
析により2価イオンが除去されてしまった脱塩液では、
植物の生長に不可欠なCa,Mg,S、及びPといった
ミネラル成分が不足してしまう。また、KClとして取
り出され、植物の生長に必要不可欠なミネラル成分であ
るKイオンを、塩害を起こさぬように植物栽培にリサイ
クル利用するには、KイオンとClイオンを分離する複
雑なプロセスが新たに必要になる。
【0005】本発明の目的は、1価イオン及び多価イオ
ンを含む溶液に残留するNaイオン及びClイオンの量
を低減できる溶液中のミネラル回収方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する第1
発明の特徴は、1価イオン及び多価イオンをミネラル成
分として含有する溶液中の前記1価イオンと前記多価イ
オンを電気透析により分離する溶液中のミネラル分離方
法において、前記溶液中にKClを添加して前記電気透
析を行うことにある。1価イオンとしてはNa,K,C
lなどがあり、多価イオンとしてはCa,Mg,S
4 ,PO4 などがある。
【0007】NaとKを1価陽イオン選択性透過膜を用
いて電気透析で透過させる場合、Naに比べてKの方
が、多価イオンに対して透過性が高い。即ちNaであれ
ば多価イオンも膜を透過してしまうほど、多価のイオン
が比較的多く存在するような条件下でも、Kが選択的に
膜を透過しやすい。このためKClを添加して、脱塩液
に残留するKの量を増やしてやればKCl添加前に比べ
て、多価イオンの透過が始まる限界1価陽イオン濃度を
下げることができる。1価陽イオン選択性透過膜と1価
陰イオン選択性透過膜を用いた本発明で使用する電気透
析法では、これにより電気透析後のNa等の1価陽イオ
ンの残留量が減ると同時に、溶液内の電気的中性条件を
満足するため1価陽イオンの残留量の減少に見合う分の
1価の陰イオン即ちClイオンが、1価陰イオン選択性
透過膜を透過することから電気透析後に残留する1価イ
オンの量を減らすことができる。
【0008】上記目的を達成する第2発明の特徴は、1
価イオン及び多価イオンをミネラル成分として含有する
溶液中の前記1価イオンと前記多価イオンを電気透析に
より分離し、前記電気透析後に取り出されるNaイオン
及びKイオンを含む溶液からKとNaをKClとNaC
lの形で分離・回収する溶液中のミネラル回収方法にお
いて、回収されたKClを、1価イオンと多価イオンを
電気透析により分離する手段にリサイクルさせることに
ある。
【0009】回収されたKClを再利用するので、電気
透析を行う上記溶液に添加する新たなKClの量を低減
できる。
【0010】上記目的を達成する第3発明の特徴は、前
記溶液中に添加するKCl量を、前記回収されるKCl
量と等しくすることにある。
【0011】溶液中に添加されるKClは全て回収され
たKClとなるので、外部から新たに添加するKClが
不要となる。
【0012】上記目的を達成する第4発明の特徴は、1
価イオン及び多価イオンをミネラル成分として含有する
溶液中の前記1価イオンと前記多価イオンを電気透析に
より分離する溶液中のミネラル回収方法において、前記
溶液を電気透析した後の残留溶液中にKClを添加して
さらに電気透析を行うことにある。
【0013】残留溶液は脱塩液であり、この残留溶液に
KClを添加して電気透析を行うことにより、この電気
透析により得られた脱塩液に含まれるNaイオンの量が
著しく少なくなる。
【0014】上記目的を達成する第5発明の特徴は、そ
れぞれの透析により生じた1価イオンの濃縮された溶液
を、KClとNaClに分離・回収し、回収されたKC
lの一部を、前記残留溶液に添加するKClとして利用
することにある。
【0015】第5発明は、第2発明と同じ作用効果を生
じる。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施例1)湿式酸化処理された
溶液(尿)は、微量の多価イオン(Ca2+,Mg3+,SO4
2-,PO4 3-等)及び多量の1価イオン(Na+,K+
Cl-等)が含まれている。Na+とCl-のモル濃度は
ほぼ等しい。この湿式酸化処理された尿からNaClを
除去するシステムに本発明を適用して得られる好適な一
実施例である溶液中のミネラル分離方法を図1を用いて
説明する。湿式酸化処理尿である分離対象溶液1は、混
合槽3内で固体または水溶液のKCl2と混合される。
混合槽3内の分離対象溶液1は、電気透析装置4に供給
され、電気透析により、1価イオンが除去された脱塩液
5、及び1価イオン濃縮液6に分離される。
【0017】電気透析装置4は、例えば図2に示される
ように、交互に配置された1価陽イオン選択性透過膜4
1及び1価陰イオン選択性透過膜42によって仕切られ
た複数の溶液室45及び46を有する。これらの溶液室
45及び46は交互に配置される。各溶液室46は、入
口側配管23及び出口側配管24によって混合槽3に接
続される。循環ポンプ22が、入口側配管23に設置さ
れる。各溶液室45は、入口側配管26及び出口側配管
27によってタンク21に接続される。循環ポンプ25
が、入口側配管26に設置される。バルブ32を備える
脱塩液排出管31が、混合槽3に接続される。バルブ3
4を備える1価イオン濃縮液排出管33が、タンク21
に接続される。
【0018】陰電極44が、図2において最も右側の溶
液室46内に配置される。図2において最も左側に位置
する1価陽イオン選択性透過膜41に接して、陽極室4
7が存在する。陽電極43が陽極室47内に配置され
る。陽極室47は、循環配管30によってタンク29に
接続される。循環ポンプ28が、循環配管30に設けら
れる。これらの溶液室45及び46は交互に配置され
る。
【0019】分離対象溶液1及びKCl2が混合されて
混合槽3内に供給される。この混合溶液は、循環ポンプ
22の駆動により溶液室46に供給される。溶液室45
にはタンク21内の溶液が循環ポンプ25により供給さ
れる。直流電圧が陽電極43と陰電極44との間に印加
される。このため、混合溶液に含まれている1価陰イオ
ン(Cl- 等)は、1価陰イオン選択性透過膜42を透
過して陽電極側で隣接する溶液室45内に移行する。ま
た1価陽イオン(Na+ ,K+ 等)は、1価陽イオン選
択性透過膜43を透過して陰電極側で隣接する溶液室4
5内に移行する。溶液室46内の溶液から溶液室45内
の溶液に移行する1価陰イオン及び1価陽イオンのモル
数は同じである。溶液室46内の溶液は溶液室45と混
合槽3との間を循環し、溶液室45内の溶液は溶液室4
5とタンク21との間を循環する。溶液室46内の溶液
は、循環するうちに1価陰イオン及び1価陽イオンの濃
度を低下させ、相対的に多価イオンの濃度を増加させ
る。1価陰イオン及び1価陽イオンの濃度が低下した溶
液室46内の溶液は、脱塩液となる。一方、溶液室45
内の溶液は、循環するうちに1価陰イオン及び1価陽イ
オンの濃度を高める。選択性透過膜42を透過して陽電
極側で隣接する溶液室45内に移行する。
【0020】1価陽イオン選択性透過膜41でのKとN
aの輸率をそれぞれtK とtNaとするとKのNaに対す
る相対輸率はtK /tNa(これをRとする)で表され
る。この相対輸率の値はKかNaのどちらかの濃度が十
分ある限りほぼ一定に保たれる。尚、輸率は1価陽イオ
ン選択性透過膜41であるイオンの輸率は、そのイオン
が1価陽イオン選択性透過膜41をどれだけ透過しやす
いかを表す指標である。相対輸率は比較の対象となるイ
オンに対してそのイオンがどれだけ膜を通りやすいかの
指標である。
【0021】脱塩前の分離対象溶液1に含まれるKイオ
ンの量をNK0,Naイオンの量をNNa0 とすると、脱塩
された分離対象溶液1に含まれるKイオンとNaイオン
の総量がNとなったときのNaイオンのイオン量は、主
としてNK0とNNa0 とRによって変化し、NNa0 が一定
の時、NK0が大きくなるにつれて小さくなる。KClの添
加によってNK0が大きくなるので、KClの添加前後の
NaをNが等しくなるようそれぞれ電気透析した後に比
較すると、KCl添加時の方がNNaは小さくなる。従っ
て、KClを添加することによって1価陽イオン選択性
透過膜41を透過するNaイオンの量が増加し、分離対
象溶液1から回収されるNaイオンの回収率が向上す
る。当然のことながら、分離対象溶液1中に残存するN
aイオン量はより減少する。
【0022】本実施例において、混合槽3と溶液室46
との間を循環する溶液に含まれる各陽イオンの透析時間
に対する濃度変化を、図3に示し、その溶液に含まれる
各陰イオンの透析時間に対する濃度変化を、図4に示
す。K,Na,Clともに透析時間にほぼ比例して濃度
が減少している。また、Naに比べてKの方が減少率が
高い。
【0023】本実施例において、KClを分離対象溶液
1kgにつき5380mg添加して電気透析を行った場合
と、従来と同様にKClを添加せずに電気透析を行った
ときの、電気透析後に残留する1価イオン量の比較を図
5に示す。Kの残留量は従来の約3倍となるが、Naイ
オンとClイオンの量は従来の2/3と大幅に減少す
る。このNaイオン及びClイオンの削減効果は、KC
lの添加量を増加させればより大きく、減少させればよ
り小さくなる。また電気透析(脱塩処理)の終了に要する
時間は、電気透析装置4の構成が同じで流す電流量が等
しければ、KClの添加量と共に増加する。
【0024】(実施例2)本発明の他の実施例である溶
液中のミネラル分離方法を図6を用いて説明する。本実
施例は、実施例1に温度差晶析装置7を設け、温度差晶
析装置7で分離解消されたKCl2が混合槽3に供給さ
れる。本実施例の他の構成は、実施例1と同じである。
本実施例における電気透析装置4は、図2の構成を有す
る。図2に示す1価イオン濃縮液排出管33が温度差晶
析装置7に接続される。
【0025】本実施例も実施例1と同様に湿式酸化処理
尿である分離対象溶液1を処理する。本実施例は、実施
例1で得られた1価イオン濃縮液6を、温度差晶析装置
7を用いてKClとNaClとに分離し、KClを上記
したように再利用する。
【0026】温度差晶析装置7で行われる1価イオン濃
縮液6の処理について以下に説明する。本実施例で得ら
れた1価イオン濃縮液6は、湿式酸化処理した尿をその
まま電気透析して得られた1価イオン濃縮液と異なり、
KClが過剰になっている。このような状態での温度差
晶析装置7の運転を図7を用いて述べる。
【0027】温度差晶析装置7内には、高温部(90
℃)と低温部(20℃)が存在する。高温部でKClを
析出させ、低温部でKClを析出させる。このため、図
7のa行程のように、高温部における1価イオン濃縮液
6に含まれるKCl及びNaClの濃度が高温部での共
晶点に対する飽和濃度に達するまでの間、低温部におい
てKClが析出する程度まで高温部で1価イオン濃縮液
6中の水分を蒸発させ、低温部でKClを析出させなが
ら、1価イオン濃縮液6を低温部と高温部との間で循環
させる。
【0028】次の(1)〜(3)のプロセスで高温部にN
aClを析出させるので、KClを高温部で析出させな
いように高温部における1価イオン濃縮液6中の水分の
蒸発させすぎを防止しなければならない。
【0029】(1)高温部でNaClを析出させなが
ら、1価イオン濃縮液6中のKClとNaClの濃度比
が、高温部での共晶点に対応する濃度比に達するまで水
分を蒸発させる。
【0030】(2)KClとNaClの濃度比が、高温
部での共晶点に対応する濃度比に達した濃縮液を低温部
に送ってKClを析出させた後、高温部へ送る(図7の
c行程)。
【0031】(3)(1)および(2)の工程を1価イ
オン濃縮液6の量が設定量に以下なるまで繰り返す。
【0032】上記の処理を行った後に残った1価イオン
濃縮液6は、温度差晶析装置7に供給される1価イオン
濃縮液6に混合され、再び上記のように処理される。温
度差晶析装置7を用いることによってKCl2及びNa
Cl8が回収される。回収されたKCl2は、混合槽3
に導かれ1価イオン濃縮液6に混合されて再利用され
る。
【0033】混合槽3内で1価イオン濃縮液6にKCl
を添加する理由は2つある。第1の理由は、前述したよ
うに分離対象溶液1から回収されるNaイオンの回収率
を向上させ、分離対象溶液1中に残存するNaイオン量
を低減させることである。第2の理由は、分離対象溶液
1からのK及びNaの分別回収を効率良く行うためであ
る。NaとKは、分離が非常に困難であり、NaClと
KClを用いた温度差晶析以外に有効に分離できない。
また、分離対象となる溶液から1価の陽イオンと陰イオ
ンを共に除去するには1価の陽イオンと陰イオンが同じ
数存在することが望ましいので、K2SO4など2価の陰
イオンを含む塩の使用は不適当である。本実施例は、実
施例1と同様な効果を得ることができる。更に、本実施
例は、1価イオン濃縮液6から回収されたKCl2を再
利用するので、分離対象溶液1に新たに添加するKCl
の量を低減できる。
【0034】(実施例3)本発明の他の実施例である溶
液中のミネラル分離方法を以下に説明する。本実施例
は、図6に示した実施例2において、混合槽3で分離対
象溶液1に添加するKClの量を、温度差晶析装置7で
回収されるKClの量と等しくなるように調整するもの
である。このような調整によって、脱塩液5中にはKイ
オンをCl抜きで残しておき、尿中に含まれるNaCl
のみを(見かけ上)回収することができる。例えば、分
離対象溶液1の1kg中にKイオンが1280mg含まれて
いるとき、電気透析装置4によって85%のKイオンが
1価イオン濃縮液6に移行し、温度差晶析装置7によっ
て95%のKイオンがKClとして低温部に析出したと
き、混合槽3で添加するKCl2を分離対象溶液1kgあ
たり10.25g とすれば、添加するKClと回収され
るKClが釣り合う。このとき、分離対象溶液1中に含
まれるKイオンの量が少なくなると回収されるKClは
少なくなり、逆にKイオンの量が多くなると、回収され
るKClは多くなる。しかし、その変化が日常的な運転
の中での一時的なものであれば、回収されるKClの量
は次第に元の状態に戻る。
【0035】本実施例は、実施例2と同じ効果を生じ
る。
【0036】本実施例を閉鎖系の物質サイクルを維持す
るシステムに適用すれば、脱塩液5には植物養液に戻す
必要のあるミネラル成分のみが、移送しやすい水溶液の
状態で存在すると同時に、動物の摂取する食塩は固体の
NaClとして存在するので、取り扱いが非常に容易に
なる。
【0037】(実施例4)本発明の他の実施例である溶
液中のミネラル分離方法を図8を用いて説明する。本実
施例は、図2の構成を有する電気透析装置4A及び4
B、温度差晶析装置7及び蒸発・濾過装置9を備える。
【0038】本実施例も実施例1と同様に湿式酸化処理
尿である分離対象溶液1を処理する。本実施例でも、図
示されていないが、分離対象溶液1にKClを添加した
状態で電気透析装置4Aに供給する。このKClは、実
施例2と同様に、後述の温度差晶析装置7で回収された
KCl2の一部を用いてもよい。実施例1の電気透析装
置4と同様に、電気透析装置4Aによって分離対象溶液
1が処理され、1価イオン濃縮液6A及び脱塩液5Aを
得る。温度差晶析装置7は、実施例2と同様にしてNa
Cl8及びKCl2を回収する。回収されたKCl2は
脱塩液5Aと共に電気透析装置4Bに導かれる。電気透
析装置4Bに供給されるKClは、そのすべてが温度差
晶析装置7で回収されたKCl2である必要はなく、特
に処理を始める初期においては外部からKClを導入す
ることが望ましい。
【0039】電気透析装置4Bは、分離対象溶液1中の
1価イオンがほとんど除去された脱塩液5Aを、KCl
を添加した状態で電気透析する。このため、電気透析装
置4Bで得られる脱塩液5B中のNaイオン及びClイ
オンの量は、実施例1及び2で得られる脱塩液5よりも
更に低減される。電気透析装置4Bで得られた1価イオ
ン濃縮液6Bは、多量のKイオン及びClイオン、及び
僅かな量のNaイオンを含んでいる。この1価イオン濃
縮液6Bは、蒸発・濾過装置9に供給され、所定の温度
に加熱されることにより水分を蒸発させる。蒸発・濾過
装置9においては、NaClに比べてKClの溶解度が
小さいために、飽和濃度を超えるとKClのみが選択的
に析出する(図7参照)。1価イオン濃縮液6Bに含ま
れるKClが析出し、1価イオン濃縮液中のKCl濃度
とNaCl濃度が共晶点に近づいたところで蒸発・濾過
装置9における水分の蒸発を止める。蒸発・濾過装置9
から排出された残留溶液10は、温度差晶析装置7に供
給される。
【0040】本実施例は、電気透析装置4A及び4Bに
供給するそれぞれの溶液にKClを添加している。この
効果について説明する。
【0041】KClを添加したことによって得られる効
果は、実施例1及び2のように分離対象溶液1に対して
一括してKClを添加したときだけではなく、本実施例
のように分離対象溶液の電気透析過程でKClを分割添
加しても得られる。これは、KCl添加時点でのNaイ
オン量をNNa0 と考えれば実施例1で述べた理由と同じ
理由で説明できる。ここで、一括添加の場合と異なるの
は、電気透析装置4Aでの処理段階で加えるKClの量
が少なくなることである。電気透析装置4Aで行う電気
透析の初期の段階では脱塩液中のNaイオンが多いた
め、KClを添加しても1価イオン総量に占めるNaイ
オンの割合を減らす効果は小さい。また、電気透析装置
4Aでの初期の透析段階では、KClの添加を少なくし
ても分離対象溶液1に含まれる1価イオンの総量が十分
あるので、1価イオンを添加して多価イオンの1価選択
性透過膜透過を防止する必要はない。電気透析が進むに
つれて脱塩液5Aに含まれるNaイオンの量は減少す
る。一回当たりのKCl添加量が同じであれば、KCl
添加時点のNaイオン量に対するKイオンの割合は次第
に大きくなる。従って、電気透析過程の後半、すなわち
1価イオンの総量が減少して電気透析装置4Bに供給さ
れる脱塩液5AにKClを更に添加することによって、
多価イオンの1価選択性透過膜の透過を防止しながら、
一括添加に比べて少ないKClの添加で脱塩液5B中の
Naイオンの量を減らせる。
【0042】実施例4において、電気透析装置4Aに供
給する溶液1に添加するKClの量を零にしてもよい。
これは、実施例4のように電気透析装置4A及び4Bに
供給するそれぞれの溶液にKClを添加する場合の極端
なケースであり、電気透析装置4Aに供給する溶液1に
添加するKClを0とし、透析の最終段階に相当する電
気透析装置4Bに供給する溶液にKClを添加するもの
である。この場合における脱塩液5Bに含まれるNaの
量は、電気透析装置4Aに供給する溶液にKClを添加す
る場合に比べて著しく少なくなる。
【0043】本実施例は、実施例2と同様な効果を生じ
る。本実施例は、脱塩液5AをKClを添加した脱塩液5
Aを電気透析するので、NaClの濃度が著しく低い脱
塩液を得ることができる。また、得られるNaCl8も
高純度のものとなる。
【0044】(実施例5)本発明の他の実施例である溶
液中のミネラル分離方法を図9を用いて説明する。本実
施例は、実施例4の電気透析装置4A及び4Bを共用化
し、システムの簡素化を図ったものである。本実施例
は、電気透析装置4,温度差晶析装置7,蒸発・濾過装
置9及びバルブ11,12,13,14,15を備え
る。
【0045】まず、バルブ12を閉じた状態でバルブ1
1を開いて、湿式酸化処理尿である分離対象溶液1を電
気透析装置4に供給する。バルブ15は閉じている。こ
の電気透析により、1価イオン濃縮液6及び脱塩液5が
生成される。1価イオン濃縮液6は、バルブ13を開く
ことにより温度差晶析装置7に導かれる。このとき、バ
ルブ14は閉じておく。1価イオン濃縮液6が温度差晶
析装置7へ導入された後、バルブ12,15を開ける。
バルブ11は閉じている。温度差晶析装置7で分離回収
されたKClは、脱塩液5と混合されて電気透析装置4
に供給される。KClを含む脱塩液5は、電気透析装置
4で電気透析される。脱塩液5中に残留していたNa及
びClは、添加したKClと共に1価イオン濃縮液6に
移行する。この1価イオン濃縮液(実施例4の1価イオ
ン濃縮液6Bに対応)は、バルブ14を開くことにより
蒸発・濾過装置9に供給される(バルブ13は閉)。蒸
発・濾過装置9は、実施例4と同様にKClを析出させ
て濾過する。蒸発・濾過装置9から排出された残留溶液
10は、温度差晶析装置7に送られて、次回処理される
分離対象溶液1の電気透析により得られた1価イオン濃
縮液に混合されて温度差晶析装置7で処理される。蒸発
・濾過装置9で析出したKClは、電気透析装置4に供
給される脱塩液5に添加されて使用される。
【0046】本実施例は、実施例4と同じ効果を生じ、
更に実施例4に比べて電気透析装置が一台で済むので構
成を単純化できる。
【0047】本実施例において、バルブ13,14、及
び蒸発・濃縮装置9を設けず、温度差晶析装置7の運転
方法を変えることで蒸発・濃縮装置9の代用とすること
もできる。このとき、温度差晶析装置7は、分離対象溶
液1の電気透析により生じた1価イオン濃縮液のように
NaイオンがKイオンに対して多いときには、公知の温
度差晶析運転を行い、KCl添加後の脱塩液中の1価イ
オン濃縮液のようにKイオンがNaイオンに対して多い
ときには図7のa行程のような運転を行う。このような
構成とすれば、機器構成をさらにシンプルにすることが
でき、信頼性が増す。
【0048】実施例1乃至実施例5は、尿からのミネラ
ル分離・回収に適用した例であるが、同様の構成で同じ
く1価イオンと多価イオンから構成される生活排液や工
場廃液からのミネラルやイオンの回収にも適用可能であ
る。
【0049】
【発明の効果】第1発明によれば、1価イオン及び多価
イオンを含む溶液に残留するNaイオン及びClイオン
の量を低減できる。
【0050】第2発明及び第5発明によれば、回収され
たKClを再利用するので、電気透析を行う電気透析さ
れる溶液に添加する新たなKClの量を低減できる。
【0051】第3発明によれば、外部から新たに添加す
るKClが不要となる。
【0052】第4発明によれば、脱塩液である残留溶液
にKClを添加して電気透析を行うことにより、この電
気透析により得られた脱塩液に含まれるNaイオンの量
が著しく少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である溶液中のミネラ
ル分離方法を適用する溶液中のミネラル分離装置の構成
図である。
【図2】図1の電気透析装置の詳細構成図である。
【図3】KClを添加した分離対象溶液の電気透析時間
に対する陽イオン濃度の変化を示した特性図である。
【図4】KClを添加した分離対象溶液の電気透析時間
に対する陽イオン濃度の変化を示した特性図である。
【図5】電気透析後の脱塩液に残留する1価イオン量の
比較を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施例である溶液中のミネラル分
離方法を適用する溶液中のミネラル分離装置の構成図で
ある。
【図7】図6の温度差晶析装置内で行われる温度差晶析
の行程を説明するKCl−NaClの溶解度曲線図である。
【図8】本発明の他の実施例である溶液中のミネラル分
離方法を適用する溶液中のミネラル分離装置の構成図で
ある。
【図9】本発明の他の実施例である溶液中のミネラル分
離方法を適用する溶液中のミネラル分離装置の構成図で
ある。
【図10】湿式酸化処理した尿中の陽イオン濃度の電気
透析に伴う変化を示す特性図である。
【符号の説明】
3…混合槽、4,4A,4B…電気透析装置、7…温度
差晶析装置、9…蒸発・濾過装置、11,12,13,
14,15…バルブ、41…1価陽イオン選択性透過
膜、42…1価陰イオン選択性透過膜、43…陽極、4
4…陰極、45,46…溶液室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 隆行 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 近藤 政義 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 菅原 敏 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 新田 慶治 東京都東久留米市八幡町一丁目7番23号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1価イオン及び多価イオンをミネラル成分
    として含有する溶液中の前記1価イオンと前記多価イオ
    ンを電気透析により分離する溶液中のミネラル分離方法
    において、 前記溶液中にKClを添加して前記電気透析を行うこと
    を特徴とする溶液中のミネラル分離方法。
  2. 【請求項2】1価イオン及び多価イオンをミネラル成分
    として含有する溶液中の前記1価イオンと前記多価イオ
    ンを電気透析により分離し、前記電気透析後に取り出さ
    れるNaイオン及びKイオンを含む溶液からKとNaを
    KClとNaClの形で分離・回収する溶液中のミネラ
    ル回収方法において、 回収されたKClを、1価イオンと多価イオンを電気透
    析により分離する手段にリサイクルさせることを特徴と
    する溶液中のミネラル分離方法。
  3. 【請求項3】前記溶液中に添加するKCl量を、前記回
    収されるKCl量と等しくする請求項2の溶液中のミネ
    ラル分離方法。
  4. 【請求項4】1価イオン及び多価イオンをミネラル成分
    として含有する溶液中の前記1価イオンと前記多価イオ
    ンを電気透析により分離する溶液中のミネラル回収方法
    において、 前記溶液を電気透析した後の残留溶液中にKClを添加
    してさらに電気透析を行うことを特徴とする溶液中のミ
    ネラル分離方法。
  5. 【請求項5】それぞれの透析により生じた1価イオンの
    濃縮された溶液を、KClとNaClに分離・回収し、回
    収されたKClの一部を、前記残留溶液に添加するKC
    lとして利用する請求項4の溶液中のミネラル分離方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116354431A (zh) * 2023-04-07 2023-06-30 南京工业大学 一种增量回收高盐废水中盐分的方法

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CN116354431A (zh) * 2023-04-07 2023-06-30 南京工业大学 一种增量回收高盐废水中盐分的方法

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