JPH11209473A - 水性樹脂、その製造法およびそれを含有する水性硬化性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂、その製造法およびそれを含有する水性硬化性樹脂組成物

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JPH11209473A
JPH11209473A JP10013075A JP1307598A JPH11209473A JP H11209473 A JPH11209473 A JP H11209473A JP 10013075 A JP10013075 A JP 10013075A JP 1307598 A JP1307598 A JP 1307598A JP H11209473 A JPH11209473 A JP H11209473A
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Shinichi Kudo
伸一 工藤
Hidetoshi Tomita
秀敏 富田
Koji Kinoshita
宏司 木下
Masataka Ooka
正隆 大岡
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、硬化性、保存安定性、光沢
保持性、耐曝露汚染性および耐酸性雨性などの耐久性に
優れる硬化塗膜を形成する水性樹脂、その製造法及び水
性硬化性樹脂組成物にある。 【解決手段】 珪素原子に結合した加水分解性基および
/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪
素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合して
いるポリシロキサン(A)と、酸基または塩基性基を有
する重合体(B−1)とからなる混合物および/または
縮合物を、塩基性化合物または酸性化合物で部分中和な
いしは完全中和せしめたのち、水性媒体中に分散もしく
は溶解せしめて得られる水性樹脂、その製造法及び水性
硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
る水性樹脂、該水性樹脂の新規にて有用なる製造法と、
該水性樹脂を必須の成分として含有する、新規にして有
用なる水性硬化性樹脂組成物とに関する。さらに詳細に
は、シクロアルキル基を含有する特定のポリシロキサン
と、酸基または塩基性基を含有する特定の重合体とから
なる混合物および/または縮合物を、塩基性化合物また
は酸性化合物で中和せしめたのち、水性媒体中に分散も
しくは溶解せしめて得られる水性樹脂、当該水性樹脂の
製造法ならびに当該水性樹脂を必須の成分として含有す
る、水性硬化性樹脂組成物に関し、
【0002】さらには、シクロアルキル基含有する特定
のポリシロキサンと、アニオン性基、カチオン性基およ
びノニオン性基よりなる群から選ばれる、少なくとも1
種の親水性基を有する特定の重合体とからなる混合物お
よび/または縮合物を、水性媒体中に分散もしくは溶解
せしめて得られる水性樹脂、該水性樹脂の製造法ならび
に該水性樹脂を必須の成分として含有する、水性硬化性
樹脂組成物に関し、
【0003】とりわけ、光沢保持性、耐曝露汚染性なら
びに耐酸性雨性などのような、いわゆる耐久性をはじめ
として、耐溶剤性、耐薬品性ならびに耐水性などの諸性
能にも優れる硬化物を形成せしめることが出来て、しか
も、優れた硬化性と、優れた保存安定性とを兼備した水
性樹脂に関するし、はたまた、該水性樹脂の製造法にも
関するし、加えて、該水性樹脂を必須の成分として含有
することから成る、とりわけ、硬化性にも優れるし、し
かも、前記したような耐久性などをはじめとする諸性能
にも優れる硬化物を与え得る水性硬化性樹脂組成物にも
関する。
【0004】そして、こうした本発明の組成物は、建築
外装用、建材用、重防食用あるいは車両用等の各種の塗
料、繊維処理剤、接着剤あるいはシーリング剤等の各種
の用途に有効に利用できるものである。
【0005】
【従来の技術】これまでにも、塗料用の水性硬化性樹脂
組成物としては、塩基性基または酸基と、水酸基などの
ような、いわゆる官能基とを併有するビニル系重合体
を、酸性化合物あるいは塩基性化合物で以て中和せしめ
たのちに、水性媒体中に分散ないしは溶解せしめて得ら
れる水性樹脂と、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂お
よびアミノ樹脂などのような、種々の硬化剤とから成る
水性硬化性樹脂組成物(特開平4−359075号公
報、特開平6−1948号公報、特表平8−51000
0、欧州特許EP661320−A1号公報)が、幅広
く、利用されている。
【0006】しかしながら、こうした、これまでに使用
されて来た水性樹脂を、いわゆるベース樹脂成分とする
水性硬化性樹脂組成物から得られる硬化塗膜は、とりわ
け、曝露時の光沢保持性、耐曝露汚染性ならびに耐酸性
雨性などの、いわゆる耐久性が不十分であり、したがっ
て、高度の耐久性などが要求されるような用途には、全
くと言ってよいほど、利用し適用することが出来ない、
という問題がある。
【0007】本発明者らは、こうした問題点を解消する
べく研究を行った結果、加水分解性シリル基と酸基を併
有する重合体、あるいは、加水分解性シリル基と酸基に
加えて、これら2種類の官能基以外の官能基をも併有す
る重合体と、珪素原子に結合した水酸基および/または
または珪素原子に結合した加水分解性基を有するポリシ
ロキサンとを縮合反応させたのち、塩基性化合物で以て
部分中和ないしは完全中和せしめて得られる樹脂を、水
性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂
が、硬化性および保存安定性に優れることを見い出すと
共に、該水性樹脂を含有する水性硬化性樹脂組成物が、
光沢保持性、耐酸性、耐酸性雨性および耐曝露汚染性な
どの耐久性に優れる硬化塗膜を与えることを見い出し、
先に、特許出願を行った(特願平8−197478
号)。
【0008】しかしながら、かかる水性樹脂において、
長期にわたる保存安定性を確保するためには、全珪素原
子の10モル%以上にアリール基が結合したポリシロキ
サンを使用することが必要であり、このために、長期間
にわたる曝露時の光沢保持性の点で満足できるレベルに
はないということが判明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明者ら
は、上述したような従来型技術における種々の問題点
を、悉く、解決し、こうした従来型技術における種々の
欠点ないしは欠陥を、悉く、解消するべく、鋭意、研究
を開始した。
【0010】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、とりわけ、長期にわたる光沢保持性、耐曝露汚染
性ならびに耐酸性雨性などの耐久性に優れた硬化物を与
えることが出来、しかも、硬化性や、保存安定性などに
も優れる、新規にして有用なる水性樹脂それ自体を提供
することにあるし、また、そうした水性樹脂の製造方法
を提供することにもあるし、併せて、かかる新規にして
有用なる水性樹脂を含有する、極めて優れた耐久性を持
つ硬化塗膜を与える新規にして有用なる水性硬化性樹脂
組成物を提供することにある。
【0011】そこで、本発明者らは、上述の課題を解決
すべく、更なる検討を重ねた結果、
【0012】珪素原子に結合した加水分解性基および/
または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪素
原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合してい
る、特定のポリシロキサンと、酸基または塩基性基を有
する重合体とからなる混合物および/または縮合物を、
【0013】あるいは、当該ポリシロキサンと、酸基ま
たは塩基性基に加え、該酸基または該塩基性基と、珪素
原子に結合した加水分解性基と、珪素原子に結合した水
酸基との、都合、3種類の基以外の官能基をも併有する
重合体とからなる混合物および/または縮合物を、塩基
性化合物または酸性化合物で部分中和ないしは完全中和
せしめたのち、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて
得られる水性樹脂、
【0014】もしくは、当該ポリシロキサンと、アニオ
ン性基、カチオン性基およびノニオン性基よりなる群か
ら選ばれる、少なくとも1種の親水性基を有する重合体
とからなる、混合物および/または縮合物を、あるい
は、アニオン性基、カチオン性基およびノニオン性基よ
りなる群から選ばれる、少なくとも1種の親水性基に加
え、該親水性基と、珪素原子に結合した加水分解性基
と、珪素原子に結合した水酸基との、都合、3種類の基
以外の官能基をも併有する重合体とからなる混合物およ
び/または縮合物を、水性媒体中に分散もしくは溶解せ
しめて得られる水性樹脂が、とりわけ、硬化性および長
期保存安定性に優れることを見出し、該水性樹脂の製造
法を確立すると共に、
【0015】該水性樹脂を必須の成分として含有する水
性硬化性樹脂組成物が、耐酸性雨、耐曝露汚染性などに
優れることに加えて、極めて高い光沢保持性を有する硬
化物を与えることを見出し、ひいては、上述したよう
な、本発明が解決しようとする課題を、見事に、解決す
ることが出来るということを確信するに及んで、ここ
に、本発明を完成させるに到った。
【0016】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は、基本的に
は、珪素原子に結合した加水分解性基および/または珪
素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪素原子の1
0モル%以上にシクロアルキル基が結合しているポリシ
ロキサン(A)と、酸基または塩基性基を有する重合体
(B−1)とからなる混合物および/または縮合物を、
塩基性化合物または酸性化合物で部分中和ないしは完全
中和せしめたのち、水性媒体中に分散もしくは溶解せし
めて得られる水性樹脂(W−1)、該水性樹脂(W−
1)の製造法ならびに該水性樹脂(W−1)を必須の成
分として含有する組成物、さらには、該水性樹脂(W−
1)と該水性樹脂(W−1)に含まれる官能基と反応す
る官能基を有する化合物(C)をも含有する水性硬化性
樹脂組成物を提供しようとするものであるし、
【0017】加えて、珪素原子に結合した加水分解性基
および/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且
つ、全珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が
結合しているポリシロキサン(A)と、酸基または塩基
性基に加え、該酸基または該塩基性基と、珪素原子に結
合した加水分解性基と、珪素原子に結合した水酸基と
の、都合、3種類の基以外の官能基をも併有する重合体
(B−2)とからなる混合物および/または縮合物を、
塩基性化合物または酸性化合物で部分中和ないしは完全
中和せしめたのち、水性媒体中に分散もしくは溶解せし
めて得られる水性樹脂(W−2)、該水性樹脂(W−
2)の製造法ならびに該水性樹脂(W−2)を必須の成
分として含有する組成物、さらには、該水性樹脂(W−
2)と該水性樹脂(W−2)に含まれる官能基と反応す
る官能基を有する化合物(C)をも含有する水性硬化性
樹脂組成物を提供しようとするものであるし、
【0018】さらに、珪素原子に結合した加水分解性基
および/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且
つ、全珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が
結合しているポリシロキサン(A)と、アニオン性基、
カチオン性基およびノニオン性基よりなる群から選ばれ
る、少なくとも1種の親水性基を有する重合体(B−
3)とからなる混合物および/または縮合物を、水性媒
体中に分散もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂(W
−3)、該水性樹脂(W−3)の製造法ならびに該水性
樹脂(W−3)を必須の成分として含有する組成物、さ
らには、該水性樹脂(W−3)と該水性樹脂(W−3)
に含まれる官能基と反応する官能基を有する化合物
(C)をも含有する水性硬化性樹脂組成物を提供しよう
とするものであるし
【0019】さらには、珪素原子に結合した加水分解性
基および/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且
つ、全珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が
結合しているポリシロキサン(A)と、アニオン性基、
カチオン性基およびノニオン性基よりなる群から選ばれ
る、少なくとも1種の親水性基に加え、該親水性基と、
珪素原子に結合した加水分解性基と、珪素原子に結合し
た水酸基との、都合、3種類の基以外の官能基をも併有
する重合体(B−4)とからなる混合物および/または
縮合物を、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得ら
れる水性樹脂(W−4)、該水性樹脂(W−4)の製造
法ならびに該水性樹脂(W−4)を必須の成分として含
有する組成物、さらには、該水性樹脂(W−4)と該水
性樹脂(W−4)に含まれる官能基と反応する官能基を
有する化合物(C)をも含有する水性硬化性樹脂組成物
を提供しようとするものである。
【0020】《構成》
【0021】以下に、本発明を、さらに一層、詳細に、
説明することにする。
【0022】本発明に係る水性樹脂(W−1)とは、珪
素原子に結合した加水分解性基および/または珪素原子
に結合した水酸基を有し、且つ、全珪素原子の10モル
%以上にシクロアルキル基が結合しているポリシロキサ
ン(A)と、酸基または塩基性基を有する重合体(B−
1)とからなる混合物および/または縮合物を、塩基性
化合物または酸性化合物で部分中和ないしは完全中和せ
しめたのち、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得
られる水性樹脂である。
【0023】また、本発明に係る水性樹脂(W−2)と
は、珪素原子に結合した加水分解性基および/または珪
素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪素原子の1
0モル%以上にシクロアルキル基が結合しているポリシ
ロキサン(A)と、酸基または塩基性基に加え、該酸基
または該塩基性基と、珪素原子に結合した加水分解性基
と、珪素原子に結合した水酸基との、都合、3種類の基
以外の官能基をも併有する重合体(B−2)とからなる
混合物および/または縮合物を、塩基性化合物または酸
性化合物で部分中和ないしは完全中和せしめたのち、水
性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂
である。
【0024】さらに、本発明に係る水性樹脂(W−3)
とは、珪素原子に結合した加水分解性基および/または
珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪素原子の
10モル%以上にシクロアルキル基が結合しているポリ
シロキサン(A)と、アニオン性基、カチオン性基およ
びノニオン性基よりなる群から選ばれる、少なくとも1
種の親水性基を有する重合体(B−3)とからなる混合
物および/または縮合物を、水性媒体中に分散もしくは
溶解せしめて得られる水性樹脂である。
【0025】さらには、本発明に係る水性樹脂(W−
4)とは、珪素原子に結合した加水分解性基および/ま
たは珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪素原
子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合している
ポリシロキサン(A)と、アニオン性基、カチオン性基
およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、少なくと
も1種の親水性基に加え、該親水性基と、珪素原子に結
合した加水分解性基と、珪素原子に結合した水酸基と
の、都合、3種類の基以外の官能基をも併有する重合体
(B−4)とからなる混合物および/または縮合物を、
水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得られる水性樹
脂である。
【0026】かかる水性樹脂(W−1)、(W−2)、
(W−3)あるいは(W−4)を調製する際の前駆体と
して、重合体(B−1)、(B−2)、(B−3)また
は(B−4)のそれぞれと、ポリシロキサン(A)との
混合物および/または縮合物が使用される。
【0027】したがって、かかる前駆体としては、
重合体(B−1)、(B−2)、(B−3)または(B
−4)のそれぞれと、ポリシロキサン(A)の単なる混
合物、 (B−1)、(B−2)、(B−3)または
(B−4)のそれぞれと、(A)とが化学結合した縮合
物、 重合体(B−1)、(B−2)、(B−3)ま
たは(B−4)のそれぞれと、ポリシロキサン(A)、
前記の縮合物、都合、3種類の混合物、等があるが、
得られる水性樹脂の硬化性および耐久性の点から、特
に、またはのように少なくとも一部分は縮合物を含
有するものであることが好ましい。
【0028】そして、前記した縮合物における重合体
(B−1)〜(B−4)のそれぞれと、ポリシロキサン
(A)との結合様式としては、下記の構造式(S−I
I)とか、下記の構造式(S−III)とかの様式を採
用できるが、高度の耐久性を達成する観点からは、特
に、構造式(S−II)の結合様式を採用するのが好ま
しい。
【0029】
【化5】 (ただし、式中、炭素原子は、重合体(B−1)、(B
−2)、(B−3)または(B−4)のそれぞれに由来
するセグメントの一部分を構成し、他方、酸素原子のみ
に結合した珪素原子は、ポリシロキサン(A)に由来す
るセグメントの一部分を構成するものとする。)
【0030】
【化6】 (ただし、式中、炭素原子は、重合体(B−1)、(B
−2)、(B−3)または(B−4)のそれぞれに由来
するセグメントの一部分を構成し、他方、酸素原子のみ
に結合した珪素原子は、ポリシロキサン(A)に由来す
るセグメントの一部分を構成するものとする。)
【0031】水性樹脂(W−1)、(W−2)、(W−
3)あるいは(W−4)の前駆体の構成成分の一つであ
る、ポリシロキサン(A)としては、該ポリシロキサン
を構成する全珪素原子のうち10モル%以上、好ましく
は、20モル%以上、さらに好ましくは、40モル%以
上の珪素原子に、シクロアルキル基が結合したものであ
ることが、得られる水性樹脂の安定性の点から適切であ
る。
【0032】そして亦、ポリシロキサン(A)として
は、下記の構造式(S−IV)
【0033】
【化7】 (ただし、式中のR1は、置換基を有していてもいいな
くてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基およびアルケニル基よりなる群から選
ばれる、少なくとも1種の1価の有機基を表すものとす
る。)
【0034】で示される構造を必須の単位構造として有
する、即ち、分岐した構造を有するものであることが、
本発明の組成物より得られる硬化物の耐久性の点から、
特に好適である。
【0035】また、水性樹脂(W−1)、(W−2)、
(W−3)あるいは(W−4)の前駆体のもう一方の構
成成分である、重合体(B−1)、(B−2)、(B−
3)または(B−4)としては、アクリル系重合体、フ
ルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、
芳香族ビニル系重合体またはポリオレフィン系重合体の
如き、各種のビニル系重合体があるし、さらには、ポリ
エステル系重合体、アルキド系重合体またはポリウレタ
ン系重合体などのビニル系重合体以外の重合体がある。
【0036】これらのうちでも特に好ましいものとして
は、ビニル系重合体またはポリウレタン系重合体が挙げ
られ、さらに、ビニル重合体のうちで特に望ましいもの
としては、アクリル系重合体およびフルオロオレフィン
系重合体が挙げられる。
【0037】そして、水性樹脂(W−1)、(W−
2)、(W−3)または(W−4)を調製するに際し
て、ポリシロキサン(A)と、重合体(B−1)、(B
−2)、(B−3)または(B−4)のそれぞれとの使
用比率を、水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれ
に含有されるポリシロキサン(A)に由来するセグメン
ト:重合体(B−1)、(B−2)、(B−3)または
(B−4)のそれぞれに由来するセグメントなる重量割
合が、5:95〜95:5程度になるように、好ましく
は、10:90〜90:10になるように、さらに好ま
しくは、10:90〜80:20になるように設定する
のがよい。
【0038】水性樹脂(W−1)〜(W−4)におい
て、重合体(B−1)、(B−2)、(B−3)または
(B−4)のそれぞれに由来するセグメントが重量割合
が約5%未満になるように設定すると、どうしても、ポ
リシロキサン成分が多すぎるために、本発明の組成物よ
り得られる硬化物の耐アルカリ性が低くなったり、クラ
ックが発生しやすくなったりするし、一方、重合体(B
−1)、(B−2)、(B−3)または(B−4)のそ
れぞれに由来するセグメントの重量割合が約95%を超
えて余りにも多くなるような場合には、どうしても、ポ
リシロキサン成分が少なすぎるために、得られる硬化物
の耐曝露汚染性や光沢保持性等の耐久性が低くなったり
するので、いずれの場合も好ましくない。
【0039】また、ポリシロキサン(A)、または、後
掲する重合体(b−1)、(b−2)、(b−3)ある
いは(b−4)に、含有される珪素原子に結合した加水
分解性基とは、容易に加水分解を受けて脱離して珪素原
子に結合した水酸基、即ち、シラノール基、を生じさせ
る基を指称し、その代表的なものとしては、アルコキシ
基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、
アルケニルオキシ基、フェノキシ基、メルカプト基、ア
ミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオキシ基も
しくは水素原子等がある。
【0040】そして、これらの加水分解性基のうちで、
特に好ましいものの一つとして、アルコキシ基が挙げら
れる。
【0041】重合体(B−1)または(B−2)中に含
まれる、酸基としては公知慣用の各種のものが導入され
るが、そのうち、特に、代表的なものを例示するにとど
めれば、カボキシル基、燐酸基、酸性燐酸エステル基、
亜燐酸基、スルホン酸基もしくはスルフィン酸基などが
挙げられる。
【0042】そして、重合体(B−3)または(B−
4)中に含まれる、アニオン性基しては公知慣用の各種
のものが導入されるが、特に、好ましいものとしては、
前掲した如き公知慣用の酸基を塩基性化合物で以て中和
したものが挙げられる。
【0043】そして、上述した酸基を中和してアニオン
性基に変換する際に使用される塩基性化合物の代表的な
ものとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、2−アミノエタノールもしくは2−ジメチル
アミノエタノールなどの各種の有機アミン類;アンモニ
ア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化
カリウムなどの各種の無機塩基性物質;
【0044】テトラメチルアンモニウムハイドロオキサ
イド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロオキサ
イドもしくはトリメチルベンジルアンモニウムハイドロ
オキサイドの如き、各種の第四級アンモニウムハイドロ
オキサイドなどが挙げられる。
【0045】重合体(B−1)または(B−2)中に含
まれる、塩基性基としては公知慣用の各種のものが導入
されるが、そのうち、特に、代表的なものを例示するに
とどめれば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ
基および4級アンモニウムヒドロオキシド基などが挙げ
られる。
【0046】また、重合体(B−3)または(B−4)
中に含まれる、カチオン性基としては公知慣用の各種の
ものが導入されるが、特に好ましいものとしては、前掲
した如き公知慣用の塩基性基を酸性化合物で以て中和し
たものが挙げられる。
【0047】そして、かかる塩基性基を中和する際に使
用される酸性化合物の代表的なものとしては、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸または乳酸などの各種のカルボン酸
類;燐酸モノメチルエステルまたは燐酸ジメチルエステ
ルなどの燐酸の各種のモノ−ないしはジエステル類;
【0048】メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸も
しくはドデシルベンゼンスルホン酸の如き、各種の有機
スルホン酸類;さらには、塩酸、硫酸、硝酸もしくは燐
酸の如き種々の無機酸などが挙げられる。
【0049】さらに亦、重合体(B−3)または(B−
4)に含有される、ノニオン性基としての、ポリエーテ
ル鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロ
ピレン鎖またはポリオキシブチレン鎖の如き各種のポリ
オキシアルキレン鎖があるし、さらには、ポリ(オキシ
エチレン−オキシプロピレン)鎖の如き、前記したオキ
シアルキレン部分がランダムに共重合された形のもの、
あるいは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
鎖の如き、相異なるポリオキシアルキレン鎖がブロック
状に結合した形のもの、等各種のものが挙げられる。
【0050】そして、重合体(B−1)または(B−
2)に、導入される酸基または塩基性基の量としては、
重合体(B−1)または(B−2)の1,000グラム
当たりの酸基または塩基性基のモル数として、約0.1
モル〜約10モルなる範囲内が適切であるし、好ましく
は、0.2〜5モルなる範囲内が適切であるし、最も好
ましくは、0.3〜3モルなる範囲内が適切である。
【0051】そして、重合体(B−3)または(B−
4)に導入される親水性基としては、前記したアニオン
性基、カチオン性基またはノニオン性基、それぞれの単
独であってもよいし、アニオン性基またはカチオン性基
と、ノニオン性基の併用であってもよい。
【0052】重合体(B−3)または(B−4)に、か
かるアニオン性基またはカチオン性基を親水性基として
導入する場合、その導入量としては、当該重合体の1,
000グラム当たりのアニオン性基またはカチオン性基
のモル数として、約0.1モル〜約10モルなる範囲内
が適切であるし、好ましくは、0.2〜5モルなる範囲
内が適切であるし、最も好ましくは0.3〜3モルなる
範囲内が適切である。
【0053】また、重合体(B−3)または(B−4)
に、かかるノニオン性基としてのポリエーテル鎖を親水
性基として導入する場合、その導入量としては、当該重
合体の1,000グラム当たりのポリエーテル鎖のグラ
ム数として、約10〜約990グラムなる範囲内が適切
であるし、好ましくは、20〜900グラムなる範囲内
が適切であるし、最も好ましくは、40〜800グラム
なる範囲内が適切である。
【0054】さらに、重合体(B−3)または(B−
4)に、かかるアニオン性基またはカチオン性基と、ノ
ニオン性基としてのポリエーテル鎖との両者を親水性基
として導入する場合、それぞれを単独で導入する場合の
導入量として上述した如き範囲内で、それぞれを導入す
ることが好ましい。
【0055】また、重合体(B−1)または(B−2)
に、酸基または塩基性基に加えて、ノニオン性基として
のポリエーテル鎖を親水性基として導入することも可能
で、その場合の導入量としては、当該重合体の1,00
0グラム当たりのポリエーテル鎖のグラム数として、約
10〜約990グラムなる範囲内が適切であるし、好ま
しくは、20〜900グラムなる範囲内が適切である
し、最も好ましくは、40〜800グラムなる範囲内が
適切である。
【0056】上記した重合体(B−2)に導入される、
酸基または塩基性基と、珪素原子に結合した加水分解性
基と、珪素原子に結合した水酸基なる、都合、3種類の
基以外の官能基[以下、官能基(Fu−1)と云うこと
もある]として特に代表的なもののみを例示するにとど
めれば、炭素原子に結合した水酸基、炭素原子に結合
し、且つ、ブロックされた水酸基(以下、ブロック水酸
基とも云う)、カルボキシル基、ブロックされたカルボ
キシル基、カルボン酸無水基、1級アミノ基、2級アミ
ノ基、3級アミノ基、シクロカーボネート基、エポキシ
基、オキサゾリン基、1級アミド基、2級アミド基、カ
ーバメート基および、下記の構造式(S−I)
【0057】
【化8】
【0058】で示される官能基などである。
【0059】但し、重合体(B−2)にアニオン性基の
前駆官能基として酸基が導入される場合には、かかる重
合体(B−2)に上述の各種の官能基(Fu−1)のう
ち、カルボキシル基、ブロックされたカルボキシル基お
よびカルボン酸無水基は官能基(Fu−1)としてされ
ることはない。また、重合体(B−2)にカチオン性基
の前駆官能基として塩基性基が導入される場合には、か
かる重合体(B−2)に上述の各種の官能基(Fu−
1)のうち、1級アミノ基、2級アミノ基および3級ア
ミノ基は官能基(Fu−1)としてされることはない。
【0060】そして、上記した官能基(Fu−1)のう
ち2級アミド基は、N−ヒドロキシメチルアミド基、炭
素原子が1〜8なるアルコキシ基を有するN−アルコキ
シメチルアミド基または次のような構造式(S−V)
【0061】
【化9】 −C(O)−NH−CH(OR2)−COOR3 (S−V)
【0062】(ただし、式中のR2 は水素原子、炭素数
が1〜8なるアルキル基またはアリール基を表わし、ま
た、R3 は炭素数が1〜8なるアルキル基またはアリー
ル基を表わすものとする。)
【0063】で示される官能基をも包含するというもの
である。
【0064】また、これらの官能基は、重合体(B−
2)中に、1種のみを含有させてもよいし、2種以上を
含有させることもできる。
【0065】上述した、官能基(Fu−1)のうちでも
特に望ましいものとしては、炭素原子に結合した水酸
基、ブロック水酸基、カルボキシル基、ブロックカルボ
キシル基、カルボン酸無水基、3級アミノ基、シクロカ
ーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド
基、カーバメート基または前掲した構造式(S−I)で
示されるような官能基などである。
【0066】かかる官能基(Fu−1)の重合体(B−
2)中への導入量としては、当該重合体の固形分1,0
00グラムあたり、約0.1〜約5モルなる範囲が適切
であり、好ましくは、0.2〜3モルなる範囲が適切で
あり、さらに一層好ましくは、0.3〜2モルなる範囲
が適切である。
【0067】また、上記した重合体(B−4)に導入さ
れる、アニオン性基、カチオン性基およびノニオン性基
よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の親水性基
と、珪素原子に結合した加水分解性基と、珪素原子に結
合した水酸基なる、都合、3種類の基以外の官能基[以
下、官能基(Fu−2)とも云う]として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、前掲した官能基(F
u−1)の代表的なものとして例示した各種の官能基が
挙げられる。
【0068】また、これらの官能基は、重合体(B−
4)中に、1種のみを含有させてもよいし、2種以上を
含有させることもできる。
【0069】上述した、官能基(Fu−2)のうちでも
特に望ましいものとしては、炭素原子に結合した水酸
基、ブロック水酸基、3級アミノ基、カルボキシル基、
ブロックカルボキシル基、カルボン酸無水基、シクロカ
ーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド
基、カーバメート基または前掲した構造式(S−I)で
示されるような官能基などである。
【0070】かかる官能基(Fu−2)の重合体(B−
4)中への導入量としては、当該重合体の固形分1,0
00グラムあたり、約0.1〜約5モルなる範囲が適切
であり、好ましくは、0.2〜3モルなる範囲が適切で
あり、さらに一層好ましくは、0.3〜2モルなる範囲
が適切である。
【0071】次に、前記した水性樹脂(W−1)、(W
−2)、(W−3)または(W−4)の調製方法につい
て述べることにする。
【0072】まず、水性樹脂(W−1)または(W−
2)の調製方法のうち、それらの前駆体として、上述し
た如く特に好ましいものである、ポリシロキサン(A)
と重合体(B−1)または(B−2)とが前記した構造
式(S−I)で示される結合を介して結合している縮合
物を使用する場合の調製方法について述べる。
【0073】かかる水性樹脂(W−1)または(W−
2)を調製する方法としては、例えば、(イ)遊離の酸
基または遊離の塩基性基(以下、遊離の酸基と遊離の塩
基性基を総称して極性基とも云う)と、珪素原子に結合
した加水分解性基および/または珪素原子に結合した水
酸基とを併有する重合体、または当該極性基と珪素原子
に結合した加水分解性基および/または珪素原子に結合
した水酸基に加え、上述した官能基(Fu−1)をも含
有する重合体と、前記したポリシロキサン(A)とを反
応せしめて、ポリシロキサン(A)および前記した各重
合体に含有される珪素原子に結合した加水分解性基およ
び/または珪素原子に結合した水酸基どうしの反応によ
り構造式(S−II)で示される結合を介して結合させ
て縮合物を調製した後、含有される極性基を塩基性化合
物または酸性化合物で中和せしめ、次いで、水性媒体中
に分散もしくは溶解せしめる方法、
【0074】(ロ)ラジカル重合性二重結合を有し、且
つ、当該二重結合と、珪素原子に結合した加水分解性基
および/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且
つ、全珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が
結合しているポリシロキサンとが、下記構造式(S−V
I)で示される結合様式で結合しているものを、共重合
成分の一つとして使用して、これと、遊離の酸基を含有
するビニル系単量体または遊離の塩基性基を有するビニ
ル系単量体を必須成分として含有するビニル系単量体類
とを共重合せしめることにより、もしくは、前記二重結
合を含有するポリシロキサンと極性基を有するビニル系
単量体に加えて、上述した官能基(Fu−1)を含有す
る単量体を必須成分として含有するビニル系単量体類と
を共重合させることにより、ビニル系重合体とポリシロ
キサンとが縮合した形のものを調製した後、含有される
極性基を塩基性化合物または酸性化合物で中和せしめ、
次いで、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめる方法、
等がある。
【0075】
【化10】 (ただし、式中、炭素原子は二重結合を構成する一方の
炭素原子であるか、もしくは二重結合に結合した置換基
を構成する炭素原子であるものとし、酸素原子のみに結
合した珪素原子は、ポリシロキサンに由来するものとす
る。)
【0076】次に、水性樹脂(W−3)または(W−
4)の調製方法のうち、それらの前駆体として、上述し
た如く特に好ましいものである、ポリシロキサン(A)
と重合体(B−3)または(B−4)とが前記した構造
式(S−II)で示される結合を介して結合している縮
合物を使用する場合の調製方法について述べる。
【0077】かかる水性樹脂(W−3)または(W−
4)を調製する方法としては、例えば、(ハ)中和され
た酸基、中和された塩基性基およびノニオン性基から成
る群より選ばれる少なくとも一種の親水性基と、珪素原
子に結合した加水分解性基および/または珪素原子に結
合した水酸基とを併有する重合体、または当該親水性基
と珪素原子に結合した加水分解性基および/または珪素
原子に結合した水酸基に加え、上述した官能基(Fu−
2)をも含有する重合体と、前記したポリシロキサン
(A)とを反応せしめて、ポリシロキサン(A)および
前記した各重合体に含有される珪素原子に結合した加水
分解性基および/または珪素原子に結合した水酸基どう
しの反応により構造式(S−II)で示される結合を介
して結合せしめて縮合物を調製したのち、水性媒体中に
分散もしくは溶解せしめる方法、
【0078】(ニ)ラジカル重合性二重結合を有し、且
つ、当該二重結合と、珪素原子に結合した加水分解性基
および/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且
つ、全珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が
結合しているポリシロキサンとが、前記した構造式(S
−VI)で示される結合様式で結合しているものを、共
重合成分の一つとして使用して、これと、中和された酸
基を含有するビニル系単量体、中和された塩基性基を有
するビニル系単量体およびノニオン性基を含有するビニ
ル系単量体から成る群より選ばれる少なくとも一種の親
水性を含有するビニル系単量体を必須成分として含有す
るビニル系単量体類とを共重合せしめることにより、も
しくは、前記二重結合を含有するポリシロキサンと、前
記した親水性基を有するビニル系単量体に加えて、上述
した官能基(Fu−2)を含有する単量体をも必須成分
として含有するビニル系単量体類とを共重合させること
により、ビニル系重合体とポリシロキサンとが縮合した
形のものを調製したのち、水性媒体中に分散もしくは溶
解せしめる方法、等がある。
【0079】上述した(イ)および(ハ)なる方法にお
いて、ポリシロキサン以外の重合体に珪素原子に結合し
た加水分解性基および/または珪素原子に結合した水酸
基が複合化のための官能基として導入されるが、これら
の官能基のうち、珪素原子に結合した加水分解性基を導
入することが特に簡便である。
【0080】そして、珪素原子に結合した加水分解性基
としては、下記の一般式(S−VII)
【0081】
【化11】
【0082】(ただし、式中のR4 はアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基の如き1価の有機基を、R5
は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アルコ
キシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、アリールオキシ
基、メルカプト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ
基、イミノオキシ基またはアルケニルオキシ基の如き加
水分解性基を表わすものとし、また、aは0あるいは1
または2なる整数であるものとする。)
【0083】で示されるような、加水分解シリル基の形
で導入するのが特に簡便である。
【0084】かかる加水分解性シリル基は、該加水分解
性シリル基それ自体が、直接に、炭素原子と共有結合す
ることにより、あるいはシロキサン結合を介して、炭素
原子と共有結合することにより、当該重合体に結合して
いるものであるとする。
【0085】上述した(イ)〜(ニ)なる各種の方法の
うち、調製の簡便さの点から(イ)または(ハ)なる方
法が特に好ましい。
【0086】水性樹脂(W−1)または(W−2)のう
ち、アニオン性基のみを親水性基として有するタイプ
を、(イ)の方法で調製する際に使用される縮合物の具
体的な調製方法の代表的なものとしては、(1)加水分
解性シリル基と酸基なる両基を併有する重合体(b−
1)または加水分解性シリル基と酸基と上述した官能基
(Fu−1)を含有する重合体(b−2)と、珪素原子
に結合した加水分解性基および/または珪素原子に結合
した水酸基を有し、且つ、全珪素原子の10モル%する
ポリシロキサン(A)とを縮合反応せしめて縮合物(c
−1)または(c−2)得る方法、
【0087】(2)前記した重合体(b−1)または
(b−2)の存在下、前記したポリシロキサン(A)を
調製する過程で、重合体(b−1)または(b−2)と
ポリシロキサン(A)を縮合反応せしめて縮合物(c−
3)または(c−4)を得る方法、
【0088】(3)前記したポリシロキサン(A)の存
在下に、前記した重合体(b−1)または重合体(b−
2)を調製する反応を行なう過程で、ポリシロキサン
(A)と重合体(b−1)または(b−2)を縮合反応
せしめて縮合物(c−5)または(c−6)を得る方
法、
【0089】(4)前記した重合体(b−1)または
(b−2)を調製する反応と、前記したポリシロキサン
(A)を調製する反応を並行した行う過程で、重合体
(b−1)または(b−2)とポリシロキサン(a−
1)を複合化せしめて得られる複合樹脂(c−7)また
は(c−8)を、塩基性化合物で以て部分中和ないしは
完全中和せしめる方法、等の各種の方法が挙げられる。
【0090】上記の重合体(b−1)あるいは(b−
2)に導入される酸基の具体的なものとしては、前掲し
た各種の遊離の酸基類に加えて、カルボン酸無水基、燐
酸無水基、スルホン酸無水基またはカルボン酸−スルホ
ン酸混合酸無水基などで代表されるような酸無水基、さ
らには、たとえば、シリルエステル基、tert−ブチ
ルエステル基または1−アルコキシエチルエステル基な
どのように、容易に、遊離の酸基に変換されるエステル
基の形として、いわゆるブロックされた、それぞれ、カ
ルボキシル基、リン酸基、酸性燐酸エステル基、亜リン
酸基またはスルホン酸基などで代表されるようなブロッ
クされた酸基などが挙げられる。
【0091】前掲したような各種の酸基のうちでも特に
望ましいもののみを例示するにとどめれば、カルボキシ
ル基、ブロックカルボキシル基またはカルボン酸無水基
などである。
【0092】上記した重合体(b−2)に導入される、
官能基(Fu−1)としては、重合体(B−2)に導入
することが出来るものとして例示した各種のものが挙げ
られる。
【0093】また、これらの官能基は、重合体(b−
2)中に、1種のみを含有させてもよいし、2種以上を
含有させることもできる。
【0094】前掲したような各種の官能基のうちでも特
に望ましいものは、炭素原子に結合した水酸基、ブロッ
ク水酸基、3級アミノ基、シクロカーボネート基、エポ
キシ基、1級アミド基、2級アミド基、カーバメート基
または前掲した構造式(S−I)で示されるような官能
基などである。
【0095】また、上述したようなポリシロキサン
(A)と重合体(b−1)あるいは(b−2)との縮合
反応は、アルコール性水酸基を有する有機溶剤を必須成
分として含有する媒体中で行うことが好適である。
【0096】こうした、(b−1)あるいは(b−2)
と(A)との縮合反応を、アルコール性水酸基含有有機
溶剤を含有しない媒体中において行なう場合には、どう
しても、得られる複合樹脂溶液が著しく増粘し、引き続
き行なわれる塩基性化合物による中和工程でのゲル化な
どが生じ易くなり、充分に注意する必要がある。
【0097】特に、アルコール性水酸基含有有機溶剤を
含有しない媒体中での斯かる縮合反応の際に、重合体
(b−1)あるいは(b−2)に対して、加水分解性シ
リル基を、重合体の1,000グラム当たりのモル数で
以て、0.05モル以上、導入しようとすると、斯かる
複合化過程で以て、ゲル化が起こる場合がある。
【0098】これに対して、アルコール性水酸基含有有
機溶剤を必須成分として含有する媒体中で、(b−1)
あるいは(b−2)と(A)との縮合反応を行なう場合
においては、斯かる縮合反応時や、塩基性化合物による
中和過程などでのゲル化などが起こらずに、目的とする
水性樹脂を、安全に、しかも、容易に調製せしめること
ができる。
【0099】斯かるアルコール性水酸基含有有機溶剤と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メ
タノール、エタノール、ノルマル(n−)プロパノール
またはイソ(i−)プロパノールの如き、各種の水溶性
のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−
n−プロピルエーテルの如き、各種の水溶性のグリコー
ル類あるいはグリコールエーテル類などである。
【0100】次に、上記した各種の縮合物(c−1)〜
(c−8)の調製方法について、詳しく述べることにす
る。
【0101】まず、縮合物(c−1)〜(c−8)を調
製する際に、前述した如き重合体(b−1)または(b
−2)が、調製されるが、かかる各種の重合体の代表的
なものとしては、重合体(B−1)または(B−2)に
ついて上述したものと同様に各種のものが挙げられる
が、それらのうちでも特に好ましいものとしては、ビニ
ル系重合体またはポリウレタン系重合体が挙げられ、さ
らに、ビニル重合体のうちで特に望ましいものとして
は、アクリル系重合体およびフルオロオレフィン系重合
体が挙げられる。
【0102】まず、かかる重合体(b−1)または(b
−2)のうちの、ビニル系重合体の調製方法について、
述べることとする。
【0103】かかる各種のビニル系重合体のうちの、縮
合物(c−1)、(c−3)、(c−5)または(c−
7)の前駆体である、重合体(b−1)を調製するに
は、たとえば、(i) 加水分解性シリル基を有するビ
ニル系単量体(m−1)と、親水性を付与するための酸
基を有するビニル系単量体(m−2)と、を共重合せし
めたり、前記した両タイプ(二タイプ)の単量体と、こ
れらの単量体と共重合可能なる其の他の単量体類(m−
3)と、を共重合せしめる方法であるとか、
【0104】(ii) 加水分解性シリル基を有する連
鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を有するラ
ジカル重合開始剤の存在下に、ビニル系単量体(m−
2)を重合せしめたり、または、該単量体(m−2)
と、共重合可能なる其の他の単量体(m−3)と、を共
重合せしめる方法であるとか、
【0105】(iii) 加水分解性シリル基を有する
連鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を有する
ラジカル重合開始剤の存在下に、ビニル系単量体(m−
1)と(m−2)とを共重合せしめたり、加水分解性シ
リル基を有する連鎖移動剤および/または加水分解性シ
リル基を有するラジカル重合開始剤の存在下に、(m−
1)と(m−2)と、これらの単量体と共重合可能なる
其の他の単量体(m−3)と、を共重合せしめる方法で
あるとか、
【0106】(iv) 予め調製しておいた、酸基と炭
素原子に結合した水酸基とを併有するビニル系重合体
に、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランの
ような、各種のイソシアナート基含有シラン化合物を反
応せしめる方法、などの、公知慣用の種々の方法を適用
することが出来るが、簡便さの点から、これらのうち、
特に、(i)〜(iii)なる各方法が好ましい。
【0107】次に、かかる各種のビニル系重合体のうち
の、縮合物(c−2)、(c−4)、(c−6)または
(c−8)の前駆体である、(b−2)を調製するに
は、たとえば、(v) 上記した、官能基(Fu−1)
を有するビニル系単量体(m−4)と、加水分解性シリ
ル基を有するビニル系単量体(m−1)と、酸基を有す
るビニル系単量体(m−2)と、を共重せしめたり、
(m−1)と(m−2)と(m−4)と、これらの単量
体と共重合可能なる其の他の単量体(m−3)と、を共
重合せしめる方法であるとか、
【0108】(vi) 加水分解性シリル基を有する連
鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を有するラ
ジカル重合開始剤の存在下に、ビニル系単量体(m−
2)と(m−4)を共重合せしめたり、または、該両単
量体と共重合可能なる其の他の単量体(m−3)と、を
共重合せしめる方法であるとか、
【0109】(vii) 加水分解性シリル基を有する
連鎖移動剤および/または加水分解性シリル基を有する
ラジカル重合開始剤の存在下に、ビニル系単量体(m−
1)と(m−2)と(m−4)と、を共重合せしめた
り、加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤および/ま
たは加水分解性シリル基を有するラジカル重合開始剤の
存在下に、(m−1)と(m−2)と(m−4)と、こ
れらの単量体と共重合可能なる其の他の単量体(m−
3)と、を共重合せしめる方法であるとか、
【0110】(viii) 予め調製しておいた、酸基
と、官能基(Fu−1)と、炭素原子に結合した水酸基
なる3種類の官能基を有するビニル系重合体に、3−イ
ソシアナートプロピルトリエトキシシランのような、各
種のイソシアナート基含有シラン化合物を反応せしめる
方法、などの、公知慣用の種々の方法を適用することが
出来るが、簡便さの点から、これらのうち、特に、
(v)〜(vii)なる各方法が好ましい。
【0111】前記した各重合体(b−1)または(b−
2)を調製する際に使用される、加水分解性シリル基含
有ビニル系単量体(m−1)とは、前掲したような構造
式(S−VII)で示される加水分解性シリル基を有す
る単量体を指称するものであって、斯かる単量体として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシ
シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリ
ルエチルビニルエーテル、2−トリエトキシシリルエチ
ルビニルエーテル、2−(メチルジメトキシシリル)エ
チルビニルエーテル、3−トリメトキシシリルプロピル
ビニルエーテルもしくは3−トリエトキシシリルプロピ
ルビニルエーテル、
【0112】または3−(メチルジメトキシシリル)プ
ロピルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランも
しくは3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチル
ジクロロシランなどである。
【0113】また、当該重合体(b−1)または(b−
2)を調製する反応において使用される、加水分解性シ
リル基を有する連鎖移動剤とは、上述したような加水分
解性シリル基と、メルカプト基、塩素原子、臭素原子ま
たはヨウ素原子のような、いわゆる遊離ラジカルにより
活性化される基ないしは原子とを併有する化合物を指称
するものである。
【0114】かかる連鎖移動剤として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−メルカプトプロピルメチルジクロロシラ
ン、3−メルカプトプロピルジメチルクロロシラン、3
−ブロモプロピルトリメトキシシランまたは3−ブロモ
プロピルトリエトキシシランなどである。
【0115】さらにまた、前記(b−1)または(b−
2)を調製する際に使用される、前記したような加水分
解性シリル基を有するラジカル重合開始剤とは、分子中
に、上述したような加水分解性シリル基を有する化合物
を指称するものであり、これらのうちでも特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、
【0116】2,2’−アゾビス−(2−メチル−4−
トリメトキシシリルブチロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス−(2−メチル−4−トリエトキシシリルブチロニ
トリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−4−ジ
メトキシメチルシリルブチロニトリル)もしくは2,
2’−アゾビス−(2−メチル−4−ジエトキシメチル
シリルブチロニトリル)の如き各種のものに加えて、
2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピ
オニトリル]または4,4’−アゾビス(4−シアノバ
レリックアシッド)の如き、活性水素含有基を有する各
種のアゾ系開始剤と、たとえば、3−イソシアナートプ
ロピルトリエトキシシランまたは3−イソシアナートプ
ロピルメチルジメトキシシシランの如き、イソシアナー
トシランとを反応せしめて得られるような形の、アミド
結合あるいはウレタン結合を介して、加水分解性シリル
基が結合した形のアゾ系化合物などのような、各種のア
ゾ系化合物;
【0117】あるいはtert−ブチルパーオキシ−
2,2−ジメチル−3−トリメトキシシリルプロパノエ
ート、tert−ブチルパーオキシ−2,2−ジメチル
−3−トリエトキシシリルプロパノエート、tert−
ブチルパーオキシ−2,2−ジメチル−3−ジメトキシ
メチルシリルプロパノエート、tert−ブチルパーオ
キシ−2,2−ジメチル−3−ジエトキシメチルシリル
プロパノエート、tert−ブチルパーオキシ−3−メ
チル−5−トリメトキシシリルヘキサノエートまたはt
ert−ブチルパーオキシ−4−エチル−5−トリメト
キシシリルヘキサノエートの如き、各種の過酸化物など
である。
【0118】重合体(b−1)あるいは(b−2)を調
製する際に使用される、酸基含ビニル系単量体(m−
1)のうち、遊離のカルボキシル基を含有するビニル系
単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メ
タ)アクリレート、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸またはフマル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸類;
【0119】イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ−
n−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノ−
n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ−n−
ブチルの如き、飽和ジカルボン酸類と、飽和1価アルコ
ール類との各種のモノエステル類(ハーフエステル
類);アジピン酸モノビニルまたはコハク酸モノビニル
の如き、各種の飽和ジカルボン酸のモノビニルエステル
類;
【0120】無水コハク酸、無水グルタル酸、無水フタ
ル酸または無水トリメリット酸の如き、各種の飽和ポリ
カルボン酸の無水物類と、後掲するような各種の炭素原
子に結合した水酸基を含有するビニル系単量体類との付
加反応生成物などであるし、さらには、前掲したような
各種のカルボキシル基含有単量体類と、ラクトン類とを
付加反応せしめて得られるような各種の単量体類などで
ある。
【0121】重合体(b−1)あるいは(b−2)を調
製する際に使用される、酸基含ビニル系単量体(m−
1)のうち、ブロックカルボキシル基を有する単量体と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ト
リメチルシリル(メタ)アクリレート、ジメチル−te
rt−ブチルシリル(メタ)アクリレートもしくはトリ
メチルシリルクロトネートの如き、特開昭62−254
876号公報に開示されているような、各種のシリルエ
ステル基含有ビニル系単量体類;
【0122】1−エトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、1−n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2
−メトキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシプロパン
もしくは2−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロ
フランの如き、特開平5−222134号公報に開示さ
れているような、各種の、ヘミアセタールエステル基な
いしはヘミケタールエステル基含有単量体類;またはt
ert−ブチル(メタ)アクリレートもしくはtert
−ブチルクロトネートの如き、各種のtert−ブチル
エステル基含有単量体類などである。
【0123】重合体(b−1)あるいは(b−2)を調
製する際に使用される、酸基含ビニル系単量体(m−
1)のうち、カルボン酸無水基含有単量体として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、無水マレイン
酸、無水シトラコン酸もしくは無水イタコン酸の如き、
各種の不飽和ポリカルボン酸の無水物類;無水アクリル
酸もしくは無水メタクリル酸の如き、各種の不飽和モノ
カルボン酸の無水物類;またはアクリル酸もしくはメタ
クリル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸と、酢酸、プ
ロピオン酸もしくは安息香酸などのような、種々の飽和
カルボン酸との混合酸無水物などである。
【0124】また、ビニル系重合体(b−2)には、上
述の如く、官能基(Fu−1)として、炭素原子に結合
した水酸基、ブロック水酸基、3級アミノ基、シクロカ
ーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミ
ド、カーバメート基、および、構造式(S−I)で示さ
れる官能基等の各種の官能基が導入される。
【0125】前記した(v)〜(vii)なる各方法に
よりかかる官能基(Fu−1)を導入する際に、かかる
官能基を含有する各種のビニル系単量体(m−4)が使
用されるが、それらのうち、炭素原子に結合した水酸基
含有ビニル系単量体として特に代表的なもののみを例示
するにとどめれば、
【0126】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートもし
くは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如
き、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−
ヒドロキシエチルビニルエーテルもしくは4−ヒドロキ
シブチルビニルエーテルの如き、各種の炭素原子に結合
した水酸基含有ビニルエーテル類;
【0127】2−ヒドロキシエチルアリルエーテルの如
き、各種の炭素原子に結合した水酸基含有アリルエーテ
ル類;前掲したような各種の炭素原子に結合した水酸基
含有単量体類と、ε−カプロラクトンなどで以て代表さ
れるような、種々のラクトン類との付加物;またはグリ
シジル(メタ)アクリレートなどで以て代表されるよう
な、種々のエポキシ基含有不飽和単量体と、酢酸などで
以て代表されるような、種々の酸類との付加物などであ
るし、
【0128】さらには、(メタ)アクリル酸などで以て
代表されるような、種々の不飽和カルボン酸類と、「カ
ーデュラ E」(オランダ国シェル社製の商品名)など
で以て代表されるような、α−オレフィンのエポキサイ
ド系化合物以外の、種々のモノエポキシ化合物との付加
物などのような炭素原子に結合した水酸基含有単量体類
などである。
【0129】ビニル系単量体(m−4)のうち、ブロッ
ク水酸基を有するビニル系単量体として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、2−トリメチルシロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、4−トリメチルシロ
キシブチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロ
キシエチルビニルエーテルもしくは4−トリメチルシロ
キシブチルビニルエーテルの如き、特開昭62−283
163号公報に開示されているような、各種のシリルエ
ーテル基含有ビニル系単量体類;
【0130】2−(1−エトキシ)エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−(1−n−ブトキシ)エトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−〔2−(メタ)アク
リロイルオキシ〕エトキシテトラヒドロフランもしくは
2,2−ジメチル−4−(メタ)アクリロイルオキシメ
チルジオキソランの如き、特開平4−41515号公報
に開示されているような、各種のアセタール基ないしは
ケタール基含有含有ビニル系単量体類;
【0131】または3−〔2−(メタ)アクリロイルオ
キシ〕エチルオキサゾリジン、2,2−ジメチル−3−
〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルオキサゾリ
ジンもしくは2−イソブチル−2−メチル−3−〔2−
(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルオキサゾリジンの
如き、各種のオキサゾリジン基含有ビニル系単量体類な
どである。
【0132】ビニル系単量体(m−4)のうち、シクロ
カーボネート基含有ビニル系単量体として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、
【0133】2,3−カーボネートプロピル(メタ)ア
クリレート、2−メチル−2,3−カーボネートプロピ
ル(メタ)アクリレート、3,4−カーボネートブチル
(メタ)アクリレート、3−メチル−3,4−カーボネ
ートブチル(メタ)アクリレート、4−メチル−3,4
−カーボネートブチル(メタ)アクリレート、4,5−
カーボネートペンチル(メタ)アクリレート、6,7−
カーボネートヘキシル(メタ)アクリレート、5−エチ
ル−5,6−カーボネートヘキシル(メタ)アクリレー
トもしくは7,8−カーボネートオクチル(メタ)アク
リレート、2,3−カーボネートプロピルビニルエーテ
ル、ジ(2,3−カーボネートプロピル)マレートまた
はジ(2,3−カーボネートプロピル)イタコネートの
如き、5員環のシクロカーボネート基含有ビニル系単量
体類などをはじめ、
【0134】さらには、〔5−N−(メタ)アクリロイ
ルカルバモイルオキシ〕メチル−5−エチル−1,3−
ジオキサン−2−オン、5−〔N−{2−(メタ)アク
リロイルオキシ}エチルカルバモイルオキシ〕メチル−
5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−エチ
ル−5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−1,3−
ジオキサン−2−オンまたは4−(5−エチル−2−オ
キソ−1,3−ジオキサン−5−イル)メトキシメチル
スチレンの如き、6員環のシクロカーボネート基含有ビ
ニル系単量体類である。
【0135】ビニル系単量体(m−4)のうち、エポキ
シ基含有ビニル系単量体として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、
ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシジルビニルエー
テル、メチルグリシジルビニルエーテルまたはアリルグ
リシジルエーテルの如き、種々の化合物などである。
【0136】ビニル系単量体(m−4)のうち、1級ア
ミド基ないしは2級アミド基含有ビニル系単量体として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド 、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−
ビニルフォルムアミド、メチル(メタ)アクリルアミド
グリコレート、メチル(メタ)アクリルアミドグリコレ
ートメチルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレートと
アセチルアセトンまたはアセト酢酸エステル類との付加
反応物の如き、種々の化合物などである。
【0137】ビニル系単量体(m−4)のうち、カーバ
メート基含有ビニル系単量体として特に代表的なものの
みを例示するにとどめれば、
【0138】N−(メタ)アクリロイルカルバミン酸メ
チル、N−(メタ)アクリロイルカルバミン酸エチル、
N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルカルバ
ミン酸エチル、2−カルバモイルオキシエチル(メタ)
アクリレート、2−(N−メチルカルバモイルオキシ)
エチル(メタ)アクリレート、2−(N−エチルカルバ
モイルオキシ)エチル(メタ)アクリレートもしくは3
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシア
ネートと、2−ヒドロキシプロピルカーバメートとの付
加反応物;2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレ
ートと、フェノールとの付加反応物;2−イソシアナー
トエチル(メタ)アクリレートと、エタノールとの付加
反応物;または2−イソシアナートエチル(メタ)アク
リレートと、メチルエチルケトオキシムとの付加反応物
のような種々の化合物などである。
【0139】ビニル系単量体(m−4)のうち、前掲し
た構造式(S−I)で示される官能基を有するビニル系
単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめ
れば、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート
もしくは3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジ
ルイソシアネートの如き、各種のイソシアナート基含有
ビニル系単量体と、ε−カプロラクタムもしくはγ−ブ
チロラクタムの如き、各種のアミド化合物との付加反応
物のような種々の化合物などである。
【0140】ビニル系単量体(m−4)のうち、3級ア
ミノ基を含有する単量体の代表的なもののみを例示する
にとどめれば、
【0141】2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ジ−n−プロピルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレ
ート、4−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート
またはN−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エチル
モルホリンの如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)ア
クリル酸エステル類;
【0142】ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール
もしくは、N−ビニルキノリンの如き、各種の3級アミ
ノ基含有芳香族ビニル系単量体類;
【0143】N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジ−n−プロピ
ルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(3−
ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、N
−(4−ジメチルアミノ)ブチル(メタ)アクリルアミ
ドまたはN−[2−(メタ)アクリルアミド]エチルモ
ルホリンの如き、各種の3級アミノ基含有(メタ)アク
リルアミド類;
【0144】N−(2−ジメチルアミノ)エチルクロト
ン酸アミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチルクロト
ン酸アミド、N−(2−ジ−n−プロピルアミノ)エチ
ルクロトン酸アミド、N−(3−ジメチルアミノ)プロ
ピルクロトン酸アミドまたはN−(4−ジメチルアミ
ノ)ブチルクロトン酸アミドの如き、各種の3級アミノ
基含有クロトン酸アミド類;
【0145】2−ジメチルアミノエチルビニルエーテ
ル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、3−ジ
メチルアミノプロピルビニルエーテルまたは4−ジメチ
ルアミノブチルビニルエーテルの如き、各種の3級アミ
ノ基含有ビニルエーテル類などである。
【0146】そしてまた、前述した(i)〜(iii)
あるいは(v)〜(vii)なる方法に従って、ビニル
系重合体(b−1)または(b−2)を調製する際に使
用することが出来る、ビニル系単量体(m−1)、ビニ
ル系単量体(m−2)および(m−4)と共重合可能な
る其の他のビニル系単量体(m−3)として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、
【0147】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レートもしくはラウリル(メタ)アクリレートの如き、
1 〜C22なる炭素数の1級ないしは2級アルキルアル
コールと、(メタ)アクリル酸との各種エステル類;
【0148】ベンジル(メタ)アクリレートもしくは2
−フェニルエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の
アラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル
(メタ)アクリレートもしくはイソボロニル(メタ)ア
クリレートの如き、各種のシクロアルキル(メタ)アク
リレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート
もしくは4−メトキシブチル(メタ)アクリレートの如
き、各種のω−アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
ト類;
【0149】スチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如
き、各種の芳香族ビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸
ビニルもしくは安息香酸ビニルの如き、各種のカルボン
酸ビニルエステル類;
【0150】クロトン酸メチルもしくはクロトン酸エチ
ルの如き、各種のクロトン酸のアルキルエステル類;ジ
メチルマレート、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフ
マレート、ジ−n−ブチルフマレート、ジメチルイタコ
ネートもしくはジ−n−ブチルイタコネートの如き、各
種の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;
【0151】(メタ)アクリロニトリルもしくはクロト
ノニトリルの如き、各種のシアノ基含有単量体類;フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチエレンもしくはヘキサフル
オロプロピレンの如き、各種のフルオロオレフィン類;
塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、各種のクロ
ル化オレフィン類;エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、1−ブテンもしくは1−ヘキセンの如き、各種のα
−オレフィン類;
【0152】エチルビニルエーテル、n−ブチルビニル
エーテル、イソブチルビニルエーテルもしくはn−ヘキ
シルビニルエーテルの如き、各種のアルキルビニルエー
テル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテルもしくは4−メチルシクロヘキシルビ
ニルエーテルの如き、各種のシクロアルキルビニルエー
テル類;
【0153】N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メ
タ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドンの
如き、3級アミド基含有単量体類などである。
【0154】以上に掲げられたような種々の単量体を用
いて、当該ビニル系重合体(b−1)または(b−2)
を調製するには、溶液重合法、非水分散重合法または塊
状重合法などのような、公知慣用の種々の重合法を利用
し適用することが出来るが、それらのうちでも、特に、
有機溶剤中での溶液ラジカル重合法によるのが、最も簡
便である。
【0155】此の溶液ラジカル重合法を適用する際に使
用できる重合開始剤としては、勿論ながら、公知慣用の
種々の化合物が使用できるけれども、それらのうちでも
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
【0156】2,2’−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)もしくは2,2’−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)の如き、各種のアゾ化合物類;
【0157】またはtert−ブチルパーオキシピバレ
ート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、te
rt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、アセチルパーオキサイド、
【0158】ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパー
オキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイドもしくはジイソプロピルパー
オキシカーボネートの如き、各種の過酸化物類などであ
る。
【0159】また、溶液ラジカル重合法を適用する際に
使用できる有機溶剤としては、公知慣用の有機溶剤のい
ずれをも使用することが出来るし、しかも、それらは、
単独使用でも2種類以上の併有でもよいことは、勿論で
あるが、引き続いて行われるポリシロキサン(A)との
縮合反応をスムーズに進行させるために、前記した如き
各種のアルコール性水酸基を有する有機溶剤を必須成分
として含有することが望ましい。
【0160】かかる有機溶剤のうち、アルコール性水酸
基を有するもの以外で、特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オ
クタン、シクロヘキサン、シクロペンタンもしくはシク
ロオクタンの如き、各種の脂肪族系ないしは脂環式系の
炭化水素類;
【0161】トルエン、キシレンもしくはエチルベンゼ
ンの如き、各種の芳香族炭化水素類;ギ酸メチル、ギ酸
エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチルもしくは酢酸n−
アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ートまたはエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テートもしくはエチレングリコールモノブチルエーテル
アセテートの如き、各種のエステル類;
【0162】アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルn−アミルケトンまたはシクロ
ヘキサノンの如き、各種のケトン類;あるいはジメトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプ
ロピルエーテルまたはジ−n−ブチルエーテルの如き、
各種のエーテル類;クロロホルム、メチレンクロライ
ド、四塩化炭素、トリクロロエタンまたはテトラクロロ
エタンの如き、各種の塩素化炭化水素類などであるし、
さらには、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムア
ミド、ジメチルアセトアミドまたはエチレンカーボネー
トなどである。
【0163】ビニル系重合体(b−1)あるいは(b−
2)を調製する際に、酸基含有単量体の使用量が多くな
ると、重合時に、ゲル化が起こることが、屡々あるの
で、注意を要する。
【0164】こうしたゲル化を防止するためには、エチ
ルオルソアセテート、エチルオルソ−n−ブチレート、
エチルオルソフォーメイト、エチルオルソプロピオネー
トまたはメチルオルソフォーメイトの如き、各種の加水
分解性エステル類を、前掲したような溶剤類と併用すれ
ばよい。
【0165】以上に掲げたような、それぞれ、単量体
類、重合開始剤類および有機溶剤類を使用して、公知慣
用の溶液ラジカル重合法を適用することによって、目的
とする各種のビニル系重合体(b−1)または(b−
2)を調製することが出来る。
【0166】以上に述べて来たような、ビニル系重合体
(b−1)または(b−2)中に導入されるべき加水分
解性シリル基量としては、それぞれの重合体の固形分の
1,000グラム当たりの加水分解性シリル基のモル数
として、大約0.005〜大約3モルなる範囲内が適切
であり、好ましくは、0.01〜2モルなる範囲内が適
切であるし、さらに一層好ましくは、0.05〜1モル
なる範囲内が適切である。
【0167】約0.005モル未満の場合には、どうし
ても、本発明の組成物より得られる塗膜の耐久性などを
低下せしめるようになるし、一方、約3モルを超えて余
りにも多くなる場合には、縮合物(c−1)〜(c−
8)の調製の際に、反応溶液の粘度が上昇するようにな
り、ひいては、ゲル化が起きてしまうなどの不都合があ
るので、いずれの場合も好ましくない。
【0168】したがって、上述したような好ましい量の
加水分解性シリル基が導入されるように、それぞれ、加
水分解性シリル基含有単量体、加水分解性シリル基含有
連鎖移動剤あるいは加水分解性シリル基含有重合開始剤
の使用量を、適切に設定する必要がある。
【0169】また、ビニル系重合体(b−1)または
(b−2)中に導入されるべき酸基の量としては、それ
ぞれの重合体の固形分の1,000グラム当たりの酸基
のモル数として、約0.1〜約10モルなる範囲内が適
切であるし、好ましくは、0.2〜5モルなる範囲内が
適切であるし、最も好ましくは、0.3〜3モルなる範
囲内が適切である。
【0170】したがって、上述したような好ましい量の
酸基が導入されるように、酸基を含有するビニル系単量
体の使用量を、適切に設定する必要がある。
【0171】さらには、ビニル系重合体(b−2)中に
導入されるべき、官能基(Fu−1)を有するビニル系
単量体(m−4)のうちの少なくとも1種のビニル系単
量体の共重合量としては、ビニル系重合体(b−2)の
固形分の1,000グラム当たりの当該官能基のモル数
として、約0.1〜約5モルなる範囲内となるような量
が適切であり、好ましくは、0.2〜3モルなる範囲内
が適切であるし、さらに一層好ましくは、0.3〜2モ
ルなる範囲内が適切である。
【0172】また、これらのビニル系重合体(b−1)
または(b−2)の数平均分子量としては、大約500
〜大約200,000なる範囲内が、好ましくは、1,
000〜50,000なる範囲内が適切であるし、一層
好ましくは、1,500〜20,000なる範囲内が適
切である。
【0173】これらのビニル系重合体(b−1)または
(b−2)の数平均分子量が、約500未満の場合に
は、どうしても、本発明の組成物より得られる硬化物の
機械的強度などが劣るようになるし、一方、約200,
000を超えて余りにも高くなる場合には、どうして
も、本発明の組成物より得られる硬化物の外観が低下し
たりするので、いずれの場合も好ましくない。
【0174】ビニル系重合体(b−1)として、重合性
不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂またはアル
キド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の
存在下に、前記した各種の方法(i)〜(iii)で重
合を行うことにより得られる、ビニル系重合体セグメン
トをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂または
アルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0175】ビニル系重合体(b−2)として、重合性
不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂またはアル
キド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の
存在下に、前記した各種の方法(v)〜(vii)で重
合を行うことにより得られる、ビニル系重合体セグメン
トをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂または
アルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0176】重合体(b−1)のうちのポリウレタン系
重合体を調製するには、各種のジヒドロキシ化合物およ
び各種のジイソシアネート化合物に加えて、加水分解性
シリル基を導入するための原料成分として、加水分解性
シリル基を有するジアミン化合物または加水分解性シリ
ル基を有するモノアミン化合物を使用し、さらに、酸基
を導入するための原料成分としての、ジメチロールプロ
ピオン酸もしくはジメチロールブタン酸の如き酸基と炭
素原子に結合した水酸基を併有する化合物等の公知慣用
の種々の原料成分を使用して、特開昭51−90391
号公報、特開昭55−73729号公報または特開昭6
0−255817号公報に記述されている方法を適用す
ればよい。
【0177】さらに、重合体(b−2)のうちのポリウ
レタン系重合体を調製するには、前記したポリウレタン
系重合体(b−1)を調製する際に使用されるものとし
て既に掲げたような公知慣用の各種の原料類に加えて、
前記した官能基(Fu−1)を有し、しかも、イソシア
ネート基と反応する活性水素を有する基を、1個または
2個、有するような種々の化合物を原料成分として使用
して、公知慣用の種々の方法を適用すればよい。
【0178】ポリウレタン系重合体(b−2)を調製す
る際に使用される、官能基(Fu−1)を有し、しか
も、イソシアネート基と反応する活性水素を有する基
を、1個または2個、有する化合物として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、4−ヒドロキシメチ
ル−1,3−ジオキソラン−2−オン、N−メチルジエ
タノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、グリ
シドール、2−ヒドロキシエチルカーバメートもしくは
2−ヒドロキシプロピルカーバメートの如き、各種の官
能基と炭素原子に結合した水酸基とを併有する化合物な
どである。
【0179】前述したような方法で以て調製されるポリ
ウレタン系重合体(b−1)または(b−2)中に導入
されるべき加水分解性シリル基の量としては、それぞれ
の重合体の固形分1,000グラム当たり、大約0.0
05〜大約3モルなる範囲内が適切であり、好ましく
は、0.01〜2モルなる範囲内が適切であるし、さら
に一層好ましくは、0.05〜1モルなる範囲内が適切
である。
【0180】約0.005モル未満の場合には、どうし
ても、ポリウレタン系重合体(b−1)または(b−
2)と、ポリシロキサン(A)との間の縮合反応が進行
しずらくなり、ひいては、本発明の組成物より得られる
硬化物の耐久性などが低下するようになるし、一方、約
3モルを超えて余りにも多くなる場合には、前記した複
合化反応時の溶液粘度が上昇し、ひいては、ゲル化を惹
起してしまうようになるなどの不都合が認められるよう
にもなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0181】また、ポリウレタン系重合体(b−1)ま
たは(b−2)中に導入されるべき酸基の量としては、
それぞれの重合体の固形分の1,000グラム当たりの
酸基のモル数として、約0.1〜約10モルなる範囲内
が適切であるし、好ましくは、0.2〜5モルなる範囲
内が適切であるし、最も好ましくは、0.3〜3モルな
る範囲内が適切である。
【0182】さらには、ポリウレタン系重合体(b−
2)中に導入されるべき、それぞれ、炭素原子に結合し
た水酸基、ブロック水酸基、3級アミノ基、シクロカー
ボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド
基、カーバメート基または前掲した構造式(S−I)で
示される官能基などによって代表される、官能基(Fu
−1)の導入量としては、ポリウレタン系重合体(b−
2)の固形分の1,000グラム当たりの官能基のモル
数として、約0.1〜約5モルなる範囲内が適切であ
り、好ましくは、0.2〜3モルなる範囲内が適切であ
るし、さらに一層好ましくは、0.3〜2モルなる範囲
内が適切である。
【0183】また、ポリウレタン系重合体(b−1)ま
たは(b−2)の数平均分子量としては、大約500〜
大約100,000なる範囲内が、好ましくは、1,0
00〜50,000なる範囲内が適切であるし、一層好
ましくは、1,500〜30,000なる範囲内が適切
である。
【0184】ポリウレタン系重合体(b−1)または
(b−2)の数平均分子量が、約500未満の場合に
は、どうしても、本発明の組成物より得られる塗膜の機
械的強度などが劣るようになるし、一方、約100,0
00を超えて余りにも高くなる場合には、どうしても、
本発明の組成物より得られる硬化物の外観が低下したり
するようになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0185】縮合物(c−1)〜(c−8)を調製する
際に使用される、珪素原子に結合した水酸基および/ま
たは珪素原子に結合した加水分解性基を有し、かつ、全
珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合し
ているポリシロキサン(A)とは、一般的に、シラノー
ル基と呼称される、珪素原子に結合した水酸基および/
または珪素原子に結合した加水分解性基を有し、且つ、
それを構成する全珪素原子の10モル%以上にシクロア
ルキル基が結合している、線状、分岐状あるいは環状等
の各種のポリシロキサンを指称するものである。
【0186】かかる各種のポリシロキサン中でも、本発
明の水性樹脂の硬化性および本発明の組成物より得られ
る硬化物の耐久性に優れる点から、前記した如き構造式
(S−IV)で表される構造を必須の単位構造として有
する分岐構造もしくは環状構造を有するポリシロキサン
が特に好ましい。
【0187】かかるポリシロキサン(A)の代表的なも
のとしては、珪素原子に結合したシクロアルキル基の少
なくとも1個と、珪素原子に結合した加水分解性基の少
なくとも2個とを含有する珪素化合物、ならびに、珪素
原子に結合した加水分解性基を、一分子中に少なくとも
3個、有する珪素化合物を必須の成分として含有する珪
素化合物類の加水分解縮合物、もしくは、部分加水分解
縮合物などであって、全珪素原子の10モル%以上にシ
クロアルキル基が結合するように調製されたものであ
る。
【0188】ポリシロキサン(A)を調製する際に使用
される、珪素原子に結合したシクロアルキル基の少なく
とも1個と、珪素原子に結合した加水分解性基の少なく
とも2個とを含有する珪素化合物としては、公知慣用の
各種のものが使用できるけれども、それらのうちでも特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次のよう
な一般式(S−VIII)
【0189】
【化12】 (R6)(R7bSiR8 3-b (S−VIII)
【0190】(ただし、式中のR6 は、シクロアルキル
基を表し、R7 は、それぞれ、置換基を有していても有
していなくてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基またはアルケニル基なる1価
の有機基を、R8 はハロゲン原子、アルコキシ基、置換
アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプ
ト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオ
キシ基もしくはアルケニルオキシ基の如き、加水分解性
基を表わすものとし、bは0あるいは1なる整数である
ものとする。)で以て示される珪素化合物がある。
【0191】かかる一般式(S−VIII)で示される
珪素化合物の代表的なものとしては、シクロペンチルト
リメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラ
ン、シクロヘキシルトリメトキシシランもしくはシクロ
ヘキシルトリエトキシシランの如き、3官能性シラン化
合物としての各種のシクロアルキルトリアルコキシシラ
ン類;シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロ
ペンチルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチ
ルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシ
シランもしくはシクロヘキシルエチルジエトキシシラン
の如き、2官能性のシラン化合物としての各種のアルキ
ルシクロアルキルジアルコキシシラン類;ジシクロペン
チルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシ
ラン、ジシクロヘキシルジメトキシシランもしくはジシ
クロヘキシルジエトキシシランの如き、2官能性シラン
化合物としての各種のジシクロアルキルジアルコキシシ
ラン類;
【0192】シクロペンチルトリクロロシシランもしく
はシクロヘキシルトリクロロシランの如き、3官能性シ
ラン化合物としてのシクロアルキルトリクロロシラン
類:シクロペンチルメチルジクロロシシランもしくはシ
クロヘキシルメチルジクロロシランの如き、2官能性シ
ラン化合物としてのアルキルシクロアルキルジクロロシ
ラン類;さらには、ジシクロペンチルジクロロシランも
しくはジシクロヘキシルジクロロシランの如き、2官能
性シラン化合物としての各種のジシクロアルキルジクロ
ロシラン類などが挙げられる。
【0193】ポリシロキサン(A)を調製する際に使用
される、前記した、珪素原子に結合した加水分解性基
を、一分子中に少なくとも3個、有する珪素化合物とし
ては、公知慣用のものが、いずれも使用できるけれど
も、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、次のような一般式(S−IX)
【0194】
【化13】R9 bSiR10 4-b (S−IX)
【0195】(ただし、式中のR9 は、それぞれ、置換
基を有していても有していなくてもよい、アルキル基、
アリール基、アラルキル基またはアルケニル基なる1価
の有機基を、R10はハロゲン原子、アルコキシ基、置換
アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプ
ト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、イミノオ
キシ基もしくはアルケニルオキシ基の如き、加水分解性
基を表わすものとし、bは0あるいは1なる整数である
ものとする。)
【0196】で以て示される珪素化合物;これらの珪素
化合物の1種の部分加水分解縮合により得られる部分加
水分解縮合物;または此等の珪素化合物の2種以上の混
合物の部分加水分解縮合により得られる部分共加水分解
縮合物;
【0197】あるいは(CH3CH2O)3 SiCH2
2Si(OCH2CH33 または(CH3CH2O)3
SiCH2CH2CH2 Si(OCH2CH33 などのよ
うな、珪素原子に結合した加水分解性基を、一分子中に
3個以上、有する化合物などである。
【0198】前掲したような一般式(S−IX)で示さ
れる珪素化合物として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシ
シランもしくはテトラ−n−ブトキシシランの如き、各
種のテトラアルコキシシラン類;
【0199】メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エ
チルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリメト
キシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブ
チルトリメトキシシランもしくはn−ブチルトリエトキ
シシラン、
【0200】フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シランもしくはアリルトリメ
トキシシラン、
【0201】2−トリメトキシシリルエチルビニルエー
テル、2−トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、
3−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、3−
トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル、3−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランも
しくは3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエ
トキシシランの如き、各種のオルガノトリアルコキシシ
ラン類;
【0202】テトラクロロシランもしくはテトラブロモ
シランの如きテトラハロゲノシラン類;メチルトリクロ
ロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリ
クロロシラン、ビニルトリクロロシラン、3−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリクロロシランの如き、
各種のオルガノトリクロロシラン類;
【0203】またはテトラアセトキシシラン、メチルト
リアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシランの
如き、各種のアセトキシシラン類などである。
【0204】また、ポリシロキサン(A)の調製に際
し、一般式(S−VIII)および(S−IX)で示さ
れる上記した如き各種の珪素化合物に加えて、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチ
ルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラ
ン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメ
トキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ
−n−ブチルジメトキシシランもしくはジ−n−ブチル
ジエトキシシラン、
【0205】ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニル
ジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、2
−(メチルジメトキシシリル)エチルビニルエーテル、
3−(メチルジメトキシシリル)プロピルビニルエーテ
ルもしくは3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメ
チルジメトキシシランの如き、一分子中に珪素原子に結
合した加水分解性基を2個有する、いわゆる2官能性の
珪素化合物;
【0206】あるいは、トリメチルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、
トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラ
ン、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルクロロシ
ラン、トリエチルクロロシランもしくはトリフェニルク
ロロシランの如き、一分子中に珪素原子に結合した加水
分解性基を1個のみ有する、いわゆる1官能性の珪素化
合物をも併用することが出来る。
【0207】上述した各種の珪素化合物から、ポリシロ
キサン(A)の特に好ましいものであるシクロアルキル
基を有し、且つ、分岐した構造を有するポリシロキサン
を調製するには、一般式(S−VIII)で示される珪
素化合物のうち、シクロアルキル基を含有する3官能性
のシラン化合物を必須の珪素化合物として使用するか、
もしくは、一般式(S−VIII)で示される珪素化合
物のうちの、シクロアルキル基を含有する2官能性のシ
ラン化合物と、一般式(S−IX)で示される珪素原子
に結合した加水分解性基を、一分子中に少なくとも3
個、有する珪素化合物とを必須の珪素化合物として併用
して、加水分解縮合もしくは部分加水分解縮合を行えば
よい。
【0208】その際に、シクロアルキル基を含有する3
官能性シラン化合物もしくはシクロアルキル基を含有す
る2官能性シラン化合物を全シラン化合物のうちの10
モル%以上、好ましくは20モル%以上、さらに好まし
くは、40モル%以上使用すればよい。
【0209】また、水性樹脂(W−1)または(W−
2)の硬化性と耐久性の点からは、ポリシロキサン
(A)を構成する全珪素原子のうち10モル%以上、好
ましくは、20モル%以上、さらに好ましくは、30モ
ル%以上が、上記した構造式(S−4)なる単位構造を
形成しているものであることが、特に好ましい。
【0210】従って、ポリシロキサン(A)の調製に当
たり、使用される全シラン化合物の10モル%以上、好
ましくは、20モル%以上、さらに好ましくは、30モ
ル%以上が、メチルトリアルコキシシラン類、メチルト
リクロロシラン、シクロヘキシルトリアルコキシシラン
類もしくはシクロヘキシルトリクロロシランの如き3官
能性のシラン化合物であることが特に好ましい。
【0211】フェニルトリアルコキシラン類、フェニル
トリクロロシラン、ジフェニルジアルコキシシラン類、
ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジアルコキ
シシラン類もしくはメチルフェニルジクロロシランの如
き各種のフェニルシラン類を併用することもできるが、
これらは、本発明の特徴である光沢保持性を損なわない
範囲内の比率で使用するべきである。
【0212】前記したような珪素化合物を加水分解縮合
ないしは部分加水分解縮合せしめることにより、ポリシ
ロキサン(A)を得ることが出来るが、その際に、触媒
を使用してもよいし、使用しなくてもよいが、これらの
縮合反応を容易に進行させる上からは、触媒を使用する
ことが望ましい。
【0213】ここにおいて、触媒を使用する場合には、
公知慣用の触媒のいずれをも使用することが出来るし、
しかも、それらは単独使用でも、2種類以上の併用でも
よいことは、勿論である。
【0214】かかる触媒として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、塩酸、硫酸または燐酸の如き、
各種の無機酸類;p−トルエンスルホン酸、燐酸モノイ
ソプロピルまたは酢酸の如き、各種の有機酸類;
【0215】水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの
如き、各種の無機塩基類;テトライソプロピルチタネー
トまたはテトラブチルチタネートの如き、各種のチタン
酸エステル類;ジブチル錫ジラウレートまたはオクチル
酸錫の如き、各種の錫カルボン酸塩類;
【0216】鉄、コバルト、マンガンまたは亜鉛の如
き、各種の金属のナフテン酸塩あるいはオクチル酸塩の
如き金属カルボン酸塩類;アルミニウムトリスアセチル
アセトネートの如き、各種のアルミニウム化合物;
【0217】1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ
−n−ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、
ブチルアミン、オクチルアミン、
【0218】モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1−メチル
イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールもしくは
1,4−ジエチルイミダゾールの如き、各種のアミン化
合物類;
【0219】テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチ
ルアンモニウム塩、トリメチル(2−ヒドロキシルプロ
ピル)アンモニウム塩、シクロヘキシルトリメチルアン
モニウム塩、テトラキス(ヒドロキシルメチル)アンモ
ニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリオ
クチルメチルアンモニウム塩もしくはo−トリフルオロ
メチルフェニルトリメチルアンモニウム塩の如き、各種
の4級アンモニウム塩類であって、
【0220】さらには、代表的なる対アニオンとして、
それぞれ、クロライド、ブロマイド、カルボキシレート
もしくはハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニ
ウム塩類などである。
【0221】使用される触媒量としては、加水分解もし
くは部分加水分解に供される珪素化合物に対して、約
0.0001〜約10重量%なる範囲内が、好ましく
は、0.0005〜3重量%なる範囲内が、特に好まし
くは、0.0005〜1重量%なる範囲内が適切であ
る。
【0222】また、前記反応に用いられる水の量として
は、かかる珪素化合物の珪素原子に結合している加水分
解性基の1モルに対して、約0.05モル以上が、好ま
しくは、0.1モル以上が適切であるし、さらに好まし
くは、0.2モル以上が適切である。
【0223】0.05モル未満の場合には、どうして
も、加水分解の速度が著しく遅くなってしまい、実用
上、好ましくないけれども、此の水の量が、5モルと
か、10モルとか、珪素原子に結合している加水分解性
基の1モルに対して、大過剰となるように使用すること
は、一向に、支障が無い。
【0224】そして、これらの触媒および水の添加は、
一括添加でも、分割添加でもよく、また、触媒と水を混
合した形で以て添加しても、あるいは別々に、添加して
もよいことは、勿論である。
【0225】かかる反応の反応温度としては、0℃〜1
50℃程度が適切であり、好ましくは、20℃〜100
℃が適切であるし、一方、これらの反応の圧力として
は、常圧、加圧または減圧下の、いずれの条件において
も行うことが出来る。
【0226】そして、かかる反応の副生成物である、そ
れぞれ、アルコールや水などが、引き続いて行われる、
ポリシロキサン(A)と重合体(b−1)または(b−
2)の縮合反応工程や、得られる水性樹脂の安定性など
に対して問題を起こすようであれば、蒸留などの手段に
よって、系外に除くことが出来るし、問題が無ければ、
そのまま、系内に存在させておいて、一向に、支障は無
い。
【0227】また、かかる反応に際しては、公知慣用の
種々の有機溶剤を使用してもよいし、使用しなくてもよ
いけれども、引き続いて行われる重合体(b−1)また
は(b−2)との縮合反応工程をスムーズに進行させる
ために、前掲した如き各種のアルコール性水酸基を有す
る有機溶剤を必須成分として含有する媒体を使用するこ
とが望ましい。
【0228】そして、かかるアルコール性水酸基を有す
る有機溶剤を必須成分として含有する媒体を使用して、
ポリシロキサン(A)を調製する際には、珪素原子に結
合した加水分解性基を、一分子中に少なくとも3個、有
する珪素化合物の、前記有機溶剤中における濃度として
は、5重量%程度以上にすることが望ましい。
【0229】次いで、本発明において使用される水性樹
脂(W−1)または(W−2)のうち、アニオン性基を
親水性基とするタイプを調製する際の前駆体としての縮
合物(c−1)〜(c−8)の調製方法である、前記し
た(1)〜(4)なる方法について詳細に述べることに
する。
【0230】まず、はじめに、前記した(1)なる方法
とは、重合体(b−1)または(b−2)と、ポリシロ
キサン(A)とを縮合反応させることにより縮合物(c
−1)または(c−2)を調製する方法である。
【0231】ここにおいて、重合体(b−1)または
(b−2)のそれぞれと、ポリシロキサン(A)の縮合
反応をスムーズに進行させるために、触媒を添加するこ
とが出来るが、かかる触媒としては、ポリシロキサン
(A)を調製する際に使用されるものとして既に掲げた
ような種々の触媒類を、そのまま、使用することが出来
る。
【0232】(1)なる方法で縮合せしめる場合に使用
される触媒の量としては、重合体(b−1)または(b
−2)のそれぞれと、ポリシロキサン(A)の合計量に
対して、約0.0001〜約10重量%なる範囲内が、
好ましくは、0.0005〜3重量%なる範囲内が、特
に好ましくは、0.0005〜1重量%なる範囲内が適
切である。
【0233】そして、ポリシロキサン(A)を調製する
過程で使用された触媒が(A)中に残留している場合に
は、殊更に、触媒を添加せずとも、(A)中に残留して
いる触媒のみでも、当該縮合反応を促進せしめることが
可能である。
【0234】また、(1)なる方法において、重合体
(b−1)または(b−2)のそれぞれと、ポリシロキ
サン(A)との間の縮合反応をスムーズに進行せしめる
ためには、重合体(b−1)または(b−2)のそれぞ
れに含まれる加水分解性シリル基の加水分解と、ポリシ
ロキサン(A)中に、場合によっては含有される珪素原
子に結合した加水分解性基の加水分解とを円滑に進行せ
しめることが望ましく、したがって、こうした縮合反応
を、水の存在下で以て行なうことが、特に望ましい。
【0235】そして、ポリシロキサン(A)を調製する
際に使用された水が(A)中に残留している場合には、
殊更に水を添加せずとも、(A)中に残留している水の
みでも、当該縮合反応を行なうことも可能である。
【0236】該縮合反応を行なうに際して使用される水
の量としては、重合体(b−1)または(b−2)のそ
れぞれに結合した加水分解性シリル基中に含まれる加水
分解性基と、ポリシロキサン(A)中に存在する、珪素
原子に結合している加水分解性基との合計量の1モルに
対して、約0.05モル以上が、好ましくは、0.1モ
ル以上が適切であるし、さらに好ましくは、0.5モル
以上が適切である。
【0237】約0.05モル未満の場合には、どうして
も、加水分解の速度が著しく遅くなり易いので、好まし
くない。
【0238】また、水の使用量を大過剰に設定しても、
反応中に不溶物が析出して来るなどの不都合が生じない
限り、支障なく、複合化反応を行なうことが出来るが、
ポリシロキサン(A)中に珪素原子に結合している加水
分解性基が存在する場合には、(A)中に含まれる加水
分解性基の1モルに対して、水の使用量を、概ね、10
モル以下に、好ましくは、5モル以下に、より好ましく
は、3.5モル以下に設定するのが適切であるし、
【0239】(A)中に珪素原子に結合している加水分
解性基が存在しない場合においては、重合体(b−1)
または(b−2)のそれぞれに結合した加水分解性シリ
ル基中に含まれる加水分解性基の1モルに対して、50
0モル以下に、好ましくは、300モル以下に、より好
ましくは、200モル以下に設定するのが適切である。
【0240】(1)なる方法において、該縮合反応を行
なう際の反応温度としては、0〜150℃程度が適切で
あり、好ましくは、20℃〜100℃程度が適切であ
る。
【0241】次いで、前記した(2)なる方法とは、前
記した重合体(b−1)または(b−2)の存在下に、
ポリシロキサン(A)を調製する反応を行なう過程で、
(b−1)または(b−2)と(A)とを縮合反応させ
ることにより縮合物(c−3)または(c−4)を調製
する方法である。
【0242】前記した(2)なる方法よって縮合物(c
−3)もしくは(c−4)を調製するにあたり、珪素化
合物類の加水分解縮合を促進するための触媒を使用して
もよいし、使用しなくてもよいが、当該珪素化合物類の
加水分解反応を速やかに進行させると同時に、生成する
(A)と(b−1)、または(b−2)との間の縮合反
応をスムーズに進行させるうえから、触媒を使用するこ
とが望ましい。
【0243】かかる触媒としては、前記した(A)の調
製に際し使用できるものとして例示した如きものを、使
用することができる。
【0244】使用される触媒の量としては、(A)の原
料である珪素化合物に対して、約0.000001〜約
10重量%なる範囲内が、好ましくは、0.00000
5〜5重量%なる範囲が、特に好ましくは、0.000
1〜1重量%なる範囲内が適切である。
【0245】また、(2)なる方法で縮合物を調製する
に当たり、(A)の原料である珪素化合物の加水分解反
応を円滑に進行せしめ、さらに、生成した(A)と(b
−1)または(b−2)との間の縮合反応をスムーズに
進行させるために、通常、水を添加した形で反応が行な
われる。その際の水の添加量は、重合体(b−1)また
は(b−2)に結合した加水分解性シリル基中に含まれ
る加水分解性基と、当該珪素化合物中に存在する、珪素
原子に結合している加水分解性基との合計量の1モルに
対して、約0.05モル以上が、好ましくは、0.1モ
ル以上が適切であるし、さらに好ましくは、0.5モル
以上が適切である。
【0246】約0.05モル未満の場合には、どうして
も、加水分解の速度が著しく遅くなり易いので、好まし
くない。
【0247】さらに、水の使用量を大過剰に設定して
も、反応中に不溶物が析出するなどの不都合が生じない
限り、支障なく、縮合反応を行なうことが出来るが、前
記した加水分解性基の合計量の1モルに対して、水の使
用量を、概ね、10モル以下に、好ましくは、5モル以
下に、より好ましくは、3.5モル以下に設定するのが
適切であるし、
【0248】さらに亦、(2)なる方法で縮合物を調製
するに際しての反応条件、ならびに、触媒および水の添
加方法は、前記(A)の調製に当たって採用されるもの
に準じればよい。
【0249】次いで、前記した(3)なる方法とは、前
記したポリシロキサン(A)の存在下に、前記した重合
体(b−1)または(b−2)を調製する反応を行なう
過程で、重合体(b−1)または(b−2)と(A)と
を縮合反応させることにより縮合物(c−5)または
(c−6)を調製する方法である。
【0250】ここにおいて、重合体(b−1)または
(b−2)のそれぞれを調製する過程で縮合反応を行な
って、(A)との縮合物を調製するに当たり、(b−
1)または(b−2)のそれぞれに含まれる加水分解性
シリル基の加水分解反応を促進し、さらに、ポリシロキ
サン(A)と、生成した重合体(b−1)または(b−
2)のそれぞれとの縮合反応をスムーズに進行させるた
めに、触媒を添加することが出来るが、かかる触媒とし
ては、前記した(1)なる方法と同様に、ポリシロキサ
ン(A)を調製する際に使用されるものとして既に掲げ
たような種々の触媒類を、そのまま、使用することが出
来る。
【0251】(3)なる方法で、縮合せしめる場合に使
用される触媒の量としては、重合体(b−1)または
(b−2)と、ポリシロキサン(A)の合計量に対し
て、約0.0001〜約10重量%なる範囲内が、好ま
しくは、0.0005〜3重量%なる範囲内が、特に好
ましくは、0.0005〜1重量%なる範囲内が適切で
ある。
【0252】そして、前記した(1)と同様に、ポリシ
ロキサン(A)を調製する過程で使用された触媒が
(A)中に残留している場合には、殊更に、触媒を添加
せずとも、(A)中に残留している触媒のみでも、当該
縮合反応を促進せしめることが可能である。
【0253】また、(3)なる方法においても、(b−
1)または(b−2)と(A)との間の縮合反応を円滑
に進行せしめる観点から、前記した(1)なる方法と同
様に、反応系に水を添加することが望ましい。そして、
かかる水の量としては、(1)なる方法の場合に準じ
る。
【0254】そして、これらの触媒および水の添加は、
一括添加でも、分割添加でもよく、また、触媒と水を混
合した形で以て添加しても、あるいは別々に、添加して
もよいことは、勿論である。
【0255】また、(3)なる方法において、重合体
(b−1)または(b−2)のそれぞれを調製する際の
反応温度としては、0〜150℃程度が適切であり、好
ましくは、20℃〜120℃程度が適切である。
【0256】さらにまた、前記した(4)なる方法と
は、重合体(b−1)または(b−2)を調製する反応
と、ポリシロキサン(A)を調製する反応を、同一の反
応系において、並行して行なう過程で、(b−1)また
は(b−2)と(A)とを縮合させて、縮合物(c−
7)または(c−8)を調製する方法であって、この縮
合反応は上記した(1)〜(3)なる方法に準じて実施
すればよい。
【0257】(1)〜(4)なる方法により、縮合物
(c−1)〜(c−8)のそれぞれを調製するに当た
り、重合体(b−1)または(b−2)と、ポリシロキ
サン(A)との使用割合は、重合体(B−1)または
(B−2)に由来するセグメントとポリシロキサン
(A)に由来するポリシロキサンセグメントとの比率
が、上述した如き好ましい範囲内となるように設定すれ
ばよい。
【0258】さらに亦、(3)または(4)なる方法に
おいて、重合体(b−1)または(b−2)を調製する
ための条件、あるいは(b−1)または(b−2)それ
ぞれの目標性状としては、(b−1)または(b−2)
の調製方法として、既に記載した条件あるいは性状と合
致するものでなければならない。
【0259】さらには亦、(1)〜(4)なる方法で、
縮合物(c−1)〜(c−8)のそれぞれの調製を行な
うに際しての、各成分の合計濃度は、該反応により生成
する縮合物(c−1)〜(c−8)のそれぞれの、縮合
反応終了時点での、濃度として、5重量%程度以上に、
好ましくは、10重量%以上に、さらに好ましくは、2
0重量%以上になるように設定することが望ましい。
【0260】そして、この濃度の調整は、前掲したよう
な、アルコール性水酸基を有する有機溶剤を必須成分と
して含有する媒体で以て行なうことが出来る。
【0261】さらに、(1)〜(4)なる方法で調製さ
れる縮合物(c−1)〜(c−8)に含有される酸基の
部分中和ないしは完全中和反応に際しては、各種の塩基
性化合物が使用されるが、それらの代表的なものとして
は前記した重合体(B−1)あるいは(B−2)にアニ
オン性基を導入する際に使用されるものとして例示して
如き各種のものが挙げられる。
【0262】このような各種の塩基性化合物のうちで
も、アンモニアまたは各種の有機アミン類の使用が、特
に望ましい。
【0263】そして、かかる塩基性化合物の添加量とし
ては、縮合物(c−1)〜(c−8)に、少なくとも、
水分散性を付与することが可能な量であり、縮合物(c
−1)〜(c−8)中に含まれる酸基の当量数に対す
る、当該塩基性化合物の当量数の比率、
【0264】つまり、当該塩基性化合物/「前記縮合物
(c−1)〜(c−8)のそれぞれに含有される酸基」
なる当量比が約0.1以上となるのが適切ではあるが、
塗膜性能を損なわない範囲の量として、好ましくは、概
ね、0.1〜3なる範囲内が適切であるし、最も好まし
くは、0.3〜2なる範囲内が適切である。
【0265】こうした中和反応の反応温度としては、0
℃〜150℃程度が適切であり、好ましくは、20℃〜
100℃が適切であるし、一方、これらの反応の圧力と
しては、常圧、加圧または減圧下の、いずれの条件にお
いても行なうことが出来る。
【0266】上述のようにして、縮合物(c−1)〜
(c−8)のぞれぞれの塩基性化合物による部分もしく
は完全中和物を調製することが出来るが、かかる部分も
しくは完全中和物中に含まれる有機溶剤類は、除去せず
とも、そのままで、水性媒体に分散ないしは溶解せしめ
ることも出来るし、必要に応じて、蒸留操作などによっ
て除去することも出来る。
【0267】このようにして得られる縮合物(c−1)
〜(c−8)のそれぞれの部分もしくは完全中和物を、
水性媒体に分散ないしは溶解せしめることによって、水
性樹脂(W−1)または(W−2)のうち、アニオン性
基のみを親水性基として有するタイプが調製される。
【0268】縮合物(c−1)〜(c−8)のそれぞれ
の部分もしくは完全中和物から、水性樹脂(W−1)ま
たは(W−2)を調製するには、公知慣用の種々の方法
を適用することが出来る。たとえば、当該部分もしくは
完全中和物に、単に、水あるいは水と水溶性有機溶剤の
混合物を添加せしめるか、あるいは当該部分もしくは完
全中和物を、水あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物
に加えることによって水性媒体中に分散せしめるか、あ
るいは溶解せしめることによって、目的とする水性樹脂
(W−1)または(W−2)を調製することが出来る。
【0269】また、必要に応じて、このようにして調製
される水性樹脂(W−1)または(W−2)中に含まれ
る有機溶剤を、加熱および/または減圧によって、部分
的に、あるいは完全に除去せしめることによって、有機
溶剤の含有率が低い、あるいは有機溶剤を含有しない水
性樹脂(W−1)または(W−2)を調製することが出
来る。
【0270】次に、前記した水性樹脂(W−3)または
(W−4)のうち、アニオン性基のみを親水性基として
有するタイプを、上述した(ハ)なる方法で調製する際
に使用される縮合物の具体的な調製方法の代表的なもの
としては、(5)予め調製した、加水分解性シリル基と
酸基なる両基を併有する重合体(b−3)または加水分
解性シリル基および酸基なる両基に加えて、上述した官
能基(Fu−2)をも含有する重合体(b−4)を、塩
基性化合物で以て部分中和ないしは完全中和せしめたの
ち、前記したポリシロキサン(A)を混合せしめ、次い
で、縮合反応せしめて縮合物(c−9)または(c−1
0)を調製する方法、
【0271】(6)重合体(b−3)または重合体(b
−4)と塩基性化合物の存在下に、ポリシロキサン
(A)を調製する反応を行なう過程で、(b−3)ある
いは(b−4)と(A)とを縮合反応せしめて縮合物
(c−11)または(c−12)を調製する方法、
【0272】(7)前記のポリシロキサン(A)と塩基
性化合物の共存在下に、重合体(b−3)または重合体
(b−4)を調製する反応を行なう過程で、(b−3)
または(b−4)と(A)とを縮合反応せしめて縮合物
(c−13)または(c−14)を調製する方法、る方
法、
【0273】(8)塩基性化合物の存在下に、重合体
(b−3)または重合体(b−4)を調製する反応と、
ポリシロキサン(A)を調製する反応とを、並行して行
なう過程で、(b−3)または(b−4)と(a−2)
とを縮合反応せしめて縮合物(c−15)または(c−
16)を調製する方法、等がある。
【0274】上記の重合体(b−3)あるいは(b−
4)に導入される酸基としては、水性樹脂(W−1)ま
たは(W−2)の調製の際に使用されるものとして前掲
した、各種の酸基などが挙げられるが、そのうちでも特
に望ましいもののみを例示するにとどめれば、カルボキ
シル基、ブロックカルボキシル基またはカルボン酸無水
基などである。
【0275】また、上記した重合体(b−4)に導入さ
れる、官能基(Fu−2)のうちの酸基以外の官能基と
しては、重合体(B−4)に導入することが出来るもの
として例示した各種のものが挙げられる。
【0276】次に、縮合物(c−9)〜(c−16)の
調製方法について、詳しく述べることにする。
【0277】まず、縮合物(c−9)〜(c−16)を
調製する際に、その前駆体として重合体(b−3)また
は(b−4)が、調製されるが、かかる各種の重合体の
代表的なものとしては、重合体(B−1)および(B−
2)について上述したものと同様に各種のものが挙げら
れるが、それらのうちでも特に好ましいものとしては、
ビニル系重合体またはポリウレタン系重合体が挙げら
れ、さらに、ビニル重合体のうちで特に望ましいものと
しては、アクリル系重合体およびフルオロオレフィン系
重合体が挙げられる。
【0278】まず、かかる、重合体(b−3)または
(b−4)のうちの、ビニル系重合体の調製方法につい
て、述べることとする。
【0279】かかるビニル系重合体のうちの、縮合物
(c−9)、(c−11)、(c−13)または(c−
15)の前駆体である、重合体(b−3)を調製するに
は、重合体(b−1)の調製に際して使用されるものと
して例示した、単量体類、重合開始剤類および有機溶剤
類を使用して、(i)〜(iv)なる方法を、そのまま
適用するすればよいが、簡便さの点から、これらのう
ち、特に、(i)〜(iii)なる各方法を適用するの
が好ましい。
【0280】そして、かかるビニル系重合体のうち、縮
合物(c−10)、(c−12)、(c−14)または
(c−16)の前駆体である、重合体(b−4)を調製
するには、重合体(b−2)の調製に際して使用される
ものとして例示した、単量体類、重合開始剤類および有
機溶剤類を使用して、(v)〜(viii)なる方法
を、そのまま適用すればよいが、簡便さの点から、これ
らのうち、特に、(v)〜(vii)なる各方法を適用
するのが好ましい。
【0281】また、ビニル系重合体(b−3)または
(b−4)中に導入されるべき、加水分解性シリル基、
酸基または官能基(Fu−2)のうちの酸基以外の官能
基、それぞれの量としては、重合体(b−1)または
(b−2)の調製に際して導入される量に準じればよ
い。
【0282】さらに、これらビニル系重合体(b−3)
または(b−4)の数平均分子量についても、前記ビニ
ル系重合体(b−1)または(b−2)の場合の好まし
い範囲に準ずるものである。
【0283】ビニル系重合体(b−3)として、重合性
不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂またはアル
キド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の
存在下に、前記した各種の方法(i)〜(iii)で重
合を行うことにより得られる、ビニル系重合体セグメン
トをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂または
アルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0284】ビニル系重合体(b−4)として、重合性
不飽和二重結合を有する、ポリエステル樹脂またはアル
キド樹脂などのような、ビニル系重合体以外の重合体の
存在下に、前記した各種の方法(v)〜(vii)で重
合を行うことにより得られる、ビニル系重合体セグメン
トをグラフト化せしめた形の、ポリエステル樹脂または
アルキド樹脂などを使用することも出来る。
【0285】重合体(b−3)または(b−4)のうち
のポリウレタン系重合体の調製方法としては、前述した
ポリウレタン系重合体(b−1)または(b−2)の調
製方法をそのまま適用できる。
【0286】また、縮合物(c−9)〜(c−16)の
もう一方の構成成分である、ポリシロキサン(A)とし
ては、水性樹脂(W−1)または(W−2)の調製の際
に使用されるものとして例示したものを使用することが
できる。
【0287】次いで、水性樹脂(W−3)または(W−
4)のうち、アニオン性基を有するタイプの調製方法で
ある、前記した(5)〜(8)なる方法について詳細に
述べることにする。
【0288】まず、はじめに、前記した(5)なる方法
とは、重合体(b−3)または(b−4)を塩基性化合
物で以て部分中和ないしは完全中和せしめたのち、ポリ
シロキサン(A)を混合せしめ縮合反応せしめることに
より縮合物(c−9)または(c−10)を調製する方
法である。
【0289】重合体(b−3)または(b−4)のそれ
ぞれの部分中和物ないしは完全中和物と、ポリシロキサ
ン(A)の縮合反応を行うに当たり、部分中和物ないし
は完全中和物に含有される中和された酸基自体が、重合
体(b−3)または(b−4)とポリシロキサン(A)
との縮合反応の触媒として機能するので、ことさらに、
縮合反応触媒を添加する必要はない。
【0290】また、(5)なる方法において、重合体
(b−3)または(b−4)のそれぞれの部分中和物な
いしは完全中和物と、ポリシロキサン(A)との間の縮
合反応をスムーズに進行せしめるためには、重合体(b
−3)または(b−4)のそれぞれの部分中和物ないし
は完全中和物に含まれる加水分解性シリル基の加水分解
と、ポリシロキサン(A)中に、場合によっては含有さ
れる珪素原子に結合した加水分解性基の加水分解とを円
滑に進行せしめることが望ましく、したがって、こうし
た縮合反応を、水の存在下で以て行なうことが、特に望
ましい。
【0291】そして、ポリシロキサン(A)を調製する
際に使用された水が(A)中に残留している場合には、
殊更に水を添加せずとも、(A)中に残留している水の
みでも、当該縮合反応を行なうことも可能である。
【0292】該縮合反応を行なうに際して使用される水
の量としては、重合体(b−3)または(b−4)のそ
れぞれに結合した加水分解性シリル基中に含まれる加水
分解性基と、ポリシロキサン(A)中に存在する、珪素
原子に結合している加水分解性基との合計量の1モルに
対して、約0.05モル以上が、好ましくは、0.1モ
ル以上が適切であるし、さらに好ましくは、0.5モル
以上が適切である。
【0293】約0.05モル未満の場合には、どうして
も、加水分解の速度が著しく遅くなり易いので、好まし
くない。
【0294】また、水の使用量を大過剰に設定しても、
反応中に不溶物が析出して来るなどの不都合が生じない
限り、支障なく、複合化反応を行なうことが出来るが、
ポリシロキサン(A)中に珪素原子に結合している加水
分解性基が存在する場合には、(A)中に含まれる加水
分解性基の1モルに対して、水の使用量を、概ね、10
モル以下に、好ましくは、5モル以下に、より好ましく
は、3.5モル以下に設定するのが適切であるし、
【0295】(A)中に珪素原子に結合している加水分
解性基が存在しない場合においては、重合体(b−3)
または(b−4)のそれぞれに結合した加水分解性シリ
ル基中に含まれる加水分解性基の1モルに対して、50
0モル以下に、好ましくは、300モル以下に、より好
ましくは、200モル以下に設定するのが適切である。
【0296】(5)なる方法で、該縮合反応の前に行な
われる、重合体(b−3)または(b−4)中の酸基の
部分中和ないしは完全中和反応に際しては、縮合物(c
−1)〜(c−8)の中和反応に使用されるものとして
例示した各種の塩基性化合物を使用することができが、
特に、アンモニアまたは各種の有機アミン類の使用が望
ましい。
【0297】そして、かかる塩基性化合物の添加量とし
ては、得られる縮合物(c−9)または(c−10)に
対し、少なくとも、水分散性を付与することが可能な量
であり、前記重合体(b−3)または(b−4)に含ま
れる酸基の当量数に対する、当該塩基性化合物の当量数
の比率、
【0298】つまり、当該塩基性化合物/「前記重合体
(b−3)または(b−4)中に含まれる酸基」なる当
量比を約0.1以上とするのが適切ではあるが、塗膜性
能を損なわない範囲の量として、好ましくは、概ね、
0.1〜3なる範囲内が適切であるし、最も好ましく
は、0.3〜2なる範囲内が適切である。
【0299】こうした中和反応の反応温度としては、0
℃〜150℃程度が適切であり、好ましくは、20℃〜
100℃が適切であるし、一方、これらの反応の圧力と
しては、常圧、加圧または減圧下の、いずれの条件にお
いても行なうことが出来る。
【0300】さらに、(5)なる方法において、中和反
応に引き続いて行われる、該縮合反応の反応温度として
は、0〜150℃程度が適切であり、好ましくは、20
℃〜100℃程度が適切である。
【0301】次いで、前記した(6)なる方法とは、前
記した重合体(b−3)または(b−4)と、塩基性化
合物の存在下に、ポリシロキサン(A)を調製する反応
を行なう過程で、(b−3)または(b−4)のそれぞ
れの部分中和物ないしは完全中和物と(A)とを縮合反
応させることにより、縮合物(c−11)または(c−
12)を調製する方法である。
【0302】前記した(6)なる方法よって縮合物(c
−11)もしくは(c−12)を調製するに当たり、反
応系に存在する中和された酸基が珪素化合物類の加水分
解縮合を促進するので、ことさらに、触媒を使用する必
要はない。
【0303】また、(6)なる方法で縮合物を調製する
に当たり、(A)の原料である珪素化合物の加水分解反
応を円滑に進行せしめ、さらに、生成した(A)と(b
−3)または(b−4)のそれぞれの部分中和物ないし
は完全中和物との間の縮合反応をスムーズに進行させる
ために、通常、水を添加した形で反応が行なわれる。そ
の際の水の添加量は、重合体(b−3)または(b−
4)に結合した加水分解性シリル基中に含まれる加水分
解性基と、当該珪素化合物中に存在する、珪素原子に結
合している加水分解性基との合計量の1モルに対して、
約0.05モル以上が、好ましくは、0.1モル以上が
適切であるし、さらに好ましくは、0.5モル以上が適
切である。
【0304】約0.05モル未満の場合には、どうして
も、加水分解の速度が著しく遅くなり易いので、好まし
くない。
【0305】さらに、水の使用量を大過剰に設定して
も、反応中に不溶物が析出するなどの不都合が生じない
限り、支障なく、複合化反応を行なうことが出来るが、
前記した加水分解性基の合計量の1モルに対して、水の
使用量を、概ね、10モル以下に、好ましくは、5モル
以下に、より好ましくは、3.5モル以下に設定するの
が適切であるし、
【0306】さらに亦、(6)なる方法で縮合物を調製
するに際しての反応条件、水の添加方法は、前記(A)
の調製に当たって採用されるものに準じればよい。
【0307】そして、前記した(6)なる方法におい
て、予め添加する塩基性化合物としては、前記した
(5)なる方法において使用されるものとして例示した
如き各種の化合物を、使用することができる。
【0308】また、かかる方法における、塩基性化合物
の使用量は、前出の(5)なる方法におけるものに準じ
るものとする。
【0309】次いで、前記した(7)なる方法とは、前
記したポリシロキサン(A)と塩基性化合物の存在下
に、前記した重合体(b−3)または(b−4)を調製
する反応を行なう過程で、重合体(b−3)または(b
−4)のそれぞれの部分中和物ないしは完全中和物と
(A)とを縮合反応させることにより、縮合物(c−1
3)または(c−14)を調製する方法である。
【0310】かかる(7)なる方法においては、反応系
共存する塩基性化合物が、重合体(b−3)または(b
−4)の中和物とポリシロキサンとの縮合反応の触媒と
して機能するので、ことさらに、縮合反応用の触媒を添
加する必要はない。
【0311】また、(7)なる方法においても、(b−
3)または(b−4)のそれぞれの部分中和物ないしは
完全中和物と(A)との間の縮合反応を円滑に進行せし
める観点から、前記した(5)なる方法と同様に、反応
系に水を添加することが望ましい。そして、かかる水の
量としては、(5)なる方法の場合に準じる。そして、
水の添加は、一括添加でも、分割添加でもよい。
【0312】また、(7)なる方法において、重合体
(b−3)または(b−4)のそれぞれを調製する際の
反応温度としては、0〜150℃程度が適切であり、好
ましくは、20℃〜120℃程度が適切である。
【0313】さらに、(7)なる方法で、予め添加する
塩基性化合物としては、前記した(5)なる方法におい
て記載した各種の塩基性化合物を、そのまま、使用する
ことができるけれども、その中でも特に、アンモニアも
しくは有機アミン類の使用が望ましい。
【0314】そして、塩基性化合物の添加量としては、
前記した(5)なる方法に準ずるものである。
【0315】さらにまた、前記した(8)なる方法と
は、塩基性化合物の存在下に、重合体(b−3)または
(b−4)を調製する反応と、ポリシロキサン(A)を
調製する反応を、同一の反応系において、並行して行な
う過程で、(b−3)または(b−4)のそれぞれの部
分中和物ないしは完全中和物と(A)とを縮合させるこ
とにより、縮合物(c−15)または(c−16)を調
製する方法であって、中和反応および複合化反応は、上
述した(5)〜(7)なる方法に準じて実施すればよ
い。
【0316】(5)〜(8)なる方法により、縮合物
(c−9)〜(c−16)のそれぞれを調製するに当た
り、重合体(b−3)または(b−4)と、ポリシロキ
サン(A)との使用割合は、重合体(B−3)または
(B−4)に由来するセグメントとポリシロキサン
(A)に由来するポリシロキサンセグメントとの比率
が、上述した如き好ましい範囲内となるように設定すれ
ばよい。
【0317】さらに亦、(7)または(8)なる方法に
おいて、重合体(b−3)または(b−4)を調製する
ための条件、あるいは(b−3)または(b−4)それ
ぞれの目標性状としては、(b−3)または(b−4)
の調製方法として、既に記載した条件あるいは性状と合
致するものでなければならない。
【0318】さらには亦、(5)〜(8)なる方法で、
縮合物(c−9)〜(c−16)のそれぞれの調製を行
なうに際しての、各成分の合計濃度は、該反応により生
成する縮合物(c−9)〜(c−16)のそれぞれの、
複合化反応終了時点での、濃度として、5重量%程度以
上に、好ましくは、10重量%以上に、さらに好ましく
は、20重量%以上になるように設定することが望まし
い。
【0319】そして、この濃度の調整は、前掲したよう
な、アルコール性水酸基を有する有機溶剤を必須成分と
して含有する媒体で以て行なうことが出来る。
【0320】上述のようにして、縮合物(c−9)〜
(c−16)中に含まれる有機溶剤類は、除去せずと
も、そのままで、水に分散ないしは溶解せしめることも
出来るし、必要に応じて、蒸留操作などによって除去す
ることも出来る。
【0321】このようにして得られる縮合物(c−9)
〜(c−16)のそれぞれを、水性媒体に分散ないしは
溶解せしめることによって、水性樹脂(W−3)または
(W−4)のうち、アニオン性基のみを親水性基として
有するタイプが調製される。
【0322】縮合物(c−9)〜(c−16)のそれぞ
れから、水性樹脂(W−3)または(W−4)を調製す
るには、水性樹脂(W−1)または(W−2)の調製に
おいて使用適用されるものとして例示した公知慣用の種
々の方法を適用することが出来る。
【0323】また、必要に応じて、このようにして調製
される水性樹脂(W−3)または(W−4)中に含まれ
る有機溶剤を、加熱および/または減圧によって、部分
的に、あるいは完全に除去せしめることによって、有機
溶剤の含有率が低い、あるいは有機溶剤を含有しない水
性樹脂(W−3)または(W−4)を調製することが出
来る。
【0324】上述のようにして、アニオン性基を含有す
る水性樹脂(W−1)〜(W−4)を調製することが出
来るが、上述した(1)〜(4)なる各種の方法におい
て、酸基に代えて塩基性基を重合体(b−1)または
(b−2)に導入する以外は、(1)〜(4)なる各種
の方法と同様にしてポリシロキサン(A)との縮合物を
調製し、次いで、縮合物に含有される塩基性基を酸性化
合物で中和したのちに、上述した如き方法で水性媒体中
に分散もしくは溶解させることにより、目的とするカチ
オン性基を含有する水性樹脂(W−1)もしくは(W−
2)を調製することが出来る。
【0325】また、上述した(5)〜(8)なる各種の
方法において、酸基に代えて、塩基性基を重合体(b−
3)または(b−4)に導入し、且つ、塩基性化合物の
使用に代えて酸性化合物を使用する以外は、(5)〜
(8)なる各種の方法と同様にしてポリシロキサン
(A)との縮合物であってカチオン性基を含有するもの
を調製し、次いで、上述した如き方法で水性媒体中に分
散もしくは溶解させることにより、目的とするカチオン
性基を含有する水性樹脂(W−3)もしくは(W−4)
を調製することが出来る。
【0326】重合体(b−1)〜(b−4)のうちビニ
ル系重合体に塩基性基を導入するには各種のアミノ基を
含有するビニル系単量体を共重合せしめればよい。
【0327】その際に使用される、アミノ基を含有する
ビニル系単量体の代表的なものとしては、上記した各種
の3級アミノ基含有する単量体に加えて、2−tert
−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくは2
−tert−ブチルアミノエチルクロトネートの如き2
級アミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルもし
くはクロトン酸エステル類等が挙げられる。
【0328】また、重合体(b−1)〜(b−4)のう
ちポリウレタン系重合体に塩基性基を導入するには、ポ
リウレタン樹脂の調製にあたり、N−メチルジエタノー
ルアミンもしくはN−エチルジエタノールアミンの如き
3級アミノ基を含有するジヒドロキシ化合物を併用すれ
ばよい。
【0329】そして、(b−1)〜(b−4)に導入さ
れる塩基性基の量は、(1)〜(8)なる方法において
(b−1)〜(b−4)に導入される酸性基の量に準じ
ればよい。
【0330】(b−2)に導入される官能基(Fu−
1)の量、(b−4)に導入される官能基(Fu−2)
の量、(b−1)〜(b−4)の数平均分子量、(b−
1)または(b−2)とポリシロキサン(A)との使用
比率、(b−3)または(b−4)とポリシロキサン
(A)との使用比率等は、(1)〜(8)なる各種の方
法に準じればよい。
【0331】さらに、上述した(5)〜(8)なる各種
の方法において、親水性基として、中和された酸基に代
えて、ノニオン性基であるポリエーテル鎖を導入するこ
とにより、ノニオン性基を含有する水性樹脂(W−3)
または(W−4)を調製することが出来る。
【0332】かかるノニオン性基を含有する水性樹脂
(W−3)または(W−4)のうち、ビニル系重合体を
調製するには、上述した如き各種のポリエーテル鎖を含
有するビニル系単量体を共重合成分として使用すればよ
い。
【0333】さらに、上記したアニオン性基またはカチ
オン性基を含有する水性樹脂を調製する方法とノニオン
性基を導入する方法を組み合わせることにより、アニオ
ン性基またはカチオン性基とノニオン性基とを併有する
重合体を調製することが出来る。
【0334】上述のようにして調製される水性樹脂(W
−1)〜(W−4)のうち、水性樹脂(W−1)中に含
まれる官能基としては、ポリシロキサン(A)と重合体
(B−1)との混合物および/または縮合物に由来す
る、珪素原子に結合した水酸基ならびに場合により含有
される珪素原子に結合した加水分解性基があり、加えて
塩基性化合物により中和された酸基または酸性化合物に
より中和された塩基性基ならびに場合によっては含有さ
れる遊離の酸基または遊離の塩基性基である。
【0335】水性樹脂(W−3)のうち、親水性基とし
てアニオン性基もしくはカチオン性基を含有する水性樹
脂に含まれる官能基としては、ポリシロキサン(A)と
重合体(B−3)との混合物および/または縮合物に由
来する、珪素原子に結合した水酸基ならびに場合により
含有される珪素原子に結合した加水分解性基があり、加
えて塩基性化合物により中和された酸基または酸性化合
物により中和された塩基性基ならびに場合によっては含
有される遊離の酸基または遊離の塩基性基である。
【0336】そして、水性樹脂(W−3)のうち、親水
性基としてノニオン性基のみを含有する水性樹脂に含ま
れる官能基としては、ポリシロキサン(A)と重合体
(B−3)との混合物および/または縮合物に由来す
る、珪素原子に結合した水酸基ならびに場合により含有
される珪素原子に結合した加水分解性基がある。
【0337】水性樹脂(W−2)中に含まれる官能基と
しては、ポリシロキサン(A)と重合体(B−2)の混
合物および/または縮合物に由来する、珪素原子に結合
した水酸基ならびに場合によっては含有される珪素原子
に結合した加水分解性基があり、加えて塩基性基により
中和された酸基または酸性化合物により中和された塩基
性基ならびに場合によっては含有される遊離の酸基また
は遊離の塩基性基があり、さらに、これら以外の官能基
として、炭素原子に結合した水酸基、ブロック水酸基、
シクロカーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2
級アミド基、カーバメート基または構造式(S−I)で
示されるような官能基(Fu−1)の、少なくとも1種
のものである。
【0338】水性樹脂(W−4)のうち、親水性基とし
てアニオン性基もしくはカチオン性基を含有する水性樹
脂に含まれる官能基としては、ポリシロキサン(A)と
重合体(B−4)の混合物および/または縮合物に由来
する、珪素原子に結合した水酸基ならびに場合によって
は含有される珪素原子に結合した加水分解性基があり、
加えて塩基性基により中和された酸基または酸性化合物
により中和された塩基性基ならびに場合によっては含有
される遊離の酸基または遊離の塩基性基があり、さら
に、これら以外の官能基として、炭素原子に結合した水
酸基、ブロック水酸基、カルボキシル基、ブロックされ
たカルボキシル基、カルボン酸無水基、3級アミノ基、
シクロカーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2
級アミド基、カーバメート基または構造式(S−I)で
示されるような官能基(Fu−2)の、少なくとも1種
のものである。
【0339】水性樹脂(W−4)のうち、親水性基とし
てノニオン性基のみを有する水性樹脂に含まれる官能基
としては、ポリシロキサン(A)と重合体(B−4)の
混合物および/または縮合物に由来する、珪素原子に結
合した水酸基ならびに場合によっては含有される珪素原
子に結合した加水分解性基に加えて、炭素原子に結合し
た水酸基、ブロック水酸基、カルボキシル基、ブロック
されたカルボキシル基、カルボン酸無水基、3級アミノ
基、シクロカーボネート基、エポキシ基、1級アミド
基、2級アミド基、カーバメート基または構造式(S−
I)で示されるような官能基(Fu−2)の、少なくと
も1種のものである。
【0340】水性樹脂(W−1)〜(W−4)を調製す
る際に、重合体(b−1)〜(b−4)のそれぞれにア
ニオン性基の前駆官能基として、ブロックした酸基ある
いは酸無水基を導入した場合には、水性樹脂(W−1)
〜(W−4)を調製する過程で、それらのうちの、少な
くとも一部分を、アニオン性基である中和された酸基に
変換する必要がある。
【0341】また、水性樹脂(W−4)を調製する際
に、官能基(Fu−2)として、ブロックした酸基ある
いは酸無水基を重合体(B−2)に導入しようとする場
合には、、斯かるブロックした酸基あるいは酸無水基の
うちの少なくとも一部分は、混合物および/または縮合
物を調製する過程で以て、さらには、これらを水に分散
ないしは溶解する段階で以て、加水分解、熱分解あるい
はアルコリシスなどによって、遊離の酸基に変換される
可能性がある。
【0342】さらに、水性樹脂(W−2)または(W−
4)を調製する際に、それぞれ、官能基(Fu−1)ま
たは(Fu−2)として、ブロック水酸基、エポキシ基
またはシクロカーボネート基を重合体(B−2)または
(B−4)に導入しようとする場合には、混合物および
/または縮合物の調製段階で以て、さらには、これらを
水に分散ないしは溶解する段階で以て、これらの官能基
の少なくとも一部分は、加水分解あるいはアルコリシス
などによって、遊離の水酸基に変換されることもある。
【0343】そして、かかるブロック水酸基、エポキシ
基またはシクロカーボネート基の種類とか、あるいは前
述した縮合化反応の条件、後述する(C)との混合の条
件、あるいは、引き続き行われる、水への分散ないしは
溶解の条件などによっては、かかる各種の官能基は、完
全に、遊離の水酸基に変換されることもある。
【0344】このようにして調製される水性樹脂(W−
1)〜(W−4)のそれぞれから、本発明の水性硬化性
樹脂組成物を調製するには、一つには、(W−1)〜
(W−4)のそれぞれは、それ自体で、自己硬化性を有
する処から、(W−1)〜(W−4)のそれぞれを必須
の成分として含有する自己硬化性の樹脂組成物とすれば
よいし、
【0345】二つには、(W−1)〜(W−4)のそれ
ぞれに対して、さらに、前記した水性樹脂(W−1)〜
(W−4)に含有される官能基と反応する官能基を有す
る化合物(C)を配合せしめることによって、(W−
1)〜(W−4)のそれぞれに含まれる官能基と、化合
物(C)中に含まれる官能基との間の、架橋反応をも利
用する硬化性の樹脂組成物とすればよい。
【0346】後者の形の硬化性樹脂組成物の調製に際し
て使用されるこの化合物(C)とは、前述した水性樹脂
(W−1)〜(W−4)のそれぞれの中に含まれる、前
述のような各種の官能基と反応する官能基を少なくとも
1種有する、公知慣用の種々の化合物を指称するもので
あり、こうした官能基として特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、イソシアネート基、ブロックされ
たイソシアネート基、炭素原子に結合した水酸基、ブロ
ック水酸基、カルボキシル基、ブロックカルボキシル
基、カルボン酸無水基、アミノ基、シクロカーボネート
基、鎖状カーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、
2級アミド基、カーバメート基、オキサゾリン基、N−
ヒドロキシメチルアミノ基、N−アルコキシメチルアミ
ノ基、カルボニル基、アセトアセチル基、シラノール
基、珪素原子に結合した加水分解性基または次の構造式
(S−V)
【0347】
【化14】 −C(O)−NH−CH(OR2)−COOR3 (S−V)
【0348】(ただし、式中のR2 は水素原子、炭素数
が1〜8なるアルキル基またはアリール基を表わすもの
とし、また、R3 は炭素数が1〜8なるアルキル基また
はアリール基を表わすものとする。)
【0349】で示されるような官能基などである。
【0350】そして、当該化合物(C)中に含まれる官
能基は、水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの
中に含まれる官能基の種類に応じて、適宜、選択され
る。そうした組み合わせとして特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、シラノール基−シラノール基、
シラノール基−アルコキシシリル基、アルコキシシリル
基−アルコキシシリル基、カルボキシル基−エポキシ
基、カルボキシル基−シクロカーボネート基、3級アミ
ノ基−エポキシ基、炭素原子に結合した水酸基−N−ヒ
ドロキシメチルアミノ基、炭素原子に結合した水酸基−
イソシアネート基または炭素原子に結合した水酸基−ブ
ロックイソシアネート基などである。
【0351】当該化合物(C)としては、水性樹脂(W
−1)〜(W−4)のそれぞれの中に含まれる官能基に
よっては、前述したような種々の官能基のうちの2種以
上を有するものであってもよい。また、当該化合物
(C)としては、比較的、分子量の低い化合物に加え
て、各種の樹脂類を使用することも出来るが、このよう
な樹脂類として特に代表的なもののみを例示するにとど
めれば、アクリル樹脂またはフッ素樹脂の如き、各種の
ビニル系重合体などをはじめ、さらには、ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂またはエポキシ
樹脂などである。そして、当該化合物(C)として、特
に、前記した官能基を2種以上有するような化合物を使
用する際には、当該化合物(C)としては、特に、ビニ
ル系重合体を使用するのが簡便である。
【0352】かかる化合物(C)として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、珪素原子に結合した水
酸基および/または珪素原子に結合した加水分解性基を
有する化合物、一分子中にイソシアネート基と珪素原子
に結合した加水分解性基とを併有する化合物、一分子中
にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併
有する化合物、一分子中にアミノ基と珪素原子に結合し
た加水分解性基とを併有する化合物、ポリイソシアネー
ト化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポリエ
ポキシ化合物、ポリシクロカーボネート化合物、アミノ
樹脂、1級ないしは2級アミド基含有化合物、ポリカル
ボキシ化合物、ポリヒドロキシ化合物、ポリアジリジン
化合物、ポリアクリレート化合物、ポリカーボジイミド
化合物、ブロック水酸基を有する化合物、ポリアミン化
合物、少なくとも2個のカルボン酸無水基を有する化合
物またはポリオキサゾリン化合物などであり、これらの
諸々の化合物類は、単独使用であってもよいし、2種以
上の併用であってもよいことは、勿論、可能である。
【0353】これらのうちでも特に望ましいものとして
は、珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子
に結合した加水分解性基を有する化合物、一分子中にイ
ソシアネート基と珪素原子に結合した加水分解性基とを
併有する化合物、一分子中にエポキシ基と珪素原子に結
合した加水分解性基とを併有する化合物、ポリイソシア
ネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポ
リエポキシ化合物、ポリシクロカーボネート化合物、ア
ミノ樹脂、1級ないしは2級アミド基含有化合物、ポリ
カルボキシ化合物およびポリヒドロキシ化合物などが挙
げられる。
【0354】前記した、珪素原子に結合した水酸基およ
び/または珪素原子に結合した加水分解性基を有する珪
素化合物のうちでも特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、前掲したような一般式(S−VIII)あ
るいは(S−IX)で以て示される珪素化合物;これら
の珪素化合物の加水分解物あるいは加水分解縮合物;こ
れらの珪素化合物の1種の部分加水分解縮合によって得
られる部分加水分解縮合物;または此等の珪素化合物の
2種以上の部分加水分解縮合によって得られる部分共加
水分解縮合物などである。
【0355】これらのうちでも、当該珪素化合物として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、テトラ
メトキシシランおよびテトラエトキシシラン、それらの
部分加水分解縮合物、それらの部分共加水分解縮合物ま
たは珪素原子に結合した水酸基および/または珪素原子
に結合した加水分解性基を有する、線状、分岐状ないし
は環状の、あるいはラダー状のシリコーン樹脂などであ
る。
【0356】前記した、一分子中に、それぞれ、イソシ
アネート基と、珪素原子に結合した加水分解性基とを併
せ有する化合物として特に代表的なる化合物のみを例示
するにとどめることにするならば、
【0357】3−イソシアナートプロピルトリメトキシ
シラン、3−イソシアナートプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラ
ンまたは3−イソシアナートプロピルメチルジエトキシ
シランの如き、珪素化合物;
【0358】あるいは前掲したような、加水分解性シリ
ル基含有ビニル系単量体と、後掲するような、イソシア
ネート基含有ビニル系単量体とからなる種々の共重合体
または此等の両単量体を、該両単量体と共重合可能な
る、それぞれ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル
系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系またはフルオロ
オレフィン系のような種々のビニル単量体類などと共重
合せしめることによって得られる、それぞれ、イソシア
ネート基と加水分解性シリル基とを併有する、アクリル
系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロ
オレフィン系共重合体のような種々のビニル系共重合体
類などである。
【0359】前記した、一分子中に、それぞれ、エポキ
シ基と、珪素原子に結合した加水分解性基とを併せ有す
る化合物として特に代表的なる化合物のみを例示するに
とどめれば、
【0360】3−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランまた
は3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの
如き、珪素化合物;これらの珪素化合物の1種の部分加
水分解縮合によって得られる部分加水分解縮合物;ある
いは此等の珪素化合物の2種以上の部分加水分解縮合に
よって得られる部分共加水分解縮合物;
【0361】「EGM−202」[東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製の、珪素原子に結合したメトキ
シ基と、3−グリシドキシプロピルとを併有する、環状
のポリシロキサンの商品名];「KP−392」[信越
化学(株)製の、3−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシランの部分加水分解縮合物の商品名];
【0362】あるいは亦、前掲したような各種のエポキ
シ基含有ビニル単量体と、同じく、前掲したような各種
の加水分解性シリル基含有ビニル系単量体とからなる種
々の共重合体または此等の両単量体を、該両単量体と共
重合可能なる、それぞれ、(メタ)アクリル系、ビニル
エステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系ないし
はフルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せ
しめることによって得られる、それぞれ、エポキシ基と
加水分解性シリル基とを併有する、アクリル系共重合
体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレフィ
ン系共重合体の如き、種々のビニル系共重合体類などで
ある。
【0363】前記したポリイソシアネート化合物として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、トリレ
ンジイソシアネートまたはジフェニルメタン−4,4’
−ジイソシアネートの如き、各種の芳香族ジイソシアネ
ート類;
【0364】メタ−キシリレンジイソシアネートまたは
α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレン
ジイソシアネートの如き、各種のアラルキルジイソシア
ネート類;
【0365】ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナートメチル
シクロヘキサン、2−メチル−1,3−ジイソシアナー
トシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナ
ートシクロヘキサンまたはイソホロンジイソシアネート
の如き、各種の脂肪族ないしは脂環式ジイソシアネート
類;
【0366】前掲したような各種のポリイソシアネート
類を、多価アルコール類と付加反応せしめることによっ
て得られる、イソシアネート基を有する各種のプレポリ
マー類であるとか、
【0367】前掲したような各種のポリイソシアネート
類を環化三量化せしめることによって得られる、イソシ
アヌレート環を有する各種のプレポリマー類;
【0368】前掲したような各種のポリイソシアネート
類と、水とを反応せしめることによって得られる、ビウ
レット構造を有する各種のポリイソシアネート類;
【0369】さらには、2−イソシアナートエチル(メ
タ)アクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメ
チルベンジルイソシアネートまたは(メタ)アクリロイ
ルイソシアネートの如き、各種の、イソシアネート基を
有するビニル単量体の単独重合体;
【0370】または此等のイソシアネート基含有ビニル
単量体を、該単量体と共重合可能なる、それぞれ、(メ
タ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル
系、芳香族、ビニル系またはフルオロオレフィン系ビニ
ル単量体類などと共重合せしめることによって得られ
る、
【0371】それぞれ、イソシアネート基含有アクリル
系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオロ
オレフィン系共重合体のような、種々のビニル系共重合
体類などである。
【0372】そして、かかるポリイソシアネートのうち
にあって、特に、耐候性などの面からは、脂肪族、アラ
ルキル系ないしは脂環式ジイソシアネート化合物、それ
らの各種のジイソシアネート化合物から誘導される、種
々のタイプのプレポリマーあるいはイソシアネート基含
有ビニル系重合体などの使用が、特に望ましい。
【0373】前記したブロック・ポリイソシアネート化
合物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、前掲したような各種のポリイソシアネート化合物
を、後掲するような種々のブロック剤で以てブロック化
せしめることによって得られる種々のブロックポリイソ
シアネート化合物や、
【0374】イソシアネート基を環化二量化せしめるこ
とによって得られる種々のウレトジオン構造を含む化合
物のように、熱によって、イソシアネート基が再生する
という部類の化合物などである。
【0375】そして、ブロック・ポリイソシアネート化
合物を調製する際に使用されるブロック剤として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、メタノール、
エタノール、ベンジルアルコールまたは乳酸エステルの
如き、各種のアルコール類;
【0376】フェノール、サリチル酸エステルまたはク
レゾールの如き、各種のフェノール性水酸基含有化合物
類;またはε−カプロラクタム、2−ピロリドンまたは
アセトアニリドの如き、各種のアマイド類;
【0377】あるいはアセトンオキシムまたはメチルエ
チルケトオキシムの如き、各種のオキシム類などである
し、さらには、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルま
たはアセチルアセトンの如き、各種の活性メチレン化合
物類などである。
【0378】前記したポリエポキシ化合物として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレングリ
コール、ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールまたは水
添ビスフェノールAの如き、各種の脂肪族ないしは脂環
式ポリオールのポリグリシジルエーテル類;
【0379】ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、
ビスフェノールA、ビスフェノールSまたはビスフェノ
ールFの如き、各種の芳香族系ジオールのポリグリシジ
ルエーテル類;上掲したような芳香族系ジオール類のエ
チレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加体の如
き、該芳香族系ジオール誘導体類のジグリシジルエーテ
ル類;
【0380】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールまたはポリテトラメチレングリコールの如
き、各種のポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテル類;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レ−トのポリグリシジルエーテル類;アジピン酸、ブタ
ンテトラカルボン酸、プロパントリカルボン酸、フタル
酸、テレフタル酸またはトリメリット酸の如き、各種の
脂肪族ないしは芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジル
エステル類;
【0381】ブタジエン、ヘキサジエン、オクタジエ
ン、ドデカジエン、シクロオクタジエン、α−ピネンま
たはビニルシクロヘキセンの如き、各種の炭化水素系ジ
エン類のビスエポキシド類;ビス(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル)アジペートまたは3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキ
シルカルボキシレートの如き、各種の脂環式ポリエポキ
シ化合物;あるいはポリブタジエンまたはポリイソプレ
ンの如き、各種のジエンポリマーのエポキシ化物;
【0382】「デナコールEX−612」[ナガセ化成
工業(株)製の、ソルビトールポリグリシジルエーテル
の商品名];「EGM−400」[東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製の、3−グリシドキシプロピル
を有する、環状のポリシロキサンの商品名];
【0383】あるいは亦、前掲したような各種のエポキ
シ基含有ビニル単量体の種々の単独重合体または此等の
エポキシ基含有ビニル単量体を、該単量体と共重合可能
なる、それぞれ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル
系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系もしくはフルオ
ロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せしめるこ
とによって得られるような、それぞれ、エポキシ基を有
する、アクリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体
またはフルオロオレフィン系共重合体のような、ビニル
系共重合体類などである。
【0384】ポリシクロカーボネート化合物として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、前掲したよ
うな各種のポリエポキシ化合物を、たとえば、触媒の存
在下に、二酸化炭素と反応せしめて、このエポキシ基
を、シクロカーボネート基に変換することによって得ら
れる5員環シクロカーボネート基含有ポリシクロカーボ
ネート化合物;あるいは前掲したような各種のシクロカ
ーボネート基含有ビニル単量体の単独重合体
【0385】または此等のシクロカーボネート基含有ビ
ニル単量体を、該単量体と共重合可能なる、それぞれ、
(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテ
ル系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン系ビニ
ル単量体類などと共重合せしめることによって得られ
る、それぞれ、シクロカーボネート基を有する、アクリ
ル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフルオ
ロオレフィン系共重合体のような、ビニル系共重合体類
などである。
【0386】続いて、前記したアミノ樹脂として特に代
表的なるもののみを例示するにとどめるならば、
【0387】メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグア
ナミン、尿素またはグリコウリルの如き、各種のアミノ
基含有化合物を、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデ
ヒドの如き、各種のアルデヒド化合物(ないしはアルデ
ヒド供給物質)と反応せしめることによって得られるア
ルキロール基を有する種々のアミノ樹脂;
【0388】あるいは斯かるアルキロール基を有するア
ミノ樹脂を、メタノール、エタノール、n−ブタノール
またはi−ブタノール(イソブタノール)の如き、各種
の低級アルコールと反応せしめることによって得られ
る、種々のアルコキシアルキル基含有アミノ樹脂などで
ある。
【0389】また、1級ないしは2級アミド基含有化合
物として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、前述したビニル系重合体(b−2)を調製する際に
使用される、官能基(Fu−1)を含有するビニル系単
量体(m−4)の一部として、すでに、例示しているよ
うな、1級ないしは2級アミド基を有する、種々のビニ
ル系単量体の単独重合体
【0390】または此等の1級ないしは2級アミド基含
有ビニル系単量体を、該単量体と共重合可能なる、それ
ぞれ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニル
エーテル系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン
系ビニル単量体類などと共重合せしめることによって得
られる、1級ないしは2級アミド基を有する、各種のア
クリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフ
ルオロオレフィン系共重合体のような、種々のビニル系
共重合体類などである。
【0391】さらに、ポリカルボキシ化合物として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン
酸などのような低分子量の化合物などであるし、さらに
は、
【0392】ビニル系重合体(b−1)の調製の際に使
用される、酸基含有ビニル系単量体の一部として、既に
例示しているような、カルボキシル基を有する、種々の
ビニル単量体の単独重合体
【0393】または此等のカルボキシル基含有ビニル単
量体を、該単量体と共重合可能なる、それぞれ、(メ
タ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル
系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン系ビニル
単量体類などと共重合せしめることによって得られる、
カルボキシル基を有する、各種のアクリル系共重合体、
ビニルエステル系共重合体またはフルオロオレフィン系
共重合体のような、種々のビニル系共重合体類などであ
る。
【0394】前記したポリヒドロキシ化合物として特に
代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール
またはグリセリンなどのような種々の低分子化合物など
であり、また、ポリエチレングリコールまたはポリプロ
ピレングリコールなどをはじめ、さらには、ビニル系重
合体(b−2)を調製する際に使用される、官能基(F
u−1)を有するビニル系単量体(m−4)の一部とし
て、すでに、例示しているような、炭素原子に結合した
水酸基を有する、種々のビニル単量体の単独重合体
【0395】または此等の炭素原子に結合した水酸基含
有ビニル単量体を、該単量体と共重合可能なる、それぞ
れ、(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエ
ーテル系、芳香族ビニル系またはフルオロオレフィン系
ビニル単量体類などと共重合せしめることによって得ら
れる、炭素原子に結合した水酸基を有する、各種のアク
リル系共重合体、ビニルエステル系共重合体またはフル
オロオレフィン系共重合体のような、種々のビニル系共
重合体類などである。
【0396】化合物(C)を、水性樹脂(W−1)〜
(W−4)のそれぞれに配合せしめる際、この化合物
(C)が、それ自体、水溶性のものであったり、水分散
体であったり、或る程度の親水性を有するようなもので
あったりする場合には、当該化合物(C)が、水性樹脂
(W−1)〜(W−4)のそれぞれの中に、均一に溶解
ないしは均一に分散した形の組成物を得ることが出来
る。
【0397】しかしながら、当該化合物(C)の親水性
が低い場合には、水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそ
れぞれと混合せしめようとしても、均一に溶解ないしは
分散した形の組成物を得ることは出来ないようになる
が、このような場合には、公知慣用の種々の方法によっ
て、当該化合物(C)中に、いわゆる親水性基などを導
入せしめることによって、当該化合物(C)それ自体の
親水性を向上せしめ、均一なる形の組成物を得ることが
出来る。
【0398】当該化合物(C)が重合体である場合に
は、当該化合物(C)としては、無溶剤液状物、有機溶
剤溶液、水溶液または水分散体のいずれの形態であって
も使用することができる。そして、当該化合物(C)そ
れ自体がビニル重合体である場合には、エマルジョン重
合体として使用するのも好適である。
【0399】前記した水性樹脂(W−1)〜(W−4)
のそれぞれと、当該化合物(C)とから成る水性硬化性
樹脂組成物を調製するには、当該化合物(C)が、珪素
原子に結合した水酸基および/または珪素原子に結合し
た加水分解性基を有する化合物である場合には、水性樹
脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの固形分の100
重量部に対して、当該化合物(C)の固形分量が、約
0.1〜約200重量部の範囲内、好ましくは、0.5
〜150重量部の範囲内、一層好ましくは、1〜100
重量部の範囲内となるように配合すればよい。
【0400】また、当該化合物(C)が、一分子中にイ
ソシアネート基と珪素原子に結合した加水分解性基とを
併有する化合物、ポリイソシアネート化合物またはブロ
ックポリイソシアネート化合物である場合には、水性樹
脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの中に含まれる、
それぞれ、イソシアネート基またはブロックイソシアネ
ート基と反応する官能基の1当量に対して、
【0401】当該化合物(C)中に含まれる、それぞ
れ、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基
の量が約0.1〜約10当量の範囲内、好ましくは、
0.3〜5当量の範囲内、一層好ましくは、0.5〜2
当量の範囲内となるように、当該化合物(C)を配合す
ればよい。
【0402】また、当該化合物(C)が、一分子中にエ
ポキシ基と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有す
る化合物、ポリエポキシ化合物あるいはポリシクロカー
ボネート化合物である場合には、水性樹脂(W−1)〜
(W−4)のそれぞれの中に含まれる、それぞれ、エポ
キシ基またはシクロカーボネート基と反応する官能基の
1当量に対して、
【0403】当該化合物(C)中に含まれるエポキシ基
量および/またはシクロカーボネート基量の合計量が、
約0.2〜約5.0当量の範囲内、好ましくは、0.5
〜3.0当量の範囲内、一層好ましくは、0.7〜2当
量の範囲内となるように、当該化合物(C)を配合すれ
ばよい。
【0404】続いて、当該化合物(C)が、特に、アミ
ノ樹脂である場合には、水性樹脂(W−1)〜(W−
4)のそれぞれの固形分の100重量部に対して、化合
物(C)の固形分量が、約5〜約200重量部の範囲
内、好ましくは、10〜150重量部の範囲内、一層好
ましくは、15〜100重量部の範囲内となるように配
合すればよい。
【0405】また、当該化合物(C)が、特に、1級な
いしは2級アミド基を有する化合物である場合には、水
性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの中に含まれ
る1級ないしは2級アミド基と反応する官能基の1当量
に対して、
【0406】当該化合物(C)中に含まれる1級ないし
は2級アミド基量が、約0.2〜約5.0当量の範囲
内、好ましくは、0.5〜3.0当量の範囲内、一層好
ましくは、0.7〜2当量の範囲内となるように、化合
物(C)を配合すればよい。
【0407】さらに、当該化合物(C)が、特に、ポリ
カルボキシ化合物である場合には、水性樹脂(W−1)
〜(W−4)のそれぞれの中に含まれるカルボキシル基
と反応する官能基の1当量に対して、
【0408】当該化合物(C)中に含まれるカルボキシ
ル基量が、約0.2〜約5.0当量の範囲内、好ましく
は、0.5〜3.0当量の範囲内、一層好ましくは、
0.7〜2当量の範囲内となるように、当該化合物
(C)を配合すればよい。
【0409】また、当該化合物(C)が、特に、ポリヒ
ドロキシ化合物である場合には、水性樹脂(W−1)〜
(W−4)のそれぞれに含まれる、ヒドロキシ基と反応
する官能基の1当量に対して、
【0410】当該化合物(C)中に含まれる水酸基量
が、約0.2〜約5.0当量の範囲内、好ましくは、
0.5〜3.0当量の範囲内、一層好ましくは、0.7
〜2当量の範囲内となるように、化合物(C)を配合す
ればよい。
【0411】上述のようにして調製される、それぞれ、
水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれを必須の成
分として含有する本発明の水性硬化性樹脂組成物、ある
いは水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれに、さ
らに、化合物(C)をも配合せしめてなる本発明の水性
硬化性樹脂組成物は、着色顔料を含まないクリヤーな組
成物として使用することも出来るし、また、公知慣用の
種々の有機系あるいは無機系の顔料を含有する着色組成
物として、使用することも出来る。
【0412】上記した顔料の代表的なものとしては、カ
ーボン・ブラック、フタロシアニン・ブルー、フタロシ
アニン・グリーンまたはキナクリドン・レッドの如き、
各種の有機系顔料;酸化チタン、酸化鉄、チタンイエロ
ーもしくは銅クロムブラックの如き各種の金属酸化物系
の無機系顔料;さらには、アルミニウムフレークもしく
はパールマイカの如き無機系のフレーク状の顔料等が挙
げられる。
【0413】また、本発明の水性硬化性樹脂組成物に
は、さらに、硬化触媒、流動調整剤、染料、レベリング
剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤または可塑剤などのような、公知慣用の種々の添加
剤類などをも配合せしめた形で以て、使用することが出
来る。
【0414】前記した添加剤類のうち、硬化触媒として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、前記し
たようなポリシロキサン(A)の調製に使用されるもの
として、すでに、前掲しているような各種の触媒類を使
用することも出来るし、これらの諸化合物に加えて、テ
トラメチルホスホニウム塩、テトラエチルホスホニウム
塩、テトラプロピルホスホニウム塩、テトラブチルホス
ホニウム塩、トリメチル(2−ヒドロキシルプロピル)
ホスホニウム塩、トリフェニルホスホニウム塩またはベ
ンジルホスホニウム塩類などであって、対アニオンとし
て、たとえば、フルオライド、クロライド、ブロマイド
またはカルボキシレートの如き、各種のアニオンを有す
るような種々の化合物を使用することも出来る。
【0415】水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞ
れが、親水性基としてアニオン性基またはカチオン性基
を有する場合には、かかるアニオン性基またはカチオン
性基が珪素原子に結合した水酸基、即ちシラノール基の
縮合触媒として機能することから、ことさらに硬化触媒
を添加せずとも、室温においてシラノール基の縮合によ
る架橋が達成できる。さらに硬化性の向上を図るには、
前記した如き硬化触媒を添加すればよい
【0416】水性樹脂(W−3)または(W−4)が、
親水性基としてノニオン性基のみを有する場合には、シ
ラノール基の縮合による架橋は室温では非常に遅い。し
たがって、かかる樹脂をシラノール基の縮合により室温
に於いて架橋せしめるには、前記した如き硬化触媒を添
加することが好ましい。
【0417】水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞ
れを含む本発明の硬化性樹脂組成物、あるいは、(W−
1)〜(W−4)のそれぞれに加えて化合物(C)をも
含有する本発明の硬化性樹脂組成物に、硬化触媒を添加
する場合には、かかる硬化触媒の添加量を、組成物に含
有される樹脂固形分の合計量の100重量部に対して、
0.01〜15重量部の範囲に、好ましくは0.05〜
10重量部の範囲に、特に好ましくは0.1〜5重量部
の範囲に、設定するのが適切である。
【0418】かくして得られる、本発明に係る水性硬化
性樹脂組成物は、これを構成する水性樹脂(W−1)〜
(W−4)のそれぞれの種類により、(C)成分の有無
により、あるいは該(C)成分を添加したような場合に
は、その種類と量とにより、最適なる硬化条件は異なる
けれども、室温で、3〜10日間程度のあいだ乾燥せし
めるか、
【0419】あるいは約80〜約250℃程度の温度範
囲で、約30秒〜約2時間程度のあいだ焼き付けを行な
うことによって、実用性の高い硬化物を得ることが出来
る。
【0420】本発明に係る水性樹脂は、とりわけ、耐久
性などに極めて優れる硬化物を与える処から、該水性樹
脂を必須の成分として含有することから成る、本発明に
係る水性硬化性樹脂組成物は、主として、自動車上塗り
用塗料、建築外装用塗料、建材用塗料などの、種々の塗
料用として利用することが出来るし、さらには、接着剤
用、インク用、繊維・紙の含浸剤用ならびに表面処理剤
用などとして、広範囲なる用途にも、利用することが出
来る。
【0421】
【実施例】次に、本発明を、参考例、実施例および比較
例により、一層、具体的に説明をすることにするが、本
発明は、決して、これらの例示例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下において、部および%は、特に断
りの無い限り、すべて、重量基準であるものとする。
【0422】参考例1〔対照用樹脂1の調製例〕
【0423】先ず、温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下
漏斗および窒素導入管を備えた反応容器に、イソプロパ
ノール(IPA)の470部を仕込んで、窒素ガスの通
気下に、80℃に昇温した。
【0424】次いで、同温度で、スチレン(ST)の1
00部、メチルメタアクリレート(MMA)の300
部、n−ブチルメタクリレート(BMA)の304部、
n−ブチルアクリレート(BA)の186部、3−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPT
MS)の30部、アクリル酸(AA)の80部、IPA
の450部およびtert−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート(TBPO)の50部からなる混合
物を、4時間かけて滴下した。
【0425】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が52.5%で、か
つ、数平均分子量が11,900なる、カルボキシル基
およびトリメトキシシリル基を併有する目的重合体の溶
液を得た。以下、これを(R−1)と略記する。
【0426】上記と同様の反応容器に、フェニルトリメ
トキシシラン(PTMS)の364部、メチルトリメト
キシシラン(MTMS)の534部およびIPAの54
4部を仕込んで、80℃に昇温した。
【0427】次いで、同温度で、「AP−3」[大八化
学工業所(株)製の、イソプロピルアシッドホスフェー
トの商品名]の9.3部と、イオン交換水の311部と
を、5分間を要して滴下し、同温度で、4時間のあいだ
攪拌してPTMSとMTMSの共加水分解縮合物を調製
した。反応混合物を核磁気共鳴分析( 1H−NMR)で
以て、PTMSとMTMSの加水分解が、100%進行
していることを確認した。
【0428】しかるのち、重合体(R−1)の959部
を添加し、同温度で、4時間のあいだ攪拌して、ポリシ
ロキサンと、重合体(R−1)との縮合物を調製した。
この縮合物を、1H−NMRで分析した処、此の重合体
(R−1)に含まれていたトリメトキシシリル基の加水
分解が、100%進行していることが判明した。
【0429】次いで、同温度で、トリエチルアミン(T
EA)の56部と、イオン交換水の1,345部との混
合物を、30分間かけて滴下したのち、減圧蒸留で、メ
タノール(MEOH)、IPAなどのアルコール類を除
いて、不揮発分が39.3%なる、水性樹脂を得た。以
下、これを対照用樹脂1と略記する。
【0430】しかるのち、この対照用樹脂1を、40℃
において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲル化や、沈
澱物の析出などの異状は認められなく、保存安定性に優
れていることが判明した。
【0431】参考例2〔重合体(R−2)の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、IPAの470部を仕込
んで、窒素ガスの通気下に、80℃に昇温した。
【0432】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの364部、BAの186部、A
Aの50部、IPAの450部およびTBPOの50部
からなる混合物を、4時間に亘って滴下した。
【0433】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が53.4%で、か
つ、数平均分子量が10,200なる、カルボキシル基
を有する、対照用樹脂2を調製する際に使用する重合体
の溶液を得た。以下、これを、(R−2)と略記する。
【0434】参考例3〜5〔重合体(R−3)〜(R−
5)の調製例〕
【0435】単量体の種類および其の使用量と、重合開
始剤の使用量とを、第1表に示すように変更した以外
は、参考例2と同様に重合を行なって、同表に示すよう
な性状値を有する、対照用の樹脂を調製するために使用
する重合体(R−3)〜(R−5)を得た。それらの重
合体は、同表に示すように略記する。
【0436】
【表1】
【0437】 《第1表の脚注》 「PEGMA]……………数平均分子量が約1,000なるメトキシポリエチレ ングリコールメタクリレートの略記 「DMAEMA」…………2−ジメチルアミノエチルメタクリレートの略記 「HEMA」………………2−ヒドロキシエチルメタクリレートの略記 「AIBN」………………アゾビスイソブチロニトリルの略記
【0438】
【表2】
【0439】《第1表の脚注》参考例3で得られた「R
−3」は、対照用樹脂3を調製する際に使用するための
重合体である。
【0440】参考例4で得られた「R−4」は、対照用
樹脂4を調製する際に使用するための重合体である。
【0441】参考例5で得られた「R−5」は、対照用
樹脂5を調製する際に使用するための重合体である。
【0442】参考例6〔対照用樹脂2の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、重合体(R−2)の1,
273部を仕込んだ。次いで、室温で、攪拌下、此処
へ、TEAの49部と、イオン交換水の1,000部と
の混合物を、30分間を要して滴下したのち、減圧蒸留
で、溶剤であるIPAを除くことによって、不揮発分が
34.5%なる、対照用の水性樹脂を得た。以下、これ
を対照用樹脂2と略記する。
【0443】参考例7〔対照用樹脂3の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、重合体(R−3)の1,
289部を仕込んだ。次いで、室温で、攪拌下に、此処
へ、酢酸の29部とイオン交換水の1,000部との混
合物を、30分間を要して滴下したのち、減圧蒸留で、
溶剤であるIPAを除くことによって、不揮発分が3
6.1%なる、対照用の水性樹脂を得た。以下、これを
対照用樹脂3と略記する。
【0444】参考例8〔対照用樹脂4の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、重合体(R−4)の1,
252部を仕込んだ。次いで、室温で、攪拌下に、此処
へ、イオン交換水の1,000部との混合物を、30分
間を要して滴下したのち、減圧蒸留で、溶剤であるIP
Aを除くことによって、不揮発分が35.7%なる、対
照用の水性樹脂を得た。以下、これを対照用樹脂4と略
記する。
【0445】参考例9〔対照用樹脂5の調製例〕 参考例1と同様の反応容器に、重合体(R−5)の1,
266部を仕込んだ。次いで、室温で、攪拌下に、此処
へ、TEAの49部と、イオン交換水の1,000部
を、30分間を要して滴下したのち、減圧蒸留で、溶剤
であるIPAを除くことによって、不揮発分が35.3
%なる、対照用の水性樹脂を得た。以下、これを対照用
樹脂5と略記する。
【0446】実施例1〔水性樹脂(W−1)の調製例〕
【0447】本例は、水性樹脂(W−1)を調製するた
めの一つの例示例を示すものである。
【0448】先ず、参考例1と同様の反応容器に、IP
Aの470部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃
に昇温した。
【0449】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの304部、BAの186部、M
PTMSの30部、AAの80部と、IPAの450部
およびTBPOの50部からなる混合物を、4時間かけ
て滴下した。
【0450】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が52.5%で、か
つ、数平均分子量が11,900なる、カルボキシル基
およびトリメトキシシリル基を併有する目的重合体の溶
液を得た。以下、これを(b−1−1)と略記する。
【0451】上記と同様の反応容器に、シクロヘキシル
トリメトキシシラン(CHTMS)の358部とMTM
Sの534部およびIPAの544部を仕込んで、80
℃に昇温した。
【0452】次いで、同温度で、「AP−3」の9.2
部と、イオン交換水の307部とを、5分間を要して滴
下し、同温度で、4時間のあいだ攪拌してCHTMSと
MTMSの共加水分解縮合物を調製した。1H−NMR
で以て、CHTMSとMTMSの加水分解が、100%
進行していることを確認した。
【0453】しかるのち、重合体(b−1−1)の95
9部を添加し、同温度で、4時間のあいだ攪拌して、ポ
リシロキサンと、重合体(b−1−1)との縮合物を調
製した。この縮合物を、1H−NMRで分析した処、此
の重合体(b−1−1)に含まれていたトリメトキシシ
リル基の加水分解が、100%進行していることが判明
した。
【0454】次いで、同温度で、TEAの56部と、イ
オン交換水の1,347部との混合物を、30分間かけ
て滴下したのち、減圧蒸留で、MEOH、IPAなどの
アルコール類を除いて、不揮発分が40.3%なる、目
的水性樹脂を得た。以下、これを(W−1−1)と略記
する。
【0455】しかるのち、この水性樹脂(W−1−1)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0456】実施例2(同上) 先ず、内部が窒素ガスで置換された、内容積が3リット
ルなるステンレス製のオートクレーブに、IPAの92
0部と、マレイン酸モノブチルの130部、酢酸ビニル
の110部、エチルビニルエーテルの310部、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシ)シランの60部と、重
合開始剤たるtert−ブチルパーオキシピバレートの
50部とを仕込んだ。
【0457】次いで、ここへ、液化採取したクロロトリ
フルオロエチレンの400部を圧入せしめた。攪拌しな
がら、60℃で、15時間の間反応を続行せしめること
によって、不揮発分が51.2%で、かつ、数平均分子
量が9,900なる、カルボキシル基およびトリス(β
−メトキシエトキシ)シリル基を併有する、目的のフッ
素共重合体の溶液を得た。以下、これを(b−1−2)
と略記する。
【0458】参考例1と同様の反応容器に、CHTMS
の358部、MTMSの534部、およびIPAの51
2部を仕込んで、80℃まで昇温した。
【0459】引き続いて、同温度で、「AP−3」の
9.2部と、イオン交換水の307部とを、5分間を要
して滴下し、同温度で、4時間のあいだ攪拌してCHT
MSとMTMSの共加水分解縮合物を調製した。 1H−
NMRで以て、CHTMSおよびMTMSの加水分解
が、100%進行していることを確認した。
【0460】しかるのち、重合体(b−1−2)の98
3部を添加し、同温度で、4時間のあいだ攪拌して、ポ
リシロキサンと、重合体(b−1−2)との縮合物を調
製した。この縮合物を、1H−NMRで分析した処、此
の重合体(b−1−2)に含まれていたトリス(β−メ
トキシエトキシ)シリル基の加水分解が、100%進行
していることが判明した。
【0461】次いで、同温度で、TEAの35部と、イ
オン交換水の1,347部との混合物を、30分間かけ
て滴下したのち、減圧蒸留で、MEOH、IPAなどの
アルコール類を除いて、不揮発分が40.1%なる、目
的水性樹脂を得た。以下、これを(W−1−2)と略記
する。
【0462】しかるのち、この水性樹脂(W−1−2)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0463】実施例3(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器中に、シクロヘキシル
メチルジメトキシシラン(CHMDMS)の190部
と、MTMSの571部と、IPAの470部とを仕込
んで、窒素ガスの通気下に、80℃に昇温した。
【0464】次いで、同温度で、「AP−3」の8.4
部と、イオン交換水の282部とを、約5分間で滴下
し、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのちに、1H−
NMRで以て、CHMDMSとMTMSの加水分解が、
100%進行していることを確認した。
【0465】その後も、同温度で、STの100部、M
MAの300部、BMAの327部、BAの186部、
AAの57部、MPTMSの30部、IPAの350部
およびTBPOの50部からなる混合物を、4時間に亘
って滴下し、滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌して重合反応を継続せしめることによって、ま
ず、ポリシロキサンとアクリル系重合体との縮合物を得
た。この縮合物を、 1H−NMRで以て分析し、MPT
MSに由来するトリメトキシシリル基の加水分解反応
が、100%進行していることを確認した。
【0466】次いで、同温度で、TEAの80部と、イ
オン交換水の1,964部との混合物を、30分かけて
滴下して、カルボキシル基を中和せしめたのちに、減圧
蒸留で、MEOH、IPAなどのアルコール類を除去せ
しめることによって、不揮発分が40.0%なる、目的
水性樹脂を得た。以下、これを、(W−1−3)と略記
する。
【0467】しかるのち、この水性樹脂(W−1−3)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0468】実施例4(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器に、CHTMSの67
9部、MTMSの1,445部、ジメチルジメトキシシ
ラン(DMDMS)の425部およびIPAの1,66
1部とを仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃に昇温
した。
【0469】次いで、同温度で、「AP−3」の28.
6部およびイオン交換水の960部の混合物と、STの
100部、MMAの300部、BMAの284部、BA
の186部、AAの100部、MPTMSの30部、I
PAの350部およびTBPOの50部からなる混合物
を、4時間に亘って滴下した。
【0470】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌して重合反応を継続せしめることによって、ま
ず、複合樹脂を得た。この複合樹脂を、1H−NMRで
以て分析した処、CHTMS、MTMS、DMDMSお
よびMPTMSに由来するトリメトキシシリル基の加水
分解反応は、100%、進行していることが確認でき
た。
【0471】次いで、同温度で、TEAの140部と、
イオン交換水の3,240部との混合物を、30分かけ
て滴下して、カルボキシル基を中和せしめたのち、減圧
蒸留で、MEOHおよびIPAなどのアルコール類を除
くことによって、不揮発分が39.9%なる、目的水性
樹脂を得た。以下、これを(W−1−4)と略記する。
【0472】しかるのち、この水性樹脂(W−1−4)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0473】実施例5(同上) 先ず、参考例1と同様の反応容器に、2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒ
ドロキシプロピオネートの373部、N−メチルジエタ
ノールアミンの39部、トルエンの417部およびジブ
チル錫ジオクテートの0.44部を仕込んで、乾燥窒素
ガスの通気下に、80℃に昇温した。
【0474】次いで、同温度で、イソホロンジイソシア
ネートの519部およびトルエンの519部からなる混
合物を、1時間に亘って滴下し、滴下終了後も、同温度
で、4時間のあいだ攪拌することによって、イソシアネ
ート濃度が理論値とほぼ同じになっていることを確認し
た。
【0475】しかるのち、同温度で、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシランの64部と、トルエンの64部と
からなる混合物を、10分間かけて滴下し、適下終了後
も、同温度で、4時間のあいだ攪拌を行ない、赤外線吸
収スペクトル分析(IR分析)によって、イソシアネー
ト基が消失したことを確認してから、トルエンの50部
およびIPAの450部を添加して、不揮発分が43.
3%で、かつ、数平均分子量が5,400なる、アミノ
基とトリメトキシシリル基を併有するポリウレタン系重
合体の溶液を得た。以下、これを(b−1−3)と略記
する。
【0476】参考例1と同様の反応容器に、CHMDM
Sの134部、MTMSの403部およびIPAの57
2部を仕込んで、80℃に昇温した。
【0477】次いで、同温度で、「AP−3」の5.9
部と、イオン交換水の199部とを、5分間を要して滴
下し、同温度で、4時間のあいだ攪拌を行なってCHM
DMSとMTMSの共加水分解縮合物を調製した。 1
−NMRで以て、反応混合物の分析を行ない、CHMD
MSとMTMSの加水分解が、100%進行しているこ
とを確認した。
【0478】続いて、此処へ、得られた重合体(b−1
−3)の1,630部を添加し、同温度で、4時間のあ
いだ攪拌を行なって、ポリシロキサンと、重合体(b−
1−3)との縮合物を調製した。
【0479】次いで、この縮合物を、 1H−NMRで分
析した処、此の重合体(b−1−3)中に含まれていた
トリメトキシシリル基の加水分解が、100%進行して
いることが判明した。
【0480】引き続いて、同温度で、酢酸の19.1部
とイオン交換水の1,300部との混合物を、30分間
かけて滴下したのち、減圧蒸留で、MEOH、IPA、
n−ブタノールなどのアルコール類とトルエンを除くこ
とによって、不揮発分が40.1%なる、目的水性樹脂
を得た。以下、これを(W−1−5)と略記する。
【0481】しかるのち、この水性樹脂(W−1−5)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0482】実施例6〔水性樹脂(W−2)の調製例〕
【0483】本例は水性樹脂(W−2)を調製するため
の一つの例示例を示すものである。
【0484】先ず、参考例1と同様の反応容器中に、C
HTMSの748部と、MTMSの1,006部と、I
PAの1,164部とを仕込んで、窒素ガスの通気下
に、80℃に昇温した。
【0485】次いで、同温度で、「AP−3」の17.
8部と、イオン交換水の598部とを、約5分間で滴下
し、同温度で、4時間のあいだ攪拌してCHTMSとM
TMSの共加水分解縮合物を調製した。 1H−NMRで
以て、CHTMSとMTMSの加水分解が、100%進
行していることを確認した。
【0486】その後も、同温度で、STの100部、M
MAの250部、BMAの184部、BAの186部、
AAの50部、HEMAの50部、MPTMSの30
部、PEGMAの150部、IPAの350部およびT
BPOの50部からなる混合物を、4時間に亘って滴下
し、滴下終了後も、同温度で、16時間のあいだ攪拌し
て重合反応を継続せしめることによって、まず、ポリシ
ロキサンとアクリル系重合体との縮合物を得た。
【0487】この縮合物を、 1H−NMRで以て分析
し、MPTMSに由来するトリメトキシシリル基の加水
分解反応が、100%進行していることを確認した。
【0488】次いで、同温度で、イオン交換水の2,6
73部を30分かけて滴下したのち、減圧蒸留で、ME
OH、IPAなどのアルコール類を除去せしめることに
よって、不揮発分が35.0%なる、目的水性樹脂を得
た。以下、これを(W−2−1)と略記する。
【0489】しかるのち、この水性樹脂(W−2−1)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0490】実施例7(同上)
【0491】先ず、参考例1と同様の反応容器に、IP
Aの470部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃
に昇温した。
【0492】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの284部、BAの186部、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の50
部、AAの80部、IPAの450部およびtert−
ブチルパーオキシ−2,2−ジメチル−3−トリメトキ
シシリルプロパノエート(TBPOTMS)の50部か
らなる混合物を、4時間に亘って滴下した。
【0493】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が53.8%で、か
つ、数平均分子量が12,100なる、カルボキシル
基、水酸基およびトリメトキシシリル基を有する目的重
合体の溶液を得た。以下、これを(b−2−1)と略記
する。
【0494】参考例1と同様の反応容器に、重合体(b
−2−1)の938部、CHTMSの377部とMTM
Sの507部およびIPAの566部を仕込んで、80
℃に昇温した。
【0495】次いで、同温度で、「AP−3」の9.0
部と、イオン交換水の301部とを、5分間かけて滴下
し、同温度で、4時間のあいだ攪拌したのちに、 1H−
NMRで以て、重合体(b−2−1)中に含まれていた
トリメトキシシリル基、CHTMSおよびMTMSの加
水分解が、100%進行していることを確認した。
【0496】しかるのち、同温度で、TEAの57部
と、イオン交換水の1,350部とを、30分間かけて
滴下してから、減圧蒸留で、MEOH、IPAなどのア
ルコール類を除いて、不揮発分が40.1%なる、目的
水性樹脂を得た。以下、これを(W−2−2)と略記す
る。
【0497】しかるのち、この水性樹脂(W−2−2)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0498】実施例8(同上) 先ず、重合体(b−2−2)を調製した。参考例1と同
様の反応容器に、IPAの470部を仕込んで、窒素ガ
スの通気下に、80℃に昇温した。
【0499】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの284部、BAの186部、H
EMAの50部およびAAの80部と、IPAの450
部およびTBPOの50部の混合物を、4時間に亘って
滴下した。
【0500】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が55.1%で、か
つ、数平均分子量が11,100なる、カルボキシル
基、水酸基およびトリメトキシシリル基を併有する目的
重合体の溶液を得た。以下、これを(b−2−2)と略
記する。
【0501】続いて、ポリシロキサンの調製を行った。
実施例1と同様の反応容器に、CHTMSの377部と
MTMSの507部を仕込んで、80℃まで昇温し、次
いで、同温で、「AP−3」の9.0部と、イオン交換
水の301部との混合物を、約1時間を要して滴下し
た。
【0502】滴下終了後も、同温度で、4時間のあいだ
攪拌を行い、数平均分子量が1,200なる、目的とす
るポリシロキサン(CHTMSとMTMSの共加水分解
縮合物)を得た。以下、これを(a−1)と略記する。
【0503】最後に、重合体(b−2−2)の915部
と、ポリシロキサン(a−1)の1,783部とを、室
温下で混合せしめ、次いで、同温度で、此処に、TEA
の57部とイオン交換水の1,350部の混合物を、3
0分間かけて滴下したのち、減圧蒸留で、MEOH、I
PAなどのアルコール類とを除くことによって、不揮発
分が41.0%なる、目的水性樹脂を得た。以下、これ
を(W−2−3)と略記する。
【0504】しかるのち、この水性樹脂(W−2−3)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0505】実施例9〔水性樹脂(W−3)の調製例〕
【0506】本例は水性樹脂(W−3)を調製するため
の一つの例示例を示すものである。
【0507】先ず、参考例1と同様の反応容器に、TE
Aの50部とIPAの470部の混合物を仕込んで、窒
素ガスの通気下に、80℃に昇温した。
【0508】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの314部、BAの186部、A
Aの80部、3−メタクリロイルオキシプロピルオキシ
ジメチルエトキシシランの20部、IPAの450部お
よびTBPOの50部からなる混合物を、4時間かけて
滴下した。
【0509】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が50.5%で、か
つ、数平均分子量が14,800なる、TEAで中和さ
れたカルボキシル基およびジメチルメトキシシリル基を
併有する目的重合体の溶液を得た。以下、これを(b−
3−1)と略記する。
【0510】上記と同様の反応容器に、CHTMSの3
58部とMTMSの534部およびIPAの506部を
仕込んで、80℃に昇温した。
【0511】次いで、同温度で、イオン交換水の307
部とを、5分間を要して滴下し、同温度で、4時間のあ
いだ攪拌して、CHTMSとMTMSの共加水分解縮合
物を調製した。反応混合物の 1H−NMRで以て、CH
TMSとMTMSの加水分解が、100%進行している
ことを確認した。
【0512】しかるのち、重合体(b−3−1)の95
9部を添加し、同温度で、4時間のあいだ攪拌して、ポ
リシロキサンと、重合体(b−3−1)との縮合物を調
製した。この縮合物を、 1H−NMRで分析した処、此
の重合体(b−3−1)に含まれていたジメチルメトキ
シシリル基の加水分解が、100%進行していることが
判明した。
【0513】次いで、同温度で、イオン交換水の1,3
47部との混合物を、30分間かけて滴下したのち、減
圧蒸留で、MEOH、IPAなどのアルコール類を除い
て、不揮発分が35.6%なる、目的水性樹脂を得た。
以下、これを(W−3−1)と略記する。
【0514】しかるのち、この水性樹脂(W−3−1)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0515】実施例10(同上)
【0516】先ず、参考例1と同様の反応容器に、酢酸
52部とIPAの470部の混合物を仕込んで、窒素ガ
スの通気下に、80℃に昇温した。
【0517】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの234部、BAの186部、M
PTMSの30部、2−ジメチルアミノエチルメタクリ
レート(DMAEMA)の150部と、IPAの450
部およびAIBNの50部からなる混合物を、4時間に
亘って滴下した。
【0518】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が51.1%で、か
つ、数平均分子量が13,200なる、酢酸で中和され
たジメチルアミノ基およびトリメトキシシリル基を併有
する目的重合体の溶液を得た。以下、これを(b−3−
2)と略記する。
【0519】参考例1と同様の反応容器に、重合体(b
−3−2)の978部、CHTMSの377部とMTM
Sの525部およびIPAの566部を仕込んで、80
℃に昇温した。
【0520】次いで、同温度で、イオン交換水の301
部を、5分間かけて滴下し、同温度で、4時間のあいだ
攪拌したのちに、 1H−NMRで以て、重合体(b−3
−2)中に含まれていたトリメトキシシリル基、CHT
MSおよびMTMSの加水分解が、100%進行してい
ることを確認した。
【0521】しかるのち、同温度で、イオン交換水の
1,350部を、30分間かけて滴下してから、減圧蒸
留で、MEOH、IPAなどのアルコール類を除いて、
不揮発分が37.0%なる、目的水性樹脂を得た。以
下、これを(W−3−2)と略記する。
【0522】しかるのち、この水性樹脂(W−3−2)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0523】実施例11(同上)
【0524】先ず、参考例1と同様の反応容器中に、C
HTMSの748部と、MTMSの1,006部と、I
PAの1,164部とを仕込んで、窒素ガスの通気下
に、80℃に昇温した。
【0525】次いで、同温度で、「AP−3」の17.
8部と、イオン交換水の598部とを、約5分間で滴下
し、同温度で、4時間のあいだ攪拌して、CHTMSと
MTMSの共加水分解縮合物を調製した。 1H−NMR
で以て、CHTMSとMTMSの加水分解が、100%
進行していることを確認した。
【0526】その後も、同温度で、STの100部、M
MAの300部、BMAの184部、BAの186部、
MPTMSの30部、PEGMAの200部と、IPA
の350部およびTBPOの50部の混合物を、各々、
4時間に亘って滴下し、滴下終了後も、同温度で、16
時間のあいだ攪拌して重合反応を継続せしめることによ
って、まず、ポリシロキサンとアクリル系重合体との縮
合物を得た。
【0527】この縮合物を、 1H−NMRで以て分析
し、MPTMSに由来するトリメトキシシリル基の加水
分解反応が、100%進行していることを確認した。
【0528】次いで、同温度で、イオン交換水の2,6
73部を30分かけて滴下したのち、減圧蒸留で、ME
OH、IPAなどのアルコール類を除去せしめることに
よって、不揮発分が36.7%なる、目的水性樹脂を得
た。以下、これを(W−3−3)と略記する。
【0529】しかるのち、この水性樹脂(W−3−3)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0530】実施例12〔水性樹脂(W−4)の調製
例〕
【0531】本例は、水性樹脂(W−4)を調製するた
めの一つの例示例を示すものである。
【0532】先ず、参考例1と同様の反応容器に、酢酸
52部とIPAの470部の混合物を仕込んで、窒素ガ
スの通気下に、80℃に昇温した。
【0533】次いで、同温度で、STの100部、MM
Aの300部、BMAの184部、BAの186部、H
EMAの50部、DMEMAの150部、MPTMSの
30部と、IPAの450部およびAIBNの50部の
混合物を、4時間に亘って滴下した。
【0534】滴下終了後も、同温度で、16時間のあい
だ攪拌することによって、不揮発分が50.9%で、か
つ、数平均分子量が12,700なる、酢酸で中和され
たジメチルアミノ基およびトリメトキシシリル基を併有
する目的重合体の溶液を得た。以下、これを(b−4−
1)と略記する。
【0535】参考例1と同様の反応容器に、重合体(b
−4−1)の990部、CHTMSの377部とMTM
Sの507部およびIPAの513部を仕込んで、80
℃に昇温した。
【0536】次いで、同温度で、イオン交換水の301
部を、5分間かけて滴下し、同温度で、4時間のあいだ
攪拌したのちに、1H−NMRで以て、重合体(b−4
−1)中に含まれていたトリメトキシシリル基、CHT
MSおよびMTMSの加水分解が、100%進行してい
るということを確認した。
【0537】しかるのち、同温度で、イオン交換水の
1,350部を、30分間かけて滴下してから、減圧蒸
留で、MEOH、IPAなどのアルコール類を除いて、
不揮発分が40.1%なる、目的水性樹脂を得た。以
下、これを(W−4−1)と略記する。
【0538】しかるのち、この水性樹脂(W−4−1)
を、40℃において、1ヵ月間のあいだ保存した処、ゲ
ル化や、沈澱物の析出などの異状は認められなく、保存
安定性に優れていることが判明した。
【0539】実施例13〜30 まず、水性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれの一
部と、顔料と、エチレグリコールモノブチルエーテル
(EGMBE)との混合物を、サンドミルを使用して分
散せしめ、顔料重量濃度(PWC)が60%なる、各種
のミルベースを調製し、次いで、このミルベースに、水
性樹脂(W−1)〜(W−4)のそれぞれに残り全部を
添加し、混合せしめることによって、各種の白色ベース
を調製した。
【0540】そして、このような、それぞれの白色ベー
スに対して、水を、必要に応じて、さらに、化合物
(C)をも配合せしめることによって、PWCが35%
なる、各種の白色塗料を調製した。
【0541】上述のようにして調製された、それぞれの
白色塗料に使用した、水性樹脂(W−1)〜(W−4)
のぞれぞれと、顔料と、EGMBEと、化合物(C)と
の使用量は、第2表に示す通りである。
【0542】かくして得られた、それぞれの白色塗料
を、予め、ポリエステル/メラミン系の塗料が塗装さ
れ、焼き付けの施された塗装鋼板であって、しかも、水
研ぎされた此の鋼板上に、乾燥膜厚が約40μmとなる
ように、アプリケーターで以て塗布せしめ、同表に示す
ような硬化条件で以て、硬化せしめることによって、各
種の硬化塗膜を得た。
【0543】ここに得られた、本発明に係る水性硬化性
樹脂組成物を用いた、それぞれの塗膜は、いずれもが、
外観に優れるというものであった。それぞれの塗膜につ
いて、諸性能の評価判定を行なった。それらの結果は、
まとめて、第2表に示す。
【0544】比較例1〜8 まず、対照用樹脂1、2、3、4または5の一部と、顔
料と、EGMBEとの混合物を、サンドミルを使用して
分散せしめ、PWCが60%なる、各種のミルベースを
調製し、次いで、此のミルベースに、対照用樹脂1、
2、3、4または5の残り全部を添加して混合せしめる
ことによって、各種の白色ベースを調製した。
【0545】そして、このような、それぞれの白色ベー
スに対して、水と、必要に応じて、さらに、化合物
(C)をも配合せしめることによって、PWCが35%
なる、各種の、対照用の白色塗料を調製した。
【0546】このようにして調製される、それぞれの白
色塗料に使用した、対照用樹脂1、2、3、4または5
と、顔料と、エチレングリコールモノブチルエーテルお
よび化合物(C)との使用量は、同表に示す通りであ
る。
【0547】かくして得られた、それぞれの白色塗料
を、実施例9と同様にして塗布せしめ、同表に示すよう
な硬化条件で以て硬化せしめることによって、各種の、
対照用の硬化塗膜を得た。
【0548】このようにして得られた、対照用樹脂1、
2、3、4または5を含有する、対照用の硬化性組成物
を用いた、それぞれの塗膜は、いずれもが、外観に優れ
るというものであった。それぞれの塗膜について、諸性
能の評価判定を行なった。それらの結果は、まとめて、
第2表に示す。
【0549】
【表3】
【0550】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0551】「CR−97」は、「タイペーク CR−
97」の略記であって、石原産業(株)製の、ルチル型
酸化チタンの商品名である。
【0552】
【表4】
【0553】《第2表の脚注》「耐候性」は、サンシャ
イン・ウエザオメーターによる、4,000時間に及ぶ
曝露を行なったのちの、塗膜の60度鏡面反射率(%)
なる光沢値を、未曝露時における、塗膜の同上の光沢値
で以て除して、それを、100倍した値(光沢保持率:
%)を表示したものである。
【0554】その値が大きいほど、耐候性が良好である
ということを示している。
【0555】「耐汚染性」は、屋外において、2ヵ月間
に及ぶ曝露を行なったのちの未洗浄の塗膜と、未曝露時
の塗膜との色差(△E)を表示のである。
【0556】その値が、ゼロに近いほど、耐汚染性が良
好であるということを示している。
【0557】「耐酸性」は、「耐酸性雨性」の代用試験
として行なっているというものであり、それぞれの硬化
塗膜の表面上に、10%硫酸水溶液の0.1ミリ・リッ
トルを載せた試験板を、60℃の熱風乾燥器中に、30
分間のあいだ保持したのち、塗膜表面を水洗乾燥してか
ら、その表面の状態を、目視により評価判定したもので
ある。
【0558】その際の評価判定の基準は次の通りであ
る。
【0559】 ◎…エッチングなし ○…若干ながら、エッチングあり △…光沢が低下している ×…エッチングが著しい
【0560】「耐アルカリ性」は、それぞれの試験板
を、5%水酸化ナトリウム水溶液中に、室温下、24時
間のあいだ浸漬せしめたのち、塗膜表面を、各別に、水
洗し乾燥してから、その表面状態を、目視により、評価
判定したものである。
【0561】
【表5】
【0562】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0563】
【表6】
【0564】
【表7】
【0565】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0566】「GPTMS」………………3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランの略記
【0567】
【表8】
【0568】
【表9】
【0569】第2表の脚注》原料類の使用割合を示す各
数値は、いずれも重量部数である。
【0570】
【表10】
【0571】
【表11】
【0572】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0573】「EX−612」は、「デナコール EX
−612」の略記であって、ナガセ化成工業(株)製
の、ソルビトールポリグリシジルエーテルの商品名であ
る。
【0574】「EGM−400」は、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン(株)製の、珪素原子に結合した3−
グリシドキシプロピル基を有する、環状のポリシロキサ
ンの商品名である。
【0575】
【表12】
【0576】
【表13】
【0577】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0578】「AN−210」は、「アクアネート21
0」の略記であって、日本ポリウレタン工業(株)製
の、自己乳化型ポリイソシアネートの商品名;イソシア
ネート含有率=17.0%。
【0579】
【表14】
【0580】
【表15】
【0581】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0582】「S−695」は、「ウォーターゾル S
−695」の略記であって、大日本インキ化学工業
(株)製の、メチルエーテル化メチロールメラミン樹脂
水溶液の商品名;不揮発分=66%。
【0583】
【表16】
【0584】
【表17】
【0585】《第2表の脚注》原料類の使用割合を示す
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
【0586】「BN−08」は、「エラストロン BN
−08」の略記であって、第一工業製薬(株)製の、ブ
ロックイソシアネートの商品名;不揮発分=34.5
%。
【0587】
【表18】
【0588】実施例31
【0589】本例は、各種の水性樹脂についての、とり
わけ、保存安定性の評価判定を行なうものである。
【0590】実施例1〜8において得られた、各種の水
性樹脂(W−1)、(W−2)、(W−3)および(W
−4)を、40℃に、1ヵ月間のあいだ保存せしめたの
ちに、実施例13〜30と同様にして、各種の白色ベー
スを調製せしめ、次いで、水を、さらに必要に応じて、
化合物(C)をも配合せしめることによって、PWCが
35%なる、各種の白色塗料を調製した。
【0591】かくして得られた、それぞれの白色塗料に
使用した、水性樹脂(W−1)、(W−2)、(W−
3)あるいは(W−4)と、顔料と、エチレングリコー
ルモノブチルエーテルおよび化合物(C)との使用比率
は、すでに、第2表に示している通りである。
【0592】次いで、実施例13〜30と同様にして、
それぞれの白色塗料を、試験塗板上に塗布せしめ、しか
るのち、同表に示すような硬化条件で以て硬化せしめる
ことによって、各種の硬化塗膜を得た。
【0593】このようにして得られた、40℃に、1ヵ
月間のあいだ保存したのちの水性樹脂から調製された白
色ベースを含有する、本発明に係る水性硬化性樹脂組成
物を用いた、それぞれの塗膜は、いずれもが、とりわ
け、外観に優れるというものであると共に、それぞれの
塗膜の諸性能が、同表に示すような結果と、殆ど、差異
が認められなかった。
【0594】これらの諸々の事実から、水性樹脂(W−
1)、(W−2)、(W−3)あるいは(W−4)は、
とりわけ、保存安定性に優れるものであることが、無理
なく、理解され得よう。
【0595】
【発明の効果】本発明に係る水性樹脂は、とりわけ、優
れた硬化性と、優れた保存安定性とを兼備するというも
のであり、このように優れた水性樹脂を必須の成分とし
て含有する形の、本発明に係る水性硬化性樹脂組成物
は、とりわけ、曝露時の光沢保持性、耐曝露汚染性なら
びに耐酸性雨性などの、いわゆる耐久性に優れる硬化塗
膜を形成することの出来る、極めて実用性の高いもので
ある。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素原子に結合した加水分解性基および
    /または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪
    素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合して
    いるポリシロキサン(A)と、酸基または塩基性基を有
    する重合体(B−1)とからなる混合物および/または
    縮合物を、塩基性化合物または酸性化合物で部分中和な
    いしは完全中和せしめたのち、水性媒体中に分散もしく
    は溶解せしめて得られる水性樹脂。
  2. 【請求項2】 珪素原子に結合した加水分解性基および
    /または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪
    素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合して
    いるポリシロキサン(A)と、酸基または塩基性基に加
    え、該酸基または該塩基性基と、珪素原子に結合した加
    水分解性基と、珪素原子に結合した水酸基との、都合、
    3種類の基以外の官能基をも併有する重合体(B−2)
    とからなる混合物および/または縮合物を、塩基性化合
    物または酸性化合物で部分中和ないしは完全中和せしめ
    たのち、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得られ
    る水性樹脂。
  3. 【請求項3】 珪素原子に結合した加水分解性基および
    /または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪
    素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合して
    いるポリシロキサン(A)と、アニオン性基、カチオン
    性基およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、少な
    くとも1種の親水性基を有する重合体(B−3)とから
    なる混合物および/または縮合物を、水性媒体中に分散
    もしくは溶解せしめて得られる水性樹脂。
  4. 【請求項4】 珪素原子に結合した加水分解性基および
    /または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪
    素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合して
    いるポリシロキサン(A)と、アニオン性基、カチオン
    性基およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、少な
    くとも1種の親水性基に加え、該親水性基と、珪素原子
    に結合した加水分解性基と、珪素原子に結合した水酸基
    との、都合、3種類の基以外の官能基をも併有する重合
    体(B−4)とからなる混合物および/または縮合物
    を、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめて得られる水
    性樹脂。
  5. 【請求項5】 前記した、それぞれ、重合体(B−
    1)、(B−2)、(B−3)または(B−4)が、ビ
    ニル系重合体、ポリエステル系重合体、アルキド系重合
    体およびポリウレタン系重合体よりなる群から選ばれ
    る、少なくとも1種の重合体である、請求項1〜4いず
    れかに記載の水性樹脂。
  6. 【請求項6】 前記した珪素原子に結合した加水分解性
    基がアルコキシ基である、請求項1〜4いずれかに記載
    の水性樹脂。
  7. 【請求項7】 前記した、酸基または塩基性基と、珪素
    原子に結合した加水分解性基と、珪素原子に結合した水
    酸基との、都合、3種類の基以外の官能基が、炭素原子
    に結合した水酸基、ブロックされた水酸基、カルボキシ
    ル基、ブロックされたカルボキシル基、カルボン酸無水
    基、3級アミノ基、シクロカーボネート基、エポキシ
    基、1級アミド基、2級アミド基、カーバメート基およ
    び、下記の構造式(S−I) 【化1】 で示される官能基よりなる群から選ばれる、少なくとも
    1種の官能基である、請求項2に記載の水性樹脂。
  8. 【請求項8】 前記した、アニオン性基、カチオン性基
    およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、少なくと
    も1種の親水性基と、珪素原子に結合した加水分解性基
    と、珪素原子に結合した水酸基との、都合、3種類の基
    以外の官能基が、炭素原子に結合した水酸基、ブロック
    された水酸基、カルボキシル基、ブロックされたカルボ
    キシル基、カルボン酸無水基、3級アミノ基、シクロカ
    ーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド
    基、カーバメート基および、下記の構造式(S−I) 【化2】 で示される官能基よりなる群から選ばれる、少なくとも
    1種の官能基である、請求項4に記載の水性樹脂。
  9. 【請求項9】 珪素原子に結合した加水分解性基および
    /または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全珪
    素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合して
    いるポリシロキサン(A)と、酸基または塩基性基を有
    する重合体(B−1)とからなる混合物および/または
    縮合物を、塩基性化合物または酸性化合物で部分中和な
    いしは完全中和せしめたのち、水性媒体中に分散もしく
    は溶解せしめることを特徴とする、水性樹脂(W−1)
    の製造法。
  10. 【請求項10】 珪素原子に結合した加水分解性基およ
    び/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全
    珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合し
    ているポリシロキサン(A)と、酸基または塩基性基に
    加え、該酸基または該塩基性基と、珪素原子に結合した
    加水分解性基と、珪素原子に結合した水酸基との、都
    合、3種類の基以外の官能基をも併有する重合体(B−
    2)とからなる混合物および/または縮合物を、塩基性
    化合物または酸性化合物で部分中和ないしは完全中和せ
    しめたのち、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめるこ
    とを特徴とする、水性樹脂(W−2)の製造法。
  11. 【請求項11】 珪素原子に結合した加水分解性基およ
    び/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全
    珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合し
    ているポリシロキサン(A)と、アニオン性基、カチオ
    ン性基およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、少
    なくとも1種の親水性基を有する重合体(B−3)とか
    らなる混合物および/または縮合物を、水性媒体中に分
    散もしくは溶解せしめることを特徴とする、水性樹脂
    (W−3)の製造法。
  12. 【請求項12】 珪素原子に結合した加水分解性基およ
    び/または珪素原子に結合した水酸基を有し、且つ、全
    珪素原子の10モル%以上にシクロアルキル基が結合し
    ているポリシロキサン(A)と、アニオン性基、カチオ
    ン性基およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、少
    なくとも1種の親水性基に加え、該親水性基と、珪素原
    子に結合した加水分解性基と、珪素原子に結合した水酸
    基との、都合、3種類の基以外の官能基をも併有する重
    合体(B−4)とからなる混合物および/または縮合物
    を、水性媒体中に分散もしくは溶解せしめることを特徴
    とする、水性樹脂(W−4)の製造法。
  13. 【請求項13】 前記した、それぞれ、重合体(B−
    1)、(B−2)、(B−3)または(B−4)が、ビ
    ニル系重合体、ポリエステル系重合体、アルキド系重合
    体およびポリウレタン重合体よりなる群から選ばれる、
    少なくとも1種の重合体である、請求項9〜12いずれ
    かに記載の製造法。
  14. 【請求項14】 前記した珪素原子に結合した加水分解
    性基がアルコキシ基である、請求項9〜12いずれかに
    記載の製造法。
  15. 【請求項15】 前記した、酸基または塩基性基と、珪
    素原子に結合した加水分解性基と、珪素原子に結合した
    水酸基との、都合、3種類の基以外の官能基が、炭素原
    子に結合した水酸基、ブロックされた水酸基、カルボキ
    シル基、ブロックされたカルボキシル基、カルボン酸無
    水基、3級アミノ基、シクロカーボネート基、エポキシ
    基、1級アミド基、2級アミド基、カーバメート基およ
    び、下記の構造式(S−I) 【化3】 で示される官能基よりなる群から選ばれる、少なくとも
    1種の官能基である、請求項10に記載の製造法。
  16. 【請求項16】 前記した、アニオン性基、カチオン性
    基およびノニオン性基よりなる群から選ばれる、少なく
    とも1種の親水性基と、珪素原子に結合した加水分解性
    基と、珪素原子に結合した水酸基との、都合、3種類の
    基以外の官能基が、炭素原子に結合した水酸基、ブロッ
    クされた水酸基、カルボキシル基、ブロックされたカル
    ボキシル基、カルボン酸無水基、3級アミノ基、シクロ
    カーボネート基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミ
    ド基、カーバメート基および、下記の構造式(S−I) 【化4】 で示される官能基よりなる群から選ばれる、少なくとも
    1種の官能基である、請求項12に記載の製造法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜8いずれかに記載の水性樹
    脂を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 請求項1〜8いずれかに記載の水性樹
    脂と、該水性樹脂と反応する官能基を有する化合物
    (C)とを、必須のを必須成分として含有する水性硬化
    性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 前記した、水性樹脂に含まれる官能基
    と反応する官能基を有する化合物(C)が、珪素原子に
    結合した水酸基および/または珪素原子に結合した加水
    分解性基を有する化合物、一分子中にイソシアネート基
    と珪素原子に結合した加水分解性基とを併有する化合
    物、一分子中にエポキシ基と珪素原子に結合した加水分
    解性基とを併有する化合物、ポリイソシアネート化合
    物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ
    化合物、ポリシクロカーボネート化合物、アミノ樹脂、
    1級ないしは2級アミド基含有化合物、ポリカルボキシ
    化合物およびポリヒドロキシ化合物よりなる群から選ば
    れる、少なくとも1種の化合物である請求項18に記載
    の水性硬化性樹脂組成物。
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