JPH11209590A - 液晶性樹脂組成物およびその精密成形品 - Google Patents

液晶性樹脂組成物およびその精密成形品

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JPH11209590A
JPH11209590A JP1165998A JP1165998A JPH11209590A JP H11209590 A JPH11209590 A JP H11209590A JP 1165998 A JP1165998 A JP 1165998A JP 1165998 A JP1165998 A JP 1165998A JP H11209590 A JPH11209590 A JP H11209590A
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JP
Japan
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liquid crystalline
crystalline resin
resin composition
weight
parts
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Pending
Application number
JP1165998A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Masahiro Sugimura
正宏 杉村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、薄肉流動性と寸法安定性、機械物
性、電気特性に優れた液晶性樹脂組成物およびその精密
成形品を得ることを課題とする。 【解決手段】液晶性樹脂(A)100重量部に対して、
石英ガラス繊維(B)3〜300重量部を含有してなる
液晶性樹脂組成物およびその精密成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子部品、
OA・AV部品、自動車部品、機械部品、ハウジング部
品などとして有用な薄肉流動性と寸法安定性、機械物
性、電気特性に優れた液晶性樹脂組成物およびその精密
成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマー
が数多く開発されているが、中でも分子鎖の平行な配列
を特徴とする溶融時に光学異方性を示す液晶性樹脂が優
れた流動性と寸法安定性、機械物性を有する点で注目さ
れている。しかしながら、精密な金属部品や熱硬化性樹
脂を代替するには液晶性樹脂単独では異方性が大きく、
寸法安定性も十分ではない。そこで、充填剤を配合する
ことによる異方性の低減と寸法安定性の向上をはかる方
法が考えられるが、ガラス繊維などを配合しても線膨張
率の低減は十分ではなかった。特に棒状の成形品の場
合、樹脂の流動方向と直角方向の線膨張率の低減が十分
ではなく、異方性が大きいという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題を
解決し、薄肉流動性と寸法安定性、機械物性、電気特性
に優れた液晶性樹脂組成物およびその精密成形品を得る
ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は(1)液晶性樹脂(A)1
00重量部に対して、石英ガラス繊維(B)3〜300
重量部を含有してなる液晶性樹脂組成物、(2)液晶性
樹脂(A)が液晶性ポリエステルおよび/または液晶性
ポリエステルアミドからなる液晶性樹脂である上記
(1)記載の液晶性樹脂組成物、(3)液晶性樹脂
(A)がエチレンジオキシド単位を必須成分として含有
する液晶性ポリエステルおよび/または液晶性ポリエス
テルアミドからなる液晶性樹脂である上記(1)または
(2)記載の液晶性樹脂組成物、(4)液晶性樹脂
(A)が下記構造単位(I)、(II)、(III) および(IV)か
らなり、構造単位(I)および(II)の合計が構造単位(I)、
(II)および(III)の合計に対して60〜95モル%、構
造単位(III) が構造単位(I)、(II)および(III)の合計に
対して40〜5モル%であり、構造単位(I)と構造単位
(II)のモル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であ
る液晶性ポリエステルである上記(1)〜(3)のいず
れか1項記載の液晶性樹脂組成物、
【化4】 (ただし式中のR1は
【化5】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2は
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。また構造単位(IV)は構造単
位(II)および(III)の合計と実質的に等モルである。) (5)石英ガラス繊維(B)が、線膨張率2ppm/℃
未満の石英ガラス繊維である上記(1)〜(4)のいず
れか記載の液晶性樹脂組成物、(6)石英ガラス繊維
(B)がシラン化合物、チタネート化合物、アルミニウ
ム化合物などのカップリング剤で表面処理してなる石英
ガラス繊維である上記(1)〜(5)いずれか1項記載
の液晶性樹脂組成物、(7)石英ガラス繊維(B)の組
成物中の重量平均繊維長が0.05〜1mmである上記
(1)〜(6)いずれか1項記載の液晶性樹脂組成物、
(8)繊維長0.05mm以上0.5mm未満の石英ガ
ラス繊維の含有量が組成物中の石英ガラス繊維(B)の
全量に対して98重量%以下である上記(1)〜(7)
いずれか1項記載の液晶性樹脂組成物、(9)石英ガラ
ス繊維(B)の組成物中の繊維長(L)と繊維径(D)
の比L/Dが2以上である上記(1)〜(8)いずれか
1項記載の液晶性樹脂組成物、(10)液晶性樹脂
(A)100重量部に対して、さらに難燃剤0.01〜
30重量部を含有せしめてなる上記1〜8のいずれか1
項記載の液晶性樹脂組成物、(11)難燃剤が有機臭素
化物および/または赤燐である上記(10)記載の液晶
性樹脂組成物、(12)液晶性樹脂(A)100重量部
に対して、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンお
よび/またはプロピレンと炭素数が4以上のα−オレフ
ィンからなる共重合体およびエチレンおよび/またはプ
ロピレンと炭素数が4以上のα−オレフィンおよび非共
役ジエンからなる共重合体から選ばれた1種以上でか
つ、重量平均分子量が10,000〜600,000の
範囲にあるオレフィン系重合体0.01〜10重量部を
さらに配合してなる上記(1)〜(11)のいずれか記
載の液晶性樹脂組成物、(13)液晶性樹脂(A)10
0重量部、繊維長1〜10mmに切断した石英ガラス繊
維(B)10〜300重量部を配合することにより上記
(1)〜(12)のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成
物を製造することを特徴とする液晶性樹脂組成物の製造
方法、(14)上記(1)〜(12)いずれか1項記載
の液晶性樹脂組成物からなる精密成形品、および(1
5)上記(1)〜(12)いずれか1項記載の液晶性樹
脂組成物からなる線膨張率の最大値が50ppm/℃以
下の精密成形品を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる液晶性樹脂(A)
とは、溶融時に異方性相を形成し得る樹脂であり、液晶
ポリエステル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリエス
テルカーボネート、液晶ポリエステルエラストマーなど
が挙げられ、なかでも液晶ポリエステル、液晶ポリエス
テルアミドなどが好ましく用いられる。
【0007】上記液晶性ポリエステルとしては、芳香族
オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジ
カルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれ
た構造単位からなる異方性溶融相を形成し得るポリエス
テルを挙げることができ、液晶性ポリエステルアミドと
しては、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、
芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから
選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成し得るポ
リエステルアミドを挙げることができる。
【0008】芳香族オキシカルボニル単位としては、例
えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジオキシ単位
としては、例えば、4,4´−ジヒドロキシビフェニ
ル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノンから生
成した構造単位、芳香族ジカルボニル単位としては、例
えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸から生成した構造単位、芳香族イミノオ
キシ単位としては、例えば、4−アミノフェノールから
生成した構造単位が挙げられる。
【0009】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルはエチレンジオキシ単位を必須成分とする液晶性
ポリエステルであり、さらに好ましくは下記構造単位
(I)、(III)、(IV)あるいは(I)、(II)、(III)、(IV)の構
造単位からなるポリエステルであり、最も好ましいのは
(I)、(II)、(III)、(IV)の構造単位からなるポリエステ
ルである。
【0010】
【化7】 (ただし式中のR1は
【化8】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2は
【化9】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III)
の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
【0011】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単
位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3
´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシ
ビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキ
シナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンおよび4,4´−ジヒドロキシジフェニル
エーテルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合物から生
成した構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコー
ルから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル
酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,
2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−
ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した
構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【化10】 であり、R2が
【化11】 であるものが特に好ましい。
【0012】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルは、上記構造単位(I)、(III)、(IV)または(I)、
(II)、(III)、(IV)からなる共重合体であり、上記構造
単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意であ
る。しかし、流動性の点から次の共重合量であることが
好ましい。
【0013】すなわち、上記構造単位(I)、(III)、(IV)
からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I) は(I)お
よび(III)の合計に対して30〜95モル%が好まし
く、40〜95モル%がより好ましい。また、構造単位
(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルである。
【0014】一方、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(I
V)からなる共重合体の場合は、耐熱性、難燃性および機
械的特性の点から上記構造単位(I)および(II)の合計は
構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して60〜9
5モル%が好ましく、80〜92モル%がより好まし
い。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(I
II)の合計に対して40〜5モル%が好ましく、20〜
8モル%がより好ましい。また、構造単位(I)と構造単
位(II)のモル比[(I)/(II)]は耐熱性と流動性のバラン
スの点から好ましくは75/25〜95/5であり、よ
り好ましくは78/22〜93/7である。また、構造
単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に
等モルである。
【0015】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I) 〜(IV)以外にp−アミノフェノ−ルか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0016】上記好ましく用いることができる液晶性ポ
リエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単
位(I) 〜(IV)を構成する成分以外に3,3´−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,2´−ジフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン
酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4´−ジ
ヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジ
オールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロ
キシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およ
びp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本
発明の目的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共
重合せしめることができる。
【0017】本発明における液晶性樹脂の製造方法は特
に制限はなく、例えば液晶性ポリエステルおよび/また
は液晶性ポリエステルアミドの製造方法は、公知のポリ
エステルあるいはポリエステルアミドの重縮合法に準じ
て製造できる。
【0018】例えば、上記好ましく用いられる液晶性ポ
リエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙
げられる。
【0019】(1)p−アセトキシ安息香酸、4,4´
−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなど
の芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸およびポリエチレンテレ
フタレ―トなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまた
はビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳
香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エス
テルから脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0020】(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4´
−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物、無水酢酸、テレフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸、ポリエチレンテレフタレ―トなど
のポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン
酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルとを脱酢酸
重縮合反応によって製造する方法。
【0021】(3)(1)または(2)の製造方法にお
いて出発原料の一部に特開平3ー59024号公報のよ
うに1,2−ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)エタン
を用いる方法。
【0022】重縮合反応に使用する触媒としては、液晶
性樹脂の重縮合触媒として公知のものを使用することが
できる。
【0023】本発明において用いられる液晶性樹脂は、
ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定すること
が可能なものもあり、その際には0.1g/dlの濃度
で60℃で測定した値で0.3以上が好ましく、構造単
位(III) を含む場合は0.5〜3.0dl/g、構造単
位(III) を含まない場合は1.0〜15.0dl/gが
特に好ましい。
【0024】また、本発明における液晶性樹脂の溶融粘
度は1〜2,000Pa・sが好ましく、特に2〜1,
000Pa・sがより好ましい。
【0025】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0026】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
m1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0027】本発明で用いられる石英ガラス繊維(B)
は、石英、即ち二酸化珪素を溶融紡糸することにより作
ることができる。石英ガラスとしては、天然水晶の粉末
を溶融させた溶融石英ガラスや四塩化珪素ガスを酸水素
炎あるいは酸素とアルゴンガスのプラズマ炎中で分解し
て得られた二酸化珪素を溶融した合成石英ガラスなどが
挙げられ、どの石英ガラスを用いてもよいが、本発明で
用いられる石英ガラス繊維の線膨張率は、得られる成形
品の線膨張率の異方性の観点から2ppm/℃未満であ
ることが好ましい。
【0028】石英ガラス繊維(B)の線膨張率は繊維軸
方向の線膨張率であり、本発明の液晶性樹脂組成物を使
用する温度範囲の値である。線膨張率の測定方法として
は,ASTM E228法を挙げることができ、例え
ば、30℃を基準にした100℃までの平均した値で求
めることができる。また、簡便な測定方法として、例え
ば、石英ガラス繊維(B)を繊維束、あるいは、線膨張
率が既知の樹脂との複合材料にして示差熱膨張計により
測定する方法が挙げられる。
【0029】本発明で用いられる石英ガラス繊維(B)
の含有量は、液晶性樹脂(A)100重量部に対して、
3〜300重量部である。
【0030】本発明で用いられる石英ガラス繊維(B)
は、その重量平均繊維長(L)が0.05〜1mmが好
ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmである。ま
たその繊維径(D)は5〜20μmが好ましく、より好
ましくは5〜15μmである。
【0031】また、繊維長0.05mm以上0.5mm
未満の石英ガラス繊維の含有量が組成物中の石英ガラス
繊維(B)の全量に対して98重量%以下であることが
好ましい。即ち、繊維長0.5mm未満のものと繊維長
0.5mm以上の石英ガラス繊維の合計含有量が組成物
中の石英ガラス繊維(B)の全量に対して2重量%以上
であることが好ましい。より好ましくは0.5mm以上
の石英ガラス繊維の含有量が組成物中の石英ガラス繊維
(B)の全量に対して2重量%以上であることが好まし
い。
【0032】さらに石英ガラス繊維の組成物中のL/D
は2以上であることが好ましく、より好ましくは5以上
である。重量平均繊維長、繊維径、L/Dについては、
その組成物の断面の写真から求めることも可能である
が、例えば、その組成物中の樹脂分を焼却した残さを界
面活性剤を含む水のような分散媒を用いてガラス板状に
分散させたものを写真に撮り、1000本以上の石英ガ
ラス繊維の繊維径と繊維長を測定することにより求める
ことができる。
【0033】本発明で用いられる石英ガラス繊維(B)
は、その表面をシラン化合物、チタネート化合物、アル
ミニウム化合物などのカップリング剤で処理してもよ
い。このようなシラン化合物としては、アミノシラン、
エポキシシラン、ビニルシラン、メルカプトシランが挙
げられる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−(2ーアミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリ
メトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニル
アセトキシシラン、イソプロピルトリスイソステアロイ
ルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−ア
ミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチ
ルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス
(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネー
ト、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネ
ート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チ
タネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピ
レートなどが挙げられる。
【0034】また、本発明の液晶性樹脂組成物に対して
他の充填材を併用することも可能である。他の充填材と
しては、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、
芳香族ポリアミド繊維、液晶ポリエステル繊維、チタン
酸カリウムウイスカー繊維、チタン酸バリウムウイスカ
ー繊維、ホウ酸アルミニウムウイスカー繊維、窒化ケイ
素ウイスカー繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊
維、アルミニウム繊維、スチール繊維、セラミック繊
維、ボロンウィスカー繊維、アスベスト繊維、ジルコニ
ア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、
炭化ケイ素繊維、ロックウールなどの繊維状の充填材、
グラファイト、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウ
ム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバ
ルーン、クレー、ワラステナイト、酸化チタン、二硫化
モリブデン等の粉状、粒状あるいは板状の充填材が挙げ
られる。これらの充填材についてもシラン系、チタネー
ト系などのカップリング剤、その他の表面処理剤で処理
されたものを用いてもよい。
【0035】液晶性樹脂(A)と石英ガラス繊維(B)
を配合する方法は溶融混練することが好ましく、溶融混
練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バ
ンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もし
くは二軸押出機などを用い、溶融混練して組成物とする
ことができる。石英ガラス繊維(B)の添加方法として
は、ロービングタイプの石英ガラス繊維を二軸押出機に
供給して、粉砕しながら混練する方法と予め繊維長1〜
10mmに切断したチョップドタイプの石英ガラス繊維
(B)を供給して混練する方法などが挙げられる。
【0036】好ましい方法としては、二軸押出機を使用
し、液晶性樹脂(A)を元込めにして溶融させたところ
に、繊維長1〜10mmに切断したチョップドタイプの
石英ガラス繊維(B)をサイドフィーダーにより供給
し、混練する方法が挙げられる。二軸押出機のスクリュ
ーアレンジとしては、石英ガラス繊維(B)をできるだ
け折損しないようにサイドフィーダー供給部以降の練り
はあまり強くしないことが望ましい。
【0037】本発明においては、難燃剤としては通常用
いられる公知の難燃剤を使用することができる。例え
ば、難燃剤として有機臭素化物や燐化合物、赤燐などが
挙げられる。なかでも有機臭素化物および/または赤燐
が好ましい。
【0038】本発明に用いる有機臭素化物としては通常
難燃剤として使用される有機臭素化合物を含み、特に臭
素含量20重量%以上のものが好ましい。具体例として
はヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキ
サブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブ
ロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オ
クタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニ
ルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、
エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラ
ブロモビスフェノールAなどの低分子量有機臭素化合
物、臭素化ポリカーボネート(例えば臭素化ビスフェノ
ールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴ
マーあるいはそのビスフェノールAとの共重合物)、臭
素化エポキシ化合物(例えば臭素化ビスフェノールAと
エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポ
キシ化合物や臭素化フェノール類とエピクロルヒドリン
との反応によって得られるものエポキシ化合物)、ポリ
(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレ
ンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌルお
よび臭素化フェノールの縮合物、臭素化ポリスチレン、
架橋臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリα−メチルス
チレンなどのハロゲン化されたポリマーやオリゴマーあ
るいは、これらの混合物が挙げられ、なかでもエチレン
ビス(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポキシオ
リゴマーまたはポリマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭
素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよ
び臭素化ポリカーボネートが好ましく、臭素化ポリスチ
レンが最も好ましく使用できる。
【0039】上記の好ましい有機臭素化物についてさら
に詳しく述べると、臭素化エポキシポリマーとしては下
記一般式(i)で表わされるものが好ましい。
【0040】
【化12】 上記一般式(i)中の重合度nは好ましくは15以上、
さらに好ましくは50〜80である。
【0041】本発明に用いる臭素化ポリスチレンとして
はラジカル重合またはアニオン重合によって得られたポ
リスチレンを臭素化することによって製造された臭素化
ポリスチレンおよび架橋臭素化ポリスチレン、あるいは
臭素化スチレンモノマをラジカル重合またはアニオン重
合、好ましくはラジカル重合によって製造された(ii)お
よび/又は(iii)式で表わされる臭素化スチレン単位を
有するポリ臭素化スチレンなどが挙げられるが、とりわ
け臭素化スチレンモノマーから製造した下記(ii)および
/又は(iii)式で示される構造単位を主要構成成分とす
る重量平均分子量が1×103〜120×104のポリ臭
素化スチレンが好ましい。
【0042】
【化13】 ここでいう臭素化スチレンモノマーとはスチレンモノマ
ー1個あたり、その芳香環に2〜3個の臭素原子が置換
反応により導入されたものが好ましく、二臭素化スチレ
ンおよび/又は三臭素化スチレンの他に一臭素化スチレ
ンなどを含んでいてもよい。
【0043】上記ポリ臭素化スチレンは二臭素化スチレ
ンおよび/又は三臭素化スチレン単位を60重量%以上
含有しているものが好ましく、70重量%以上含有して
いるものがより好ましい。二臭素化スチレンおよび/又
三臭素化スチレン以外に一臭素化スチレンを40重量%
以下、好ましくは30重量%以下共重合したポリ臭素化
スチレンであってもよい。このポリ臭素化スチレンの重
量平均分子量は1×104 〜15×104 がより好まし
い。なお、この重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラ
フを用いて測定した値であり、ポリスチレン分子量基準
の相対値である。
【0044】架橋臭素化ポリスチレンとしては、ジビニ
ルベンゼンで架橋された多孔質ポリスチレンを臭素化し
たポリスチレンが好ましい。
【0045】臭素化ポリカーボネートとしては、下記一
般式(iv)で表わされるものが好ましい。
【0046】
【化14】 (R4 、R5は置換あるいは無置換のアリール基を示
し、p−t−ブチルフェニル基が最も好ましい。) 上記一般式(iv)中の重合度nとしては4以上のものが
好ましく、8以上のもの、とりわけ8〜25がより好ま
しく使用できる。
【0047】赤燐は、赤燐粉末をそのまま使用すること
も可能であるが、通常、赤燐粒子表面を不活性物質で被
覆した改質赤燐を使用することが好ましい。被覆剤とし
ての不活性物質としては、例えば、アルミニウム、鉄、
クロム、ニッケル、銅、アンチモン、ジルコニウム、チ
タン等の金属水酸化物やフェノール系樹脂、尿素系樹
脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられ
る。なかでも平均粒径が100μm以下でフェノール系
樹脂により被覆された赤燐が熱安定性が高く、難燃効果
に優れているので好ましい。
【0048】難燃剤の含有量は、液晶性樹脂(A)10
0重量部に対して、0.01〜30重量部である。有機
臭素化物の含有量は、液晶性樹脂(A)100重量部に
対して、0.5〜30重量部、特に1〜20重量部が好
適である。また、赤燐の含有量は、0.01〜10重量
部、特に0.05〜1重量部が好適である。
【0049】また、本発明の液晶性樹脂組成物において
有機臭素化物は組成物中に平均径25μm以下で分散し
ていることが好ましく、2.0μm以下で分散している
ことがより好ましい。
【0050】また、本発明においてはさらにオレフィン
系重合体を配合することができる。かかるオレフィン系
重合体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ンおよび/またはプロピレンと炭素数が4以上のα−オ
レフィンからなる共重合体、エチレンおよび/またはプ
ロピレンと炭素数が4以上のα−オレフィンおよび非共
役ジエンからなる共重合体等が挙げられ、これらは1種
または2種以上を併用して用いることができる。
【0051】炭素数が4以上のα−オレフィンとして
は、好ましくはブテン−1、ペンテン−1、3−メチル
ペンテン−1、オクテン−1などであり、プロピレンお
よびブテン−1がさらに好ましく、これらは2種以上併
用して使用できる。
【0052】非共役ジエンとしては、好ましくは5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
1,4−ヘキサジエン等が使用できる。
【0053】エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィ
ンからなる共重合体におけるエチレンと炭素数が3以上
のα−オレフィンの共重合比は、通常、40/60〜9
9/1(モル比)、好ましくは70/30〜95/5
(モル比)である。
【0054】エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィ
ンおよび非共役ジエンからなる共重合体におけるエチレ
ンの共重合量は、通常、5〜96.9モル%、好ましく
は30〜84.5モル%であり、炭素数が3以上のα−
オレフィンの共重合量は、通常、3〜80モル%、好ま
しくは15〜60モル%であり、非共役ジエンの共重合
量は、通常、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜
10モル%である。また、プロピレンと炭素数が4以上
のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる共重合体
におけるプロピレンの共重合量は、通常5〜96.9モ
ル%、好ましくは30〜84.5モル%であり、炭素数
が3以上のα−オレフィンの共重合量は、通常、3〜8
0モル%、好ましくは15〜60モル%であり、非共役
ジエンの共重合量は、通常、0.1〜15モル%、好ま
しくは0.5〜10モル%である。
【0055】これらの共重合体の具体例としてはエチレ
ン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/ペンテン−1共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ブテン−1共重合体、プロピレン/ペンテン−
1共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合体、エチレ
ン/プロピレン/5−エチリデン−2ーノルボルネン共
重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン
共重合体、プロピレン/ブテン−1/1,4−ヘキサジ
エン共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタ
ジエン共重合体などであり、なかでもエチレン/プロピ
レン共重合体およびエチレン/ブテン−1共重合体が耐
熱性に優れより好ましい。
【0056】上記オレフィン系重合体は2種以上併用す
ることもできる。
【0057】また、これらのオレフィン系重合体は、得
られる組成物の流動性の観点から、エポキシ基、カルボ
ン酸基などを含有する単量体が共重合されていないほう
が好ましい。
【0058】上記オレフィン系重合体の重量平均分子量
は離型効果、ウエルド強度、成形品外観および流動性の
点から10,000〜600,000、好ましくは3
0,000〜500,000、さらに好ましくは10
0,000〜450,000の範囲にあることが望まし
い。
【0059】上記オレフィン系重合体の含有量は、離型
性、ウエルド強度の点から液晶性樹脂(A)100重量
部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜
5重量部が特に好ましい。
【0060】本発明の液晶性樹脂組成物は物性向上のた
めにさらにエポキシ化合物を配合することができる。そ
の構造は必ずしも限定されるものではない。これらエポ
キシ化合物のエポキシ基の数は2つ以上であることが好
ましく、2つであることが最も好ましい。このエポキシ
化合物とは、グリシジルエーテル類、グリシジルエステ
ル・エーテル類、グリシジルエステル類、エポキシ化イ
ミド化合物、エポキシ基含有共重合体、エポキシシラン
類などであり、これらのエポキシ化合物は、一種だけで
なく二種以上を併用してもよい。
【0061】更に、本発明の液晶性樹脂組成物には、本
発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤およ
び熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキ
ノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫
外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、
ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤およ
び離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そ
のハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミ
ド、ポリエチレンおよびポリエチレンワックスなど)、
染料(たとえばニトロシンなど)および顔料(たとえば
硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックな
ど)を含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤、結晶核剤、難
燃剤、難燃助剤などの通常の添加剤を添加して、所定の
特性を付与することができる。
【0062】これらを添加する方法は溶融混練すること
が好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることがで
きる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、
ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、溶融混
練して組成物とすることができる。
【0063】かくしてなる本発明の液晶性樹脂組成物
は、優れた成形性を有し、通常の成形方法(射出成形、
押出成形、ブロー成形、プレス成形、インジェクション
プレス成形など)により、三次元成形品、シート、容器
パイプなどに加工することができ、特に射出成形により
得られた精密成形品に有効である。
【0064】本発明の液晶性樹脂組成物は各種ギア、各
種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケ
ット、抵抗器、リレーケーススイッチコイルボビン、コ
ンデンサー、バリコンケース、レンズホルダー、ベース
等の光ピックアップ部品、光コネクター、発振子、各種
端子板、液晶等の基板枠、変成器、プラグ、プリント配
線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッ
ドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモ
ジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部
品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、
モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コン
ピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;
VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤ
ー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディ
オ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声
機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイ
プライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表さ
れる家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター
関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複
写機関連部品、分離爪、洗浄用治具、オイルレス軸受、
船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、
ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部
品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光
学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナ
ル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、
ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガス
バルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各
種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテ
ークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイ
ント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペ
ーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温セン
サー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフ
トポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレー
キバット摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベー
ス、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーター
モーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプイン
ペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、
デュストリビュター、スタータースィッチ、スターター
リレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィ
ンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基
板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクタ
ー、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモー
ターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、
ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビ
ン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの
自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用である。
本発明の液晶性樹脂組成物は寸法安定性に優れており、
温度変化による寸法変化(線膨張率)が小さく、しか
も、その異方性が小さいので、精密成形品に適してい
る。特に成形品の線膨張率が50ppm/℃以下である
必要のある精密成形品に有用である。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述する
が、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0066】参考例1(A−1) p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレート216重量部及び無水酢酸960重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行っ
た。液晶開始温度293℃、対数粘度は1.49dl/
g、重量平均分子量は約21,000の液晶性樹脂が得
られた。
【0067】参考例2(A−2) p−ヒドロキシ安息香酸907重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル117重量部、ハイドロキノン30
重量部、テレフタル酸150重量部、固有粘度が約0.
6dl/gのポリエチレンテレフタレート294重量部
及び無水酢酸940重量部を攪拌翼、留出管を備えた反
応容器に仕込み、重合を行った。液晶開始温度291
℃、対数粘度は1.28dl/g、重量平均分子量は約
18,000の液晶性樹脂を得た。
【0068】参考例3(A−3) p−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル251重量部、ヒドロキノン149
重量部、2,6−ナフタレンジカルボン酸195重量
部、テレフタル酸299重量部及び無水酢酸1314重
量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合
を行った。液晶開始温度317℃、対数粘度6.12d
l/g、重量平均分子量約30,000の液晶性樹脂を
得た。
【0069】参考例4(A−4) 特開昭54−77691号公報に従って、p−アセトキ
シ安息香酸1265重量部と6−アセトキシ−2−ナフ
トエ酸456重量部を留出管を備えた反応容器に仕込み
重縮合を行った。液晶開始温度293℃、対数粘度5.
24dl/g、重量平均分子量約35,000の液晶性
樹脂を得た。
【0070】組成物中の石英ガラス繊維(B)の繊維長
分布、重量平均繊維長、L/Dは、組成物を550℃の
電気炉中で5時間加熱し、樹脂分を焼却した後、その残
さにて測定した。
【0071】実施例1〜6 参考例で得た液晶性樹脂(A)100重量部とASTM
E228に準じて測定した線膨張率が0.5ppm/
℃の石英ガラス繊維であって、アミノシランにより表面
処理した、繊維径9μm、繊維長6mmのチョップドタ
イプの石英ガラス繊維(B)をL/D=45の30mm
φ2軸押出機を用いて290〜330℃で種々の条件で
溶融混練してペレットとした(実施例1〜2、4〜
6)。実施例3においてはチョップドタイプの石英ガラ
ス繊維の代わりに、上記と同様の石英ガラス繊維であっ
て、ミルドタイプの石英ガラス繊維を使用した。
【0072】なお、液晶性樹脂(A)は2軸押出機の元
込め位置から供給し、石英ガラス繊維(B)は液晶性樹
脂が溶融した位置からサイドフィーダーにより供給し
た。熱風乾燥後、このペレットを住友ネスタ−ル射出成
形機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)
に供し、シリンダー温度290〜350℃、金型温度9
0℃に設定し、以下に示す測定用テストピースを射出成
形して得た。測定方法を以下に示す。
【0073】(1)曲げ特性 上記の成形機を用いて、3.2mm厚×12.7mm巾
×127mm長のテストピースを成形し、ASTM D
790に従って測定し、曲げ強度および曲げ弾性率を求
めた。
【0074】(2)寸法安定性 上記曲げ特性用テストピースの中央部から、3.2mm
厚×2mm巾×12.7mm長の試験片を樹脂の流動方
向と直角方向の2種類を切り出し、それぞれの線膨張率
をセイコー電子工業製SSC−5020・TMA100
により測定した。測定は20℃〜250℃までを10℃
/分の速度で昇温した。線膨張率は30℃を基準とし、
200℃までの値を求めた。
【0075】(3)薄肉流動性 上記の成形機を用いて、シリンダー温度融点+10℃、
金型温度120℃、射出速度99%、射出圧力500k
gf/cm2の条件で0.3mm厚×12.7mm巾の
1.0mmφピンゲートの試験片の棒流動長を測定し
た。
【0076】(4)電気特性 上記の成形機を用いて、2mm厚×80mm×80mm
の角板を成形し、18μm厚の圧延銅箔を用いたトリプ
レート線路共振器法(損失分離法)により1GHzの比
誘電率を測定した。
【0077】結果を表1に示す。
【0078】比較例1〜8 実施例2において充填材として石英ガラス繊維の代わり
に表1に示す充填材を配合した以外は実施例2と同様に
して組成物のペレットを製造した。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】 表1の結果から液晶性樹脂(A)と石英ガラス繊維
(B)を配合した特定の液晶性樹脂組成物の場合に限っ
て優れた曲げ強度、曲げ弾性率を有するとともに比誘電
率や線膨張率およびその異方性が小さく、しかも流動性
にも優れていることがわかる。
【0080】実施例8 実施例2において更に赤燐を液晶性樹脂組成物100重
量部に対し表2に示した割合に配合した以外は実施例2
と同様にして組成物のペレットを製造した。このペレッ
トを住友ネスタール射出成形機プロマット40/25
(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダー温度を
融点+10℃、金型温度を90℃の条件にて0.5mm
(厚み)×12.7mm×127mmの燃焼試験片を成
形し、該燃焼試験片を用いてUL94規格に従い垂直型
燃焼テストを実施し、難燃性を評価した以外は実施例2
と同様に行った。
【0081】これらの結果を表2に示した。
【0082】実施例9 実施例2において更にポリ(臭素化スチレン)を液晶性
樹脂組成物100重量部に対し表2に示した割合に配合
した以外は実施例2と同様にして組成物のペレットを製
造した。このペレットを住友ネスタール射出成形機プロ
マット40/25(住友重機械工業(株)製)に供し、
シリンダー温度を融点+10℃、金型温度を90℃の条
件にて0.5mm(厚み)×12.7mm×127mm
の燃焼試験片を成形し、該燃焼試験片を用いてUL94
規格に従い垂直型燃焼テストを実施し、難燃性を評価し
た以外は実施例2と同様に行った。
【0083】これらの結果を表2に示した。
【0084】
【表2】 液晶性樹脂組成物の薄肉流動性、曲げ特性や寸法安定性
を低下させることなく、難燃性を付与した。
【0085】実施例10 実施例2において更に表3に示した重量平均分子量40
0,000のポリエチレンを液晶性樹脂組成物100重
量部に対し表3に示した割合に配合した以外は実施例2
と同様にして組成物のペレットを製造した。このペレッ
トを東芝IS55EPN射出成形機(東芝機械プラスチ
ックエンジニアリング(株)製)に供し、シリンダー温
度を融点+10℃、金型温度90℃の条件で、サイズが
幅8mm×高さ10mm×長さ100mmで厚さが1m
mの箱型であって、厚さ0.8mmの隔壁を等間隔に4
か所設けた成形品を成形し、成形品を金型から突き出す
ときの突き出し力を測定し、離型性の評価を行った。
【0086】また成形品の外観を観察し、ガス焼けの有
無についても評価した。
【0087】
【表3】 液晶性樹脂組成物の機械特性や寸法安定性、流動性を低
下させることなく、金型離型性を付与した。
【0088】
【発明の効果】本発明の液晶性樹脂組成物は、薄肉流動
性と寸法安定性、機械的特性、電気特性に優れた特性が
得られることから、これらの特徴を有する電気・電子関
連機器、精密機械関連機器、事務用機器、自動車などそ
の他各種用途に好適な材料である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 5/06 CFG C08J 5/06 CFG

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶性樹脂(A)100重量部に対して、
    石英ガラス繊維(B)3〜300重量部を含有してなる
    液晶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】液晶性樹脂(A)が液晶性ポリエステルお
    よび/または液晶性ポリエステルアミドからなる液晶性
    樹脂である請求項1記載の液晶性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】液晶性樹脂(A)がエチレンジオキシド単
    位を必須成分として含有する液晶性ポリエステルおよび
    /または液晶性ポリエステルアミドからなる液晶性樹脂
    である請求項1または2記載の液晶性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】液晶性樹脂(A)が下記構造単位(I)、(I
    I)、(III) および(IV)からなり、構造単位(I)および(I
    I)の合計が構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し
    て60〜95モル%、構造単位(III) が構造単位(I)、
    (II)および(III)の合計に対して40〜5モル%であ
    り、構造単位(I)と構造単位(II)のモル比[(I)/(II)]が
    75/25〜95/5である液晶性ポリエステルである
    請求項1〜3のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成物。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。また構造単位(IV)は構造単
    位(II)および(III)の合計と実質的に等モルである。)
  5. 【請求項5】石英ガラス繊維(B)が、線膨張率2pp
    m/℃未満の石英ガラス繊維である請求項1〜4のいず
    れか記載の液晶性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】石英ガラス繊維(B)がシラン化合物、チ
    タネート化合物、アルミニウム化合物などのカップリン
    グ剤で表面処理してなる石英ガラス繊維である請求項1
    〜5いずれか1項記載の液晶性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】石英ガラス繊維(B)の組成物中の重量平
    均繊維長が0.05〜1mmである請求項1〜6いずれ
    か1項記載の液晶性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】繊維長0.05mm以上0.5mm未満の
    石英ガラス繊維の含有量が組成物中の石英ガラス繊維
    (B)の全量に対して98重量%以下である請求項1〜
    7いずれか1項記載の液晶性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】石英ガラス繊維(B)の組成物中の繊維長
    (L)と繊維径(D)の比L/Dが2以上である請求項
    1〜8いずれか1項記載の液晶性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】液晶性樹脂(A)100重量部に対し
    て、さらに難燃剤0.01〜30重量部を含有せしめて
    なる請求項1〜9のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】難燃剤が有機臭素化物および/または赤
    燐である請求項10記載の液晶性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】液晶性樹脂(A)100重量部に対し
    て、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンおよび/
    またはプロピレンと炭素数が4以上のα−オレフィンか
    らなる共重合体およびエチレンおよび/またはプロピレ
    ンと炭素数が4以上のα−オレフィンおよび非共役ジエ
    ンからなる共重合体から選ばれた1種以上でかつ、重量
    平均分子量が10,000〜600,000の範囲にあ
    るオレフィン系重合体0.01〜10重量部をさらに配
    合してなる請求項1〜11のいずれか1項記載の液晶性
    樹脂組成物。
  13. 【請求項13】液晶性樹脂(A)100重量部、繊維長
    1〜10mmに切断した石英ガラス繊維(B)10〜3
    00重量部を配合することにより請求項1〜12のいず
    れか1項記載の液晶性樹脂組成物を製造することを特徴
    とする液晶性樹脂組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項1〜12いずれか1項記載の液晶
    性樹脂組成物からなる精密成形品。
  15. 【請求項15】請求項1〜12いずれか1項記載の液晶
    性樹脂組成物からなる線膨張率の最大値が50ppm/
    ℃以下の精密成形品。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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EP3464449B1 (en) 2016-05-26 2019-08-21 SABIC Global Technologies B.V. Thermoplastic compositions for electronics or telecommunication applications and shaped article therefore
WO2024247703A1 (ja) * 2023-05-31 2024-12-05 住友化学株式会社 液晶ポリエステル組成物及びその製造方法

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