JPH11210875A - 作業車両の変速制御装置 - Google Patents

作業車両の変速制御装置

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JPH11210875A
JPH11210875A JP10022842A JP2284298A JPH11210875A JP H11210875 A JPH11210875 A JP H11210875A JP 10022842 A JP10022842 A JP 10022842A JP 2284298 A JP2284298 A JP 2284298A JP H11210875 A JPH11210875 A JP H11210875A
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speed
sensor
transmission
piston
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Hiroyoshi Ono
弘喜 小野
Yutaka Ono
豊 小野
Tomoyuki Ishida
智之 石田
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサ故障等の非常時にでも変速切替を応急
的に行えるようにする。 【解決手段】 ギヤ式変速装置と、その変速シフト位置
を設定する設定器35,36と、前記変速装置の変速シ
フト位置を切り替える油圧シリンダと、該油圧シリンダ
のピストンの作動量を検出するセンサ45A,45B
と、前記設定器35,36の設定結果に応じて前記油圧
シリンダのピストンを前記センサ45A,45Bの検出
値が所定の値となる位置まで作動させるフィードバック
式シフト制御もしくは前記設定器35,36の設定結果
に応じて前記油圧シリンダのピストンを予め設定された
時間だけ作動させる時間式シフト制御のいずれかを選択
して行うことのできる制御部50とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等の作業
車両に設けられるギヤ式変速装置の変速切替を電気的に
制御する変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ギヤ式変速装置の変速切替用シフタを油
圧シリンダで駆動する変速制御装置において、変速シフ
ト位置を設定する設定器と、前記油圧シリンダのピスト
ンの作動量を検出するセンサとが制御部の入力側に接続
され、且つ前記油圧シリンダ制御用電磁弁のソレノイド
が制御部の出力側に接続されており、前記設定器の設定
結果に応じて制御部からソレノイドに出力信号を出して
油圧シリンダのピストンを作動させると共に、該油圧シ
リンダのピストンの作動に伴い変化する前記センサの検
出値を制御部にフィードバックし、そのセンサの検出結
果が予め設定された所定の値となると制御部からソレノ
イドへの出力信号を停止して油圧シリンダのピストンの
作動を停止するように制御する構成のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の変速制御装
置は、変速切替用シフタを駆動するための油圧シリンダ
のピストンの作動量を検出するセンサからの情報に基づ
いて変速切替を制御しているので、センサが故障した場
合には変速切替をできなかった。トラクタ等の農業機械
は短い期間に集中して稼働させる必要があるため、この
期間中に上記の如くセンサの故障のため機械が使用でき
なくなると、作業計画に大きな狂いが生じる。そこで本
発明は、センサが故障した場合等の非常時にでも応急的
に対応できるようにすることを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明に
かかる作業車両の変速制御装置は、ギヤ式変速装置と、
その変速シフト位置を設定する設定器と、前記変速装置
の変速シフト位置を切り替える油圧シリンダと、該油圧
シリンダのピストンの作動量を検出するセンサと、前記
設定器の設定結果に応じて前記油圧シリンダのピストン
を前記センサの検出値が所定の値となる位置まで作動さ
せるフィードバック式シフト制御もしくは前記設定器の
設定結果に応じて前記油圧シリンダのピストンを予め設
定された時間だけ作動させる時間式シフト制御のいずれ
かを選択して行うことのできる制御部とを具備すること
を特徴としている。
【0005】センサが正常に機能しているときは制御部
がフィードバック式変速制御を行うようにし、センサの
故障等により上記フィードバック式変速制御が行えない
時は制御部が時間式変速制御を行うように切り替える。
これにより、センサが故障した場合等の非常時にでも、
作業車両を運転して作業を続行することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。図1は作業車両の一種で
あるトラクタを表し、このトラクタ1は駆動車輪である
前輪2,2及び後輪3,3を備えている。トラクタ1の
機体前部にエンジン5が搭載され、その後側に後述する
主クラッチを収容するクラッチケース6が設けられ、さ
らにその後ろ側に後述する前後進変速装置、主変速装
置、及び副変速装置等を収容するミッションケース7が
設けられている。
【0007】左右の後輪3,3の前方から上方にかけて
フェンダー9,9が取り付けられ、この左右フェンダー
の間に座席10が設けられている。座席10の前方に
は、前輪2,2を操向操作する操向ハンドル11が設け
られている。符号12は主クラッチを入・切操作するク
ラッチペダル、13は前進と後進を切り替える前後進切
替レバー、14は変速位置を切り替える変速レバーであ
る。
【0008】機体の後部には図示しない昇降油圧シリン
ダで上下回動させるリフトアーム16,16が設けられ
ており、このリフトアームの先端部と作業機装着用のロ
ワリンク17,17の中間部とがリフトロッド18,1
8で連結されている。リフトアーム16,16を上げ作
動及び下げ作動させることにより、ロワリンク17,1
7とトップリンク19とで構成される三点リンク機構に
より支持される作業機が昇降する。なお、片方のリフト
ロッド18(図示例では右側)は左右傾動用の油圧シリ
ンダになっており、該油圧シリンダを伸縮させることに
より、作業機の左右傾斜が調整される。
【0009】図2はこのトラクタの伝動機構図である。
エンジン5の回転動力は、クラッチケース6内の主クラ
ッチ21を経由し、伝動入・切可能にミッションケース
7に入力される。ミッションケース7に入力された動力
は、前輪及び後輪を駆動する走行駆動力と外部動力取出
用のPTO駆動力の二系統に伝動分岐される。
【0010】走行駆動力は、多板油圧クラッチ式の前後
進切替装置25、シンクロメッシュ式の主変速装置2
6、及び同じくシンクロメッシュ式の副変速装置27で
変速される。前後進切替装置25は、前進油圧クラッチ
25aを入かつ後進油圧クラッチ25bを切にすると前
進速となり、前進油圧クラッチ25aを切かつ後進油圧
クラッチ25bを入にすると後進速になり、両油圧クラ
ッチ25a,25bをいずれも切にすると以後の伝動系
統への動力伝達が断たれる中立状態になる。主変速装置
26は「1速」〜「4速」の4段の変速位置を有し、ま
た副変速装置27は「超低速」「低速」「中速」及び
「高速」の4段の変速位置を有し、これら主変速装置2
6と副変速装置27の組み合わせにより、図3の表に示
すような16段の変速段数が前後進共に得られるように
なっている。
【0011】これらの装置25〜27を経由した動力の
一部は後輪デフ装置29に伝達され、左右の後輪3,3
を駆動し、また、残りの動力は前輪伝動軸30を介して
前輪デフ装置31へ伝達され、左右の前輪2,2を駆動
する。
【0012】一方、PTO駆動力は、PTO変速装置3
2を経由し、ミッションケース7の背面部から後方に突
出するPTO軸33に取り出される。PTO軸33の突
出部に、各種作業機(図示省略)への伝動軸が着脱自在
に伝動連結するようになっている。
【0013】主変速装置26と副変速装置27の変速シ
フト位置を切り替えるための前記変速レバー14は、図
4に示すように、把手部分に押しボタン式の増速用変速
スイッチ35と減速用変速スイッチ36が設けられ、レ
バー全体をH形のガイド溝37に沿って操作するように
なっている。増速用変速スイッチ35を押すと主変速が
「1速」から「4速」側へ順次シフトアップされ、減速
用変速スイッチ36を押すと主変速が「4速」から「1
速」側へ順次シフトダウンする。この主変速の切替は、
後述する如くノークラッチ操作で行われる。また、クラ
ッチペダル12を踏み込み主クラッチ21を切った状態
で変速レバー14をガイド溝の各シフト位置へ操作する
ことにより、副変速が「超低速(LL)」「低速
(L)」「中速(M)」及び「高速(H)」に切り替わ
る。
【0014】図5乃至図7は主変速装置26の変速シフ
ト位置切替機構を表している。主変速装置26は、「1
速」と「2速」を切り替えるシンクロメッシュ装置A
と、「3速」と「4速」を切り替えるシンクロメッシュ
装置Bとを備えている。各シンクロメッシュ装置A,B
のシフタ40A,40Bは、上下平行に設けた摺動軸4
1A,41Bに摺動自在に嵌合し、ミッションケース7
の外側面に設けた変速油圧シリンダ42A,42Bのピ
ストン43A,43Bにそれぞれ連結されている。変速
油圧シリンダ42A,42Bは、電磁弁44A,44B
によって制御される。変速油圧シリンダ42A,42B
はニュートラル位置Nを起点にしてピストン43A,4
3Bが後退及び突出するようになっており、ピストン4
3Aが後退すると「1速」、ピストン43Aが突出する
と「2速」、ピストン43Bが後退すると「3速」、ピ
ストン43Bが突出すると「4速」になる。ピストン4
3A,43Bの作動量は、ポテンショメータからなる主
変速位置センサ(1−2速センサ45A、3−4速セン
サ45B)にそれぞれ検出される。
【0015】副変速装置27は、「超低速」と「低速」
を切り替えるシンクロメッシュ装置と、「中速」と「高
速」を切り替えるシンクロメッシュ装置と備え、変速レ
バー14による手動操作でそれぞれのシンクロメッシュ
装置のシフタを作動させるようになっている。「超低
速」と「低速」のシフト位置は副変速位置センサ(LL
−L速センサ)46Aに検出され、「中速」と「高速」
のシフト位置は副変速位置センサ(M−H速センサ)4
6Bに検出される。
【0016】図8は変速切替を制御する変速制御装置の
ブロック図であって、制御部としてのコントローラ50
の入力側に、変速位置を設定する設定器としての前記変
速スイッチ35,36と、前記主変速位置センサ45
A,45Bと、前記副変速位置センサ46A,46B
と、クラッチペダル17を踏圧操作するとONになるク
ラッチペダルスイッチ51と、後記自動調整制御を行う
際に使用するチェックスイッチ52と、後記時間式変速
制御を行う際に使用する非常セットスイッチ53とが接
続され、コントローラ50の出力側に、変速油圧シリン
ダ42A,42Bを制御する電磁弁44A,44Bを切
り替えるためのソレノイド55,56,57,58と、
前後進切替装置の油圧クラッチ25a,25bをON・
OFF切り替える電磁弁V1 (図9参照)のソレノイド
59,60と、前記油圧クラッチ25a,25bの昇圧
制御用比例減圧弁V2 (図9参照)のソレノイド61
と、警報ブザー62と、変速モニタ63とがコントロー
ラ50の出力側に接続されている。また、コントローラ
50には記憶手段としてEEPROM64とRAM65
が接続されている。EEPROM54には、変速シフト
位置ごとに予め定めたシフタの作動位置の基準値が記憶
されている。
【0017】工場出荷時や部品等のメンテナンスを行う
時には、主変速装置26の駆動側と従動側が適正なタイ
ミングで噛み合うように前記シフタ40A,40Bの作
動位置の基準値(シフト基準値)を調整する初期調整を
行う。この初期調整の順序を、図10及び図11のフロ
ーチャートに基づいて説明する。
【0018】電源を入れ、センサ類の値を読み込んだ
後、予め設定した操作を行うと後述する自動調整モード
へ突入する。この予め設定した操作とは、本例ではチェ
ックスイッチ52をON、クラッチペダルスイッチ51
をON、及び増速用及び減速用変速スイッチ35,36
を共にONにする操作であり、これらの全ての操作を行
った場合にのみ自動調整モードへ突入するようにコント
ローラ50の記憶装置に記憶されている。上記操作のい
ずれか一つでも行われない場合は、自動調整モードへ突
入せず、ブザー52に出力する。後述する如く、変速油
圧シリンダ42A,42Bを実際に作動させて自動調整
制御を行うため、自動調整制御中、主クラッチ21が
「入」であると危険であるので、クラッチペダルスイッ
チ51がONでないと自動調整モードへ突入しないよう
にしているのである。
【0019】自動調整モードに突入すると、油圧を安定
させるために一定時間(本実施形態では500msec)変
速油圧シリンダ42A,42BをニュートラルN(「1
速」〜「4速」出力OFF)に保持した後、主変速位置
センサ45A,45Bのニュートラルのセンサ値を記憶
する。
【0020】そして、「1速」出力を実行し、一定時間
(本実施形態では400msec)が経過したなら所定時間
(本実施形態では10msec)ごとに1−2速センサ45
Aの値を検出し、そのセンサ値と前回検出のセンサ値を
比較する。両者の差が規定値以内(ほぼ0)である状態
が一定時間(本実施形態では100msec)経過したな
ら、各センサ値の平均値を算出する。このセンサ平均値
はシフタのストローク端の位置を表している。
【0021】変速油圧シリンダのピストンの移動時間と
シンクロメッシュ装置の同期時間を加味すると、変速出
力開始してからシンクロメッシュ装置の駆動側と従動側
の接続が完了するまでの時間は通常は0.2秒程度であ
る。ところが、油温の影響等でそれ以上時間がかかるこ
ともあるので、本実施形態では、この時間の約2倍の
0.4秒経過してからストロークセンサの値を検出する
ことにより、誤検出を少なくしているのである。
【0022】次いで、上記「1速」のセンサ平均値と
「1速」のニュートラルセンサ値を比較する。両者の差
が規定値以上である場合は、シフタが正しく作動したと
判断し、センサ平均値データをRAM65にセットす
る。差が規定値未満である場合は、シフタが正しく作動
していないと考えられるので、EEPROM64のデー
タ内容を変更しないようにNGをセットする。
【0023】「2速」「3速」及び「4速」について
も、上記「1速」の場合と同様にしてセンサ平均値を求
める。ただし、「2速」から「3速」へ移行する際に
は、異なるシフタを作動させるので、変速油圧シリンダ
42A,42Bを一定の待機時間(本実施形態では50
0msec)ニュートラルNに保持する。
【0024】以上の操作を各変速位置ごとに複数回、例
えば3回行う。そして、得られた複数の平均値データを
比較し、下記のルールに基づいて、各変速位置ごとにシ
フタのストローク端の基準値を決定する。
【0025】すなわち、(1)各データの差が全て規定
内である場合は最小値(ニュートラルに近い側)を基準
値としてRAM55に格納し、(2)規定外の差がある
場合は最大値(ニュートラルに遠い側)を基準値として
RAM65に格納し、(3)各データとも差が規定外で
ある場合は異常であると判断して、EEPROM64の
データ内容を変更しないようにNGをセットする。
【0026】(1)の場合、各データの差は組付けのガ
タによるものであるので、いずれのデータを基準値とし
て採用してもよいが、少しでも変速油圧シリンダの不必
要な作動をなくすために最小値を基準値として採用して
いる。よって、場合によっては最大値を基準値として採
用してもよい。(2)の場合における差が規定外である
データ値は、変速油圧シリンダ内にエアが溜まっていた
り、シンクロメッシュ装置のピンの先端同士が当たりシ
フタが移動できなかったりした異常時のものであるの
で、最大値を基準値とすることにより、上記異常時のデ
ータを基準値として採用されないようにしている。
【0027】上記のようにして各変速位置ごとのシフタ
のストローク端の基準値が決定されたならば、それをE
EPROM64に書き込み、ブザー52に出力する。ま
た、異常が発生してEEPROM64のデータを変更し
なかった場合は、正常時と異なる報知パターンでブザー
62に出力する。例えば、正常時には報知音を2回出力
し、異常時には報知音を連続出力する。そして、チェッ
クスイッチ52をOFFにすると、初期調整が完了し、
変速制御モードになる。
【0028】変速制御モードにおいては、図12のフロ
ーチャートに示す順序で制御を行う。まず、自動調整制
御で設定されたシフト基準値と、スイッチ、センサ類の
信号とを読み込む。次いで、変速スイッチ35,36に
よる主変速の変速操作の有無を判断し、変速操作があっ
たならば次に進み、無かったならば、主変速用ソレノイ
ド55,56,57,58への出力を現在のまま保持す
る。
【0029】変速操作があった場合、前進ソレノイド5
9と後進ソレノイド60を共にOFFにして油圧クラッ
チ25a,25bを切り、前後進切替装置25を中立に
する。次いで、非常セットスイッチ53の状態を判断
し、当該スイッチがONである場合はフィードバック式
シフト制御で主変速用ソレノイド55,56,57,5
8の出力を制御して変速シフト位置を切り替え、また当
該スイッチがOFFである場合は時間式シフト制御で主
変速ソレノイド55,56,57,58の出力を制御し
て変速シフト位置を切り替える。
【0030】フィードバック式シフト制御もしくは時間
式シフト制御により変速シフト位置を切り替えたなら
ば、変速後のシフト位置を変速モニタ63に表示(これ
については後で説明する)すると共に、油圧クラッチ昇
圧制御を行い油圧クラッチ25a(或は25b)を接続
する。この油圧クラッチ昇圧制御は、油圧クラッチのク
ラッチ圧を徐々に高めてクラッチを滑らかに且つ迅速に
接続する処理を行う制御である。
【0031】フィードバック式シフト制御は、図13の
フローチャートに示す順序で行う。全体の流れとして
は、第一段階で、現在のシフト位置を抜く方向にシフタ
が作動するように出力を実行し、主変速センサ45A
(或は45B)の検出値が所定のシフト「抜け」判定基
準と一致したなら上記出力を停止し、第二段階で、目標
シフト位置へ入れる方向にシフタが作動するように出力
を実行し、主変速センサ45A(或は45B)の検出値
が所定のシフト「入り」判定基準と一致したなら上記出
力を停止するように制御する。また、第一段階から第二
段階へ移行する際には、中立を確保するためシフト「抜
け」側の出力とシフト「入り」側の出力を一定時間(本
実施形態では50msec)OFFに保持するようにし
ている。
【0032】ここで、シフト「抜け」判定基準及びシフ
ト「入り」判定基準は、ソレノイドに出力停止指令を出
してから実際に変速油圧シリンダのピストンが停止する
までのピストン移動距離を考慮して設定された基準であ
り、下記の如く、シフト「抜け」判定基準はニュートラ
ル位置から適正距離だけ離れた位置に設定され、シフト
「入り」判定基準は初期調整で設定したシフト基準値よ
りもニュートラル側に適正距離だけ離れた位置に設定さ
れている。
【0033】ところで、電磁弁44A,44Bのスプー
ルの動作速度は往方向と復方向とで異なり、また片ロッ
ド型である変速油圧シリンダ42A,42Bはピストン
ロッドがある側と無い側とで油圧を受ける面積が異なる
ため、ピストンの動作速度はニュートラル位置から後退
する時と、後退位置からニュートラル位置へ復帰する時
と、ニュートラル位置から突出する時と、突出位置から
ニュートラル位置へ復帰する時とでそれぞれ異なってい
る。このため、シフト抜け判定基準及びシフト入り判定
基準をニュートラル位置から一律に同じ距離に設定して
おくと、シフト抜け判定時にニュートラル位置を少し越
えてしまったり、シフト入り判定時に実際にはすでにシ
フト「入り」が完了しているのに油圧クラッチ25a
(或は25b)の昇圧が行われないという不都合が生じ
る。そこで、どの変速位置についてもシフト抜け判定及
びシフト入り判定が正確に行われるように、ピストンの
動作速度に応じてシフト抜け判定基準及びシフト入り判
定基準を設定している。
【0034】具体的には、このトラクタの場合、ピスト
ンの動作速度の速い側のシフト抜け判定基準はニュート
ラル位置よりシフト基準値に対し50%離れた位置、ピ
ストンの動作速度の遅い側のシフト抜け判定基準はニュ
ートラル位置よりシフト基準値に対し40%離れた位
置、ピストンの動作速度の速い側のシフト入り判定基準
はニュートラル位置よりシフト基準値に対し80%離れ
た位置、及びピストンの動作速度の遅い側のシフト入り
判定基準はニュートラル位置よりシフト基準値に対し9
0%離れた位置にそれぞれ設定する。
【0035】図14は「3速」から「4速」へのシフト
変更及び「4速」から「3速」へのシフト変更時におけ
る主変速センサ値とソレノイド出力のタイムチャートで
ある。
【0036】「3速」の状態から、第一段階として3速
ソレノイドをOFFすると共に4速ソレノイドをONす
ると、若干の時間差をおいてシフタが作動を開始し、3
−4速センサ45Bの値が変化する。そして、そのセン
サ値がニュートラル位置Nより3速シフト基準値S3に
対し40%離れた位置を示す値(A点)となったなら
ば、4速ソレノイドをOFFにする。
【0037】その状態で一定時間(50msec)保持
した後、第二段階として4速ソレノイドをONにする。
すると、若干の時間差をおいてシフタが再び作動を開始
し、3−4速センサ45Bの値が変化する。そして、そ
のセンサ値がニュートラル位置Nより4速シフト基準値
S4に対し80%離れた位置を示す値(B点)となった
ならば、油圧クラッチ25a(或は25b)の昇圧を開
始する。ここで、「4速」のシフト入り判定基準(ピス
トンの動作速度の遅い側)を「3速」のシフト入り判定
基準(ピストンの動作速度の速い側)と同じようにニュ
ートラル位置よりシフト基準値に対し90%離れた位置
に設定しておくと、シフト「入り」が完了しているのに
油圧クラッチの昇圧が行われないタイムラグが生じてし
まうが、ピストンの動作速度に応じてシフト入り判定基
準を変えることにより、このタイムラグをなくすことが
できる。
【0038】また、「4速」の状態から、第一段階とし
て4速ソレノイドをOFFすると共に3速ソレノイドを
ONすると、若干の時間差をおいてシフタが作動を開始
し、3−4速センサ45Bの値が変化する。そして、そ
のセンサ値がニュートラル位置Nより4速シフト基準値
S4に対し50%離れた位置を示す値(C点)となった
ならば、3速ソレノイドをOFFにする。ここで、「4
速」のシフト抜け判定基準(ピストンの動作速度の速い
側)を「3速」のシフト抜け判定基準(ピストンの動作
速度の遅い側)と同じようにニュートラル位置よりシフ
ト基準値に対し40%離れた位置に設定しておくと、ニ
ュートラル位置を少し越えてしまうことになるが、ピス
トンの動作速度に応じてシフト抜け判定基準を変えるこ
とにより、これを防止できる。
【0039】両ソレノイドがOFFの状態で一定時間
(50msec)保持した後、第二段階として3速ソレ
ノイドをONにする。すると、若干の時間差をおいてシ
フタが再び作動を開始し、3−4速センサ45Bの値が
変化する。そして、そのセンサ値がニュートラル位置N
より3速シフト基準値S3に対し90%離れた位置を示
す値(D点)となったならば、油圧クラッチ25a(或
は25b)の昇圧を開始する。
【0040】本実施形態ではシフト抜け判定基準及びシ
フト入り判定基準を予め定めた上記位置に設定するが、
これを前回同じシフト変更を行った時の主変速センサ値
の変化と昇圧タイミングを基にして各回ごとに補正する
ように構成してもよい。
【0041】また、本実施形態では第一段階から第二段
階へ移行する際に中立を確保するためシフト「抜け」側
の出力とシフト「入り」側の出力をOFFにする時間を
一定時間(50msec)に固定しているが、この中立
保持時間を主変速センサの検出値の変化に基づき各回ご
とに変更するようにしてもよい。すなわち、主変速セン
サの検出値の変化が0(零)もしくは0(零)に近い値
となった時点で、目標とするシフト位置への出力実行を
開始するのである。これにより、図15に示すように、
中立保持時間を固定している場合(同図において破線で
示す)と比較し、目標シフトへΔtだけ早く出力するこ
とができ、シフト変更に要する時間が短縮化される。
【0042】時間式シフト制御は、図16のフローチャ
ートに示す順序で行う。すなわち、現在のシフト位置を
抜く方向にシフタが作動するように一定時間t1 だけ出
力を実行し、次いで一定時間t2 だけ全出力をOFFに
保持し、次いで目標シフト位置へ入れる方向にシフタが
作動するように一定時間t3 だけ出力を実行するのであ
る。このように、主変速センサの検出値が制御に関与せ
ず、時間データのみでシフト変更を行う。このため、主
変速センサが故障してフィードバック式シフト制御を行
えない場合、非常セットスイッチ53をONにして時間
式シフト制御でシフト変更を行うようにすることによ
り、応急的にトラクタを運転することが可能である。
【0043】次に、変速モニタ63による主変速の変速
シフト位置の表示方法について説明する。図17のフロ
ーチャートに示すように、コントローラ50からは、初
期調整モードである場合は現在出力中の主変速シフト位
置情報が変速モニタ63に送信され、通常の変速制御モ
ードである場合は主変速センサの検出値データが変速モ
ニタ63に送信される。
【0044】変速モニタ63は、変速シフト位置を表示
するLEDと数値及びメッセージを表示する液晶表示部
とを備え、コントローラ50から送信されるデータを上
記LEDと液晶表示部に表示するように、内蔵のマイコ
ンによって図18のフローチャートに示す順序で制御す
る。
【0045】コントローラ50から送信されるデータが
初期調整モードのものである場合は次のように表示す
る。調整中である時は、は現在出力中のシフト位置をL
EDに表示すると共に、液晶表示部に『シフト調整中』
と表示する。調整が正常に終了した時は、液晶表示部に
『シフト調整終了』と表示する。また、調整が正常に終
了しなかった時は、異常が発生したシフト位置をLED
を点滅させて表示すると共に、液晶表示部にそのシフト
位置の異常値を表示する。これにより、外部接続の別機
材を使用することなく、異常であるセンサを判断するこ
とができる。また、その異常値を読み取ることにより、
センサ自体が不良であるのか、或はセンサの取り付けが
不良であるのかを判断できる。
【0046】コントローラ50から送信されるデータが
通常の変速制御モードである場合は、送信されてきた主
変速センサの検出値データをLEDと液晶表示部に表示
する。
【0047】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる作
業車両の変速制御装置は、変速シフト位置を切り替える
油圧シリンダのピストンの作動量を検出するセンサ情報
に基づいて変速シフト切替を行うフィードバック式シフ
ト制御と、前記センサ情報に関係なく時間データのみ変
速シフト切替を行う時間式シフト制御とのいずれかを選
択して行うことができるので、前記センサが故障したと
しても、時間式シフト制御を選択することで作業車両を
運転して作業を続行することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの全体側面図である。
【図2】伝動機構図である。
【図3】変速段数と主変速の変速位置及び副変速の変速
位置との関係を示す表である。
【図4】変速レバーの斜視図である。
【図5】主変速装置の変速位置切替機構の正面図であ
る。
【図6】主変速装置の変速位置切替機構の側面図であ
る。
【図7】主変速装置の変速位置切替機構の平面図であ
る。
【図8】変速制御装置のブロック図である。
【図9】前後進切替装置及び主変速装置の油圧回路図で
ある。
【図10】自動調整制御の全体のフローチャートであ
る。
【図11】自動調整制御における自動調整出力実行制御
のフローチャートである。
【図12】変速制御の全体のフローチャートである。
【図13】変速制御におけるフィードバック式シフト制
御のフローチャートである。
【図14】中立保持時間を固定した場合におけるシフト
変更時の主変速センサ値とソレノイド出力のタイムチャ
ートである。
【図15】中立保持時間を各回ごとに変更する場合にお
けるシフト変更時の主変速センサ値とソレノイド出力の
タイムチャートである。
【図16】変速制御における時間式シフト制御のフロー
チャートである。
【図17】コントローラによるシフト情報送信制御のフ
ローチャートである。
【図18】変速モニタによりシフト情報表示制御のフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 トラクタ(作業車両) 2 前輪 3 後輪 5 エンジン 7 ミッションケース 14 変速レバー 25 前後進切替装置 26 主変速装置 27 副変速装置 35 増速用変速スイッチ(設定器) 36 減速用変速スイッチ(設定器) 42A,42B 変速油圧シリンダ 43A,43B ピストン 45A,45B 主変速センサ 50 コントローラ(制御部) 53 非常セットスイッチ 63 変速モニタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギヤ式変速装置と、その変速シフト位置
    を設定する設定器と、前記変速装置の変速シフト位置を
    切り替える油圧シリンダと、該油圧シリンダのピストン
    の作動量を検出するセンサと、前記設定器の設定結果に
    応じて前記油圧シリンダのピストンを前記センサの検出
    値が所定の値となる位置まで作動させるフィードバック
    式シフト制御もしくは前記設定器の設定結果に応じて前
    記油圧シリンダのピストンを予め設定された時間だけ作
    動させる時間式シフト制御のいずれかを選択して行うこ
    とのできる制御部とを具備することを特徴とする作業車
    両の変速制御装置。
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