JPH112108A - 内燃機関の可変バルブタイミング機構 - Google Patents

内燃機関の可変バルブタイミング機構

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JPH112108A
JPH112108A JP15511397A JP15511397A JPH112108A JP H112108 A JPH112108 A JP H112108A JP 15511397 A JP15511397 A JP 15511397A JP 15511397 A JP15511397 A JP 15511397A JP H112108 A JPH112108 A JP H112108A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カムシャフトへの可変バルブタイミング機構の
組み付け作業を容易かつ的確に行えるようにする。 【解決手段】所定の回転位相においてカムシャフト12
とドリブンギア21間の相対回動を制限するロック機構
を備えたベーン式の可変バルブタイミング機構11にお
いて、ドリブンギア21と一体回転する前面カーバー2
6とカムシャフト12と一体回転する内部ロータ14
に、ロック機構が作動しない回転位相において位置が重
なるように、挿通孔50および挿通穴51を形成する。
組み付け作業時には、これら孔および穴の位置が重なり
合う回転位相において、同孔50および穴51内に略コ
の字形状をした断面円形状の締結ピン52の一端を挿入
し、同時にもう一端をハウジング13の外周側面に係合
させて前面カバー26と内部ロータ14とを締結する。
同ピン52の装着により内部ロータ12とドリブンギア
21の相対回動が規制され、締結ピン52嵌入時には、
ロック機構が非作動となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気・
排気バルブの開閉時期を可変とする内燃機関の可変バル
ブタイミング機構、特にロック機構を有するベーン式の
可変バルブタイミング機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の可変バルブタイミング機構
は、カムシャフトの回転位相を変更することで、吸気・
排気バルブの開閉時期を調整するものである。この機構
により、負荷や回転数などの内燃機関の運転状態に応じ
てバルブの開閉時期を最適化することが可能となる。し
たがって、幅広い運転領域にわたり、内燃機関の燃費や
出力、エミッション等を向上することが可能となる。可
変バルブタイミング機構には様々な形式のものが存在し
ているが、特開平1−92504号公報に記載された
「弁開閉調整装置」などがその一例として掲げられる。
【0003】前記公報に掲げられたような形式の可変バ
ルブタイミング機構は、カムシャフトと一体となって回
転する第1の回転体と、内燃機関のクランクシャフトに
駆動連結されたドリブンギアと一体回転する第2の回転
体を備えている。前記の両回転体の間には圧力室が設け
られている。この圧力室内の流体圧を変化させること
で、前記両回転体を相対回動させている。この相対回動
により、カムシャフトの回転位相を変更し、同カムシャ
フトによって駆動する吸気・排気バルブの開閉タイミン
グを変更することが可能となる。このような構成の可変
バルブタイミング機構は、一般に「ベーン式可変バルブ
タイミング機構」と呼ばれる。
【0004】内燃機関が定常運転している場合には、カ
ムシャフトの回転位相を適当な位置に変更した後、その
位置に固定しておく必要がある。ベーン式可変バルブタ
イミング機構の中には、回転位相を固定するための機構
として前記両回転体の相対回動を固定するロック機構を
設けたものや、カムシャフトの回転位相の固定も圧力室
内の流体圧によって行うものなどがある。
【0005】また、圧力室内の流体圧によりカムシャフ
トの回転位相を固定する形式の可変バルブタイミング機
構では、同機構への流体圧の供給が十分でない場合、例
えば内燃機関の始動直後などには、回転位相の固定が十
分に行えず、可変バルブタイミング機構としての動作が
不安定となることがある。これを防止するため、内燃機
関の始動直後には、両回転体の相対回動を固定するロッ
ク機構を設けた可変バルブタイミング機構も存在する。
【0006】このように、ベーン式可変バルブタイミン
グ機構には、何らかのロック機構を備えたものが多く存
在している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したようなロック
機構を備えたベーン式可変バルブタイミング機構では、
同機構をカムシャフトに取り付ける組み付け作業以前に
ロック機構が作動することにより、第1の回転体、第2
の回転体が設定とは異なった位置関係において固定され
てしまうことがある。この状態で組み付け作業を実施し
ようとすると、第1の回転体、あるいは第2の回転体の
設計における回転中心軸が、カムシャフトの回転中心軸
と一致しない状態となる可能性がある。この中心軸のず
れが大きいと、組み付け作業そのものが実施不可能とな
る場合も考えられる。
【0008】また、たとえ組み付け自体は可能であった
としても、中心軸がずれたことにより回転バランスが崩
れることが考えられる。さらに、可変バルブタイミング
機構の構成要素間の摺接部におけるクリアランスが十分
でなくなり、摩耗による損傷や焼き付き等が発生する場
合がある。また、それとは逆に、クリアランスが広くな
りすぎ、圧力室のシール性が失われ、内部の流体が漏洩
したり、圧力室内へ外部の空気等が混入するおそれもあ
る。他にも、ロックピン機構が固定状態のまま咬合して
しまい、解除できなくなるおそれすらある。
【0009】このような問題は、組み付け作業が完了す
るまでの間、ロックピン機構が作動しないよう可変バル
ブタイミング機構を取り扱うことで防止可能である。し
かしながら、現状では作業者の注意力に頼らざるを得な
い。
【0010】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たもので、その目的は、ロック機構の不用意な作動を防
止してカムシャフトへの組み付け作業を容易かつ的確な
らしめ、ひいてはその組み付け後の安定した動作を保証
する内燃機関の可変バルブタイミング機構を提供するこ
とにある。
【0011】
【問題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、請求項1に記載の発明では、同一の回転軸心を有
して内燃機関の出力軸および同機関のバルブを開閉駆動
するカムシャフトの一方および他方に連結される第1お
よび第2の回転体を備えるとともに、前記第2の回転体
に形成された凹部を前記第1の回転体に形成されたベー
ンにて区画することによりベーンの両側に第1および第
2の液室を形成し、該形成した液室に対する液圧制御に
基づき前記第1および第2の回転体を相対回転させて前
記機関出力軸と前記カムシャフトとの相対回転位相を変
更する内燃機関の可変バルブタイミング機構において、
付勢手段による付勢力に基づき前記第1および第2の回
転体を特定の回転位相に係止するとともに、前記第1お
よび第2の液室の少なくとも一方に供給される液圧に基
づき同係止が解除されるロック機構と、該ロック機構に
より係止されない所定の回転位相にて任意解除可能に前
記第1および第2の回転体を締結する締結手段とを備え
るようにする。
【0012】同構成によれば、上記締結手段を通じて第
1および第2の回転体をロック機構により係止されない
所定の回転位相に締結しておくことができるようにな
る。そして、第1および第2の回転体をこうして締結し
ておくことで、同回転体のカムシャフトへの組み付け等
に際してもロック機構が不用意に作動するようなことは
なくなり、その組み付け作業を容易かつ的確なものとす
ることができるようになる。しかも、第1および第2の
回転体がこうして的確にカムシャフトに組み付けられる
ことで、同可変バルブタイミング機構としての安定した
動作も保証されるようになる。なお、上記締結手段は、
第1および第2の回転体のカムシャフトへの組み付け作
業後、その締結状態が任意解除される。
【0013】また、請求項2に記載の発明では、上記請
求項1に記載の発明の構成において、前記締結手段は、
前記ロック機構により係止されない所定の回転位相にて
前記第1および第2の回転体間に連通される連通穴と、
一端が該連通穴に嵌入されるとともに他端が前記第2の
回転体外周部に係合される態様で張架される略コの字状
の締結ピンとを有して構成され、前記第1および第2の
回転体の前記カムシャフトへの装着時、前記締結ピンが
張架されてその締結状態が保持され、前記第1および第
2の回転体の前記カムシャフトへの装着後、同締結ピン
が離脱されてその締結状態が解除されるものとする。
【0014】同構成によれば、締結手段として基本的に
は上記連通穴に上記締結ピンを嵌入せしめるだけの極め
て簡素な構造とすることができるとともに、同締結ピン
の他端は第2の回転体外周部に係合される態様で張架さ
れているため、その搬送途中などにおいても同締結ピン
が落下してしまうようなこともない。また、第1および
第2の回転体のカムシャフトへの組み付け後、その締結
を解除するにしても、上記締結ピンを引き抜くだけの簡
単な操作(作業)でこれが実現される。そして同構成の
場合、既存の可変バルブタイミング機構への採用も容易
である。
【0015】また、請求項3に記載の発明では、同一の
回転軸心を有して内燃機関の出力軸および同機関のバル
ブを開閉駆動するカムシャフトの一方および他方に連結
される第1および第2の回転体を備えるとともに、前記
第2の回転体に形成された凹部を前記第1の回転体に形
成されたベーンにて区画することによりベーンの両側に
第1および第2の液室を形成し、該形成した液室に対す
る液圧制御に基づき前記第1および第2の回転体を相対
回転させて前記機関出力軸と前記カムシャフトとの相対
回転位相を変更する内燃機関の可変バルブタイミング機
構において、前記第1および第2の回転体の一方に形成
された挿通孔を移動する移動体がそれら回転体の他方に
形成された係止穴に嵌入されることによって同第1およ
び第2の回転体を特定の回転位相に係止するロック機構
と、前記移動体を前記係止穴の形成された回転体側に付
勢する付勢手段と、任意解除可能に前記係止穴を塞ぐ係
止穴閉塞手段とを備えるようにする。
【0016】同構成によれば、上記ロック機構を構成す
る移動体(ロックピン)がたとえその係止穴に位置する
場合でも、上記係止穴閉塞手段を通じてその係穴への嵌
入、すなわち同ロック機構による第1および第2の回転
体の係止を禁止することができるようになる。したがっ
てこの場合、第1および第2の回転体が自由に相対回転
するようになるものの、同回転体のカムシャフトへの組
み付け等に際して少なくともロック機構が不用意に作動
することはなくなり、その組み付け作業を容易かつ的確
なものとすることができるようになる。しかも、第1お
よび第2の回転体がこうして的確にカムシャフトに組み
付けられることで、同可変バルブタイミング機構として
の安定した動作も保証されるようになる。なお、上記係
止穴閉塞手段は、第1および第2の回転体のカムシャフ
トへの組み付け後、その閉塞状態が任意解除される。
【0017】また、請求項4に記載の発明では、上記請
求項3に記載の発明の構成において、前記係止穴閉塞手
段は、前記係止穴の背後に設けられて、同係止穴に位置
する前記移動体を前記付勢手段による付勢力に抗して任
意移動せしめるスライド手段であるとする。
【0018】同構成によれば、上記スライド手段が上記
係止穴の入り口までスライドされた状態で実質的に同係
止穴が閉塞され、上記ロック機構を構成する移動体の係
止穴への嵌入が禁止される。そしてこの場合、第1およ
び第2の回転体のカムシャフトへの組み付け後、同スラ
イド手段を後退せしめてその閉塞状態を解除することと
なるが、その際の上記移動体の係止穴への嵌入量、すな
わち当該ロック機構としてのロック状態(部品公差によ
って決まる移動体の嵌入深さ)は同スライド手段の後退
量もしくは前記閉塞状態を完全解除した後これが移動体
の先端に当接するまでの進出量と密接な関係があること
から、このスライド手段を通じて上記ロック機構として
のロック機能を管理することができるようになる。
【0019】
【発明の実施形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明にかかる可変バルブ
タイミング機構の第1の実施の形態について、図1〜図
8を参照にして詳細に説明する。はじめに、本実施の形
態のもととなるロック機構付きのベーン式可変バルブタ
イミング機構の概要について図5〜8に基づき説明す
る。
【0020】図5はこうしたロック機構付きの可変バル
ブタイミング機構11の側面断面図を示している。同可
変バルブタイミング機構11が組み付けられるカムシャ
フト12は、エンジンのシリンダヘッド(図示しない)
に回転可能に取り付けられている。同カムシャフト12
の図中左側先端には内部ロータ14が、センタボルト2
8によって同カムシャフト12と一体回転可能に取り付
けられている。
【0021】また、同内部ロータ14の外周は、これと
相対回動の可能なハウジング13によって覆われてい
る。さらに同ハウジング13は、ドリブンギア21と一
体回転可能なように、取り付けボルト27により同ギア
21に取り付けられている。このドリブンギア21は、
図示しないタイミングベルトを介してエンジンのクラン
クシャフト(図示しない)に駆動連結されている。
【0022】図6は、可変バルブタイミング機構11の
正面断面図を示している。前記内部ロータ14の外周側
面には、同ロータの径方向に突き出した複数の(同例で
は4つの)ベーン15が設けられている。また、前記ハ
ウジング13の内周側面には複数の突起部23が設けら
れており、それら各突起部23の間の部分(以後、凹部
という)24に、前記のベーン15が配設されている。
内部ロータ14に設けられたベーン15の先端部分はハ
ウジング13の凹部24の内周側面に、また、ハウジン
グ13の突起部23は内部ロータ14の外周側面に、そ
れぞれ摺接されている。したがって、内部ロータ14と
ハウジング13は同一の回転軸を中心に互いに相対回動
が可能となっている。
【0023】また、図5に示すように、ハウジング13
には、同ハウジング13および前記内部ロータ14の先
端側側面を覆うための前面カバー26が取り付けボルト
27によって取り付けられており、この前面カバー26
も、先のドリブンギア21とハウジング13と共に一体
回転するようになっている。
【0024】一方、図6に示すように、凹部24の内
壁、前面カバー26およびベーン15の側面によって、
ベーン15の両側には圧力室29、30なる2つの空間
が形成されている。ここで、ベーン15から見て、カム
シャフト12(図5)の回転方向と同じ方向に形成され
た圧力室30を遅角側圧力室、逆方向に形成された圧力
室29を進角側圧力室と呼ぶことにする。
【0025】図5および図6に示すように、各圧力室2
9、30は、油圧通路P1,P2を通じて油が供給され
るようになっている。内部ロータ14は、各圧力室2
9、30に供給された油の圧力の大きさに応じて、カム
シャフト12の回転軸を中心にハウジング13に対して
相対回動する。
【0026】また、図5に示すように各油圧通路P1、
P2は、オイルコントロールバルブ40(以下,「OC
V」と表記する)に連結されている。同OCV40は、
電子制御装置41(以下、「ECU」と表記する)によ
って、エンジンの運転状態に応じて制御されている。E
CU41には、図示しない回転数センサや吸気圧セン
サ、クランク角センサ、カム角センサなどの様々なセン
サより検出信号が送られてくる。ECU41は、これら
検出信号に基づいて、エンジンの現在の運転状態に適し
たカムシャフト12における回転位相角(進角値)の目
標値を算出するとともに、この回転位相角の目標値と実
際の回転位相角との偏差を判断し、同偏差が所定値以下
となるようにOCV41を制御する。
【0027】すなわち、実際の回転位相角が算出した回
転位相角の目標値よりも遅れているならば、ECU41
は、圧力通路P1に油を供給し、圧力通路P2からは油
を排出させるようOCV40を制御する。やがて、進角
側圧力室29内の油圧は上昇し、遅角側圧力室30内の
油圧は減少する。
【0028】これによって、内部ロータ14はカムシャ
フト12の回転方向と同じ方向(以下、この回転方向を
「進角方向」という)に回動し、同内部ロータ14に固
定されたカムシャフト12の回転位相がドリブンギア2
1に対して進められる。すなわち、バルブの開閉時期が
早められる。
【0029】これに対して、実際の回転位相角が回転位
相角の目標値よりも進んでいる場合は、先ほどとは逆
に、ECU41は、油圧通路P2に油を供給し、油圧通
路P1からは油を排出させるようOCV40を制御す
る。
【0030】これにより、進角側圧力室29内の油圧が
減少し、遅角側圧力室30内の油圧が増加して、内部ロ
ータ14はカムシャフト12の回転方向とは逆方向(以
下、この回転方向を「遅角方向」という)に回動する。
すなわち、カムシャフト12の回転位相がドリブンギア
21に対して遅れ、バルブの開閉時期が遅くなる。
【0031】内燃機関の運転条件に適合する回転位相角
の目標値と実際の回転位相角との偏差が所定値以下とな
れば、ECU41は圧力通路P1、P2への油の入出を
遮断するようOCV40を制御する。このとき、圧力室
29、30内の油の圧力により、内部ロータ14とドリ
ブンギア21の相対回動が制限され、バルブの開閉時期
は固定される。
【0032】なお、図5および図6に示されるように前
記ベーン15および突起部23の先端部には断面が矩形
の溝31が形成されており、この溝31内には、板ばね
33(図5)によって摺接面に向かって付勢されている
シール部材32が配設されている。この機構により、隣
接する圧力室29、30間への油の漏洩を抑制すること
ができる。
【0033】このように、各圧力室29、30に供給す
る油の圧力を制御することで、エンジンのバルブの開閉
時期を変更することが可能となる。ところで、上記油圧
は、エンジンのクランクシャフトの回転によって作動す
るオイルポンプ16によって供給される。しかしなが
ら、エンジンの運転が開始された直後は、オイルポンプ
16も作動し始めたばかりであるため、上記OCV40
に十分な油が供給できない。したがって、各圧力室2
9、30内における油の圧力が低下し、その油圧によっ
て内部ロータ14とドリブンギア21の相対回動を固定
することができない。そのため、カムシャフト12のト
ルク変動により、内部ロータ14のベーン15が振動
し、ハウジング13の突起部23と衝突したり、あるい
はその衝突によって異音が発生したりすることがある。
【0034】そこで、このような衝突や異音の発生を防
止するため、例えば最遅角位相において内部ロータ14
とハウジング13との相対回動を規制するための前述し
たロック機構が設けられている。
【0035】次に、このロック機構の具体構造について
説明する。図5および図6に示すように、前記内部ロー
タ14のベーン15の一つには前記カムシャフト12の
軸方向に伸びる断面円形状の貫通孔34が形成されてい
る。同孔34には、その途中に段部34aが設けられて
おり、同段部34aより可変バルブタイミング機構11
の先端側の部分が拡径された形状になっている。
【0036】同孔34内には、ロックピン35が挿入さ
れている。同ロックピン35は、有底テーパ形状をして
おり、可変バルブタイミング機構11の先端側には拡径
部35aが形成されている。同ロックピン35は、外周
面が貫通孔34の内周面に摺設した状態で、カムシャフ
ト12の軸方向に沿って移動することができるようにな
っている。
【0037】前記貫通孔34において拡径された内周壁
と、前記ロックピン35の外周壁とによって囲まれた環
状の空間によって、ロックピンの係止状態を解除するた
めの圧力室36が形成されている。この圧力室36は、
進角側の圧力室29へ油を供給する油圧通路P1に連通
されており、同圧力室36には進角側の圧力室29と同
時に油を供給することができる。
【0038】ロックピン35内部と前記前面カバー26
の間には軸方向に伸びる収容空間37が形成されてお
り、同空間37の内部にはスプリング38が設けられて
いる。ロックピン35は、このスプリング38によって
ドリブンギア21側に付勢されている。
【0039】また、ドリブンギア21の可変バルブタイ
ミング機構11先端側において、ロックピン35に向か
い合う面には、同ピン35が嵌入可能な係止穴39が形
成されている。前記スプリング38によって付勢されて
いるロックピン35が同孔39内に嵌入すると、内部ロ
ータ14とドリブンギア21との相対回動が規制され
る。その結果、カムシャフト12はドリブンギア21と
一体となって回転するようになる。図5には、係止穴3
9内にロックピン35が嵌入されたときの状態を示して
いる。
【0040】また、前記係止穴39にロックピン35が
嵌入されると、内部ロータ14とハウジング13とは、
図6に示したような位置関係に保持される。すなわち、
内部ロータ14のベーン15は、ハウジング13の凹部
24内部において、ドリブンギア21に対するカムシャ
フト12の回転位相が最も遅れた状態になる位置(以
下、この状態における内部ロータ14の相対的な位置を
「最遅角位置」という)に配置される。
【0041】また、回転位相がこの最遅角位置から進角
方向に動いたときの状態を図7に示している。なお、前
記の係止穴39は、圧力通路P2に連結されており、遅
角側圧力室30内の油の一部が供給されるようになって
いる。
【0042】このロック機構により、エンジンの運転が
開始されてから前記の油圧通路P1、P2内の油の圧力
が一定値以上に増加するまでの間、前記内部ロータ14
は最遅角位置において、前記ロックピン35によって前
記ドリブンギア21に対して係止された状態を維持して
いる。
【0043】このとき同ロックピン35は、図8(b)
の拡大断面図に図示するように、前記係止穴39内に嵌
入されている。エンジンの運転が開始されることでオイ
ルポンプ16が駆動され、油が送られる。送られてきた
油は、前記OCV40によって選択された油圧通路P
1、P2を通り、進角側圧力室29あるいは遅角側圧力
室30のいずれかに供給される。またこのとき、前記貫
通孔39に設けられた圧力室36や前記係止穴39内に
も油が供給される。そして、同圧力室36あるいは係止
穴39内部の油の圧力が一定値以上に増加すると、前記
ロックピン35はスプリング38の付勢力に抗して可変
バルブタイミング機構11の先端方向へ移動する。この
移動により、内部ロータ14とドリブンギア21との係
止状態が解除され、両者間の相対回動が可能になる。こ
のときのロック機構の状態を図8(a)の拡大断面図に
示す。
【0044】ところで、こうした可変バルブタイミング
機構11にあっては、図5に併せ示すように、内部ロー
タ14のベーン15とハウジング13との摺接部A、お
よびドリブンギア21とカムシャフト12との摺接部B
では、油のシール性が損なわれない程度のクリアランス
を設けて、相対回動が滑らかに行われるようにする必要
がある。
【0045】一方、上述のように、可変バルブタイミン
グ機構11の内部ロータ14、ハウジング13、ドリブ
ンギア21およびカムシャフト12は、センタボルト2
8により、内部ロータ14とカムシャフト12とを連結
することで組み付けられている。そして、この組み付け
作業により、第1の回転体である内部ロータ14等と第
2の回転体であるハウジング13等との設計上の回転中
心軸がカムシャフト12の回転中心軸線上に固定され
る。
【0046】しかしながら同機構にあって、上記ロック
ピン35が係止穴39に嵌入された状態(ロック状態)
でこうしたの組み付け作業を行うと、第1の回転体であ
る内部ロータ14等と第2の回転体であるハウジング1
3等との設計上の回転中心軸が一致しなくなることがあ
る。
【0047】すなわち、ロックピン35の先端と係止穴
39とは、ロック時の信頼性を確保すべく、図5あるい
は図8に示す態様で所定のテーパを有して形成されてい
る。したがって、このようにロックピン35が係止穴3
9に嵌入された状態で同組み付けが行われた場合には、
ロックピン35自身の係止力により、特に上記摺接部A
において若干の傾きが生じ、前記の第1と第2の回転体
13、14の回転中心軸が一致しない状態で固定されて
しまうようになる。
【0048】そして、このように両回転体13、14の
中心軸が一致しない状態でカムシャフト12に対する可
変バルブタイミング機構11の組み付け作業を実施した
場合には、内部ロータ14とカムシャフト12とが的確
に連結されなくなったり、あるいは、ハウジング13と
ベーン12の間のクリアランスがなくなり、焼き付きや
摩耗による損傷等が発生したりすることがある。また、
そのまま、強引に組み付け作業を行った場合には、ロッ
クピン35と係止穴39とが咬着してしまい、油圧によ
ってはロック状態を解除できなくなることもある。
【0049】このような問題は、上記の摺接部Aおよび
Bのクリアランス、あるいは内部ロータ14とカムシャ
フト12との嵌合クリアランスを大きくすることで解消
可能ではあるが、それらクリアランスを大きくした場合
には、油のシール性が損なわれたり、カムシャフト12
の回転バランスが崩れるなど、新たな問題が生じること
をともなる。したがって、各部材間のクリアランスは可
能な限り小さく設定することが望ましい。
【0050】結局、こうした可変バルブタイミング機構
11にあって、その組み付け作業は、同機構11がロッ
クされていない状態で行う必要がある。そして、同組み
付け作業が完了するまでは、前記第1の回転体である内
部ロータ14等と第2の回転体であるハウジング13等
とが相対回転しないように可変バルブタイミング機構1
1を取り扱わなければならないなど、極めて煩わしいも
のであった。
【0051】そこで、本実施の形態にあっては、図5〜
図8に示した可変バルブタイミング機構11をもとに、
図1〜図4に示す態様でその改良を図っている。以下で
は、本実施の形態による改良点を中心にその構成を説明
する。
【0052】図1は、本実施の形態にかかる可変バルブ
タイミング機構11の側面断面図を、図2は同可変バル
ブタイミング機構11の正面図をそれぞれ示している。
これらの図に示すように、前面カバー18には挿通孔5
0(切欠き溝)が、内部ロータ14には挿通穴51がそ
れぞれ形成されている。これら挿通孔50および挿通穴
51は、ロック機構が作動する最遅角位置よりも進角側
の所定の回転位相において、互いが重なり連通するよう
な位置に形成されている。また、特に前面カバー18に
設けられる挿通孔50は、前記進角側圧力室29および
遅角側圧力室30からの油漏れによる可変バルブタイミ
ング機構11への悪影響を回避すべく、それら各圧力室
29および30から等距離に形成されている。
【0053】図3に示す締結ピン52は、図1および図
2に示す態様で前記挿通孔50および挿通穴51内に嵌
入されることで、ハウジング13と内部ロータ14との
相対回動を規制するためのものである。同ピン52は、
2カ所で折曲されて略コの字形状をした断面円形状もし
くは多角形状の棒材より形成されている。
【0054】ここで、同ピン52の両端より折曲部52
a、52bまでの部分は、係止部53a、53bとなっ
ている。前記折曲部52a、52bの内側には、円形の
切欠き52cが形成されている。同切り欠き52cによ
り、前記折曲部52a,52bの断面積は、同ピン52
のその他の部分の断面積よりも小さくなり、同折曲部5
2a、52bにおいて、弾性的な曲げが生じやすくなっ
ている。
【0055】さらに、前記折曲部52a、52bの折曲
角θは直角よりも若干小さくなっている。したがって、
前記両係止部53a、53bの先端部間の距離は、前記
折曲部52a、52b間の距離よりも小さくなるように
形成されている。
【0056】そして、図1および図2に示されるよう
に、この締結ピン52を可変バルブタイミング機構11
に装着したときには、その係止部の一方52aが前記挿
通孔50および挿通穴51に挿入され、もう一方52b
が前記ハウジング13および前面カバー26の外周側面
に係合されるように張架される。
【0057】このような装着時には、同ピン52の係止
部53a,53bが平行になり、同ピン52の折曲部5
2a、52bのたわみによる弾性力が作用する。そのた
め、その締結状態も好適に維持され、可変バルブタイミ
ング機構11の搬送途中等において同ピン52が不用意
に抜け落ちることはない。
【0058】さらに、締結ピン52は対称形状をしてい
るため、係止部53a,53bのどちらでも、挿通孔5
0および挿通穴51に嵌合することが可能である。した
がって、誤組み付けすることがなく、その締結作業を円
滑に進めることができる。
【0059】このように締結ピン52を装着することに
より、前記内部ロータ14とドリブンギア21(ハウジ
ング13)との相対回転位相が前記ロック機構の作動す
る位置関係、すなわちロックピン35が係止穴39に嵌
入される位置関係になることが防止され、なおかつ同ピ
ン52の係止力により、前記内部ロータ14とドリブン
ギア21(ハウジング13)とはその中心軸の位置がず
れることのないように維持される。
【0060】したがって、同可変バルブタイミング機構
11のカムシャフト12への組み付け作業時に前記ロッ
ク機構が不用意に作動することによって発生する上記の
問題は好適に回避されるようになる。また、組み付け完
了後は、上記締結ピン52を引き抜くだけの簡単な操作
(作業)でその締結状態を容易に解除でき、図4に示す
ように内部ロータ14(カムシャフト12)とドリブン
ギア21(ハウジング13)との相対回転を許容するこ
とができるようになる。しかもこのときには、同可変バ
ルブタイミング機構11もカムシャフト12に対して極
めて的確に組み付けられているため、同機構11として
の安定した動作が保証されるようにもなる。
【0061】また、本実施の形態の上記締結機構は、前
面カバー18および内部ロータ14にそれぞれ挿通孔5
0および挿通穴51を設けるとともに上記略コの字状の
締結ピン52を用意するだけの極めて簡素な構造である
ため、既存の可変バルブタイミング機構11への適用も
容易である。
【0062】以上説明した本実施形態は以下に示す特徴
を持つものである。 ・可変バルブタイミング機構のカムシャフト12への組
み付け時に、ロック機構が不用意に作動することはな
く、同組み付け作業を容易かつ的確なものとすることが
できる。
【0063】・上記の組み付け作業後には締結ピン52
を挿通孔50および挿通穴51から抜き取るだけの簡単
な操作(作業)でその締結状態を解除することができ
る。 ・既存の可変バルブタイミング機構への適用も容易であ
る。
【0064】なお、本実施の形態は、以下のようにその
構成を変更して実施することもできる。 ・本実施形態における挿通孔50および挿通穴51の位
置は、それら孔50および穴51内に締結ピン52を嵌
入することで内部ロータ14およびドリブンギア21
(ハウジング13)間の相対回転を規制することのでき
る位置であるならばどこに設けてもよい。例えば、前面
カバー18の挿通孔50をドリブンギア21側に形成
し、内部ロータ14のこれと対抗する位置に挿通穴51
を形成してもよい。
【0065】・本実施形態における締結ピン52は、挿
通孔50および挿通穴51に嵌合でき、内部ロータ14
とドリブンギア21(ハウジング13)の相対回転を規
制することの可能なものであれば、どのような形状であ
ってもよい。例えば単なる円筒形やテーパ形などでもよ
い。ただし、それらには、何らかの抜け落ち防止手段を
備えることが望ましい。
【0066】・本実施形態における締結ピン52をボル
トに、挿通孔50および挿通穴51の少なくとも一方を
ネジ穴に変更し、螺合によって抜け落ちを防止するよう
にしてもよい。
【0067】(第2の実施の形態)次に、本発明を具体
化した可変バルブタイミング機構の第2の実施の形態に
ついて、第1の実施の形態と異なる部分を中心に、図9
〜図11を参照して説明する。本実施の形態は、図5〜
図8に示した可変バルブタイミング機構にロック機構の
ロックを強制解除する機構を追加したものである。
【0068】図9に示すように、本実施の形態にかかる
可変バルブタイミング機構110にあって、ドリブンギ
ア21に設けられたロックピン35が嵌入される係止孔
39の背後側には、同孔39に連通する断面円形状の挿
通孔60が形成されている。挿通孔60の内部にはブッ
シュ66が圧入されている。
【0069】このブッシュ66の内部には、可変バルブ
タイミング機構110の前面側からタップ穴67が、そ
の反対側からは工具差し込み用孔68形成されている。
工具差し込み用孔68の径はタップ穴67の径よりも小
さく、段部69が形成されている。さらに、前記タップ
穴67内にはロック解除用のスライドピン61が配設さ
れている。前記ブッシュ66とこのスライドピン61と
によってロック解除機構は構成されている。
【0070】前記スライドピン61は、タップ穴67と
同じ径の拡径部62と、同拡径部62より可変バルブタ
イミング機構前面方向に突き出した押し出しピン63、
および、その逆方向に設けられたシール部64によって
構成されている。また、拡径部62のシール部64側に
は、スライド用工具(六角棒)が差し込まれる六角溝6
5が形成されている。こうしたスライドピン61のシー
ル部64側の側面構造を図11(a)に示す。
【0071】また、前記タップ穴67の内部側面および
スライドピン61の拡径部62の外部側面にはスライド
用のねじ溝が形成されており、ブッシュ66のタップ穴
67とスライドピン61の拡径部62とは螺合されてい
る。すなわちスライドピン61は、上記スライド用工具
(六角棒)によりそのシール部64側から回転させられ
ることによって、そのカムシャフト12の軸方向への前
進(進出)、後退が可能となっている。
【0072】なお、可変バルブタイミング機構110の
通常の作動時には、同図9に示すようにスライドピン6
1は最後退位置にあり、前記ロック機構の通常の作動を
許容している。
【0073】以下、図10および図11を参照して上記
スライド機構の扱い方、並びにその作用について説明す
る。同可変バルブタイミング機構110のカムシャフト
12への組み付け作業時には、スライドピン61を同機
構110の前面方向へスライドさせ、前記係止穴39を
実質的に塞いでおく。それによって、図10に示される
ように、ロックピン35が係止穴39に嵌入されてロッ
ク状態になることがなくなり、該組み付け作業時にロッ
クピン35と係止穴39との間に働く係止力によって内
部ロータ14とドリブンギア21(ハウジング13)の
中心軸が一致しなくなるなどの前述した問題点を好適に
解消されるようになる。
【0074】また、組み付け作業終了後には、同じくス
ライド用工具を用いて上記スライドピン61を最後退位
置にスライドさせる。それによって図11(b)に示さ
れるように、ロック機構が作用する通常の可変バルブタ
イミング機構作動状態に戻されるようになる。なおこの
とき、スライドピン61のシール部64とブッシュ66
の段部69は、その締め付けトルクによって密着されて
おり、この部分におけるシール性も好適に保証されてい
る。したがって、同ブッシュ66のタップ穴67内部か
ら工具差し込み用孔68を介して外部へ油が漏出した
り、また外部より空気が流入したりすることもない。
【0075】一方、本実施の形態にかかる上記スライド
機構によれば、一般に部品公差によって決まるロックピ
ン35の係止穴39への嵌入深さをそのスライドピン6
1を用いて外部から管理することができる。すなわち、
ロック機構が作動している状態で、ロックピン35が係
止穴39内の深い位置まで嵌入可能であれば、スライド
ピン61を可変バルブタイミング機構後方に大きくスラ
イドさせて、その係止穴閉塞機能を解除させる必要があ
る。
【0076】また、ロックピン35が係止穴39内の浅
い位置までしか嵌入できないのであれば、同スライドピ
ン61を可変バルブタイミング機構後方に少しスライド
させるだけで、その係止穴閉塞機構を解除することがで
きる。
【0077】このように、スライドピン61の深さロッ
ク機能の前記テーパに起因する内部ロータ14の回転方
向の自由度およびロックピン35が係止穴39内に嵌入
できる深さとの間には、一定の相関関係が存在する。し
たがって、上記スライドピン61により、可変バルブタ
イミング機構の外部から、ロックピン35の嵌入状態、
すなわちロック機構としてのロック状態を検知可能であ
る。そして、このようにしてロックピン35の嵌入状態
を管理することにより、その品質を一層安定化すること
が可能となり、信頼性の更なる向上を計ることができる
ようにもなる。
【0078】以上説明した本実施の形態によって得られ
る効果について、以下に記載する。 ・可変バルブタイミング機構のカムシャフト12への組
み付け作業時にロック機構を非作動状態とすることがで
き、同組み付け作業を円滑かつ的確に行うことができ
る。
【0079】・組み付け作業終了後には、スライドピン
61を後退移動させるだけの簡単な操作(作業)を通じ
て、ロック機構の機能を復旧させることができる。 ・さらに、このスライド機構によって、部品の公差によ
って決まるロック機構の機能を可変バルブタイミング機
構の外部から管理することが可能となる。
【0080】なお、本実施の形態も、以下のようにその
構成を変更して実施することができる。 ・本実施の形態におけるスライドピン61は、同ピン6
1の拡径部62の外周側面およびブッシュ66の内周側
面に形成されたネジによって、スライドまたは固定させ
ることが可能であるが、この機能を別の機構、例えば油
圧等によって代替させることも可能である。
【0081】・スライドピン61に形成された前記六角
溝65を変更して、プラスあるいはマイナスのドライバ
などの他の工具によって同ピン61の進退を操作できる
ようにすることもできる。
【0082】・本実施の形態では、スライドピン61に
よって任意解除可能に前記係止穴39を塞ぐ構造とした
が、要は任意解除可能に同係止穴39を塞ぐことのでき
る構造であればよく、他に例えば、外部から任意操作さ
れるシャッター機構なども適宜採用することができる。
【0083】・本実施の形態の可変バルブタイミング機
構は、内部ロータ14とカムシャフト12とが一体回転
し、ハウジング13とドリブンギア21とが一体回転す
る構成としたが、内部ロータ14とドリブンギア21と
が一体回転し、ハウジング13とカムシャフト12とが
一体回転する構成としてもよい。
【0084】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、締結手
段を通じて第1および第2の回転体をロック機構により
係止されない所定の回転位相に締結しておくことで、カ
ムシャフトへの組み付け等に際してもロック機構が不用
意に作動するようなことはなくなり、その組み付け作業
を容易かつ的確なものとすることができるようになる。
しかも、第1および第2の回転体がこうして的確にカム
シャフトに組み付けられることで、同可変バルブタイミ
ング機構としての安定した動作も保証されるようにな
る。なお、上記締結手段は、第1および第2の回転体の
カムシャフトへの組み付け作業後、その締結状態が任意
解除される。
【0085】また、請求項2に記載の発明によいれば、
締結手段として基本的には連通穴に締結ピンを嵌入せし
めるだけの極めて簡素な構造とすることができるととも
に、同締結ピンの他端は第2の回転体外周部に係合され
る態様で張架されているため、その搬送途中などにおい
ても同締結ピンが落下してしまうようなこともない。ま
た、第1および第2の回転体のカムシャフトへの組み付
け後、その締結を解除するにしても、上記締結ピンを引
き抜くだけの簡単な操作(作業)でこれが実現される。
そして同構成の場合、既存の可変バルブタイミング機構
への採用も容易である。
【0086】また、請求項3に記載の発明によれば、ロ
ック機構を構成する移動体(ロックピン)がたとえその
係止穴に位置する場合でも、係止穴閉塞手段を通じてそ
の係穴への嵌入、すなわち同ロック機構による第1およ
び第2の回転体の係止を禁止することができるようにな
る。したがってこの場合、第1および第2の回転体が自
由に相対回転するようになるものの、同回転体のカムシ
ャフトへの組み付け等に際して少なくともロック機構が
不用意に作動することはなくなり、その組み付け作業を
容易かつ的確なものとすることができるようになる。し
かも、第1および第2の回転体がこうして的確にカムシ
ャフトに組み付けられることで、同可変バルブタイミン
グ機構としての安定した動作も保証されるようになる。
なお、上記係止穴閉塞手段は、第1および第2の回転体
のカムシャフトへの組み付け後、その閉塞状態が任意解
除される。
【0087】また、請求項4に記載の発明によれば、ス
ライド手段が上記係止穴の入り口までスライドされた状
態で実質的に同係止穴が閉塞され、上記ロック機構を構
成する移動体の係止穴への嵌入が禁止される。そしてこ
の場合、第1および第2の回転体のカムシャフトへの組
み付け後、同スライド手段を後退せしめてその閉塞状態
を解除する。さらに、その際の上記移動体の係止穴への
嵌入量、すなわち当該ロック機構としてのロック性能は
(部品公差委よって決まる移動体の嵌入深さ)は同スラ
イド手段の後退量もしくは前記閉塞状態を完全解除した
後これが移動体の先端に当接するまでの侵出量と密接な
関係にあることから、このスライド手段を通じて上記ロ
ック機構としてのロック性能を管理することができるよ
うにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の可変バルブタイミング機構
の断面図。
【図2】第1の実施の形態の可変バルブタイミング機構
の正面図。
【図3】締結ピンの側面図。
【図4】第1の実施の形態の可変バルブタイミング機構
の正面図。
【図5】可変バルブタイミング機構の基本構成を示す断
面図。
【図6】可変バルブタイミング機構の基本構成を示す正
面図。
【図7】可変バルブタイミング機構の基本構成を示す正
面図。
【図8】ロックピンの作動状態を示す拡大側面図。
【図9】第2の実施の形態の可変バルブタイミング機構
の断面図。
【図10】ロック機構およびロック解除用のスライド機
構の拡大断面図。
【図11】ロック機構およびロック解除用のスライド機
構の拡大断面図。
【符号の説明】
11、110…可変バルブタイミング機構、12…カム
シャフト、13…ハウジング、14…内部ロータ、21
…ドリブンギア、29…遅角側圧力室、30…進角側圧
力室、35…ロックピン、50…挿通孔、51…挿通
穴、52…締結ピン、60…挿通孔、61…スライドピ
ン、66…ブッシュ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一の回転軸心を有して内燃機関の出力軸
    および同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一
    方および他方に連結される第1および第2の回転体を備
    えるとともに、前記第2の回転体に形成された凹部を前
    記第1の回転体に形成されたベーンにて区画することに
    よりベーンの両側に第1および第2の液室を形成し、該
    形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第1および
    第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と前記カ
    ムシャフトとの相対回転位相を変更する内燃機関の可変
    バルブタイミング機構において、 付勢手段による付勢力に基づき前記第1および第2の回
    転体を特定の回転位相に係止するとともに、前記第1お
    よび第2の液室の少なくとも一方に供給される液圧に基
    づき同係止が解除されるロック機構と、 該ロック機構により係止されない所定の回転位相にて任
    意解除可能に前記第1および第2の回転体を締結する締
    結手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミ
    ング機構。
  2. 【請求項2】前記締結手段は、前記ロック機構により係
    止されない所定の回転位相にて前記第1および第2の回
    転体間に連通される連通穴と、一端が該連通穴に嵌入さ
    れるとともに他端が前記第2の回転体外周部に係合され
    る態様で張架される略コの字状の締結ピンとを有して構
    成され、前記第1および第2の回転体の前記カムシャフ
    トへの装着時、前記締結ピンが張架されてその締結状態
    が保持され、前記第1および第2の回転体の前記カムシ
    ャフトへの装着後、同締結ピンが離脱されてその締結状
    態が解除される請求項1に記載の内燃機関の可変バルブ
    タイミング機構。
  3. 【請求項3】同一の回転軸心を有して内燃機関の出力軸
    および同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一
    方および他方に連結される第1および第2の回転体を備
    えるとともに、前記第2の回転体に形成された凹部を前
    記第1の回転体に形成されたベーンにて区画することに
    よりベーンの両側に第1および第2の液室を形成し、該
    形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第1および
    第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と前記カ
    ムシャフトとの相対回転位相を変更する内燃機関の可変
    バルブタイミング機構において、 前記第1および第2の回転体の一方に形成された挿通孔
    を移動する移動体がそれら回転体の他方に形成された係
    止穴に嵌入されることによって同第1および第2の回転
    体を特定の回転位相に係止するロック機構と、 前記移動体を前記係止穴の形成された回転体側に付勢す
    る付勢手段と、 任意解除可能に前記係止穴を塞ぐ係止穴閉塞手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミ
    ング機構。
  4. 【請求項4】前記係止穴閉塞手段は、前記係止穴の背後
    に設けられて、同係止穴に位置する前記移動体を前記付
    勢手段による付勢力に抗して任意移動せしめるスライド
    手段である請求項3に記載の内燃機関の可変バルブタイ
    ミング機構。
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