JPH11211662A - シリコン材料中の微量リンの迅速分析方法 - Google Patents

シリコン材料中の微量リンの迅速分析方法

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JPH11211662A
JPH11211662A JP1950398A JP1950398A JPH11211662A JP H11211662 A JPH11211662 A JP H11211662A JP 1950398 A JP1950398 A JP 1950398A JP 1950398 A JP1950398 A JP 1950398A JP H11211662 A JPH11211662 A JP H11211662A
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Kyoko Fujimoto
京子 藤本
Makoto Shimura
眞 志村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池や半導体、電子材料などに用いられ
る高純度シリコン材料などシリコン材料中の微量リン
を、短時間で迅速に定量分析することが可能なシリコン
材料中の微量リンの迅速分析方法の提供。 【解決手段】 シリコン材料を、直接、高温のプラズマ
中に挿入して励起発光させ、リンの発光強度を測定し、
得られたリンの発光強度と、リン濃度既知のシリコン試
料を用いて得られた検量線とから、シリコン材料中のリ
ン濃度を求めるか、より好ましくは、シリコン材料を、
直接、高温のプラズマ中に挿入して励起発光させ、リン
およびシリコンの発光強度を測定してその強度比を求
め、得られた強度比と、リン濃度既知のシリコン試料を
用いて得られたリンおよびシリコンの発光強度比とリン
濃度との相関を表す検量線とから、シリコン材料中のリ
ン濃度を求めるシリコン材料中の微量リンの迅速分析方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池や半導
体、電子材料などに用いられる高純度シリコン材料など
シリコン材料中のリンの分析方法に関し、特に、シリコ
ン材料中の微量リンを迅速に定量することが可能なシリ
コン材料中の微量リンの迅速分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リンは励起エネルギーやイオン化エネル
ギーが他の金属元素に比べて大きいため、原子吸光法や
ICP 分析法での分析感度が悪く、直接分析では、ppm レ
ベル以下の微量域には対応できない。シリコン材料中の
リンの分析に関しても同様で、例えば、シリコンウエハ
や太陽電池などで製品特性に大きな影響を与える元素と
してリンの分析要求が高いにも係わらず、提案されてい
る高感度分析手法は数少ない。
【0003】シリコン材料中のリンの分析法としては、
シリコンウエハを対象として、赤外線吸収法〔B.O.Kolb
esen:Appl.Phys.Letters,27,353 (1975) 〕やフォトル
ミネッセンス法〔田島道夫:応用物理,47,376 (1978)
〕による定量法が検討、確立されているが、前者は試
料の光入出射面を平坦で平滑に仕上げるための試料調製
が煩雑で長時間を要し、一方、後者は、装置自体が大が
かりで、分析にも半日程度の長時間を要するといった問
題があった。
【0004】そのため、本発明者らはシリコンを加圧状
態で酸の蒸気により分解し、その分解残渣中のリンをモ
リブデン酸と錯体を形成させ、陽イオン界面活性剤とイ
オン対を生成させた後、捕集してMoを測定し、リンを間
接的に高感度、高精度に定量する方法を提供した(特願
平9−15001 号:シリコン材料中リンの分析方法)。上
記した分析方法によれば、高純度シリコン中のppb レベ
ルの極微量リンが、高精度に簡便に分析可能であり、さ
らには、分析の大幅な迅速化が達成できた。
【0005】しかしながら、試料分解(:無人操作)に
数時間を要し、生産現場でのオンサイト分析など迅速な
分析要求に対応するために、さらに、試料調製から分析
を含めた分析所要時間が短く、高精度で、かつ簡便に分
析を行うことが可能なシリコン材料中の微量リンの分析
方法の開発が望まれた。一方、通常溶液分析法であるIC
P 発光分析法のプラズマ中に黒鉛カップに入れた試料を
直接挿入してその中の不純物元素を迅速に分析しようと
する方法が検討・報告されている〔E.D.Salin, G.Horli
ck:Anal.Chem.,51,13(1979)〕。
【0006】この報告で用いている固体試料は、グラフ
ァイトの粉末の表面に各元素を付着させた標準試料で、
実際に分析元素が固体そのものの内部に取り込まれてい
る試料ではなく分析元素の励起は実際の固体試料に比べ
てはるかに容易であり、マトリックス自体の蒸発量の変
動の影響も受けない。また、上記報告で用いている他の
固体試料であるNBS の環境試料もマトリックスが有機物
であるため、プラズマの低温部で予め加熱することによ
って、マトリックスのみを選択的に除去することができ
る。
【0007】すなわち、シリコン材料のような金属試料
中の微量元素の直接分析、すなわちマトリックス中の微
量元素の直接分析法としてICP 発光分析法を適用したも
のではない。試料直接挿入法の固体試料への他の適用例
としては、Al中に含まれる微量元素の分析法への適用例
があるが〔G.Zaray, P.Burba, J.A.C.Broekaert, F.Lei
s :Spectrochim.Acta,43B,255(1988)〕、キレート剤を
添加した酸およびアルカリ溶液を用いたセルロースによ
る予備濃縮後の試料を用いており、試料を直接分析する
方法ではなく、また、シリコン材料分析へのICP 発光分
析法の適用は検討されていない。
【0008】以上述べたように、例えばシリコンウエハ
や太陽電池などで製品特性に大きな影響を与える元素と
してリンの分析要求が高いにも係わらず、試料調製から
分析を含めた分析所要時間が短く、高精度で、かつ簡便
に分析を行うことが可能なシリコン材料中の微量リンの
迅速分析方法は見出されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、太陽電池や半導体、電子材料
などに用いられる高純度シリコン材料などシリコン材料
中の微量リンを、短時間で迅速に定量分析することが可
能なシリコン材料中の微量リンの迅速分析方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討する過程で、プラズマ中にお
いて、シリコン材料のマトリックスである高沸点のシリ
コンを十分気化、励起せしめることが可能で、また分析
対象元素であるマトリックス中のリンは昇華、励起する
と考え研究を行った。
【0011】その結果、シリコン材料を、直接、プラズ
マ中に挿入して励起発光させ、リンの発光強度を測定す
ることによって、高純度シリコン中のサブppm レベル以
下の微量リンを高精度で分析することが可能であること
を見出し、本発明に至った。すなわち、第1の発明は、
シリコン材料を、直接、高温のプラズマ中に挿入して励
起発光させ、リンの発光強度を測定し、得られたリンの
発光強度と、リン濃度既知のシリコン試料を用いて得ら
れた検量線とから、シリコン材料中のリン濃度を求める
ことを特徴とするシリコン材料中の微量リンの迅速分析
方法である。
【0012】第2の発明は、シリコン材料を、直接、高
温のプラズマ中に挿入して励起発光させ、リンおよびシ
リコンの発光強度を測定してその強度比を求め、得られ
た強度比と、リン濃度既知のシリコン試料を用いて得ら
れたリンおよびシリコンの発光強度比とリン濃度との相
関を表す検量線とから、シリコン材料中のリン濃度を求
めることを特徴とするシリコン材料中の微量リンの迅速
分析方法である。
【0013】前記した第1の発明、第2の発明のシリコ
ン材料中の微量リンの迅速分析方法においては、プラズ
マ中に試料を挿入するための試料カップとして、(1) 試
料収納部と、該試料収納部の支持部材である軸部の径d
が試料収納部下端の径Dの1/2以下である軸部とから
なる試料カップ、または(2) 試料収納部と、該試料収納
部の支持部材である非伝熱性の素材を用いた軸部とから
なる試料カップ、または(3) 試料収納部と、該試料収納
部の支持部材である軸部の径dが試料収納部下端の径D
の1/2以下であり、かつ非伝熱性の素材を用いた軸部
とからなる試料カップを用いることが好ましい。
【0014】なお、上記した第1の発明、第2の発明に
おけるプラズマとしては、ラジオ波あるいはマイクロ波
放電によって生成するAr、HeあるいはN2の高周波プラズ
マを用いることが好ましい。また、上記した第1の発
明、第2の発明の好適態様における非伝熱性の素材とし
ては、非金属無機材料であるセラミックスを用いること
が好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明では、黒鉛カップなど試料カップに収納し
たシリコン材料を、直接、高温のプラズマ中に挿入して
励起発光させ、リンの発光強度を測定する。得られたリ
ンの発光強度を、リン濃度既知のシリコン試料を用いて
得られた検量線によってシリコン材料中のリン濃度に換
算する。
【0016】さらに、本発明によれば、シリコン材料に
関してリンと同時にシリコンの発光強度を測定し、リン
濃度既知のシリコン試料を用いて得られた〔リンの発光
強度/シリコンの発光強度〕(強度比)とリン濃度との
相関を表す検量線を用いてシリコン材料中のリン濃度を
求めることによって、さらに分析精度を向上させること
ができる。
【0017】さらに、本発明によれば、プラズマ中に試
料を挿入するための試料カップとして、(1) 試料収納部
の支持部材である軸部の径dを試料収納部下端の径Dに
対して細くした試料カップ、または(2) 試料収納部の支
持部材である軸部の材質を非伝熱性の素材とした試料カ
ップ、または(3) 試料収納部の支持部材である軸部の径
dを試料収納部下端の径Dに対して細くし、かつ非伝熱
性の素材を用いた軸部を有する試料カップを用いること
によって、分析対象であるシリコン材料の効率的な気化
および原子化を促進し、シリコン材料中のリンの高感度
な分析を可能とした。
【0018】通常の溶液導入法によるICP 発光分析
法(:誘導結合プラズマ発光分析法)では、プラズマへ
の試料導入効率が数%であり、このことが分析感度を制
限する大きな要因になっている。また、固体試料を分析
対象とする場合には、試料の溶液化に長時間を要し、生
産現場でのオンサイト分析のような迅速分析への要求に
は対応できない。
【0019】また、溶液化においては、試料中の分析対
象である不純物の含有量の低下に基づく分析感度、分析
精度の低下も否めない。そこで、本発明者らは、ICP 発
光分析法のプラズマ中に固体試料を直接挿入して励起発
光させる方法に着目した。上記した方法の場合、数mg〜
数100mg の固体試料を、直接、プラズマ中に挿入して熱
分解、気化させ、さらにプラズマ中で励起、発光させる
ことによって、プラズマ中に導入する目的成分である不
純物の量を溶液導入法に比べ、飛躍的に増大させること
ができる。
【0020】例えば、不純物濃度1ppm の固体試料0.5g
を溶解して100ml の溶液に調製した場合、プラズマ中に
挿入される不純物量は、試料吸入量1ml/min、20sec 積
分、導入効率3%とした場合、僅か0.05ngであるのに対
して、試料直接挿入法の場合、試料量20mgに対して、プ
ラズマ中に挿入される不純物量は、20ngとなり、400倍
程度の相対感度の向上が見込まれる。
【0021】また、本発明者らは、通常のICP プラズマ
(出力1.2kW)中に挿入した黒鉛カップ内の温度は約3000
〜4000℃と推定されることから、分析試料であるシリコ
ン材料の沸点が2360℃、分析対象元素のリンは431 ℃で
昇華することからICP プラズマ中でも十分に気化、励起
が可能と考えた。そこで、実際に、本法によりリン濃度
の異なるシリコン中のリンの発光強度を測定したとこ
ろ、高周波出力0.6kW 以上でリンの発光強度と濃度に良
好な相関が得られることを見出した。
【0022】しかも、その分析精度は、リンの発光強度
とリンと同時に検出したシリコンの発光強度との比を用
いることによりさらに向上させることが可能であること
を見出した。リンの発光分析線(:測定波長)として
は、シリコンの発光強度の影響を受けにくい、例えばPI
178.29nm あるいは177.44nmなどの波長が望ましい。
【0023】また、内標準補正用に用いるシリコンの発
光分析線(:測定波長)としては、プラズマ内での挙動
がリンに類似した分析線を用いた方が補正効果が大き
く、Pに原子線を用いる場合には原子線、イオン線を用
いる場合にはイオン線を用いた方が補正効果が大きい。
また、試料の気化、励起には、プラズマ中に試料を挿入
するための試料カップの仕様が大きく影響する。
【0024】このため、試料カップにおける試料収納
部の支持部材である軸部を細くするか、該軸部の素材
として、非伝熱性の素材を用いて試料収納部から軸部へ
の熱伝導を抑制するか、または上記およびを組み
合わせて、試料収納部のみを効率的に昇温することによ
って分析感度を大きく向上させることが可能になる。す
なわち、本発明の分析方法においては、プラズマ中に試
料を挿入するための試料カップとして、(1) 試料収納部
と、該試料収納部の支持部材である軸部の径dが試料収
納部下端の径Dの1/2以下である軸部とからなる試料
カップ、または(2) 試料収納部と、該試料収納部の支持
部材である非伝熱性の素材を用いた軸部とからなる試料
カップ、または(3) 試料収納部と、該試料収納部の支持
部材である軸部の径dが試料収納部下端の径Dの1/2
以下であり、かつ非伝熱性の素材を用いた軸部とからな
る試料カップを用いることが好ましい。
【0025】なお、前記した試料収納部と、該試料収納
部の支持部材である軸部の径dが試料収納部下端の径D
の1/2以下である軸部とからなる試料カップにおける
試料収納部下端の径Dとは、試料収納部が中空円筒であ
ればその下端の外径を示し、試料収納部下端部の底面が
円形でない場合は、該底面の円相当直径を示す。また、
同様に、前記した軸部の径dとは、軸部が円柱または円
筒であればその直径または外径を示し、軸部が円柱、円
筒でない場合は、軸部断面の円相当直径を示す。
【0026】また、前記した非伝熱性の素材としては、
非金属無機材料である耐熱性セラミックスを用いること
が好ましく、該耐熱性セラミックスとしては好ましくは
ZrO2、ThO2などが例示されるが特に制限を受けるもので
はない。以上述べた本発明の分析方法により、高純度シ
リコン中のサブppm レベルまでのリンの簡便、迅速な分
析が可能となった。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。 (実施例1)図3に、本実施例で用いた試料直接挿入/
ICP 発光分析法(:誘導結合プラズマ発光分析法)のプ
ラズマトーチ部および試料カップを断面図によって示
す。
【0028】図3において、1はプラズマトーチ部、2
はICP (高周波誘導結合プラズマ)、3は試料カップ、
4は試料カップ3の試料収納部(:試料原子化部)、5
は試料カップ3の軸部、6はArガス、7はキャリアガ
ス、dは軸部5の径、Dは試料収納部4下端の径、fは
試料カップ3の移動方向を示す。プラズマトーチ部とし
ては、下部が解放型のものを用い、プラズマを点灯した
状態で試料カップ3を下部から直接プラズマ中へ挿入し
た。
【0029】なお、試料収納部4の材質は黒鉛、軸部5
の材質は黒鉛で、中空円筒である試料収納部4の外径は
5mm、軸部5の断面直径は1.5 mmφである。試料量は20
mgを用いた。試料カップ3の試料収納部4を高周波コイ
ル近傍で一定位置、すなわち、試料収納部4の底部(:
カップ底部)が高周波コイル中央に重なる位置で停止さ
せ、プラズマ中で気化、励起、発光したリンの発光強度
およびシリコンの発光強度を測定した。
【0030】測定波長はPI 178.29nm 、SI 251.61nm を
使用し、測光は高周波コイル上10mmで実施した。図1
に、リン含有率が0.9ppmの高純度シリコンを上記した方
法でプラズマ中に挿入した際に得られた発光強度(:発
光シグナル)の一例を示す。試料をプラズマ中に挿入
後、10数秒間でシグナルはほぼベースラインに戻ってお
り、リンがプラズマ中で極めて短時間に気化、発光して
いることが分かる。
【0031】同様の操作を、リン含有率の異なる試料に
ついて繰り返し実施し、試料をプラズマ中に挿入後、5
秒から15秒間の発光シグナルを積分した。得られた積分
強度を、リン含有率に対してプロットし作成した検量線
の一例を図2に示す。図2の縦軸のP発光強度の単位は
任意単位である。なお、上記した検量線の作成において
は、試料内の偏析の影響を低減するため、リン含有率の
異なる試料の各試料について3回ずつ分析してその平均
値を用いた。
【0032】図2に示されるように、リン含有率が1pp
m 以下の微量域でも検量線の直線性は良好で、本発明の
分析方法が、高純度シリコン中の微量リンの迅速分析方
法として極めて有用であることが分かる。次に、上記し
た検量線を用いてリン含有率が0.2ppm(:湿式分析値)
である実際試料中のリンを定量した結果を表1に示す。
【0033】表1に示されるように、本発明の分析方法
によれば、リン含有率が0.2ppmレベルの試料が、標準偏
差σ=0.07ppm で定量可能となった。また、本発明の分
析方法の分析精度をさらに向上させるために、リンと同
時に、プラズマ中での発光挙動がリンと類似しているシ
リコンの原子線の強度を測光してシリコンの発光強度で
補正した。
【0034】得られた結果を表1に併せて示す。表1に
示されるように、本発明の分析方法によれば、リンの発
光強度とマトリックスであるシリコンの発光強度との比
を用いることによって、プラズマ内での蒸発量、原子化
量などの変動が低減され、分析精度は2倍以上向上し
た。なお、以上の結果は全て図3に示したような軸部を
細くして試料収納部4(:試料原子化部)(:カップ
部)の昇温速度を向上させた試料カップ3を用いたもの
である。
【0035】一方、上記した試料カップ3の代わりに、
直流放電発光分析用に市販されている軸部と試料収納部
が一体で成型され、軸部が試料収納部と同径のネック電
極を試料カップとして使用した場合には、シリコンの気
化に5倍以上の時間を要し、図1の発光強度(:シグナ
ル)の1/10以下のシグナルしか得られず、サブppm 以下
の微量域の定量には適用できなかった。
【0036】さらに、本発明の分析方法による分析所要
時間は、1試料あたり1分以内であり、試料内の偏析の
影響を低減し、正確さを向上させるために繰り返し数回
測定を行っても、極めて迅速、簡便に分析することが可
能となった。
【0037】
【表1】 (実施例2)前記した図3に示す試料カップ3として、
試料収納部4の材質が黒鉛、軸部5の材質がZrO2で、中
空円筒である試料収納部4の外径が5mm、軸部5の断面
直径が1.5 mmφの試料カップを用いた以外は実施例1と
同様の方法で、リン含有率が0.9ppmの高純度シリコンの
発光強度を測定した。
【0038】その結果、試料をプラズマ中に挿入後、10
数秒間でシグナルはほぼベースラインに戻り、リンがプ
ラズマ中で極めて短時間に気化、発光することが分か
り、本発明のシリコン材料中の微量リンの迅速分析方法
においては、上記した本発明に係わる試料カップを用い
ることが好ましいことが分かった。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
純度シリコン中のサブppm レベル以下の微量リンを、簡
便な方法で高精度かつ極めて迅速に分析することが可能
となった。すなわち、これまで微量分析が困難で、しか
も長時間を要していた高純度シリコン中の微量リンの定
量分析が、このように簡便かつ極めて迅速に実施できる
ようになったことによって、半導体材料や太陽電池など
に使用されるシリコン製造プロセスの解析や反応制御が
正確に、また、迅速に行えるようになり、製品の品質向
上や安定生産の面で著しい効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】リン含有率が0.9ppmの高純度シリコンをプラズ
マ中に挿入した際に得られた発光シグナルの一例を示す
グラフである。
【図2】本発明に係わる検量線の一例を示すグラフであ
る。
【図3】試料直接挿入/ICP 発光分析法のプラズマトー
チ部および試料カップを示す断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマトーチ部 2 ICP (高周波誘導結合プラズマ) 3 試料カップ 4 試料カップの試料収納部(:試料原子化部) 5 試料カップの軸部 6 Arガス 7 キャリアガス d 軸部の径 D 試料収納部下端の径 f 試料カップの移動方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン材料を、直接、高温のプラズマ
    中に挿入して励起発光させ、リンの発光強度を測定し、
    得られたリンの発光強度と、リン濃度既知のシリコン試
    料を用いて得られた検量線とから、シリコン材料中のリ
    ン濃度を求めることを特徴とするシリコン材料中の微量
    リンの迅速分析方法。
  2. 【請求項2】 シリコン材料を、直接、高温のプラズマ
    中に挿入して励起発光させ、リンおよびシリコンの発光
    強度を測定してその強度比を求め、得られた強度比と、
    リン濃度既知のシリコン試料を用いて得られたリンおよ
    びシリコンの発光強度比とリン濃度との相関を表す検量
    線とから、シリコン材料中のリン濃度を求めることを特
    徴とするシリコン材料中の微量リンの迅速分析方法。
  3. 【請求項3】 前記したシリコン材料中の微量リンの迅
    速分析方法において、プラズマ中に試料を挿入するため
    の試料カップとして、(1) 試料収納部と、該試料収納部
    の支持部材である軸部の径dが試料収納部下端の径Dの
    1/2以下である軸部とからなる試料カップ、または
    (2) 試料収納部と、該試料収納部の支持部材である非伝
    熱性の素材を用いた軸部とからなる試料カップ、または
    (3) 試料収納部と、該試料収納部の支持部材である軸部
    の径dが試料収納部下端の径Dの1/2以下であり、か
    つ非伝熱性の素材を用いた軸部とからなる試料カップを
    用いることを特徴とする請求項1または2記載のシリコ
    ン材料中の微量リンの迅速分析方法。
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