JPH11211728A - ヘモグロビンa1測定用チップ - Google Patents
ヘモグロビンa1測定用チップInfo
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- JPH11211728A JPH11211728A JP10015724A JP1572498A JPH11211728A JP H11211728 A JPH11211728 A JP H11211728A JP 10015724 A JP10015724 A JP 10015724A JP 1572498 A JP1572498 A JP 1572498A JP H11211728 A JPH11211728 A JP H11211728A
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- JP
- Japan
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- film
- surface plasmon
- measurement chip
- plasmon resonance
- hemoglobin
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Abstract
(57)【要約】
【解決すべき課題】 本発明の課題は、表面プラズモン
共鳴バイオセンサー用の測定チップにおいて、固定化す
るヘモグロビンA1抗体が金属膜と強固にかつ容易に結
合する手段を見出すことにある。 【解決手段】 疎水結合或いは静電結合により、金属膜
上にヘモグロビンA1抗体を固定化させることが課題解
決に有効であることを見出した。
共鳴バイオセンサー用の測定チップにおいて、固定化す
るヘモグロビンA1抗体が金属膜と強固にかつ容易に結
合する手段を見出すことにある。 【解決手段】 疎水結合或いは静電結合により、金属膜
上にヘモグロビンA1抗体を固定化させることが課題解
決に有効であることを見出した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】抗原抗体反応に基づく表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサー(SPRセンサー)用測定
チップを用いて、ヘモグロビンA1を測定する方法に関
する。
ラズモン共鳴バイオセンサー(SPRセンサー)用測定
チップを用いて、ヘモグロビンA1を測定する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病の患者は、世界人口の5%以上に
達していると言われ、日本国内だけでも500万人い
る。この病気は、グルコースや他の栄養素を代謝するイ
ンシュリンが欠乏していることを特徴としている。従っ
て、この病気を治療するにはインシュリンを、人体の外
部から必要量を投与する方法があるが、その必要量は血
液中のグルコースを測定し可能な限り正常値に近づける
ような量である。そこで、まず血液中のグルコース量を
測定することが肝要であるが、血液中の糖化ヘモグロビ
ン(HbA1)、特にヘモグロビンA1C(HbA1C)
は、糖尿病患者においてその血中濃度が増加することが
知られており、糖化ヘモグロビンの測定は血糖値測定と
併行して糖尿病の診断及び進行度の測定に利用されてい
る。
達していると言われ、日本国内だけでも500万人い
る。この病気は、グルコースや他の栄養素を代謝するイ
ンシュリンが欠乏していることを特徴としている。従っ
て、この病気を治療するにはインシュリンを、人体の外
部から必要量を投与する方法があるが、その必要量は血
液中のグルコースを測定し可能な限り正常値に近づける
ような量である。そこで、まず血液中のグルコース量を
測定することが肝要であるが、血液中の糖化ヘモグロビ
ン(HbA1)、特にヘモグロビンA1C(HbA1C)
は、糖尿病患者においてその血中濃度が増加することが
知られており、糖化ヘモグロビンの測定は血糖値測定と
併行して糖尿病の診断及び進行度の測定に利用されてい
る。
【0003】糖化ヘモグロビン(HbA1)は、ヘモグ
ロビンの酵素的ではない糖結合により起こる。正常では
血中のHbA1の濃度は全ヘモグロビンに対して約4.5
%以内であるが、糖尿病患者の場合この濃度は2〜4に
上昇する。糖化ヘモグロビン(HbA1)が糖尿病の指
標に選択された理由は、HbA1の濃度は過去1〜3ヶ
月の血液中の平均的な糖濃度を反映しており、血糖値や
尿糖値に比べ生理的要因に左右されにくいということ
で、HbA1 の濃度は長期間にわたる糖尿病患者の血中
平均グルコース濃度を比較的正確に表すものだからであ
る。
ロビンの酵素的ではない糖結合により起こる。正常では
血中のHbA1の濃度は全ヘモグロビンに対して約4.5
%以内であるが、糖尿病患者の場合この濃度は2〜4に
上昇する。糖化ヘモグロビン(HbA1)が糖尿病の指
標に選択された理由は、HbA1の濃度は過去1〜3ヶ
月の血液中の平均的な糖濃度を反映しており、血糖値や
尿糖値に比べ生理的要因に左右されにくいということ
で、HbA1 の濃度は長期間にわたる糖尿病患者の血中
平均グルコース濃度を比較的正確に表すものだからであ
る。
【0004】このHbA1 の濃度を測定する方法として
は、過去において種々開発されてきている。その一つと
して、蛍光測定あるいは光度測定と称されるものがあ
る。この方法は、糖化ヘモグロビンと非糖化ヘモグロビ
ンとの識別をハプトグロブリンを用いて実施し、ハプト
グロブリンに対する糖化ヘモグロビンの結合を蛍光測定
又は光度測定により測定するものである(特公平1ー5
3748号公報)。また、別の方法として、高速液体ク
ロマトグラフィーを用いる方法がある。これは、糖化ヘ
モグロビンと非糖化ヘモグロビンとの識別を高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて行うものであるが、pH値、
温度、イオン濃度の変化に対して非常に敏感であるか
ら、注意深く実施することが必要なばかりでなく、装置
が大変大型で高価であるという欠点がある。
は、過去において種々開発されてきている。その一つと
して、蛍光測定あるいは光度測定と称されるものがあ
る。この方法は、糖化ヘモグロビンと非糖化ヘモグロビ
ンとの識別をハプトグロブリンを用いて実施し、ハプト
グロブリンに対する糖化ヘモグロビンの結合を蛍光測定
又は光度測定により測定するものである(特公平1ー5
3748号公報)。また、別の方法として、高速液体ク
ロマトグラフィーを用いる方法がある。これは、糖化ヘ
モグロビンと非糖化ヘモグロビンとの識別を高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて行うものであるが、pH値、
温度、イオン濃度の変化に対して非常に敏感であるか
ら、注意深く実施することが必要なばかりでなく、装置
が大変大型で高価であるという欠点がある。
【0005】更に別法として、イオン交換クロマトグラ
フィーで測定する方法(特公平7ー6989号公報)や
カラムクロマトを用いる方法(特開平5ー113440
号公報)等が挙げられるが、これらは、まず全血を遠心
分離し、血球中のHbを要訣した上でカラム測定するも
ので、操作が煩雑であった。すなわち、上記の方法はい
ずれも、検体(溶血成分の中から分離した抽出液)中の
ヘモグロビンを固相に直接結合させ、洗浄し、標識した
抗ヘモグロビン抗体、特に抗ヘモグロビンA1C抗体を反
応させ、再度洗浄し、前記標識を測定することにより行
われている。しかしながら、この方法ではそれぞれの検
体液中の糖化ヘモグロビンを固相に直接反応させる前処
理が必要で、これには時間がかかり、大量の検体を迅速
に測定することが不可能である。このように、従来の技
術では操作が煩雑であったり、精度が甘かったり、高価
な装備が必要であったり、あるいは大型で測定が容易に
行えない等の欠点を有していた。
フィーで測定する方法(特公平7ー6989号公報)や
カラムクロマトを用いる方法(特開平5ー113440
号公報)等が挙げられるが、これらは、まず全血を遠心
分離し、血球中のHbを要訣した上でカラム測定するも
ので、操作が煩雑であった。すなわち、上記の方法はい
ずれも、検体(溶血成分の中から分離した抽出液)中の
ヘモグロビンを固相に直接結合させ、洗浄し、標識した
抗ヘモグロビン抗体、特に抗ヘモグロビンA1C抗体を反
応させ、再度洗浄し、前記標識を測定することにより行
われている。しかしながら、この方法ではそれぞれの検
体液中の糖化ヘモグロビンを固相に直接反応させる前処
理が必要で、これには時間がかかり、大量の検体を迅速
に測定することが不可能である。このように、従来の技
術では操作が煩雑であったり、精度が甘かったり、高価
な装備が必要であったり、あるいは大型で測定が容易に
行えない等の欠点を有していた。
【0006】そこで、より簡便に正確に、小型の安い機
器で測定が行える方法が望まれていたところである。こ
れについては、本出願人が特願平9ー157226号と
して特許出願しているところである。それは表面プラズ
モン共鳴バイオセンサーを用いるもので、そのための測
定チップにヘモグロビンA1 抗体を固定することを特徴
とするものであるが、その固定をより強固にかつ容易に
行える方法を模索していたところである。
器で測定が行える方法が望まれていたところである。こ
れについては、本出願人が特願平9ー157226号と
して特許出願しているところである。それは表面プラズ
モン共鳴バイオセンサーを用いるもので、そのための測
定チップにヘモグロビンA1 抗体を固定することを特徴
とするものであるが、その固定をより強固にかつ容易に
行える方法を模索していたところである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、表面
プラズモン共鳴バイオセンサー用の測定チップにおい
て、固定化するヘモグロビンA1抗体が金属膜と強固に
かつ容易に結合する手段を見出すことにある。
プラズモン共鳴バイオセンサー用の測定チップにおい
て、固定化するヘモグロビンA1抗体が金属膜と強固に
かつ容易に結合する手段を見出すことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、疎水結合或いは静電結合により表
面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップの金属膜
上にヘモグロビンA1抗体を固定化させることが課題解
決に有効であることを見出した。
の結果、本発明者は、疎水結合或いは静電結合により表
面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップの金属膜
上にヘモグロビンA1抗体を固定化させることが課題解
決に有効であることを見出した。
【0009】従来の金属表面に反応性単分子膜を介して
タンパク質を反応固定する方法では、一端に反応性基を
有し他端に金属表面上の酸化膜と反応し吸着される活性
基を有する有機分子を用いて、金属表面に化学吸着法に
より反応性単分子膜を形成した後、前記反応性基を化学
処理して-OH基を付加し、更にシアノブロマイド法やア
ルデヒド法を用いて、単分子膜表面をタンパク質のアミ
ノ基と反応する官能基にタンパクのアミノ基を反応させ
て固定することを構成要件としているので、タンパク質
を固定するための試薬が必要であり、その為に工程数が
増え、反応に要する時間が多くかかるという欠点を有し
ていた。そこで、本発明では、化学結合(共有結合)に
代えて疎水結合或いは静電結合を起こさせることによ
り、この欠点を解消させた。
タンパク質を反応固定する方法では、一端に反応性基を
有し他端に金属表面上の酸化膜と反応し吸着される活性
基を有する有機分子を用いて、金属表面に化学吸着法に
より反応性単分子膜を形成した後、前記反応性基を化学
処理して-OH基を付加し、更にシアノブロマイド法やア
ルデヒド法を用いて、単分子膜表面をタンパク質のアミ
ノ基と反応する官能基にタンパクのアミノ基を反応させ
て固定することを構成要件としているので、タンパク質
を固定するための試薬が必要であり、その為に工程数が
増え、反応に要する時間が多くかかるという欠点を有し
ていた。そこで、本発明では、化学結合(共有結合)に
代えて疎水結合或いは静電結合を起こさせることによ
り、この欠点を解消させた。
【0010】すなわち、本発明は、(1)透明基板、該
透明基板上に配置される金属膜及び該金属膜上に疎水結
合あるいは静電結合で配置される、ヘモグロビンA1抗
体を備えていることを特徴とする表面プラズモン共鳴バ
イオセンサー用測定チップ、(2)前記疎水結合あるい
は静電結合が有機ケイ素膜を形成することを特徴とする
(1)に記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ、(3)前記有機ケイ素膜がシランカップリン
グ剤により形成された膜であることを特徴とする、
(2)に記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ、(4) 透明基板上に配置される金属が金で
あることを特徴とする(1)記載の表面プラズモン共鳴
バイオセンサー用測定チップ、(5) 疎水結合による
膜が金属とフッ素の化合物又は金属とフッ素の混合物を
主成分とすることを特徴とする(1)記載の表面プラズ
モン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(6) 前記金
属が金であることを特徴とする(5)記載の表面プラズ
モン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(7) 疎水結
合による膜が金属と炭素の化合物又は金属と炭素の混合
物を主成分とすることを特徴とする(1)記載の表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(8) 前
記金属が金であることを特徴とする(7)記載の表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(9) 疎
水結合による膜がフッ素系ガスを含むプラズマに曝すこ
とにより形成されることを特徴とする(1)記載の表面
プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(10)
疎水結合による膜が炭素を含むプラズマに曝すことによ
り形成されることを特徴とする(1)記載の表面プラズ
モン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(11)疎水結
合による膜がシロキサンを主成分とすることを特徴とす
る(1)記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ、(12)疎水結合による膜がフッ素含有有機
化合物を主成分とすることを特徴とする(1)記載の表
面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(1
3)疎水結合あるいは静電結合による膜がチオールであ
ることを特徴とする(1)記載の表面プラズモン共鳴バ
イオセンサー用測定チップ、(14)前記チオール膜が
アルカンチオールによって形成された膜であることを特
徴とする(13)記載の表面プラズモン共鳴バイオセン
サー用測定チップ、(15)前記ヘモグロビンA1抗体
がヘモグロビンA1C抗体であることを特徴とする(1)
記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チッ
プ、(16)透明基板上に金属膜を配置した後、該金属
膜の上に疎水結合または静電結合により膜を形成し、次
いで該膜上にヘモグロビンA1抗体を配置することを特
徴とする、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チ
ップの製造方法、(17)(1)記載の測定用チップを
用いてヘモグロビンA1抗体を測定する方法、(18)
前記ヘモグロビンA1抗体がヘモグロビンA1C抗体であ
ることを特徴とする(17)記載の表面プラズモン共鳴
バイオセンサー用測定チップの製造方法、(19)全血
をそのまま表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チ
ップに投与することを特徴とする(17)記載のヘモグ
ロビンA1抗体を測定する方法に関する。
透明基板上に配置される金属膜及び該金属膜上に疎水結
合あるいは静電結合で配置される、ヘモグロビンA1抗
体を備えていることを特徴とする表面プラズモン共鳴バ
イオセンサー用測定チップ、(2)前記疎水結合あるい
は静電結合が有機ケイ素膜を形成することを特徴とする
(1)に記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ、(3)前記有機ケイ素膜がシランカップリン
グ剤により形成された膜であることを特徴とする、
(2)に記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ、(4) 透明基板上に配置される金属が金で
あることを特徴とする(1)記載の表面プラズモン共鳴
バイオセンサー用測定チップ、(5) 疎水結合による
膜が金属とフッ素の化合物又は金属とフッ素の混合物を
主成分とすることを特徴とする(1)記載の表面プラズ
モン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(6) 前記金
属が金であることを特徴とする(5)記載の表面プラズ
モン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(7) 疎水結
合による膜が金属と炭素の化合物又は金属と炭素の混合
物を主成分とすることを特徴とする(1)記載の表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(8) 前
記金属が金であることを特徴とする(7)記載の表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(9) 疎
水結合による膜がフッ素系ガスを含むプラズマに曝すこ
とにより形成されることを特徴とする(1)記載の表面
プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(10)
疎水結合による膜が炭素を含むプラズマに曝すことによ
り形成されることを特徴とする(1)記載の表面プラズ
モン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(11)疎水結
合による膜がシロキサンを主成分とすることを特徴とす
る(1)記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ、(12)疎水結合による膜がフッ素含有有機
化合物を主成分とすることを特徴とする(1)記載の表
面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、(1
3)疎水結合あるいは静電結合による膜がチオールであ
ることを特徴とする(1)記載の表面プラズモン共鳴バ
イオセンサー用測定チップ、(14)前記チオール膜が
アルカンチオールによって形成された膜であることを特
徴とする(13)記載の表面プラズモン共鳴バイオセン
サー用測定チップ、(15)前記ヘモグロビンA1抗体
がヘモグロビンA1C抗体であることを特徴とする(1)
記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チッ
プ、(16)透明基板上に金属膜を配置した後、該金属
膜の上に疎水結合または静電結合により膜を形成し、次
いで該膜上にヘモグロビンA1抗体を配置することを特
徴とする、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チ
ップの製造方法、(17)(1)記載の測定用チップを
用いてヘモグロビンA1抗体を測定する方法、(18)
前記ヘモグロビンA1抗体がヘモグロビンA1C抗体であ
ることを特徴とする(17)記載の表面プラズモン共鳴
バイオセンサー用測定チップの製造方法、(19)全血
をそのまま表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チ
ップに投与することを特徴とする(17)記載のヘモグ
ロビンA1抗体を測定する方法に関する。
【0011】疎水結合を起こさせる場合は、疎水表面を
最外層に有する必要があるので、飽和アルキル鎖末端あ
るいはフッ素原子を含む金化合物または金とフッ素の混
合物を用いる。疎水結合において、フッ素原子を含む金
化合物または金とフッ素の混合物を形成するためには、
従来の薄膜形成技術である、スパッタ法、真空蒸着法、
イオンプレーティング法、CVD法、プラズマ重合法、
ドライエッチング法、スピンコーティング法等が利用で
きる。疎水結合の固定化手順を図10に示す。
最外層に有する必要があるので、飽和アルキル鎖末端あ
るいはフッ素原子を含む金化合物または金とフッ素の混
合物を用いる。疎水結合において、フッ素原子を含む金
化合物または金とフッ素の混合物を形成するためには、
従来の薄膜形成技術である、スパッタ法、真空蒸着法、
イオンプレーティング法、CVD法、プラズマ重合法、
ドライエッチング法、スピンコーティング法等が利用で
きる。疎水結合の固定化手順を図10に示す。
【0012】スパッタ法によってフッ素原子を含む金化
合物または金とフッ素の混合物を主成分とする薄膜を得
るためには、金又は表面をフッ素化させた金を主体とす
るターゲットを用い、アルゴン、ネオン、キセノン、ヘ
リウム、窒素等のスパッターガス単独又はこれらのスパ
ッターガスとフッ素、四フッ化炭素、六フッ化硫黄、三
フッ化窒素、三フッ化塩素等のフッ素源となるガスとを
組み合わせた雰囲気中で、直流又は高周波放電によりス
パッター成膜する。このとき、必要に応じて酸素、窒
素、炭酸ガス等の酸素源、窒素源、炭素源となるガスを
混合することもできる。ここで、雰囲気ガスの組成、圧
力、スパッター電力等の成膜条件を変えることにより、
膜の組成、組織、構造等を変え、疎水性、屈折率、消衰
係数を調整することができる。
合物または金とフッ素の混合物を主成分とする薄膜を得
るためには、金又は表面をフッ素化させた金を主体とす
るターゲットを用い、アルゴン、ネオン、キセノン、ヘ
リウム、窒素等のスパッターガス単独又はこれらのスパ
ッターガスとフッ素、四フッ化炭素、六フッ化硫黄、三
フッ化窒素、三フッ化塩素等のフッ素源となるガスとを
組み合わせた雰囲気中で、直流又は高周波放電によりス
パッター成膜する。このとき、必要に応じて酸素、窒
素、炭酸ガス等の酸素源、窒素源、炭素源となるガスを
混合することもできる。ここで、雰囲気ガスの組成、圧
力、スパッター電力等の成膜条件を変えることにより、
膜の組成、組織、構造等を変え、疎水性、屈折率、消衰
係数を調整することができる。
【0013】真空蒸着法によってフッ素原子を含む金化
合物または金とフッ素の混合物を主成分とする薄膜を得
るためには、タングステン製バスケット、タングステン
メッキされたコイルまたはボート、カーボンるつぼ等に
よる抵抗加熱法、又は、電子線照射によるいわゆるEB
蒸着法により、金、又は予めフッ素化させた金を蒸着源
として用いる。この際、フッ素、四フッ化炭素及びその
他のフッ化炭素化合物、六フッ化硫黄及びその他のフッ
化硫黄化合物、三フッ化窒素、三フッ化塩素等のフッ素
源となるガスと、必要に応じて、酸素、窒素、炭酸ガス
等の酸素源、窒素源、炭素源となるガスとの混合ガスを
雰囲気とすることができる。この場合も、蒸着条件を変
えることにより、膜の組成、組織、構造等を変え、疎水
性、屈折率、消衰係数を調整することができる。
合物または金とフッ素の混合物を主成分とする薄膜を得
るためには、タングステン製バスケット、タングステン
メッキされたコイルまたはボート、カーボンるつぼ等に
よる抵抗加熱法、又は、電子線照射によるいわゆるEB
蒸着法により、金、又は予めフッ素化させた金を蒸着源
として用いる。この際、フッ素、四フッ化炭素及びその
他のフッ化炭素化合物、六フッ化硫黄及びその他のフッ
化硫黄化合物、三フッ化窒素、三フッ化塩素等のフッ素
源となるガスと、必要に応じて、酸素、窒素、炭酸ガス
等の酸素源、窒素源、炭素源となるガスとの混合ガスを
雰囲気とすることができる。この場合も、蒸着条件を変
えることにより、膜の組成、組織、構造等を変え、疎水
性、屈折率、消衰係数を調整することができる。
【0014】さらに、イオンプレーティング法によっ
て、フッ素原子を含む金化合物または金とフッ素の混合
物を主成分とする薄膜を得るためには、金、又は予めフ
ッ素化させた金を蒸着源として用い、フッ素、四フッ化
炭素、六フッ化硫黄、三フッ化窒素、三フッ化塩素等の
フッ素源となるガスと、必要に応じて、酸素、窒素、炭
酸ガス等の酸素源、窒素源、炭素源となるガスとの混合
ガスを雰囲気とすればよい。この場合も、成膜条件によ
り、疎水性、屈折率、消衰係数を調整することができ
る。
て、フッ素原子を含む金化合物または金とフッ素の混合
物を主成分とする薄膜を得るためには、金、又は予めフ
ッ素化させた金を蒸着源として用い、フッ素、四フッ化
炭素、六フッ化硫黄、三フッ化窒素、三フッ化塩素等の
フッ素源となるガスと、必要に応じて、酸素、窒素、炭
酸ガス等の酸素源、窒素源、炭素源となるガスとの混合
ガスを雰囲気とすればよい。この場合も、成膜条件によ
り、疎水性、屈折率、消衰係数を調整することができ
る。
【0015】CVD法としては、金表面にシロキサン膜
を主成分とする薄膜を形成するために、ヘキサメチレン
ジシロキサン(HMDSO)等のシロキサンモノマーを
アルゴン等のキャリアーガスで導入し、酸素等の雰囲気
中で化学気相成長(CVD)法で成膜する。必要に応じ
て、フッ素含有シロキサンモノマーや四フッ化炭素等の
フッ素源となるガスを混合することもできるし、また、
シロキサンモノマーを入れずに、フッ素源ガス等を用い
てフッ素化合物(プラズマ重合膜)を形成することもで
きる。ここで、雰囲気ガスの組成、圧力、電力等の成膜
条件を変えることにより、膜の組成、組織、構造等を変
え、疎水性等を調整することができる。
を主成分とする薄膜を形成するために、ヘキサメチレン
ジシロキサン(HMDSO)等のシロキサンモノマーを
アルゴン等のキャリアーガスで導入し、酸素等の雰囲気
中で化学気相成長(CVD)法で成膜する。必要に応じ
て、フッ素含有シロキサンモノマーや四フッ化炭素等の
フッ素源となるガスを混合することもできるし、また、
シロキサンモノマーを入れずに、フッ素源ガス等を用い
てフッ素化合物(プラズマ重合膜)を形成することもで
きる。ここで、雰囲気ガスの組成、圧力、電力等の成膜
条件を変えることにより、膜の組成、組織、構造等を変
え、疎水性等を調整することができる。
【0016】スピンコーティング法としては、例えばア
モルファスフッ素樹脂である「サイトップ(アサヒガラ
ス製)」を金属膜上に塗布することにより、SPR基板
として供することができる。上記の説明は、フッ素原子
を含む金化合物または金とフッ素の混合物を対象に行っ
たが、フッ素の代わりに炭素を用いても同様である。
モルファスフッ素樹脂である「サイトップ(アサヒガラ
ス製)」を金属膜上に塗布することにより、SPR基板
として供することができる。上記の説明は、フッ素原子
を含む金化合物または金とフッ素の混合物を対象に行っ
たが、フッ素の代わりに炭素を用いても同様である。
【0017】一方、疎水結合の一つとして、有機ケイ素
膜を、シランカップリング剤を用いて、シランカップリ
ング剤中の加水分解基を、金属膜2中の金属原子と結合
させ、末端はヘモグロビンA1抗体と物理吸着による結
合を生ぜしめる方法がある。これにより金属膜2、有機
ケイ素膜3及びヘモグロビンA1抗体の三者は固定化さ
れる。有機ケイ素膜3とは、Si−O及びSi−C結合
を分子内に含む高分子からなる膜をいう。
膜を、シランカップリング剤を用いて、シランカップリ
ング剤中の加水分解基を、金属膜2中の金属原子と結合
させ、末端はヘモグロビンA1抗体と物理吸着による結
合を生ぜしめる方法がある。これにより金属膜2、有機
ケイ素膜3及びヘモグロビンA1抗体の三者は固定化さ
れる。有機ケイ素膜3とは、Si−O及びSi−C結合
を分子内に含む高分子からなる膜をいう。
【0018】シランカップリング剤とは、その分子中に
ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基のよう
な有機材料と親和性のある有機官能基と、メトキシ基、
エトキシ基のような無機材料と親和性のある加水分解基
を有する有機ケイ素化合物のことをいう。本発明に使用
できるシランカップリング剤は、上記定義に該当するも
のであればいかなるものでもよく、構造式CF3(C
H2)nSi(OCH3)3のトリフルオロメチルトリメ
トキシシラン、2、2、2ートリフルオロメチルトリメ
トキシシラン、3、3、3ートリフルオロプロピルトリ
メトキシシラン、4、4、4ートリフルオロブチルトリ
メトキシシラン、8、8、8ートリフルオロオクチルト
リメトキシシラン、18、18、18−トリフルオロオ
クタデシルトリメトキシシラン等、構造式CF3(C
H2)nSi(OCH2CH3)3 のトリフルオロメチル
トリエトキシシラン、4、4、4−トリフルオロブチル
トリエトキシシラン、アミノプロピルジエトキシメチル
シラン、18、18、18−トリフルオロオクタデシル
トリエトキシシラン等、構造式CH3(CH2)nSi
(OCH3)3 のメチルトリメトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、プロピルルトリメトキシシラン、オ
クタデシルトリメトキシシラン等、構造式CH3(C
H2)nSi(OCH2CH3)3のメチルトリエトキシシ
ラン、ペンチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリ
メトキシシラン等を単独又は組み合わせて使用すること
ができる。なお、上記構造式のnはいずれも0〜17の
整数である。
ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基のよう
な有機材料と親和性のある有機官能基と、メトキシ基、
エトキシ基のような無機材料と親和性のある加水分解基
を有する有機ケイ素化合物のことをいう。本発明に使用
できるシランカップリング剤は、上記定義に該当するも
のであればいかなるものでもよく、構造式CF3(C
H2)nSi(OCH3)3のトリフルオロメチルトリメ
トキシシラン、2、2、2ートリフルオロメチルトリメ
トキシシラン、3、3、3ートリフルオロプロピルトリ
メトキシシラン、4、4、4ートリフルオロブチルトリ
メトキシシラン、8、8、8ートリフルオロオクチルト
リメトキシシラン、18、18、18−トリフルオロオ
クタデシルトリメトキシシラン等、構造式CF3(C
H2)nSi(OCH2CH3)3 のトリフルオロメチル
トリエトキシシラン、4、4、4−トリフルオロブチル
トリエトキシシラン、アミノプロピルジエトキシメチル
シラン、18、18、18−トリフルオロオクタデシル
トリエトキシシラン等、構造式CH3(CH2)nSi
(OCH3)3 のメチルトリメトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、プロピルルトリメトキシシラン、オ
クタデシルトリメトキシシラン等、構造式CH3(C
H2)nSi(OCH2CH3)3のメチルトリエトキシシ
ラン、ペンチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリ
メトキシシラン等を単独又は組み合わせて使用すること
ができる。なお、上記構造式のnはいずれも0〜17の
整数である。
【0019】次に、静電結合については、物理吸着法と
して金表面にヘモグロビンA1抗体を固定化するため
に、両者の間に硫黄化合物を用いることが可能であり、
一般に硫黄化合物の中でも、操作性、緻密性、安定性な
どに鑑み、チオール、中でもアルカンチオールが本発明
の場合、特に適している。なお、チオール化合物の場合
疎水結合も可能である。
して金表面にヘモグロビンA1抗体を固定化するため
に、両者の間に硫黄化合物を用いることが可能であり、
一般に硫黄化合物の中でも、操作性、緻密性、安定性な
どに鑑み、チオール、中でもアルカンチオールが本発明
の場合、特に適している。なお、チオール化合物の場合
疎水結合も可能である。
【0020】アルカンチオールとは、直鎖アルキル鎖
の、一方の末端にメチル基、アミノ基、メルカプト基、
トリフルオロ基のような有機材料と親和性のある有機官
能基と、他方の末端にSH基を有する有機硫黄化合物の
ことをいう。アルカンチオールとしては、疎水結合の場
合、1-プロパンチオール、1-ブタンチオール、1-ヘキサ
デカンチオール等CH3(CH2)nSH(n=1〜15)の
構造式を有するものである。また、静電結合の場合、メ
ルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸等HOOC
(CH2)nSH(n=1〜15)や、アミノエタンチオー
ル等 H2N(CH2)nSH(n=1〜15)が挙げられ
る。
の、一方の末端にメチル基、アミノ基、メルカプト基、
トリフルオロ基のような有機材料と親和性のある有機官
能基と、他方の末端にSH基を有する有機硫黄化合物の
ことをいう。アルカンチオールとしては、疎水結合の場
合、1-プロパンチオール、1-ブタンチオール、1-ヘキサ
デカンチオール等CH3(CH2)nSH(n=1〜15)の
構造式を有するものである。また、静電結合の場合、メ
ルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸等HOOC
(CH2)nSH(n=1〜15)や、アミノエタンチオー
ル等 H2N(CH2)nSH(n=1〜15)が挙げられ
る。
【0021】pHをアルカリ側に傾けることにより、末
端カルボキシル基がアニオンリッチとなり、これがヘモ
グロビンA1抗体のプラス荷電を有する官能基(例えば
リジン残基中のアミノ基)と静電結合を形成する。ま
た、pHを酸性側に傾けることにより、カチオンリッチ
となり、これがヘモグロビンA1抗体のマイナス荷電を
有する官能基(例えばアスパラギン酸残基中のカルボキ
シル基)と静電結合を形成する。
端カルボキシル基がアニオンリッチとなり、これがヘモ
グロビンA1抗体のプラス荷電を有する官能基(例えば
リジン残基中のアミノ基)と静電結合を形成する。ま
た、pHを酸性側に傾けることにより、カチオンリッチ
となり、これがヘモグロビンA1抗体のマイナス荷電を
有する官能基(例えばアスパラギン酸残基中のカルボキ
シル基)と静電結合を形成する。
【0022】なお、静電結合による有機ケイ素膜の形成
も可能である。例えば、シランカップリング剤として、
構造式H2N(CH2)nSi(OCH3)3 のアミノメ
チルトリメトキシシラン、2ーアミノエチルトリメトキ
シシラン、3ーアミノプロピルトリメトキシシラン、4
ーアミノブチルトリメトキシシラン、8ーアミノオクチ
ルトリメトキシシラン、18ーアミノオクタデシルトリ
メトキシシラン等、H2N(CH2)nSi(OC2H5)
3 のアミノメチルトリエトキシシラン、2ーアミノエチ
ルトリエトキシシラン、3ーアミノプロピルトリエトキ
シシラン、5ーアミノペンチルトリエトキシシラン、8
ーアミノオクチルトリメトキシシラン、18ーアミノオ
クタデシルトリメトキシシラン等を用いることにより、
pHを酸性側に傾け、末端のアミノ基がカチオンリッチ
となる。これに対して、マイナス荷電を有する官能基
(カルボキシル基、スルフォニル基等)と4級化アミノ
基が静電結合を形成する。なお、上記構造式のnはいず
れも0〜17の整数である。
も可能である。例えば、シランカップリング剤として、
構造式H2N(CH2)nSi(OCH3)3 のアミノメ
チルトリメトキシシラン、2ーアミノエチルトリメトキ
シシラン、3ーアミノプロピルトリメトキシシラン、4
ーアミノブチルトリメトキシシラン、8ーアミノオクチ
ルトリメトキシシラン、18ーアミノオクタデシルトリ
メトキシシラン等、H2N(CH2)nSi(OC2H5)
3 のアミノメチルトリエトキシシラン、2ーアミノエチ
ルトリエトキシシラン、3ーアミノプロピルトリエトキ
シシラン、5ーアミノペンチルトリエトキシシラン、8
ーアミノオクチルトリメトキシシラン、18ーアミノオ
クタデシルトリメトキシシラン等を用いることにより、
pHを酸性側に傾け、末端のアミノ基がカチオンリッチ
となる。これに対して、マイナス荷電を有する官能基
(カルボキシル基、スルフォニル基等)と4級化アミノ
基が静電結合を形成する。なお、上記構造式のnはいず
れも0〜17の整数である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いる表面プラズモン共鳴バイオセンサ
ー用測定チップ(以下、単に「測定チップ」という)と
は、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用されるチ
ップであって、該センサーより照射された光を透過及び
反射する部分、並びにヘモグロビンA1抗体及びそれを
固定化する部分とを含む部材をいい、該センサーの本体
に固着されるものであってもよく、また脱着可能なもの
であってもよい。
本発明において用いる表面プラズモン共鳴バイオセンサ
ー用測定チップ(以下、単に「測定チップ」という)と
は、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用されるチ
ップであって、該センサーより照射された光を透過及び
反射する部分、並びにヘモグロビンA1抗体及びそれを
固定化する部分とを含む部材をいい、該センサーの本体
に固着されるものであってもよく、また脱着可能なもの
であってもよい。
【0024】本発明で用いる測定チップは、透明基板、
該透明基板上に配置される金属膜、該金属膜上に配置さ
れる疎水結合又は静電結合した膜、及び該膜上に配置さ
れるヘモグロビンA1抗体を備えている。ここで、「透
明基板上に配置される金属膜」とは、金属膜が直接接し
て透明基板上に配置されている場合のほか、金属膜が透
明基板に直接接することなく、他の層を介して配置され
ている場合をも含む意である。「金属膜上に配置される
疎水結合又は静電結合した膜」及び「該膜上に配置され
るヘモグロビンA1抗体」も上記と同様の意味である。
該透明基板上に配置される金属膜、該金属膜上に配置さ
れる疎水結合又は静電結合した膜、及び該膜上に配置さ
れるヘモグロビンA1抗体を備えている。ここで、「透
明基板上に配置される金属膜」とは、金属膜が直接接し
て透明基板上に配置されている場合のほか、金属膜が透
明基板に直接接することなく、他の層を介して配置され
ている場合をも含む意である。「金属膜上に配置される
疎水結合又は静電結合した膜」及び「該膜上に配置され
るヘモグロビンA1抗体」も上記と同様の意味である。
【0025】本発明の一例による測定チップの断面概略
図を、有機ケイ素膜を形成する方法を例として図1、2
及び3に示す。本実施例により用いられる測定チップ
は、透明基板1と、透明基板1上に形成された金属膜2
と、金属膜2の上に形成された有機ケイ素膜3と、有機
ケイ素膜3の表面に固定化されたヘモグロビンA1抗体
4とを有する。透明基板1としては、通常表面プラズモ
ン共鳴バイオセンサー用の測定チップに使用されるもの
であればどのようなものでもよく、一般的にはガラス、
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの
レーザー光等に対して透明な材料からなるものが使用で
き、偏光に対して異方性を示さず、かつ加工性の優れた
材料が望ましく、その厚さは0.1 〜20mm程度である。
図を、有機ケイ素膜を形成する方法を例として図1、2
及び3に示す。本実施例により用いられる測定チップ
は、透明基板1と、透明基板1上に形成された金属膜2
と、金属膜2の上に形成された有機ケイ素膜3と、有機
ケイ素膜3の表面に固定化されたヘモグロビンA1抗体
4とを有する。透明基板1としては、通常表面プラズモ
ン共鳴バイオセンサー用の測定チップに使用されるもの
であればどのようなものでもよく、一般的にはガラス、
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの
レーザー光等に対して透明な材料からなるものが使用で
き、偏光に対して異方性を示さず、かつ加工性の優れた
材料が望ましく、その厚さは0.1 〜20mm程度である。
【0026】金属膜2としては、表面プラズモン共鳴が
生じ得るようなものであれば特に限定されない。この金
属膜2に使用することのできる金属の種類としては、
金、銀、銅、アルミニウム、白金等が挙げられ、それら
を単独で又は組み合わせて使用することができる。ま
た、上記透明基板1への付着性を考慮して、透明基板1
と金、銀等からなる層との間にクロム等からなる介在層
を設けてもよい。金属膜2の膜厚は、100 〜2000Åであ
るのが好ましく、特に200 〜600 Åであるのが好まし
い。3000Åを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十
分検出することができない。また、クロム等からなる介
在層を設ける場合、その介在層の厚さは、5〜50Åであ
るのが好ましい。
生じ得るようなものであれば特に限定されない。この金
属膜2に使用することのできる金属の種類としては、
金、銀、銅、アルミニウム、白金等が挙げられ、それら
を単独で又は組み合わせて使用することができる。ま
た、上記透明基板1への付着性を考慮して、透明基板1
と金、銀等からなる層との間にクロム等からなる介在層
を設けてもよい。金属膜2の膜厚は、100 〜2000Åであ
るのが好ましく、特に200 〜600 Åであるのが好まし
い。3000Åを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十
分検出することができない。また、クロム等からなる介
在層を設ける場合、その介在層の厚さは、5〜50Åであ
るのが好ましい。
【0027】金属膜2の形成は常法によって行えばよ
く、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティン
グ法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うこ
とができる。これらの方法の中でもスパッタ法を用いる
のが好ましい。有機ケイ素膜3は、ケイ素原子が上下方
向に重ならない単分子層膜であることが好ましい。単分
子層膜にすることにより、ヘモグロビンA1抗体と相互
作用する測定対象物と、入射した光が反射する面との距
離を短くすることができ、良好な感度が得られるととも
に、使用するシランカップリング剤の量を必要最小限に
抑え、コストの低減化を図ることができる。
く、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティン
グ法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うこ
とができる。これらの方法の中でもスパッタ法を用いる
のが好ましい。有機ケイ素膜3は、ケイ素原子が上下方
向に重ならない単分子層膜であることが好ましい。単分
子層膜にすることにより、ヘモグロビンA1抗体と相互
作用する測定対象物と、入射した光が反射する面との距
離を短くすることができ、良好な感度が得られるととも
に、使用するシランカップリング剤の量を必要最小限に
抑え、コストの低減化を図ることができる。
【0028】また、有機ケイ素膜3は、最密充填構造を
とるのが好ましい。最密充填構造とは、有機ケイ素膜3
を構成するSi及びOの網目構造中に他の分子が貫入す
る余地のないほど、網目構造が緻密であることをいう。
最密充填構造をとることにより、ヘモグロビンA1抗体
を高い密度で均等に固定することができ、測定感度を向
上させることができる。有機ケイ素膜3が最密充填構造
をとるかどうかは、以下の方法により確認することがで
きる。
とるのが好ましい。最密充填構造とは、有機ケイ素膜3
を構成するSi及びOの網目構造中に他の分子が貫入す
る余地のないほど、網目構造が緻密であることをいう。
最密充填構造をとることにより、ヘモグロビンA1抗体
を高い密度で均等に固定することができ、測定感度を向
上させることができる。有機ケイ素膜3が最密充填構造
をとるかどうかは、以下の方法により確認することがで
きる。
【0029】プロピルエトキシシラン(シランカップリ
ング剤である3−アミノプロピルトリエトキシシランの
アミノ基を水素原子で置換した化合物)を用いて金属膜
2上に有機ケイ素膜3を形成させる。プロピルエトキシ
シランは、強い疎水性を有する化合物なので、有機ケイ
素膜2の表面の濡れ程度により、プロピルエトキシシラ
ンの密度(即ち、有機ケイ素膜3の細密充填の程度)を
知ることができる。即ち、シリンジにより蒸留水を滴下
した際に表面が一様に水滴を弾くのであれば有機ケイ素
膜3は細密充填構造をとっており、表面が部分的にしか
水を弾かないのであれば、細密充填構造をとっておら
ず、Si及びOの網目構造に空隙が存在することが推測
される。
ング剤である3−アミノプロピルトリエトキシシランの
アミノ基を水素原子で置換した化合物)を用いて金属膜
2上に有機ケイ素膜3を形成させる。プロピルエトキシ
シランは、強い疎水性を有する化合物なので、有機ケイ
素膜2の表面の濡れ程度により、プロピルエトキシシラ
ンの密度(即ち、有機ケイ素膜3の細密充填の程度)を
知ることができる。即ち、シリンジにより蒸留水を滴下
した際に表面が一様に水滴を弾くのであれば有機ケイ素
膜3は細密充填構造をとっており、表面が部分的にしか
水を弾かないのであれば、細密充填構造をとっておら
ず、Si及びOの網目構造に空隙が存在することが推測
される。
【0030】有機ケイ素膜3は、例えば、シランカップ
リング剤を用いることにより形成させることができる。
具体的には、シランカップリング剤の飽和蒸気中に金属
膜2を一定時間暴露する方法(飽和蒸気法)、シランカ
ップリング剤を含む溶液中に金属膜2を一定時間浸漬す
る方法(浸漬法)、スピンコータを用いる方法(スピン
コーティング法)、グラビア印刷機を用いる方法(グラ
ビア法)などにより成膜することができる。本発明にお
いては、これらのいずれの方法を用いてもよいが、細密
充填構造をとる単分子層膜を形成させるためには、飽和
蒸気法を用いるのが好ましい。
リング剤を用いることにより形成させることができる。
具体的には、シランカップリング剤の飽和蒸気中に金属
膜2を一定時間暴露する方法(飽和蒸気法)、シランカ
ップリング剤を含む溶液中に金属膜2を一定時間浸漬す
る方法(浸漬法)、スピンコータを用いる方法(スピン
コーティング法)、グラビア印刷機を用いる方法(グラ
ビア法)などにより成膜することができる。本発明にお
いては、これらのいずれの方法を用いてもよいが、細密
充填構造をとる単分子層膜を形成させるためには、飽和
蒸気法を用いるのが好ましい。
【0031】飽和蒸気法においては、暴露時の温度、湿
度なども単分子層構造及び細密充填構造の形成に影響を
与えるが、暴露時間が最も重要な要素である。暴露時間
が長すぎると単分子層構造が得られず、また、暴露時間
が短すぎると細密充填構造が得られない。暴露時間は、
通常、1〜600 分とするのが好ましく、15〜90分とする
のが更に好ましい。
度なども単分子層構造及び細密充填構造の形成に影響を
与えるが、暴露時間が最も重要な要素である。暴露時間
が長すぎると単分子層構造が得られず、また、暴露時間
が短すぎると細密充填構造が得られない。暴露時間は、
通常、1〜600 分とするのが好ましく、15〜90分とする
のが更に好ましい。
【0032】本発明における有機ケイ素膜3は、以下の
ような利点を有する。 ヘモグロビンA1抗体を金属膜2に極めて近い位置
に固定化することができるので、従来の測定チップを使
用する場合よりも大幅に測定感度を向上させることがで
きる。 成膜が容易であり、また、一度に大量の成膜処理が
できる。 シランカップリング剤の種類を変えることにより、
物理吸着に適切な膜厚だけでなく、表面改質、官能基導
入などの化学修飾が可能となる。 本発明の測定チップは、有機ケイ素膜3に、直接ヘモグ
ロビンA1抗体を固定して使用する。
ような利点を有する。 ヘモグロビンA1抗体を金属膜2に極めて近い位置
に固定化することができるので、従来の測定チップを使
用する場合よりも大幅に測定感度を向上させることがで
きる。 成膜が容易であり、また、一度に大量の成膜処理が
できる。 シランカップリング剤の種類を変えることにより、
物理吸着に適切な膜厚だけでなく、表面改質、官能基導
入などの化学修飾が可能となる。 本発明の測定チップは、有機ケイ素膜3に、直接ヘモグ
ロビンA1抗体を固定して使用する。
【0033】通常は抗体4のFcフラグメントが有機ケ
イ素膜3の表面のみに固定化され、抗体は単分子層状態
に形成される。但し、抗体4のFabフラグメントが有
機ケイ素膜3から離れる程、感度や反応速度が低下する
ため、図3に示すようにFabフラグメント(図3(a)
)又はF(ab')2 フラグメント(図3(b) )を直接有
機ケイ素膜3に固定化して、感度や反応速度を向上させ
てもよい。
イ素膜3の表面のみに固定化され、抗体は単分子層状態
に形成される。但し、抗体4のFabフラグメントが有
機ケイ素膜3から離れる程、感度や反応速度が低下する
ため、図3に示すようにFabフラグメント(図3(a)
)又はF(ab')2 フラグメント(図3(b) )を直接有
機ケイ素膜3に固定化して、感度や反応速度を向上させ
てもよい。
【0034】ヘモグロビンA1抗体4の厚さは、使用す
るヘモグロビンA1抗体自体の大きさにもよるが、100
〜3000Åであるのが好ましく、特に100 〜1000Åである
のが好ましい。ヘモグロビンA1抗体の固定化方法は常
法によって行えばよく、例えば、所定量のヘモグロビン
A1抗体を有機ケイ素膜3に所定時間接触させることに
より固定化することができる。また、フローセル型の表
面プラズモン共鳴バイオセンサーに測定チップを設置し
て一定流量のヘモグロビンA1抗体を所定時間(所定
量)流すことによっても固定化できる。
るヘモグロビンA1抗体自体の大きさにもよるが、100
〜3000Åであるのが好ましく、特に100 〜1000Åである
のが好ましい。ヘモグロビンA1抗体の固定化方法は常
法によって行えばよく、例えば、所定量のヘモグロビン
A1抗体を有機ケイ素膜3に所定時間接触させることに
より固定化することができる。また、フローセル型の表
面プラズモン共鳴バイオセンサーに測定チップを設置し
て一定流量のヘモグロビンA1抗体を所定時間(所定
量)流すことによっても固定化できる。
【0035】ヘモグロビンA1抗体4のFabフラグメ
ントを直接有機ケイ素膜3に固定化する場合には、パパ
インを用いて抗体4を部分分解した後、同様の処理を行
えばよい。一方、抗体4のF(ab')2 フラグメントを
直接有機ケイ素膜3に固定化する場合には、ペプシンを
用いて抗体4を部分分解した後、同様の処理を行えばよ
い。このようにシランカップリング剤に直接ヘモグロビ
ンA1抗体を強固に固定化することにより、当該測定チ
ップを洗浄してもヘモグロビンA1抗体の固定化を維持
できるため、繰り返し測定に使用することができるとい
う利点が得られる。
ントを直接有機ケイ素膜3に固定化する場合には、パパ
インを用いて抗体4を部分分解した後、同様の処理を行
えばよい。一方、抗体4のF(ab')2 フラグメントを
直接有機ケイ素膜3に固定化する場合には、ペプシンを
用いて抗体4を部分分解した後、同様の処理を行えばよ
い。このようにシランカップリング剤に直接ヘモグロビ
ンA1抗体を強固に固定化することにより、当該測定チ
ップを洗浄してもヘモグロビンA1抗体の固定化を維持
できるため、繰り返し測定に使用することができるとい
う利点が得られる。
【0036】本発明の測定チップは、例えば、図4に示
されるような表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用
することができる。この表面プラズモン共鳴バイオセン
サーは、カートリッジブロック7と、光源8と、検出器
9とを有し、カートリッジブロック7の上に本発明の測
定チップ10を設置して使用する。測定チップ10は、透明
基板が上になるように設置する。カートリッジブロック
7の上面には凹部が設けられており、この凹部と上記測
定チップ10とで測定セル71が構成される。測定セル71
は、流路72、73によりカートリッジブロック7の外部に
連通しており、試料は流路72を通じて測定セル71中に流
れ込み、測定に供された後流路73を通じて外部に排出さ
れる。
されるような表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用
することができる。この表面プラズモン共鳴バイオセン
サーは、カートリッジブロック7と、光源8と、検出器
9とを有し、カートリッジブロック7の上に本発明の測
定チップ10を設置して使用する。測定チップ10は、透明
基板が上になるように設置する。カートリッジブロック
7の上面には凹部が設けられており、この凹部と上記測
定チップ10とで測定セル71が構成される。測定セル71
は、流路72、73によりカートリッジブロック7の外部に
連通しており、試料は流路72を通じて測定セル71中に流
れ込み、測定に供された後流路73を通じて外部に排出さ
れる。
【0037】光源8からは、測定チップ10の透明基板に
向かって単色光が照射され(入射光80)、測定チップ10
の裏面に設けられた金属膜で反射したその反射光90が、
検出器9に入光する。検出器9では、反射光90の強度を
検出することができる。
向かって単色光が照射され(入射光80)、測定チップ10
の裏面に設けられた金属膜で反射したその反射光90が、
検出器9に入光する。検出器9では、反射光90の強度を
検出することができる。
【0038】上記のような構造によって、ある入射角θ
に対して谷を形成する反射光強度曲線が得られる。反射
光強度曲線における谷は、表面プラズモン共鳴によるも
のである。即ち、光が測定チップ10の透明基板と外との
界面で全反射するときに、その界面にエバネッセント波
といわれる表面波が生じ、一方、金属膜にも表面プラズ
モンといわれる表面波が生じる。この2つの表面波の波
数が一致すると共鳴が起こり、光のエネルギーの一部が
表面プラズモンを励起するために使用され、反射光の強
度が低下する。ここで、表面プラズモンの波数は、金属
膜表面のごく近くにある媒質の屈折率の影響を受けるた
め、測定対象物質とヘモグロビンA1抗体との相互作用
により媒質の屈折率が変化すると、表面プラズモン共鳴
が生じる入射角θが変化する。従って、反射光強度曲線
の谷のずれによって、測定対象物質の濃度の変化を検知
することができる。入射角θの変化量は共鳴シグナルと
いわれ、10-4°の変化を1RUとして表す。
に対して谷を形成する反射光強度曲線が得られる。反射
光強度曲線における谷は、表面プラズモン共鳴によるも
のである。即ち、光が測定チップ10の透明基板と外との
界面で全反射するときに、その界面にエバネッセント波
といわれる表面波が生じ、一方、金属膜にも表面プラズ
モンといわれる表面波が生じる。この2つの表面波の波
数が一致すると共鳴が起こり、光のエネルギーの一部が
表面プラズモンを励起するために使用され、反射光の強
度が低下する。ここで、表面プラズモンの波数は、金属
膜表面のごく近くにある媒質の屈折率の影響を受けるた
め、測定対象物質とヘモグロビンA1抗体との相互作用
により媒質の屈折率が変化すると、表面プラズモン共鳴
が生じる入射角θが変化する。従って、反射光強度曲線
の谷のずれによって、測定対象物質の濃度の変化を検知
することができる。入射角θの変化量は共鳴シグナルと
いわれ、10-4°の変化を1RUとして表す。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。 〔実施例1〕本実施例では、図1に示されるような構成
を有する測定チップを作製した。透明基板としては、13
mm×18mm、厚さ0.17mmのカバーグラス(松浪硝子工業社
製)を使用した。この透明基板上に、スパッタリングに
よりクロムからなる層、次いで金からなる層を形成し
た。スパッタリングは、クロムについては100 W,30秒
間、金については100 W,150 秒間で行った。得られた
クロム層の厚さは32.2Åであり、金層の厚さは474 Åで
あった。
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。 〔実施例1〕本実施例では、図1に示されるような構成
を有する測定チップを作製した。透明基板としては、13
mm×18mm、厚さ0.17mmのカバーグラス(松浪硝子工業社
製)を使用した。この透明基板上に、スパッタリングに
よりクロムからなる層、次いで金からなる層を形成し
た。スパッタリングは、クロムについては100 W,30秒
間、金については100 W,150 秒間で行った。得られた
クロム層の厚さは32.2Åであり、金層の厚さは474 Åで
あった。
【0040】上記の金属膜を有する透明基板を、シラン
カップリング剤の飽和蒸気中に暴露し、金属膜上に有機
ケイ素膜を形成させた。まず、広口シャーレに原液のま
まのメチルトリエトキシシランを30ml 入れ、室温で24
時間放置し、シャーレ内部をプロピルトリエトキシシラ
ンの飽和蒸気で満たした。次に、上記で作製した透明基
板を金属膜部分が露出するようにステンレス製のマスク
(支持具)に固定し、このマスクをシャーレの開口部に
載せ、30分間放置し、カバーグラスの金属膜上に有機ケ
イ素膜を形成させ、続いてその上に8.2×10-3mg/mlの濃
度の抗HbA1抗体を70ml滴下し、120分静置した。リン
ス後自然乾燥して測定チップを作製した。
カップリング剤の飽和蒸気中に暴露し、金属膜上に有機
ケイ素膜を形成させた。まず、広口シャーレに原液のま
まのメチルトリエトキシシランを30ml 入れ、室温で24
時間放置し、シャーレ内部をプロピルトリエトキシシラ
ンの飽和蒸気で満たした。次に、上記で作製した透明基
板を金属膜部分が露出するようにステンレス製のマスク
(支持具)に固定し、このマスクをシャーレの開口部に
載せ、30分間放置し、カバーグラスの金属膜上に有機ケ
イ素膜を形成させ、続いてその上に8.2×10-3mg/mlの濃
度の抗HbA1抗体を70ml滴下し、120分静置した。リン
ス後自然乾燥して測定チップを作製した。
【0041】この測定チップを、市販の表面プラズモン
共鳴バイオセンサー(ファルマシアバイオセンサー社
製、BIAcore2000 )のカートリッジブロック上に設置し
た。このセンサーは図4に示すような構造を有する。抗
体を固定化した測定チップを設置した測定セルに、0.0
1、0.1、1、10、100μg/mlに希釈したヘモグロビン
A1Cを各々流速5μl/分で10分間流しながら光強度を
測定し、共鳴シグナル(RU)を求めた。この結果を図6
に示す。
共鳴バイオセンサー(ファルマシアバイオセンサー社
製、BIAcore2000 )のカートリッジブロック上に設置し
た。このセンサーは図4に示すような構造を有する。抗
体を固定化した測定チップを設置した測定セルに、0.0
1、0.1、1、10、100μg/mlに希釈したヘモグロビン
A1Cを各々流速5μl/分で10分間流しながら光強度を
測定し、共鳴シグナル(RU)を求めた。この結果を図6
に示す。
【0042】図6に示すように、試料濃度と共鳴シグナ
ルに正比例に類似した右肩上がりの関係がみられた。こ
れは、抗体の特異的反応に起因するものであるものと推
測される。これより、本実施例による測定チップを用い
れば、共鳴シグナルの値を測定することにより抗原を定
量することができる。以上は、有機ケイ素膜を形成する
方法を例にとって、実施例及び試験例を説明したが、次
に他の方法による金属膜の形成の実施例を説明する。
ルに正比例に類似した右肩上がりの関係がみられた。こ
れは、抗体の特異的反応に起因するものであるものと推
測される。これより、本実施例による測定チップを用い
れば、共鳴シグナルの値を測定することにより抗原を定
量することができる。以上は、有機ケイ素膜を形成する
方法を例にとって、実施例及び試験例を説明したが、次
に他の方法による金属膜の形成の実施例を説明する。
【0043】〔実施例2〕図7に示すように、厚さ45
0Åを金成膜されたガラス基板上に、スパッタリング法
で、以下に示す通りの条件で、金化合物膜を約50Åの
厚さに成膜し、その上に抗ヘモグロビンA1抗体を固定
化する。 成膜装置 ;プレーナー型DCマグネトロンスパッター
装置 ターゲット;金 ガス及び流量;アルゴンガス76sccm+六フッ化硫黄ガ
ス24sccm スパッター圧力;3ミリトール スパッター電流;6アンペア なお、ターゲットの金の代わりに、金属クロムを使用す
ることも可能である。
0Åを金成膜されたガラス基板上に、スパッタリング法
で、以下に示す通りの条件で、金化合物膜を約50Åの
厚さに成膜し、その上に抗ヘモグロビンA1抗体を固定
化する。 成膜装置 ;プレーナー型DCマグネトロンスパッター
装置 ターゲット;金 ガス及び流量;アルゴンガス76sccm+六フッ化硫黄ガ
ス24sccm スパッター圧力;3ミリトール スパッター電流;6アンペア なお、ターゲットの金の代わりに、金属クロムを使用す
ることも可能である。
【0044】〔実施例3〕図8に示すように、ガラス基
板に金を500Å成膜後、ドライエッチング法で以下に
示す通りの方法で、金表面を処理し、その上に抗ヘモグ
ロビンA1抗体を固定化する。 成膜装置 ;平行平板型RFドライエッチング装置 ガス及び流量;四フッ化炭素80sccm+酸素20sccm 処理圧力;50Pa 投入電力;500W なお、ガスとして炭酸ガス100sccmを使用してもよ
い。
板に金を500Å成膜後、ドライエッチング法で以下に
示す通りの方法で、金表面を処理し、その上に抗ヘモグ
ロビンA1抗体を固定化する。 成膜装置 ;平行平板型RFドライエッチング装置 ガス及び流量;四フッ化炭素80sccm+酸素20sccm 処理圧力;50Pa 投入電力;500W なお、ガスとして炭酸ガス100sccmを使用してもよ
い。
【0045】〔実施例4〕図9に示すように、ガラス基
板上に金を500Å成膜後、CVD法で以下に示す通り
の方法で、シロキサン膜を形成後、その上に抗ヘモグロ
ビンA1抗体を固定化する。 成膜装置 ;平行平板型RF方式CVD装置 ガス及び流量;HMDSO10sccm 酸素30sccm
アルゴン90sccm 成膜時圧力;200mTorr 投入電力;100W
板上に金を500Å成膜後、CVD法で以下に示す通り
の方法で、シロキサン膜を形成後、その上に抗ヘモグロ
ビンA1抗体を固定化する。 成膜装置 ;平行平板型RF方式CVD装置 ガス及び流量;HMDSO10sccm 酸素30sccm
アルゴン90sccm 成膜時圧力;200mTorr 投入電力;100W
【0046】静電結合の実施例を次に示す。 〔実施例5〕実施例1と同様に透明基板としてカバーグ
ラスを用い、この透明基板上にスパッタリングによりク
ロム層、次いで金からなる層を形成した。この金属膜を
有する透明基板を、アルカンチオールのエタノール溶液
に浸漬し、金属膜上にチオール膜を形成させた。まず、
30mlサンプルびんでアルカンチオールをエタノール
に溶かして1mMに調整する。次に、上記で作製した透
明基板をアルカンチオールエタノール溶液中に1時間浸
漬する。その後、透明基板を引き上げエタノールでリン
スした後、N2 または空気中で乾燥し、カバーグラスの
金属膜上にチオール膜を形成させ、その上に8.2×1
0-3mg/mlの濃度の抗ヘモグロビンA1抗体を50
μl滴下し、90分静置した。リンス後自然乾燥して測
定チップを作製した。この測定チップを、市販の表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサー(ファルマシアバイオセン
サー社製、BIAcore2000 )のカートリッジブロック上に
設置した。このセンサーは図4に示すような構造を有す
る。
ラスを用い、この透明基板上にスパッタリングによりク
ロム層、次いで金からなる層を形成した。この金属膜を
有する透明基板を、アルカンチオールのエタノール溶液
に浸漬し、金属膜上にチオール膜を形成させた。まず、
30mlサンプルびんでアルカンチオールをエタノール
に溶かして1mMに調整する。次に、上記で作製した透
明基板をアルカンチオールエタノール溶液中に1時間浸
漬する。その後、透明基板を引き上げエタノールでリン
スした後、N2 または空気中で乾燥し、カバーグラスの
金属膜上にチオール膜を形成させ、その上に8.2×1
0-3mg/mlの濃度の抗ヘモグロビンA1抗体を50
μl滴下し、90分静置した。リンス後自然乾燥して測
定チップを作製した。この測定チップを、市販の表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサー(ファルマシアバイオセン
サー社製、BIAcore2000 )のカートリッジブロック上に
設置した。このセンサーは図4に示すような構造を有す
る。
【0047】
【発明の効果】本発明により、表面プラズモン共鳴バイ
オセンサー用の測定チップにヘモグロビンA1抗体を固
定するに際して、金属膜と強固にかつ容易に結合するこ
とができる。
オセンサー用の測定チップにヘモグロビンA1抗体を固
定するに際して、金属膜と強固にかつ容易に結合するこ
とができる。
【図1】本発明の一例による測定チップの概略断面図で
ある。
ある。
【図2】従来の測定チップの概略断面図である。
【図3】本発明の別の例による測定チップの概略断面図
である。
である。
【図4】本発明の測定チップに使用する表面プラズモン
共鳴バイオセンサーの概念図である。
共鳴バイオセンサーの概念図である。
【図5】比較例1で使用した測定チップの概略断面図で
ある。
ある。
【図6】ヘモグロビンA1濃度と共鳴シグナルとの関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図7】スパッタリング法による膜形成を示す図であ
る。
る。
【図8】ドライエッチング法による成膜構成を示す図で
ある。
ある。
【図9】CVD法による成膜構成図である。
【図10】物理吸着法(疎水結合)における抗体固定化
手順を示す。
手順を示す。
1,1'…透明基板 2…金属膜 2'…金属膜 3…有機ケイ素膜 4,4'…ヘモグロビンA1抗体 5…多孔性材料 6…共有結合膜 7…カートリッジブロック 71…測定セル 72,73…流路 8…光源 80…入射光 9…検出器 90…反射光 10…測定チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 公治 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
Claims (19)
- 【請求項1】 透明基板、該透明基板上に配置される金
属膜及び該金属膜上に疎水結合あるいは静電結合で配置
される、ヘモグロビンA1抗体を備えていることを特徴
とする表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チッ
プ。 - 【請求項2】 前記疎水結合あるいは静電結合が有機ケ
イ素膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の表
面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ。 - 【請求項3】 前記有機ケイ素膜がシランカップリング
剤により形成された膜であることを特徴とする、請求項
2に記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チ
ップ。 - 【請求項4】 透明基板上に配置される金属が金である
ことを特徴とする請求項1記載の表面プラズモン共鳴バ
イオセンサー用測定チップ。 - 【請求項5】 疎水結合による膜が金属とフッ素の化合
物又は金属とフッ素の混合物を主成分とすることを特徴
とする請求項1記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサ
ー用測定チップ。 - 【請求項6】 前記金属が金であることを特徴とする請
求項5記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定
チップ。 - 【請求項7】 疎水結合による膜が金属と炭素の化合物
又は金属と炭素の混合物を主成分とすることを特徴とす
る請求項1記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用
測定チップ。 - 【請求項8】 前記金属が金であることを特徴とする請
求項7記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定
チップ。 - 【請求項9】 疎水結合による膜がフッ素系ガスを含む
プラズマに曝すことにより形成されることを特徴とする
請求項1記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ。 - 【請求項10】 疎水結合による膜が炭素を含むプラズ
マに曝すことにより形成されることを特徴とする請求項
1記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チッ
プ。 - 【請求項11】 疎水結合による膜がシロキサンを主成
分とすることを特徴とする請求項1記載の表面プラズモ
ン共鳴バイオセンサー用測定チップ。 - 【請求項12】 疎水結合による膜がフッ素含有有機化
合物を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の表
面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ。 - 【請求項13】 疎水結合あるいは静電結合による膜が
チオールであることを特徴とする請求項1記載の表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ。 - 【請求項14】 前記チオール膜がアルカンチオールに
よって形成された膜であることを特徴とする請求項13
記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チッ
プ。 - 【請求項15】 前記ヘモグロビンA1抗体がヘモグロ
ビンA1C抗体であることを特徴とする請求項1記載の表
面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ。 - 【請求項16】 透明基板上に金属膜を配置した後、該
金属膜の上に疎水結合または静電結合により膜を形成
し、次いで該膜上にヘモグロビンA1抗体を配置するこ
とを特徴とする、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用
測定チップの製造方法。 - 【請求項17】 請求項1記載の測定用チップを用いて
ヘモグロビンA1抗体を測定する方法。 - 【請求項18】 前記ヘモグロビンA1抗体がヘモグロ
ビンA1C抗体であることを特徴とする請求項17記載の
表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップの製造
方法。 - 【請求項19】 全血をそのまま表面プラズモン共鳴バ
イオセンサー用測定チップに投与することを特徴とする
請求項17記載のヘモグロビンA1抗体を測定する方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10015724A JPH11211728A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | ヘモグロビンa1測定用チップ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10015724A JPH11211728A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | ヘモグロビンa1測定用チップ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11211728A true JPH11211728A (ja) | 1999-08-06 |
Family
ID=11896717
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10015724A Pending JPH11211728A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | ヘモグロビンa1測定用チップ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11211728A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003515111A (ja) * | 1999-11-15 | 2003-04-22 | アイ−スタット コーポレイション | 液体試料において凝血を分析する装置と方法 |
| JP2023551772A (ja) * | 2020-10-27 | 2023-12-13 | アウレウム ダイアグノスティクス リミテッド | 電気化学センサー |
-
1998
- 1998-01-28 JP JP10015724A patent/JPH11211728A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003515111A (ja) * | 1999-11-15 | 2003-04-22 | アイ−スタット コーポレイション | 液体試料において凝血を分析する装置と方法 |
| JP2006126206A (ja) * | 1999-11-15 | 2006-05-18 | I-Stat Corp | 液体試料において凝血を分析する装置と方法 |
| JP2023551772A (ja) * | 2020-10-27 | 2023-12-13 | アウレウム ダイアグノスティクス リミテッド | 電気化学センサー |
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