JPH11214155A - 注入形電場発光デバイスとその製造方法 - Google Patents

注入形電場発光デバイスとその製造方法

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JPH11214155A
JPH11214155A JP10016682A JP1668298A JPH11214155A JP H11214155 A JPH11214155 A JP H11214155A JP 10016682 A JP10016682 A JP 10016682A JP 1668298 A JP1668298 A JP 1668298A JP H11214155 A JPH11214155 A JP H11214155A
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JP
Japan
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injection
electron
electroluminescent device
electron conjugated
type electroluminescent
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JP10016682A
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English (en)
Inventor
Yoshio Kishimoto
良雄 岸本
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Matsushita Electronics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新たな原理の有機発光素子を構成することに
より、輝度が高く、信頼性も高く、寿命特性も優れた注
入形電場発光デバイスを提供する。 【解決手段】 正孔注入用透明電極1と電子注入用薄膜
電極2よりなる一対の電極間に、蛍光性セグメント3を
有し電子及び正孔の両方の注入可能なパイ電子共役分子
4をゲストとして高誘電性固溶性マトリクス5のホスト
中に溶解させた有機発光層6が配置されたものである。
正孔注入用透明電極1より正孔注入を受けたパイ電子共
役分子4aは、電場下で分電し、対極方向に電気泳動す
る。一方、電子注入用薄膜電極2より電子注入を受けた
パイ電子共役分子4bは逆方向に泳動する。素子中で、
パイ電子共役分子間で電荷のホッピング移動が起こって
電荷が輸送され、正孔と電子の再結合が起こり、発光す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ディスプレ
イ、発光ダイオードおよび面発光光源などに用いられる
注入形電場発光デバイスとその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、電場発光デバイス(EL)よりな
るディスプレイパネルは、視認性が高く、表示能力に優
れ、高速応答も可能という特徴を持っている。有機材料
による注入形電場発光デバイスとして、次のような公知
技術が開示されている。
【0003】特開昭57−51781号公報には、有機
発光体(ゲスト)と結合剤(ホスト)を有し、有機発光
体と陽極電極間にポルフィリン層を配置したELセルが
開示されている。
【0004】また、特開昭63−264692号公報に
は、ホール(正孔)と電子の両方を注入できるホスト物
質と、蛍光物質(ゲスト)とからなる厚さ1μm以下の
電場発光デバイスが開示されている。
【0005】また、特開平2−15595号公報には、
アルカリ金属以外の複数の金属よりなる仕事関数4eV
未満のカソードを有する電界発光デバイスの構成が開示
されている。この注入形電場発光デバイスの電子注入電
極としては、仕事関数の小さいMg−Ag、Ca、A
g、Li−Al、Li−Ag、およびAlなどの金属薄
膜電極(例えば特開昭60−165771号公報や特開
平5−121172号公報などにも開示されている)
が、蒸着によって形成されることが開示されている。
【0006】これらの公開公報に関する具体的な研究報
告として、アプライド・フィジックス・レターズ、第5
1巻913頁1987年(Applied Physics Letters,51,
1987,P.913.)に記載されている。この報告でタング
(C.W.Tang)らは有機発光層及び電荷輸送層を
積層した構造の注入形電場発光デバイスを開示してい
る。ここでは発光材料として高い発光効率と電子輸送を
合わせ持つトリス(8−キノリノール)アルミニウム錯
体(以下Alqと記す)を用いて、優れた注入形電場発
光デバイスを得ている。
【0007】また、ジャーナル・オブ・アプライド・フ
ィジックス、第65巻3610頁1989年(Journal o
f Applied Physics,65,1989,p.3610.)には、有機発光層
を形成するAlqにクマリン誘導体やDCM1(Eas
tman Chemicals)等の蛍光色素をドープ
した素子を作製し、色素の適切な選択により発光色が変
わることを報告すると共に、発光効率も非ドープに比べ
上昇することを開示している。この研究に続いて多くの
研究開発がなされ、新しい機能材料として、蛍光発光性
のキレート金属錯体や電子輸送性有機分子や正孔輸送性
有機分子が開発され検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の有機分子
よりなる注入形電場発光デバイスでは、有機分子が分子
性材料であり、分子間力が弱く電場下で拡散や電気泳動
が生じやすく、組成変動や特性変化が起こり易く、信頼
性の高い素子が得られにくいという課題があった。
【0009】また、この有機分子よりなる上記の注入形
電場発光デバイスは、素子の厚みが1μm以下の超薄膜
領域で作られ、3〜20Vの直流電圧(パルス電圧を含
む)が印加されるので、その電界強度は105〜106
/cmと高いため、非常に分子が動きやすいという課題
があった。
【0010】そこで、本発明は上記課題を解決するもの
で、新たな原理の素子を構成することにより信頼性が高
く寿命特性にも優れる注入形電場発光デバイスを提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明(請求項1)は、正孔注入用透明電極と電子
注入用薄膜電極よりなる一対の電極間に、蛍光性セグメ
ントを有し電子及び正孔の両方の注入可能なパイ電子共
役分子をゲストとし、同パイ電子共役分子を高誘電性固
溶性マトリクスのホスト中に溶解させた有機発光層を設
けるとともに、前記正孔注入用透明電極と前記電子注入
用薄膜電極よりそれぞれ正孔と電子の電荷注入を受けた
前記パイ電子共役分子が、電場下で分子拡散と電気泳動
を伴うホッピング伝導による電荷輸送をし、前記パイ電
子共役分子間で正孔と電子の再結合により発光をするも
のである。
【0012】これにより、パイ電子共役分子は一方の電
極より電荷注入を受けて帯電し、対極方向に電気泳動
し、また、他方の電極で逆極性の電荷注入を受けたパイ
電子共役分子はこれと逆方向に電気泳動する。そして、
素子中で、パイ電子共役分子間で電荷のホッピング移動
が起こって電荷が輸送され、帯電したパイ電子共役分子
は、逆帯電したパイ電子共役分子と出会い、電荷の再結
合が起こり、発光が発生する。この発光機構は、詳述す
れば電荷の再結合のエネルギーがエネルギー移動を起こ
し、蛍光性セグメントの電子を励起して蛍光発光する場
合が多い。
【0013】本発明では、高誘電性固溶性マトリクスの
ホストは、電荷輸送材料ではなくクーロンポテンシャル
を広げる極性材料よりなり、パイ電子共役分子(ゲス
ト)の分子間での電荷のホッピング移動を容易にする作
用をする。これは、上記従来の技術で示したコダック社
出願の特開昭63−264692号公報に記載された電
荷輸送物質のホストと蛍光物質のゲストとの組合せと
は、構成を異にする。従って本発明は、上記公報に記載
されたものと比較すると、素子に流れる電流値は下がる
が、発光効率は上昇するという特徴がある。
【0014】また、パイ電子共役分子がゲストとして高
誘電性固溶性マトリクスのホスト中に溶解した構造であ
るため、ゲスト分子の結晶化が起こりにくく、励起三重
項状態を作り難く、従って非発光部である黒点の発生が
少なくなるという効果もある。
【0015】本発明(請求項2)は、パイ電子共役分子
が分子形状の長手方向にパイ電子共役の発達した分子よ
りなるものである。
【0016】これにより、分子内が長手方向に導電性に
なるため、電場方向にキャリヤ輸送を促進することがで
きる。
【0017】本発明(請求項3)は、パイ電子共役の構
造がフェニレンビニレン、フェニレンオキシド、フェニ
レンサルファイド、N−置換アニリン、チオフェン、ピ
ロールおよびアリレン(arylene)構造より選ば
れた少なくとも一種の構造の連鎖よりなるものである。
【0018】これにより、好ましいパイ電子共役構造を
示すことができ、これらの分子は、電荷輸送に伴う帯電
・放電に対し可逆性(安定性)が高く素子の信頼性を高
めることができる。
【0019】本発明(請求項4)は、高誘電性固溶性マ
トリクスが、分子構造中に活性水素を含まない極性高分
子よりなるものである。
【0020】この活性水素を含まない極性高分子のホス
トは、電荷輸送材料ではなくクーロンポテンシャルを広
げることができるため、パイ電子共役分子(ゲスト)の
分子間の電荷のホッピング移動を容易にすることができ
る。また、活性水素を含まないことにより、プロトン伝
導を起こさず、伝導によるガス発生もなく高い信頼性を
与えることができる。
【0021】本発明(請求項5)は、極性高分子がポリ
カーボネート、ポリエステル、ポリイミド、N−置換ポ
リアミド、N−置換ポリウレタン、N−置換ポリアリル
アミン、ポリビニルピリジン、シリコン系高分子および
これらの共重合体より選ばれた少なくとも一種よりなる
ものである。
【0022】これにより、好ましい極性高分子構造を示
すとともに、これらの高分子は、活性水素を持たず、可
とう性、成膜性にも優れている。
【0023】本発明(請求項6)は、高誘電性固溶性マ
トリクス中に、さらに電子受容性有機分子あるいは電子
供与性有機分子が溶解されているものである。
【0024】電子受容性有機分子あるいは電子供与性有
機分子を加えることによって、さらに電荷輸送性を高め
ることができる。
【0025】本発明(請求項7)は、正孔注入用透明電
極もしくは電子注入用薄膜電極と、パイ電子共役分子を
含む高誘電性固溶性マトリクスよりなる有機発光層との
界面に、有機分子よりなる電荷注入の容易な電荷注入層
を形成したものである。
【0026】この電荷注入層を設けることにより、無機
系材料よりなる電極から有機発光層への電荷注入を容易
にすることができる。
【0027】本発明(請求項8)は、正孔注入用透明電
極とパイ電子共役分子を含む高誘電性固溶性マトリクス
よりなる有機発光層との界面に形成される電荷注入層
が、窒素含有芳香族化合物よりなるものである。
【0028】これにより、無機系材料よりなる電極から
有機発光層への正孔注入に好ましい分子構造とすること
ができる。
【0029】本発明(請求項9)は、窒素含有芳香族化
合物が、ポルフィリン化合物、ポリアリルアミンより選
ばれた一種よりなるものである。
【0030】これにより、有機発光層への正孔注入に好
ましいより具体的な分子構造とすることができる。
【0031】本発明(請求項10)は、電子注入用薄膜
電極とパイ電子共役分子を含む高誘電性固溶性マトリク
スよりなる有機発光層との界面に形成される電荷注入層
が、芳香族シアノ化物、芳香族ハロゲン化物より選ばれ
た一種よりなるものである。
【0032】これにより、有機発光層への電子注入に好
ましい分子構造とすることができる。
【0033】本発明(請求項11)は、芳香族シアノ化
物、芳香族ハロゲン化物が、テトラシアノキノン、テト
ラシアノキノジメタン、ジシアノジハロキノン、テトラ
ハロキノンからなるものである。
【0034】これにより、無機系材料よりなる電極から
有機発光層への電子注入に好ましいより具体的な分子構
造とすることができる。
【0035】本発明(請求項12)は、高誘電性固溶性
マトリクスを溶解した溶液中に、蛍光性セグメントを有
し電子及び正孔の両方の注入可能なパイ電子共役分子を
溶解した溶液を調製し、正孔注入用透明電極を形成した
基板上に前記溶液をキャストして薄膜を形成した後乾燥
させ、その上に電子注入用薄膜電極を形成したものであ
る。
【0036】この製造方法により、パイ電子共役分子を
ゲストにし、高誘電性固溶性マトリクスをホストとする
新しい構成の注入形電場発光デバイスを形成することが
できるとともに、溶液であるため取り扱いが容易にな
る。
【0037】本発明(請求項13)は、正孔注入用透明
電極を形成した基板上に蛍光性セグメントを有し電子及
び正孔の両方の注入可能なパイ電子共役分子を溶解した
溶液を、高誘電性固溶性マトリクスとなる材料の前駆体
の溶液中に溶解させ、ついで固化させ高誘電性固溶性マ
トリクスを形成させ、その上に電子注入用薄膜電極を形
成したものである。
【0038】この製造方法により、パイ電子共役分子を
ゲストにし、高誘電性固溶性マトリクスをホストとする
新しい構成の注入形電場発光デバイスを形成することが
できるとともに、前駆体を使用するため、より取り扱い
が容易になる。
【0039】本発明(請求項14)は、高誘電性固溶性
マトリクスの前駆体が、ホットメルト高分子、二液硬化
形高分子、湿気反応硬化形高分子であるものである。
【0040】これらを用いることにより、硬化させるこ
とが非常に簡単になり、パイ電子共役分子を含んだ高誘
電性固溶性マトリクスを容易に形成することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の注入形電場発光デ
バイスとその製造方法の実施の形態について図面を参照
して説明する。
【0042】(実施の形態1)本発明の注入形電場発光
デバイスの第1の実施の形態について、図1に示された
概略図を参照して説明する。
【0043】この構造は、正孔注入用透明電極1と電子
注入用薄膜電極2よりなる一対の電極間に、蛍光性セグ
メント3を有し電子及び正孔の両方の注入可能なパイ電
子共役分子4を、高誘電性固溶性マトリクス5のホスト
中に溶解させて有機発光層6が形成されたものである。
【0044】この構造の動作は、両端の電極よりそれぞ
れ極性の異なる電荷注入を受けたパイ電子共役分子4
は、電場下で分子拡散と電気泳動を伴うホッピング伝導
による電荷輸送をし、途中の所で極性の異なる電荷が再
結合をして発光するものである。
【0045】具体的には、図1に示すように、正孔注入
用透明電極1からパイ電子共役分子4aは正孔のプラス
電荷の注入を受けて帯電し、陰極方向に電気泳動する。
一方、電子注入用薄膜電極2から電子のマイナス電荷の
注入を受けたパイ電子共役分子4bは陽極方向に電気泳
動する。素子中では、パイ電子共役分子間で電荷のホッ
ピング移動が起こって電荷が輸送され、正孔を帯電した
パイ電子共役分子4cは、電子を帯電したパイ電子共役
分子4dと出会い、正孔と電子の再結合が起こり、発光
する。
【0046】さらに、構成および製造方法を具体的に説
明する。インジウム・ティン・オキサイド(ITO)薄
膜よりなる正孔注入用透明電極1を形成したガラス等の
透明基板上に、高誘電性固溶性マトリクス5としての変
性ポリカーボネートを溶解したテトラヒドロフラン溶液
中に、蛍光性セグメント3を有し電子及び正孔の両方の
注入可能なパイ電子共役分子4として、Alqを変性ポ
リカーボネートに対し35wt%溶解した溶液をキャス
トした後、充分乾燥させて厚み200nmの有機発光層
6を形成する。これを真空蒸着装置内にセットし、1.
2wt%のリチウムを含むAl−Li合金よりなる電子
注入用薄膜電極2を形成する。
【0047】こうして得られた注入形電場発光デバイス
に、直流電圧を印加して発光特性を測定したところ、5
V印加で1.4mA/cm2の電流が流れ、90cd/
2の従来技術より高い輝度が得られるとともに、寿命
時間も大幅に増加した。
【0048】なお、パイ電子共役分子は、分子形状の長
手方向にパイ電子共役の発達した分子よりなるものがよ
く、これにより、分子内が長手方向に導電性になるた
め、電場方向にキャリヤ輸送を促進することができる。
このパイ電子共役分子としては、種々のパイ電子共役分
子のほか導電性高分子やオリゴマーも適する。
【0049】また、高誘電性固溶性マトリクス中に、さ
らに電子受容性有機分子あるいは電子供与性有機分子が
溶解されたものがよく、これにより、さらに電荷輸送性
を高めることができる。
【0050】また、パイ電子共役分子に、例えばDPT
(diphenyltetracene),BTX(benzotiooxaccene)、キ
ナクリドン、ルブレンなどのドーパントを一緒に加えて
発光効率を高めることも可能である。
【0051】また、パイ電子共役分子の蛍光性セグメン
トとしては、高効率な蛍光発光をする色素構造、即ち発
色団を有する分子構造をパイ電子共役分子中に導入すれ
ばよく、その構造は色素同様非常に多種類の構造があ
る。
【0052】また、電子注入用薄膜電極には、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属を含有した金属合金薄膜が
主に用いられる。中でもCa、Mg、Liのいずれかを
含有した金属合金薄膜が適しており、これらの元素との
金属合金薄膜、即ちAl合金、Al−Zn合金、Ag合
金、Zn合金などが用いられる。これによって電荷輸送
が容易になる。
【0053】また、高誘電性固溶性マトリクスは、分子
構造中に活性水素を含まない極性高分子よりなり、これ
により、クーロンポテンシャルが広がりホッピング移動
度が高くなる。
【0054】本発明はまた、溶解度以上のゲスト分子が
微粒子状で固溶性マトリクス中に分散した海島構造で
も、分子分散されたゲスト分子が大きく寄与するため動
作可能である。
【0055】(実施の形態2)本発明の注入形電場発光
デバイスとその製造方法の第2の実施の形態について、
図2に示した断面図を参照して説明する。
【0056】この構造は、正孔注入用透明電極1が形成
された透明基板7の上に、窒素含有芳香族化合物よりな
る電荷注入層8と、高誘電性固溶性マトリクス5のホス
ト中に蛍光性セグメント3を有し電子及び正孔の両方の
注入可能なパイ電子共役分子4をゲストとして溶解させ
た有機発光層6とが順次積層され、その表面に電子注入
用薄膜電極2が形成されたものである。
【0057】なお、上記の窒素含有芳香族化合物よりな
る電荷注入層8は、正孔注入用透明電極1からの電荷注
入を容易にする作用をする。また、10は直流電源であ
る。
【0058】さらに、具体的に説明する。ITO薄膜よ
りなる正孔注入用透明電極1を形成したガラス等の透明
基板7上に、正孔の注入を容易にするN,N'-bis(3-methy
lphenyl)-N,N'-diphenyl-(1,1'-biphenyl)-4,4'-diamin
e(TPD)よりなる溶液をスピンコートして厚み12
0nmの電荷注入層8を形成する。ついで、高誘電性固
溶性マトリクス5としての変性ポリカーボネートを溶解
したテトラヒドロフラン溶液中に、蛍光性セグメント3
を有し電子及び正孔の両方の注入可能なパイ電子共役分
子4として、Alqを変性ポリカーボネートに対し35
wt%溶解してなる溶液を調製し、電荷注入層8の表面
にキャストした後、充分乾燥させて厚み200nmの有
機発光層6を得る。これを真空蒸着装置内にセットし、
1.2wt%のリチウムを含むAl−Li合金よりなる
電子注入用薄膜電極2を形成する。
【0059】こうして得られた注入形電場発光デバイス
に、直流電圧を印加してその発光特性を測定したとこ
ろ、5V印加で1.8mA/cm2の電流が流れ、12
1cd/m2の高い輝度が得られた。
【0060】(実施の形態3)本発明の注入形電場発光
デバイスの第3の実施の形態について、図3に示された
断面図を参照して説明する。
【0061】この構造は、正孔注入用透明電極1が形成
された透明基板7の上に、高誘電性固溶性マトリクス5
のホスト中に蛍光性セグメント3を有し電子及び正孔の
両方の注入可能なパイ電子共役分子4をゲストとして溶
解させた有機発光層6と、芳香族シアノ化物もしくは芳
香族ハロゲン化物よりなり、電子注入用薄膜電極2から
の電子注入を容易にする電荷注入層9とが順次積層さ
れ、その表面に電子注入用薄膜電極2が形成されたもの
である。
【0062】さらに、具体的に説明する。ITO薄膜よ
りなる正孔注入用透明電極1を形成したガラス等からな
る透明基板7上に、高誘電性固溶性マトリクス5として
の変性ポリイミド前駆体の溶液中に、蛍光性セグメント
3を有し電子及び正孔の両方の注入可能なパイ電子共役
分子4としてAlqを変性ポリカーボネートに対し28
wt%溶解した溶液を調製し、キャストした後、充分乾
燥させて硬化させ厚み180nmの有機発光層6を形成
する。これを真空蒸着装置内にセットし、電子の注入を
容易にするオキサジアゾール系誘導体よりなる厚み25
nmの電荷注入層9を蒸着により形成し、ついで1.2
wt%のリチウムを含むAl−Li合金よりなる電子注
入用薄膜電極2を形成する。
【0063】こうして得られた注入形電場発光デバイス
に、直流電圧を印加してその発光特性を測定したとこ
ろ、5V印加で1.6mA/cm2の電流が流れ、10
8cd/m2の高い輝度が得られた。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明は、正孔注入用透明
電極と電子注入用薄膜電極よりなる一対の電極間に、蛍
光性セグメントを有し電子及び正孔の両方の注入可能な
パイ電子共役分子をゲストとして高誘電性固溶性マトリ
クスのホスト中に溶解させてなる有機発光層を構成する
ことにより、両電極より電子と正孔の電荷注入を受けた
パイ電子共役分子が、電場下で分子拡散と電気泳動を伴
うホッピング伝導による電荷輸送をして、パイ電子共役
分子間で電子と正孔の再結合をして蛍光発光することが
できる。
【0065】本発明によれば、上記のような新しい原理
によって発光デバイスが構成され、非発光部である黒点
の発生も少なく、信頼性が高く寿命特性にも優れる注入
形電場発光デバイスが得られるという有利な効果があ
る。
【0066】このように本発明は工業的価値の大なるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における注入形電場
発光デバイスの原理の概略を示す図
【図2】本発明の第2の実施の形態における注入形電場
発光デバイスの構成の一例を示す断面図
【図3】本発明の第3の実施の形態における注入形電場
発光デバイスの構成の一例を示す断面図
【符号の説明】
1 正孔注入用透明電極 2 電子注入用薄膜電極 3 蛍光性セグメント 4、4a、4b、4c、4d パイ電子共役分子 5 高誘電性固溶性マトリクス 6 有機発光層 7 透明基板 8、9 電荷注入層 10 直流電源

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正孔注入用透明電極と電子注入用薄膜電
    極よりなる一対の電極間に、蛍光性セグメントを有し電
    子及び正孔の両方の注入可能なパイ電子共役分子をゲス
    トとし、同パイ電子共役分子を高誘電性固溶性マトリク
    スのホスト中に溶解させた有機発光層を設けるととも
    に、前記正孔注入用透明電極と前記電子注入用薄膜電極
    よりそれぞれ正孔と電子の電荷注入を受けた前記パイ電
    子共役分子が、電場下で分子拡散と電気泳動を伴うホッ
    ピング伝導による電荷輸送をし、前記パイ電子共役分子
    間で正孔と電子の再結合により発光をすることを特徴と
    する注入形電場発光デバイス。
  2. 【請求項2】 パイ電子共役分子が、分子形状の長手方
    向にパイ電子共役の発達した分子よりなる請求項1記載
    の注入形電場発光デバイス。
  3. 【請求項3】 パイ電子共役の構造が、フェニレンビニ
    レン、フェニレンオキシド、フェニレンサルファイド、
    N−置換アニリン、チオフェン、ピロールおよびアリレ
    ン構造より選ばれた少なくとも一種の構造の連鎖よりな
    る請求項2記載の注入形電場発光デバイス。
  4. 【請求項4】 高誘電性固溶性マトリクスが、分子構造
    中に活性水素を含まない極性高分子よりなる請求項1記
    載の注入形電場発光デバイス。
  5. 【請求項5】 極性高分子が、ポリカーボネート、ポリ
    エステル、ポリイミド、N−置換ポリアミド、N−置換
    ポリウレタン、N−置換ポリアリルアミン、ポリビニル
    ピリジン、シリコン系高分子およびこれらの共重合体よ
    り選ばれた少なくとも一種よりなる請求項4記載の注入
    形電場発光デバイス。
  6. 【請求項6】 高誘電性固溶性マトリクス中に、さらに
    電子受容性有機分子あるいは電子供与性有機分子が溶解
    されている請求項1に記載の注入形電場発光デバイス。
  7. 【請求項7】 正孔注入用透明電極もしくは電子注入用
    薄膜電極と、パイ電子共役分子を含む高誘電性固溶性マ
    トリクスよりなる有機発光層との界面に、有機分子より
    なる電荷注入の容易な電荷注入層を形成した請求項1記
    載の注入形電場発光デバイス。
  8. 【請求項8】 正孔注入用透明電極とパイ電子共役分子
    を含む高誘電性固溶性マトリクスよりなる有機発光層と
    の界面に形成される電荷注入層が、窒素含有芳香族化合
    物よりなる請求項7に記載の注入形電場発光デバイス。
  9. 【請求項9】 窒素含有芳香族化合物が、ポルフィリン
    化合物、ポリアリルアミンより選ばれた一種よりなる請
    求項8記載の注入形電場発光デバイス。
  10. 【請求項10】 電子注入用薄膜電極とパイ電子共役分
    子を含む高誘電性固溶性マトリクスよりなる有機発光層
    との界面に形成される電荷注入層が、芳香族シアノ化
    物、芳香族ハロゲン化物より選ばれた一種よりなる請求
    項7記載の注入形電場発光デバイス。
  11. 【請求項11】 芳香族シアノ化物、芳香族ハロゲン化
    物が、テトラシアノキノン、テトラシアノキノジメタ
    ン、ジシアノジハロキノン、テトラハロキノンからなる
    請求項10記載の注入形電場発光デバイス。
  12. 【請求項12】 高誘電性固溶性マトリクスを溶解した
    溶液中に、蛍光性セグメントを有し電子及び正孔の両方
    の注入可能なパイ電子共役分子を溶解した溶液を調製
    し、正孔注入用透明電極を形成した基板上に前記溶液を
    キャストして薄膜を形成した後乾燥させ、その上に電子
    注入用薄膜電極を形成した注入形電場発光デバイスの製
    造方法。
  13. 【請求項13】 正孔注入用透明電極を形成した基板上
    に蛍光性セグメントを有し電子及び正孔の両方の注入可
    能なパイ電子共役分子を溶解した溶液を、高誘電性固溶
    性マトリクスとなる材料の前駆体の溶液中に溶解させ、
    ついで固化させて高誘電性固溶性マトリクスを形成さ
    せ、その上に電子注入用薄膜電極を形成した注入形電場
    発光デバイスの製造方法。
  14. 【請求項14】 高誘電性固溶性マトリクスの前駆体
    が、ホットメルト高分子、二液硬化形高分子、湿気反応
    硬化形高分子である請求項13記載の注入形電場発光デ
    バイスの製造方法。
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