JPH1121647A - 光輝性に優れたアルミニウム材 - Google Patents

光輝性に優れたアルミニウム材

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JPH1121647A JP19499497A JP19499497A JPH1121647A JP H1121647 A JPH1121647 A JP H1121647A JP 19499497 A JP19499497 A JP 19499497A JP 19499497 A JP19499497 A JP 19499497A JP H1121647 A JPH1121647 A JP H1121647A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光輝性に優れた自動車用ホイールを得
る。 【解決手段】 Mg:2.5〜3.5%、Cu:0.0
05〜0.25(0.15)%、Cr:0.05(0)
〜0.25%、Fe:0.050%以下、Si:0.0
40%以下を含有するアルミニウム材 【効果】 Cu、Crの作用により、化学研磨時に
表面が一様に溶解、研磨され、光輝性が向上する。ま
た、Cu量の適切化により、光輝性を阻害する析出物を
低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用ホイール
材に好適な光輝性に優れたアルミニウム材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】2輪車を含む自動車等の車両に用いられ
るホイールは、軽量化による燃費の向上や運動性能の向
上、またはデザイン性からアルミホイールの使用が活発
である。このアルミホイールのデザインに関して、表面
の光の反射性、すなわち光輝性を向上させたものが、主
に3ピースホイールで高級品として販売されている。光
輝性向上の手法には、ダイヤモンドバイトで表面を精密
切削仕上し、無色クロメートで下地処理した後、クリヤ
ー塗料を塗布する方法やクロムメッキ等のメッキ処理を
行う方法、または、バフ研磨処理した後に化学研磨処理
し、さらにアルマイト処理で光輝性を得る方法等があ
る。このなかで、切削処理によるものは下地処理や塗料
により光輝性が低下するため満足できる光輝性は得られ
ない。また、メッキによるものは、メッキ膜の密着性を
向上させるために多層メッキが必要とされ、コスト高と
なる問題がある。一方、化学研磨とアルマイトで仕上げ
る場合には、素材であるアルミの質感を生かし、コスト
的にも適当であることから、この処理方法で光輝性が得
られる素材が強く要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、化学研磨と
アルマイトを組み合わせて光輝性を得る方法において
は、素材のFe含有量が低いほど、アルマイト処理した
際のFeのアルマイト膜への取り込みによる光輝性の低
下の程度は低いことが知られており、光輝性を高めるた
めにFe含有量を0.02%以下にしたアルミニウム材
が開発されている。しかし、素材のFe含有量を低下さ
せるためには、地金の純度を高純度化させることが必要
であり、このためコスト(材料費)が高いものになって
しまうという問題がある。本発明は、上記事情を背景と
してなされたものであり、低コストで優れた光輝性を得
ることができるアルミニウム材を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の光輝性に優れたアルミニウム材のうち第1
の発明は、材料組成が、重量%で、Mg:2.5〜3.
5%、Cu:0.005〜0.25%、Cr:0.05
〜0.25%、Fe:0.050%以下、Si:0.0
40%以下を含有し、残部が実質的にAlからなること
を特徴とする。
【0005】第2の発明は、材料組成が、重量%で、M
g:2.5〜3.5%、Cu:0.005〜0.15
%、Cr:0〜0.25%、Fe:0.050%以下、
Si:0.040%以下を含有し、残部が実質的にAl
からなることを特徴とする。第3の発明は、材料組成
が、重量%で、Mg:2.5〜3.5%、Cu:0.0
05〜0.15%、Cr:0.05〜0.25%、F
e:0.050%以下、Si:0.040%以下を含有
し、残部が実質的にAlからなることを特徴とする。
【0006】本発明は、成分の選定により、Fe含有量
を格別に低減することを必須とすることなく低コストで
光輝性を向上させることができる。以下に、各成分の具
体的な作用および限定理由を説明する。
【0007】[1]Mg含有量:2.5〜3.5% MgはAlに対して高い固溶度を有し、合金の強度を高
めるために添加する。Mgの含有量が2.5%未満では
材料強度(例えばホイール材としての強度)が不足す
る。一方、3.5%を越えると応力腐食割れの危険が生
じるため、上記範囲に限定する。なお、同様の理由で、
下限を2.8%、上限を3.3%とするのが望ましい。
【0008】[2]Cu含有量:0.005〜0.25
(0.15)% Cuは材料の溶解電位を調整するために添加する。Cu
は微量な添加でも溶解電位に大きく影響を及ぼすが、C
u添加量が0.005%未満では、圧延により生じる結
晶粒毎の溶解電位のばらつきが化学研磨処理に影響し、
結晶毎に溶解速度の差を生じて粗面化し、化学研磨での
光輝性が得られないので、0.005%以上の含有が望
ましい。一方、Cu含有量が0.25%を越えると、電
位に及ぼす作用は飽和する傾向になり大きな効果が期待
できないため、Cu含有量は0.25%以下にする必要
がある。
【0009】また、Cu量が増えるに連れて、熱間圧延
や焼鈍処理においてAl−Mg−Cu系の析出が生じて
化学研磨表面の光輝性を低下させ、またアルマイト膜も
着色させる作用が増大するが、0.15%を越える含有
では上記作用が顕著になる。しかも電位調整作用も0.
15%付近をピークとしてそれ以上含有量を増やしても
却って電位調整作用は低減するので、Cu含有量はでき
るだけ0.15%以下とするのが望ましい。なお、材料
の電位を調整し、さらにAl−Mg−Cu系の析出が問
題とならないようにするという観点から両者をバランス
させれば、Cu含有量は、下限を0.05%、上限を
0.10%とするのが一層望ましい。
【0010】[3]Cr含有量:0〜0.25% Crは化学研磨表面の光輝性を増すために選択的に添加
される。すなわち、Feが含有される合金にはFe系の
晶出物(主に鋳造で生成)が含まれるが、この化合物は
溶解電位が高く、回りのアルミニウム地よりも溶け難い
ことから、化学的な研磨時に溶解速度の差によって晶出
物の回りにピット状に凹凸が形成される。この凹凸は、
最終的に光輝性を阻害する。特に、析出物を避けるため
に、Cu量を上記ピ−ク値よりも少なくすると、アルミ
ニウム地の溶解電位は一層低くなってFe晶出物との差
が増大する。そこで、Cu、Crを適正量にしてアルミ
ニウム地の溶解電位をFe系晶出物のそれに近い値に調
整すると、アルミニウム地と晶出部との溶解速度が同程
度になり、化学的な研磨によってアルミニウム材表面が
ほぼ均一に溶解されてミクロ的にも平滑な研磨面が得ら
れる。この平滑面により材料の光輝性が優れたものにな
る。
【0011】なお、Cr含有量が0.05%未満である
と上記した電位調整の効果が不十分となるので、下限を
0.05%とするのが望ましい。一方、Cr含有量が
0.25%を越えると巨大な金属間化合物が形成される
ようになり、成形性や疲労強度を低下させるとともにア
ルマイト膜を着色させて光輝性を低下させるので、上限
は0.25%に定める。なお、上記と同様の理由で、C
rの下限を0.07%、上限を0.20%とするのが望
ましく、さらに下限を0.10%とするのが一層望まし
い。
【0012】不可避不純物 本発明のアルミニウム材は、上記成分および残部Alの
他に、不可避不純物を含有する。以下に、不可避不純物
に関し記述する。 [4]Fe含有量:0.050%以下 Feは不可避不純物として材料に含有されるものである
が、その含有量は低ければ低いほど、Fe晶出物に起因
した凹凸形状が避けられ、光輝性は優れたものとなる。
なお、上記Cu、Cr量の一方または両方を適切に調整
することにより、Fe含有量を従来のように格別に低減
(0.020%以下)しないでも良好な光輝性を得るこ
とができ、例えば、0.030%程度のFeを含有する
ものにおいても良好な光輝性が得られる。ただし、Fe
含有量が0.050%を越えると、Fe晶出物が多量に
生成されるため、上記Cu、Cr量の調整によってもそ
の凹凸形状を十分に解消することが困難になり、よって
アルマイト膜の着色が大きくなり光輝性は大きく低下し
てしまう。したがって、Fe含有量の上限を0.050
%とする。なお、より望ましくは、Fe含有量の上限を
0.040%とする。また、Fe含有量の低減は、C
u、Cr量の調整がなされていない場合に比べれば光輝
性向上効果は小さいものの、本発明においても、その低
減は光輝性の向上に寄与するので、コストよりも光輝性
を重視する場合には、Fe含有量を十分に低減すること
も可能である。ただし、Fe含有量を0.010%未満
に低下させても光輝性の向上効果は次第に小さくなり、
一方、原料としての地金純度は益々要求が高くなり、コ
スト的にも極めて不利になるため、Fe含有量の下限は
0.010%とするのが望ましい。
【0013】[5]Si含有量:0.040%以下 Siも不純物として材料に取り込まれるものであり、F
eと同様の理由で制限する必要があり、その上限を0.
040%とする。なお、工業性を考慮すれば、下限を
0.005%とするのが望ましい。
【0014】[6]Ti含有量:0.0001〜0.0
2% Tiは結晶粒を均一かつ微細化する作用があり、必要に
応じて単独で、またはBとともに溶製時に添加すること
ができる。ただし、その含有量が0.0001%未満下
ではその効果が小さく、0.02%越ではその効果が飽
和するとともに、化学研磨面にピットを形成したりアル
マイト膜を着色させて光輝性を低下させるので、不純物
として含有されるTi量を上記範囲に定めるのが望まし
い。また、その他の不可避不純物中で、Mn、Zn、N
iをそれぞれ0.02%以下とするのが望ましい。これ
は、これらの成分が0.02%を越えると、晶出物が生
成されて光輝性を低下させるためである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム材は、常法
により製造することができ、所定の成分に調整した上で
溶製され、所望の熱間圧延、冷間圧延等を経て製品化さ
れる。なお、冷間圧延により硬化した材料を、ホイール
に成形可能なレベルにまで軟化させるために焼鈍処理を
行うことができ、この焼鈍処理では、上記軟化とともに
結晶粒の大きさを調整することができる。ただし、この
焼鈍処理では、Al−Mg−Cu系の析出が生じるの
で、より良好な光輝性を得るために焼鈍温度と時間及び
冷却速度を適正に管理することが望ましい。
【0016】すなわち、焼鈍温度が300℃よりも低い
場合には、焼鈍の効果を十分に得るためや結晶粒を適正
な大きさにするために、より長時間の焼鈍処理が必要と
なり、Al−Mg−Cu系の析出が増加して光輝性が大
きく低下する。一方、焼鈍温度が450℃を越えるとA
l−Mg−Cu系の析出物の量が増して光輝性を低下さ
せる。したがって、焼鈍処理は、300〜450℃の温
度範囲内で行うのが望ましい。そして、焼鈍時間が1時
間未満であると、焼鈍が十分になされず、また8時間を
超えて長時間加熱すると、上記析出が顕著になるため、
焼鈍時間を1〜8時間とするのが望ましい。また、焼鈍
後の冷却速度が20℃/hrよりも低下すると、Al−
Mg−Cu系の析出が増加し光輝性を大きく低下させる
ので、焼鈍後は、20℃/hr以上の冷却速度で冷却す
るのが望ましい。なお、冷却時の上記析出は、250〜
350℃温度域で顕著に起こるので、この温度域では、
より速い冷却速度(例えば60℃/hr以上)とするこ
ともできる。なお、250℃未満では、上記析出は殆ど
起こらないので、250℃よりも低い温度になれば、冷
却速度を規制しないことも可能である。
【0017】その後は、鍛造、プレス成形等の二次成形
加工を経てホイール等が得られる。二次成形加工後は、
常法により光輝処理をすることができる。例えば、アル
ミニウム材の表面を切削や研磨により鏡面化する。な
お、本発明材としては、鏡面化に際し、仕上げ研磨とし
て化学研磨を行うのが望ましい。これは、Cu、Cr量
の調整により、Fe晶出物やその他の析出物とマトリッ
クス地との溶解電位差が小さくなっているので、化学研
磨時に表面が一様に溶解して平滑な研磨面を得ることが
できるためである。したがって、バフ研磨等の粗研磨を
行った後、化学研磨を行うことにより低コストで鏡面化
することができる。なお、化学研磨自体は常法により行
うことができる。また、化学的な研磨を行うという点
で、電解研磨を採用することも可能であり、上記化学研
磨と同様に、研磨によって良好な平滑面を得ることがで
きる。
【0018】上記鏡面処理後には、必要に応じてアルミ
ニウム材表面を脱脂処理した後、水洗し、常法によりア
ルマイト処理を行うことができる。上記一連の光輝性処
理により、質感を持ち、かつ光輝性に優れた製品を得る
ことができる。なお、本発明の材料は、前記したように
光輝性を持たせた高級な自動車ホイールに好適である
が、この用途に限定されるものではなく、光輝性を要求
される他の用途への適用も可能である。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を説明する。表1
に示す供試材を常法により溶製し、所定の熱間加工、冷
間加工を経た後、380℃×4時間の焼鈍処理を行い、
その後、30℃/hrの冷却速度で冷却した。さらに、
各供試材を50×50mm2に切断し、エメリー#10
00で研磨した後、0.3μmのアルミナで研磨し、さ
らにラサ工業株式会社製の化学研磨処理液(商品名:ラ
サブライト)で化学研磨処理して鏡面に仕上げた。つい
で、15%硫酸中で16Vの電解を行い、アルマイト膜
を3μm形成して光輝性処理を行った。
【0020】光輝性処理を行った各供試材について、以
下の方法で反射率および光輝性の評価を行い、その結果
を表2に示した。 [評価方法] (1)光沢度計で銀鏡を100%とした際の鏡面反射率
をアルマイト処理後に測定し、その数値を表に示した。 (2)光輝性は表面の光沢と色味を含めた目視評価を行
った。評価では、○:光輝性に優れる △:やや着色が
感じられる ×:光輝性は劣るものとして判定し、その
結果を、○、△、×により表中に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表の結果より、発明材はいずれも反射率に
おいて比較材よりも高い数値を示しており、光輝性の目
視評価ではさらに顕著な差異が認められた。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアルミニ
ウム材によれば、材料組成を、重量%で、Mg:2.5
〜3.5%、Cu:0.005〜0.25(0.15)
%、Cr:0.05(0)〜0.25%、Fe:0.0
40%以下、Si:0.040%以下を含有し、残部が
実質的にAlからなるものとしたので、晶出物および析
出物による光輝性の低下が避けられ、Feの含有量を格
別に低減することなく低コストで優れた光輝性を得るこ
とが可能になる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料組成が、重量%で、Mg:2.5〜
    3.5%、Cu:0.005〜0.25%、Cr:0.
    05〜0.25%、Fe:0.050%以下、Si:
    0.040%以下を含有し、残部が実質的にAlからな
    ることを特徴とする光輝性に優れたアルミニウム材
  2. 【請求項2】 材料組成が、重量%で、Mg:2.5〜
    3.5%、Cu:0.005〜0.15%、Cr:0〜
    0.25%、Fe:0.050%以下、Si:0.04
    0%以下を含有し、残部が実質的にAlからなることを
    特徴とする光輝性に優れたアルミニウム材
  3. 【請求項3】 材料組成が、重量%で、Mg:2.5〜
    3.5%、Cu:0.005〜0.15%、Cr:0.
    05〜0.25%、Fe:0.050%以下、Si:
    0.040%以下を含有し、残部が実質的にAlからな
    ることを特徴とする光輝性に優れたアルミニウム材
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