JPH11217068A - 圧力制御アクチュエータ - Google Patents

圧力制御アクチュエータ

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Publication number
JPH11217068A
JPH11217068A JP3352798A JP3352798A JPH11217068A JP H11217068 A JPH11217068 A JP H11217068A JP 3352798 A JP3352798 A JP 3352798A JP 3352798 A JP3352798 A JP 3352798A JP H11217068 A JPH11217068 A JP H11217068A
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JP
Japan
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piston
pressure
drive shaft
magnet
cylinder
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Withdrawn
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JP3352798A
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Inventor
Masahiro Tsukamoto
雅裕 塚本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液圧低減時の衝撃を低減しつつ、小型化を図
り信頼性を向上させる。 【解決手段】 車両のマスタシリンダ2とホイールシリ
ンダ3の間のブレーキ液通路に電磁カット弁5を設ける
とともに、制御シリンダ12を連通させ、圧力室12a
に、磁石16が埋め込まれているピストン13を収容す
る。制御シリンダ12の下部にピストンストッパ12c
を形成する。磁性体からなるピストン駆動軸20とピス
トン13は磁気による吸着力により吸着し、ブレーキ操
作に伴い、一体化して上下方向に移動してブレーキ液圧
を制御する。ブレーキが解除されたとき、ピストン13
はピストンストッパ12cに当接する初期位置まで後退
し、ピストン駆動軸20は可動スプリングシート31に
当たり、オーバーストロークする。ピストンを初期位置
に付勢するスプリングが不要になり、ピストン13が傾
いたり偏心することがなく、小型化でき、またブレーキ
液の漏洩を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧を制御するた
めの圧力制御アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の圧力制御用アクチュエータとして
は、例えば、USP4653815に開示されている車
両のブレーキ制御用のものがある。ブレーキ制御用の圧
力制御アクチュエータは、ブレーキペダルに連なるマス
タシリンダとホイール制御ディスクに制動力を加えるホ
イールシリンダとの間に設けられ、車両の運転状態に応
じて、電磁カット弁で封入された制御シリンダ内のブレ
ーキ液を、駆動モータとボールねじにより作動するピス
トン駆動軸に固定されるピストンで圧縮して、ブレーキ
液圧を制御している。ブレーキ液は電磁カット弁でホイ
ールシリンダ側に封入され、電磁カット弁の両端配管部
に取付けた圧力センサで、マスタシリンダ側の液圧とホ
イールシリンダ側の液圧を検出して、コントローラによ
り、両者が一致するようにピストンを駆動する駆動モー
タの駆動電流が決められ、ブレーキ液圧が制御される。
また、マスタシリンダ圧力の代わりに、アンチスキッド
制御圧、トラクション制御圧を用いることにより、それ
らの圧力に追従してホイール制御圧を制御することがで
きる。さらに、駆動モータ等が故障した際には、電磁カ
ット弁を開くことで、マスタシリンダ側の液圧をそのま
まホイールシリンダ側に伝えられるので、ブレーキがき
かなくなることはない。
【0003】しかし、上記の圧力制御アクチュエータで
は、ピストンの初期位置を決めるためのストッパがピス
トン駆動軸のボールねじ軸端に取付けてあるため、急激
にマスタシリンダが減圧され、駆動モータ制御により、
ピストンを初期位置に戻した場合、ピストン初期位置に
おいて、ボールねじ軸が激しくこのストッパに当たって
停止する。このとき、駆動モータの回転エネルギーによ
り、ボールねじ、ギアなどの機構部品には、大きなスト
レスがかかり、これらの部品を破損する恐れがある。こ
れらの部品の破損を防止する圧力制御アクチュエータが
出願人らにより考案され、特願平8−112048号公
報に開示されている。この圧力制御アクチュエータで
は、上記従来例では固定されていた、ブレーキ液を圧縮
するピストンとボールねじで構成されるピストン駆動軸
を分離し、ピストンのみを初期位置で停止させるピスト
ンストッパを設け、また、ピストン駆動軸が下方へ移動
したときに、ピストンを初期位置に付勢するスプリング
を制御シリンダの圧力室内に設け、さらに、ピストン駆
動軸を初期位置に戻すバックアップスプリングを設ける
ことにより、ブレーキを解除してピストンを初期位置に
戻したときの衝撃を低減する構成とした。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特願平
8−112048号公報に記載された圧力制御アクチュ
エータでは、ピストンを初期位置に付勢するスプリング
の形状によって、強く働く所と、弱く働く所とが発生
し、ピストンに対する付勢力が不均一となり、制御シリ
ンダの中心軸方向の付勢力の不均一のためピストンが傾
いたり、制御シリンダ中心軸と直交する方向に不均一な
力が加わり、制御シリンダ中心軸と同軸の位置から偏心
してしまうことがある。このため、ブレーキ液が漏れな
いようにピストンと制御シリンダの間を密封しているシ
ール部材のつぶし代に不均衡が生じ、つぶし代が小さく
なった部分で、ブレーキ液が漏れ出すおそれがあった。
【0005】また、制御シリンダの容積は、ブレーキを
動作させるために必要な容積変化を確保すればよく、ブ
レーキ液圧を最高圧力まで増圧した場合は容積が0とな
る設計が最も装置を小型化できるが、制御シリンダ内
に、ピストンを初期位置に付勢するスプリングを配置す
る必要があり、最大増圧時でも、スプリングを最も縮め
た長さ分以上の長さを制御シリンダに確保しなければな
らず、制御シリンダの長さを極限まで短くすることがで
きない。さらに、ピストン部を初期位置に付勢するスプ
リングの押圧力は、ピストン駆動軸がブレーキ液を圧縮
する方向に駆動モータにより駆動されている場合には、
反対方向に作用するため、駆動モータの駆動能力は、ス
プリングの押圧力を相殺するぶんだけ大きくしなければ
ならない。したがって、本発明は、上記提案の圧力制御
アクチュエータをさらに改良し、液圧低減時の衝撃を小
さくしつつ、制御シリンダ内に封入された液体の漏洩を
防止し、信頼性の向上が図れるとともに、小型化が可能
である圧力制御アクチュエータを提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による圧力制御アクチュエータは、液体の
流路に配置され、液体の圧力を制御する圧力制御アクチ
ュエータにおいて、流路と接続された圧力室を有する制
御シリンダと、少なくとも一部が磁石から構成され、制
御シリンダ内を摺動し、圧力室を形成するピストンと、
ピストンと別体に形成され、少なくとも一部が磁性体か
ら構成され、駆動命令に従ってピストンを上下に駆動し
て、圧力室の容積を変化させるピストン駆動軸と、ピス
トン駆動軸が下方に移動したときに、ピストンのみが当
接して、圧力室の容積が最大となるピストンの初期位置
を定めるピストンストッパを有し、ピストンとピストン
駆動軸が当接した状態のときに、磁石と磁性体の間の磁
気による吸着力がピストンと制御シリンダの間の摩擦力
より大きく設定されているものとする。
【0007】上記磁石の一部は、ピストンのピストン駆
動軸と当接する面に露出し、露出した部分以外の周囲を
磁性体からなりピストンに埋め込まれたバックヨークに
囲まれ、そのバックヨークの一部はピストンのピストン
駆動軸と当接する面に露出していることが好ましい。ま
た、ピストン駆動軸のピストンと当接する面には、磁性
体からなり磁石およびバックヨークと当接する範囲より
も大きな表面積を有する吸着板を取付けることもでき
る。
【0008】さらに、液体の流路に配置され、液体の圧
力を制御する圧力制御アクチュエータにおいて、流路と
接続された圧力室を有する制御シリンダと、少なくとも
一部が磁性体から構成され、制御シリンダ内を摺動し、
圧力室を形成するピストンと、ピストンと別体に形成さ
れ、少なくとも一部が磁石から構成され、駆動命令に従
ってピストンを上下に駆動して、圧力室の容積を変化さ
せるピストン駆動軸と、ピストン駆動軸が下方に移動し
たときに、ピストンのみが当接して、制御シリンダの圧
力室の容積が最大となるピストンの初期位置を定めるピ
ストンストッパを有し、ピストンとピストン駆動軸が当
接した状態のときに、磁石と磁性体の間の磁気による吸
着力がピストンと制御シリンダの間の摩擦力より大きく
設定されていることとする。
【0009】上記磁石の一部は、ピストン駆動軸のピス
トンと当接する面に露出し、露出した部分以外の周囲を
磁性体からなりピストン駆動軸に埋め込まれたバックヨ
ークに囲まれ、そのバックヨークの一部はピストン駆動
軸のピストンと当接する面に露出していることが好まし
い。また、ピストンのピストン駆動軸と当接する面に
は、磁性体からなり、磁石およびバックヨークと当接す
る範囲よりも大きな表面積を有する吸着板を取付けるこ
ともできる。
【0010】上記液体はブレーキ液であり、制御シリン
ダは、車両のブレーキペダルに加えられた操作力をブレ
ーキ液圧に変換するマスタシリンダとブレーキ液圧をホ
イール制御の制動力に変換するホイールシリンダの間を
結ぶ流路に設けられ、ブレーキ液圧を制御するものとす
る。
【0011】
【作用】本発明に係る圧力制御アクチュエータでは、ピ
ストンとピストン駆動軸が別個に形成され、ピストン駆
動軸が上下に駆動される際には、ピストン内に設けられ
た磁石とピストン駆動軸内に設けられた磁性体の磁気に
よる吸着力により、ピストンとピストン駆動軸が連結し
た状態で、ともに上下に移動する。ピストン駆動軸が、
圧力室の容積が最大となる位置よりも下方に移動した場
合には、ピストンのみがピストンストッパにより初期位
置に規制される。制御シリンダの圧力室にはピストンを
初期位置に戻すためのスプリングは不要になるため、ス
プリングの作用力の不均衡が原因で、ピストンが制御シ
リンダ中心軸に対して傾くことはなく、また、中心軸と
同軸の位置から偏心することもない。このため、ピスト
ンのシール部材のつぶし代は、均一な状態を維持する理
想的なシール状態を保つことができる。
【0012】制御シリンダの圧力室には、液体のみが封
入されているため、制御シリンダの容積は、最大増圧時
には0になる大きさまで小さくすることができ、装置を
小型化することができる。さらに、ピストン駆動軸が制
御シリンダの部屋の体積を圧縮する方向に駆動モータに
より駆動されている場合に、駆動モータの駆動能力は、
液体を圧縮できる能力さえ備えていればよいため、駆動
モータを小型化できる。
【0013】また、例えば、ピストンに設けられた磁石
の一部をピストンの下面に露出させ、露出した部分以外
の周囲を磁性体からなるバックヨークで囲み、ピストン
駆動軸に磁性体からなり、バックヨークよりも大きい表
面積を有する吸着板を設けることにより、磁石により発
生する磁束は主にバックヨークを通るため、磁気による
吸着力は軸方向のみに働き、ピストンと吸着板の中心位
置がずれていた場合であっても、無理に両者の位置を合
わせようとする軸直方向の力は働かず、ピストンの位置
をシール部材のつぶし代が全周に渡って均一になるよう
な理想的な位置に保持できる。
【0014】磁石をピストン駆動軸に配置することによ
り、ピストンの重量を軽くすることができ、また、磁石
の長さが制約されることがないので、磁石の長さを長く
することで、容易に磁力を大きくすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例によ
り説明する。図1は本発明の圧力制御アクチュエータを
車両用ブレーキシステムに適用した第1の実施例の構成
を示す図である。図2は圧力制御アクチュエータのピス
トン駆動部分の詳細な拡大図である。図3は、コントロ
ーラのブロック図である。まず、車両ブレーキシステム
全体の構成を説明する。ブレーキペダル1に加えられた
操作力を、液圧に変換するマスタシリンダ2と、液圧を
ブレーキ力に変換し、ホイール制御ディスクを3を制動
するホイールシリンダ4の間に、電磁カット弁5および
圧力制御アクチュエータ6が設けられ、それぞれ液圧を
伝達する液圧配管7a、7bおよび7cにより接続され
ている。液圧配管7aおよび7bには、それぞれ圧力セ
ンサ8および圧力センサ9が設けられ、圧力センサ8が
マスタシリンダ2の圧力を、圧力センサ9がホイールシ
リンダ4の圧力を検出している。
【0016】電磁カット弁5、圧力制御アクチュエータ
6、圧力センサ8および圧力センサ9は、図3に示すコ
ントローラ50に電気的に接続されている。コントロー
ラ50は、ブレーキペダル1が踏みこまれると、電磁カ
ット弁5を閉じ、ブレーキ液通路を遮断し、圧力センサ
8により検出したマスタシリンダ2の発生圧力に応じ
て、圧力制御アクチュエータ6を作動させてブレーキ圧
を制御する。フェイルセーフのため、マスタシリンダ2
には、プライマリとセカンダリの2系統の液圧配管が接
続されていて、プライマリの液圧配管は前2輪、セカン
ダリの液圧配管は後2輪に接続されている。ただし、プ
ライマリの液圧配管を右前輪と左後輪、セカンダリの液
圧配管を左前輪と右後輪とに接続する場合もある。本実
施例においては、1輪についてのみ示されている。
【0017】次に、本発明の圧力制御アクチュエータ6
の構成を説明する。圧力制御アクチュエータ6は、上部
に連通路11を備えている。連通路11は、電磁カット
弁5に通じるポート11a、およびホイールシリンダ4
に通じるポート11bが形成され、そのポート11a、
11b間がブレーキ液通路11cになっている。そし
て、連通路11と一体的に円筒形状の制御シリンダ12
が設けられ、ブレーキ液通路11cと圧力室12aが連
通されている。また、圧力室12a内にピストン13が
上下に摺動可能に収容され、電磁カット弁5により遮断
されたホイールシリンダ4側の圧力室12aの容積を変
化させる。
【0018】制御シリンダ12のピストン摺動方向の長
さは、ホイールシリンダ4の容量とホイール制御を制動
するための必要圧力の関係から求められる必要圧縮容量
を、制御シリンダ12のピストン摺動方向に直交した断
面積で割った値にピストンの長さを加えた値とする。制
御シリンダ12のシリンダ壁12bは、非磁性体である
ステンレスで構成され、圧力室12aの下部に内向き鍔
状のピストンストッパ12cが形成され、内側を貫通穴
12dとしている。
【0019】ピストン13は、直径が制御シリンダ12
の直径より僅かに小さく高さが直径の略半分である円筒
形状であり、非磁性体からなり下向きに開口しているピ
ストン本体14、ピストン本体14の内側に埋め込まれ
磁性体から構成されるバックヨーク15、バックヨーク
15の中に埋め込まれている磁石16およびピストン本
体14の側面に取付けられているシリンダ壁12bに対
するシール部材17から構成される。ピストン本体14
に設けられた開口部には、均一な厚さのキャップ形状の
バックヨーク15が埋め込まれている。また、ピストン
本体14には、シール部材17を取付けるための溝が形
成されている。バックヨーク15の内部には、円筒形状
の磁石16が、磁石16の上面とバックヨーク15が当
接する位置に配置されている。ピストン本体14、バッ
クヨーク15および磁石16は互いに同心とされてい
る。
【0020】磁石16は、後述するピストン駆動軸20
との間の磁気による吸着力が、シリンダ壁12bとシー
ル部材17の間の摩擦力の略2倍になるようにピストン
13の軸方向に着磁され、上側がN極、下側がS極であ
る。本実施例では、シリンダ壁12bとピストンのシー
ル部材17と間の摩擦力は略30Nであるので、吸着力
は略60Nとなるように設定した。バックヨーク15と
磁石16は、接着剤18により固定されている。ピスト
ン本体14、バックヨーク15および磁石16の下面は
ピストン13の軸と垂直な面一とされ、潤滑材が塗布さ
れている。ピストン13の下部に、ピストン駆動手段と
して、ピストン13と別体のピストン駆動軸20を設
け、貫通穴12dを通してピストン13を昇降させてブ
レーキ液圧を制御している。
【0021】また、ピストン駆動軸20は磁性体から構
成され、上部にピストン13の下面に当接する円板形状
のフランジ21、下部に円柱形状のボールねじ22が設
けられ、中間部の支持部24は軸が2面取りされ、そこ
に4個のベアリングローラ23が取付けられている。フ
ランジ21の厚さは、ピストンストッパ12cの厚さよ
りやや小さく設定され、直径は、ピストン13の下面の
径よりも小さくかつバックヨーク15の径よりも大きい
値に形成されている。フランジ21の上面はピストン1
3の軸と垂直な滑らかな平面で、潤滑材が塗布されてい
る。ピストン駆動軸20は、フランジ21の下側軸部が
ガイドケース25に設けたリニアブッシュ26に案内さ
れる。また、ベアリングローラ23をガイドする四角形
状の案内溝27が、ガイドケース25に形成され、ピス
トン駆動軸20が、その回動が規制されて、上下動でき
るようになっている。このガイドケース25は、基台3
0に取り付けられている。
【0022】また、ピストン駆動軸20のフランジ21
とガイドケース25との間に、ガイドケース25に被る
ように逆カップ状の可動スプリングシート31と、可動
スプリングシート31をフランジ21の下面に当接さ
せ、ピストン駆動軸20を常時上方に付勢するバックア
ップスプリング32とが挿入されている。バックアップ
スプリング32は、可動スプリングシート31の下部に
形成した鍔部とガイドケース25の下端鍔部との間に挿
入されている。制御シリンダ12の下面12eは、可動
スプリングシート31の位置規制手段として使用され、
ピストン駆動軸20が上方に移動してピストン13を駆
動している状態のときは、可動スプリングシート31が
制御シリンダ12の下面12eに当接している。
【0023】バックアップスプリング32は、可動スプ
リングシート31が制御シリンダ12の下面12eに当
接しているとき、初期荷重を発生するように設定され
る。この初期荷重は、駆動モータ35のコギングトルク
Tcのピーク値を軸方向推力に換算した値に対してやや
上回る値に設定される。ここで、コギングトルクTcと
は、駆動モータコアが磁石に引きつけられるために発生
するトルクと静摩擦トルクとの総和である。具体的に数
値を使用して説明すると、例えば、コギングトルクTc
を0.05Nm、ギヤ比Kgを10、ボールねじ22の
リードLbを10mmとすると、換算した推力Fc
(N)は、 Fc=Tc×Kg×2π/(Lb/1000)=31
4.16(N) となるので、初期荷重は350(N)程度に設定すれば
よいことになる。
【0024】ボールねじ22は、ピストン駆動軸20の
下部に雄ねじ部22aが形成され、その雄ねじ部22a
に対するボールねじナット22bが取り付けられてい
る。そして、ボールねじナット22bにカラー33を介
してギヤ34が一体的に固定されている。一方、駆動モ
ータ35はピストン駆動軸20の側方に設けられ、その
出力軸36に設けたピニオン37と上記ギヤ34とが、
軸38で基台30に支持された中間のギヤ39、ピニオ
ン40を介して連結されている。さらに、カラー33の
上部に鍔部33aが形成され、基台30に形成された内
向き鍔部30aとの間にボールベアリング41が挿入さ
れ、ボールねじナット22bの下部が基台30に回転自
在に支持されている。
【0025】そして、連通路11と基台30とは、制御
シリンダ12、可動スプリングシート31、バックアッ
プスプリング32などを覆うように配置されたケース4
5で固定されている。また、基台30の下部に設けられ
たボールねじ22、ギヤ34、39、ピニオン37、4
0などがカバー46で覆われている。
【0026】次に、コントローラ50について、図3に
示すブロック図を用いて説明する。コントローラ50
は、電源に接続される端子60a、60bを備え、4個
のパワー素子56a〜56dで構成された駆動モータ駆
動回路56が、端子60a、60bを介して電源に接続
されている。また、パワー素子56a〜56dは端子6
5a、65bを介して駆動モータ35に接続されて電圧
の供給を制御する。
【0027】モータ電流演算回路51およびピストン下
端判断回路57は、端子61a、61bを介して圧力セ
ンサ8に接続され、また、端子62a、62bを介して
圧力センサ9に接続されている。モータ電流演算回路5
1には、パルスDuty計算回路54、ロジック回路5
5が順次接続されている。ロジック回路55は、ピスト
ン下端判断回路57と駆動モータ駆動回路56の4個の
パワー素子56a〜56dに接続されている。また、電
流検出回路52が駆動モータ駆動回路56と端子65a
の間に設けられ、信号処理回路53、パルスDuty計
算回路54に順次接続されている。電磁カット弁開閉回
路58は、故障検出回路59に接続され、また、端子6
1a、61bを介して圧力センサ8に接続され、端子6
3を介してブレーキペダル1に、端子64a、64bを
介して電磁カット弁5に接続されている。
【0028】まず、各回路51〜59について、その機
能を説明する。電磁カット弁開閉回路58は、マスタシ
リンダ2の圧力に基づいて、ホイールシリンダ4による
ブレーキ圧力を上昇させるか否かを判断する。そして、
ブレーキペダル1が操作されてマスタシリンダ2の圧力
が上昇したとき、電磁カット弁5に電流を加えてブレー
キ液通路を遮断する。ブレーキ圧力を上昇させる場合と
しては、運転者がブレーキをかけようとしてブレーキペ
ダルを踏み込んだときに加えて、アンチスキッドやトラ
クション制御コントローラから指令が与えられたときな
どがある。一方、故障検出回路59から故障信号が与え
られた場合は、電磁カット弁5を開いた状態に保持す
る。
【0029】モータ電流演算回路51では、圧力センサ
8で検出されたマスタシリンダ2の圧力をもとに決めら
れる圧力指令値Pmと、圧力センサ9で検出されたホイ
ールシリンダ4の圧力信号Pwから、駆動モータ35に
与えるべき電流目標値VIrが計算される。ここでは、
簡素化するために比例制御とし、制御ゲインをKcとす
ると、電流目標値Virは、次式で表される。 VIr=Kc(Pm−Pw) 制御ゲインKcは通常100などの大きな値とされ、圧
力指令値Pmと圧力信号Pwの差が小さくなるように制
御され、最終的には、圧力指令値Pmと圧力信号Pwは
ほぼ一致する。
【0030】なお、電流目標値VIrの計算方法は、こ
の他にPID補償による方法など種々考えられ、圧力指
令値Pmと圧力信号Pwとを一致させるものであればよ
い。また、圧力指令値としては、マスタシリンダ2の圧
力をもとに決められた値に限定されるものではなく、ア
ンチスキッドコントローラから与えられる圧力、また
は、トラクション制御コントローラから与えられる圧力
をもとに決められたものでもよく、それぞれ与えられた
圧力に一致するようにホイールシリンダ4の圧力信号P
wが制御される。電流検出回路52は駆動モータ35に
流れる電流を検出し、信号処理回路53で、電流信号V
Iaに変換する。実施例では、小さな抵抗を駆動モータ
35と直列に接続し、抵抗の両端の電圧の差を増幅して
電流信号としているが図には省略されている。なお、抵
抗の代わりに、ホール素子などを使用することもある。
【0031】パルスDuty計算回路54では、モータ
電流演算回路51で算出した電流目標値VIrと信号処
理回路53で算出した電流信号VIaとを比較し、駆動
モータ駆動回路のパワー素子56a〜56dをON、O
FFする時間比率(Duty)を決める。制御計算はや
はり簡単化するために比例制御とすると、出力電流Vd
は次式で表される。 Vd=Kci(VIr−VIa) 出力電流Vdと回路内部で作成した基準三角波Vsと比
較し Vd>Vsの間はパワー素子ON Vd≦Vsの間はパワー素子OFF とする信号をロジック回路55に出力する。したがっ
て、電流目標値VIrが電流信号VIaに比べて大きい
ときはパワー素子56a〜56dのON時間が長くな
り、最終的には電流目標値VIrと電流信号VIaが一
致するように制御される。
【0032】パルスDuty計算回路54からの入力に
より、ロジック回路55は、パワー素子56a〜56d
のいずれの2個をONするかを判断し、与えられた時間
だけ駆動信号を送ってONさせる。駆動モータ駆動回路
56の4個のパワー素子56a〜56dは、通常、対角
位置の2個がON、OFFされるようにロジック回路5
5から信号が与えられるため、駆動モータ35には正逆
両方向の電流を流すことができる。また、パワー素子5
6a〜56dのON時間をパルスDuty計算回路54
の出力電流の大小により決定しているため、前記のよう
に電流目標値VIrと実際に駆動モータに流れている電
流VIaが一致するように制御する。さらに、4個のパ
ワー素子のうち、図中下側のパワー素子56bおよび5
6dの2個のみをONすれば駆動モータ35の両端がシ
ョートされ、回転中の駆動モータ35を急激に停止させ
るような急停止動作信号を出力する。
【0033】一方、ピストン下端判断回路57は、ピス
トン13が下降してピストンストッパ12cに当たった
か否かを判断する。この判断は、電磁カット弁開閉回路
58から電磁カット弁5を閉じる信号を出力した時点で
のホイールシリンダ4のブレーキ液圧力を基準圧力とし
て、記憶し、制御中のホイールシリンダ4の圧力が、基
準圧力まで下がったか否かで行なう。ホイールシリンダ
4の圧力が、基準圧力に下がったときに、ピストン13
がピストンストッパ12cに当たったと判断し、ロジッ
ク回路55に急停止動作信号を一定時間、例えば0.1
sec出力する。さらに、マスタシリンダ2の圧力も0
のときには、ピストン13の後退動作信号をロジック回
路55に出力する。すなわち、その後退動作信号の出力
は、駆動モータ35がコギングトルクを発生する電流、
例えば駆動モータ35のトルク定数が0.025Nm/
A、コギングトルクが0.05Nmであるときは2A
が、所定の周期、時間、例えば5sec周期で0.5s
ec間程度行なわれる。
【0034】また、故障検出回路59は、マスタシリン
ダ2の圧力、ホイールシリンダ4の圧力、駆動モータ3
5の電流などが入力されて所定の制御ができているか否
かを判断する。所定の制御ができていない場合、あるい
は所定の制御ができない虞れがある場合は故障と判断
し、電磁カット弁開閉回路58に故障信号を出力する。
【0035】次に、動作について説明する。まず、ピス
トン13とピストン駆動軸20が当接している時に、ピ
ストン13の下面とピストン駆動軸20のフランジ21
に働く磁気による吸着力を最初に説明する。ピストン1
3内に埋め込まれた磁石16は、図2に示すように、上
側はN極、下側はS極となるように着磁されている。磁
石16の側面は非磁性体からなる接着材18で囲まれて
いるため、磁石16のN極からでた磁束の多くは、磁性
体から構成されるバックヨーク15を通り、ピストン駆
動軸20のフランジ21を通ってS極に戻る。フランジ
21から磁石16へ戻る磁束により、磁力が発生し、ピ
ストン13は、フランジ21に吸着する。
【0036】もし、バックヨーク15の外径がフランジ
21より大きいと、バックヨーク15とフランジ21の
当接部で、磁石16の中心部がフランジ21の中心と一
致しようとする力が作用し、ピストン13が偏心して、
ピストン13のシール部材17のつぶし代に不均一が生
じる場合があるが、本実施例では、バックヨーク15の
外径はフランジ21の外径よりも小さいため、ピストン
13の中心軸とフランジ21の中心が多少ずれていて
も、バックヨーク15を通った磁束がフランジからはみ
出すことはなく、磁束は吸着面を垂直に通過するので、
磁石16とフランジ21の間の吸着力は軸方向にのみ発
生し、ピストン13が偏心することはなく、シール部材
17のつぶし代は全周に渡って均一になる。
【0037】また、振動等の影響で、ピストン13とフ
ランジ21が吸着するときに、ピストン13に偏心が生
じて、つぶし代が不均一になった場合でも、ピストン1
3とフランジ21の表面には潤滑材が塗布され、摩擦係
数が小さいため、つぶし代に生じる不均衡な力により、
つぶし代が均一になるように、ピストン13の位置が修
正される。
【0038】次に、ブレーキペダル1が踏まれた場合の
動作について説明する。ブレーキペダル1が踏まれた場
合、その操作がコントローラ50の電磁カット弁開閉回
路58に入力され、電磁カット弁開閉回路58の指令に
より電磁カット弁5が閉じられる。次いで、マスタシリ
ンダ2によるブレーキ液圧力の上昇が圧力センサ8で検
出され、モータ電流演算回路51に入力される。そし
て、モータ電流演算回路51から、パルスDuty計算
回路54、ロジック回路55を介して駆動モータ駆動回
路56に駆動信号が出力され、駆動モータ駆動回路56
から駆動モータ35に、ホイールシリンダ4の圧力がマ
スタシリンダ2に追従するように電流を送る。これによ
り、駆動モータ35は、ピストン13を上昇させる方向
に回転し、ピニオン37、ギヤ39を介してボールねじ
ナット22bが回転されてピストン駆動軸20が上昇さ
れる。
【0039】ピストン駆動軸20の上昇によりピストン
13が下方から押し上げられ、ブレーキ液が圧縮され
る。このピストン13の上昇に伴なってホイールシリン
ダ4の圧力が上昇すると、この圧力が圧力センサ9によ
り検出され、モータ電流演算回路51に入力される。そ
して、モータ電流演算回路51により新たな電流目標値
VIrが計算され、最終的にマスタシリンダ2の圧力と
ホイールシリンダ4の圧力が一致するように制御され
る。
【0040】ブレーキ操作が終了し、運転者がブレーキ
ペダル1から足を放すと、マスタシリンダ2の圧力が急
激に0になり、駆動モータ35にピストン13を下降さ
せる電流が付与されてピストン駆動軸20が急激が後退
される。このとき、ピストン13とピストン駆動軸20
は、ピストン13に埋め込まれた磁石16とピストン駆
動軸20を構成する磁性体の間に働く吸着力により吸着
しているため、ピストン13もピストン駆動軸20と共
に、後退する。ピストン13とピストン駆動軸20の間
に作用する吸着力は略60Nであり、シール部材17と
シリンダ壁12bの間の摩擦力は略30Nであるので、
ピストン13がピストン駆動軸20のフランジ21から
離れることはなく、ブレーキ液圧力の作用も加わり、ピ
ストン13も急激に下降され、ピストンストッパ12c
に当接するまで後退して停止する。このとき、ホイール
シリンダ4の圧力は0となる。
【0041】一方、ピストン駆動軸20は、ギヤ34、
37、ピニヨン37、40を介して駆動モータ35と接
続されているので、駆動モータ35に付与する電流を0
としても、駆動モータ35自身の回転エネルギにより下
降し続け、可動スプリングシート31を押し下げる。こ
れに伴なって、バックアップスプリング32も押し縮め
られるため、バックアップスプリング32からピストン
駆動軸20に、「初期荷重+ストローク×スプリング定
数」で求められる上向きの力が作用する。これにより、
駆動モータ35の回転エネルギがバックアップスプリン
グ32により弾性エネルギとなって吸収され、ピストン
駆動軸20は衝撃的に停止されることがない。さらに、
ピストン13がピストンストッパ12cに当接し、ホイ
ールシリンダ4の圧力が0になったことを圧力センサ9
により検出したとき、駆動モータ35に急停止動作電流
を付加する。これにより、電流0指示とは異なり、駆動
モータ35の回転エネルギの一部が駆動モータ内部で熱
エネルギに変換されるので、ピストン駆動軸20は、よ
り短いストロークで衝撃なく停止させることができる。
【0042】さらに、運転者がブレーキペダル1を放し
続けると、縮められたバックアップスプリング32の反
発力によりピストン駆動軸20に初期位置に戻すような
力が作用する。このとき、駆動モータ35には前記のよ
うにコギングトルク相当の電流が付与される。この電流
はバックアップスプリング32を圧縮する方向に付与さ
れるが、バックアップスプリング32の初期荷重がこの
電流で発生するトルク以上であるため、バックアップス
プリング32は徐々に伸び、駆動モータ35は付与され
た電流の方向と反対の方向に回転されて初期位置に戻さ
れる。動作終了時には、ピストン駆動軸20はオーバー
ストロークして、ピストン13はピストンストッパ12
cに当たり、ピストン13とピストン駆動軸20は離れ
る。このためピストン13の位置は、シール部材17の
つぶし代にかかる力が均等になる位置で停止し、シール
状態は良好となる。
【0043】本実施例では、ピストン13内に設けられ
た磁石16と磁性体からなるピストン駆動軸20の間の
磁気による吸着力により、ピストン13とピストン駆動
軸20は一体で、上下に移動するため、ピストンを初期
位置に戻すためのスプリングが不要となり、ピストンに
不均衡な力が作用することはなく、ピストンは制御シリ
ンダ中心軸に対して傾いたり、また、中心軸と同軸の位
置から偏心することはない。このため、ピストン13の
シール部材17のつぶし代は、均一な状態を維持する理
想的なシール状態を保ことができ、制御シリンダ12内
に封入された液体の漏洩を防止することができる。ま
た、制御シリンダ12内には、液体のみが封入されてい
るため、制御シリンダ12の容積は、最大増圧時には0
になる大きさまで小さくすることができ、装置を小型化
することができる。
【0044】さらに、ピストン駆動軸20が圧力室12
aの容積を低減する方向に駆動モータ35により駆動さ
れている場合に、駆動モータ35の駆動能力は、圧力室
12aの容積を圧縮できる能力さえ備えていればよいた
め、駆動モータ35を小型化でき、一層、装置を小型化
することができる。さらに、ピストン13とピストン駆
動軸20の当接面の潤滑剤を塗布し、摩擦係数が小さく
なるように構成することにより、容易にピストン13と
ピストン駆動軸20の当接面は摺動可能であり、ピスト
ン13とピストン駆動軸20が磁気による吸着力で連結
するときに、ピストン13の位置に偏心が生じて、つぶ
し代が不均一になった場合でも、つぶし代に生じる不均
衡な力により、つぶし代が均一になるように、ピストン
13の位置が摺動し、自然に理想的な位置に修正され
る。したがって、本実施例では、ブレーキ解除時の衝撃
を低減しつつ、制御シリンダ内に封入された液体の漏洩
を防止し、信頼性の向上が図れるとともに、小型化が可
能となる。
【0045】なお、本実施例においては、ピストン駆動
軸20そのものを磁性体から構成したが、これに限られ
るものではなく、ピストン駆動軸20の上面に磁性体か
らなる吸着板を設け、磁石16との磁気による吸着力に
よりピストン13とピストン駆動軸20を吸着させるこ
とにより、ピストン駆動軸20本体は軽い材料から作る
ことができ、ピストン駆動軸20の重量を軽減すること
ができる。また、ピストン13のピストン本体14を非
磁性体で構成し、磁石13の周囲には磁性体からなるバ
ックヨーク15を配置したが、これに限られるものでは
なく、ピストン13そのものを磁性体で構成し、磁石を
埋め込むことにより、磁石の周囲の磁性体がバックヨー
クと同様な作用をするので、ピストンの構造を簡単化で
きる。さらに、空間的に余裕のある場所に設置できるの
であれば、ピストンの高さを高く形成することにより、
ピストンとピストン駆動軸が吸着していない時にも、ピ
ストンが傾くことを防止でき、より信頼性を向上させる
ことができる。
【0046】次に、ピストン駆動軸に磁石を埋め込んだ
第2の実施例を説明する。図4はピストンおよびピスト
ン駆動軸の上部の拡大図である。ピストン70は、直径
が制御シリンダ12の直径より僅かに小さ円筒形状で非
磁性体から構成されるピストン本体71と、ピストン本
体71に埋め込まれた吸着板72と、ピストン本体71
の側面に取付けられているシリンダ壁12bに対するシ
ール部材73から構成される。吸着板72は磁性体から
構成され、ピストン70の直径より小さい円板形状であ
り、ピストン本体71と吸着板72は同心上に配置され
る。また、ピストン本体71には、側面にシール部材7
3を取付けるための溝が形成されている。ピストン本体
71および吸着板72の下面はピストン70の軸と垂直
な面一であり、潤滑材が塗布されている。
【0047】ピストン70の下方に、ピストン駆動手段
として、ピストン70と別体のピストン駆動軸80を設
け、貫通穴12dを通してピストン70を昇降させてブ
レーキ液圧を制御している。また、ピストン駆動軸80
は磁性体から構成され、上部にピストン70の下面に当
接する円板形状のフランジ81が設けられている。フラ
ンジ81の中心部には、円筒形状の磁石82と、磁石8
2の側面を非磁性体で囲んだ筒上の磁石カバー83が一
体となって、ピストン駆動軸80に埋め込まれている。
磁石82は、ピストン70の吸着板72との間の磁気に
よる吸着力が制御シリンダ側面12cとシール部材73
の間の摩擦力の略2倍になるようにピストン駆動軸80
の軸方向に着磁され、上側がN極、下側がS極である。
【0048】フランジ81、磁石カバー83および磁石
82は同心上に配置され、その上面はピストン駆動軸8
0の軸と垂直な面一であり、潤滑材が塗布されている。
ピストン駆動軸80のその他の構成は図1に示したピス
トン駆動軸20と同じである。また、ピストン70およ
びピストン駆動軸80以外の構成は、図1に示す第1の
実施例と同じである。
【0049】次に、動作について説明する。まず、ピス
トン70とピストン駆動軸80が当接している時に、ピ
ストン70の下面とピストン駆動軸80のフランジ81
に働く吸着力を最初に説明する。ピストン駆動軸80に
埋め込まれた磁石82は、図4に示すように、上側はN
極、下側はS極となるように着磁されている。磁石82
の側面は非磁性体からなる磁石カバー83で囲まれてい
るため、磁石82のN極からでた磁束の多くは、ピスト
ン70の吸着板72を通り、ピストン駆動軸80のフラ
ンジ81へ戻り、磁石カバー83の外側を通り、S極に
戻る。磁石82から吸着板72を通る磁束により、磁力
が発生し、ピストン70は、ピストン駆動軸80のフラ
ンジ81に吸着する。
【0050】吸着板72の外径は磁石カバー83の外径
よりも十分に大きいため、ピストン70の中心軸とフラ
ンジ81の中心が多少ずれていても、磁石カバー83の
外側を通る磁束が吸着板72からはみ出すことはなく、
磁束は吸着面を垂直に通過するので、磁石82と吸着板
72の間の吸着力は軸方向にのみ発生し、ピストン70
が偏心することはなく、シール部材73のつぶし代は全
周に渡って均一になる。
【0051】また、第1の実施例と同様に、ピストン7
0とフランジ81の表面には潤滑材が塗布され、摩擦係
数が小さいため、ピストン70に偏心が生じても、ピス
トン70はつぶし代が均一になる理想的な位置に、自然
に修正される。その他の動作は第1の実施例と同様であ
る。
【0052】これにより、第1の実施例と同様の効果を
得られると共に、ピストン70には、磁石が配置されて
いないので、重量を軽くすることができ、ピストンスト
ッパ12cに磁石70が当たったときに生じる衝撃が小
さくなり、装置にかかる負荷が低減でき、信頼性が向上
する。また、磁石82がピストン駆動軸80に配置され
るため、磁石の長さが制約されることがない。磁石の磁
力は磁石の長さが長いと強くできるので、容易に磁力を
大きくすることができ、一層装置の信頼性を向上でき
る。なお、本実施例においては、磁石82により生じる
磁束は、磁石周囲のピストン駆動軸内を通過している
が、これに限られるものではなく、磁石の周囲に磁性体
からなるバックヨークを設け、このバックヨークを磁束
が通る構成にすることにより、ピストン駆動軸本体は軽
い材料からつくることができ、ピストン駆動軸の重量を
低減することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る圧力
制御アクチュエータは、ピストンとピストン駆動軸が別
個に形成され、ピストン駆動軸が上下に駆動される際に
は、ピストン内に設けられた磁石とピストン駆動軸内に
設けられた磁性体の磁気による吸着力により、ピストン
とピストン駆動軸が連結した状態で、ともに上下に移動
する。ピストン駆動軸が、制御シリンダの流路と接続さ
れる部屋の容積が最大となる位置よりも下方に移動した
場合には、ピストンのみがピストンストッパにより初期
位置に規制される。制御シリンダの部屋の部分にピスト
ンを初期位置に戻すためのスプリングは不要になるた
め、スプリングの作用力の不均衡が原因で、ピストンが
制御シリンダ中心軸に対して傾くことはなく、また、中
心軸と同軸の位置から偏心することもない。このため、
ピストンのシール部位のつぶし代は、均一な状態を維持
する理想的なシール状態を保ことができ、制御シリンダ
内に封入された液体の漏洩を防止し、装置の信頼性を向
上できる。
【0054】また、制御シリンダ内には、液体のみが封
入されているため、制御シリンダの容積は、最大増圧時
には0になる大きさまで小さくすることができ、装置を
小型化することができる。さらに、ピストン駆動軸が制
御シリンダ内に封入された液体を圧縮する方向に駆動モ
ータにより駆動されている場合に、駆動モータの駆動能
力は、液体を圧縮できる能力さえ備えていればよいた
め、駆動モータを小型化でき、一層、装置を小型化する
ことができる。さらに、例えば、ピストンに設けられた
磁石の一部をピストンの下面に露出させ、露出した部分
以外の周囲を磁性体からなるバックヨークで囲み、ピス
トン駆動軸に磁性体からなり、バックヨークよりも大き
い表面積を有する吸着板を設けることにより、磁石によ
り発生する磁束は主にバックヨークを通るため、磁気に
よる吸着力は軸方向のみに働き、ピストンと吸着板の中
心位置がずれていた場合であっても、無理に両者の位置
を合わせようとする軸直方向の力は働かず、ピストンの
位置をシール部材のつぶし代が全周に渡って均一になる
ような理想的な位置に保持できる。
【0055】ピストン内に設けられた磁性体とピストン
駆動軸内に設けられた磁石の吸着力により、ピストンと
ピストン駆動軸が連結するように構成することにより、
磁石をピストン駆動軸に配置でき、ピストンの重量を軽
くすることができ、ピストンがピストンストッパに当た
るときの衝撃を低減できる。また、磁石の長さが制約さ
れることがないので、磁石の長さを長くすることで、容
易に磁力を大きくすることができ、製造が容易になる。
したがって、液圧低減時の衝撃を小さくしつつ、制御シ
リンダ内に封入された液体の漏洩を防止し、信頼性の向
上が図れるとともに、小型化が可能である圧力制御アク
チュエータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】第1の実施例の制御シリンダ、ピストンおよび
ピストン駆動軸部分の拡大図である。
【図3】第1の実施例のコントローラの構成を示すブロ
ック図である。
【図4】第2の実施例の制御シリンダ、ピストンおよび
ピストン駆動軸部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3 ホイール制御ディスク 4 ホイールシリンダ 5 電磁カット弁 6 圧力制御アクチュエータ 7a、7b、7c 液圧配管 8、9 圧力センサ 11 連通路 11a、11b ポート 11c ブレーキ液通路 12 制御シリンダ 12a 圧力室 12b シリンダ壁 12c ピストンストッパ 12d 貫通孔 13、70 ピストン 14、71 ピストン本体 15 バックヨーク 16、82 磁石 17、73 シール部材 18 接着剤 20、80 ピストン駆動軸 21、81 フランジ 22 ボールねじ 22a 雄ねじ部 22b ボールねじナット 23 スプリングローラ 24 支持部 25 ガイドケース 26 リニアブッシュ 27 案内溝 30 基台 30a 内向き鍔部 31 可動スプリングシート 32 バックアップスプリング 33 カラー 33a 鍔部 34、39 ギヤ 35 駆動モータ 36 出力軸 37、40 ピニオン 38 軸 41 ボールベアリング 45 ケース 46 カバー 50 コントローラ 51 モータ電流演算回路 52 電流検出回路 53 信号処理回路 54 パルスDuty計算回路 55 ロジック回路 56 駆動モータ駆動回路 56a、56b、56c、56d パワー素子 57 ピストン下端判断回路 58 電磁カット弁開閉回路 59 故障検出回路 72 吸着板 83 磁石カバー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の流路に配置され、液体の圧力を制
    御する圧力制御アクチュエータにおいて、前記流路と接
    続された圧力室を有する制御シリンダと、少なくとも一
    部が磁石から構成され、前記制御シリンダ内を摺動し、
    前記圧力室を形成するピストンと、該ピストンと別体に
    形成され、少なくとも一部が磁性体から構成され、駆動
    命令に従って前記ピストンを上下に駆動して、前記圧力
    室の容積を変化させるピストン駆動軸と、前記ピストン
    駆動軸が下方に移動したときに、前記ピストンのみが当
    接して、前記圧力室の容積が最大となるピストンの初期
    位置を定めるピストンストッパを有し、前記ピストンと
    前記ピストン駆動軸が当接した状態のときに、前記磁石
    と前記磁性体の間の磁気による吸着力が前記ピストンと
    前記制御シリンダの間の摩擦力より大きく設定されてい
    ることを特徴とする圧力制御アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記磁石の一部は、前記ピストンの前記
    ピストン駆動軸と当接する面に露出し、露出した部分以
    外の周囲を磁性体からなり前記ピストンに埋め込まれた
    バックヨークに囲まれ、該バックヨークの一部は前記ピ
    ストンの前記ピストン駆動軸と当接する面に露出してい
    ることを特徴とする請求項1記載の圧力制御アクチュエ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記ピストン駆動軸の前記ピストンと当
    接する面には、磁性体からなり前記磁石およびバックヨ
    ークと当接する範囲よりも大きな表面積を有する吸着板
    が取付けられていることを特徴とする請求項2記載の圧
    力制御アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 液体の流路に配置され、液体の圧力を制
    御する圧力制御アクチュエータにおいて、前記流路と接
    続された圧力室を有する制御シリンダと、少なくとも一
    部が磁性体から構成され、前記制御シリンダ内を摺動
    し、前記圧力室を形成するピストンと、該ピストンと別
    体に形成され、少なくとも一部が磁石から構成され、駆
    動命令に従って前記ピストンを上下に駆動して、前記圧
    力室の容積を変化させるピストン駆動軸と、前記ピスト
    ン駆動軸が下方に移動したときに、前記ピストンのみが
    当接して、前記圧力室の容積が最大となるピストンの初
    期位置を定めるピストンストッパを有し、前記ピストン
    と前記ピストン駆動軸が当接した状態のときに、前記磁
    石と前記磁性体の間の磁気による吸着力が前記ピストン
    と前記制御シリンダの間の摩擦力より大きく設定されて
    いることを特徴とする圧力制御アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記磁石の一部は、前記ピストン駆動軸
    の前記ピストンと当接する面に露出し、露出した部分以
    外の周囲を磁性体からなり前記ピストン駆動軸に埋め込
    まれたバックヨークに囲まれ、該バックヨークの一部は
    前記ピストン駆動軸の前記ピストンと当接する面に露出
    していることを特徴とする請求項4記載の圧力制御アク
    チュエータ。
  6. 【請求項6】 前記ピストンの前記ピストン駆動軸と当
    接する面には、磁性体からなり、前記磁石およびバック
    ヨークと当接する範囲よりも大きな表面積を有する吸着
    板が取付けられていることを特徴とする請求項5記載の
    圧力制御アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 前記液体はブレーキ液であり、前記制御
    シリンダは車両のブレーキペダルに加えられた操作力を
    ブレーキ液圧に変換するマスタシリンダと、前記ブレー
    キ液圧をホイール制御の制動力に変換するホイールシリ
    ンダの間を結ぶ流路に設けられ、前記ブレーキ液圧を制
    御することを特徴とする請求項1、2、3、4、5また
    は6記載の圧力制御アクチュエータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012067187A1 (ja) * 2010-11-17 2012-05-24 本田技研工業株式会社 電動ブレーキアクチュエータ及び車両用ブレーキシステム
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