JPH11219715A - 燃料電池の運転制御方法 - Google Patents
燃料電池の運転制御方法Info
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Abstract
極の電極触媒の活性が持続するようにした運転制御方法
を提供すること。 【解決手段】 Pt系触媒などの電極触媒が担持された
燃料極にCO等の不純物を含む燃料ガスが供給されるよ
うな燃料電池において、その発電中に空気極への酸化剤
ガスの供給を続けたまま燃料ガスの供給を一時的に遮断
することによりその燃料電極の電極触媒に吸着されるC
O等が酸化除去されるように運転を制御する。
Description
御方法に関し、さらに詳しくは、固体高分子型燃料電池
などにおいて燃料極に用いられる燃料極触媒(Ptある
いはPt−Ru等の貴金属触媒)が燃料ガス中に含まれ
る一酸化炭素(CO)ガス等により被毒・失活しないよ
うにする運転制御方法に関するものである。
ば、固体高分子型燃料電池は、図5に示すような基本構
造を有する。すなわち、この固体高分子型燃料電池は、
水素イオン導電性の高分子固体電解質膜12の片側面に
燃料極(負極)14が、また反対側面に空気極(正極)
16がそれぞれ一体的に設けられ、それぞれの電極面に
は集電体(セパレータ)18が配設される。
には燃料ガス(主に水素ガス)の貫流路が形成され、空
気極16との対向面には酸化剤ガス(主に空気)の貫流
路が形成される。電解質膜12の材料としては、一般に
フッ素系陽イオン交換膜、例えば、デュポン社の「ナフ
ィオン(Nafion)」(商品名)が用いられ、電極基材に
は、カーボンブラック、カーボンペーパ、カーボンクロ
ス等のカーボン材料が、また集電体(セパレータ)には
グラファイト等が用いられる。
に、燃料極に水素、空気極に酸素を供給すると、次の反
応式に示すように、燃料極では酸化反応、空気極では還
元反応が起こり、電解質膜中を水素イオンが移動するこ
とにより起電力が生じるものである。 燃料極:H2 → 2H+ + 2e- 空気極:1/2O2 + 2H+ + 2e- → H2O
きな反応速度が得られるように両電極に電極触媒が用い
られる。この反応速度は発電電流として表れるので、こ
れにより高い発電出力が得られる。通常、固体高分子型
燃料電池では、燃料極、空気極とも、Pt触媒あるい
は、Ptを含む多元系触媒(例えば、Pt−Ru触媒)
が用いられる。これらの触媒は通常カーボン電極に担持
されている。
低分子量の炭化水素やメタノール等のアルコール類を改
質して発生させた水素リッチなガスを燃料として用いる
場合がある。図7にそのプラントの概略構成を示した
が、燃料であるメタノールは、改質部において、例えば
Cu−Zn系触媒上で水と反応し、下式のように水素と
二酸化炭素の混合ガスとなり、燃料電池の燃料極に送ら
れる。 CH3OH + H2O → 3H2 + CO2
応が進行するわけではなく、例えば、 CH3OH → 2H2 + CO CO2 + H2 → CO + H2O 等の経路で数%のCOが副生される。この副生されたC
Oは、燃料極の電極触媒であるPt系電極触媒の触媒毒
として作用する。COは、この電極触媒上に強く吸着さ
れ、本来の燃料極の反応である水素酸化の反応を阻害す
る。
度を低減すべく、CO除去部を改質部の後段に置いてい
る。ここでは、下式のようなシフト反応およびCO選択
酸化反応を利用してCO濃度が低減される。 シフト反応:CO + H2O → CO2 + H2 CO選択酸化反応:2CO + O2 → 2CO2
を設けることにより改質器出口(燃料電池入り口)のC
O濃度を数10ppmまで低減することが可能となる。
尚、電池の作動温度は比較的低く(200℃以下)、通
常100℃以下の温度で運転される。
度のCO濃度でも、燃料極に純Pt触媒を用いると被毒
を受け、電池性能は低下する。Pt−Ru二元系触媒な
ど通常知られている耐CO性の触媒を用いれば、電池温
度約80℃以上では、数十ppmのCO濃度なら殆どそ
の性能低下は問題にならないことが知られているが、立
ち上がり時など電池温度が十分に上がっていない場合に
は、数十ppmでも性能低下が著しい。
のガス処理量が変化する場合には、一時的に熱バランス
が崩れて多量のCOが燃料電池に送られることがある。
この場合、耐CO性触媒といえども被毒し、性能が低下
する。したがって燃料極の耐CO対策としては、CO除
去部によるCO濃度の低減とPt−Ru等の耐CO性触
媒の使用に依っても必ずしも十分な対策とは言い難い。
の技術としては、燃料ガスに2%程度の酸素を混入し、
電極触媒上に吸着したCO分子を酸化除去する方法が提
案されている[S.Gottesfeld and J.Pafford, J.Electro
chem. Soc.135, 2651(1988);S.Gottesfeld, US Patent
4910099(Mar.20,1990);D.P.Wilkinson, H.H.Voss, J.Du
dley, G.J.Lamont and V.Basura, US Patent 5432021(1
995), US patent 5482680(1996)参照]。この方法を用い
ると従来よりも低い温度(〜室温)、高いCO濃度(1
00ppm以上)でも性能低下が問題にならなくなると
言われている。
を誤ると電池内での発火や爆発を引き起こす危険を否定
できない。自動車の動力源など、一般民生用の発電装置
としての安全性を確保するためには、少なくとも吹き込
むO2 濃度を1%以下に抑えなければならないが、現状
技術では、O2 濃度を下げると効果が十分得られないと
いう問題がある。
スとして主にメタンやメタノールなどの炭化水素やアル
コール類を水蒸気改質して得られる改質ガスを用いる燃
料電池において、Pt系やPt−Ru系等の活性触媒が
担持される燃料電極の電極表面に吸着されるCO等を酸
化除去し、燃料ガス(水素)中に含まれるCO等の不純
物による電池性能の低下を回避回復することのできる運
転制御方法を提供することにある。
本第一発明に係る燃料電池の運転制御方法は、白金系な
どの電極触媒が担持される燃料極に一酸化炭素などの被
毒ガスを含む燃料ガスを供給すると共に空気極に酸化剤
ガスを供給し、燃料極の酸化及び空気極の還元反応によ
り発電起電力を生じさせる燃料電池において、その発電
中に燃料極の電極電位を一時的に標準水素電極電位に対
して+0.3V 以上貴なる電位とする過程を含むことを
要旨とするものである。
は、燃料極の電極触媒に蓄積するCO等の不純物を燃料
電池の運転を継続したまま一時的に燃料極の電位を標準
水素電極電位に対して+0.3V よりも貴なる電位にす
ることにより、燃料極を失活させたCO等を酸化除去す
る。そのためCO等による被毒・失活した燃料極表面の
電極触媒はその表面が清浄化され、水素酸化活性が回復
する。
時的に標準水素電極電位に対して+0.3V 以上貴なる
電位とする過程として、空気極への酸化剤ガスの供給を
続けたまま燃料ガスの供給量もしくは濃度を減少させる
か、或いは燃料ガスの供給を停止することを要旨とする
ものである。
化学的に酸化除去できる反応は、+0.3V (標準水素
電極基準)以上の電位域である。また燃料電池が作動し
ている時の燃料極の電位は、+0.1V (標準水素電極
基準)以下であるが、対極の酸素極は酸素等の酸化剤が
供給される限り、十分高い貴な電位を有しているので、
燃料ガスの供給もしくは濃度を一旦減少あるいは停止す
ることにより、燃料極電位を標準水素電極に対し0.3
V 以上貴な電位にすることができる。燃料極電位が上
昇して+0.3V 以上のある電位に達したときに燃料ガ
スの供給を再開するというような運転を行うとよい。燃
料極の電位は理論的には空気極と同電位(+1.0V 標
準水素電極基準くらい)までの上昇は可能であり、CO
を電気化学的に酸化除去する電位は十分に得られる。
しくは濃度を減少あるいは停止する電位をあらかじめ設
定しておき(例えば、0.1V)、その電位を越えると燃
料ガスの供給を減少あるいは停止し、また燃料ガスの供
給を再開する電位もあらかじめ設定しておき(例えば、
0.6V)、その電位に達すると燃料ガスの供給を再開
するように運転制御の自動化を図ることが望ましい。
明する。 (第1の実施例)初めに図1に、この実施例のために製
作した小型の試験用固体高分子型燃料電池(単電池)の
構造を示す。この実施例では、燃料極触媒にPt−Ru
(原子比で1:1)合金触媒をカーボンブラック上に担
持したもの、空気極触媒に純Pt触媒をカーボンブラッ
ク上に担持したもの、電解質膜にナフィオン(デュポン
社の商標名)を用いた。電極の面積は10cm2 とした。
素、空気極に空気を供給し、電池の作動温度を60℃と
し、5Aの一定電流で起電力を生じさせた。これにより
端子間の電圧が0.7V で安定作動した。この状態で、
燃料極に供給している水素にCO100ppmを加える
と、端子間電圧は経時的に低下し、最終的には端子間電
圧はおよそ0.3V 程度まで低下した。これは、燃料極
のPt−Ru触媒にCOが化学吸着し、水素の酸化反応
を阻害したためである。
供給されるガスを空気から純水素に切り替えた。次に燃
料極の電位を、この純水素に切り替えた空気極に対して
+0.05V となるように保持しながら、燃料極に流通
するガスをCOを含む水素から純粋な窒素へと切り替え
た。その後、燃料極の電位を純水素を供給している空気
極(以下「水素参照電極」と呼ぶ)に対して+0.05
V から貴なる方向(+方向、酸化反応がより進みやす
くなる方向)に走査していき、電流の応答性を調べた。
位(V)と電流密度(mA/cm2)との関係を示したも
のである。この図2のデータに示されるように、実線で
示した一回目の走査では、水素参照電極に対して +0.
3Vあたりから酸化方向の電流が流れはじめ、表面に吸
着したCOが電気化学的に酸化されているのがわかる。
COの酸化は水素参照電極に対して+0.5V 程度で完
了した。水素参照電極に対し+1.0Vまで電位走査し
た後、再び+0.05Vまで戻し、しばらく保持した
後、二回目の電位走査(破線で示す)を行った。
位領域に一回目の走査では認められなかった吸着水素の
酸化に起因する電流が認められ、水素酸化反応に対する
活性が回復していることが示され、さらにCOの酸化に
起因する酸化電流は消失した。 この結果より、電極触
媒上に吸着したCOは、水素電極基準で+0.3V より
も高い電位で酸化が始まり、+0.5V 以上で完全に酸
化除去されることと、一旦酸化除去された後は、触媒の
本来の機能である水素酸化の活性は回復されることがわ
かる。
電池を用いて、燃料ガスとして水素75%、CO100
ppmを含むメタノール改質ガスを供給し、0.5A/c
m2 一定電流での放電を、作動温度60℃、電池内圧
1.5atmの条件で行った。
電時間の経過とともに電池電圧は低下するが、その電池
電圧が0.6V を割り込んだところで、燃料の供給を停
止し、電池電圧が 0.1Vとなったところで速やかに燃
料供給を再開するようにした。そして燃料の供給再開後
には電極活性は初期状態まで回復し、元の電圧 (0.6
V)まで戻るのでその電圧が再び 0.6Vを割り込んだ
ところで燃料の供給を停止し、この操作を繰り返すよう
にした。
燃料極の電位(水素電極基準)を示したものである。比
較として継続的に運転する場合(従来技術)の電位の変
化を細線あるいは破線で示している。通常、燃料電池が
作動している時の燃料極の電位は、+0.1V(標準水素
電極基準)以下であり、燃料極触媒上に吸着されたCO
は除去されず蓄積されていく。
れてくると、通常の燃料電池反応である水素酸化反応が
阻害され、一定電流や一定負荷の条件で発電すると、過
電圧が増大するため、燃料極の電位は経時的に上昇す
る。燃料極触媒上に吸着されたCOは、電気化学的に酸
化除去することができるが、この反応が起きるのは、通
常+0.3V(標準水素電極基準)以上の電位域である。
まで電極電位が上昇すると、一部のCOが酸化され、こ
れによって触媒活性サイトが開放されるので過電圧が減
少して電極電位は下降する。そして0.3V 以下に下が
ると再び燃料極触媒へのCOの吸着が起こって電極電位
が上昇し、0.3V を挟んでCOの吸着と酸化が繰り返
されるため図3に細線で示したようなジグザグ状に電位
の昇降動力を繰り返す。あるいは同図に破線で示したよ
うに0.3V 近辺の一定の電位で推移することとなる。
実線で示したように、燃料の供給を停止した時点で燃料
極の電位が急激に上昇し、燃料供給の再開によって元の
電位まで急激に低下する。そしてこれの繰り返しによっ
て燃料極の電位は平均電位+0.1V 以下を維持しつつ
発電できることが明らかとなった。このように本発明方
法の運転制御によれば、燃料の一時停止により燃料極の
触媒表面が一旦完全に清浄化されるので、燃料極におけ
る水素酸化活性は完全に回復されることになる。
ける燃料電池の電圧変化を示したものである。比較とし
て継続的に運転する場合(従来技術)の電圧変化を破線
で示している。このデータよりわかるように、破線で示
した従来技術の電圧変化は、時間の経過によって電池電
圧が低下し、0.3V 当たりまで低下した後もなだらか
な低下傾向を示すことがわかる。
たように、燃料の供給を停止した時点で電池電圧が急激
に低下し、燃料供給の再開によって元の電圧まで急激に
回復する。そしてこれの繰り返しによって電池電位は燃
料の停止・再開の時間を除いて0.6V 以上に保たれた
状態が得られる。本発明によれば、この過程を繰り返す
ことによって高い平均電圧を維持しつつ発電できること
になる。
ど高く、水素電極基準の電位で+0.5V 以上とするそ
の他の方法としては、発電の電流を大きくする方法があ
げられる。
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の
改変が可能である。例えば、上記実施例では説明しなか
ったが、燃料極に水素電極基準電位センサを設け、その
電位センサからの検知信号により燃料極の電位があるレ
ベル(例えば、+ 0.1V)より貴になると燃料極への
燃料の供給を停止し、あるレベル(例えば、+ 0.6
V)より貴になると燃料の供給を再開するように制御す
るとよい。またあるいは、その燃料電池に電圧センサを
設け、その電圧センサからの検知信号により同様の制御
(例えば、電圧が0.6V以下になったら燃料の供給を
停止し、0.1V以下になると燃料の供給を再開する)
を行なうようにしてもよく、このようにすれば、燃料電
池の運転が自動的に(オートマチックに)制御されるこ
とになる。
よれば、運転中に燃料電極の表面に吸着されるCO等の
不純物を運転途中においてその電極への燃料の供給を一
時的に停止することにより酸化除去し、その燃料電極に
担持される電極触媒の活性が維持されるようにしたもの
であるから、その燃料電池は高い起電力の発生を持続す
ることができ、結果として発電エネルギー効率を向上さ
せることができるものである。また燃料電極はその電極
触媒のCOによる被毒・失活が継続的に回復されるため
に恒久的使用が可能となり、メインテナンスフリーの状
態が得られる等の経済的メリットも大きく、産業上極め
て有益な運転方法と言える。
燃料電池の構造を示した図である。
て、燃料極の対水素参照電極電位(V)と電流密度(m
A/cm2 )との関係を示した図である。
料極に供給した時の電位変化を本発明方法と従来技術と
で比較して示した図である。
明方法と従来技術とで比較して示した図である。
本構造を示した図である。
めに示した図である。
して改質ガスを用いる場合のプラントの概略構成を示し
た図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電極触媒が担持される燃料極に被毒成分
を含む燃料ガスを供給すると共に空気極に酸化剤ガスを
供給し、燃料極の酸化及び空気極の還元反応により発電
起電力を生じさせる燃料電池において、その発電中に、
燃料極の電極電位を一時的に標準水素電極電位に対して
+0.3V 以上貴なる電位とする過程を含むことを特徴
とする燃料電池の運転制御方法。 - 【請求項2】 前記燃料極の電極電位を一時的に標準水
素電極電位に対して+0.3V 以上貴なる電位とする過
程が、空気極への酸化剤ガスの供給を続けたまま燃料ガ
スの供給量もしくは濃度を減少させる過程あるいは燃料
ガスの供給を停止する過程であることを特徴とする前記
請求項1に記載する燃料電池の運転制御方法。
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|---|---|---|---|
| JP03412698A JP3536645B2 (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 燃料電池の運転制御方法 |
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