JPH11222647A - 耐時効性に優れかつ耳発生率の小さい表面処理鋼板用原板およびその製造方法 - Google Patents
耐時効性に優れかつ耳発生率の小さい表面処理鋼板用原板およびその製造方法Info
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- JPH11222647A JPH11222647A JP3433298A JP3433298A JPH11222647A JP H11222647 A JPH11222647 A JP H11222647A JP 3433298 A JP3433298 A JP 3433298A JP 3433298 A JP3433298 A JP 3433298A JP H11222647 A JPH11222647 A JP H11222647A
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Abstract
荒れ、ストレッチャーストレイン発生がなく、また製缶
加工後に耳発生率が低く、深絞り缶用表面処理鋼板の原
板として好適な極薄鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.02%以上0.10%未満、
Mn:0.4 〜1.0 %、Al:0.01〜0.1 %、N:0.0050%以
下、B:0.0010〜0.0050%を含有する鋼素材をAr3 変態
点以上で熱間圧延し、700 〜650 ℃で巻取り、圧下率:
80〜88%の1次冷間圧延後、再結晶温度以上720 ℃以下
の温度で短時間保持の連続焼鈍を行い、圧下率:1.0 〜
8%の2次冷間圧延を施し、平均結晶粒径が6μm 以
下、時効性指数AI値が40MPa 以下、r値が1.0 超え
で、かつr値の面内異方性をしめすΔrが±0.1 以内と
する。
Description
2ピース缶に用いて好適な深絞り缶用鋼板に係り、とく
にポリエステル樹脂を被覆して製缶加工される缶用原板
として好適な極薄鋼板に関する。
w )缶やDWI(Draw & Wall Ironing )缶におけるよ
うに、成形後有機塗料を塗布して缶内容物の保護を行っ
ている。しかし、最近では、予め樹脂フィルムを表面に
被覆したフィルムラミネート鋼板を用いて成形する製缶
方法が注目されている。フィルムラミネート鋼板の例と
して、例えば特開平2-269647号公報には、ティンフリー
鋼板を原板として、原板に2軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートを被覆した鋼板が開示されている。
この製缶方法は、 従来、深絞り加工、あるいは深絞り・しごき加工時に
必要とされていた潤滑油が必要でなくなり、そのため、
その後の潤滑油を洗浄する工程が省略でき、さらに、洗
浄工程の省略により洗浄排水の排出がなくなること。 従来、缶内容物の保護のため行われていた、缶内面塗
装および焼付け処理が必要でなくなり、そのため焼付け
処理時に発生していた炭酸ガスの排出がなくなること。 など、地球環境保護の面で好ましい貢献が期待できる。
用いる缶の製造コストは、従来のDRD缶、DWI缶の
それにくらべ、全体としてコスト高となることから、コ
ストダウンのため素材の薄肉化が要望されている。薄肉
化した2ピース缶用素材に要求される特性として (i) r値が高く、深絞り性に優れること。
が低いこと。 (iii) 結晶粒が細かく、成形後、肌荒れの発生がないこ
と。 (iv) 耐時効性に優れ、成形後にストレッチャーストレ
インの発生がないこと。 が挙げられる。
すΔr(=(r L + r C - 2 r D )/2)と相関があるこ
とは良く知られており、Δrが0に近いほど耳発生が少
なく素材歩留りは向上する。また、結晶粒が粗大なほど
成形後に肌荒れが発生しやすくなるため、特開平4-3145
35号公報には、原板の結晶粒径を5μm 以下、表面粗さ
Ra を0.5 μm 以下に調整する方法が、成形後の肌荒れ
を防止する方法として開示されている。しかしながら、
特開平4-314535号公報に記載された技術では、結晶粒の
微細化を達成するためにC含有量を0.1 〜0.2 %と高く
し、さらにMn、Pを添加しているため鋼板が硬質化し、
r値が 1.1程度と深絞り性が劣化し、成形性が劣るとい
う問題がある。
質化すれば、r値等の成形性は向上するが、C量を極端
に低減した極低炭素鋼板では、結晶粒を微細化すること
が困難である。軟質化と結晶粒の微細化を両立させるた
めに、C量を若干高めた低炭素鋼を素材とすることが考
えられるが、低炭素鋼においても結晶粒の粗大化を抑制
するために、焼鈍方法として箱焼鈍に代わり焼鈍時間を
短くできる連続焼鈍の採用が要求される。
板のr値は低く、優れた深絞り性が確保できないという
問題があった。さらに、短時間の焼鈍ではセメンタイト
の析出が不十分となり、耐時効性が劣化する。原板に樹
脂フィルムを被覆するフィルムラミネート鋼板の原板と
して、このような連続焼鈍処理を施され耐時効性が劣る
低炭素鋼板を使用した場合には、フィルム被覆に際し26
0 ℃で10数秒〜数秒間の加熱処理をうけ、歪時効が生じ
成形時にストレチャーストレインが発生しやすくなると
いう問題がある。
深絞り性、耐時効性に優れ、製缶加工後に肌荒れ、スト
レッチャーストレインなどの外観不良が発生せず、かつ
製缶加工後に耳発生率が低く、深絞り缶用ポリエステル
樹脂被覆鋼板等の表面処理鋼板用原板として好適な極薄
鋼板を提供することを目的とする。
課題を達成するために鋭意検討した結果、耐時効性の向
上、r値の向上、およびr値の面内異方性の改善には、
Bの添加が有効であることを見いだした。Bは、熱延工
程において固溶NをBNとして固定し鋼板の時効性を低減
する効果を有し、さらに、主として固溶N量の低減によ
り冷間圧延後の焼鈍工程で深絞り性(r値)およびr値
の面内異方性に対し有利な(111)集合組織の形成を促進
する。
し、さらにC量を調整して連続焼鈍による短時間焼鈍を
施すことにより、耐時効性が向上するとともに、結晶粒
が微細化し製缶加工後の肌荒れが防止できることを見い
だした。本発明者らは、上記した技術思想に基づいてさ
らに検討した結果、表面処理鋼板用原板の具体的な鋼板
特性として、平均結晶粒径を6μm 以下、時効性指数A
I値を40MPa 以下、r値を1.0 超え、r値の面内異方性
Δrを±0.1 以内とすることにより、深絞り缶に成形し
ても、成形後の肌荒れ、ストレッチャーストレインの発
生を防止でき、また成形後の耳発生率を低減できること
を見いだした。
ら得られたものである。C、Mn、B、Al、N量を種々変
えた鋼素材を、加熱したのち、仕上圧延温度等熱間圧延
条件を種々変更した熱間圧延を施し、コイルに巻取り、
酸洗、1次冷間圧延を経て、焼鈍条件を種々変更した連
続焼鈍を施し、ついで2次冷間圧延を施し、0.18mm厚の
鋼板とした。ついで、これら鋼板に金属クロム層とクロ
ム酸化物層からなる表面処理層を付着させる表面処理を
施し、表面処理鋼板とした。
値、平均r値およびΔrを調査した。なお、平均r値お
よびΔrは下記式を用いて求めた。 平均r値=(rL +rC +2rD )/4 Δr=(rL +rC −2rD )/2 ただし、rL 、rC 、rD は、それぞれ圧延方向に対し
0度、90度、45度の方向のr値である。平均結晶粒径
は、JIS G0552 の規定に準拠して板幅中央部で板厚断面
(表面 0.005mmを除く)の平均値を測定した。AI値
は、引張試験で7.5 %引張予歪を付与したのち100 ℃×
30min の熱処理を施し熱処理前後の降伏応力の増加量を
測定した。
のポリエステル樹脂フィルム(融点230 ℃)を熱接着に
より、樹脂フィルムを被覆したフィルムラミネート鋼板
(ポリエステル樹脂被覆鋼板)とした。ついで、予めパ
ーム油を塗布したポリエステル樹脂被覆鋼板から直径17
9mm の円盤を打ち抜き、常法により絞り比1.56の浅絞り
カップに成形した。ついで、このカップは、絞り比1.37
の第1次再絞り工程、絞り比1.27の第2次再絞り工程を
経て、カップ径63mm、カップ高さ127mm の深絞りカップ
に成形された。さらに、上記した深絞りカップに、常法
によりボトム成形を施し缶底にドーム部を形成した。
を耳発生量とした。また、ストレッチャーストレインの
発生の有無は、缶底のドーム部外観を目視観察で評価し
た。なお、肉眼でストレッチャーストレイン模様が判別
できた場合をストレッチャーストレイン発生ありとし
た。その後、深絞りカップのトリミングを行い、ついで
ネックイン加工を行った。ネックイン加工後の缶表面を
目視で観察し、肌荒れの発生の有無を評価した。なお、
目視で評価が困難な場合には、樹脂被覆を剥離して表面
粗さを測定しRa≧ 1.0μm の場合に肌荒れ発生とした。
の発生、および耳発生の度合いを鋼板各特性と関連づけ
て図1〜図3に示す。図1から、鋼板の平均結晶粒径を
6μm 以下とすることにより、成形後の肌荒れの発生を
防止できることがわかる。図2から、鋼板のAI値を40
MPa 以下とすることにより、成形後のストレッチャース
トレインの発生を防止できることがわかる。図3から、
Δrを-0.1〜+0.1の範囲とすることにより、耳発生の度
合いが小さくなることがわかる。
れたものである。すなわち、本発明は、重量%で、C:
0.02%以上0.10%未満、Si:0.10%以下、Mn:0.4 %以
上1.0 %以下、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Al:
0.01%以上0.1 %以下、N:0.0050%以下、B:0.0010
%以上0.0050%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなり、平均結晶粒径が6μm 以下、時効性指数
AI値が40MPa 以下、r値が1.0 超えで、かつr値の面
内異方性をしめすΔrが±0.1 以内であることを特徴と
する耐時効性に優れかつ耳発生率の小さい表面処理鋼板
用原板である。
上0.10%未満、Si:0.10%以下、Mn:0.4 %以上1.0 %
以下、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Al:0.01%以
上0.1 %以下、N:0.0050%以下、B:0.0010%以上0.
0050%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物から
なり、平均結晶粒径が6μm 以下、時効性指数AI値が
40MPa 以下、r値が1.0 超えで、かつr値の面内異方性
をしめすΔrが±0.1以内で少なくとも樹脂被覆を有す
ることを特徴とする耐時効性に優れかつ耳発生率の小さ
い表面処理鋼板である。
以上0.10%未満、Mn:0.4 %以上1.0 %以下、Al:0.01
%以上0.1 %以下、B:0.0010%以上0.0050%以下、
N:0.0050%以下を含有し、あるいはさらにSi:0.10%
以下、P:0.04%以下、S:0.02%以下を含有し残部Fe
および不可避的不純物からなる鋼素材を、加熱後、Ar3
変態点以上で仕上げ圧延を終了する熱間圧延を施し、巻
取り温度: 650〜 700℃でコイルに巻取ったのち、圧下
率:80〜88%の1次冷間圧延を行い、ついで再結晶温度
以上 720℃以下の温度で60s以下の連続焼鈍を行い、焼
鈍後 350〜 500℃の温度域まで50℃/s以上の冷却速度
で冷却し、30s以上の過時効処理を施したのち、圧下
率:1.0 〜8%の2次冷間圧延を施すことを特徴とする
平均結晶粒径が6μm 以下、時効性指数AI値が40MPa
以下、r値が1.0 超えで、かつr値の面内異方性をしめ
すΔrが±0.1 以内である表面処理鋼板用原板の製造方
法である。
めっきや樹脂被覆等を含むものとする。本発明では、表
面処理鋼板用原板に金属クロムおよびクロム酸化物層か
らなる表面処理層を付着させた後、樹脂被覆を施しても
よい。
mm以下の極薄鋼板として好適である。まず、本発明鋼板
の化学組成の限定理由について説明する。 C:0.02%以上0.10%未満 Cは、鋼板の細粒化と時効性の観点から、本発明におい
て重要な元素の1つである。時効性を低減するために
は、セメンタイトを十分に析出させ、鋼中の固溶C量を
少なくする必要があるが、このためには、セメンタイト
間の距離を短くし固溶Cの拡散距離を短くするのが有効
である。また、セメンタイト間の距離を短くすることに
より、焼鈍時の結晶粒成長を抑制し、結晶粒の細粒化が
図れる。セメンタイト間の距離を短くしセメンタイトの
析出を容易にするためには、C量を適度に多くしセメン
タイトの析出核を増加させるのがよく、本発明ではC量
を0.02%以上とする。C量が0.02%未満では、短時間焼
鈍である連続焼鈍を行っても平均結晶粒径を6μm 以下
とすることができない。また、C量が0.10%以上では、
過度に硬質化し成形性が劣化する。このようなことか
ら、C量は0.02%以上0.10%未満に限定した。
るため、その上限を0.10%に限定した。とくに、優れた
耐食性が要求される場合には、Siは0.02%以下とするの
が好ましい。 Mn:0.4 〜1.0 % Mnは、Sによる熱間脆性を抑制するために有効な元素で
ある。また、Mnは、セメンタイト中に濃化し、セメンタ
イト/フェライト界面の移動速度を低下させ、セメンタ
イトの凝集、粗大化を抑制し結晶粒を細粒化する効果を
有する。さらにMnは、熱延工程中に析出したセメンタイ
トが焼鈍時に再固溶するのを防止し、耐時効性の低下を
抑制する効果も有する。これらの効果は、0.4 %以上の
含有で認められるが、一方、1.0 %を超えて多量に含有
すると、耐食性が劣化する傾向にあることに加え、鋼板
を硬質化させ製缶加工性を劣化させる。なお、好ましく
はMnは、時効性低減の観点から 0.5〜 1.0%である。
耐食性を劣化させる元素であり、0.04%を超えるとその
影響が顕著となるため、0.04%を上限とした。なお、と
くに耐食性、加工性が重視される場合には、0.01%以下
とするのが好ましい。
せ、さらに耐食性を劣化させる元素であり、0.02%を上
限とした。とくに、加工性が要求される用途の場合に
は、0.010 %以下とするのが望ましい。 Al:0.01〜0.1 % Alは、AlN として鋼中の固溶Nを固定化するため、低時
効性を得るのに有効な元素であるが、このためには、0.
01%以上の含有を必要とする。なお、時効性に対し厳し
い用途の場合には、0.04%以上の含有が好ましい。一
方、含有量が多すぎると、アルミナクラスターなどに起
因する表面欠陥の発生頻度が急増するため、0.1 %を上
限とした。
レインの発生頻度を増加させるため、できるだけ低減す
るのが望ましい。本発明では、Bの添加により固溶Nは
BNとして固定されるが、0.0050%以下に制限すれば、上
記した悪影響を抑制でき実用上の不具合発生を防止でき
る。下限はとくに限定しないが、0.0010%程度であれ
ば、経済的、工業的に達成できる範囲といえる。なお、
材質の安定確保という観点からは、0.0030%以下とする
のが望ましい。
制御によりr値を向上させ、さらにΔrを0に近づける
効果、AlN として固定しきれないNをBNとして固定し時
効性を低減させる効果および結晶粒を微細化させる効果
を有している。このようなBの望ましい効果は、0.0010
%以上の含有で認められるが、0.0050%を超えて含有す
ると、表面欠陥の発生などの不具合を生じる。このた
め、Bは0.0010〜0.0050%の範囲に限定した。なお、材
質の安定性を考慮すれば、Bは0.0010〜0.0030%の範囲
である。
不純物として、Sn、Cu、Crなどのトランプエレメントが
混入しても、おのおのが0.10%以下程度であれば許容で
き、缶としての使用特性に及ぼす影響は無視できる。 平均結晶粒径:6μm 以下 鋼板の平均結晶粒径は6μm 以下とする。平均結晶粒径
が6μm を超えると、図1に示すように成形後に肌荒れ
が発生する。平均結晶粒径6μm 以下の細粒化は、Bを
適量添加するほか、C、Mnを適量含有させ、巻取温度を
調整することでセメンタイト分布を密に制御し、さらに
このセメンタイトが再固溶しない低温短時間の焼鈍条件
を採用することで達成できる。なお、仕上圧延温度の限
定も重要である。
数AI値が40MPa を超えると、図2に示すように成形後
にストレッチャーストレインが発生する。AI値 40MPa
以下の耐時効性は、固溶Nおよび固溶Cの低減により達
成できる。固溶Nの低減はB、Alを適量添加し、巻取温
度を制御して十分窒化物を析出させることで、また固溶
Cの低減は、Mnを適正量含有させてセメンタイトを安定
化させる一方、巻取温度を制御してセメンタイトを粗大
化しない範囲で十分析出させ、焼鈍条件もセメンタイト
の再固溶を避ける低温短時間の連続焼鈍とし、さらにそ
の後急冷および過時効処理を十分行うことで達成でき
る。
る必要がある。r 値が1.0 以下では、深絞り加工が困難
となり、所望の缶形状に加工できなくなる。 Δr:±0.1 以内 r値の異方性を示すΔrが±0.1 の範囲を超えると、製
缶後に耳発生の度合いが大きくなる。r値を 1.0超えと
し、かつΔrを±0.1 以内とすることは、固溶NをB、
Alの適量添加および巻取温度制御によって低減する、仕
上圧延温度をAr3 変態点以上で行う、さらに冷間圧延の
圧下率を80〜88%の範囲に限定することにより達成でき
る。
明する。上記した組成の溶鋼を通常公知の溶製方法で溶
製し、連続鋳造法あるいは造塊法により凝固させ鋼素材
とする。鋼素材は熱間圧延を施され熱延板とされる。な
お、鋼素材は、いったん室温まで冷却したのち再加熱す
るか、あるいは冷却することなく加熱炉に装入されて加
熱されてもよい。
定されないが、好ましくは1100〜1300℃で10〜 240min
加熱保持されるのが望ましい。加熱温度が1100℃未満で
は、目標の圧延温度が達成されないうえ、その後の圧延
時に疵を発生する危険がある。一方、加熱温度が1300℃
を超えると、異常粒成長を生じ組織が不均一となるうえ
エネルギーコストが増加する。このため、鋼素材の加熱
温度は1100〜1300℃の範囲にするのが好ましい。
では、鋼素材内の温度が不均一でありシートバーの反
り、曲がりなどの圧延トラブルが多発する。また、 240
min を超えて保持すると、スケールロスが顕著となる。
このため、加熱温度における保持時間は10〜 240min と
するのが望ましい。鋼素材は、加熱後熱間圧延を施され
る。本発明では、熱間圧延の仕上圧延温度(圧延終了温
度)をAr3 変態点以上とするのが望ましい。
製品の結晶粒を微細化することが困難であり製缶後の表
面美麗性が損なわれる。なお、Ar3 変態点+50℃を超え
て仕上圧延されると、スケールロスが増加するため、好
ましくはAr3 変態点+50℃以下とする。なお、仕上圧延
後、強制冷却を行うのが望ましい。強制冷却により、材
質の面内異方性が抑制され、さらに脱スケール性も改善
される。
温度は、 650〜 700℃とする。巻取り温度が 650℃未満
では、鋼板形状、幅方向の材質均一性が低下するため缶
用極薄鋼板としては好ましくない。また、セメンタイ
ト、AlN を十分に析出させることができず、時効性の低
下および目標のr値が得られない。また、 700℃を超え
ると、セメンタイトの凝集、粗大化が生じ、結晶粒の細
粒化が不十分となるとともにスケール厚が増加する。
とくに限定する必要はなく、通常の塩酸、硫酸による酸
洗を実施すればよい。酸洗に続いて、冷間圧延を行う。
酸洗後の冷間圧延は、焼鈍後の冷間圧延と区別するた
め、1次冷間圧延と呼ぶ。1次冷間圧延の圧下率は80〜
88%とする。
り、圧下率が80%未満あるいは88%超では、r値が低下
する。また、圧下率が80%未満ではΔrが正の側に 0.1
を超え、圧下率が88%を超えると負の側に 0.1を超え
る。なお、熱処理の負荷の観点からは85%以上とするの
が好ましい。1次冷間圧延後、焼鈍を行う。
で60s以下の連続焼鈍を行う。本発明では、結晶粒を6
μm 以下と微細化するために、短時間焼鈍である連続焼
鈍法で焼鈍する。優れた成形性、とくに高いr値を得る
ため、鋼板の焼鈍は鋼板の再結晶温度以上で行い、再結
晶組織とする。しかし、720 ℃を超える高温で焼鈍する
と、再結晶粒の成長およびセメンタイトの再固溶による
粒成長抑制力の低下により結晶粒が粗大化し、肌荒れが
発生する。また、セメンタイトの再固溶により時効性が
劣化する。このため、焼鈍温度は再結晶温度以上 720℃
以下の温度に限定した。好ましくは、再結晶温度以上 7
00℃以下である。
s以下とする。焼鈍時間が60sを超えると、再結晶粒の
成長およびセメンタイトの再固溶による粒成長抑制力の
低下により、結晶粒が粗大化し肌荒れが発生する。な
お、焼鈍時間は30s以下とするのが好ましい。焼鈍後 3
50〜 500℃の温度域まで50℃/s以上の冷却速度で冷却
し、 500〜 350℃の温度域で30s以上の過時効処理を施
す。これらの条件のいずれかを外すと十分な耐時効性が
得られない。
を行う。2次冷間圧延の圧下率は1.0 〜8%とする。2
次冷間圧延は、缶体強度を確保するために必要な圧下率
で行う必要がある。焼鈍板の材質の均一化、可動転位の
導入による時効性の低減のために、少なくとも1.0 %以
上の圧下率とする必要がある。一方、圧下率が8%を超
えると、r値の低下による成形性の劣化やΔrの増加に
よる耳発生率の増大が生じる。このため、2次冷間圧延
の圧下率は1.0 〜8%とした。
粒径が6μm 以下、時効性指数AI値が40MPa 以下、r
値が1.0 超えで、かつr値の面内異方性をしめすΔrが
±0.1 以内である表面処理鋼板用原板が得られる。これ
ら表面処理鋼板用原板に、さらに表面処理を施してもよ
い。表面処理として、樹脂被覆や錫めっき、クロムめっ
き、あるいはこれらの複合めっき等が好適である。とく
に本発明では、表面処理鋼板用原板に少なくとも樹脂被
覆を施すのが好ましい。さらに、原板に金属クロムおよ
びクロム酸化物層からなる表面処理層を付着させたの
ち、樹脂被覆を施すのがさらに好適である。また、めっ
きを施さず塗油鋼板としてもよい。
製し、連続鋳造法でスラブとした。ついでこれらスラブ
を表2に示す条件の熱間圧延、1次冷間圧延、連続焼
鈍、2次冷間圧延を行い、最終仕上げ板厚を0.18mmの極
薄鋼板とした。ついで、金属クロム層とクロム酸化物層
を付着させる表面処理を施し表面処理鋼板(ティンフリ
ー鋼板)とした。
値、平均r値およびΔr値を測定した。なお、平均結晶
粒径は、JIS G0552 の規定に準拠して板幅中央部で板厚
断面の平均値を求めた。また、平均r値およびΔrは、
JIS 13 号試験片を用いて、圧延各方向のr値を求
め、下記式を用いて、平均r値およびΔrを計算した。
0度、90度、45度の方向のr値である。AI値は、引張
試験で7.5 %引張予歪を付与したのち100 ℃×30min の
熱処理を施し熱処理前後の降伏応力の増加量を測定し
た。
のポリエステル樹脂フィルム(融点230 ℃)を熱接着
し、フィルムラミネート鋼板(ポリエステル樹脂被覆鋼
板)とした。ついで、ポリエステル樹脂被覆鋼板から直
径179mm の円盤を打ち抜き、常法により絞り比1.56の浅
絞りカップに成形した。ついで、このカップは、絞り比
1.37の第1次再絞り工程、絞り比1.27の第2次再絞り工
程を経て、カップ径63mm、カップ高さ127mm の深絞りカ
ップに成形された。さらに、上記した深絞りカップに、
常法によりボトム成形を施し缶底にドーム部を形成し
た。
を耳発生量とした。また、深絞り成形性は割れ、しわの
発生を目視で観察し評価した。また、ストレッチャース
トレインの発生の有無は、缶底のドーム部外観を目視観
察で評価した。 その後、深絞りカップのトリミングを
行い、ついでネックイン加工を行った。ネックイン加工
後の缶表面を目視で観察し、肌荒れの発生の有無を評価
した。なお、評価の基準は、図1、図2における場合と
同様とした。
均結晶粒が微細であり、平均r値も1.0 を超える値を示
し、AI値も40MPa 以下であり、耐時効性に優れ、深絞
り性、耐肌荒れ性に優れ、さらに、ストレッチャースト
レインの発生もなく、耳発生高さも低く、厳しい加工が
施される薄肉化深絞り缶用素材として好適である。これ
に対し、本発明の範囲を外れる比較例は、耐時効性、深
絞り性、耐肌荒れ性の少なくともいずれか劣り、さら
に、ストレッチャーストレインの発生、耳発生高さが高
いなど、薄肉化深絞り缶用素材として不適である。
の組成を有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法でスラブ
とした。ついで、これらスラブを表4に示す条件で最終
仕上板厚0.13〜0.18mmの極薄鋼板とした。ついで、金属
クロム層とクロム酸化物層を付着させる表面処理を施し
表面処理鋼板(ティンフリー鋼板)とした。これらの表
面処理鋼板について、実施例1と同様の調査を行い、そ
の結果を表5に示す。
較例にくらべ平均結晶粒が微細であり、平均r値も 1.0
を超える値を示し、AI値も40MPa 以下であり、耐時効
性に優れ、深絞り性、耐肌荒れ性に優れ、さらにストレ
ッチャーストレインの発生もなく、耳発生高さも低く、
厳しい加工が施される薄肉化深絞り缶用素材として好適
である。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、
耐時効性、深絞り性、耐肌荒れ性の少なくともいずれか
で劣り、さらにストレッチャーストレインの発生、耳発
生高さが高いなど、薄肉化深絞り缶用素材として不適で
ある。
優れ、製缶加工後に肌荒れ、ストレッチャーストレイン
などの外観不良が発生することなく、深絞り缶用表面処
理鋼板の原板、、なかでもポリエステル樹脂被覆鋼板の
原板として好適な極薄鋼板を製造できる。さらに、本発
明の鋼板は、板厚0.20mm以下の極薄鋼板として素材費を
低減できるうえ、さらに製缶加工後に耳発生率が低く、
素材歩留りを向上させることができ、産業上格段の効果
を奏する。また、本発明の鋼板は、ポリエステル樹脂被
覆鋼板以外にも、その優れた加工性、耐時効性を生かし
てDI缶用鋼板、あるいは3ピース缶用鋼板として使用
することもできる。
示すグラフである。
ぼす製品鋼板のAI値の影響を示すグラフである。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.02%以上0.10%未満、 Si:0.10%以下、 Mn:0.4 %以上1.0 %以下、 P:0.04%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.01%以上0.1 %以下、 N:0.0050%以下、 B:0.0010%以上0.0050%以下 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、平均
結晶粒径が6μm 以下、時効性指数AI値が40MPa 以
下、r値が1.0 超えで、かつr値の面内異方性をしめす
Δrが±0.1 以内であることを特徴とする耐時効性に優
れかつ耳発生率の小さい表面処理鋼板用原板。 - 【請求項2】 重量%で、 C:0.02%以上0.10%未満、 Si:0.10%以下、 Mn:0.4 %以上1.0 %以下、 P:0.04%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.01%以上0.1 %以下、 N:0.0050%以下、 B:0.0010%以上0.0050%以下 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、平均
結晶粒径が6μm 以下、時効性指数AI値が40MPa 以
下、r値が1.0 超えで、かつr値の面内異方性をしめす
Δrが±0.1 以内で、少なくとも樹脂被覆を有すること
を特徴とする耐時効性に優れかつ耳発生率の小さい表面
処理鋼板。 - 【請求項3】 重量%で、C:0.02%以上0.10%未満、
Mn:0.4 %以上1.0%以下、Al:0.01%以上0.1 %以
下、B:0.0010%以上0.0050%以下、N:0.0050%以下
を含有する鋼素材を、加熱後、Ar3 変態点以上で仕上げ
圧延を終了する熱間圧延を施し、巻取り温度: 650〜 7
00℃でコイルに巻取ったのち、圧下率:80〜88%の1次
冷間圧延を行い、ついで再結晶温度以上 720℃以下の温
度で60s以下連続焼鈍を行い、焼鈍後 350〜 500℃の温
度域まで50℃/s以上の冷却速度で冷却し、30s以上の
過時効処理を施したのち、圧下率:1.0 〜8%の2次冷
間圧延を施すことを特徴とする平均結晶粒径が6μm 以
下、時効性指数AI値が40MPa 以下、r値が1.0 超え
で、かつr値の面内異方性をしめすΔrが±0.1 以内で
ある表面処理鋼板用原板の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP03433298A JP3728911B2 (ja) | 1998-01-31 | 1998-01-31 | 耐時効性に優れかつ耳発生率の小さい表面処理鋼板用原板およびその製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-01-31 JP JP03433298A patent/JP3728911B2/ja not_active Expired - Fee Related
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