JPH11223698A - 汚染金属の再生方法とその装置 - Google Patents

汚染金属の再生方法とその装置

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JPH11223698A
JPH11223698A JP10024898A JP2489898A JPH11223698A JP H11223698 A JPH11223698 A JP H11223698A JP 10024898 A JP10024898 A JP 10024898A JP 2489898 A JP2489898 A JP 2489898A JP H11223698 A JPH11223698 A JP H11223698A
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metal
lead
anode
molten salt
contaminated
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Withdrawn
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JP10024898A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Ono
清 小野
Koji Mizuguchi
浩司 水口
Yuichi Shoji
裕一 東海林
Masaru Komatsubara
勝 小松原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射性の金属廃棄物から再利用可能な鉄等を
回収するにあたり、放射能を有する金属成分の分離性能
を上げて回収率を向上させるとともに、処理後の廃棄物
量を低減した汚染金属の再生方法およびその装置を提供
する。 【解決手段】 本発明では、陰極と、鉄を主成分とし放
射性のニッケル、コバルトを含む汚染金属の陽極とを溶
融塩中に設置し、かつ溶融塩の下層に溶融した鉛を保持
した状態で電解を行ない、まず溶融塩中に溶解したニッ
ケル、コバルトを、鉛により還元して溶融鉛中に移行さ
せるとともに、鉛を溶融塩中に溶解させ、次いでこの溶
融塩中に溶解した鉛を陰極に析出させる。そして、陰極
に析出した溶融状態の鉛に、既析出のニッケル、コバル
トを溶解して流下させた後、こうして清浄化された陰極
に鉄を析出させて回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染金属の再生方
法およびその装置に係り、特に原子力発電所等で大量に
発生するステンレス鋼や炭素鋼等の放射性金属廃棄物か
ら、放射能の主成分であるニッケルおよびコバルトを除
去し、再利用可能な鉄等を回収するための方法および装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所等の原子炉周辺部において
は、炉心から発生する中性子によって、炉や周辺機器の
構造材であるステンレス鋼や炭素鋼が放射化される。こ
れは、中性子照射の結果、構造材中に放射性核種のニッ
ケルやコバルトが生成されるためである。したがって、
このように放射化された構造材から、放射能を持つニッ
ケルやコバルトを分離することにより、主成分である放
射能を持たない鉄等を再利用することが可能である。
【0003】従来から、ステンレス鋼のような放射化さ
れた金属から放射能を除去する除染・再生方法として
は、放射能を持たない非放射性の鉄等を主成分とし、主
要な放射性成分であるニッケル、コバルトをそれぞれ微
量に含む放射性金属廃棄物を、加熱・溶解するにあた
り、雰囲気の酸素濃度や同時に投入するスラグ材の材質
を調整することにより、液相である融湯と融湯上面に生
成する固体状のスラグとの間のニッケルやコバルトの分
配率と、鉄の分配率との違いを利用して、融湯またはス
ラグ中に鉄を回収する方法が行なわれている。
【0004】このような従来からの汚染金属の再生方法
を、図23によりさらに説明する。すなわち、従来から
の方法では、ステンレス鋼や炭素鋼の放射性金属廃棄物
を、溶解容器1内に投入し、さらにスラグ材2として二
酸化ケイ素(SiO2 )を投入して、加熱・溶融させた
後、酸化剤として酸素ガスを吹き込む。溶融した放射性
金属廃棄物の各成分は、鉄、クロムとニッケル、コバル
トとの酸化還元電位の違いにより、酸化されやすい鉄と
クロムは、それぞれ酸化鉄、酸化クロムとなって融点が
上昇し(固体となり)、融湯3表面に生成するスラグ4
中に取り込まれる。鉄、クロムに比べ酸化されにくいニ
ッケルおよびコバルトは、溶融容器1の底部の融湯3中
に、溶融した金属として取り残される。このような融湯
3中のニッケル、コバルトは、再利用のために放射性金
属廃棄物から取り除くべき放射能成分であり、廃棄され
る。
【0005】こうして酸化処理により、回収すべき鉄、
クロムと、放射能成分であるニッケル、コバルトとが分
離される。このとき、ニッケル、コバルトの一部が酸化
されて、スラグ4中に取り込まれることがあり、分離す
べきニッケルと、特に鉄の酸化還元電位に近いコバルト
の一部が、酸化後のスラグに含まれてしまう。
【0006】次いで、酸化処理後の酸化鉄、酸化クロム
を含むスラグ4を、還元処理用のるつぼ5に取り分け、
還元剤である炭素を投入して加熱・溶融させる。炭素に
より還元された鉄、クロムは、還元用るつぼ5の底部に
還元処理後の融湯6として分離され、スラグ4中に含ま
れたケイ素は、この融湯6の上部に、還元処理後のスラ
グ7として分離される。還元処理後のスラグ7の主成分
は、二酸化ケイ素であるので、酸化処理工程で投入され
るスラグ材2として再利用される。また、還元処理後の
融湯6の主成分は鉄とクロムであるが、酸化処理により
分離されずに不純物として残ったニッケルおよびコバル
ト成分の割合が高い場合には、再び酸化処理工程に戻し
て酸化処理を行なう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来からの
汚染金属の再生方法においては、鉄とニッケル、コバル
トとの分離が、融湯3とスラグ4間の各成分の分配率の
差に基づく分離であるので、分離性能があまり高くな
く、回収される鉄の純度が十分に高くなかった。したが
って、再利用可能なレベルまで放射能を低減するには、
回収された鉄に対して処理を繰り返すことで、回収され
る鉄中のニッケルおよびコバルトの濃度を下げる必要が
あった。
【0008】また、このような従来の方法では、スラグ
材2の投入が不可欠であるため、融湯6から鉄を回収す
る場合にはスラグ7が、スラグ4から鉄を回収する場合
には融湯3がそれぞれ廃棄物として発生し、処理すべき
放射性金属廃棄物と回収処理後の廃棄物との比である廃
棄物率が高かった。そして、繰り返し処理を施すと、さ
らに廃棄物量が多くなるという問題があった。このよう
に、原子力発電所等から発生する放射性金属廃棄物を処
理し、非放射性の鉄を回収して再利用する場合、処理に
より新たに大量の廃棄物が発生するという問題があっ
た。
【0009】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、放射性の金属廃棄物から再利用可能な
鉄等を回収するにあたり、放射能を有する金属成分の分
離性能を上げて回収率を向上させるとともに、処理後の
廃棄物量を低減した汚染金属の再生方法およびその装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明の汚
染金属の再生方法は、鉄を主成分とし放射性のニッケル
およびコバルトを含む汚染金属から、前記ニッケルおよ
びコバルトを分離する汚染金属の再生方法において、直
流電源に接続された陰極と前記汚染金属の陽極を溶融塩
中にそれぞれ設置するとともに、前記溶融塩の下層に前
記陰極および陽極から電気的に絶縁された状態で溶融し
た金属鉛を保持して、溶融塩電解を行ない、まず前記溶
融塩中に溶解した前記汚染金属中のニッケルおよびコバ
ルトを、前記溶融した鉛により還元し、金属ニッケルお
よびコバルトとして溶融鉛中に移行させるとともに、前
記金属鉛を前記溶融塩中に溶解させ、次いでこの溶融塩
中に溶解した鉛イオンを前記陰極に析出させ、この析出
した溶融状態の金属鉛とともに、既に陰極に析出したニ
ッケルおよびコバルトを流下させ、しかる後前記の鉄を
前記陰極に析出させて回収することを特徴とする。
【0011】第2の発明の汚染金属の再生方法は、鉄を
主成分とし放射性のニッケルおよびコバルトを含む汚染
金属から、前記ニッケルおよびコバルトを分離する汚染
金属の再生方法において、前記汚染金属を溶融塩中で塩
素化して溶解する塩素化溶解工程と、前記溶融塩中に塩
化鉛を加えて電解を行ない、金属ニッケルおよびコバル
トを分離回収する第1の電解工程と、前記ニッケルおよ
びコバルトが回収された後の溶融塩をさらに電解し、
鉄、クロムおよび鉛を回収する第2の電解工程とを備え
たことを特徴とする。
【0012】第3の発明の汚染金属の再生方法は、溶融
鉛中に抽出された放射性のニッケルおよびコバルトを、
前記溶融鉛と分離するにあたり、酸化剤の添加により、
前記溶融鉛中のニッケルおよびコバルトのみを酸化物に
変換し、これらの酸化物粒子をろ過分離し、得られた鉛
を再利用することを特徴とする。
【0013】第4の発明の汚染金属の再生方法は、鉄お
よびクロムを主成分とし放射性のニッケルおよびコバル
トを含む汚染金属から、前記ニッケルおよびコバルトを
分離する汚染金属の再生方法において、陽イオンのみを
選択的に透過させる固体電解質からなる隔膜により電極
を囲い、かつ前記隔膜と電極との間にナトリウムを充填
した構造の電極構造体である陰極と、前記汚染金属の陽
極を溶融塩中にそれぞれ設置するとともに、前記溶融塩
の下層に前記陰極および陽極から電気的に絶縁された状
態で溶融した金属鉛を保持して、溶融塩電解を行ない、
前記溶融塩中に溶解した前記汚染金属中のニッケルおよ
びコバルトを、前記溶融した鉛により還元して、金属ニ
ッケルおよびコバルトとして溶融鉛中に移行させ、かつ
鉄およびクロムを溶融塩中に残すことを特徴とする。
【0014】第5の発明の汚染金属の再生方法は、鉄を
主成分とし放射性のニッケルおよびコバルトを含む汚染
金属と、該汚染金属により放射化された黒鉛ブロック材
とからなる汚染廃棄物から、前記ニッケルおよびコバル
トを分離する汚染金属の再生方法において、前記汚染金
属片とともに前記黒鉛ブロック材片を陽極として、下層
に金属鉛が添加された溶融塩中で電解を行ない、前記汚
染金属片の表面酸化層を還元しつつ、該汚染金属を溶融
塩中に溶解した後、該溶融塩中に溶解した前記汚染金属
中のニッケルおよびコバルトを、前記溶融した金属鉛に
より還元して、金属ニッケルおよびコバルトとして溶融
鉛中に移行させ、かつ鉄およびクロムを溶融塩中に残す
ことを特徴とする。
【0015】第6の発明の汚染金属の再生方法は、金属
ウランおよびウラン化合物で汚染された金属から、前記
ウランおよびウラン化合物を分離する汚染金属の再生方
法において、前記汚染金属を溶融塩中に投入し、前記ウ
ラン化合物を還元剤により還元して金属ウランとした
後、前記汚染金属 母材金属を陽極とする溶融塩電解に
より、金属ウランを陰極に析出させることを特徴とする
第7の発明の汚染金属の再生方法は、マグネシウム合金
を母材とする金属材料から、表面に付着したウランおよ
びTRUを除染する汚染金属の再生方法において、前記
マグネシウム合金を溶融させ、酸化剤によりマグネシウ
ムを酸化マグネシウムに変えて、スラグとして前記溶融
マグネシウム合金と分離した後、前記溶融マグネシウム
合金中に沈積する金属ウランを分離・回収し、また金属
ウランが分離された前記溶融マグネシウム合金から、溶
解しているTRUを分離・回収することを特徴とする。
【0016】本発明の第1の発明の汚染金属の再生装置
は、鉄を主成分とし放射性のニッケルおよびコバルトを
含む汚染金属から、前記ニッケルおよびコバルトを分離
する汚染金属の再生装置において、内周面が電気絶縁性
材料により構成され、内部に溶融塩が収容された溶融容
器と、電気的接続を保ちつつ回転可能な電力供給構造を
有する上部と、内部に投入された前記汚染金属を前記溶
融塩と接触させるためのバスケット状の下部とを備え、
前記溶融塩中に設置された複数の陽極と、前記陽極群の
中心に配置された取り外し可能な陰極と、前記陽極およ
び陰極にそれぞれ接続された外部直流電源と、前記溶融
塩の下層に前記陽極および陰極から電気的に絶縁された
状態で保持された溶融した金属鉛と、該溶融金属鉛を前
記溶融容器の底部から供給し排出する機能とを備え、前
記各陽極のバスケット部が、少なくとも外周面の大部分
が電気絶縁性で、外周面の一部または内部に前記電力供
給構造に接続された導電部を有する丸棒状のバスケット
素子の複数本により構成され、かつ該陽極バスケット部
に収容された前記汚染金属を、前記バスケット素子の導
電部に直接または他の導電部材を介して接触させる構造
を備えたことを特徴とする。
【0017】第2の発明の汚染金属の再生装置は、鉄を
主成分とし放射性のニッケルおよびコバルトを含む汚染
金属から、前記ニッケルおよびコバルトを分離する汚染
金属の再生装置において、内部に溶融塩とその下層に溶
融した金属鉛がそれぞれ収容され、底部に前記溶融鉛を
供給し排出するための配管を有する電解槽と、外部直流
電源と、該電源の陰極に接続され、前記電解槽内の最上
段に設置された下側に凸の円錐状陰極と、下側に凸で中
央に縁付き穴を有し、上面に前記汚染金属と鉛とがそれ
ぞれ搭載された複数の円錐状電極とを備えており、前記
電解槽内に前記複数の円錐状電極が、上方から下方に縁
付き穴径の大きさの順に設置され、かつ最下段に設置さ
れた最も穴径の大きな円錐状電極が、前記直流電源の陽
極に接続されていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0019】本発明の汚染金属の再生方法の第1の実施
例においては、図1に示すように、鉛8を入れた電解用
溶融塩容器9に溶融塩10を投入して加熱し、鉛8を溶
融させ、また上層の溶融塩10中に、鉄、クロムを主成
分とし、放射能を持つニッケル、コバルトを含むステン
レス鋼から成る陽極11と、グラファイト製の陰極12
とをそれぞれ設置する。そして、陽極11と陰極12と
の間に直流電源13を接続して電圧を印加し、電解質で
ある溶融塩10中に通電する。
【0020】このとき最初に、陽極11を構成するステ
ンレス鋼の成分であるニッケルが、直流電源13から供
給される電力によりイオン化され、溶融塩10中に溶解
する。イオン化されて溶融塩10中に溶出する順は、図
2に示す各塩化物の生成自由エネルギー値に基づき、ニ
ッケル、コバルト、鉄、クロムの順となる。直流電源1
3として、常に一定量の電流を供給する機能を有する定
電流電源を用いるならば、溶融塩10と陽極11との間
の電圧は、陽極11から溶出する成分の生成自由エネル
ギー値に応じた電圧となる。
【0021】次いで、溶融塩10中に溶解したイオン化
したニッケルは、下層の溶融した鉛8と接触し、ニッケ
ルイオンは、塩化物の生成自由エネルギー値の大小順か
らも明らかなように、鉛8により還元される。生成した
金属ニッケルは鉛8中に移行し、同時にニッケルイオン
を還元した鉛8は、鉛イオンとなり溶融塩10中に溶解
する。こうして、陽極11から溶出したニッケルの大部
分は、鉛8中に移行し、溶融塩10中のニッケル濃度は
低下する。そして、溶融塩10中に残留したニッケルイ
オンは、陰極12の表面で還元され、金属ニッケルとし
て析出する。
【0022】同様に、陽極11を構成するステンレス鋼
に不純物として含まれるコバルトも、陽極11から溶融
塩10中に溶出した後、鉛8により還元されて鉛8中に
移行し、溶融塩10中のコバルトイオン濃度は低下す
る。そして、溶融塩10中に残った一部のコバルトイオ
ンは、金属コバルトとなって陰極12に析出する。な
お、陽極11からのニッケルおよびコバルトの溶解にし
たがって、溶融塩10と陽極11との間の電圧は、各塩
化物の生成自由エネルギー値に応じた電圧に変化する。
【0023】次に、溶融塩10中の鉛成分(鉛イオン)
が陰極12に析出するが、析出する金属鉛は溶融状態で
あるので、陰極12の表面を流下する。このとき、既に
陰極12表面に析出しているニッケル、コバルトを溶解
しながら流下し、溶融塩容器9の底部に溜まる。こうし
て、陽極11を構成するステンレス鋼の成分であるニッ
ケルと不純物として含まれるコバルトが、それぞれ溶融
塩容器9の底部に溜まった鉛8中に回収される。
【0024】その後、溶融塩10と陽極11との間の電
圧は、鉄塩化物の生成自由エネルギー値に対応する電圧
に変化し、鉄が陽極11から溶融塩10中に溶解し、陰
極12表面に析出する。さらに、陽極11から溶解した
クロムが陰極12に析出する。こうして、ステンレス鋼
に含まれる鉄とクロムだけを陰極12の表面から回収
し、ニッケルとコバルトをそれぞれ鉛8中に捕集して回
収することができる。
【0025】次に、こうして鉛中に捕集回収されたニッ
ケルとコバルトを、鉛から分離する方法の実施例につい
て説明する。
【0026】この実施例では、図3のフロー図に示すよ
うに、電解槽14底部に溜まったニッケルおよびコバル
トを含む溶融鉛8を、別の反応容器15に移した後、酸
素ガスを吹き込み、酸化物になりやすいコバルトおよび
ニッケルをそれぞれ酸化物に変え、酸化物粒子とする。
次いで、この状態の溶融鉛8を、加熱ヒータで保温され
た抜き出し管16を通して受け容器17へと真空輸送す
る。このとき、コバルトおよびニッケルの酸化物粒子1
8は、抜き出し管16内のフィルタ19により鉛と分離
され、精製された鉛20が受け容器17に回収される。
回収された鉛20は、ポンプ等を用いて電解槽14に戻
され再使用される。
【0027】こうして、放射性の汚染金属から回収され
た放射能を持つコバルト、ニッケルを含む鉛8から、鉛
とコバルトおよびニッケルを容易に分離し回収すること
ができる。なお、コバルト、ニッケルの酸化工程で、酸
素ガスを吹き込みながら操作温度を約 250℃まで低下さ
せた場合には、鉛はほとんど酸化物になることがなく、
コバルト、ニッケルのみが酸化物になり、また鉛中での
金属コバルト、ニッケルの溶解度も低下するので、より
分離の効果が高められる。
【0028】次に、本発明の汚染金属の再生方法の別の
実施例について説明する。
【0029】本発明の方法の第2の実施例においては、
図4のフロー図に示すように、鉄、クロムを主成分と
し、放射性を持つニッケルとコバルトをそれぞれ含む放
射化汚染金属を、塩素化溶解工程で、塩素ガスにより塩
素化することにより、塩化鉄、塩化クロム、塩化ニッケ
ル、塩化コバルトとして溶融塩中にそれぞれ溶解させ
る。次いで第1の電解工程で、塩化物が溶解して溶融塩
中に塩化鉛を入れて定電流電解を行ない、溶融塩中に溶
解している塩化ニッケルと塩化コバルトおよび塩化鉛の
一部をそれぞれ還元し、金属ニッケル、金属コバルトお
よび溶融した金属鉛としてそれぞれ分離回収する。この
工程では、陰極電位が鉛の析出電位に到達したところで
電解を停止する。このとき、溶融塩中に塩化鉛が存在す
るため、電解電位は塩化鉛が鉛に還元される電位に保持
され、塩化鉄から鉄への還元が抑制される。
【0030】次に第2の電解工程において、第1の電解
工程で溶融塩中に残った塩化鉛、塩化鉄、塩化クロムを
それぞれ還元し、鉛、鉄、クロムとしてそれぞれ回収す
る。この工程で回収された鉄およびクロムには、それぞ
れ溶融塩が付着しているため、蒸留により溶融塩を分離
し、鉄およびクロムをそれぞれ有用金属として回収す
る。分離された溶融塩は、塩素化溶解工程に戻されて再
使用される。
【0031】このように、本発明の汚染金属の再生方法
の第2の実施例においては、ステンレス鋼や炭素鋼のよ
うな放射化汚染金属の成分である鉄、クロム、ニッケ
ル、コバルトの各塩化物が溶解された溶融塩から、電解
析出法により鉄およびクロムをそれぞれ回収する際に、
予め溶融塩に塩化鉛を添加することで、電解電位からニ
ッケルとコバルトの析出の終了を検出することができ、
このような検出により、有用金属の回収工程での鉄とク
ロムの分離効率を高めることが可能となる。
【0032】本発明の方法の第3の実施例においては、
フッ化ウラン、酸化ウラン等のウラン化合物で汚染され
た金属から、ウラン化合物を分離して除染するにあた
り、まず汚染金属を適当な大きさにせん断し、6フッ化
ウランの沸点(64℃)以上の温度に上げて真空処理し、
表面に付着している6フッ化ウランを揮発させて分離す
る。次いで、こうして6フッ化ウランが分離・除去され
た汚染金属を、 500℃に保持した溶融塩中に投入した
後、金属リチウムを投入し、リチウムにより還元する。
このとき、酸化ウランと4フッ化ウランは、それぞれ以
下の反応式 UO2 +4Li→U+2Li2 O UF4 +4Li→U+4LiF に示すように反応して金属に還元される。また、汚染金
属の母材である鉄、クロム、ニッケル等の成分は、その
まま金属として存在するが、酸化ウランが還元されてウ
ランになる過程で、密度変化が起こり、母材中から金属
ウランが剥離する。そのため、母材がポーラスな状態に
なり、還元剤である金属リチウムが汚染金属の母材中に
拡散しやすくなる結果、さらに金属ウランが母材から分
離されて、微粒子状の懸濁物質となる。また、前段で分
離しきれず残った6フッ化ウラン等も、溶融塩から蒸発
し分離される。
【0033】さらに、溶融塩電解により母材とウランと
を分離し、分離効率を向上させることができる。このと
き、母材金属を陽極として電解を行ない、電気的に電位
の低いウランを、例えばステンレス鋼の主成分である
鉄、クロム、ニッケルから選択的に分離して溶解し、陰
極に金属ウランとして析出させることができる。
【0034】こうして実施例によれば、母材金属と金属
ウランとを分離することができ、母材からウランを分離
・除去して除染することができる。
【0035】また、汚染物質として酸化ウランを含ま
ず、金属ウランや4フッ化ウランのみで汚染された金属
の場合には、電解質である溶融塩に投入するだけで、ウ
ランおよびその化合物は、それぞれ下記の反応式 U→U3 + +3e- UF4 →U3 + +2F2 ↑+3e- に示すように酸化され、溶融塩に溶解する。そして、こ
の溶融塩を直接電解することにより、陽極にウラン塩化
物を生成し、陰極で還元して金属ウランを分離回収する
ことができる。
【0036】フッ化ウラン、酸化ウラン等のウラン化合
物で汚染された金属を除染する、本発明の第4の実施例
においては、まず汚染金属を適当な大きさにせん断し、
6フッ化ウランの沸点(64℃)以上の温度に上げて真空
処理し、表面に付着している6フッ化ウランを揮発させ
て分離した後、6フッ化ウランが分離・除去された汚染
金属を、Cd−Mgのような低融点金属中に投入し、上
部に溶融塩を配置して2相状態とする。
【0037】ここで、ニッケルは溶融Cdに溶解しやす
く、またMgは、酸化ウランおよび4フッ化ウランをそ
れぞれ金属ウランに還元することができるので、溶融C
d−Mg中では、以下の反応がそれぞれ生ずる。
【0038】 Ni→Ni(Cd)……………………………(溶解反応) UO2 +2Mg→U+2MgO………………(還元反応) UF4 +2Mg→U+2MgF2 ……………(還元反応) U→U(Cd)…………………………………(溶解反応) そして、これらの反応の結果、溶融したCd−Mg中に
は金属ウランとニッケルがそれぞれ存在する。また、こ
のような溶融金属中のウランは、酸化剤(例えば塩化カ
ドミウム)を用いて酸化することで、塩化ウランとして
溶融塩中に抽出した後、電解により金属ウランとして陰
極に回収することができる。溶融金属(Cd−Mg)中
に残ったニッケル等の母材金属は、溶融金属を蒸留する
ことで回収することができ、さらに母材中に残存する6
フッ化ウラン等は、高温で蒸発させて分離することがで
きる。
【0039】6フッ化ウランのみで汚染されたニッケル
を含有する汚染金属の場合には、さらに簡便な方法で除
染することができる。すなわち、溶融Cd中にそのよう
な汚染金属を投入すると、ニッケルがCdに溶解し、金
属表面はポーラスな状態となって、内部に含まれている
6フッ化ウランは外に拡散しやすくなるため、容易に蒸
発させて除去することができる。こうして除染された汚
染金属では、蒸留分離よりCdを分離してから、さらに
除染を行なうことができる。
【0040】ウランおよびTRU(プルトニウム、キュ
リウム、アメリシウムなどの超ウラン元素)で汚染され
たマグネシウム合金から成る金属から、ウランおよびT
RUを分離して除染する、本発明の第5の実施例におい
ては、図5のフロー図に示すように、汚染されたマグネ
シウム合金を、 700〜 800℃の温度に加熱して溶融さ
せ、これに酸化剤例えば酸素を吹き込んで、マグネシウ
ムを酸化する。酸化により、安定な酸化マグネシウムが
スラグ21として浮遊し、酸化を継続することで、マグ
ネシウムの大部分を酸化マグネシウムに変換することが
できる。
【0041】この工程で、マグネシウム合金の表面およ
び内面に付着していたウランおよびTRUは、主に酸化
物状態であったものが、マグネシウムによって金属に還
元され、ウランは溶解せず比重が大きいので、溶融マグ
ネシウム22の底部に沈積する。またこのとき、ウラン
の10%程度の鉄を添加しておくと、ウラン−鉄合金が形
成され、より沈積しやすくなる。一方TRUは、溶融マ
グネシウム22中に溶解する。したがって、ウランとT
RUを、例えば濾過操作により、TRUを含むマグネシ
ウム23と、ウランとマグネシウムとの混合物24に分
離することができる。
【0042】そして、前者のTRUを含むマグネシウム
23は、温度を上げてマグネシウムを蒸留分離すること
で、TRU廃棄物を回収することができる。また、後者
のウランとマグネシウムとの混合物24は、やはり少量
のマグネシウムを蒸留分離することで、ウラン廃棄物と
することができ、こうしてウランおよびTRUで汚染さ
れたマグネシウム合金から、汚染物質を除去することが
できる。また、活性な金属であるマグネシウムは、大部
分を安定な酸化マグネシウムとして回収することが可能
である。
【0043】実施例の方法をさらに詳しく説明すると、
ウランおよびTRUで汚染された汚染マグネシウム合金
の溶融処理工程において、酸化物であるウランおよびT
RU成分は、以下の反応式に示すように、 UO2 +2Mg→U+2MgO TRUO2 +2Mg→TRU+2MgO マグネシウム合金中のマグネシウムにより還元されて、
金属ウランおよびTRUと成り、比重の大きいウランは
沈殿し、TRUは溶融マグネシウム中に溶解する。
【0044】この溶融物に酸化剤として酸素を吹き込む
酸化処理工程では、以下の式で示す反応が生じ、これら
の反応により、ほぼ全てのマグネシウムは酸化マグネシ
ウムになり、一部のウランおよびTRUも酸化物とな
り、酸化物スラグ21として浮遊する。
【0045】 2Mgl +O2 g →2MgOs …………………(反応性大) Us +O2 →UO2 s ……………………………(反応性中) TRUs +O2 →TRUO2 s …………………(反応性小) このスラグ21を分離し、リチウムのような還元剤を添
加する還元処理工程では、以下の反応式に示すように、 UO2 +4Li→U+2LiO2 TRUO2 +4Li→TRU+2LiO2 スラグ21に含まれる酸化ウランおよび酸化TRUが、
それぞれ金属リチウムにより還元されてウランとTRU
になる。そして、生成したウランとTRUは、比重が大
きいため、下層に沈殿し、沈殿25は分離された後、蒸
留処理によりウランおよびTRUがそれぞれ分離回収さ
れる。
【0046】また、リチウムにより還元されない酸化マ
グネシウムと、還元処理で生成した酸化リチウムから成
る上層26は、前記沈殿25と分離された後、濾過処理
により酸化マグネシウムと酸化リチウムとに分離され
る。
【0047】このように本発明の第5の実施例によれ
ば、放射性物質であるウランおよびTRUで汚染された
マグネシウム合金から、汚染物質を除去することができ
るうえに、活性な金属であるマグネシウムの大部分を、
安定な酸化マグネシウムとして回収することができる。
【0048】次に、本発明の汚染金属の再生方法を実現
するための装置の実施例を、図面に基づいて説明する。
【0049】本発明の再生装置の第1の実施例において
は、図6に示すように、ヒータ27および保温材28に
より、内部に投入され収容された鉛8および溶融塩10
を加熱し、溶融状態で保持することが可能に構成された
電解槽14の底部に、溶融した鉛8および溶融塩10を
排出するための排出管29が設置されている。また、こ
の電解槽14内の中心部に、陰極用電力供給端子30に
より電力を供給され、絶縁碍子31により電解槽14か
ら電気絶縁的に保持された陰極12が設置されている。
この陰極12は、溶融塩10が溶融状態のとき、電解槽
14から上方に抜き出し可能な構造となっている。
【0050】さらに、このような陰極12の周りに、円
筒状で上部に開口部を有し、開口部から汚染金属の溶解
材32を投入可能に構成された複数の陽極11が、それ
ぞれ設置されている。各陽極11は、電解槽14の上部
および下部にそれぞれ設けられた絶縁部材33により、
電解槽14や他の陽極11から電気的に絶縁されてお
り、かつ回転可能で、上方の電解槽14外に設けられた
摺動リング34を陽極用電力供給端子35に摺動接触さ
せることで、電力が供給されるようになっている。ま
た、このような陽極11において、少なくとも溶融塩1
0中に浸漬される下部は、汚染金属の溶解材32を溶融
塩10と接触させるためにスリット状に形成され、陽極
バスケット部36となっている。
【0051】陽極バスケット部36の構造を、図7に拡
大分解して示す。すなわち、陽極バスケット部36は、
上部円筒部37の下端に、複数本の丸棒状のバスケット
素子38の上端を、固定具39とボルト40により固定
し、かつバスケット素子38の下端を底板41に同様に
して固定して構成されている。
【0052】さらに、バスケット素子38の構造を、図
8に示す。バスケット素子38は、グラファイトのよう
な導電性材料から成る溶解材接触部38aと、その上に
被覆された、セラミックのような溶融塩に対する耐食性
と十分な機械的強度をそれぞれ有する絶縁性材料から成
る構造部38bとから構成されている。また、これらの
バスケット素子38は、外周面の長さ方向に露出された
溶解材接触部38aがそれぞれ白抜き矢印で示した陽極
の中心方向を向くように配置されており、陽極バスケッ
ト部36内に投入された汚染金属の溶解材32が、バス
ケット素子38の溶解材接触部38aと接触し、陽極用
電力供給端子35に与えられる電力が、陽極11の上部
円筒部37とバスケット素子38の溶解材接触部38a
をそれぞれ通電し、溶解材32に供給されるようになっ
ている。
【0053】このような構造を有する第1の実施例の再
生装置においては、陽極用電力供給端子35と陰極用電
力供給端子30とに印加される電力は、陽極バスケット
部36内に投入された溶解材32と陰極12とにそれぞ
れ供給され、溶解材32表面から溶融塩10に流れる電
流により、溶解材32である汚染金属は溶融塩10中に
溶解し、汚染金属の主成分である鉄、クロム等は陰極1
2の析出面12aに回収され、汚染成分であるニッケル
とコバルトは、それぞれ鉛8中に回収される。ここで、
溶融塩10を介して陽極11から陰極12に流れ込む電
流は、陽極バスケット部36の陰極12に対向する面に
集中するため、陽極バスケット部36に投入された汚染
金属の溶解に偏りが発生するが、陽極11全体を回転さ
せ、陰極12に対向する面への電流集中を防止すること
により、汚染金属の各部の溶解を均一化し、効率的な溶
解を行なうことができる。
【0054】また、この再生装置では、陽極バスケット
部36を構成するバスケット素子38の構造により、汚
染金属の溶解に関与しない無効な電流を抑制することが
できる。すなわち、陽極11全体を導電性の材料で構成
すると、陽極11に加えられた電圧により、溶融塩10
に接触する陽極11の全表面と陽極11内部に投入され
た汚染金属の全表面から、溶融塩10に電流が流れる。
このとき、汚染金属の表面から溶融塩10に流れる電流
によって、汚染金属の各成分が溶融塩10中に溶解する
が、陽極バスケット部36を構成するバスケット素子3
8の表面から直接溶融塩10に流れる電流は、汚染金属
の溶解に寄与せず、無効な電力として消費される。実施
例においては、バスケット素子38の表面から直接溶融
塩10に流れる無効な電流を抑えることができる。
【0055】さらに、電気的な陽極となる溶解材32で
ある汚染金属から、注目する成分例えば鉄を選択的に溶
解する場合、溶融塩10中の鉄の純度を高くするに従っ
て、陰極12の電流密度を低くする必要がある。また、
溶融塩10から各成分を回収する場合には、陽極11の
電流密度に比べて高い電流密度で陰極12に析出させ、
処理速度を高めることが可能である。したがって、陽極
11の電流密度を陰極12に比べて低くする必要がある
が、実施例によれば、1つの陰極12と複数の陽極11
がそれぞれ設けられており、両方の電極の面積比を高く
することが可能となるため、最適な条件で陽極溶解と陰
極析出とをバランスさせ、効率よく溶解を進めることが
できる。
【0056】次に、本発明の汚染金属の再生装置の別の
実施例を、図面に基づいてそれぞれ説明する。
【0057】本発明の再生装置の第2の実施例において
は、各陽極の陽極バスケット部が、以下に示すように構
成されている。なお、装置のその他の部分は、図6と同
様に構成されている。すなわち、図9に示すように、セ
ラミックのような電気絶縁性材料で構成された複数本の
丸棒状のバスケット素子38の上下両端部が、上部円筒
部37の下端および底板41に、それぞれ固定具39と
ボルト40により固定されて、陽極バスケット部36が
形成されており、このような陽極バスケット部36の底
部に、絶縁性材料から成る鉛供給管42が接続されてい
る。鉛供給管42は、電解槽14外に設けられた陽極用
電力供給端子35に接続されており、端部が陽極バスケ
ット部36の底板41に開口している。そして、この鉛
供給管42を通して、陽極バスケット部36の底部(底
板41上)に溶融した鉛8が供給されるとともに、鉛供
給管42内の鉛が陽極用電力供給端子35と陽極バスケ
ット部36内の鉛8との間を満たし、電解槽14外の直
流電源(図示を省略。)から電力供給端子35に印加さ
れた電力が、電気的導体であるこの鉛を通じて、陽極バ
スケット部36内の鉛8に供給されるように構成されて
いる。
【0058】さらに、図10に断面的に示すように、上
部円筒部37の上部開口部から投入された汚染金属の溶
解片32が、陽極バスケット部36底部の溶融した鉛8
と接触し、さらにこの溶解片32は、その上部に積み上
げられた処理すべき汚染金属の溶解片32と接触するよ
うになっている。
【0059】このような構造の陽極バスケット部36を
有する第2の実施例の再生装置において、陽極バスケッ
ト部36内に積み上げられた汚染金属の溶解片32は、
陽極バスケット部36底部の鉛8、鉛供給管42内の
鉛、陽極用電力供給端子35を順に経由して、電解用直
流電源の陽極に接続される。こうして陽極となった汚染
金属の溶解材32では、加えられた電圧で、溶融塩10
に接触する表面から溶融塩10へと電流が流れることに
より、汚染金属が溶融塩10中に溶解し、汚染金属の主
成分である鉄、クロムは陰極に回収され、汚染成分のニ
ッケルとコバルトは、それぞれ陽極バスケット部36の
最下部の鉛8中に回収される。
【0060】このとき、溶融塩10に接触する面を持ち
外部の直流電源の陽極に接続された構造物のうちで、導
電性の面は、陽極バスケッ卜部36の溶融した鉛8層の
表面と、この鉛8に電気的に接続する溶解材32の表面
であるが、第2の実施例では、溶解材32の表面積に比
較して鉛8層の表面積が小さいため、溶解材32の溶解
に寄与しない無効電流値は、溶解に寄与する有効電流値
に比べて小さく、高い効率での溶解が可能となる。
【0061】すなわち、溶解材32の汚染金属に含まれ
るニッケルおよびコバルトが溶融塩10中に溶解するに
十分であり、かつ鉛を溶解するには不十分な電位で電解
を行なう場合、鉛の表面から溶融塩10に流れる電流で
は鉛は溶解せず、この電流は溶解材の溶解に寄与しない
無効電流である。そして、この無効電流値は、溶融塩1
0に接触する鉛8の表面積に依存するが、実施例の構造
では、鉛8の表面積が小さくなっているので、無効電流
値が小さい。
【0062】また、第2の実施例の再生装置では、効率
的な電力の供給が可能である。すなわち、少なくとも表
面が電気絶縁性材料で構成された陽極バスケット部36
の内部に積み重ねられた汚染金属の溶解材32は、隣合
った溶解材32との機械的な接触点を通じて電解用直流
電源の陽極に接続されるが、底部の鉛8層が無い場合に
は、平板状の電力供給源である底板41と最下部の溶解
材32との機械的な接触点数および接触面積が小さいた
め、これらの接触部に生じる電気抵抗のために、効率的
な電力の供給が困難となる。しかし実施例では、陽極バ
スケット部36の底板41と汚染金属の溶解材32との
間に溶融した鉛8が介在し、電気抵抗が低減されている
ので、効率的な電力の供給が可能である。
【0063】さらに、第2の実施例の再生装置では、陽
極バスケット部36の底部に接続された鉛供給管42に
より、外部からの連続的な鉛8の供給が可能になってい
るので、溶解材32の投入、溶解を繰り返し行なう連続
処理が可能である。またさらに、陽極バスケット部36
を構成するバスケット素子38と底板41等を、同一の
絶縁性材料により構成することができるので、装置の運
転・停止に伴う昇温・降温等の温度衝撃に対して、堅牢
な構造とすることができる。
【0064】本発明の再生装置の第3の実施例において
は、各陽極の陽極バスケット部が、図11に示すよう
に、溶融塩に接触する外周面が、セラミックのような絶
縁性材料で構成された複数本のバスケット素子38の上
下両端部が、上部円筒部37の下端および底板41に、
それぞれ固定具39とボルト40により固定された構造
を有している。各バスケット素子38は、図12に拡大
して示すように、グラファイトのような導電性材料から
成る内部導電体38cの上に、セラミックのような絶縁
性材料から成る外部絶縁層38dを被覆し、かつ内部導
電体38cの上下両端部を、それぞれグラファイト等の
導電性材料から成る導電端子38eに嵌合した構造とな
っている。そして、このようなバスケット素子38の両
端の導電端子38eは、陽極の上部円筒部37の下端お
よび底板41にそれぞれ接続されており、こうして底板
41は外部の電解用直流電源の陽極に接続されている。
【0065】さらに、図13に断面的に示すように、上
部円筒部37の上部開口部から投入された汚染金属の溶
解材32が、直流電源の陽極に接続された底板41と、
機械的な接触により電気的に接続され、さらにこの溶解
材32は、その上部に積み上げられた処理すべき汚染金
属の溶解材32と接触し、電気的に接続されている。そ
して、このような接続により、陽極バスケット部36内
に積み重ねられた溶解材32に、電解槽外から電力が供
給されるようになっている。
【0066】このような陽極バスケット部36を有する
第3の実施例の再生装置では、陽極となる汚染金属の溶
解材32において、加えられた電圧で、溶融塩10に接
触する表面から溶融塩10へと電流が流れることによ
り、汚染金属が溶融塩10中に溶解し、汚染金属の主成
分である鉄、クロムは陰極に回収され、汚染成分である
ニッケルとコバルトは、それぞれ電解槽底部の溶融した
鉛中に回収される。
【0067】このとき、溶融塩10に接触する面を持ち
外部の直流電源の陽極に接続された構造物のうちで、導
電性の面は、陽極バスケット部36の底板41の表面
と、この底板41と電気的に接続された溶解材32の表
面であるが、この実施例では、溶解材32の表面積に比
較して底板41の表面積が小さいため、底板41の表面
から溶融塩10へと流れる無効電流の値は、溶解材32
の表面から溶融塩10へと流れて溶解に寄与する有効電
流の値に比較して小さくなり、高い効率での溶解が可能
となる。
【0068】本発明の再生装置の第4の実施例において
は、図14に示すように、上部に開口部を有し、電力供
給端子である摺動回転子43と電気的接続を保ちながら
回転可能に構成された上部円筒部37と、陽極バスケッ
ト部36とから成る陽極11の中心に、グラファイトの
ような導電性材料から成る円柱状の中心導体44が同軸
的に配設されている。また、この中心導体44の上部
は、摺動回転子43に電気的に接続され、下部は陽極バ
スケット部36の底板41に固定されている。陽極バス
ケット部36は、少なくとも溶融塩に接触する外周面が
絶縁性材料で構成された複数本のバスケット素子38の
上下両端部が、上部円筒部37の下端および底板41に
それぞれ固定具39とボルト40により固定された構造
となっている。
【0069】さらに、図15に断面的に示すように、上
部円筒部37の上部開口部から投入された汚染金属の溶
解材32が、外部の電解用直流電源の陽極に接続された
陽極バスケット部36の中心導体44と、機械的な接触
により電気的に接続され、さらにこれらの溶解材32
は、その上部に積み上げられた処理すべき汚染金属の溶
解材32と接触し、電気的に接続されている。そして、
このような接続により、陽極バスケット部36内に積み
重ねられた溶解材32に、電解槽外から電力が供給され
るようになっている。
【0070】このような構造の陽極部を有する第4の実
施例の再生装置においては、外部の直流電源の陽極から
加えられた電圧により、溶融塩10に接触する汚染金属
の溶解材32の表面から溶融塩10へと電流が流れ、そ
れにより、溶解材32が溶融塩10中に溶解し、汚染金
属の主成分である鉄、クロムは陰極に回収され、汚染成
分であるニッケルとコバルトは、それぞれ電解槽底部の
溶融した鉛中に回収される。
【0071】このとき、溶融塩10に接触する面を持ち
外部の直流電源の陽極に接続された構造物のうちで、導
電性の面は、陽極バスケット部36の中心に設置された
中心導体44の表面と、この中心導体44と機械的に接
触し電気的に接続された溶解材32の表面であるが、第
4の実施例では、中心導体44の周りが陽極バケット部
36内に積み重ねられた処理すべき汚染金属の溶解材3
2によって取り囲まれており、溶融塩10に接触する中
心導体44の表面積が、溶解材32の表面積に比較して
小さいため、無効電流値が小さく、高い効率での溶解が
可能となる。
【0072】また、この実施例では、溶解材32を溶解
するのに必要な電力を得るために、溶解材32を入れた
陽極バスケッ卜部36の構造材から独立して、中心導体
44が設けられているので、陽極バスケット部36を構
成するバスケット素子38と底板41等を同一の絶縁性
材料により構成することができる。そのため、装置の運
転・停止に伴う昇温・降温等の温度衝撃に対して、より
堅牢な構造とすることができる。
【0073】本発明の再生装置の第5の実施例において
は、陽極が、図16に示すように、外部の直流電源の陽
極との電気的接続を保ちながら回転可能に構成され、か
つ上部に開口部を備えた上部円筒部37と、開口部から
投入された処理すべき汚染金属の溶解材を、溶融塩と接
触させるためのスリット構造を有する陽極バスケット部
36とから構成されている。そして、陽極バスケット部
36においては、溶融塩に接触する外周面がセラミック
のような絶縁性材料で構成され、かつ中心部および上下
両端部がそれぞれ導電性材料で構成された複数本のバス
ケット素子38の上下両端部が、それぞれグラファイト
のような導電性材料で構成された上部円筒部37および
底板41に、固定具39およびボルト40により固定さ
れている。また、陽極バスケット部36の底板41上に
は、上部円筒部37の開口部から投入された鉛8が収容
され、さらにその上に、同様に投入された処理すべき汚
染金属の溶解材が積み重ねられている。そして、底板4
1上に投入された鉛8は、加熱により溶融して底板41
と密着しており、底板41とともに、バスケット素子3
8(中心部)等を介して外部の直流電源の陽極に電気的
に接続されている。
【0074】さらに、図17に断面的に示すように、汚
染金属の溶解材32の下部の一部は、溶融した鉛8に浸
漬されることにより、電解用直流電源の陽極に接続さ
れ、さらにその上部に積み上げられた溶解材32も、鉛
8に浸漬された溶解材32と接触することで、直流電源
の陽極に接続され、外部から電力が供給されるようにな
っている。
【0075】このような陽極構造を有する第5の実施例
の再生装置においては、陽極となる汚染金属の溶解材3
2では、外部の直流電源から加えられた電圧により、溶
融塩10に接触する表面から溶融塩10へと電流が流
れ、この電流により、溶解材32が溶融塩10に溶解
し、汚染金属の主成分である鉄、クロムが陰極に回収さ
れ、汚染成分であるニッケルとコバルトが、それぞれ陽
極バスケット部36の底部の鉛8中に回収される。
【0076】そして、この実施例の再生装置では、処理
すべき汚染金属に含まれる鉄、クロム、ニッケル、コバ
ルトの各塩化物の生成自由エネルギー値の違いを利用し
て、ニッケルとコバルトの鉛8中への回収を効率的に行
なうことができ、陽極への効率的な電力の供給が可能で
ある。すなわち、外周が絶縁性材料から成る陽極バスケ
ット部36の内部に積み重ねられた汚染金属の溶解材3
2は、隣合った溶解材32との機械的な接触点を通じ
て、電解用電源の陽極に接続されるが、実施例では、陽
極バスケット部36の底板41と溶解材32との間に溶
融した鉛8が介在されており、底板41と溶解材32と
の間の電気抵抗が低減されているので、効率的な電力の
供給が可能である。
【0077】さらに、本発明の汚染金属の再生装置の別
の実施例について説明する。
【0078】本発明の第6の実施例においては、図18
に示すように、底部に鉛8を供給・排出するための鉛給
排管45が接続された電解槽14内の溶融塩10中に、
下側に凸の円錐状で中央に穴46が設けられた3つの電
極が、それぞれ上下に適当な間隔をおいて設置されてお
り、これらの電極の上面に、処理すべき汚染金属の溶解
材32と鉛8とがそれぞれ載せられている。また、電解
槽14内でこれらの電極の最上部には、中央に穴のない
下側に凸の円錐状の陰極12が設置されている。なお、
溶解材32等を搭載した前記電極のうちで、最下段に配
置された電極が陽極11で、中央部に最も大径の穴46
が設けられており、この陽極11と最上部の陰極12と
の間に、下段になるほど大径の穴46を持つ複数のバイ
ポーラ電極47がそれぞれ設けられている。また、これ
ら陽極11およびバイポーラ電極47の穴46の縁に
は、各電極の外周部の高さに等しいかまたはそれより高
い周縁がそれぞれ設けられており、さらに外周部には、
電解槽14の内壁面に設けられた保持具48を通過させ
るための複数の切欠き部49がそれぞれ設けられてい
る。
【0079】そして、上面に鉛8と汚染金属の溶解材3
2とがそれぞれ載せられた陽極11およびバイポーラ電
極47は、その外周の切欠き部49を保持具48の位置
に合わせて通過させながら電解槽14内を降下させ、所
定位置の直前で回転させ、切欠き部49を避けた外周部
を保持具48の上に載せることにより、所定の段に固定
されている。電解槽14内への設置のための電極の移動
方向を、白抜き矢印で示す。さらに、最下段の陽極11
および最上部の陰極12は、保持具48との接触面を通
じて、外部の電解用直流電源の陽極および陰極にそれぞ
れ接続されており、電解槽14の下部には、鉛給排管4
5により供給された鉛8の層が設けられている。なお、
図中符号50は鉛投入管を示している。また、電解槽1
4および保持具48の少なくとも溶融塩10に接する表
面は、電気絶縁性材料により構成されている。
【0080】このような構造を有する第6の実施例の再
生装置においては、図19に示すように、陽極11およ
び陰極12が、陽極導入端子51および陰極導入端子5
2を通じて、それぞれ外部の電解用直流電源(図示を省
略)の陽極および陰極に接続され、直流電源から供給さ
れる電圧により、溶融塩10を介して陽極11と陰極1
2との間に電流が流れる。このとき、溶融塩10の電気
抵抗により電圧降下が生じ、陽極11と陰極12との間
の溶融塩に連続的な電位の変化が生じる。そのため、陽
極11と陰極12との間に挿設されたバイポーラ電極4
7の電位は、陽極電位と陰極電位との間の中間的な電位
となり、下段のバイポーラ電極47aの陽極11に対向
する面である下面は、陰極的な機能を果たし、また陰極
12に対向する面である、鉛8と汚染金属の溶解材32
を装架した上面は、陽極的な機能を果たす。さらに、上
段のバイポーラ電極47bにおいても同様であり、鉛8
と溶解材32を装架した上面は陽極的な機能を果たし、
下段のバイポーラ電極47aに対向する下面は、陰極的
な機能を果たす。
【0081】これらの各電極間の溶融塩10と鉛8およ
び汚染金属の溶解材32の各挙動を、上段のバイポーラ
電極47bと陰極12との間の作用を例に挙げて説明す
る。すなわち、塩化物の生成自由エネルギー値(図2に
示す)の順に従って、まず初めに、陽極であるバイポー
ラ電極47bの上面の溶融した鉛8に浮かぶ溶解材32
に含まれる放射性のニッケルが、供給される電力により
イオン化されて溶融塩10中に溶解し、続いて、同じく
汚染元素であるコバルトが溶融塩10中に溶解する。
【0082】そして、溶融塩10中に溶解したニッケル
イオンとコバルトイオンは、バイポーラ電極47b上の
鉛8および電解槽14底部の鉛8とそれぞれ接触し、こ
れらの鉛8により還元されて金属ニッケル、金属コバル
トとなり、溶融塩10から鉛8中に移行する。それとと
もに、ニッケルイオン等を還元した鉛8は酸化されて鉛
イオンとなり、溶融塩10中に溶解する。こうして、溶
融塩10中のニッケル濃度およびコバル卜濃度はそれぞ
れ低下し、溶融塩10中に残留する一部のニッケルイオ
ンとコバルトイオンは、それぞれ陰極12で還元され、
陰極12の下面に析出する。
【0083】次に、上段のバイポーラ電極47bの上面
に投入・配置された鉛8が溶融塩10中に溶解するとと
もに、溶融塩10中の鉛イオンが金属鉛として陰極12
の下面に析出するが、析出する金属鉛53は溶融状態で
あるので、陰極12の円錐状の下面を伝って流下して涙
滴54となり、上段と下段のバイポーラ電極47a、4
7bおよび陽極11の中央にそれぞれ設けられた穴46
を通過し、電解槽14の底部に落下する。このとき、析
出した溶融した金属鉛53は、陰極12の下面に既に析
出しているニッケルおよびコバルトを溶解しながら、涙
滴54となって流下するので、汚染金属に含まれるニッ
ケルとコバルトは、電解槽14底部の鉛8中に回収され
る。その後、汚染金属に含まれる鉄が溶融塩10中に溶
解し、陰極12の下面に析出し、さらに汚染金属から溶
融塩10中に溶解したクロムが、陰極12の下面に析出
する。
【0084】同様な作用により、上段のバイポーラ電極
47bと下段のバイポーラ電極47aとの間、および下
段のバイポーラ電極47aと陽極11との間でも、汚染
金属から再利用物質である鉄、クロムの析出と、汚染物
質であるニッケル、コバルトの鉛8中への分離がそれぞ
れ行われ、これにより、ステンレス鋼等の汚染金属に含
まれる鉄とクロムのみを、陰極12の下面、および陰極
として作用した動作上の陰極である上段および下段のバ
イポーラ電極47b、47aの下面から、それぞれ析出
物55として回収することができる。
【0085】このように本発明の第6の実施例の再生装
置においては、陽極11と陰極12との間に汚染金属を
搭載した複数の電極を設置することにより、一度に大量
の汚染金属を処理することができ、設置面積当たりの処
理量を多くすることができる。また、処理すべき汚染金
属の表面に、電気伝導度の低い酸化物等が生成していた
場合、電力供給用の陽極、または陽極と陰極との間に設
置されるバイポーラ電極47表面と汚染金属との間に大
きな電気抵抗が発生することがあり、溶解材32に効率
的に電力を供給することができないが、実施例によれ
ば、汚染金属の溶解材32とともに鉛8(溶融鉛)が投
入されているので、陽極またはバイポーラ電極47等の
上面と溶解材32との接触が良好で、電気抵抗が低減さ
れているので、効率的な電力の供給が可能である。さら
に、溶解材32とともに投入された鉛8(溶融鉛)の陰
極12への析出・流下により、鉛より先に析出される析
出物を鉛に溶解させることができ、このような陰極12
表面の清浄化により、鉛析出後の陰極析出物55の高純
度化が可能である。
【0086】次に、本発明の汚染金属の再生方法の別の
実施例について説明する。
【0087】本発明の方法の第6の実施例においては、
図20に示す電解装置を用いて溶融塩電解を行なう。こ
の電解装置では、底部に投入された金属鉛8およびその
上層の溶融塩10をそれぞれ加熱して溶融状態に保持す
る機能を備え、少なくとも溶融塩10に接触する内周面
がセラミック等の電気絶縁性材料で構成された電解槽1
4内に、溶融塩10の液面より上方に開口部を備え、こ
の開口部より、放射性のニッケル、コバルトを含有する
炭素鋼、ステンレス鋼のような汚染金属の切断片(溶解
材32)が投入されたバスケット状の陽極56が設置さ
れており、このバスケット状陽極56に外部の電解用直
流電源(図示を省略。)の陽極が接続されている。ま
た、電解槽14内には、ナトリウムイオンを選択的に透
過する固体電解質であるβ−アルミナから成る鞘管57
内に、直流電源の陰極に接続された陰極12と金属ナト
リウム58とがそれぞれ収容された構造の陰極構成体5
9が設置されており、陰極12は鞘管57により溶融塩
10から隔離されている。
【0088】本発明の第6の実施例では、このような電
解装置を用いて溶融塩電解を行なうことにより、ニッケ
ル、コバルトを含有するステンレス鋼等の鉄等を主成分
とする汚染金属から、放射能を持つニッケルとコバルト
を分離し、これらを鉛8中に捕集して回収することがで
きる。
【0089】そしてこの実施例によれば、β−アルミナ
製の鞘管57で陰極12を覆い囲むことで、溶融塩10
中の各種イオンのうちで、鞘管57を通過して陰極12
に到達する陽イオンを、ナトリウムイオンだけに制限す
ることができる。したがって、溶融塩10として塩化ナ
トリウムを使用したとき、鞘管57内の構造を一つの電
極構造とみなした場合、電解質である塩化ナトリウム中
での電解であるので、以下の式で示す反応が生じ、 Na+ +e- →Na……………………(陰極での還元反応) β−アルミナ製の鞘管57は、ナトリウムイオンの還元
反応のみに応じる陰極として作用する。
【0090】また、図2に示す塩化物の生成自由エネル
ギー値以下に相当する電位で電解を行なうと、バスケッ
ト状陽極56内に収容されている汚染金属の成分である
ニッケルの陽極としての反応は、以下の反応式で示さ
れ、 Ni+2Cl- →NiCl2 +2e- ………(陽極での酸化反応) 陽極である汚染金属に含まれる金属ニッケルは、ニッケ
ルイオンとして溶融塩10中に溶解する。また、汚染金
属に含まれるコバルトも、コバルトイオンとして溶融塩
10中に溶解する。
【0091】一般に、金属を塩化物として溶解する場合
は、塩素を吹き込む必要があり、また金属を陽極として
電解により溶解する場合には、同時に陰極に金属が析出
するので、全ての陽極金属を溶融塩に溶解することがで
きないが、実施例によれば、汚染金属を電解により塩化
物として溶融塩に溶解するとき、陰極に金属が析出せ
ず、陽極を構成する全ての元素を塩化物として溶解する
ことが可能である。
【0092】したがって、こうして溶融塩10中に溶解
したニッケル、コバルトは、溶融塩10の底部の鉛8に
接触したとき、以下の反応式に示すように還元され、金
属ニッケルおよびコバルトをそれぞれ生成する。
【0093】 NiCl2 +Pb→PbCl2 +Ni……………(Niは鉛中) CoCl2 +Pb→PbCl2 +Cο……………(Coは鉛中) こうして、汚染金属に放射能を持たせる成分であるニッ
ケル、コバルトは、それぞれ鉛の中に金属として捕集さ
れる。
【0094】また、本発明の方法の第7の実施例におい
ては、図21に示す電解装置を用いて溶融塩電解を行な
う。この電解装置では、底部に投入された金属鉛8およ
びその上層の溶融塩10をそれぞれ加熱して溶融状態に
保持する機能を備え、少なくとも溶融塩10に接触する
内周面が電気絶縁性材料で構成された電解槽14内に、
β−アルミナから成る鞘管57内に、直流電源の陽極に
接続された陽極11と金属ナトリウム58とがそれぞれ
収容された構造の陽極構成体60が設置されており、陽
極11は鞘管57により溶融塩10から隔離されてい
る。また、電解槽14内には、グラファイトのような溶
融塩10に対して耐食性の導電性材料で構成された陰極
12が、溶融塩10中に浸漬するように設置され、この
陰極12に直流電源の陰極が接続されている。
【0095】本発明の第7の実施例では、このような電
解装置を用いて溶融塩電解を行なうことにより、ニッケ
ル、コバルトを含有するステンレス鋼等の汚染金属か
ら、各成分を塩化物として溶融塩中に溶解し、放射能を
持つニッケル、コバルトと再利用可能な鉄、クロムとを
分離することができる。
【0096】そして実施例によれば、溶融塩10として
塩化ナトリウムを使用するとともに、ナトリウムイオン
を選択的に透過する固体電解質であるβ−アルミナ製の
鞘管57内に金属ナトリウムを充填して、陽極11を覆
うことにより、このような構造全体では、以下の式で示
す反応が生じ、 Na→Na+ +e- ……………………(陽極での酸化反応) 電解質である塩化ナトリウムの溶融塩10に、ナトリウ
ムイオンを供給する陽極として作用する。
【0097】そして、図2に示す塩化物の生成自由エネ
ルギー値以下に相当する電位で電解を行なうと、溶融塩
10中に含まれるニッケル、コバルトの各塩化物は、陰
極12において、以下の式で示すように反応し、 NiCl2 +2e- →Ni+2Cl- ………(陰極での還元反応) CoCl2 +2e- →Cο+2Cl- ………(陰極での還元反応) 陰極12の表面に金属ニッケル、金属コバルト61とし
て析出する。
【0098】一般に、金属イオンを含む塩化物から、電
解により金属を陰極に析出させる場合には、塩素ガスが
発生するが、この実施例によれば、陽極構成体60より
ナ卜リウムイオンが供給されるので、以下の反応式で示
されように、 Na+ +Cl- →NaCl………(塩化ナトリウムの生成) 塩化ナトリウムが生成して塩素ガスを発生させない。
【0099】次いで、電解電位が塩化鉛の生成自由エネ
ルギー値に相当する電位に移行したことを確認した後
に、陰極12を別の回収用の陰極に交換して電解を行な
うことにより、鉄、クロムが新たな陰極に析出する。こ
のとき、鉄とクロムとは選択的に析出させることができ
るので、必要ならば、精製した鉄とクロムをそれぞれの
回収用陰極に析出させて回収することができる。
【0100】こうして第7の実施例によれば、汚染金属
を塩化物として含む溶融塩10から、各成分を、塩素ガ
スを発生させることなく陰極に金属として析出させるこ
とができるうえに、分離効率を上げて精製し回収するこ
とが可能である。
【0101】次に、本発明の方法の第8の実施例につい
て説明する。
【0102】この実施例においては、図22のフロー図
に示すように、放射性のニッケル、コバルトを含有する
ステンレス鋼等の汚染金属材61と、このような汚染金
属に接触したため汚染された、あるいは接液する熱媒体
によりその表面から発生する汚染物質によって汚染され
た黒鉛ブロック材62を、それぞれ必要に応じて切断・
小片化し、これらの小片をそれぞれバスケット状の陽極
56内に投入する。
【0103】次いで、バスケット状陽極56と陰極12
とを、金属鉛8および溶融塩10をそれぞれ収容し、加
熱によりこれらを溶融状態に保持した電解槽14内にそ
れぞれに設置し、外部の直流電源に接続する。こうし
て、表面を酸化物により被われた汚染金属片63と黒鉛
ブロック片64とを、ともに陽極部に設置することによ
り、汚染金属片63の表面の酸化物層を還元しつつ、汚
染金属を電気的に溶融塩10中に溶解する。
【0104】一般に、鉄等を主成分とする汚染金属の表
面では、特に熱媒体として二酸化炭素を用いる場合に
は、以下の式で示す反応が生じ、鉄は酸化物となる。
【0105】2CO2 +3Fe→2C+Fe3 4 CO2 +6FeO→C+2Fe3 4 そして、このような酸化物で表面を覆われた金属は、溶
融塩10との接触が酸化物層により妨害され、陽極溶解
が進まない。
【0106】しかし実施例においては、汚染金属片63
とともに黒鉛ブロック片64が溶融塩10中のバスケッ
ト状陽極56に投入されているので、黒鉛が還元剤とし
て作用し、以下の式で示す反応により、酸化鉄が還元さ
れるとともに、黒鉛の一部が炭酸ガスとなり、黒鉛ブロ
ック片64は減量する。また、溶解させるべき汚染金属
片63の溶融塩10との間の接触抵抗値は減少する。
【0107】Fe3 4 +2C→3Fe+2CO2 次いで、陽極となる汚染金属片56に加えられた電圧に
より、溶融塩10に接触する汚染金属片56の表面から
溶融塩10に電流が流れ、これにより、汚染金属片63
は溶融塩10中に溶解し、汚染金属の主成分である鉄と
クロムは陰極12に陰極析出物65として回収され、汚
染成分のニッケルとコバルトは電解槽14下部の鉛8中
に回収される。こうして実施例においては、表面が酸化
物で覆われた汚染金属片63の電解による再生処理速度
を上げることが可能であり、また同時に、汚染された黒
鉛ブロック片64の減量処理も可能である。
【0108】また、第9の実施例においては、まず、表
面を酸化物で覆われた汚染金属片63と黒鉛ブロック片
64とを、ともに陽極部に設置することにより、表面の
酸化物を還元しつつ、汚染金属を電気的に溶融塩10中
に溶解する。この電解処理を繰り返すことにより、バス
ケット状陽極56内に減量した黒鉛ブロック片64が残
る。
【0109】次いで、金属イオンは透過させるが金属酸
化物の粒子等は透過させない孔径を持つ多孔質セラミッ
ク等の隔膜で成形されたるつぼ状の槽66を、上部開口
部を上方に残した状態で溶融塩10中に設置し、このよ
うな隔膜槽65内にバスケット状陽極56を配置する。
また、バスケット状陽極56内に、減量した黒鉛ブロッ
ク片64を投入する。そして、隔膜槽65内に配置され
た酸素供給管67を通して、溶融塩10中に酸素ガスを
吹き込みながら、隔膜槽66外の溶融塩10中に設置さ
れた陰極12を用いて電解を行ない、減量した黒鉛ブロ
ック片64を処理し、黒鉛中の汚染成分を回収する。
【0110】隔膜槽66内のバスケット状陽極56に投
入された減量した黒鉛ブロックは、酸素供給管67を通
して溶融塩10中に吹き込まれた酸素ガスにより、以下
の反応式に示すように酸化分解され、炭酸ガスとして溶
融塩10外に排出され、その結果減容される。
【0111】C+O2 →CO2 汚染された黒鉛ブロック材に含まれる汚染物質であるコ
バルトは、以下の反応式に示すように、 Co→Co2++2e- 2Co2++O2 →2CoO コバルトイオンとなって溶融塩10中に溶解し、その一
部は吹き込まれた酸素ガスにより酸化される。汚染黒鉛
ブロック材に含まれる他の金属についても、同様にイオ
ンおよび酸化物となる。
【0112】そして、こうして溶融塩10中に溶解した
コバルトイオンの一部は、隔膜槽66を構成する多孔質
セラミック等の隔膜を通過して陰極12に移行し、還元
されて陰極析出物65として回収される。また、吹き込
まれた酸素ガスにより酸化されて生成した酸化コバルト
は、隔膜により通過を阻止されるため、隔膜槽66の底
部に沈殿物68として沈積する。
【0113】こうして実施例によれば、汚染した黒鉛ブ
ロック材62を、減容するとともに、含まれる汚染金属
成分を酸化物の沈殿物68または陰極析出物67として
回収することが可能である。なお、この実施例および前
記した第8の実施例においては、汚染した黒鉛ブロック
材62を、陰極として溶融塩10中に設置することによ
り、二次廃棄物の量を減量することが可能である。
【0114】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、鉄等を主成分とする金属から放射能を持つニ
ッケルとコバルトを分離する汚染金属の再生処理におい
て、鉛中にニッケルおよびコバルトを捕集して回収し、
陰極析出物としての鉄およびクロムと、鉛中のコバルト
とニッケルとを、高い効率で分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚染金属の再生方法の第1の実施例の
概略構成を示す図。
【図2】各塩化物の生成自由エネルギー値の大小順を示
す図。
【図3】第1の実施例で鉛中に回収されたニッケルとコ
バルトを、鉛から分離する方法の実施例を示すフロー
図。
【図4】本発明の汚染金属の再生方法の第2の実施例を
示すフロー図。
【図5】本発明の汚染金属の再生方法の第5の実施例を
示すフロー図。
【図6】本発明の汚染金属の再生装置の第1の実施例を
示す一部断面斜視図。
【図7】第1の実施例の再生装置において、陽極部の構
造を示す一部分解斜視図
【図8】同第1の実施例の再生装置において、陽極バス
ケット部を構成するバスケット素子の構造を示す一部断
面斜視図。
【図9】本発明の再生装置の第2の実施例において、陽
極部の構造を示す一部分解斜視図
【図10】同第2の実施例の再生装置において、陽極バ
スケット下部の構造を示す断面図。
【図11】本発明の再生装置の第3の実施例において、
陽極部の構造を示す一部分解斜視図
【図12】同第3の実施例の再生装置において、陽極バ
スケット部を構成するバスケット素子の構造を示す一部
断面斜視図。
【図13】同第3の実施例の再生装置において、陽極バ
スケット下部の構造を示す断面図。
【図14】本発明の再生装置の第4の実施例において、
陽極部の構造を示す一部分解斜視図
【図15】同第4の実施例の再生装置において、陽極バ
スケット下部の構造を示す断面図。
【図16】本発明の再生装置の第5の実施例において、
陽極部の構造を示す一部分解斜視図
【図17】同第5の実施例の再生装置において、陽極バ
スケット下部の構造を示す断面図。
【図18】本発明の汚染金属の再生装置の第6の実施例
を示す一部断面斜視図。
【図19】同第6の実施例の再生装置による作用・効果
を説明するための断面図。
【図20】本発明の汚染金属の再生方法の第6の実施例
に使用する電解装置の概略構成を示す一部断面斜視図。
【図21】本発明の再生方法の第7の実施例に使用する
電解装置の概略構成を示す一部断面斜視図。
【図22】本発明の再生方法の第8の実施例を示すフロ
ー図。
【図23】従来の汚染金属の再利用方法を示すフロー
図。
【符号の説明】
8………鉛(溶融鉛) 10………溶融塩 11………陽極 12………陰極 13………直流電源 14………電解槽 19………フィルタ 21………スラグ 22………溶融マグネシウム 30………陰極用電力供給端子 32………汚染金属の溶解材 35………陽極用電力供給端子 36………陽極バスケット部 37………上部円筒部 38………バスケット素子 39………固定具 40………ボルト 41………底板 42………鉛供給管 43………摺動回転子 44………中心導体 47………バイポーラ電極 48………保持具 51………陽極導入端子 52………陰極導入端子 53………析出する金属鉛 56………バスケット状陽極 57………β−アルミナから成る鞘管 58………ナトリウム 61………汚染金属材 62………黒鉛ブロック材 66………隔膜槽 67………酸素供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松原 勝 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄を主成分とし放射性のニッケルおよび
    コバルトを含む汚染金属から、前記ニッケルおよびコバ
    ルトを分離する汚染金属の再生方法において、 直流電
    源に接続された陰極と前記汚染金属の陽極とをそれぞれ
    溶融塩中に設置し、かつ前記溶融塩の下層に前記陰極お
    よび陽極から電気的に絶縁された状態で溶融した鉛を保
    持して、電解を行ない、まず前記溶融塩中に溶解した前
    記ニッケルおよびコバルトを、前記鉛により還元し、金
    属ニッケルおよびコバルトとして溶融鉛中に移行させる
    とともに、前記鉛を前記溶融塩中に溶解させ、次いでこ
    の溶融塩中に溶解した鉛を前記陰極に析出させ、しかる
    後、析出した溶融状態の鉛の流下により清浄化された前
    記陰極に、鉄を析出させて回収することを特徴とする汚
    染金属の再生方法。
  2. 【請求項2】 鉄を主成分とし放射性のニッケルおよび
    コバルトを含む汚染金属から、前記ニッケルおよびコバ
    ルトを分離する汚染金属の再生方法において、 前記汚
    染金属を溶融塩中で塩素化して溶解する塩素化溶解工程
    と、前記溶融塩中に塩化鉛を加えて電解を行ない、ニッ
    ケルおよびコバルトを分離・回収する第1の電解工程
    と、前記ニッケルおよびコバルトが回収された後の溶融
    塩をさらに電解し、鉄、クロムおよび鉛を回収する第2
    の電解工程とを備えたことを特徴とする汚染金属の再生
    方法。
  3. 【請求項3】 溶融鉛中に回収された放射性のニッケル
    およびコバルトを、前記鉛と分離するにあたり、酸化剤
    の添加により、前記鉛中のニッケルおよびコバルトのみ
    を酸化物に変換し、これらの酸化物粒子を分離し、得ら
    れた鉛を再利用することを特徴とする汚染金属の再生方
    法。
  4. 【請求項4】 前記溶融鉛中のニッケルおよびコバルト
    のみを酸化物に変換する工程で、温度を 250℃程度に下
    げることで、金属ニッケルおよびコバルトの溶解度を下
    げ、かつ鉛の酸化物の生成を抑制することを特徴とする
    請求項3記載の汚染金属の再生方法。
  5. 【請求項5】 鉄を主成分とし放射性のニッケルおよび
    コバルトを含む汚染金属から、前記ニッケルおよびコバ
    ルトを分離する汚染金属の再生方法において、 ナトリ
    ウムイオンのみを選択的に透過させる固体電解質からな
    る隔膜により電極を囲い、かつ前記隔膜と電極との間に
    ナトリウムを充填した構造の電極構造体である陰極と、
    前記汚染金属の陽極を溶融塩中にそれぞれ設置するとと
    もに、前記溶融塩の下層に前記陰極および陽極から電気
    的に絶縁された状態で溶融した鉛を保持して、電解を行
    ない、前記溶融塩中に溶解した前記汚染金属中のニッケ
    ルおよびコバルトを、前記鉛により還元して、金属ニッ
    ケルおよびコバルトとして溶融鉛中に移行させ、かつ鉄
    を前記溶融塩中に残すことを特徴とする汚染金属の再生
    方法。
  6. 【請求項6】 前記電解工程で、前記汚染金属を陽極溶
    解した後、回収用の陰極を設置するとともに、陽極とし
    て前記電極構造体を設置し、まずニッケル、コバルトお
    よび鉛を前記回収用陰極に析出・回収し、次いで再び陰
    極を交換してから、この陰極に鉄を析出・回収すること
    を特徴とする請求項5記載の汚染金属の再生方法。
  7. 【請求項7】 鉄を主成分とし放射性のニッケルおよび
    コバルトを含む汚染金属と、放射性の金属を含む汚染黒
    鉛ブロック材とからなる汚染廃棄物から、前記ニッケル
    およびコバルトを分離する汚染金属の再生方法におい
    て、 前記汚染金属とともに前記黒鉛ブロック材を陽極とし
    て、下層に溶融した鉛が収容された溶融塩中で電解を行
    ない、前記汚染金属を、その表面の酸化層を還元しつつ
    溶融塩中に溶解した後、該溶融塩中に溶解したニッケル
    およびコバルトを、前記鉛により還元して、金属ニッケ
    ルおよびコバルトとして溶融鉛中に移行させ、かつ鉄を
    前記溶融塩中に残すことを特徴とする汚染金属の再生方
    法。
  8. 【請求項8】 前記汚染金属を陽極溶解した後、前記汚
    染黒鉛ブロック材からなる陽極部を、溶融塩中で多孔質
    の絶縁隔膜槽内に設置し、前記隔膜槽内に酸素ガスを吹
    き込みつつ、隔膜槽外の溶融塩中に設置された陰極を用
    いて電解を行ない、前記汚染黒鉛ブロック材中の金属成
    分を回収することを特徴とする請求項7記載の汚染金属
    の再生方法。
  9. 【請求項9】 前記汚染金属の陽極溶解工程で、汚染さ
    れた黒鉛ブロック材からなる電極を、陰極として使用す
    ることを特徴とする請求項7記載の汚染金属の再生方
    法。
  10. 【請求項10】 ウランおよびウラン化合物で汚染され
    た金属から、前記ウランおよびウラン化合物を分離する
    汚染金属の再生方法において、 前記汚染金属を溶融塩中に投入し、前記ウラン化合物を
    還元剤により還元して金属ウランとした後、前記汚染金
    属を陽極とする溶融塩電解により、金属ウランを陰極に
    析出させることを特徴とする汚染金属の再生方法。
  11. 【請求項11】 前記還元剤として還元性の低融点金属
    を使用し、生成した金属ウランを前記低融点金属中に溶
    解させた後、このウランを酸化剤により酸化し、前記溶
    融塩中に溶解してから前記溶融塩電解を行なうことを特
    徴とする請求項10記載の汚染金属の再生方法。
  12. 【請求項12】 マグネシウム合金の母材から、表面に
    付着したウランおよび超ウラン元素(以下、TRUと示
    す。)を除染する汚染金属の再生方法において、 溶融させた前記マグネシウム合金に酸化剤を加え、マグ
    ネシウムを酸化マグネシウムのスラグとして前記マグネ
    シウム合金と分離した後、前記溶融したマグネシウム合
    金中に沈積する金属ウランを分離・回収し、またウラン
    が分離された前記マグネシウム合金から、溶解している
    TRUを分離・回収することを特徴とする汚染金属の再
    生方法。
  13. 【請求項13】 前記スラグ中に含まれるウラン酸化物
    およびTRU酸化物を、リチウムにより還元した後、蒸
    留により金属ウランおよびTRUを分離・回収すること
    を特徴とする請求項12記載の汚染金属の再生方法。
  14. 【請求項14】 鉄を主成分とし放射性のニッケルおよ
    びコバルトを含む汚染金属から、前記ニッケルおよびコ
    バルトを分離する汚染金属の再生装置において、 内周面が電気絶縁性材料により構成され、内部に溶融塩
    が収容された電解槽と、回転可能な円筒状の上部と、内
    部に投入された前記汚染金属を前記溶融塩と接触させる
    ためのバスケット部とを有し、前記溶融塩中に設置され
    た複数の陽極と、前記陽極群の中心に配置された引き抜
    き可能な陰極と、前記電解槽外に設置された電解用の直
    流電源と、前記溶融塩の下層に前記陽極および陰極から
    電気的に絶縁された状態で保持された溶融状態の鉛と、
    該溶融鉛を前記電解槽の底部から供給し排出する給排機
    能とを備え、前記各陽極のバスケット部が、外周面の一
    部または内部にのみ電力供給構造に接続された導電部を
    有し、その他の部分が絶縁性材料から成る棒状のバスケ
    ット素子により構成され、かつ該陽極バスケット部に収
    容された前記汚染金属を、前記バスケット素子の導電部
    に直接または他の導電部材を介して接触させる構造を備
    えたことを特徴とする汚染金属の再生装置。
  15. 【請求項15】 前記陽極バスケット部の底部に、溶融
    した鉛を供給する機構と、供給された溶融鉛を保持する
    盆状の底板とがそれぞれ設けられ、かつ前記底板上に保
    持された鉛が前記直流電源の陽極に接続され、この鉛を
    介して、陽極バスケット部に収容された前記汚染金属
    が、直流電源の陽極に接続されることを特徴とする請求
    項14記載の汚染金属の再生装置。
  16. 【請求項16】 前記バスケット素子を、導電性の中心
    部の外周を絶縁性材料により被覆した構造とするととも
    に、これらのバスケット素子により構成される前記陽極
    バスケット部の底部に、導電性の底板が設けられ、該底
    板が、前記バスケット素子の導電性中心部を介して電力
    供給構造に接続されることを特徴とする請求項14記載
    の汚染金属の再生装置。
  17. 【請求項17】 前記陽極バスケット部に収容された前
    記汚染金属と、前記陽極バスケット部の底板との間に、
    溶融状態の鉛が介在され、この鉛を介して前記汚染金属
    に電解用の電力が供給されることを特徴とする請求項1
    4記載の汚染金属の再生装置。
  18. 【請求項18】 前記陽極バスケット部の中心に、前記
    電力供給構造に接続された柱状の導電体が同軸的に設け
    られ、前記陽極バスケット部に収容された前記汚染金属
    に、前記柱状導電体との接触により、電解用の電力が供
    給されることを特徴とする請求項14記載の汚染金属の
    再生装置。
  19. 【請求項19】 鉄を主成分とし放射性のニッケルおよ
    びコバルトを含む汚染金属から、前記ニッケルおよびコ
    バルトを分離する汚染金属の再生装置において、 内部に溶融塩と溶融した鉛がそれぞれ収容され、底部に
    前記溶融鉛を供給し排出するための配管を有する電解槽
    と、該電解槽外に設置された電解用の直流電源と、該直
    流電源の陰極に接続され、前記電解槽内の最上段に設置
    された下側に凸の円錐状陰極と、下側に凸で中央に縁付
    き穴を有し、上面に前記汚染金属と鉛とがそれぞれ搭載
    された複数の円錐状電極とを備えており、前記電解槽内
    に前記複数の円錐状電極が、穴径の大きさの順で上方か
    ら下方に設置され、かつ最下段に設置された最も穴径の
    大きな円錐状電極が、前記直流電源の陽極に接続されて
    いることを特徴とする汚染金属の再生装置。
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