JPH11224677A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
固体高分子型燃料電池Info
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- JPH11224677A JPH11224677A JP10028491A JP2849198A JPH11224677A JP H11224677 A JPH11224677 A JP H11224677A JP 10028491 A JP10028491 A JP 10028491A JP 2849198 A JP2849198 A JP 2849198A JP H11224677 A JPH11224677 A JP H11224677A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 単位体積当たりの発電能力がより高く、製造
コストがより安価な固体高分子型燃料電池を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の固体高分子型燃料電池は、水素
イオンを透過するフィルム状の固体高分子型電解質層2
と、同層2を両側から挟持し触媒層31,32を含む正
負二層の導電性の電極層41,42と、電極層41,4
2の両側の表面に一体に接合された金属網51,52と
からなる発電層1を有する。発電層1は、金属網51,
52の形状保持機能により、波板状の凹凸形状に成形さ
れており、両側からセパレータ61,62に挟持されて
いる。セパレータ61,62との間に形成される燃料ガ
ス室10および酸化性ガス室20に接触する発電層1の
表面積が増大するので、発電能力が向上する。また、セ
パレータ61,62はステンレス鋼製の平板で済むの
で、製造コストが安価になる。
コストがより安価な固体高分子型燃料電池を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の固体高分子型燃料電池は、水素
イオンを透過するフィルム状の固体高分子型電解質層2
と、同層2を両側から挟持し触媒層31,32を含む正
負二層の導電性の電極層41,42と、電極層41,4
2の両側の表面に一体に接合された金属網51,52と
からなる発電層1を有する。発電層1は、金属網51,
52の形状保持機能により、波板状の凹凸形状に成形さ
れており、両側からセパレータ61,62に挟持されて
いる。セパレータ61,62との間に形成される燃料ガ
ス室10および酸化性ガス室20に接触する発電層1の
表面積が増大するので、発電能力が向上する。また、セ
パレータ61,62はステンレス鋼製の平板で済むの
で、製造コストが安価になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池[略称PEFC (Polymer Electrolyte FuelCel
l)、高分子電解質型燃料電池ともいう]の技術分野に属
する。
電池[略称PEFC (Polymer Electrolyte FuelCel
l)、高分子電解質型燃料電池ともいう]の技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】一般に燃料電池とは、電解質を含む電解
質層を挟んでその両面に接合された両電極部に、それぞ
れ燃料ガスおよび酸化性ガスなどの別種の反応物質を供
給して各電極上で化学反応させることにより起電力を得
る一種の発電機である。ただし、通常の発電機とは異な
り、燃料電池の内部には機械的または力学的に動作する
部分がなく、化学反応だけによる発電が行われる。ま
た、通常の化学電池とも異なって、反応物質が外部から
連続的に供給され、生成物が外部へ連続的に排出される
ので、極めて長時間の連続運用が可能であり、充電の必
要もない。
質層を挟んでその両面に接合された両電極部に、それぞ
れ燃料ガスおよび酸化性ガスなどの別種の反応物質を供
給して各電極上で化学反応させることにより起電力を得
る一種の発電機である。ただし、通常の発電機とは異な
り、燃料電池の内部には機械的または力学的に動作する
部分がなく、化学反応だけによる発電が行われる。ま
た、通常の化学電池とも異なって、反応物質が外部から
連続的に供給され、生成物が外部へ連続的に排出される
ので、極めて長時間の連続運用が可能であり、充電の必
要もない。
【0003】燃料電池にはいくつかの種類があるが、そ
れらのうち固体高分子型燃料電池は運用温度が通常10
0℃以下と低いので起動時間が短くて済むばかりではな
く、出力密度が約3kW/m2 と高いので小型軽量化が
可能であるという優れた利点を有する。それゆえ、ハイ
ブリッド型を含む電気自動車の電源電池として、固体高
分子型燃料電池が最も有望視されており、各所で鋭意に
研究開発が行われている。
れらのうち固体高分子型燃料電池は運用温度が通常10
0℃以下と低いので起動時間が短くて済むばかりではな
く、出力密度が約3kW/m2 と高いので小型軽量化が
可能であるという優れた利点を有する。それゆえ、ハイ
ブリッド型を含む電気自動車の電源電池として、固体高
分子型燃料電池が最も有望視されており、各所で鋭意に
研究開発が行われている。
【0004】固体高分子型燃料電池は、図14に示すよ
うに、プロトンイオン(H+ )を透過するイオン交換高
分子電解質を含む固体高分子型電解質層と、同層を両側
から挟持し触媒層を担持する正負の電極層と、両電極層
を挟持する隔壁部材(セパレータ)とを有する。両隔壁
部材と両電極層との間には、それぞれ燃料ガス室と酸化
性ガス室とが形成されており、両室それぞれに、水素を
含む改質ガス等の燃料ガスと、酸素を含む空気などの酸
化性ガスとが、外部から供給される。そして、両室から
それぞれ水素ガスと酸素ガスとの供給を受けた両触媒層
で化学反応が起こり、固体高分子型電解質層を透過して
正の電荷をもったプロトンが、負電極層側から正電極層
側へと移動するので起電力が生じ、発電作用が起こる。
その結果、固体高分子型燃料電池から電力が発生するの
で、同電力を導電性の隔壁部材を介して外部へ取り出し
てモータM等を駆動することができる。
うに、プロトンイオン(H+ )を透過するイオン交換高
分子電解質を含む固体高分子型電解質層と、同層を両側
から挟持し触媒層を担持する正負の電極層と、両電極層
を挟持する隔壁部材(セパレータ)とを有する。両隔壁
部材と両電極層との間には、それぞれ燃料ガス室と酸化
性ガス室とが形成されており、両室それぞれに、水素を
含む改質ガス等の燃料ガスと、酸素を含む空気などの酸
化性ガスとが、外部から供給される。そして、両室から
それぞれ水素ガスと酸素ガスとの供給を受けた両触媒層
で化学反応が起こり、固体高分子型電解質層を透過して
正の電荷をもったプロトンが、負電極層側から正電極層
側へと移動するので起電力が生じ、発電作用が起こる。
その結果、固体高分子型燃料電池から電力が発生するの
で、同電力を導電性の隔壁部材を介して外部へ取り出し
てモータM等を駆動することができる。
【0005】ここで、固体高分子型電解質層と正負の電
極層とを含み発電作用を有する層のことを、「発電層」
と呼ぶことにする。固体高分子型燃料電池の発電能力
は、供給される燃料ガスおよび酸化性ガスの量を一定と
すれば、両ガスを電気エネルギに変換する発電層の単位
面積当たりに固有の性能(電極効率)と、発電層の総面
積とにより、基本的に定まる。それゆえ、両ガスが十分
に供給される場合には、発電層の総面積(反応面積)が
大きいほど、発電される電気エネルギの量は増大する。
したがって、電極効率が一定であれば、出力を増大させ
るためには反応面積を増大させることが必要であるか
ら、固体高分子型燃料電池の大きさ(容積)は、出力に
ほぼ比例して増大することになる。
極層とを含み発電作用を有する層のことを、「発電層」
と呼ぶことにする。固体高分子型燃料電池の発電能力
は、供給される燃料ガスおよび酸化性ガスの量を一定と
すれば、両ガスを電気エネルギに変換する発電層の単位
面積当たりに固有の性能(電極効率)と、発電層の総面
積とにより、基本的に定まる。それゆえ、両ガスが十分
に供給される場合には、発電層の総面積(反応面積)が
大きいほど、発電される電気エネルギの量は増大する。
したがって、電極効率が一定であれば、出力を増大させ
るためには反応面積を増大させることが必要であるか
ら、固体高分子型燃料電池の大きさ(容積)は、出力に
ほぼ比例して増大することになる。
【0006】一方、電気自動車に搭載する目的等で開発
される固体高分子型燃料電池は、小型軽量でありなが
ら、より大きな発電能力をもつことが要求される。前述
のように、固体高分子型燃料電池の大きさは出力にほぼ
比例して増大するから、小型軽量でありながら大出力を
得るというこの要求は、二律背反する要求であることが
容易に分かる。
される固体高分子型燃料電池は、小型軽量でありなが
ら、より大きな発電能力をもつことが要求される。前述
のように、固体高分子型燃料電池の大きさは出力にほぼ
比例して増大するから、小型軽量でありながら大出力を
得るというこの要求は、二律背反する要求であることが
容易に分かる。
【0007】このような要求に応える従来技術として
は、たとえば特開平4−154047号公報に開示され
た構成の燃料電池がある。同公報には、互いに対向する
隔壁部材(セパレータ)に互いに平行に突条を設け、一
方の隔壁部材の突条(リブ)が他方の隔壁部材の突条間
の溝に係合するようにして、両隔壁部材の突条で発電層
の形状が波板状に保持される燃料電池(従来技術1)が
開示されている。この燃料電池では、突条に直交する方
向に発電層が折り畳まれて短くなり、単位長さあたりの
反応面積が増大するので、燃料電池の単位体積当たりの
発電能力が向上する旨が効果としてうたわれている。
は、たとえば特開平4−154047号公報に開示され
た構成の燃料電池がある。同公報には、互いに対向する
隔壁部材(セパレータ)に互いに平行に突条を設け、一
方の隔壁部材の突条(リブ)が他方の隔壁部材の突条間
の溝に係合するようにして、両隔壁部材の突条で発電層
の形状が波板状に保持される燃料電池(従来技術1)が
開示されている。この燃料電池では、突条に直交する方
向に発電層が折り畳まれて短くなり、単位長さあたりの
反応面積が増大するので、燃料電池の単位体積当たりの
発電能力が向上する旨が効果としてうたわれている。
【0008】同公報にはまた、両側の隔壁部材(ならび
に燃料ガス室および酸化性ガス室)と発電層との間に、
互いに平行な台形状の突条をもつ多孔質の形状保持部材
を介在させ、この形状保持部材が互いに係合して発電層
を挟持する燃料電池(従来技術2)も開示されている。
そして、この燃料電池によっても、前述の燃料電池と同
様の理由で、燃料電池の単位体積当たりの発電能力が向
上する旨が、効果としてうたわれている。
に燃料ガス室および酸化性ガス室)と発電層との間に、
互いに平行な台形状の突条をもつ多孔質の形状保持部材
を介在させ、この形状保持部材が互いに係合して発電層
を挟持する燃料電池(従来技術2)も開示されている。
そして、この燃料電池によっても、前述の燃料電池と同
様の理由で、燃料電池の単位体積当たりの発電能力が向
上する旨が、効果としてうたわれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術1では突条付きの隔壁部材(セパレータ)が必
要とされ、前述の従来技術2では突条が形成された形状
保持部材が必要とされるので、構造が複雑になってしま
う。そればかりではなく、発電層も上記突条の位置に合
わせて加工する必要があるので、発電層についても高精
度での加工が必要とされる。それゆえ従来技術では、隔
壁部材または形状保持部材と発電層との両方の加工工数
が増大し、燃料電池の製造コストが高くなってしまうと
いう不都合が生じる。
従来技術1では突条付きの隔壁部材(セパレータ)が必
要とされ、前述の従来技術2では突条が形成された形状
保持部材が必要とされるので、構造が複雑になってしま
う。そればかりではなく、発電層も上記突条の位置に合
わせて加工する必要があるので、発電層についても高精
度での加工が必要とされる。それゆえ従来技術では、隔
壁部材または形状保持部材と発電層との両方の加工工数
が増大し、燃料電池の製造コストが高くなってしまうと
いう不都合が生じる。
【0010】また、前述の従来技術1においては、隔壁
部材に形成されている突条が存在するので、燃料ガスの
流路(燃料ガス室)および酸化性ガスの流路(酸化性ガ
ス室)が狭められ、実効流路が狭くなってしまうという
不都合がある。その結果、せっかく表面積が増した発電
層の発電能力が低下してしまう恐れがある。さらに、前
述の従来技術2においては、多孔質の形状保持部材を必
要とするので、発電層の表面が直接に燃料ガスおよび酸
化性ガスの流路と接触せず発電効率が低下するうえに、
部品点数が増加し製造コストが高くなってしまう。そし
て、多孔質の形状保持部材が発電層の両側の電極層の全
面に当接しているので、形状保持部材にはかなり高い開
孔度をもつ多孔質材を使用しないと、発電効率の低下が
さらに大きくなってしまうことは避けられない。かとい
って開孔度が非常に大きな多孔質材から隔壁部材を形成
すると、隔壁部材が加工時に割れたり欠けたりする恐れ
が大きくなり、製品の歩留まり率が下がるので製造コス
トがさらに増大する。
部材に形成されている突条が存在するので、燃料ガスの
流路(燃料ガス室)および酸化性ガスの流路(酸化性ガ
ス室)が狭められ、実効流路が狭くなってしまうという
不都合がある。その結果、せっかく表面積が増した発電
層の発電能力が低下してしまう恐れがある。さらに、前
述の従来技術2においては、多孔質の形状保持部材を必
要とするので、発電層の表面が直接に燃料ガスおよび酸
化性ガスの流路と接触せず発電効率が低下するうえに、
部品点数が増加し製造コストが高くなってしまう。そし
て、多孔質の形状保持部材が発電層の両側の電極層の全
面に当接しているので、形状保持部材にはかなり高い開
孔度をもつ多孔質材を使用しないと、発電効率の低下が
さらに大きくなってしまうことは避けられない。かとい
って開孔度が非常に大きな多孔質材から隔壁部材を形成
すると、隔壁部材が加工時に割れたり欠けたりする恐れ
が大きくなり、製品の歩留まり率が下がるので製造コス
トがさらに増大する。
【0011】そこで本発明は、単位体積当たりの発電能
力がより高く、製造コストがより安価な固体高分子型燃
料電池を提供することを解決すべき課題とする。
力がより高く、製造コストがより安価な固体高分子型燃
料電池を提供することを解決すべき課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者は以下の手段を発明した。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載の固体
高分子型燃料電池である。ここで、両電極層は、カーボ
ンなどからなる導電性の多孔体から形成されており、ガ
ス拡散性と導電性との役割を担っている。固体高分子型
燃料電池では、固体高分子型電解質層と接触して、白金
等の触媒を担持している触媒層が形成されているのが普
通である。
に、発明者は以下の手段を発明した。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載の固体
高分子型燃料電池である。ここで、両電極層は、カーボ
ンなどからなる導電性の多孔体から形成されており、ガ
ス拡散性と導電性との役割を担っている。固体高分子型
燃料電池では、固体高分子型電解質層と接触して、白金
等の触媒を担持している触媒層が形成されているのが普
通である。
【0013】この触媒層は、固体高分子型電解質層の両
側の表面に接合して形成されるのが普通であり、電極層
とは別の工程で形成されることが多いが、本明細書中で
は、触媒層は電極層の一部として電極層に含まれるもの
と定義する。言い換えれば、固体高分子型電解質層の両
面に密着しており、触媒を担持している導電性の層のこ
とを、電極層と呼ぶものと定義する。電極層では、触媒
の作用によって、100℃以下の比較的低温でも発電反
応が起こるようになっている。そこで、定義が同じであ
れば、電極層を触媒層と言い換えても差し支えない。
側の表面に接合して形成されるのが普通であり、電極層
とは別の工程で形成されることが多いが、本明細書中で
は、触媒層は電極層の一部として電極層に含まれるもの
と定義する。言い換えれば、固体高分子型電解質層の両
面に密着しており、触媒を担持している導電性の層のこ
とを、電極層と呼ぶものと定義する。電極層では、触媒
の作用によって、100℃以下の比較的低温でも発電反
応が起こるようになっている。そこで、定義が同じであ
れば、電極層を触媒層と言い換えても差し支えない。
【0014】また、本明細書においては、形状保持体を
も含めて固体高分子型電解質層および両電極層(触媒層
をも含む)からなる多層体のことを、発電層と呼ぶこと
にする。本手段では、固体高分子型電解質層および電極
層からなる発電層は、凹凸形状に成形されており、か
つ、この凹凸形状を保持する剛性をもつ形状保持体を有
する。それゆえ、隔壁部材に突条等の凹凸形状保持構造
物が形成されていなくても、発電層の凹凸形状は、発電
層が有する形状保持体の剛性、すなわち発電層自体のも
つ剛性によって、製造過程で成形された通りの凹凸形状
に保たれる。
も含めて固体高分子型電解質層および両電極層(触媒層
をも含む)からなる多層体のことを、発電層と呼ぶこと
にする。本手段では、固体高分子型電解質層および電極
層からなる発電層は、凹凸形状に成形されており、か
つ、この凹凸形状を保持する剛性をもつ形状保持体を有
する。それゆえ、隔壁部材に突条等の凹凸形状保持構造
物が形成されていなくても、発電層の凹凸形状は、発電
層が有する形状保持体の剛性、すなわち発電層自体のも
つ剛性によって、製造過程で成形された通りの凹凸形状
に保たれる。
【0015】その結果、前述の従来技術とは異なり、隔
壁部材に発電層の凹凸形状を保持するための突条を設け
たり、発電層を両側から挟持してその凹凸形状を保持す
る多孔質の形状保持部材を設けたりする必要がなくな
り、コストダウンになる。また、隔壁部材の突条によっ
て流路が狭められたり、多孔質の形状保持部材によって
発電層と両ガスとの接触が少なくなったりして、発電層
の発電能力が低下してしまうこともないので、単位体積
当たりの発電能力が向上する。
壁部材に発電層の凹凸形状を保持するための突条を設け
たり、発電層を両側から挟持してその凹凸形状を保持す
る多孔質の形状保持部材を設けたりする必要がなくな
り、コストダウンになる。また、隔壁部材の突条によっ
て流路が狭められたり、多孔質の形状保持部材によって
発電層と両ガスとの接触が少なくなったりして、発電層
の発電能力が低下してしまうこともないので、単位体積
当たりの発電能力が向上する。
【0016】したがって本手段によれば、単位体積当た
りの発電能力がより高く、製造コストがより安価な固体
高分子型燃料電池を提供することが可能になるという効
果がある。なお、本手段においても、通常の燃料電池と
同様に、隔壁部材を導電性のセパレータとして使用し、
単位セル(単電池=一層の燃料電池)を直列に積層し
て、発電電圧を高めることができる。むしろ、このよう
に固体高分子型燃料電池の単位セルを積層して燃料電池
を構成することの方が、普通に行われることであって望
ましいことでもある。
りの発電能力がより高く、製造コストがより安価な固体
高分子型燃料電池を提供することが可能になるという効
果がある。なお、本手段においても、通常の燃料電池と
同様に、隔壁部材を導電性のセパレータとして使用し、
単位セル(単電池=一層の燃料電池)を直列に積層し
て、発電電圧を高めることができる。むしろ、このよう
に固体高分子型燃料電池の単位セルを積層して燃料電池
を構成することの方が、普通に行われることであって望
ましいことでもある。
【0017】また、隔壁部材の剛性を向上させる目的
で、隔壁部材の表面に補強リブを設けても構わない。補
強リブは突条の一種ではあるが、従来技術1の発電層の
形状保持を目的とした突条とは異なって、寸法が小さく
て済む。それだけではなく、発電層の凹凸形状の凹部の
全てに対して補強リブを形成する必要はないので、補強
リブの数も少なくて済む。それゆえ、隔壁部材の製造コ
ストはあまり増大しない。そのうえ、発電層の凹凸形状
の凹部の全てに補強リブが係合する必要もないので、寸
法精度もあまり要求されず、発電層と隔壁部材との組立
加工の工数が増大することもほとんど無い。その結果、
本手段の製造コストをほとんど増大させることなしに、
隔壁部材に補強リブを形成することが可能である。
で、隔壁部材の表面に補強リブを設けても構わない。補
強リブは突条の一種ではあるが、従来技術1の発電層の
形状保持を目的とした突条とは異なって、寸法が小さく
て済む。それだけではなく、発電層の凹凸形状の凹部の
全てに対して補強リブを形成する必要はないので、補強
リブの数も少なくて済む。それゆえ、隔壁部材の製造コ
ストはあまり増大しない。そのうえ、発電層の凹凸形状
の凹部の全てに補強リブが係合する必要もないので、寸
法精度もあまり要求されず、発電層と隔壁部材との組立
加工の工数が増大することもほとんど無い。その結果、
本手段の製造コストをほとんど増大させることなしに、
隔壁部材に補強リブを形成することが可能である。
【0018】(第2手段)本発明の第2手段は、請求項
2記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、形
状保持体は、発電層の両電極層のうち少なくとも一方の
表面に一体的に接合されている。形状保持体は、たとえ
ば金属細線からなり目が粗い金網のように、空孔率の大
きな多孔質材で良導体であることが望ましい。本手段で
は、成形された凹凸形状を保持する剛性をもつ形状保持
体が、発電層の両電極層のうち少なくとも一方の表面に
一体的に接合されているので、発電層は前述のように自
らの剛性で成形された凹凸形状を保つことができる。
2記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、形
状保持体は、発電層の両電極層のうち少なくとも一方の
表面に一体的に接合されている。形状保持体は、たとえ
ば金属細線からなり目が粗い金網のように、空孔率の大
きな多孔質材で良導体であることが望ましい。本手段で
は、成形された凹凸形状を保持する剛性をもつ形状保持
体が、発電層の両電極層のうち少なくとも一方の表面に
一体的に接合されているので、発電層は前述のように自
らの剛性で成形された凹凸形状を保つことができる。
【0019】また、電極層の表面に形状保持体を接合す
ることは、電極層の形成時に圧着等の方法により容易に
なし得るから、製造コストが安価に済むという効果があ
る。したがって本手段によれば、前述の第1手段と同様
に、単位体積当たりの発電能力がより高く、製造コスト
がより安価になるという効果がある。ところで、表面に
形状保持体が接合されている電極層は、形状保持体と背
向する固体高分子型電解質層の側に担持している触媒層
へのガス透過性と、触媒層からの集電性と、形状保持性
との三つの性質を十分にもっていることが望ましい。な
お、両電極層のうち一方だけの表面に形状保持体が接合
されている場合には、形状保持体が接合されていない他
方の電極層よりも、上記一方の電極層では触媒層へのガ
ス透過性がいくらか低下するのが普通である。それゆ
え、正負どちらの電極層に形状保持体が接合されている
場合の方がより高い発電能力が得られるか、理論的にあ
るいは実験的に確認して、より高い発電能力が得られる
方の電極層に形状保持体を接合することが望ましい。
ることは、電極層の形成時に圧着等の方法により容易に
なし得るから、製造コストが安価に済むという効果があ
る。したがって本手段によれば、前述の第1手段と同様
に、単位体積当たりの発電能力がより高く、製造コスト
がより安価になるという効果がある。ところで、表面に
形状保持体が接合されている電極層は、形状保持体と背
向する固体高分子型電解質層の側に担持している触媒層
へのガス透過性と、触媒層からの集電性と、形状保持性
との三つの性質を十分にもっていることが望ましい。な
お、両電極層のうち一方だけの表面に形状保持体が接合
されている場合には、形状保持体が接合されていない他
方の電極層よりも、上記一方の電極層では触媒層へのガ
ス透過性がいくらか低下するのが普通である。それゆ
え、正負どちらの電極層に形状保持体が接合されている
場合の方がより高い発電能力が得られるか、理論的にあ
るいは実験的に確認して、より高い発電能力が得られる
方の電極層に形状保持体を接合することが望ましい。
【0020】(第3手段)本発明の第3手段は、請求項
3記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、両
電極層のうち少なくとも一方は、形状保持体を含んでい
る。形状保持体は、たとえば金属細線からなり目が粗い
金網のように、空孔率の大きな多孔質材で良導体である
ことが望ましい。本手段では、成形された凹凸形状を保
持する剛性をもつ形状保持体が、発電層の両電極層のう
ち少なくとも一方に含まれているので、発電層は前述の
ように自らの剛性で成形された凹凸形状を保つことがで
きる。
3記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、両
電極層のうち少なくとも一方は、形状保持体を含んでい
る。形状保持体は、たとえば金属細線からなり目が粗い
金網のように、空孔率の大きな多孔質材で良導体である
ことが望ましい。本手段では、成形された凹凸形状を保
持する剛性をもつ形状保持体が、発電層の両電極層のう
ち少なくとも一方に含まれているので、発電層は前述の
ように自らの剛性で成形された凹凸形状を保つことがで
きる。
【0021】また、電極層と一体にまたは電極層の内部
に形状保持体を含ませることは、電極層の形成時に形状
保持体またはその材料を混ぜておく等の方法により、容
易になし得るから、製造コストが安価に済むという効果
がある。したがって本手段によれば、前述の第1手段と
同様に、単位体積当たりの発電能力がより高く、製造コ
ストがより安価になるという効果がある。
に形状保持体を含ませることは、電極層の形成時に形状
保持体またはその材料を混ぜておく等の方法により、容
易になし得るから、製造コストが安価に済むという効果
がある。したがって本手段によれば、前述の第1手段と
同様に、単位体積当たりの発電能力がより高く、製造コ
ストがより安価になるという効果がある。
【0022】ところで、形状保持体を含む電極層は、固
体高分子型電解質層の側に担持している触媒層へのガス
透過性と、触媒層からの集電性と、形状保持性との三つ
の性質を十分にもっていることが望ましい。なお、両電
極層のうち一方だけに形状保持体が含まれている場合に
は、形状保持体が接合されていない他方の電極層より
も、上記一方の電極層の触媒層へのガス透過性は、いく
らか低下するのが普通である。それゆえ、正負どちらの
電極層に形状保持体含まれている場合の方がより高い発
電能力が得られるか、理論的にあるいは実験的に確認し
て、より高い発電能力が得られる方の電極層に形状保持
体を含ませることが望ましい。
体高分子型電解質層の側に担持している触媒層へのガス
透過性と、触媒層からの集電性と、形状保持性との三つ
の性質を十分にもっていることが望ましい。なお、両電
極層のうち一方だけに形状保持体が含まれている場合に
は、形状保持体が接合されていない他方の電極層より
も、上記一方の電極層の触媒層へのガス透過性は、いく
らか低下するのが普通である。それゆえ、正負どちらの
電極層に形状保持体含まれている場合の方がより高い発
電能力が得られるか、理論的にあるいは実験的に確認し
て、より高い発電能力が得られる方の電極層に形状保持
体を含ませることが望ましい。
【0023】(第4手段)本発明の第4手段は、請求項
4記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、発
電層の中間部材である固体高分子型電解質層が、形状保
持体を含んでいる。形状保持体は、たとえば樹脂繊維か
らなる目が粗い樹脂網のように、空孔率の大きな多孔質
材で不導体であることが望ましい。本手段では、成形さ
れた凹凸形状を保持する剛性をもつ形状保持体が、発電
層の中間の固体高分子型電解質層に含まれているので、
発電層は前述のように自らの剛性で成形された凹凸形状
を保つことができる。
4記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、発
電層の中間部材である固体高分子型電解質層が、形状保
持体を含んでいる。形状保持体は、たとえば樹脂繊維か
らなる目が粗い樹脂網のように、空孔率の大きな多孔質
材で不導体であることが望ましい。本手段では、成形さ
れた凹凸形状を保持する剛性をもつ形状保持体が、発電
層の中間の固体高分子型電解質層に含まれているので、
発電層は前述のように自らの剛性で成形された凹凸形状
を保つことができる。
【0024】また、固体高分子型電解質層と一体にまた
は固体高分子型電解質層の内部に形状保持体を含ませる
ことは、固体高分子型電解質層の形成時に形状保持体ま
たはその材料を混ぜておく等の方法により、容易になし
得る。すなわち、先ず、固体高分子型電解質層を形成す
る高分子電解質材料(たとえばパーフルオロスルフォン
酸ポリマ)が軟化していながら、その電解質としての特
性が劣化しない温度範囲で加熱昇温する。そしてその状
態で、その温度に耐える形状保持体を圧着させることに
よって、固体高分子型電解質層に形状保持体を一体的に
含ませることが可能である。
は固体高分子型電解質層の内部に形状保持体を含ませる
ことは、固体高分子型電解質層の形成時に形状保持体ま
たはその材料を混ぜておく等の方法により、容易になし
得る。すなわち、先ず、固体高分子型電解質層を形成す
る高分子電解質材料(たとえばパーフルオロスルフォン
酸ポリマ)が軟化していながら、その電解質としての特
性が劣化しない温度範囲で加熱昇温する。そしてその状
態で、その温度に耐える形状保持体を圧着させることに
よって、固体高分子型電解質層に形状保持体を一体的に
含ませることが可能である。
【0025】あるいは、固体高分子型電解質層を形成す
るパーフルオロスルフォン酸ポリマ等のイオン交換樹脂
を適切な溶媒に溶かして溶液となし、絶縁性で連続孔の
あるフィルム状の多孔体に含浸させて固体高分子型電解
質層を形成しても良い。この場合、多孔体が可塑性のあ
る材料(たとえば熱可塑性樹脂)から形成されていれ
ば、固体高分子型電解質層は多孔体を形状保持体として
有し、形状保持機能をもつことになる。
るパーフルオロスルフォン酸ポリマ等のイオン交換樹脂
を適切な溶媒に溶かして溶液となし、絶縁性で連続孔の
あるフィルム状の多孔体に含浸させて固体高分子型電解
質層を形成しても良い。この場合、多孔体が可塑性のあ
る材料(たとえば熱可塑性樹脂)から形成されていれ
ば、固体高分子型電解質層は多孔体を形状保持体として
有し、形状保持機能をもつことになる。
【0026】さらに別法としては、上記多孔体の片面ま
たは両面にフィルム状の固体高分子型電解質材料を重ね
合わせ、熱プレスすることにより多孔体の孔中に上記電
解質材料を注入することによっても、形状保持体を含む
固体高分子型電解質層を形成することができる。あるい
は、前述のイオン交換樹脂の電解質溶液に、樹脂網、樹
脂製不織紙、および繊維状または砕片状の樹脂材料を混
入して、キャスト法やブレード法等の成膜方法により、
形状保持体を含む固体高分子型電解質層を製造すること
もできる。
たは両面にフィルム状の固体高分子型電解質材料を重ね
合わせ、熱プレスすることにより多孔体の孔中に上記電
解質材料を注入することによっても、形状保持体を含む
固体高分子型電解質層を形成することができる。あるい
は、前述のイオン交換樹脂の電解質溶液に、樹脂網、樹
脂製不織紙、および繊維状または砕片状の樹脂材料を混
入して、キャスト法やブレード法等の成膜方法により、
形状保持体を含む固体高分子型電解質層を製造すること
もできる。
【0027】これらの形状保持体を含む固体高分子型電
解質層の製造方法いずれも、実施は比較的容易である。
したがって本手段によれば、前述の第1手段と同様に、
単位体積当たりの発電能力がより高く、製造コストがよ
り安価になるという効果がある。ところで、形状保持体
を含む固体高分子型電解質層は、陽イオンであるプロト
ンの透過性と、両電極層を互いに絶縁する絶縁性と、形
状保持性との三つの性質をもっていることが必要であ
る。それゆえ、形状保持体は、厚さがなるべく薄い上
に、空孔率の大きな多孔質材であって、不導体であるこ
とが望ましく、また、電解質材料との濡れ性にも優れて
いることが望ましい。
解質層の製造方法いずれも、実施は比較的容易である。
したがって本手段によれば、前述の第1手段と同様に、
単位体積当たりの発電能力がより高く、製造コストがよ
り安価になるという効果がある。ところで、形状保持体
を含む固体高分子型電解質層は、陽イオンであるプロト
ンの透過性と、両電極層を互いに絶縁する絶縁性と、形
状保持性との三つの性質をもっていることが必要であ
る。それゆえ、形状保持体は、厚さがなるべく薄い上
に、空孔率の大きな多孔質材であって、不導体であるこ
とが望ましく、また、電解質材料との濡れ性にも優れて
いることが望ましい。
【0028】(第5手段)本発明の第5手段は、請求項
5記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、形
状保持体は、金属網、金属製多孔質板、金属製不織紙お
よび金属繊維のうちいずれかで形成されており、両電極
層のうち少なくとも一方の表面に一体的に接合されてい
るか、両電極層のうち少なくとも一方に含まれている。
それゆえ、大きく分けて次に示す二つの作用効果が得ら
れる。
5記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、形
状保持体は、金属網、金属製多孔質板、金属製不織紙お
よび金属繊維のうちいずれかで形成されており、両電極
層のうち少なくとも一方の表面に一体的に接合されてい
るか、両電極層のうち少なくとも一方に含まれている。
それゆえ、大きく分けて次に示す二つの作用効果が得ら
れる。
【0029】第1に、形状保持体をもつ電極層の導電性
(すなわち集電性)は飛躍的に向上し、電極層内でのジ
ュール熱による電気エネルギの損失が低減されるので、
発電能力はいっそう向上する。特に、金属製の形状保持
体が両電極層のうち少なくとも一方の表面に接合されて
いる構成では、通常は良導体からなるセパレータである
隔壁部材との接点において導通性が向上して接点抵抗も
大幅に減る。それゆえ、電極層と隔壁部材との接触線に
おける接触抵抗による電気エネルギの損失が低減され、
発電能力はさらに向上する。
(すなわち集電性)は飛躍的に向上し、電極層内でのジ
ュール熱による電気エネルギの損失が低減されるので、
発電能力はいっそう向上する。特に、金属製の形状保持
体が両電極層のうち少なくとも一方の表面に接合されて
いる構成では、通常は良導体からなるセパレータである
隔壁部材との接点において導通性が向上して接点抵抗も
大幅に減る。それゆえ、電極層と隔壁部材との接触線に
おける接触抵抗による電気エネルギの損失が低減され、
発電能力はさらに向上する。
【0030】第2に、適正な種類の金属材料を選定すれ
ば、金属の塑性変形による成形性の良さが得られるの
で、発電層を凹凸形状に成形加工するのが容易であり、
製造コストをより低減することができる。したがって本
手段によれば、前述の第2手段または第3手段の効果に
加えて、さらに向上した発電能力と極めて良好な加工性
とが同時に得られるという効果がある。
ば、金属の塑性変形による成形性の良さが得られるの
で、発電層を凹凸形状に成形加工するのが容易であり、
製造コストをより低減することができる。したがって本
手段によれば、前述の第2手段または第3手段の効果に
加えて、さらに向上した発電能力と極めて良好な加工性
とが同時に得られるという効果がある。
【0031】(第6手段)本発明の第6手段は、請求項
6記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、形
状保持体は、樹脂網、樹脂製多孔質板、樹脂製不織紙、
樹脂粉末および樹脂繊維のうちいずれかで形成されてお
り、両電極層のうち少なくとも一方の表面に一体的に接
合されているか、両電極層のうち少なくとも一方に含ま
れている。それゆえ、大きく分けて次に示す二つの作用
効果が得られる。
6記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、形
状保持体は、樹脂網、樹脂製多孔質板、樹脂製不織紙、
樹脂粉末および樹脂繊維のうちいずれかで形成されてお
り、両電極層のうち少なくとも一方の表面に一体的に接
合されているか、両電極層のうち少なくとも一方に含ま
れている。それゆえ、大きく分けて次に示す二つの作用
効果が得られる。
【0032】第1に、形状保持体の材料に適正な種類の
樹脂材料を選定すれば、形状保持体をもつ電極層または
固体高分子型電解質層は、樹脂のもつ優れた可塑性によ
って凹凸形状への成形時において優れた成形加工性が得
られる。第2に、樹脂材料からなる形状保持体が電極層
に含まれる構成では、形状保持機能に加えて、電極層を
形成するカーボン等の結合材としての作用をも、形状保
持体にもたせることができる。それゆえ、形状保持体と
しての樹脂の他に結合材を加える必要性が減り、形状保
持体以外には結合材をほとんどまたは全く必要としない
で電極層を形成することも可能になる。その結果、形状
保持体を付加するのに要する製造コストの増大がほとん
ど無くなる。
樹脂材料を選定すれば、形状保持体をもつ電極層または
固体高分子型電解質層は、樹脂のもつ優れた可塑性によ
って凹凸形状への成形時において優れた成形加工性が得
られる。第2に、樹脂材料からなる形状保持体が電極層
に含まれる構成では、形状保持機能に加えて、電極層を
形成するカーボン等の結合材としての作用をも、形状保
持体にもたせることができる。それゆえ、形状保持体と
しての樹脂の他に結合材を加える必要性が減り、形状保
持体以外には結合材をほとんどまたは全く必要としない
で電極層を形成することも可能になる。その結果、形状
保持体を付加するのに要する製造コストの増大がほとん
ど無くなる。
【0033】したがって本手段によれば、前述の第2手
段ないし第4手段の効果に加えて、良好な成形加工性が
得られ、さらに形状保持体が結合材として電極層に含ま
れる場合には、製造コストのいっそうの低減が得られる
という効果がある。なお、固体高分子型電解質層は通常
パーフルオロスルフォン酸ポリマからなるが、同ポリマ
の軟化温度は130℃程度である。それゆえ、形状保持
体を形成する樹脂に熱可塑性樹脂を採用する場合には、
上記軟化温度に近い軟化温度をもつ熱可塑性樹脂を採用
することが望ましい。
段ないし第4手段の効果に加えて、良好な成形加工性が
得られ、さらに形状保持体が結合材として電極層に含ま
れる場合には、製造コストのいっそうの低減が得られる
という効果がある。なお、固体高分子型電解質層は通常
パーフルオロスルフォン酸ポリマからなるが、同ポリマ
の軟化温度は130℃程度である。それゆえ、形状保持
体を形成する樹脂に熱可塑性樹脂を採用する場合には、
上記軟化温度に近い軟化温度をもつ熱可塑性樹脂を採用
することが望ましい。
【0034】また、パーフルオロスルフォン酸ポリマ
は、百数十℃程度の耐熱温度にまで加熱されると電解質
としての特性が劣化することが知られている。それゆ
え、形状保持体の材料として熱可塑性樹脂を採用する場
合には、その軟化温度は上記耐熱温度未満であることが
望ましい。同様の理由で、形状保持体の材料として熱硬
化性樹脂を採用する場合には、同熱硬化性樹脂の硬化温
度は上記耐熱温度未満であることが望ましい。
は、百数十℃程度の耐熱温度にまで加熱されると電解質
としての特性が劣化することが知られている。それゆ
え、形状保持体の材料として熱可塑性樹脂を採用する場
合には、その軟化温度は上記耐熱温度未満であることが
望ましい。同様の理由で、形状保持体の材料として熱硬
化性樹脂を採用する場合には、同熱硬化性樹脂の硬化温
度は上記耐熱温度未満であることが望ましい。
【0035】(第7手段)本発明の第7手段は、請求項
7記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、発
電層が成形される凹凸形状は、波板形状、三浦折りによ
る三次元波板形状、および凹部と凸部とが互いに隣り合
って三角形または四角形の網目状に配設された網目状凹
凸形状のうちいずれかである。
7記載の固体高分子型燃料電池である。本手段では、発
電層が成形される凹凸形状は、波板形状、三浦折りによ
る三次元波板形状、および凹部と凸部とが互いに隣り合
って三角形または四角形の網目状に配設された網目状凹
凸形状のうちいずれかである。
【0036】第1に、凹凸形状が波板形状である場合に
は、発電層に伸縮性がほとんど無い場合にも容易に凹凸
形状への成形加工ができるので、成形加工に要する製造
コストが最も低廉である。したがってこの場合には、極
めて安価に製造コストを抑制できるだけではなく、発電
層に伸縮性がほとんど無い場合にも適用可能であるとい
う効果がある。
は、発電層に伸縮性がほとんど無い場合にも容易に凹凸
形状への成形加工ができるので、成形加工に要する製造
コストが最も低廉である。したがってこの場合には、極
めて安価に製造コストを抑制できるだけではなく、発電
層に伸縮性がほとんど無い場合にも適用可能であるとい
う効果がある。
【0037】第2に、凹凸形状が三浦折りによる三次元
波板形状である場合には、発電層が面内方向の全て(つ
まり縦横両方向)について圧縮されるので、前述の波板
形状である場合に比較しても、単位体積当たりの発電層
の表面積が飛躍的に増大する。その結果、固体高分子型
燃料電池の単位体積当たりの発電能力が、たとえば一桁
程度などと飛躍的に増大する。
波板形状である場合には、発電層が面内方向の全て(つ
まり縦横両方向)について圧縮されるので、前述の波板
形状である場合に比較しても、単位体積当たりの発電層
の表面積が飛躍的に増大する。その結果、固体高分子型
燃料電池の単位体積当たりの発電能力が、たとえば一桁
程度などと飛躍的に増大する。
【0038】また、燃料ガスの流路(燃料ガス室)およ
び酸化性ガスの流路(酸化性ガス室)が、ジグザクに葛
籠(つづら)折れ形状をしているので、通常は層流であ
る燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れが乱され、乱
流が発生しやすくなる。それゆえ、発電層の両電極層の
各表面に、常に新鮮な燃料ガスおよび酸化性ガスが接触
するようになるので、発電能力がさらに向上する。
び酸化性ガスの流路(酸化性ガス室)が、ジグザクに葛
籠(つづら)折れ形状をしているので、通常は層流であ
る燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れが乱され、乱
流が発生しやすくなる。それゆえ、発電層の両電極層の
各表面に、常に新鮮な燃料ガスおよび酸化性ガスが接触
するようになるので、発電能力がさらに向上する。
【0039】したがってこの場合には、固体高分子型燃
料電池の単位体積当たりの発電能力が、飛躍的に増大す
るという効果がある。そればかりではなく、三浦折りに
よる三次元波板形状には、発電層の伸縮変形が要求され
ないので、発電層に伸縮性がほとんど無い場合にも容易
に凹凸形状への成形加工ができるという効果もある。
料電池の単位体積当たりの発電能力が、飛躍的に増大す
るという効果がある。そればかりではなく、三浦折りに
よる三次元波板形状には、発電層の伸縮変形が要求され
ないので、発電層に伸縮性がほとんど無い場合にも容易
に凹凸形状への成形加工ができるという効果もある。
【0040】さらに、三浦折りによる三次元波板形状
は、両側の隔壁部材からの圧縮圧力に対して極めて挫屈
しにくいので、構造強度および剛性が大きく向上する。
それゆえ、隔壁部材に補強リブ等を付けて補強する必要
はなくなり、隔壁部材は平板であっても十分な剛性強度
が得られるので、隔壁部材の製造コストを低減すること
が可能になるという効果もある。
は、両側の隔壁部材からの圧縮圧力に対して極めて挫屈
しにくいので、構造強度および剛性が大きく向上する。
それゆえ、隔壁部材に補強リブ等を付けて補強する必要
はなくなり、隔壁部材は平板であっても十分な剛性強度
が得られるので、隔壁部材の製造コストを低減すること
が可能になるという効果もある。
【0041】第3に、凹凸形状が網目状凹凸形状である
場合には、単に単位投影面積当たりの発電層の表面積
(反応面積)が増大するというだけではなく、燃料ガス
および酸化性ガスの流路の方向が一意に決まってはいな
い。すなわち、両ガスの流れ方向を互いに任意の方向に
設定することができるので、燃料ガスと酸化性ガスとを
互いに直交する方向に流すことができる。そうすれば、
固体高分子型燃料電池の外縁部での燃料ガスの流路と酸
化性ガスの流路とを分けて作ることができるので、固体
高分子型燃料電池のシステムとしての流路構成が単純に
なる。この利点に関しては、凹凸形状が三角形の網目状
であっても四角形の網目状であっても、変わるところは
ない。
場合には、単に単位投影面積当たりの発電層の表面積
(反応面積)が増大するというだけではなく、燃料ガス
および酸化性ガスの流路の方向が一意に決まってはいな
い。すなわち、両ガスの流れ方向を互いに任意の方向に
設定することができるので、燃料ガスと酸化性ガスとを
互いに直交する方向に流すことができる。そうすれば、
固体高分子型燃料電池の外縁部での燃料ガスの流路と酸
化性ガスの流路とを分けて作ることができるので、固体
高分子型燃料電池のシステムとしての流路構成が単純に
なる。この利点に関しては、凹凸形状が三角形の網目状
であっても四角形の網目状であっても、変わるところは
ない。
【0042】したがってこの場合には、固体高分子型燃
料電池システムの製作が容易かつ安価になるという効果
がある。
料電池システムの製作が容易かつ安価になるという効果
がある。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の固体高分子型燃料電池の
実施の形態については、当業者に実施可能な理解が得ら
れるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。 [実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての固体高分
子型燃料電池は、図1に示すように、固体高分子型電解
質層2と、触媒層31,32を含む電極層41,42
と、金属網51,52とからなる発電層1を有する。本
実施例の固体高分子型燃料電池はさらに、各電極層4
1,42に対向して、各電極層41,42および金属網
51,52との間にそれぞれ燃料ガス室10および酸化
性ガス室20を形成する隔壁部材としてのセパレータ6
1,62を有する。
実施の形態については、当業者に実施可能な理解が得ら
れるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。 [実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての固体高分
子型燃料電池は、図1に示すように、固体高分子型電解
質層2と、触媒層31,32を含む電極層41,42
と、金属網51,52とからなる発電層1を有する。本
実施例の固体高分子型燃料電池はさらに、各電極層4
1,42に対向して、各電極層41,42および金属網
51,52との間にそれぞれ燃料ガス室10および酸化
性ガス室20を形成する隔壁部材としてのセパレータ6
1,62を有する。
【0044】固体高分子型電解質層2は、正の電荷をも
つ水素イオン(プロトン)を透過するフィルム状のプロ
トン伝導性樹脂(プロトン交換樹脂)であるパーフルオ
ロスルフォン酸ポリマの薄膜である。参考までに書き添
えると、この樹脂膜には、たとえばデュポン社からナフ
ィオンという商品名で市販されているものを使用するこ
とができる。パーフルオロスルフォン酸ポリマの薄膜
は、適度の水分含有状態でプロトン伝導性を発現するの
で、通常は外部から水蒸気が供給されて水分が保持され
る。しかし、本実施例の固体高分子型燃料電池では発電
反応の過程で水分が生じるので、特別に外部から固体高
分子型電解質層2に水蒸気が供給される必要はない。
つ水素イオン(プロトン)を透過するフィルム状のプロ
トン伝導性樹脂(プロトン交換樹脂)であるパーフルオ
ロスルフォン酸ポリマの薄膜である。参考までに書き添
えると、この樹脂膜には、たとえばデュポン社からナフ
ィオンという商品名で市販されているものを使用するこ
とができる。パーフルオロスルフォン酸ポリマの薄膜
は、適度の水分含有状態でプロトン伝導性を発現するの
で、通常は外部から水蒸気が供給されて水分が保持され
る。しかし、本実施例の固体高分子型燃料電池では発電
反応の過程で水分が生じるので、特別に外部から固体高
分子型電解質層2に水蒸気が供給される必要はない。
【0045】固体高分子型電解質層2の膜厚は、電池の
内部抵抗の低減になるので薄い方が望ましいが、あまり
薄すぎると力学的な強度が低下して製造加工中や運用作
動中に膜が破損する恐れが生じるので、強度保持上の要
求から適度な厚さが必要である。そこで通常の固体高分
子型燃料電池では、固体高分子型電解質層2の膜厚は約
50μmから百数十μmであるので、本実施例の固体高
分子型電解質層2の膜厚は、100μmとした。
内部抵抗の低減になるので薄い方が望ましいが、あまり
薄すぎると力学的な強度が低下して製造加工中や運用作
動中に膜が破損する恐れが生じるので、強度保持上の要
求から適度な厚さが必要である。そこで通常の固体高分
子型燃料電池では、固体高分子型電解質層2の膜厚は約
50μmから百数十μmであるので、本実施例の固体高
分子型電解質層2の膜厚は、100μmとした。
【0046】触媒層31,32は、固体高分子型電解質
層2の両側の表面に塗布されて形成された薄膜状の層で
ある。本実施例では、触媒層31,32は次のようにし
て形成されている。すなわち、先ず、主として白金もし
くはその合金系の触媒をカーボンブラックの表面に担持
させた微粒子と、パーフルオロスルフォン酸からなる電
解質とを、アルコール系溶媒にそれぞれ分散および溶解
させたものを混合し、インク状(すなわちスラリー状な
いしペースト状)の混合物を用意する。次に、その混合
物を使用して、固体高分子型電解質層2の両面に触媒層
31,32を形成する。触媒層31,32の形成は、ス
クリーン印刷等の方法による直接塗布あるいは転写等の
間接塗布による。
層2の両側の表面に塗布されて形成された薄膜状の層で
ある。本実施例では、触媒層31,32は次のようにし
て形成されている。すなわち、先ず、主として白金もし
くはその合金系の触媒をカーボンブラックの表面に担持
させた微粒子と、パーフルオロスルフォン酸からなる電
解質とを、アルコール系溶媒にそれぞれ分散および溶解
させたものを混合し、インク状(すなわちスラリー状な
いしペースト状)の混合物を用意する。次に、その混合
物を使用して、固体高分子型電解質層2の両面に触媒層
31,32を形成する。触媒層31,32の形成は、ス
クリーン印刷等の方法による直接塗布あるいは転写等の
間接塗布による。
【0047】触媒層31,32の厚さは、通常は数μm
から数十μmであり、本実施例では、反応ガスの拡散に
制約されて実際に有効に反応に寄与する部分は数μmの
範囲という観点から、最適である平均10μm程度に設
定されている。それゆえ、触媒層31,32は、力学的
な強度については、主に固体高分子型電解質層2に依存
している。触媒層31,32は、固体高分子型電解質層
2よりも厚さが一桁薄い薄膜であり、カーボンブラック
の微粒子の表面に触媒の金属(白金またはその合金)が
担持された多孔質の薄膜である。それゆえ、燃料ガスお
よび酸化性ガスは、それぞれ触媒層31,32の内部に
浸入することができ、発電反応が起きるようになってい
る。
から数十μmであり、本実施例では、反応ガスの拡散に
制約されて実際に有効に反応に寄与する部分は数μmの
範囲という観点から、最適である平均10μm程度に設
定されている。それゆえ、触媒層31,32は、力学的
な強度については、主に固体高分子型電解質層2に依存
している。触媒層31,32は、固体高分子型電解質層
2よりも厚さが一桁薄い薄膜であり、カーボンブラック
の微粒子の表面に触媒の金属(白金またはその合金)が
担持された多孔質の薄膜である。それゆえ、燃料ガスお
よび酸化性ガスは、それぞれ触媒層31,32の内部に
浸入することができ、発電反応が起きるようになってい
る。
【0048】両触媒層31,32を形成する際に、燃料
ガスと接触する触媒層31と、酸化性ガスに接触する触
媒層32とを、若干組成を変えて電極効率(発電反応の
効率)が大きくなるように最適化することもできる。具
体的には、燃料ガスと接触する触媒層31は、加湿用の
水蒸気との接触面積が大きくなるようにする。一方、酸
化性ガスに接触する触媒層32は、酸化性ガス(酸素)
の拡散を良好にして生成水の排水が容易になるような構
造にする。
ガスと接触する触媒層31と、酸化性ガスに接触する触
媒層32とを、若干組成を変えて電極効率(発電反応の
効率)が大きくなるように最適化することもできる。具
体的には、燃料ガスと接触する触媒層31は、加湿用の
水蒸気との接触面積が大きくなるようにする。一方、酸
化性ガスに接触する触媒層32は、酸化性ガス(酸素)
の拡散を良好にして生成水の排水が容易になるような構
造にする。
【0049】なお、カーボンが基材として使用されてお
り、導電性であるという点で触媒層31,32と後述の
電極層41,42とは共通する。それゆえ、本明細書中
では、触媒層31,32は、電極層41,42の一部と
して電極層41,42に含まれるものと定義する。触媒
層31,32を除く電極層41,42は、両面に触媒層
31,32が形成されている固体高分子型電解質層2に
接合し、固体高分子型電解質層2を両側から挟持する正
負二層の導電性の多孔質層である。触媒層31,32を
除く電極層41,42の厚さは、いずれも100〜40
0μm程度である。
り、導電性であるという点で触媒層31,32と後述の
電極層41,42とは共通する。それゆえ、本明細書中
では、触媒層31,32は、電極層41,42の一部と
して電極層41,42に含まれるものと定義する。触媒
層31,32を除く電極層41,42は、両面に触媒層
31,32が形成されている固体高分子型電解質層2に
接合し、固体高分子型電解質層2を両側から挟持する正
負二層の導電性の多孔質層である。触媒層31,32を
除く電極層41,42の厚さは、いずれも100〜40
0μm程度である。
【0050】触媒層31,32を除く電極層41,42
は、燃料ガスおよび酸化性ガスが容易に触媒層31,3
2に浸透していくことができるように、ガス透過性に優
れている必要がある。さらに、導電層としての作用を果
たすために、電子伝導性にも優れている必要がある。そ
こで、触媒層31,32を除く電極層41,42は、カ
ーボン短繊維と結着剤と分散媒体とを混合してペースト
状にした混合体を、触媒層31,32の表面にブレード
法により塗布した後、乾燥させて分散媒体を除去して形
成される。
は、燃料ガスおよび酸化性ガスが容易に触媒層31,3
2に浸透していくことができるように、ガス透過性に優
れている必要がある。さらに、導電層としての作用を果
たすために、電子伝導性にも優れている必要がある。そ
こで、触媒層31,32を除く電極層41,42は、カ
ーボン短繊維と結着剤と分散媒体とを混合してペースト
状にした混合体を、触媒層31,32の表面にブレード
法により塗布した後、乾燥させて分散媒体を除去して形
成される。
【0051】ここで、カーボン短繊維はあまり長いと後
で凹凸形状に成形加工する際に障害になるので、適度な
長さであることが望ましく、本実施例では長さが十数μ
m程度で長短軸比が1:5〜20程度のカーボン短繊維
を採用している。また、結着剤としてはディスパーショ
ンタイプと溶解タイプとのいずれも使用可能であるが、
本実施例ではディスパーションタイプのアクリルエマル
ジョン系の結着剤を採用している。それゆえ、分散媒体
として水を採用しているが、乾燥後に結着剤が水分に再
溶解しないので、触媒層31,32を除く電極層41,
42は安定に形成される。なお、カーボン短繊維と結着
剤と分散媒体との混合比率は、重量比でおおよそ95:
5:100である。この混合比率は、塗布時の作業性や
乾燥後の空隙状態を考慮して設定されるが、カーボン短
繊維および結着剤の形状および大きさによって、同じ混
合比率でも電極層41,42の特性が影響を受ける。そ
れゆえ、上記混合比率の数字は、一応の目安を示すもの
であり、最終的には実際の試験結果による調整が必要で
ある。
で凹凸形状に成形加工する際に障害になるので、適度な
長さであることが望ましく、本実施例では長さが十数μ
m程度で長短軸比が1:5〜20程度のカーボン短繊維
を採用している。また、結着剤としてはディスパーショ
ンタイプと溶解タイプとのいずれも使用可能であるが、
本実施例ではディスパーションタイプのアクリルエマル
ジョン系の結着剤を採用している。それゆえ、分散媒体
として水を採用しているが、乾燥後に結着剤が水分に再
溶解しないので、触媒層31,32を除く電極層41,
42は安定に形成される。なお、カーボン短繊維と結着
剤と分散媒体との混合比率は、重量比でおおよそ95:
5:100である。この混合比率は、塗布時の作業性や
乾燥後の空隙状態を考慮して設定されるが、カーボン短
繊維および結着剤の形状および大きさによって、同じ混
合比率でも電極層41,42の特性が影響を受ける。そ
れゆえ、上記混合比率の数字は、一応の目安を示すもの
であり、最終的には実際の試験結果による調整が必要で
ある。
【0052】一般的な傾向としては、カーボン短繊維の
比率を増加させると、対応して結着剤の量をも増加させ
ないと電極層41,42の強度が低下し、電極層41,
42の材料の剥離の恐れが生じることもある。逆に、結
着剤の量が多いと、電子伝導性が低下してしまう上に、
触媒層31,32を過剰に被覆してしまいガスとの接触
を妨げる恐れがある。また、分散媒体が少なすぎると、
混合物の流動性が低下するので、塗布作業の作業性や乾
燥後の表面性状が劣悪になる傾向にある(そこで別体に
触媒層31,32を除く電極層41,42を作製してお
き、接着や熱プレス等の方法により、触媒層31,32
の表面に接合しても良い)。それゆえ、上記混合比率
は、適正に設定される必要がある。
比率を増加させると、対応して結着剤の量をも増加させ
ないと電極層41,42の強度が低下し、電極層41,
42の材料の剥離の恐れが生じることもある。逆に、結
着剤の量が多いと、電子伝導性が低下してしまう上に、
触媒層31,32を過剰に被覆してしまいガスとの接触
を妨げる恐れがある。また、分散媒体が少なすぎると、
混合物の流動性が低下するので、塗布作業の作業性や乾
燥後の表面性状が劣悪になる傾向にある(そこで別体に
触媒層31,32を除く電極層41,42を作製してお
き、接着や熱プレス等の方法により、触媒層31,32
の表面に接合しても良い)。それゆえ、上記混合比率
は、適正に設定される必要がある。
【0053】さらに、分散媒体である水の中にカーボン
短繊維を良好に分散させるために、界面活性剤を水中に
溶解させておくことが望ましい。ただし、電極層41,
42に残留する界面活性剤が電池性能に悪影響を及ぼす
ことがないようにする必要があるので、本実施例では界
面活性剤として非イオン系活性剤を採用しており、上記
混合物に対し0.2重量%程度添加している。
短繊維を良好に分散させるために、界面活性剤を水中に
溶解させておくことが望ましい。ただし、電極層41,
42に残留する界面活性剤が電池性能に悪影響を及ぼす
ことがないようにする必要があるので、本実施例では界
面活性剤として非イオン系活性剤を採用しており、上記
混合物に対し0.2重量%程度添加している。
【0054】なお、結着剤に溶解タイプのポリフッ化ビ
ニリデンやスチレン系の結着剤を採用した場合には、分
散媒体として有機溶剤を使用することが一般的である
が、使用する結着剤の種類によっては分散媒体に水を使
用することも可能である。本実施例では、以上の触媒層
31,32を除く電極層41,42の厚さは、50〜1
00μm程度に形成されている。電極層41,42をこ
のように薄く形成したのは、次に述べる金属網51,5
2によって形状保持機能が担われるので、電極層41,
42に形状保持機能が要求されないからである。
ニリデンやスチレン系の結着剤を採用した場合には、分
散媒体として有機溶剤を使用することが一般的である
が、使用する結着剤の種類によっては分散媒体に水を使
用することも可能である。本実施例では、以上の触媒層
31,32を除く電極層41,42の厚さは、50〜1
00μm程度に形成されている。電極層41,42をこ
のように薄く形成したのは、次に述べる金属網51,5
2によって形状保持機能が担われるので、電極層41,
42に形状保持機能が要求されないからである。
【0055】金属網51,52は、線径100μmのS
US316ステンレス鋼からなる目の粗い金網であっ
て、金属網51,52を形成するステンレス鋼線の間隔
は、100〜400μm程度である。金属網51,52
は、形状保持体としての作用をもち、両電極層41,4
2の表面に熱圧着により一体的に接合されている。この
際、電極層41,42の結着剤が、各金属網51,52
と各電極層41,42との接着剤の役目を果たし、両電
極層41,42の両面にそれぞれ金属網51,52を保
持している。
US316ステンレス鋼からなる目の粗い金網であっ
て、金属網51,52を形成するステンレス鋼線の間隔
は、100〜400μm程度である。金属網51,52
は、形状保持体としての作用をもち、両電極層41,4
2の表面に熱圧着により一体的に接合されている。この
際、電極層41,42の結着剤が、各金属網51,52
と各電極層41,42との接着剤の役目を果たし、両電
極層41,42の両面にそれぞれ金属網51,52を保
持している。
【0056】なお、電極層41,42に対する金属網5
1,52の接合力が不足する場合には、金属網51,5
2の電極層41,42と接合する側に、上記結着剤を塗
布しておくと十分な接合力が得られる。ただし、結着剤
が金属網51,52の目の間に膜を形成してしまわない
ように注意して塗布することが必要で、膜を形成するよ
うであれば空気等を通して膜を吹き破っておくと良い。
1,52の接合力が不足する場合には、金属網51,5
2の電極層41,42と接合する側に、上記結着剤を塗
布しておくと十分な接合力が得られる。ただし、結着剤
が金属網51,52の目の間に膜を形成してしまわない
ように注意して塗布することが必要で、膜を形成するよ
うであれば空気等を通して膜を吹き破っておくと良い。
【0057】以上のようにして、固体高分子型電解質層
2と、触媒層31,32を含む電極層41,42と、金
属網51,52とからなる発電層1が形成される。しか
る後、発電層1は歯車状の一対の加熱ロールに巻き込ま
れ、波板形状の凹凸形状(コルゲート形状)に加熱成形
される。なお、金属網51,52の熱プレスによる電極
層41,42への接合と、波板形状の凹凸形状への加熱
プレスによる成形加工とを、上記過熱ロールまたは対向
する二つの金型によって同時に行うことも可能である。
2と、触媒層31,32を含む電極層41,42と、金
属網51,52とからなる発電層1が形成される。しか
る後、発電層1は歯車状の一対の加熱ロールに巻き込ま
れ、波板形状の凹凸形状(コルゲート形状)に加熱成形
される。なお、金属網51,52の熱プレスによる電極
層41,42への接合と、波板形状の凹凸形状への加熱
プレスによる成形加工とを、上記過熱ロールまたは対向
する二つの金型によって同時に行うことも可能である。
【0058】すなわち、固体高分子型電解質層2および
両電電極層41,42を含む発電層1は、波板状の凹凸
形状に成形されており、かつ、この凹凸形状を保持する
剛性をもつ形状保持体としての金属網51,52を有す
る。それゆえ、従来技術の燃料電池と異なり、凹凸形状
を保持するために、セパレータ61,62に特別な表面
形状を与えたり、多孔質の凹凸形状保持部材を発電層1
とセパレータ61,62との間に挟持したりする必要が
ない。
両電電極層41,42を含む発電層1は、波板状の凹凸
形状に成形されており、かつ、この凹凸形状を保持する
剛性をもつ形状保持体としての金属網51,52を有す
る。それゆえ、従来技術の燃料電池と異なり、凹凸形状
を保持するために、セパレータ61,62に特別な表面
形状を与えたり、多孔質の凹凸形状保持部材を発電層1
とセパレータ61,62との間に挟持したりする必要が
ない。
【0059】ここで、例えば凹凸形状の頂角が60度で
あるように発電層1を成形すれば、セパレータ61,6
2が形成する底辺に対して同一の長さの発電層1の二辺
が形成されるので、平板形状の発電層1に対して二倍の
発電能力が得られる。なお、セパレータ61,62の間
隔に相当する凹凸形状の発電層1の厚さは、1〜2mm
程度であり、発電層1の一辺は1.2〜2.3mm程度
である。
あるように発電層1を成形すれば、セパレータ61,6
2が形成する底辺に対して同一の長さの発電層1の二辺
が形成されるので、平板形状の発電層1に対して二倍の
発電能力が得られる。なお、セパレータ61,62の間
隔に相当する凹凸形状の発電層1の厚さは、1〜2mm
程度であり、発電層1の一辺は1.2〜2.3mm程度
である。
【0060】隔壁部材であるセパレータ61,62は、
各電極層41,42との間にそれぞれ、水素ガスを含む
改質ガス等の燃料ガスが流通する燃料ガス室10と、酸
素を含む空気等の酸化性ガスが流通する酸化性ガス室2
0を形成する。セパレータ61,62は、SUS316
ステンレス鋼の平板から形成されており、耐腐食性が高
いので耐久性に優れ、コスト的にも低廉であって有利で
ある。ここで、セパレータ61,62において酸化性ガ
ス側で耐腐食性が不足する場合には、酸化性ガスと接触
する側だけまたは両面に、ごく薄く金メッキを施してお
くと良い。
各電極層41,42との間にそれぞれ、水素ガスを含む
改質ガス等の燃料ガスが流通する燃料ガス室10と、酸
素を含む空気等の酸化性ガスが流通する酸化性ガス室2
0を形成する。セパレータ61,62は、SUS316
ステンレス鋼の平板から形成されており、耐腐食性が高
いので耐久性に優れ、コスト的にも低廉であって有利で
ある。ここで、セパレータ61,62において酸化性ガ
ス側で耐腐食性が不足する場合には、酸化性ガスと接触
する側だけまたは両面に、ごく薄く金メッキを施してお
くと良い。
【0061】なお、セパレータ61,62の材料には、
現在通常はガス不透過処理を施したカーボン材が使用さ
れているが、材料費が高価であるので、本実施例では材
料費が低廉であるステンレス鋼板を採用した。また、セ
パレータ61,62には、通常の燃料電池や従来技術の
燃料電池と異なって、多数の溝を平行に形成する必要が
なく、平板のまま使用できるので、セパレータ61,6
2の加工費も低廉である。
現在通常はガス不透過処理を施したカーボン材が使用さ
れているが、材料費が高価であるので、本実施例では材
料費が低廉であるステンレス鋼板を採用した。また、セ
パレータ61,62には、通常の燃料電池や従来技術の
燃料電池と異なって、多数の溝を平行に形成する必要が
なく、平板のまま使用できるので、セパレータ61,6
2の加工費も低廉である。
【0062】隔壁部材であるセパレータ61,62は、
それぞれ各電極層41,42を覆う金属網51,52に
接触して発電層1を挟持し、一つの単セル(単位電池)
を形成する。セパレータ61,62が発電層1を挟持す
る際には、その外縁部で二種類のガスが混ざらないよう
にするガスシール部材や、セパレータ61,62の間隔
を調整するためのスペーサ部材等が使用される。また、
ガスの供給・排出用の各配管や、発電された電力の取り
出し用の電気接続端子などが取り付けられ、セパレータ
61,62および各部材を固定し、各単セルを所定位置
に固定するためのボルト・ナットなどの接合手段も使用
される。
それぞれ各電極層41,42を覆う金属網51,52に
接触して発電層1を挟持し、一つの単セル(単位電池)
を形成する。セパレータ61,62が発電層1を挟持す
る際には、その外縁部で二種類のガスが混ざらないよう
にするガスシール部材や、セパレータ61,62の間隔
を調整するためのスペーサ部材等が使用される。また、
ガスの供給・排出用の各配管や、発電された電力の取り
出し用の電気接続端子などが取り付けられ、セパレータ
61,62および各部材を固定し、各単セルを所定位置
に固定するためのボルト・ナットなどの接合手段も使用
される。
【0063】前述のようにして組み立てられた固体高分
子型燃料電池の単セルは、一枚では発生電圧が1Vにも
及ばないほど低いので、必要とされる電圧を生じるだけ
の枚数の単セルが直列に積層されて使用される。このよ
うに複数の単セルが積層される際に、互いに隣り合う単
セルは、セパレータ61,62を互いに共有して小型軽
量化と内部抵抗の低減とが図られる。
子型燃料電池の単セルは、一枚では発生電圧が1Vにも
及ばないほど低いので、必要とされる電圧を生じるだけ
の枚数の単セルが直列に積層されて使用される。このよ
うに複数の単セルが積層される際に、互いに隣り合う単
セルは、セパレータ61,62を互いに共有して小型軽
量化と内部抵抗の低減とが図られる。
【0064】(実施例1の作用効果)本実施例の固体高
分子型燃料電池は、以上のように構成されているので、
以下のような作用効果を発揮する。先ず、本実施例の固
体高分子型燃料電池を運転するには、燃料ガス室10に
天然ガス等を改質して水素ガスの含有量を増やした燃料
ガスを吹き込み、酸化性ガス室20に酸素を含んだ空気
である酸化性ガスを吹き込む。その際、発電層1が常温
であっては発電反応があまり進まないので、発電層1の
温度を80℃程度に昇温する目的で、ある程度加熱昇温
された燃料ガスおよび酸化性ガスが吹き込まれる。
分子型燃料電池は、以上のように構成されているので、
以下のような作用効果を発揮する。先ず、本実施例の固
体高分子型燃料電池を運転するには、燃料ガス室10に
天然ガス等を改質して水素ガスの含有量を増やした燃料
ガスを吹き込み、酸化性ガス室20に酸素を含んだ空気
である酸化性ガスを吹き込む。その際、発電層1が常温
であっては発電反応があまり進まないので、発電層1の
温度を80℃程度に昇温する目的で、ある程度加熱昇温
された燃料ガスおよび酸化性ガスが吹き込まれる。
【0065】燃料ガス室10に吹き込まれた燃料ガス
は、金属網51の網目の間および多孔質の電極層41を
通って、拡散しながら燃料極である触媒層31に達し、
触媒層31でプロトンと電子とに分解される(H2 →2
H+ +2e- )。触媒層31で生じたプロトン(H+ )
は、イオン透過作用をもつ固体高分子型電解質層2を透
過して、反対側の空気極である触媒層32に達する。一
方、触媒層32には、金属網52および電極層42を通
じて拡散しながら空気極である触媒層32に酸素が達し
ており、この酸素とプロトンとが化合して水が生成さ
れ、その際電子が吸収される(1/2O2 +2H+ +2
e- →H2O)。ちなみに、固体高分子型燃料電池で起
こる全反応は、酸素と水素とから水が合成される反応
(H2 +1/2O2 →H2O)であり、固体高分子型電
解質層2に適当な水分が供給されるとともに、酸化性ガ
ス室20からは水蒸気を含む排気ガスが排出される。
は、金属網51の網目の間および多孔質の電極層41を
通って、拡散しながら燃料極である触媒層31に達し、
触媒層31でプロトンと電子とに分解される(H2 →2
H+ +2e- )。触媒層31で生じたプロトン(H+ )
は、イオン透過作用をもつ固体高分子型電解質層2を透
過して、反対側の空気極である触媒層32に達する。一
方、触媒層32には、金属網52および電極層42を通
じて拡散しながら空気極である触媒層32に酸素が達し
ており、この酸素とプロトンとが化合して水が生成さ
れ、その際電子が吸収される(1/2O2 +2H+ +2
e- →H2O)。ちなみに、固体高分子型燃料電池で起
こる全反応は、酸素と水素とから水が合成される反応
(H2 +1/2O2 →H2O)であり、固体高分子型電
解質層2に適当な水分が供給されるとともに、酸化性ガ
ス室20からは水蒸気を含む排気ガスが排出される。
【0066】それゆえ、触媒層31からは電子が流出
し、電極層41および金属網51を順に介してセパレー
タ61から所定の電圧で出力される。そして逆に、触媒
層32には、セパレータ62から金属網52および電極
層42を順に介して、電子が流入する。その結果、セパ
レータ62からセパレータ61へ向かって所定の電圧で
電流が取り出され、固体高分子型燃料電池は発電作用を
発揮するに至る。
し、電極層41および金属網51を順に介してセパレー
タ61から所定の電圧で出力される。そして逆に、触媒
層32には、セパレータ62から金属網52および電極
層42を順に介して、電子が流入する。その結果、セパ
レータ62からセパレータ61へ向かって所定の電圧で
電流が取り出され、固体高分子型燃料電池は発電作用を
発揮するに至る。
【0067】本実施例の固体高分子型燃料電池により得
られる効果には、大きく分けて次の二つがある。先ず第
1の効果は、単位体積あたりの発電出力の増大であり、
換言すれば固体高分子型燃料電池の小型軽量化である。
次に第2の効果は、固体高分子型燃料電池の製造コスト
の低廉化である。すなわち、本実施例の固体高分子型燃
料電池では、固体高分子型電解質層2および触媒層3
1,32を含む電極層41,42からなる発電層1は、
凹凸形状に成形されており、かつ、この凹凸形状を保持
する剛性をもつ形状保持体としての金属網51,52を
有する。それゆえ、隔壁部材であるセパレータ61,6
2に突条等の凹凸形状保持構造物が形成されていなくて
も、発電層1の凹凸形状は、発電層2が有する形状保持
体である金属網51,52の剛性、すなわち発電層1自
体のもつ剛性によって、製造過程で成形された通りの凹
凸形状に保たれる。
られる効果には、大きく分けて次の二つがある。先ず第
1の効果は、単位体積あたりの発電出力の増大であり、
換言すれば固体高分子型燃料電池の小型軽量化である。
次に第2の効果は、固体高分子型燃料電池の製造コスト
の低廉化である。すなわち、本実施例の固体高分子型燃
料電池では、固体高分子型電解質層2および触媒層3
1,32を含む電極層41,42からなる発電層1は、
凹凸形状に成形されており、かつ、この凹凸形状を保持
する剛性をもつ形状保持体としての金属網51,52を
有する。それゆえ、隔壁部材であるセパレータ61,6
2に突条等の凹凸形状保持構造物が形成されていなくて
も、発電層1の凹凸形状は、発電層2が有する形状保持
体である金属網51,52の剛性、すなわち発電層1自
体のもつ剛性によって、製造過程で成形された通りの凹
凸形状に保たれる。
【0068】その結果、前述の従来技術とは異なり、隔
壁部材であるセパレータ61,62に発電層1の凹凸形
状を保持するための突条を設けたり、発電層1を両側か
ら挟持してその凹凸形状を保持する多孔質の形状保持部
材を設けたりする必要がなくなり、コストダウンにな
る。また、隔壁部材であるセパレータ61,62の突条
によって流路が狭められたり、多孔質の形状保持部材に
よって発電層1と両ガスとの接触が少なくなったりし
て、発電層1の発電能力が低下してしまうこともないの
で、単位体積当たりの発電能力が向上する。
壁部材であるセパレータ61,62に発電層1の凹凸形
状を保持するための突条を設けたり、発電層1を両側か
ら挟持してその凹凸形状を保持する多孔質の形状保持部
材を設けたりする必要がなくなり、コストダウンにな
る。また、隔壁部材であるセパレータ61,62の突条
によって流路が狭められたり、多孔質の形状保持部材に
よって発電層1と両ガスとの接触が少なくなったりし
て、発電層1の発電能力が低下してしまうこともないの
で、単位体積当たりの発電能力が向上する。
【0069】また、発電層1は、前述のように波板状の
凹凸形状に形成されており、発電層1の面積(発電反応
面積)は、投影面積の二倍になっているので、通常の固
体高分子型燃料電池の二倍の単位体積当たりの発電能力
が得られる。ここで、波板状の凹凸形状に発電層1を形
成するのは、他の凹凸形状に発電層1を成形するのに比
べて容易であるからであり、他の凹凸形状に成形するよ
りも成形加工コストが低減されるという効果も得られ
る。
凹凸形状に形成されており、発電層1の面積(発電反応
面積)は、投影面積の二倍になっているので、通常の固
体高分子型燃料電池の二倍の単位体積当たりの発電能力
が得られる。ここで、波板状の凹凸形状に発電層1を形
成するのは、他の凹凸形状に発電層1を成形するのに比
べて容易であるからであり、他の凹凸形状に成形するよ
りも成形加工コストが低減されるという効果も得られ
る。
【0070】さらに、高い電気伝導率をもつ金属網5
1,52が電極層41,42の表面を覆っており、触媒
層31,32へ出入りする電子は、比較的電気伝導率が
低い電極層41,42の内部を長距離にわたって伝導さ
れる必要がない。すなわち、触媒層31,32は、最も
近傍にある金属網51,52の一部から、電気伝導率が
高い金属網51,52の内部を通って、セパレータ6
1,62にまで導通する。それゆえ、固体高分子型燃料
電池の内部抵抗が小さくなり、より効率的に電力が固体
高分子型燃料電池から取り出されるようになる。
1,52が電極層41,42の表面を覆っており、触媒
層31,32へ出入りする電子は、比較的電気伝導率が
低い電極層41,42の内部を長距離にわたって伝導さ
れる必要がない。すなわち、触媒層31,32は、最も
近傍にある金属網51,52の一部から、電気伝導率が
高い金属網51,52の内部を通って、セパレータ6
1,62にまで導通する。それゆえ、固体高分子型燃料
電池の内部抵抗が小さくなり、より効率的に電力が固体
高分子型燃料電池から取り出されるようになる。
【0071】したがって本実施例の固体高分子型燃料電
池によれば、単位体積当たりの発電能力がより高く、小
型軽量であるばかりでなく、製造コストがより安価にな
るという効果がある。 (実施例1の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、図2に示すように、形状保持体としての金属網51
は、両電極層41,42のうち燃料ガス室10側の電極
層41だけの表面に一体的に接合されている固体高分子
型燃料電池の実施が可能である。
池によれば、単位体積当たりの発電能力がより高く、小
型軽量であるばかりでなく、製造コストがより安価にな
るという効果がある。 (実施例1の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、図2に示すように、形状保持体としての金属網51
は、両電極層41,42のうち燃料ガス室10側の電極
層41だけの表面に一体的に接合されている固体高分子
型燃料電池の実施が可能である。
【0072】本変形態様では、厚さが50μmの電極層
41に対し、線径100μmの金属網51が熱プレスに
よりめり込んでいる。それゆえ、金属網51は電極層4
1の結着剤の接着作用により、電極層41に一体的に接
合されている。また、燃料ガス室10側の電極層41だ
けの表面に金属網51が接合されているので、酸化性ガ
スに曝される金属網がなく、金属網51の酸化腐食によ
る劣化の心配が少ない。それゆえ、金属網51の材料と
して、安価なステンレス鋼等を安心して使用することが
できる。さらに、酸化性ガス室20側の金属網52がな
いので、その分、製造コストを低減することができる。
41に対し、線径100μmの金属網51が熱プレスに
よりめり込んでいる。それゆえ、金属網51は電極層4
1の結着剤の接着作用により、電極層41に一体的に接
合されている。また、燃料ガス室10側の電極層41だ
けの表面に金属網51が接合されているので、酸化性ガ
スに曝される金属網がなく、金属網51の酸化腐食によ
る劣化の心配が少ない。それゆえ、金属網51の材料と
して、安価なステンレス鋼等を安心して使用することが
できる。さらに、酸化性ガス室20側の金属網52がな
いので、その分、製造コストを低減することができる。
【0073】したがって、本変形態様の固体高分子型燃
料電池によれば、前述の実施例1の効果をほぼ維持した
まま、さらに安価な製造コストと長寿命とを実現できる
という効果がある。 (実施例1の変形態様2)本実施例の変形態様2とし
て、発電層1の凹凸形状を実施例1の波板形状から変
え、図4および図5に示すように、発電層1の凹凸形状
は三浦折りによる三次元波板形状である固体高分子型燃
料電池の実施が可能である。
料電池によれば、前述の実施例1の効果をほぼ維持した
まま、さらに安価な製造コストと長寿命とを実現できる
という効果がある。 (実施例1の変形態様2)本実施例の変形態様2とし
て、発電層1の凹凸形状を実施例1の波板形状から変
え、図4および図5に示すように、発電層1の凹凸形状
は三浦折りによる三次元波板形状である固体高分子型燃
料電池の実施が可能である。
【0074】ここで、三浦折りとは、図3に展開図を示
すように、平面を互いに合同な平行四辺形の区画に分割
し、適正に山折りと谷折りとを繰り返すことにより、歪
みのしわ寄せを生じることなく三次元的に折り畳む平面
の折り畳み手段である。三浦折りによって折り畳まれた
平面は、その平面のうちどの区画を取っても等価であっ
て、通常の折り畳み方のように局部的に延びや圧縮が生
じることがない。ちなみに三浦折りは、文部省宇宙科学
研究所の三浦教授によって発案された平面の折り畳み方
であって、太陽電池パネルのように広い面積をもつ平面
形状の宇宙構造物を、打ち上げロケット先端のごく狭い
収容容積に折り畳んで収納する目的で使用されている。
すように、平面を互いに合同な平行四辺形の区画に分割
し、適正に山折りと谷折りとを繰り返すことにより、歪
みのしわ寄せを生じることなく三次元的に折り畳む平面
の折り畳み手段である。三浦折りによって折り畳まれた
平面は、その平面のうちどの区画を取っても等価であっ
て、通常の折り畳み方のように局部的に延びや圧縮が生
じることがない。ちなみに三浦折りは、文部省宇宙科学
研究所の三浦教授によって発案された平面の折り畳み方
であって、太陽電池パネルのように広い面積をもつ平面
形状の宇宙構造物を、打ち上げロケット先端のごく狭い
収容容積に折り畳んで収納する目的で使用されている。
【0075】本変形態様では、再び図4および図5に示
すように、燃料ガスおよび酸化性ガスの流路である燃料
ガス室10および酸化性ガス室20は、複雑な葛籠(つ
づら)折れ形状に折れ曲がっている。すなわち、展開図
である図3と、流路を残して折り畳まれた状態の平面図
である図4とを比べて分かるように、発電層1が縦にも
横にも圧縮されて投影面積が小さくなっている。たとえ
ば、縦の寸法が1/4に折り畳まれ、横の寸法が1/2
に折り畳まれているとすると、発電反応面積はそのまま
に投影面積が1/8に圧縮されることになる。
すように、燃料ガスおよび酸化性ガスの流路である燃料
ガス室10および酸化性ガス室20は、複雑な葛籠(つ
づら)折れ形状に折れ曲がっている。すなわち、展開図
である図3と、流路を残して折り畳まれた状態の平面図
である図4とを比べて分かるように、発電層1が縦にも
横にも圧縮されて投影面積が小さくなっている。たとえ
ば、縦の寸法が1/4に折り畳まれ、横の寸法が1/2
に折り畳まれているとすると、発電反応面積はそのまま
に投影面積が1/8に圧縮されることになる。
【0076】また、燃料ガスの流路(燃料ガス室10)
および酸化性ガスの流路(酸化性ガス室20)が、ジグ
ザクに葛籠(つづら)折れ形状をしているので、通常は
層流である燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れが乱
され、乱流が発生しやすくなる。それゆえ、発電層1の
両電極層41,42の各表面に、常に新鮮な燃料ガスお
よび酸化性ガスが接触するようになるので、発電能力が
さらに向上する。
および酸化性ガスの流路(酸化性ガス室20)が、ジグ
ザクに葛籠(つづら)折れ形状をしているので、通常は
層流である燃料ガスの流れおよび酸化性ガスの流れが乱
され、乱流が発生しやすくなる。それゆえ、発電層1の
両電極層41,42の各表面に、常に新鮮な燃料ガスお
よび酸化性ガスが接触するようになるので、発電能力が
さらに向上する。
【0077】したがって、本変形態様の固体高分子型燃
料電池によれば、単位体積当たりの発電能力が飛躍的に
増大し、約一桁の増大が見込まれるので、小型軽量化の
効果も非常に大きい。そればかりではなく、三浦折りに
よる三次元波板形状には、発電層1の伸縮変形が要求さ
れないので、発電層1に伸縮性がほとんど無い場合に
も、この種の凹凸形状への成形加工ができるという効果
もある。
料電池によれば、単位体積当たりの発電能力が飛躍的に
増大し、約一桁の増大が見込まれるので、小型軽量化の
効果も非常に大きい。そればかりではなく、三浦折りに
よる三次元波板形状には、発電層1の伸縮変形が要求さ
れないので、発電層1に伸縮性がほとんど無い場合に
も、この種の凹凸形状への成形加工ができるという効果
もある。
【0078】さらに、三浦折りによる三次元波板形状
は、再び図5に示すように、両側の隔壁部材であるセパ
レータ61,62からの圧縮圧力に対して極めて挫屈し
にくいので、構造強度および剛性が大きく向上する。そ
れゆえ、セパレータ61,62に補強リブ等を付けて補
強する必要はなくなり、セパレータ61,62は平板で
あっても十分な剛性強度が得られるので、セパレータ6
1,62の製造コストを低減することが可能になるとい
う効果もある。
は、再び図5に示すように、両側の隔壁部材であるセパ
レータ61,62からの圧縮圧力に対して極めて挫屈し
にくいので、構造強度および剛性が大きく向上する。そ
れゆえ、セパレータ61,62に補強リブ等を付けて補
強する必要はなくなり、セパレータ61,62は平板で
あっても十分な剛性強度が得られるので、セパレータ6
1,62の製造コストを低減することが可能になるとい
う効果もある。
【0079】(実施例1の変形態様3)本実施例の変形
態様3として、図6に示すように、実施例1において燃
料ガスおよび酸化性ガスのそれぞれの流路に沿って突起
部を有するセパレータ61’,62’を有する固体高分
子型燃料電池の実施も可能である。本変形態様におい
て、セパレータ61’,62’に突起部を形成した目的
は、発電層1の形状保持ではなく、波板状の凹凸形状を
した発電層1の凸部だけではなく凹部にもセパレータ6
1’,62’を当接させて、集電性を向上させようとい
うものである。すなわち、本変形態様は、発電層1の凹
部にもセパレータ61’,62’の一部が当接して集電
するならば、集電に要する導電距離が半分になり、内部
抵抗が半減して電池性能が向上することを目的としたも
のである。当然、セパレータ61’,62’の突起部
は、燃料ガス室10および酸化性ガス室20をあまり狭
めないようにある程度細く形成され、極端にはセパレー
タ61’,62’の平面に鉛直に立てられた帯板状の部
材であっても良い。
態様3として、図6に示すように、実施例1において燃
料ガスおよび酸化性ガスのそれぞれの流路に沿って突起
部を有するセパレータ61’,62’を有する固体高分
子型燃料電池の実施も可能である。本変形態様におい
て、セパレータ61’,62’に突起部を形成した目的
は、発電層1の形状保持ではなく、波板状の凹凸形状を
した発電層1の凸部だけではなく凹部にもセパレータ6
1’,62’を当接させて、集電性を向上させようとい
うものである。すなわち、本変形態様は、発電層1の凹
部にもセパレータ61’,62’の一部が当接して集電
するならば、集電に要する導電距離が半分になり、内部
抵抗が半減して電池性能が向上することを目的としたも
のである。当然、セパレータ61’,62’の突起部
は、燃料ガス室10および酸化性ガス室20をあまり狭
めないようにある程度細く形成され、極端にはセパレー
タ61’,62’の平面に鉛直に立てられた帯板状の部
材であっても良い。
【0080】なお、セパレータ61’,62’は、実施
例1のセパレータ61,62と同様にステンレス鋼製で
あるから、プレス加工で作製することがコスト的には望
ましい。ただし、別部品として突起部を製作しておき、
鑞付け、溶接、はめ込み等により平板状のセパレータ6
1’,62’に接合しても構わない。 (実施例1のその他の変形態様)本実施例のその他の変
形態様として、実施例1では形状保持体に金属網51,
52を採用していたが、金属網に代えて、金属製多孔質
板、金属製不織紙または金属繊維などを電極層41,4
2の表面に一体的に接合した固体高分子型燃料電池の実
施も可能である。本変形態様によっても、実施例1とほ
ぼ同等の作用効果が得られる。また、本変形態様に対し
ても、実施例1に対するその変形態様1〜3に相当する
変形態様の実施が可能であり、各変形態様においてもほ
ぼ同様の作用効果が得られる。
例1のセパレータ61,62と同様にステンレス鋼製で
あるから、プレス加工で作製することがコスト的には望
ましい。ただし、別部品として突起部を製作しておき、
鑞付け、溶接、はめ込み等により平板状のセパレータ6
1’,62’に接合しても構わない。 (実施例1のその他の変形態様)本実施例のその他の変
形態様として、実施例1では形状保持体に金属網51,
52を採用していたが、金属網に代えて、金属製多孔質
板、金属製不織紙または金属繊維などを電極層41,4
2の表面に一体的に接合した固体高分子型燃料電池の実
施も可能である。本変形態様によっても、実施例1とほ
ぼ同等の作用効果が得られる。また、本変形態様に対し
ても、実施例1に対するその変形態様1〜3に相当する
変形態様の実施が可能であり、各変形態様においてもほ
ぼ同様の作用効果が得られる。
【0081】また、前述の実施例1のさらにその他の変
形態様として、金属網51,52に代わる形状保持体と
して、樹脂網、樹脂製多孔質板、樹脂製不織紙または樹
脂繊維などを電極層41,42の表面に一体的に接合し
た固体高分子型燃料電池の実施も可能である。本変形態
様によっても、実施例1とほぼ同等の作用効果が得られ
る。また、本変形態様に対しても、実施例1に対するそ
の変形態様1〜3に相当する変形態様の実施が可能であ
り、各変形態様においてもほぼ同様の作用効果が得られ
る。
形態様として、金属網51,52に代わる形状保持体と
して、樹脂網、樹脂製多孔質板、樹脂製不織紙または樹
脂繊維などを電極層41,42の表面に一体的に接合し
た固体高分子型燃料電池の実施も可能である。本変形態
様によっても、実施例1とほぼ同等の作用効果が得られ
る。また、本変形態様に対しても、実施例1に対するそ
の変形態様1〜3に相当する変形態様の実施が可能であ
り、各変形態様においてもほぼ同様の作用効果が得られ
る。
【0082】なお、形状保持体を構成する樹脂が熱硬化
性樹脂である場合には、固体高分子型電解質層2を形成
するパーフルオロスルフォン酸ポリマが軟化する120
℃程度で硬化することができる熱硬化性樹脂を用いるこ
とが望ましい。あるいは、形状保持体を構成する樹脂が
熱可塑性樹脂である場合には、固体高分子型電解質層2
が軟化する120℃程度で軟化して成形することができ
る熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。いずれの場合
も、成形加工温度は固体高分子型電解質層2の特性が劣
化を始める165℃以下で行われることが望ましい。
性樹脂である場合には、固体高分子型電解質層2を形成
するパーフルオロスルフォン酸ポリマが軟化する120
℃程度で硬化することができる熱硬化性樹脂を用いるこ
とが望ましい。あるいは、形状保持体を構成する樹脂が
熱可塑性樹脂である場合には、固体高分子型電解質層2
が軟化する120℃程度で軟化して成形することができ
る熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。いずれの場合
も、成形加工温度は固体高分子型電解質層2の特性が劣
化を始める165℃以下で行われることが望ましい。
【0083】[実施例2] (実施例2の構成)本発明の実施例2としての固体高分
子型燃料電池は、図7に示すように、両電極層41’,
42’が形状保持体としての金属網51’,52’をそ
れぞれ含んでいる点が実施例1と異なっており、その他
の点では実施例1と同様である。
子型燃料電池は、図7に示すように、両電極層41’,
42’が形状保持体としての金属網51’,52’をそ
れぞれ含んでいる点が実施例1と異なっており、その他
の点では実施例1と同様である。
【0084】本実施例の固体高分子型燃料電池の製造方
法は、固体高分子型電解質層2の両面に触媒層31,3
2が形成されるまでの工程は、実施例1と同様である。
しかる後、カーボン微粒子と結着剤とが溶剤または分散
媒体に溶解または分散しているペーストが、電極層4
1,42の表面に置かれた金属網51’,52’の上か
ら、スクリーン印刷またはブレード印刷等の手法により
塗布される。そして溶剤または分散媒体が蒸発すると、
カーボン微粒子が結着剤により互いに結合された多孔体
である電極層41’,42’が形成され、当然電極層4
1’,42’はその内部に金属網51,52を含んで形
成される。各金属網51’,52’を形成するステンレ
ス鋼線の線径は、実施例1と異なり、各電極層41’,
42’厚さ(50μm)以下に細く選定されている。
法は、固体高分子型電解質層2の両面に触媒層31,3
2が形成されるまでの工程は、実施例1と同様である。
しかる後、カーボン微粒子と結着剤とが溶剤または分散
媒体に溶解または分散しているペーストが、電極層4
1,42の表面に置かれた金属網51’,52’の上か
ら、スクリーン印刷またはブレード印刷等の手法により
塗布される。そして溶剤または分散媒体が蒸発すると、
カーボン微粒子が結着剤により互いに結合された多孔体
である電極層41’,42’が形成され、当然電極層4
1’,42’はその内部に金属網51,52を含んで形
成される。各金属網51’,52’を形成するステンレ
ス鋼線の線径は、実施例1と異なり、各電極層41’,
42’厚さ(50μm)以下に細く選定されている。
【0085】以上のようにして発電層1が形成された
後、発電層1は波板状の凹凸形状に成形加工され、セパ
レータ61,62に挟持される点は、実施例1と同様で
ある。 (実施例2の作用効果)本実施例では、形状保持体であ
る金属網51’,52’が、触媒層31,32の近傍に
配設され、部分的には接触しているので、触媒層31,
32と金属網51’,52’との間で優れた導電性が得
られる。さらに、セパレータ61,62と発電層1との
接触線でも、セパレータ61,62の表面の近傍にまで
金属網51’,52’が近接しており、部分的には互い
に接触していることもあるので、金属網51’,52’
とセパレータ61,62との間で優れた導電性が得られ
る。その結果、触媒層31,32とセパレータ61,6
2との間で優れた導電性が得られるので、内部抵抗が減
少し、ジュール熱による損失が減って固体高分子型燃料
電池の発電特性が、実施例1と同等あるいはそれ以上に
向上する。
後、発電層1は波板状の凹凸形状に成形加工され、セパ
レータ61,62に挟持される点は、実施例1と同様で
ある。 (実施例2の作用効果)本実施例では、形状保持体であ
る金属網51’,52’が、触媒層31,32の近傍に
配設され、部分的には接触しているので、触媒層31,
32と金属網51’,52’との間で優れた導電性が得
られる。さらに、セパレータ61,62と発電層1との
接触線でも、セパレータ61,62の表面の近傍にまで
金属網51’,52’が近接しており、部分的には互い
に接触していることもあるので、金属網51’,52’
とセパレータ61,62との間で優れた導電性が得られ
る。その結果、触媒層31,32とセパレータ61,6
2との間で優れた導電性が得られるので、内部抵抗が減
少し、ジュール熱による損失が減って固体高分子型燃料
電池の発電特性が、実施例1と同等あるいはそれ以上に
向上する。
【0086】その他の点については、前述の実施例1の
作用効果と同様の作用効果が得られる。 (実施例2の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、前述の実施例1に対するその他の変形態様の前半部
と同様に、形状保持体として金属網に代えて、金属製多
孔質板、金属製不織紙または金属繊維が採用されている
固体高分子型燃料電池の実施が可能である。本変形態様
によっても、前述の実施例2とほぼ同様の作用効果が得
られる。
作用効果と同様の作用効果が得られる。 (実施例2の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、前述の実施例1に対するその他の変形態様の前半部
と同様に、形状保持体として金属網に代えて、金属製多
孔質板、金属製不織紙または金属繊維が採用されている
固体高分子型燃料電池の実施が可能である。本変形態様
によっても、前述の実施例2とほぼ同様の作用効果が得
られる。
【0087】(実施例2の変形態様2)本実施例の変形
態様2として、金属網51,52に代えて形状保持体と
しての熱可塑性樹脂が、電極層41,42に添加されて
いる固体高分子型燃料電池の実施が可能である。すなわ
ち、本変形態様においては、電極層41,42は、熱可
塑性樹脂繊維とカーボン短繊維と結着剤と分散媒体とを
混合したペースト状のインクを用いて、転写法により触
媒層31,32の表面に形成される。転写用フィルムに
は、ポリエチレンフィルムが使用される。なお、転写法
に換えて触媒層31,32の表面に上記インクを塗布し
ても良い。塗布の方法は、スクリーン印刷法によっても
良いし、ブレード法によっても良い。
態様2として、金属網51,52に代えて形状保持体と
しての熱可塑性樹脂が、電極層41,42に添加されて
いる固体高分子型燃料電池の実施が可能である。すなわ
ち、本変形態様においては、電極層41,42は、熱可
塑性樹脂繊維とカーボン短繊維と結着剤と分散媒体とを
混合したペースト状のインクを用いて、転写法により触
媒層31,32の表面に形成される。転写用フィルムに
は、ポリエチレンフィルムが使用される。なお、転写法
に換えて触媒層31,32の表面に上記インクを塗布し
ても良い。塗布の方法は、スクリーン印刷法によっても
良いし、ブレード法によっても良い。
【0088】この際、熱可塑性樹脂繊維を形成している
樹脂は、分散媒体や結着剤との濡れ性が良く、かつ、固
体高分子型電解質層2が軟化する120℃程度の温度で
軟化する樹脂を選定する。このような樹脂としては、た
とえばポリエチレンが挙げられる。こうして平板状の発
電層1が形成された後、固体高分子型電解質層2が軟化
する120℃程度の温度まで昇温して熱可塑性樹脂繊維
も軟化した状態で、実施例1または実施例2と同様に、
波板状の凹凸形状に発電層1が形成される。その結果、
内部に形状保持体としての熱可塑性樹脂繊維を含んだ電
極層41,42をもつ発電層1を採用した固体高分子型
燃料電池が製作される。
樹脂は、分散媒体や結着剤との濡れ性が良く、かつ、固
体高分子型電解質層2が軟化する120℃程度の温度で
軟化する樹脂を選定する。このような樹脂としては、た
とえばポリエチレンが挙げられる。こうして平板状の発
電層1が形成された後、固体高分子型電解質層2が軟化
する120℃程度の温度まで昇温して熱可塑性樹脂繊維
も軟化した状態で、実施例1または実施例2と同様に、
波板状の凹凸形状に発電層1が形成される。その結果、
内部に形状保持体としての熱可塑性樹脂繊維を含んだ電
極層41,42をもつ発電層1を採用した固体高分子型
燃料電池が製作される。
【0089】本変形態様では、熱可塑性樹脂繊維が金属
網と異なって電気伝導性をもたないので、固体高分子型
燃料電池の内部抵抗はむしろ幾分増える傾向にある。し
かしながら、次の変形態様3および変形態様4で説明す
るように、発電層1の中で通常は最も変形しにくい電極
層41,42の可塑性が向上するので、発電層1が伸縮
変形する凹凸形状への成形も可能になるという効果があ
る。
網と異なって電気伝導性をもたないので、固体高分子型
燃料電池の内部抵抗はむしろ幾分増える傾向にある。し
かしながら、次の変形態様3および変形態様4で説明す
るように、発電層1の中で通常は最も変形しにくい電極
層41,42の可塑性が向上するので、発電層1が伸縮
変形する凹凸形状への成形も可能になるという効果があ
る。
【0090】なお、本変形態様のさらなる変形態様とし
て、樹脂繊維を形成する樹脂材料に熱可塑性樹脂に代え
て熱硬化性樹脂を採用し、固体高分子型電解質層2が軟
化する120℃程度の温度で成形して硬化させる固体高
分子型燃料電池の実施もまた可能である。 (実施例2の変形態様3)本実施例の変形態様3とし
て、図8(平面図)および図9(断面図)に示すよう
に、発電層1が成形されている凹凸形状は、凹部と凸部
とが互いに隣り合って四角形の網目状に配設された網目
状凹凸形状である固体高分子型燃料電池の実施が可能で
ある。本変形態様においては、発電層1の内部構成に
は、前述の実施例2の変形態様2と同様に、形状保持体
として熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなる樹脂繊
維が含まれている。
て、樹脂繊維を形成する樹脂材料に熱可塑性樹脂に代え
て熱硬化性樹脂を採用し、固体高分子型電解質層2が軟
化する120℃程度の温度で成形して硬化させる固体高
分子型燃料電池の実施もまた可能である。 (実施例2の変形態様3)本実施例の変形態様3とし
て、図8(平面図)および図9(断面図)に示すよう
に、発電層1が成形されている凹凸形状は、凹部と凸部
とが互いに隣り合って四角形の網目状に配設された網目
状凹凸形状である固体高分子型燃料電池の実施が可能で
ある。本変形態様においては、発電層1の内部構成に
は、前述の実施例2の変形態様2と同様に、形状保持体
として熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなる樹脂繊
維が含まれている。
【0091】それゆえ、成形加工は互いに凹凸が対向す
る一対の金型に発電層1を挟んで行われるが、その際の
金型および発電層1の温度は、固体高分子型電解質層2
の軟化温度である120℃以上、かつ、固体高分子型電
解質層2の劣化温度である165℃未満である。樹脂繊
維が熱可塑性樹脂からなる場合には、成形後、成型用の
金型に挟んだまま金型ごと冷却して、形状保持体として
の熱可塑性樹脂繊維に上記凹凸形状を与える。樹脂繊維
が熱硬化性樹脂からなる場合には、成型用の金型に挟ん
だまま同樹脂が硬化して固まるのを待ち、形状保持体と
しての熱硬化性樹脂繊維に上記凹凸形状を与える。
る一対の金型に発電層1を挟んで行われるが、その際の
金型および発電層1の温度は、固体高分子型電解質層2
の軟化温度である120℃以上、かつ、固体高分子型電
解質層2の劣化温度である165℃未満である。樹脂繊
維が熱可塑性樹脂からなる場合には、成形後、成型用の
金型に挟んだまま金型ごと冷却して、形状保持体として
の熱可塑性樹脂繊維に上記凹凸形状を与える。樹脂繊維
が熱硬化性樹脂からなる場合には、成型用の金型に挟ん
だまま同樹脂が硬化して固まるのを待ち、形状保持体と
しての熱硬化性樹脂繊維に上記凹凸形状を与える。
【0092】本変形態様では、単に単位投影面積当たり
の発電層1の表面積(反応面積)が増大するというだけ
ではなく、燃料ガスおよび酸化性ガスの流路の方向が一
意に決まってはいない。すなわち、両ガスの流れ方向を
互いに任意の方向に設定することができるので、燃料ガ
スと酸化性ガスとを互いに直交する方向に流すことがで
きる。そうすれば、固体高分子型燃料電池の外縁部での
燃料ガスの流路と酸化性ガスの流路とを分けて作ること
ができるので、固体高分子型燃料電池のシステムとして
の流路構成が単純になる。
の発電層1の表面積(反応面積)が増大するというだけ
ではなく、燃料ガスおよび酸化性ガスの流路の方向が一
意に決まってはいない。すなわち、両ガスの流れ方向を
互いに任意の方向に設定することができるので、燃料ガ
スと酸化性ガスとを互いに直交する方向に流すことがで
きる。そうすれば、固体高分子型燃料電池の外縁部での
燃料ガスの流路と酸化性ガスの流路とを分けて作ること
ができるので、固体高分子型燃料電池のシステムとして
の流路構成が単純になる。
【0093】したがって、本変形態様によれば、固体高
分子型燃料電池システムの製作が容易かつ安価になると
いう効果がある。なお、本変形態様では、発電層1の電
極層41,42とセパレータ61,62との接触が点接
触に近くなり、固体高分子型燃料電池の内部抵抗がさら
に高くなる点が不都合である。そこで、その対策として
導電性の接合剤(銀粉末入りの熱硬化性樹脂等)を電極
層41,42とセパレータ61,62との接点に塗布
し、接触面積を増大させると良い。
分子型燃料電池システムの製作が容易かつ安価になると
いう効果がある。なお、本変形態様では、発電層1の電
極層41,42とセパレータ61,62との接触が点接
触に近くなり、固体高分子型燃料電池の内部抵抗がさら
に高くなる点が不都合である。そこで、その対策として
導電性の接合剤(銀粉末入りの熱硬化性樹脂等)を電極
層41,42とセパレータ61,62との接点に塗布
し、接触面積を増大させると良い。
【0094】(実施例2の変形態様4)本実施例の変形
態様4として、図10(平面図)および図11(断面
図)に示すように、発電層1の凹部と凸部とが互いに隣
り合って三角形の網目状に配設された網目状凹凸形状に
成形加工されている固体高分子型燃料電池の実施も可能
である。本変形態様においても、発電層1の内部構成に
は、前述の実施例2の変形態様2と同様に、形状保持体
として熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなる樹脂繊
維が含まれている。
態様4として、図10(平面図)および図11(断面
図)に示すように、発電層1の凹部と凸部とが互いに隣
り合って三角形の網目状に配設された網目状凹凸形状に
成形加工されている固体高分子型燃料電池の実施も可能
である。本変形態様においても、発電層1の内部構成に
は、前述の実施例2の変形態様2と同様に、形状保持体
として熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなる樹脂繊
維が含まれている。
【0095】本変形態様においても、前述の本実施例の
変形態様3と同様の作用効果が得られる。 (実施例2の変形態様5)本実施例の変形態様5とし
て、前述の実施例2およびその変形態様1〜4におい
て、樹脂繊維に代えて形状保持体として、樹脂網、樹脂
製多孔質板、樹脂製不織紙等を採用した固体高分子型燃
料電池の実施が可能である。本変形態様によっても、前
述の実施例2およびその変形態様1〜4とほぼ同様の作
用効果が得られる。
変形態様3と同様の作用効果が得られる。 (実施例2の変形態様5)本実施例の変形態様5とし
て、前述の実施例2およびその変形態様1〜4におい
て、樹脂繊維に代えて形状保持体として、樹脂網、樹脂
製多孔質板、樹脂製不織紙等を採用した固体高分子型燃
料電池の実施が可能である。本変形態様によっても、前
述の実施例2およびその変形態様1〜4とほぼ同様の作
用効果が得られる。
【0096】(実施例2の変形態様6)本実施例の変形
態様6として、前述の実施例1の変形態様2と同様に、
発電層1が三浦折りによる三次元波板形状に成形されて
いる固体高分子型燃料電池の実施が可能である。本変形
態様によっても、前述の実施例1の変形態様2とほぼ同
様の作用効果が得られる。
態様6として、前述の実施例1の変形態様2と同様に、
発電層1が三浦折りによる三次元波板形状に成形されて
いる固体高分子型燃料電池の実施が可能である。本変形
態様によっても、前述の実施例1の変形態様2とほぼ同
様の作用効果が得られる。
【0097】[実施例3] (実施例3の構成)本発明の実施例3としての固体高分
子型燃料電池は、図12に示すように、両触媒層3
1’,32’は、形状保持体としての樹脂繊維(熱可塑
性樹脂または熱硬化性樹脂)を含み、触媒層31’,3
2’自体に波板状の凹凸形状を保持する機能がある。
子型燃料電池は、図12に示すように、両触媒層3
1’,32’は、形状保持体としての樹脂繊維(熱可塑
性樹脂または熱硬化性樹脂)を含み、触媒層31’,3
2’自体に波板状の凹凸形状を保持する機能がある。
【0098】すなわち、触媒層31’,32’は、触媒
(白金またはその合金をカーボンに担持させたもの)
と、電解質(パーフルオロスルフォン酸ポリマ)と、導
電材(グラファイトやカーボンブラック等の良導電性の
炭素材料)と、形状保持体としての樹脂繊維とからな
る。触媒層31’,32’は、ガスが良好に拡散するこ
とができるように、多孔体である。
(白金またはその合金をカーボンに担持させたもの)
と、電解質(パーフルオロスルフォン酸ポリマ)と、導
電材(グラファイトやカーボンブラック等の良導電性の
炭素材料)と、形状保持体としての樹脂繊維とからな
る。触媒層31’,32’は、ガスが良好に拡散するこ
とができるように、多孔体である。
【0099】一方、電極層41”,42”は、カーボン
織物またはカーボン不織布に、PTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)樹脂およびカーボンブラック等が添加
含浸されて形成されている。 (実施例3の作用効果)本実施例の固体高分子型燃料電
池では、触媒層31’,32’自体に波板状の凹凸形状
を保持する機能があるので、実施例1および実施例2と
ほぼ同様の作用効果が得られる。
織物またはカーボン不織布に、PTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)樹脂およびカーボンブラック等が添加
含浸されて形成されている。 (実施例3の作用効果)本実施例の固体高分子型燃料電
池では、触媒層31’,32’自体に波板状の凹凸形状
を保持する機能があるので、実施例1および実施例2と
ほぼ同様の作用効果が得られる。
【0100】(実施例3の変形態様1)本実施例の変形
態様1として、触媒層31’,32’に十分な導電性が
ある場合には、触媒層31’,32’を除く電極層4
1”,42”を省略し、触媒層31’,32’とセパレ
ータ61,62とを直接接触させてもよい。本変形態様
によれば、電極層41”,42”を省略できる分、材料
コストも加工コストも節減されて、製造コストが低減さ
れるという効果がある。そればかりではなく、触媒層3
1’,32’にそれぞれ燃料ガスおよび酸化性ガスが直
接触れて浸透するので、発電能力のさらなる向上が期待
できるという効果がある。
態様1として、触媒層31’,32’に十分な導電性が
ある場合には、触媒層31’,32’を除く電極層4
1”,42”を省略し、触媒層31’,32’とセパレ
ータ61,62とを直接接触させてもよい。本変形態様
によれば、電極層41”,42”を省略できる分、材料
コストも加工コストも節減されて、製造コストが低減さ
れるという効果がある。そればかりではなく、触媒層3
1’,32’にそれぞれ燃料ガスおよび酸化性ガスが直
接触れて浸透するので、発電能力のさらなる向上が期待
できるという効果がある。
【0101】(実施例3のその他の変形態様)また、前
述の実施例3およびその変形態様1では、触媒層3
1’,32’に樹脂繊維が含まれており、所定の条件下
では発電層1に伸縮性があるので、発電層1の凹凸形状
は波板形状や三浦折りによる三次元波板形状に限定され
ることがない。すなわち、実施例2の変形態様3および
変形態様3と同様に、凹部と凸部とが互いに隣り合って
三角形または四角形の網目状に配設された網目状凹凸形
状に、発電層1を成形することも可能である。その場合
には、凹凸形状が該当する各変形態様とほぼ同様の作用
効果が得られる。
述の実施例3およびその変形態様1では、触媒層3
1’,32’に樹脂繊維が含まれており、所定の条件下
では発電層1に伸縮性があるので、発電層1の凹凸形状
は波板形状や三浦折りによる三次元波板形状に限定され
ることがない。すなわち、実施例2の変形態様3および
変形態様3と同様に、凹部と凸部とが互いに隣り合って
三角形または四角形の網目状に配設された網目状凹凸形
状に、発電層1を成形することも可能である。その場合
には、凹凸形状が該当する各変形態様とほぼ同様の作用
効果が得られる。
【0102】[実施例4] (実施例4の構成)本発明の実施例4としての固体高分
子型燃料電池は、図13に示すように、固体高分子型電
解質層2’に形状保持体が含まれており、波板状に成形
された凹凸形状を保持する機能を固体高分子型電解質層
2’が担っている。
子型燃料電池は、図13に示すように、固体高分子型電
解質層2’に形状保持体が含まれており、波板状に成形
された凹凸形状を保持する機能を固体高分子型電解質層
2’が担っている。
【0103】すなわち先ず、パーフルオロスルフォン酸
ポリマの電解質アルコール溶液と、フッ素系樹脂である
PTFEの粉末とを所定の割合で混合した。しかる後、
キャスト法によりPTFEからなる多孔質形状保持体
と、その孔部を埋める固体高分子型電解質とからなる複
合膜を作製した。この複合膜の厚さは100μm程度で
ある。そして、この複合膜である固体高分子型電解質層
2’に、実施例1と同様の方法で触媒層31,32を含
む電極層41,42を形成した。
ポリマの電解質アルコール溶液と、フッ素系樹脂である
PTFEの粉末とを所定の割合で混合した。しかる後、
キャスト法によりPTFEからなる多孔質形状保持体
と、その孔部を埋める固体高分子型電解質とからなる複
合膜を作製した。この複合膜の厚さは100μm程度で
ある。そして、この複合膜である固体高分子型電解質層
2’に、実施例1と同様の方法で触媒層31,32を含
む電極層41,42を形成した。
【0104】(実施例4の作用効果)本実施例では、固
体高分子型電解質層2’自体に形状保持機能が付与され
ているので、触媒層31,32を含む電極層41,42
は、ガス拡散性および集電機能に重点を置いて形成され
る。その結果、本実施例によれば、安価でありながら発
電能力に優れた固体高分子型燃料電池の製作が可能にな
るという効果がある。
体高分子型電解質層2’自体に形状保持機能が付与され
ているので、触媒層31,32を含む電極層41,42
は、ガス拡散性および集電機能に重点を置いて形成され
る。その結果、本実施例によれば、安価でありながら発
電能力に優れた固体高分子型燃料電池の製作が可能にな
るという効果がある。
【0105】(実施例4の各種変形態様)本実施例につ
いても、実施例1の変形態様2に対応する三浦折りによ
る三次元波板形状に発電層1を成形した変形態様や、実
施例2の変形態様3および変形態様4に相当する網目状
凹凸形状に発電層1を成形した変形態様の実施が可能で
ある。
いても、実施例1の変形態様2に対応する三浦折りによ
る三次元波板形状に発電層1を成形した変形態様や、実
施例2の変形態様3および変形態様4に相当する網目状
凹凸形状に発電層1を成形した変形態様の実施が可能で
ある。
【0106】そればかりではなく、電極層41,42に
高い導電性をもたせることにより、内部抵抗を低減して
発電能力を向上させることが可能である。同様に、触媒
層31,32自体に高い導電性をもたせることにより、
電極層41,42を省略して電池の反応性を高めると同
時に、内部抵抗を低減して発電能力を向上させることが
可能である。
高い導電性をもたせることにより、内部抵抗を低減して
発電能力を向上させることが可能である。同様に、触媒
層31,32自体に高い導電性をもたせることにより、
電極層41,42を省略して電池の反応性を高めると同
時に、内部抵抗を低減して発電能力を向上させることが
可能である。
【0107】これらの各種変形態様によっても、前述の
対応する各種変形態様とほぼ同様の作用効果が得られる
傾向がある。
対応する各種変形態様とほぼ同様の作用効果が得られる
傾向がある。
【図1】 実施例1としての固体高分子型燃料電池の構
成を示す断面図
成を示す断面図
【図2】 実施例1の変形態様1の固体高分子型燃料電
池を示す断面図
池を示す断面図
【図3】 実施例1の変形態様2の発電層を形成する三
浦折りの展開図
浦折りの展開図
【図4】 実施例1の変形態様2の発電層の凹凸形状を
示す平面図
示す平面図
【図5】 実施例1の変形態様2の固体高分子型燃料電
池を示す断面図
池を示す断面図
【図6】 実施例1の変形態様3のセパレータの形状を
示す斜視図
示す斜視図
【図7】 実施例2としての固体高分子型燃料電池の構
成を示す断面図
成を示す断面図
【図8】 実施例2の変形態様3の発電層の凹凸形状を
示す平面図
示す平面図
【図9】 実施例2の変形態様3の固体高分子型燃料電
池を示す断面図
池を示す断面図
【図10】実施例2の変形態様4の発電層の凹凸形状を
示す平面図
示す平面図
【図11】実施例2の変形態様4の固体高分子型燃料電
池を示す断面図
池を示す断面図
【図12】実施例3としての固体高分子型燃料電池の構
成を示す断面図
成を示す断面図
【図13】実施例4としての固体高分子型燃料電池の構
成を示す断面図
成を示す断面図
【図14】通常の固体高分子型燃料電池の概念を示す断
面図
面図
1:発電層 2,2’:固体高分子型電解質層(パーフルオロスルフ
ォン酸ポリマ膜) 31,32,31’,32’:触媒層(白金を担持した
多孔質層) 41,42,41’,42’,41”,42”:電極層
(カーボンを主成分とする多孔質層) 51,52,51’,52’:金属網(形状保持体とし
て) 10:燃料ガス室 20:酸化性ガス室 61,62,61’,62’:セパレータ(隔壁部材と
して)
ォン酸ポリマ膜) 31,32,31’,32’:触媒層(白金を担持した
多孔質層) 41,42,41’,42’,41”,42”:電極層
(カーボンを主成分とする多孔質層) 51,52,51’,52’:金属網(形状保持体とし
て) 10:燃料ガス室 20:酸化性ガス室 61,62,61’,62’:セパレータ(隔壁部材と
して)
フロントページの続き (72)発明者 宮田 芳生 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 藤木 康二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内
Claims (7)
- 【請求項1】所定のイオンを透過するフィルム状の固体
高分子型電解質層と、 この固体高分子型電解質層の両側にそれぞれ設けられた
導電性の電極層と、 これらそれぞれの電極層に対向してこれらの電極層との
間にそれぞれ燃料ガス室および酸化性ガス室を形成する
隔壁部材と、を有する固体高分子型燃料電池であって、 前記固体高分子型電解質層および前記電極層は、凹凸形
状に成形されており、かつ、この凹凸形状を保持する剛
性をもつ形状保持体を有することを特徴とする固体高分
子型燃料電池。 - 【請求項2】前記形状保持体は、前記両電極層のうち少
なくとも一方の表面に一体的に接合されている請求項1
記載の固体高分子型燃料電池。 - 【請求項3】前記両電極層のうち少なくとも一方は、前
記形状保持体を含む請求項1記載の固体高分子型燃料電
池。 - 【請求項4】前記固体高分子型電解質層は、前記形状保
持体を含む請求項1記載の固体高分子型燃料電池。 - 【請求項5】前記形状保持体は、金属網、金属製多孔質
板、金属製不織紙および金属繊維のうちいずれかで形成
されている請求項2〜3のうちいずれかに記載の固体高
分子型燃料電池。 - 【請求項6】前記形状保持体は、樹脂網、樹脂製多孔質
板、樹脂製不織紙、樹脂粉末および樹脂繊維のうちいず
れかで形成されている請求項2〜4のうちいずれかに記
載の固体高分子型燃料電池。 - 【請求項7】前記凹凸形状は、波板形状、三浦折りによ
る三次元波板形状、および凹部と凸部とが互いに隣り合
って三角形または四角形の網目状に配設された網目状凹
凸形状のうちいずれかである請求項1記載の固体高分子
型燃料電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10028491A JPH11224677A (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 固体高分子型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10028491A JPH11224677A (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 固体高分子型燃料電池 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11224677A true JPH11224677A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12250148
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10028491A Pending JPH11224677A (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 固体高分子型燃料電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11224677A (ja) |
Cited By (23)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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