JPH11225788A - 脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反応との融合方法 - Google Patents

脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反応との融合方法

Info

Publication number
JPH11225788A
JPH11225788A JP4637498A JP4637498A JPH11225788A JP H11225788 A JPH11225788 A JP H11225788A JP 4637498 A JP4637498 A JP 4637498A JP 4637498 A JP4637498 A JP 4637498A JP H11225788 A JPH11225788 A JP H11225788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty acid
microorganism
acetyl
short
organic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4637498A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinobu Oda
忍 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP4637498A priority Critical patent/JPH11225788A/ja
Publication of JPH11225788A publication Critical patent/JPH11225788A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物による一級アルコールの効果的なアセ
チル化方法を提供すること。 【解決手段】 親水性固定化担体に、脂肪酸からのアセ
チルコエンザイムA生産能及びアルコールアセチルトラ
ンスフェラーゼ生産能を有する微生物を付着させ、該微
生物の栄養源及びアセチルコエンザイムAの原料である
短鎖脂肪酸塩を含有する水性媒体の存在下に、水に不溶
性もしくは難溶性の一級アルコールを含有する疎水性有
機溶媒相を該担体上の該微生物に接触させ、それにより
接触界面において、微生物の作用による該短鎖脂肪酸塩
のβ−酸化から生じるアセチルコエンザイムAと該疎水
性有機溶媒中の水に不溶性もしくは難溶性の一級アルコ
ールとを該微生物が生産するアルコールアセチルトラン
スフェラーゼの酵素作用によってアセチル化反応せしめ
ることを特徴とする脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反
応との融合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性固定化担体
表面で増殖する微生物の作用による短鎖脂肪酸塩のβ−
酸化から生じるアセチルコエンザイムA(以下、「アセ
チル−CoA」と略す場合がある)と疎水性有機溶媒相中
の水不溶性もしくは難溶性の一級アルコールとを、アル
コールアセチルトランスフェラーゼ(以下、「AATFas
e」と略す場合がある)の酵素作用によって、アセチル
ドナーの未添加条件下でアセチル化反応させることを特
徴とする脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反応との融合
方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその課題】近年、地球環境問題、省資
源・資エネルギー問題の高揚、あるいは光学活性体の需
要拡大などを背景として、有機合成化学に生体触媒を利
用するバイオコンバージョンの研究・開発が世界中で活
発化してきている。該バイオコンバージョンの応用例の
1つとして、リパーゼやエステラーゼのような加水分解
酵素の逆反応によって有用エステルを合成する方法が、
特に光学分割を目的として数多く提案されている[Suga
i, T. and Ohta, H., Agric. Biol. Chem., 54,33
37(1990);Wang, Y. F., et al., Tetrahedron
Lett., 30,1917(1989)]。このような酵
素的エステル合成又はエステル交換反応を効率的に行わ
せるためには、反応系に存在する水分量を減少させるこ
とが必要であり、そのために該エステル化又はエステル
交換反応は一般に有機溶媒中で行われる。
【0003】一方、他のエステル化酵素として、イソア
ミルアルコールとアセチル−CoA から酢酸イソアミルを
生成させる AATFase の存在も知られている[Yoshioka,
K.and Hashimoto, N., Agric. Biol. Chem., 45,2
183(1981);栗山一秀、醗酵工学、67、10
5(1989)]。該アセチル化酵素 AATFase は清
酒、ビール、ワイン酵母以外に Hansenula, Pichia
の酵母にも高活性で存在しており、種々の一級アルコー
ルをアセチル化することが可能である[Oda, S., et a
l., Appl. Environ. Microbiol., 62,2216(1
996);Oda, S. and Ohta, H., J. Ferment. Bioen
g., 83,423(1997)]が、特に、界面バイオ
リアクター[Oda, S. and Ohta, H., 56,2041
(1992);Oda, S., et al., J. Ferment. Bioen
g., 78,149(1994);特許第2542766
号]を用いることによって高濃度の酢酸エステルが生産
可能となる。
【0004】本発明者は、この AATFase の存在下に、
微生物の糖質代謝によって生産されるアセチル−CoA と
有機溶媒相中の一級アルコールとをアセチル化反応する
システムを代謝−微生物変換融合システム(以下、「カ
ップリングシステム」と略す場合がある)と命名し、種
々の一級酢酸エステルの調製に有用であることを報告し
た[Oda, S. and Ohta, H., J. Ferment. Bioeng., 8
3,423(1997)]。しかしながら、グルコース
などの糖質を出発原料として解糖系経由でアセチル−Co
A を生産する場合には、10段以上の酵素反応を経るた
めに生産速度が遅く、また、微生物が界面バイオリアク
ターの有機溶媒相中に添加した一級アルコールの代謝阻
害を受けやすいという難点があった。
【0005】
【問題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
のようなカップリングシステムの難点を克服すべく鋭意
検討を重ねた結果、今回、糖質の解糖系経由でのみアセ
チル−CoA を供給する従来の方法に替えて又はそれと複
合させる形で、脂肪酸のβ−酸化系によってアセチル−
CoA を供給するようにすると、該カップリング速度なら
びに一級アルコールの阻害作用回避の効果を大きく向上
させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】かくして本発明に従えば、クレーム1が提
供される。
【0007】本発明によれば、例えば、界面バイオリア
クターにおいて、先ず、親水性固定化担体中に、炭素源
として脂肪酸塩を単独で又は糖質と共存する形で包含さ
せ、該固定化担体表面に代謝−微生物変換融合活性、す
なわち、アセチル−CoA 生産能と AATFase 生産能とを
兼ね備えた微生物を付着、増殖させて微生物膜を成長さ
せる。ここで「代謝」とは、糖質の解糖系及び脂肪酸の
β−酸化系によってアセチル−CoA に至る経路を指す
が、両代謝系はほとんど全ての酵母が有しているもので
ある。次いで、該微生物膜に対して、疎水性有機溶媒中
に添加した一級アルコールを作用させ、それにより、脂
肪酸塩のβ−酸化によってあるいはそれにさらに複合さ
れた形の糖質の解糖系によって生じるアセチル−CoA と
該一級アルコールとを、AATFase の存在下に、微生物的
にアセチル化させることができる。しかして、本発明の
最も大きな特徴は、脂肪酸塩のβ−酸化系をアセチル−
CoA 生産に活用するため、従来の糖質の解糖系を利用す
る場合に比べてより高い速度で、しかもより効率的にア
セチル−CoA を生成せしめることができる点にある。
【0008】本発明で利用する微生物菌体のβ−酸化系
は、固定化担体中に添加した脂肪酸塩を原料とするアシ
ル−CoA シンセターゼによる CoA 化を出発とし、不飽
和化および水酸化を経由してアセチル−CoA の生産に至
る経路であり、解糖系と比較してより効率的にアセチル
−CoA を生産することができる。しかし、オクタン酸塩
やデカン酸塩などの中鎖アルカン酸塩を添加した場合に
は、それら中鎖アルカン酸塩の強烈な毒性発現によって
固定化担体表面の微生物の代謝系は強い阻害を受けてし
まう。界面バイオリアクターは疎水性有機溶媒相中に添
加した疎水性アルカン酸の毒性を著しく緩和することが
できる[Oda, S., et al., J. Ferment,Bioeng., 7
8,149(1994)]が、これらアルカン酸を塩の
形で担体中に添加した場合には、それらの毒性を回避す
ることは不可能である。したがって、本発明においてア
セチル−CoA を供給するためにβ−酸化系を利用するに
は、短鎖の脂肪酸塩、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸
のような短鎖のアルカン酸のナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩などを固定化担体の液相中に添加す
ることが必要である。また、中鎖あるいは長鎖脂肪酸を
遊離の形で界面バイオリアクターの有機溶媒相に添加し
た場合にもやはり、β−酸化系に対する強い阻害作用が
認められ適用困難である。
【0009】固定化担体中に添加される短鎖脂肪酸塩
は、それ自体栄養源として使用できるが、主としてアセ
チル−CoA の供給源として使用される。特に酢酸塩は非
常に安価であり、栄養源として大量に消費させることが
可能であるが、酢酸塩のような脂肪酸塩を唯一の炭素源
として使用する場合、界面バイオリアクターの有機溶媒
相中に添加する一級アルコールが固定化微生物菌体のア
ルコールデヒトロゲナーゼの作用によってアルデヒドあ
るいはカルボン酸に酸化される場合があるので注意が必
要である。糖質の解糖系を経てアセチル−CoA を生産す
る従来のカップリングシステムでは、高濃度で担体中に
存在するグルコース等の糖質によって一級アルコールの
酸化が抑止される[Oda, S., et al., Appl. Environ.
Microbiol., 62,2216(1996)]。この現象
は、高濃度グルコースによってアルコールデヒトロゲナ
ーゼの生成が抑止されることに起因する[Yadav, B.
S., etal., J. Ferment. Technol., 57,244(1
979);Schimpfessel, L.,Biochim. Biophys. Acta,
151,317(1968)]。したがって、本発明
においてアセチル−CoA の原料として供給される短鎖脂
肪酸塩は単独で用いるよりもグルコース等の糖質と共存
する形で使用することが好ましい。
【0010】本発明者らは、上記のカップリングシステ
ムの鍵酵素である AATFase の基質特異性について先に
報告した[Oda, S. and Ohta, H., J. Ferment. Bioen
g.,83,423(1997)]が、この酵素は一級ア
ルコールに対する基質特異性が広く、種々の脂肪族アル
コール、芳香族アルコール、テルペンアルコールなどの
1級アルコールをアセチル化することが可能であるのみ
ならず、脂環式アルコール、複素環式アルコールなどの
一級アルコールをアセチル化することも可能である。し
かしながら、二級および三級アルコールのアセチル化に
対しては全く触媒作用を示さない。上記した一級アルコ
ールは、界面バイオリアクターにおける毒性緩和現象
[Oda, S. and Ohta, H., Biosci. Biotech. Biochem.,
56,1515(1992)]に基づいて、非常に高
い濃度で疎水性有機溶媒相に添加可能であるが、脂肪酸
塩からアセチル−CoA に至るβ−酸化系が添加したアル
コール類によって阻害を受ける場合には、これら一級ア
ルコール類を流加(逐次添加)することにより、容易に
その阻害作用を回避することができる。また、生成する
酢酸エステル類は水に対する溶解度が低く、界面バイオ
リアクターの有機溶媒相に自動的に移行するため、その
毒性は回避され、結果的に該酢酸エステル類は非常に高
い濃度で有機溶媒相中に蓄積させることができる。
【0011】本発明に供し得る微生物としては、ピシア
Pichia)属又はハンゼヌラ(Hansenula)属に属する
酵母を挙げることができる。より具体的には、例えば、
ピシア・クエルキューム(Pichia quercuum)、ピシア
・サルゲンテンシス(P. sargentensis)、ピシア・グ
イリエルモンディ(P. guilliermondii)、ピシア・ク
ルイベリ(P. kluyveri)、ピシア・ヒーディ(P. heed
ii)、ハンゼヌラ・サチュールナス(Hansenula saturn
us)等が挙げられる。一方、AATFase 生産性酵母として
知られているサッカロマイセス(Saccharomyces)属に
属する酵母については、生産される AATFase が、その
活性中心を細胞質側に向けているため、一般的に本発明
には不適当である。
【0012】さらに、ラセミ体一級アルコールのエナン
チオ選択的カップリング能を有する酵母、例えば、ピシ
ア(Pichia kluyveri)を本発明のシステムに用いた場
合には、従来のカップリングシステムに比較してより速
い速度で、かつより高いエナンチオ選択性で、ラセミ体
一級アルコールの光学分割を実施することが可能であ
る。
【0013】本発明のカップリングシステムで使用し得
る界面バイオリアクターは、それ自体既知のものである
ことができ、使用される親水性固定化担体の素材、大き
さおよび形態、使用可能な疎水性有機溶媒については、
例えば、特許第2542766号公報に記載されたもの
を使用することができる。
【0014】親水性固定化担体としては、例えば、アル
ギン酸、カラギーナン、デンプンマトリクス、寒天、濾
過板のようなセルロース材などの天然高分子;ポリビニ
ルアルコール、ウレタンポリマー、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸などの合成高分子;泡ガラス板のよ
うな無機多孔質材料の板状化物等を挙げることができ
る。担体を繰り返し再生使用する場合には、ゲル状合成
高分子や無機多孔質材料の板状化物などを用いる方が好
ましく、また、それらに強度を付与するために、強固な
濾過板や泡ガラス板のような多孔質板、あるいはステン
レスフレーム製の棒状もしくは板状フレームを担体の骨
格として用いることが好ましい。
【0015】上記の親水性固定化担体には、通常、前記
微生物の栄養源及びアセチル−CoAの原料である前述の
如き短鎖脂肪酸塩を含有する水性媒体が導入又は含浸せ
しめられる。該栄養源としては、例えば、炭素源として
は短鎖脂肪酸塩及び/又はグルコースを、窒素源として
はペプトンを、微量栄養源としては酵母エキスを、そし
て微量金属塩としては硫酸マグネシウムをそれぞれ挙げ
ることができる。
【0016】該親水性固定化担体表面への微生物菌体の
付着(植菌)法としては、例えば、菌体懸濁液を塗布す
る方法;該懸濁液中へ担体をディッピングする方法等が
挙げられる。
【0017】このようにして植菌された微生物菌体は、
該担体中の栄養源を利用して分裂、増殖し、担体表面に
膜(微生物膜)を形成する。
【0018】また、反応溶媒である疎水性有機溶媒とし
ては、固定化された微生物菌体に対して実質的に毒性を
示さないものが好ましく、具体的には例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン等の炭素数6〜20の
ノルマルパラフィン類;イソオクタン等のイソパラフィ
ン類;ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン等の脂肪鎖
長5〜15のノルマルアルキルベンゼン類;キュメン等
のイソアルキルベンゼン類;シクロヘキサン等の脂環式
炭化水素類;ヘキシルエーテル等の脂肪族エーテル類;
ジブチルフタレート等の芳香族エステル類;デカン酸エ
チル等の脂肪族エステル類;ポリジメチルシロキサン等
のシリコンオイル等を例示することができる。
【0019】さらに、使用する反応溶媒は1種類に限定
されるものではなく、原料及び生成物の溶解性、溶媒同
士の相溶性、微生物に対する毒性等を考慮して2種又は
それ以上の混合溶媒系であってもよい。
【0020】これらの有機溶媒に添加しうる基質として
の水に不溶性もしくは難溶性の一級アルコールは、反応
に供する微生物菌体に対して著るしい毒性を示さないも
のであれば特に制限はなく、脂肪族一級アルコール、芳
香族一級アルコール、脂環式一級アルコール、複素環式
一級アルコール及びテルペンアルコール類から選ばれる
各種の一級アルコールを使用することができる。より具
体的には、例えば、1−オクタノール、1−デカノール
等の脂肪族一級アルコール;ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール等の芳香族一級アルコール;2−シク
ロヘキシルプロパノール等の脂環式一級アルコール;シ
トロネロール、ゲラニオール等の一級テルペンアルコー
ルを例示することができる。
【0021】本発明の方法を実施するための界面バイオ
リアクターの具体例としては、例えば、反応溶媒として
パラフィン類を用い、そして固定化担体としてステンレ
スフレームを骨格として内部に包含するポリビニルアル
コール−グルタルアルデヒド−アルギン酸複合架橋系ゲ
ル板を使用し、これらを反応溶媒中に縦方向に配列充填
したものを用いることができる。
【0022】一方、微生物菌体の懸濁液の上層に一級ア
ルコールを溶解せしめた疎水性有機溶媒相を重層した水
−有機溶媒二相系反応法[Hocknull, M. D. and Lilly,
M.D., Appl. Microbiol. Biotechnol., 33,148
(1990)]によっても、本発明における脂肪酸代謝
と微生物的アセチル化とを融合させることが可能である
が、その際には、有機溶媒やアセチル化に供する水不溶
性もしくは難溶性アルコール類、あるいは生成する酢酸
エステル類の毒性発現が生じるため、さらには、二相系
反応法では、水−有機溶媒界面や水相中での基質又は生
成物の透過拡散が律速となるため、界面バイオリアクタ
ーで得られる成績を凌駕することは一般に困難である。
【0023】本発明における脂肪酸代謝と微生物的アセ
チル化との融合システムにおいて、β−酸化によってア
セチル−CoA を生産するためには酸素を効率的に供給す
る必要があるが、界面バイオリアクターの反応溶媒であ
る疎水性有機溶媒は一般に水の10倍程度の酸素溶解性
を有しているため、非常に効率的にアセチル−CoA が生
産され、アセチル化反応に供される。
【0024】かくして、本発明の方法によれば、前述し
た如き一級アルコールの酢酸エステルを何らアセチルド
ナーを添加する必要なく、非常に効率的かつ高濃度で合
成することが可能である。
【0025】合成される酢酸エステル類、例えば酢酸デ
シル、酢酸ベンジル、酢酸ゲラニル等は香料原料として
有用である。さらに、本発明の方法において微生物菌体
としてピシア・クルイベリ(Pichia kluyveri)を用い
た場合には、シトロネロールのような反応点と不斉点と
が離れた一級アルコールの光学分割が可能となるが、こ
れは従来の技術では達成困難なことである。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0027】実施例1 直径21cmのガラスシャーレに、ペプトン5g、酵母
エキス3g、麦芽エキス3g、硫酸マグネシウム1g、
グルコース50g、酢酸ナトリウム50g、寒天20g
および蒸留水1lよりなる寒天平板培地(pH7.0)
を500ml分注し、これにハンゼヌラ・サチュールナ
ス(Hansenula saturnus)IFO 0809の懸濁液3
mlを植菌して1日間前培養した。この前培養によって
成長した微生物膜上に5%ゲラニオール/デカン溶液5
0mlを重層し、30℃で静置培養した。デカン層のガ
スクロマトグラフィーによる分析の結果、ガップリング
産物である酢酸ゲラニルの蓄積が培養開始1日目から認
められ、4日間の培養で52.3mg/mlの蓄積濃度
に達した。
【0028】比較例1 実施例1の培地組成のうち酢酸ナトリウムを欠く寒天平
板培地を用いて実施例1と同様のカップリング試験を実
施した。その結果、酢酸ゲラニルの生成速度は実施例1
と比較して約1/5に低下し、4日間の培養では酢酸ゲ
ラニルの蓄積濃度は9.7mg/mlにとどまった。
【0029】実施例2 ピシア・クルイベリ(Pichia kluyveri)IFO 116
5を植菌、1日間前培養した寒天被覆濾過板8枚を縦配
列にて充填した板状担体充填型界面バイオリアクター
(内容積3.0l)を組み立てた。該担体内部の水相は
同量の実施例1の培地の2倍濃度の液体培地にて3日間
平衡化させることによって栄養源を取り込ませた。4%
シトロネロール/デカン溶液600mlを分注し、30
℃、撹拌速度500rpm、通気量300ml/min
にて実働試験に入った。デカン相をガスクロマトグラフ
ィーにて分析した結果、カップリング産物である酢酸シ
トロネリルの蓄積が試験開始1日目より認められ、7日
間で酢酸シトロネリル、残余シトロネロールの濃度は各
々24.9g/l、20.9g/lとなった。反応終了
後、デカン層をシリカゲル450gを充填したカラムク
ロマトグラフィーにかけた。ヘキサンにてデカンを流去
した後、ヘキサン−酢酸エチル(9:1)、ヘキサン−
酢酸エチル(5:5)で順次、酢酸シトロネリルとシト
ロネロールを溶出させた。溶媒を除去した後、酢酸シト
ロネリルはアルカリ加水分解、ジョーンズ酸化した後、
酸クロライドに誘導して(R)−1−(1−ナフチルエ
チル)アミンでアミド化し、液体クロマトグラフィーに
てその絶対配置とエナンチオ過剰率を測定した。その結
果、生成したカップリング産物の酢酸シトロネリルの絶
対配置は(S)であり、そのエナンチオ過剰率は92%
e.e. であった。一方、残余シトロネロールを同様に
してアミド化して分析した結果、その絶対配置、エナン
チオ過剰率はそれぞれ(R)、91%e.e. であっ
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性固定化担体に、脂肪酸からのアセ
    チルコエンザイムA生産能及びアルコールアセチルトラ
    ンスフェラーゼ生産能を有する微生物を付着させ、該微
    生物の栄養源及びアセチルコエンザイムAの原料である
    短鎖脂肪酸塩を含有する水性媒体の存在下に、水に不溶
    性もしくは難溶性の一級アルコールを含有する疎水性有
    機溶媒相を該担体上の該微生物に接触させ、それにより
    接触界面において、微生物の作用による該短鎖脂肪酸塩
    のβ−酸化から生じるアセチルコエンザイムAと該疎水
    性有機溶媒中の水に不溶性もしくは難溶性の一級アルコ
    ールとを該微生物が生産するアルコールアセチルトラン
    スフェラーゼの酵素作用によってアセチル化反応せしめ
    ることを特徴とする脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反
    応との融合方法。
  2. 【請求項2】 使用する微生物がピシア(Pichia)属又
    はハンゼヌラ(Hansenula)属に属し、かつ短鎖脂肪酸
    塩のβ−酸化能ならびにアルコールアセチルトランスフ
    ェラーゼ生産能を有する酵母である請求項1記載の融合
    方法。
  3. 【請求項3】 短鎖脂肪酸塩が酢酸、プロピオン酸及び
    酪酸から選ばれる短鎖アルカン酸のナトリウム塩、カリ
    ウム塩又はアンモニウム塩である短鎖アルカン酸塩であ
    る請求項1記載の融合方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒相中の水に不溶性もしくは難溶
    性の一級アルコールが脂肪族アルコール、芳香族アルコ
    ール、脂環式アルコール、複素環式アルコールおよびテ
    ルペンアルコール類から選ばれる一級アルコールである
    請求項1記載の融合方法。
JP4637498A 1998-02-13 1998-02-13 脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反応との融合方法 Pending JPH11225788A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4637498A JPH11225788A (ja) 1998-02-13 1998-02-13 脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反応との融合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4637498A JPH11225788A (ja) 1998-02-13 1998-02-13 脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反応との融合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11225788A true JPH11225788A (ja) 1999-08-24

Family

ID=12745381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4637498A Pending JPH11225788A (ja) 1998-02-13 1998-02-13 脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反応との融合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11225788A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115478082A (zh) * 2022-09-20 2022-12-16 北京化工大学 一种生物合成乙酸苄酯的方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115478082A (zh) * 2022-09-20 2022-12-16 北京化工大学 一种生物合成乙酸苄酯的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sakaki et al. Lipase-catalyzed optical resolution of racemic naproxen in biphasic enzyme membrane reactors
Koshiro et al. Stereoselective esterification of dl-menthol by polyurethane-entrapped lipase in organic solvent
Kamiya et al. Surfactant‐coated lipase suitable for the enzymatic resolution of menthol as a biocatalyst in organic media
Frings et al. Kinetic resolution of 1-phenyl ethanol with high enantioselectivity with native and immobilized lipase in organic solvents
Yamane Importance of moisture content control for enzymatic reactions in organic solvents: a novel concept of ‘microaqueous’
Buisson et al. A study of the stereocontrolled reduction of aliphatic β-ketoesters by Geotrichum candidum
Xu et al. Efficient preparation of (R)‐α‐monobenzoyl glycerol by lipase catalyzed asymmetric esterification: Optimization and operation in packed bed reactor
US5780275A (en) Coupled process of saccharide fermentation and microbial esterification
Kin et al. Enzymatic resolution of racemic ibuprofen by lipase-catalyzed esterification reaction: effects of water content and solid supports
Crout et al. Modern Synthetic Methods 1989
Lokotsch et al. Resolution of d, l-menthol by interesterification with triacetin using the free and immobilized lipase of Candida cylindracea
Jin et al. Enzymatic production of enantiopure ketoprofen in a solvent-free two-phase system
Turner Recent advances in the use of enzyme-catalysed reactions in organic synthesis
Edlund et al. Resolution of 2-Methylalkanoic Acids. Enantioselective Esterification vvith Long Chain Alcohols Catalysed by Candida rugosa Lipase
Allevi et al. Lipase catalysed resolution of (R)-and (S)-1-trimethylsilyl-1-alkyn-3-ols: useful intermediates for the synthesis of optically active γ-lactones
Hult et al. Enantioselectivity of some lipases: Control and prediction
Romano et al. Esterification of phenylacetic and 2-phenylpropionic acids by mycelium-bound carboxylesterases
Xu et al. Efficient kinetic resolution of dl-menthol by lipase-catalyzed enantioselective esterification with acid anhydride in fed-batch reactor
Hasegawa et al. Asymmetric reduction of acetophenone by immobilized Hansenula capsulata cells
Teo et al. Process intensification with biocatalysts: dynamic kinetic resolution and fluorous phase switch with continuous extraction
Oda et al. Coupling of metabolism and bioconversion: microbial esterification of citronellol with acetyl coenzyme A produced via metabolism of glucose in an interface bioreactor
Oda et al. Double coupling of acetyl coenzyme A production and microbial esterification with alcohol acetyltransferase in an interface bioreactor
JPH11225788A (ja) 脂肪酸代謝と微生物的アセチル化反応との融合方法
JP2010532992A (ja) 3,4−エポキシ酪酸エチルの微生物速度論的分割
Oda et al. Optical resolution of racemic citronellol via a double coupling system in an interface bioreactor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080624