JPH11227025A - 溶融押出法および熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

溶融押出法および熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JPH11227025A
JPH11227025A JP10033061A JP3306198A JPH11227025A JP H11227025 A JPH11227025 A JP H11227025A JP 10033061 A JP10033061 A JP 10033061A JP 3306198 A JP3306198 A JP 3306198A JP H11227025 A JPH11227025 A JP H11227025A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
resin
film
melt
temperature
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JP10033061A
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English (en)
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Kenji Tsunashima
研二 綱島
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
Takuya Kumagai
拓也 熊谷
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱分解物、ゲル化物、異物などのないクリーン
な熱可塑性樹脂の溶融されたシート、フィルム、繊維、
成形体等を製造できる溶融押出方法を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂を溶融押出機に供給して、溶
融、濾過した後に成型用口金から押出す溶融押出法にお
いて、該溶融工程から濾過工程までのいずれかの工程中
において該熱可塑性樹脂に振動を与えながら成形するこ
とを特徴とする方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の溶
融押出成形方法に関するものであり、更に詳しくは、熱
分解物、ゲル化物、異物などのないクリーンな溶融樹脂
シート、フィルム、繊維、成形体などを製造する溶融押
出成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂よりフィルムや繊維などを
製造する際、通常は、該樹脂の融点以上の温度で溶融し
て押出す、いわゆる溶融押出法が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな溶融押出法による成形法では、どうしても樹脂が熱
分解、加水分解、酸化分解、ゲル化などの分解や分岐反
応などが起こり、その結果、それらの異物が溶融樹脂に
含有すると成形品の表面欠点を招いたり延伸性の低下を
招くなどの生産性の低下の要因になっていた。
【0004】一般に、これらの異物を除去するために、
微細な異物まで除去しうる強力な濾過工程を追加して設
置すると、溶融樹脂の濾過工程での滞留時間が長くな
り、かえってこれらの分解反応を促進することになり、
成形品中に異物の多いものしか得られないようなことに
なるのである。
【0005】また、溶融押出温度をなるべく低下させ
て、溶融状態でのこれら分解を抑制させるべく、該樹脂
の融点以下のいわゆる過冷却状態で溶融すると、確かに
分解は抑制されるが、溶融樹脂の溶融粘度が非常に高く
なり、異物を除去するはずの濾過工程で濾過時の圧力
(濾圧)が異常に高くなり、樹脂通過量が極端に減少す
るという問題がある。このため、濾過面積を増大する
と、樹脂の滞留時間が長くなり分解が促進され異物の少
ない成形は結局できない。
【0006】このように、溶融押出工程において分解な
どの異物生成が少なく、かつ、押出通過量の多い成形方
法は存在しなかった。
【0007】本発明の目的は、上述したような点に鑑
み、溶融押出工程において分解などによる異物生成が少
なく、かつ、押出通過量の多い溶融押出成形法を提供す
ることにある。
【0008】また、本発明の目的は、該溶融押出成形法
を用いた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供せんと
するものである。ひいては、ゲル化物や熱分解物などの
異物を含まなく、あるいはほとんど含有しなく、繊維や
シート、フィルムあるいは成形物の生産をするに当た
り、糸切れやフィルム破れなどの生産中断を生じさせる
ことなく製造することを可能とする方法を提供せんとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明の熱可塑性樹脂の溶融押出法は、熱可塑性樹脂を
溶融押出機に供給して、溶融・濾過した後に成形用口金
から押出す溶融押出法において、該溶融工程から濾過工
程までのいずれかの工程中において、該熱可塑性樹脂に
振動を与えながら成形することを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製
造方法は、該溶融押出法を用いて、熱可塑性樹脂フィル
ムの成形を行うことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明について
説明をする。
【0012】本発明の方法は、熱可塑性樹脂を溶融押出
機に供給して、溶融、濾過した後に成形用口金から押出
すに際して、該溶融工程から濾過工程までのいずれかの
工程中において、該熱可塑性樹脂に振動を与えながら成
形するものである。
【0013】本発明において、熱可塑性樹脂とは、加熱
によって流動性を示し得る樹脂であって、代表的な熱可
塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン、およびそれらの共重合体などの各種
のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12、ナイロン11、メタキシリレンアジパミド
(mXD6)、ヘキサメチレンテレフタラミド(6
T)、およびそれらの共重合体などの各種のポリアミド
樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート(PEN)、ポリメチレンテレフタレ
ート(PMT)、ポリプロピレンテレフタレート(PP
T)、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート(PEO
B)、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレ
フタレート(PCT)、および共重合成分として、例え
ば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリアルキレングリコールなどのジオール成分や、アジ
ピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分など
を共重合したポリエステルなどの各種のポリエステル樹
脂、その他、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリフェ
ニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリ塩化ビニル(P
VC)やポリ塩化ビニリデン(PVdC)などの塩素含
有樹脂などを用いることができる。
【0014】特に本発明においては、ポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、PPS樹脂を
用いた場合にその効果が高く好ましい。中でも、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート(PEN)や高粘度ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6、ナイ
ロン66のように、成形時の溶融粘度が700Pa・S
以上と溶融粘度の高い樹脂が特に好ましく、また、PE
Tは、安価であるため非常に多岐にわたる用途で用いら
れ、本発明の方法を採用した場合の効果が高いので好ま
しい。また、これらの樹脂はホモ樹脂であってもよく、
共重合またはブレンド樹脂であってもよい。さらに、こ
れらの樹脂の中に、各種の添加剤、例えば、酸化防止
剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、減粘剤、熱安定
剤、滑剤などがあり、これらが適宜に添加されているこ
とは好ましいことである。
【0015】代表的な添加剤としては、二酸化珪素、ア
ルミナ、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、タルク、
カオリン、クリップ、硫酸バリウム、酸化チタン、架橋
ポリスチレン樹脂、架橋ポリエステル樹脂、およびそれ
らの混合体などがあり、適宜所望に応じて使用するのが
よい。
【0016】該熱可塑性樹脂を溶融して供給する装置と
しては溶融押出機を用いることができる。押出機におい
ては、通常、スクリューによって樹脂の供給、溶融、圧
縮、計量、混合がなされるが、精度の向上や、押出量の
増大のためにはスクリューの直径Dに対してスクリュー
長さLの長い、すなわちL/Dとして28から40程度
のものを用いることができる。熱可塑性樹脂は、必要に
応じて乾燥した後に押出機の供給ゾーンに投入し、該樹
脂の融点Tm以上で溶融させた後、圧縮ゾーンで付随の
ガスを脱泡させた後、溶融樹脂を均一に混合、計量して
押出機から吐出させる。押出機から供給された溶融樹脂
を、目の粗い簡単な一次濾過をした後に、定量供給装置
であるギアーポンプを通過させた後に、目の細かい濾過
面積の広い二次濾過を通過させる。濾過された溶融樹脂
は成形用口金にて所望の形状に変形した後に口金から溶
融体を吐出させ、エアーナイフや静電印加などの密着を
向上させる手段を併用して冷却媒体に密着させて冷却固
化させる。
【0017】濾過は、通常、溶融樹脂を目の細かい濾材
を通過させることにより行うが、濾材としては微細な金
属繊維製の織物や多孔質セラミックなどを用いることが
できる。この濾過工程では、溶融樹脂の粘度が高いと、
濾過精度が落ちたり、さらに濾過に要する時間が長くか
かるばかりか、濾圧が高くなり濾材を壊すおそれがあ
る。従って、できる限り濾過にかかる圧力を小さくする
ために、濾過面積を増大させると濾過工程で溶融樹脂が
滞留し、それが熱分解やゲル化などの好ましくない反応
が起こり、異物を大量に生成するようになる。従来技術
においては、このため、できる限り溶融樹脂が滞留する
ことなく、かつ濾過面積を増すための種々な工夫がなさ
れるが、実用上は限界があり目的が達成されていない。
【0018】本発明においては、熱可塑性樹脂を溶融押
出機に供給して、溶融・濾過した後に成形用口金から押
出す工程において、該溶融工程から濾過工程までのいず
れかの工程中において、好ましくは溶融樹脂が5MPa
以上の加圧状態にあるところで、また好ましくは過冷却
状態にある溶融樹脂に対して、機械的振動、誘電振動、
電磁振動などの特定の振動を与えることにより、溶融粘
度を低下せしめ、この粘度が低下した溶融体を濾過する
ことにより、比較的低い濾圧状態で濾過がされ、また濾
過容器などの壁面に溶融樹脂が滞留することなく濾過さ
れるようにしたものである。従って、本発明では、異物
などを生成することなく、容易に異物を含まないクリー
ンな溶融体に濾過することができるのである。振動を与
えると、なぜ濾圧が低下するのかその理由の詳細は不明
であるが、おそらく高分子鎖の絡み合いの部分が特定の
振動によってとぎ解され、その結果、溶融粘度が低下す
るためではないかと考えられる。また、壁面に滞留しに
くくなるのは、壁面での溶融体の摩擦係数が小さくな
り、壁面での溶融体の流速が増大するためではないかと
考えられる。
【0019】このような効果は、熱可塑性樹脂の溶融を
過冷却状態で行なう場合には、特に顕著にその優れた効
果を発揮できる。その理由についても詳細は明確ではな
いが、おそらく溶融体中での疑似絡み合い部分が多く含
まれるために、減粘効果が大きくなるのではないかと考
えられ、また、壁面への粘着力は過冷却状態で減少し、
その結果、摩擦係数が大幅に低下するのではないかと考
えられる。
【0020】なお、振動を与える工程は、好ましくは樹
脂圧力が5MPa以上、より好ましくは10MPa以
上、最も好ましくは15MPa以上と高い溶融状態であ
ることが好ましく、特に濾過工程の直前で行なう場合
や、濾過工程そのもので行う場合に本発明の効果が大き
くなる。これは、濾過工程の直前、あるいは濾過工程で
は樹脂圧力が高いために、振動による減粘効果が助長さ
れるためであろうと考えられる。このときに振動の周波
数としては、1Hz〜100kHz、好ましくは10H
z〜1kHzの範囲のものが好ましい。これ以外の周波
数のものでも効果はあるが、実用上の高い効果が得られ
ない場合がある。
【0021】振幅の大きさは、特に限定されないが、工
程や樹脂等に応じて、0.1μm〜10mmの範囲等で
適宜に用いることができる。振動を与える装置として
は、溶融樹脂の連結管であるパイプで付与するのが簡便
である。通常の炭素鋼で作成されたパイプの外周に薄い
ステンレスで構成された蛇腹状、あるいはベロー状の可
靱性の材料で覆い、これに振動子を接触させることなど
で実現できる。もちろん、この振動装置の前後にはこの
振動が伝達しないように緩衝の接続治具を入れておくの
がよい。
【0022】本発明でいう過冷却状態とは、いったん熱
可塑性樹脂をDSC測定でいう融解時の吸熱ピークの終
了温度(Tme)以上に加熱した後に、融解終了温度T
me未満で、かつ降温結晶化温度Tcb以上の温度まで
冷却したときの流動状態をいう。熱可塑性高分子樹脂の
場合、溶融状態にある樹脂をTme未満に冷却しても短
時間では固化しない、いわゆる過冷却の液相状態を保つ
ことができるのである。 なお、冷却温度は、樹脂の降
温結晶化開始温度(Tcb)以上までにとどめることが
肝要である。すなわち、Tcbよりも低い温度になる
と、樹脂は結晶化し始め、押出されたフィルムの表面荒
れ、押出異常、流れむらを生じたり、経時で固化し、も
はや通常の押出機では押出不可能となる場合があるため
に好ましくない。もちろん、最初から樹脂温度を融解時
の吸熱ピークの開始温度(Tmb)以下にすると樹脂は
流動性がほとんどなく、通常の押出機では押出すことが
できず、さらに、たとえ樹脂温度がTmbよりも高くて
もTme未満であれば、一部、未溶融の樹脂が残るた
め、そのままではフィルターの目詰まりや成形後のフィ
ルムの異物欠点等が生じるため好ましくない。従って、
樹脂の加熱溶融はいったん未溶融のない完全な溶融状態
にするため、Tme以上、好ましくは(Tme+10
℃)以上の温度で行う必要がある。
【0023】通常の熱可塑性樹脂の押出成形によるフィ
ルムの製造方法では、押出機内において、融点以上に加
熱溶融された樹脂を、フィルター、ギアポンプ、連結用
のパイプ、ダイなどに送り、ダイで所望の形状に成形さ
れた後、押出される。この押出の際の樹脂温度は、通
常、融解終了温度(Tme)以上である。これに対し、
本発明においては熱可塑性樹脂は押出機から吐出される
ときの樹脂温度としては、融解終了温度(Tme)未
満、降温結晶化開始温度(Tcb)以上の温度にするこ
とにより、本発明の効果を顕著にするので好ましいので
ある。なお、この過冷却状態には、タンデム押出機の2
段目の押出機で行なう方法が実用的である。
【0024】このように濾過に入る以前に樹脂を過冷却
状態にすると、溶融粘度が高いために、通常では濾過内
での流動性の悪化が生じてしまい、場合によっては固化
するため、押出異常や流れ異常が生じたり、または、押
出が不能になることもあり、押出機、フィルター、ギア
ポンプに負荷をかけ、濾材の変形または濾材寿命の低下
を引き起こすので好ましくない。このため本発明では濾
過工程までの、なるべく濾過工程に近い工程で特定の振
動を付与し、溶融粘度を低減させることにより、熱分解
・ゲル化のないクリーンなポリマーを、通常の高精度の
濾材フィルターを使用して製造できるのである。
【0025】本発明において使用できるダイとしては、
特に限定はされないが、例えばシート用の場合、澤田慶
司著「プラスチックの押出成形とその応用」(誠文堂新
光社)に説明されているような、内部に円筒状の溝(マ
ニホールド)を有するマニホールドダイ(Tダイとも言
う)、魚の尾のような形状をしたフィッシュテールダ
イ、その中間の形状をしたコートハンガーダイ等のいず
れも利用することができる。フラットダイは、通常、溶
融樹脂を幅方向に広げるダイホッパーと呼ばれる部分
と、樹脂を幅方向に広げた後、目的の形状に成形する最
終部分であり、一定のスリット間隙を有する平行部分で
あるランド部と呼ばれる部分から構成される。もちろ
ん、ランド部、その下流にダイホッパー、さらにその下
流にランド部と、2段のランド部を形成する口金も使用
できる。
【0026】このように成形された溶融樹脂は口金から
大気に吐出され、必要なドラフト比をかけた後、冷却ド
ラム上で冷却される。このとき、冷却ドラムとの密着性
を向上させるために溶融樹脂シートに静電荷を印加した
り、0.01〜1μmの水の液膜を有した冷却ドラム上
で冷却固化させ、未延伸シートを得るのである。
【0027】このようにして押出して得られた溶融体の
急冷シート、繊維あるいは成形体は、必要に応じて延伸
や熱処理や表面処理などが行われる。
【0028】シートやフィルムの場合、一軸延伸や二軸
延伸および熱処理することが通常行われるので、本発明
の押出成形されたシート成形体も長手方向および/また
は幅方向の二軸に延伸し、熱処理してもよい。
【0029】該二軸延伸方式としては、長手方向と幅方
向とに延伸するには、同時二軸延伸法式や逐次二軸延伸
方式が用いられる。
【0030】同時二軸延伸とは、フィルムの長手方向、
幅方向の二軸方向に同時に配向を与えるための延伸を言
い、同時二軸テンターを用いて、フィルムの両端をクリ
ップで把持しながら搬送して、長手方向および幅方向に
延伸する方法であり、幅方向または長手方向に単独に先
に延伸した後に、長手方向と幅方向とを同時に延伸する
方法や、さらに同時二軸延伸後に幅方向または長手方向
に単独にさらに延伸する方法なども全て含まれるのであ
る。また、同時二軸延伸方式は、延伸するに際して、ス
クリューの溝にクリップを載せてクリップ間隔を広げて
いくスクリュー方式、パンタグラフを用いてクリップ間
隔を広げていくパンタグラフ方式等でも良いが、同時二
軸テンターのクリップが、リニアモータ方式により個別
に駆動される方式等を用いることもできる。
【0031】これらの各延伸工程でのフィルム温度は、
その熱可塑性樹脂シートのガラス転移温度以上、結晶化
温度以下に保たれているのがよい。二軸延伸の倍率とし
ては、樹脂の種類によっても異なるが、通常はそれぞれ
の方向で2〜12倍程度である。なお、延伸の後に、そ
の歪みを除去するために、リラックス熱処理(熱固定)
を行うこともしばしば有効であるが、そのとき、延伸後
直ちに熱処理するのではなく、延伸後、いったん該延伸
フィルムのガラス転移温度Tg以下に冷却した後に熱処
理をすると、幅方向に均一な物性を有したフィルムを得
ることができるので好ましい。なお、熱処理の温度とし
ては、延伸温度から樹脂の融点近傍までのさまざまな温
度が用途に応じてとられる。
【0032】このようにしてゲル化物や熱分解物などの
異物を含まない、あるいはほとんど含有しない繊維やシ
ート、フィルム、成型物を延伸・成形すると、糸切れや
フィルム破れなどの生産中断が激減し、安定した製糸、
製膜、加工が可能になるのである。
【0033】かくして得られるフィルムの場合、特に二
軸延伸フィルムの場合は、異物などを全く含まず、従っ
て外観上高品位なフィルムであるばかりか、延伸時の破
れなども起こらず、安定した延伸が可能であり、このた
めに高い強度の必要な高延伸倍率の超強力化フィルムの
製造方法としては特に好ましいものである。
【0034】次に、本発明の製造方法をポリエステル樹
脂について例をとり説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0035】まず、ポリエステル樹脂の重合段階、ある
いは押出機工程で必要な添加剤を含有させた原料ペレッ
トを用意し、この原料の乾燥を熱風中、真空中あるいは
ベント押出機中で行い、押出機内において、該樹脂の融
点Tme以上、熱分解温度Tb以下の温度で溶融し、あ
るいは、いったん該樹脂の融点Tme以上にして溶融し
た後に溶融樹脂の冷却を、例えばタンデム押出機の二段
目等で冷却して、融点Tme以下、結晶化温度Tcb以
上の過冷却状態にして、樹脂の熱分解物やゲル化物の発
生を可能な限り小さくした状態で、樹脂を流動させ、簡
単な金網フィルターで濾過後、ギアーポンプで定量を押
出供給し、これを5μm以上の異物を通過させないフィ
ルターで濾過し、これをダイでフラットな形状に成形し
た後、移動式冷却体に静電荷などを印加して密着させ冷
却固化させる。
【0036】このときに、濾過工程が終了するまでの過
冷却状態の樹脂に1Hzから100kHzの振動を付与
することが重要である。
【0037】本発明の場合、濾過工程で振動を付与する
のが最も効果的である。なお、過冷却状態にすることに
より、本発明の効果が顕著になるばかりか、オリゴマー
や熱分解物などの異物含有の少ないフィルムになり、さ
らに口金から吐出した溶融体が高粘度であるために空気
や音波などの外部振動に対しても影響を受けにくいフィ
ルムになり、厚みむらのない良好なフィルムが得られる
メリットもある。
【0038】かくして得られた無延伸フィルムを逐次二
軸延伸装置または同時二軸テンターに供して二軸延伸す
る。二軸延伸した後、フィルムを構成する樹脂のガラス
転移点未満の温度まで、好ましくはガラス転移点−10
℃未満の温度まで冷却した後に、熱寸法安定性付与のた
めに熱処理することが好ましい。延伸後に直ちにそのま
まの温度で熱処理を施した場合、延伸時の応力と熱収縮
応力により熱処理工程における軟化したフィルムが延伸
工程に引きずり込まれ、ボーイング現象を生じ、フィル
ムの屈折率楕円体が歪み、その結果、幅方向の物性分布
を生じる。そこで、これらのボーイング現象を避けるた
めに、二軸延伸後に該樹脂のガラス転移点未満の温度ま
でいったん冷却し、延伸工程と熱処理工程の間に硬い部
分を設け、それぞれの工程を分離した後に熱処理をする
ことにより、ボーイング現象を抑制することが可能とな
る。さらに、熱処理中および後に、寸法を縮めるリラッ
クス処理を行うことで、より高い熱寸法安定性が得られ
るので好ましい。ただし、熱寸法安定性を追求するあま
り、高すぎる熱処理温度、また、多すぎるリラックス率
の熱処理を行うと、強度、平面性などの特性の低下を引
起こすので好ましくない。このようにして得られたフィ
ルムは、室温まで徐冷してから、ワインダーにて巻取り
製品とする。
【0039】本発明の方法は、フィルムの製造で言え
ば、例えば、製品フィルム厚さ0.1μmから500μ
m等と幅広い範囲のものに採用できるが、特にフィルム
厚みの薄い感熱転写用受容紙はもちろんのこと、感熱孔
版用原反、コンデンサー用原反、感熱転写リボン用原
反、さらには、薄くて異物を含まず、しかも強度の必要
な磁気テープ用原反、良好な外観の必要な包装用原反、
異物を嫌い、透明性の必要なグラフィック用、写真用な
どの各種用途等に広範囲に使用でき、有効なものであ
る。
【0040】
【物性値の評価方法】1.熱特性:示差走査熱量計とし
て、セイコー電子工業株式会社製ロボットDSC「RD
C220」を用い、データ解析装置として、同社製ディ
スクステーション「SSC/5200」を用いて、サン
プル約10mgをアルミニウム製の受皿上300℃で5
分間溶融保持し、液体窒素で急冷固化した後、室温から
昇温速度20℃/分で昇温した。このときに観測される
ガラス転移点のピーク温度をTg、融解吸熱ピークの開
始温度をTmb、ピーク温度をTm、ピーク終了温度をT
meとした。また、サンプル5mgを300℃で5分間溶
融保持した後、降温速度20℃/分で降温した。この際
観測される降温結晶化発熱ピークの開始温度をTcb、ピ
ーク温度をTc、ピーク終了温度をTceとした。
【0041】2.フィルムの長手方向厚みむら:アンリ
ツ株式会社製フィルムシックネステスタ「KG601
A」および電子マイクロメータ「K306C」を用い、
フィルムの縦方向に30mm幅、10m長にサンプリン
グしたフィルムを連続的に厚みを測定する。フィルムの
搬送速度は3m/分とした。10m長での厚み最大値T
max(μm)、最小値Tmin(μm)から、 R=Tmax−Tmin を求め、Rと10m長の平均厚みTave(μm)から、 厚みむら(%)=R/Tave×100 として求めた。
【0042】3.複屈折:ベレックコンペンセータを装
備した偏光顕微鏡により、フィルムのリターデーション
Rdを求めた。Rdをフィルムの厚みで割り、複屈折と
した。
【0043】4.結晶化度:臭化ナトリウム水溶液によ
る密度勾配管を作成し、25℃におけるフィルムの密度
を測定する。この密度dから、 結晶化度(%)=(d−da)/(dc−da)×10
0 とした。ここで、daは非晶密度、dcは完全結晶密度
で、ポリエチレンテレフタレートの場合、文献値より、
da=1.335、dc=1.455g/cm3とし
た。
【0044】5.ポリエステルの固有粘度[η] 25゜Cで、o−クロルフェノールを溶媒として次式よ
り求めた。
【0045】[η]=lm[ηsp/c] 比粘度ηspは、相対粘度ηr から1を引いたものであ
る。cは、濃度である。単位はdl/gで表わす。
【0046】以下に、実施例、比較例によって本発明を
より具体的に説明する。
【0047】実施例1 熱可塑性樹脂として、極限粘度0.72のポリエチレン
テレフタレート(PET、Tg:69℃、Tme:26
5℃、Tcb:188℃)を用いた。ペレットを180
℃で2時間真空乾燥し、この原料を150/150mmの
タンデム押出機の一段目押出機に供給し、285℃で均
一に溶融状態とし、続いて二段目の押出機に供給後、熱
媒により押出機シリンダーを冷却して、該溶融ポリマー
温度を255℃まで均一に冷却し、過冷却状態にした。
この過冷却溶融体をギアポンプにて供給・定量した後、
加振装置に供給し、そこで周波数200Hz、振幅100
μm、樹脂圧力10MPaの条件下で振動を与えたとこ
ろ、溶融体の粘度は3000Pa・sから300Pa・sと1/
10に低下していた。なお、このときに使用した加振装
置は、溶融体の連結パイプ(素材は炭素鋼)の外周に16
-6ステンレス薄版で構成された中空2層積層板で出来た
振動均一拡散板に所定周波数の振動子を連結したもので
ある。
【0048】続いて、この減粘された溶融体に存在する
2μm以上の異物を除去するために、微細な焼結フィル
ターが多数配列してある濾過装置を通過させた後、Tダ
イ口金に導入した。この時の濾圧は7MPaと比較的低
いものであった。ダイから押し出された溶融フィルム
に、1.2万Vの静電荷を印加させながら、表面温度6
5℃に保たれ、かつ表層には結露法で形成させた0.1
μm径以下の微細水滴で全面が覆われている鏡面キャス
ティングドラム上に120m/分の高速で引き取り、急
冷固化し、長手方向/幅方向の厚みむらとして3%/4
%、複屈折は0、結晶化度は0%であった。該フィルム
をロール式縦延伸機にて98℃で多段階に6倍延伸し
た。次に、この一軸配向したフィルムをテンターに供給
して95℃で4.5倍幅方向に延伸した。その後、いっ
たん65℃に冷却させ、同じテンター内で225℃の熱
処理を行い、その後、均一に幅方向に5%のリラックス
をさせながら徐冷して室温まで冷却して、巻き取り、厚
さ0.8ミクロンの極薄もの二軸配向フイルムを安定に
製膜できた。
【0049】実施例2〜3、比較例1 実施例1で用いた振動条件を変更して減粘状態や濾圧な
どを観察した。
【0050】また、表1に示したように過冷却状態をや
め通常の溶融状態にした場合を実施例2として、また振
動を加えるときの圧力を2MPaと小さくした場合を実
施例3として、さらに振動を付与しない場合を比較例1
として示した。
【0051】
【表1】 これら実施例等から明らかなように、最適化された振動
を付与することにより、溶融粘度の減粘効果があり、熱
分解物、ゲル化物、異物などのないクリーンな熱可塑性
樹脂の溶融されたフィルムを製造することができること
が確認できた。
【0052】
【発明の効果】過冷却状態にある熱可塑性樹脂溶融体
に、濾過工程までの任意の工程においていずれかの工程
中において振動を与えることにより、溶融粘度が大幅に
低下するために、濾過精度の高い濾過であっても高い濾
圧にならずに容易に濾過できる。このために、熱分解
物、ゲル化物、異物などのないクリーンな熱可塑性樹脂
の溶融されたシート、フィルム、繊維、成形体などを製
造することができる。
【0053】本発明方法を用いれば、ゲル化物や熱分解
物などの異物を含まなく、あるいはほとんど含有しな
く、繊維やシート、フィルムあるいは成形物の生産をす
るに当たり、糸切れやフィルム破れなどの生産中断を生
じさせることも少なく、それらのものを生産効率良く製
造することが可能になる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂を溶融押出機に供給して、溶
    融、濾過した後に成形用口金から押出す溶融押出法にお
    いて、該溶融工程から濾過工程までのいずれかの工程中
    において該熱可塑性樹脂に振動を与えながら成形するこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂の溶融押出法。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂の溶融工程を過冷却状態で行
    なうことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂の
    溶融押出法。
  3. 【請求項3】振動を与える工程での溶融樹脂圧力が、5
    MPa以上の高い圧力下で行うことを特徴とする請求項
    1または2に記載の熱可塑性樹脂の溶融押出法。
  4. 【請求項4】振動を与える工程が、濾過工程の直前にあ
    ることを特徴とする請求項1、2または3に記載の熱可
    塑性樹脂の溶融押出法。
  5. 【請求項5】振動を与える工程が、濾過工程中であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の熱可
    塑性樹脂の溶融押出法。
  6. 【請求項6】振動の振動数が、1Hz〜100kHzで
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に
    記載の熱可塑性樹脂の溶融押出法。
  7. 【請求項7】振動の振動数が、10Hz〜1kHzであ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6
    に記載の熱可塑性樹脂の溶融押出法。
  8. 【請求項8】成型される成形体の形状が、シート状、フ
    ィルム状、繊維状あるいは不織布状であることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の熱
    可塑性樹脂の溶融押出法。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂が、ポリエステル、ポリオレ
    フィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドから選
    ばれた樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7または8に記載の熱可塑性樹脂の溶融押
    出法。
  10. 【請求項10】請求項1、2、3、4、5、6、7、8
    または9に記載の溶融押出法を用いて、熱可塑性樹脂フ
    ィルムの成形を行うことを特徴とする熱可塑性樹脂フィ
    ルムの製造方法。
  11. 【請求項11】熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエステル
    樹脂フィルムであることを特徴とする請求項10記載の
    熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015003466A (ja) * 2013-06-21 2015-01-08 富士フイルム株式会社 積層フィルム、太陽電池モジュール用バックシートおよび太陽電池モジュール
JP2022107398A (ja) * 2021-01-08 2022-07-21 日本碍子株式会社 押出成形用ダイ及び押出成形機

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