JPH11227099A - 耐熱性基板 - Google Patents

耐熱性基板

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JPH11227099A
JPH11227099A JP2824598A JP2824598A JPH11227099A JP H11227099 A JPH11227099 A JP H11227099A JP 2824598 A JP2824598 A JP 2824598A JP 2824598 A JP2824598 A JP 2824598A JP H11227099 A JPH11227099 A JP H11227099A
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heat
resistant substrate
represented
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polyimide
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JP2824598A
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Asaji Hayashi
浅次 林
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く、光線の電気への変換効率の高
い耐熱性基板を提供する。 【解決手段】 金属板の表面に、(A)芳香族ジアミン
と芳香族テトラカルボン酸及び/又はその誘導体を溶質
として溶媒中に溶解し、且つ、(B)絶縁性微粒子を配
合した、ポリイミド前駆体溶液より得られるポリイミド
系樹脂の塗膜が形成されてなることを特徴とする耐熱性
基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性基板に関す
る。詳しくは、電子材料分野に好適な耐熱性基板に関
し、本発明に係る耐熱性基板は、太陽電池、光センサ
ー、光スイッチなどの光電変換装置用の基板として好適
に使用される。
【0002】
【従来の技術】電子材料用の絶縁基板は、従来から、太
陽電池用基板、プリント配線用基板、サーマルヘッド用
基板などとして、広く用いられている。絶縁基板の用途
が集積型の太陽電池の場合には表面平滑性が要求される
ので、金属板の表面粗度Rmaxを40nm未満、突起の
ピッチを4nm未満の極めて平滑な超鏡面状に研磨する
方法が知られている。しかしながら、金属板の表面を上
の様に超鏡面状に研磨するのはコスト高であり、経済的
に極めて不利となる。これを解決する方法として、金属
板の表面にポリイミド系樹脂などの電気絶縁性樹脂の被
膜を形成する技法が提案され、実用化されている(特公
平6−59715号公報)。
【0003】ところが、上記の被膜は、高重合度のポリ
イミド系樹脂溶液を金属板の表面にコーティングする場
合には、塗布可能な溶液粘度とするために、ポリマー濃
度を低くしなければならないという問題がある。また、
多くのポリイミドは有機溶剤に難溶又は不溶であるため
に、種々の用途においては、有機溶剤に可溶であるポリ
イミド前駆体の溶液が用いられてきた。このようなポリ
イミド前駆体溶液として、下記一般式からなるポリアミ
ック酸(ポリアミド酸)からなる溶液が知られている。
【0004】
【化4】
【0005】これらポリアミド酸溶液は、溶媒中で芳香
族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応さ
せることにより製造されるものであり、例えば特公昭3
6−10999号公報、特開昭62−275165号公
報、特開昭64−5057号公報、特公平2−3814
9号公報、特公平2−38150号公報、特開平1−2
9987号公報、特開昭58−122920号公報、特
公平1−34454号公報、特開昭58−185624
号公報、Journal of Polymer Sc
ience,Macromolecular Revi
ews Vol.11 P.199(1976)、米国
特許第4238528号、特公平3−4588号公報、
特公平7−3024号公報、特開平7−41556号公
報、特開平7−62095号公報、特開平7−1333
49号公報、特開平7−149896号公報、特開平6
−207014号公報、特公平7−17870号公報、
特公平7−17871号公報、IBM Technic
al Disclosure Bulletin Vo
l.20 No.6 P.2041(1977)等に開
示されているように、溶媒として非プロトン性極性溶媒
を用いるものや、特開平6−1915号公報に開示され
ているように、溶媒として、水溶性エーテル系化合物、
水溶性アルコール系化合物、水溶性ケトン系化合物及び
水から選ばれる混合溶媒を用いるものなど、種々の溶液
が提案されている。
【0006】ポリイミド前駆体溶液における溶質として
のポリイミド前駆体としてはポリアミド酸以外にも種々
のポリマーが知られている。例えば、Macuromo
lecules Vol.22 P.4477(198
9)やPolyimidesand Other Hi
gh Temperature Polymers.
P.45(1991)には、下記一般式からなるポリア
ミド酸エステルが、
【0007】
【化5】
【0008】Macuromolecules Vo
l.24 P.3475(1991)には、下記一般式
からなるポリアミド酸トリメチルシリルエステルが、
【0009】
【化6】
【0010】Journal of Polymer
Science Part B Vol.8 P.29
(1970),Journal of Polymer
Science Part B Vol.8 P.5
59(1970)、日本化学会誌 Vol.1972
P.1992,Journal of Polymer
Science Polymer Chemistry
Edition Vol.13 P.365(197
5)には、下記式からなるポリアミド酸ビス(ジエチル
アミド)が開示されている。
【0011】
【化7】
【0012】上述したこれら前駆体はいずれも高重合度
のポリマーであり、これらポリマーを溶質として含有す
る溶液からポリイミド塗膜を得る際は、一般的にはこの
ポリマー溶液を銅、ガラス等基材上にコーティングし、
溶媒を除去し、イミド化を行いポリイミド塗膜を得る。
しかしながら、このような高重合度のポリマー溶液をコ
ーティングする場合には、そのポリマーが高重合度故に
塗工可能な溶液の粘度とするためには、固形分濃度を低
くしなければならないという問題があった。また、生産
性を高めるために、固形分濃度を高めると溶液の粘度が
高くなり、塗工できなくなってしまうという問題もあ
り、またたとえ塗工できたとしても、良好な、機械的、
熱的特性を有する塗膜やフィルムが得られないという問
題があった。さらに、ポリマー溶液は長期の保存に耐え
難く、ポリマーの重合度を維持しつつ長期間保存するこ
とは極めて困難であった。
【0013】また、近年、ポリイミドの成形加工性を向
上させるために、さらに数多くの熱可塑性ポリイミドが
開発されている。しかしながら、前記のようなポリイミ
ド塗膜を得る場合と全く同様の問題、すなわち、ポリイ
ミド前駆体溶液の濃度を高くすれば粘度が上昇し、含浸
用途等に使用する場合、生産性が低下するなど取り扱い
が困難になる。また、ポリマー溶液であるため、その重
合度を維持しつつ長期間保存することは極めて困難であ
るという問題は解決されなかった。
【0014】一方、太陽電池の用途に使用する場合に光
線の電気への変換効率を向上させるために、最近では、
前述の様に絶縁基板の表面を極めて平滑な鏡面状にする
方法とは逆に、絶縁基板の表面に微細な凹凸を形成する
技法が提案されている(特開平7−254721号公
報)。この方法によるときは、入射する太陽光線を絶縁
基板の微細な凹凸によって乱反射させ、絶縁基板の微細
な凹凸に封じ込めることによって光線の電気への変換効
率を向上させるものである。しかしながら、特開平7−
254721号公報に記載の方法では、絶縁基板の表面
に形成する凹凸が余りにも微細過ぎて、この極微細な凹
凸を形成する工程のためにコスト高になるのは免れない
という欠点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、かかる状
況にあって、上記従来技術の諸欠点を一挙に解決した耐
熱性基板を提供すべく、鋭意検討の結果本発明を完成し
たものである。本発明の目的は、次の通りである。 1.生産性も高く、高強度の耐熱性基板を提供するこ
と。 2.表面に低コストで微細な凹凸を形成した耐熱性基板
を提供すること。 3.光線の電気変換効率の高い耐熱性基板を提供するこ
と。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意検討を行った結果、ステンレス板の
表面にポリイミド系樹脂の被膜が形成されてなる耐熱性
基板の表面に微細な凹凸を形成することにより光線の電
気変換効率の向上の可能性を知得した。また、ポリイミ
ド系樹脂の被膜として、特定のモノマーを組み合わせて
溶質としたポリイミド前駆体溶液を用いれば、高強度で
良好な物性を示すポリイミド系樹脂の被膜が得られるこ
とを知得し、かつ、前記耐熱性基板の製造に応用できる
ことに到達し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、
金属板の表面に、(A)芳香族ジアミンと芳香族テトラ
カルボン酸及び/又はその誘導体を溶質として溶媒中に
溶解し、且つ、(B)絶縁性微粒子を配合した、ポリイ
ミド前駆体溶液より得られるポリイミド系樹脂の塗膜が
形成されてなることを特徴とする耐熱性基板に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)金属板 本発明の耐熱性基板の基体である金属板としては、ステ
ンレス、アルミニウム、銅、アルミ合金等より選択され
る。ステンレスとしては、通常の炭素鋼に比較して耐蝕
性の優れた特殊鋼が望ましい。ステンレスの多くはCr
含有率が約12%以上のクロム鋼を主体とし、これにN
i、Mo、Ti、Nbなどを含ませたものである。組織
の観点から、マルテンサイト型、フェライト型、オース
テナイト型などに分類できる。マルテンサイト型炭素鋼
の標準組成は、Cr含有率が通常約13%であるので、
13クロムステンレス鋼と称され、SUS301、30
4、305、310(いずれもJIS記号。以下同
じ。)などが挙げられる。フェライト型炭素鋼の標準組
成は、Cr含有率が通常約18%であるので、18クロ
ムステンレス鋼と称され、SUS430、434などが
挙げられる。オーステナイト型炭素鋼の標準組成は、通
常、Cr含有率が約18%、Ni含有率が約8%である
ので、18−8ステンレス鋼と称され、SUS410、
THR100などが挙げられる。上記の金属板の表面
は、超鏡面状の平滑面となるように研磨する必要はな
く、また特定の範囲の表面粗度に調節する必要もない。
金属板の厚さは、一般的には0.05〜5mmの範囲で
選ぶのがよく、中でも特に好ましいのは0.1〜1mm
の範囲である。
【0018】(2)ポリイミド系樹脂 本発明において、ポリイミド系樹脂とは、通常、ポリマ
ー鎖の繰り返し単位の80モル%以上が、下記の一般式
(I)で示されるイミド構造を有する有機ポリマーを言
う。そして、このポリイミド系樹脂は、熱可塑性で、熱
分解温度が高く、耐熱性を示す。具体的には、DSC測
定装置(パーキエルマー社製、DSC−7)で測定した
ガラス転移温度が通常320℃以下である。
【0019】
【化8】
【0020】ポリイミド前駆体とは、加熱又は化学的作
用により閉環してポリイミドとなる有機化合物を示す。
ここに、閉環したとは、イミド環構造が得られることを
言う。そして、このポリイミド前駆体が溶質として溶媒
に溶解しているものが、ポリイミド前駆体溶液である。
ここに、本願では、溶媒を体気圧25℃での液状化合物
を示す。
【0021】ポリイミド前駆体溶液は、芳香族ジアミン
と、芳香族テトラカルボン酸及び/又はその誘導体を溶
質として溶媒中に溶解しているポリイミド前駆体溶液で
あり、前記芳香族ジアミンと、芳香族テトラカルボン酸
及び/又はその誘導体とは一般式(A)に示す熱可塑性
ポリイミドを形成するものである。前記溶質としては、
構造式(1)に示す4,4′−オキシジアニリン及び/
又は構造式(2)に示す3,4′−オキシジアニリン
と、一般式(3)に示す4,4′−オキシジフタル酸及
び/又はその誘導体との組み合わせ、又は、構造式
(1)に示す4,4′−オキシジアニリン又は構造式
(2)に示す3,4′−オキシジアニリン、及び構造式
(4)に示すパラフェニレンジアミンと、一般式(3)
に示す4,4′−オキシジフタル酸又はその誘導体との
組み合わせが好ましいものとして挙げられる。
【0022】さらに、一般式(3)に示す4,4′−オ
キシジフタル酸又はその誘導体の一部を、一般式(5)
に示すカルボン酸又は一般式(6)に示すジカルボン酸
無水物に置き換えてもよい。この場合、4,4′−オキ
シジフタル酸又はその誘導体と、一般式(5)に示すカ
ルボン酸又は一般式(6)に示すジカルボン酸無水物と
の成分比を制御することによって、得られるポリイミド
の熱溶融流動性を制御することが可能となる。このと
き、4,4′−オキシジフタル酸又はその誘導体と、一
般式(5)で示すカルボン酸又は一般式(6)で示すジ
カルボン酸無水物との成分モル比は100:0〜10
0:20が好ましく、100:0〜100:11がさら
に好ましい。一般式(3)に示す4,4′−オキシジフ
タル酸又はその誘導体100に対する一般式(5)に示
すカルボン酸又は一般式(6)に示すジカルボン酸無水
物との成分モル比が20を超えると強度の低いポリイミ
ドフィルムしか得られない傾向にある。
【0023】
【化9】
【0024】また、一般式(3)に示す4,4′−オキ
シジフタル酸又はその誘導体の一部を構造式(7)に示
す4,4′−オキシジフタル酸二無水物に置き換えても
よい。このとき、一般式(3)に示す4,4′−オキシ
ジフタル酸又はその誘導体100に対する構造式(7)
に示す4,4′−オキシジフタル酸二無水物のモル比は
0〜100が好ましい。この比を調節することによって
ポリイミド前駆体溶液の粘度を微調整することができ
る。この比が1を超えると本発明の特徴である高濃度で
低粘度なポリイミド前駆体溶液を得ることができない。
【0025】
【化10】
【0026】また、さらに、構造式(1)に示す4,
4′−オキシジアニリン又は構造式(2)に示す3,
4′−オキシジアニリンの一部を、一般式(8)に示す
アミンに置き換えても、ポリイミドの熱溶融流動性を制
御することができる。この場合、構造式(1)に示す
4,4′−オキシジアニリン又は構造式(2)に示す
3,4′−オキシジアニリンと、一般式(8)からなる
アミンの比は100:0〜100:20が好ましく、1
00:0〜100:11がさらに好ましい。構造式
(1)に示す4,4′−オキシジアニリン又は構造式
(2)に示す3,4′−オキシジアニリン100に対す
る一般式(8)に示すアミンのモル比が20を超えると
強度の低いポリイミドフィルムしか得られない傾向にあ
る。
【0027】
【化11】
【0028】本発明において構造式(4)に示すパラフ
ェニレンジアミンを成分として含有しているポリイミド
前駆体を溶質として溶媒中に溶解しているポリイミド前
駆体溶液を調製する場合、構造式(4)に示すパラフェ
ニレンジアミンと構造式(1)に示す4,4′−オキシ
ジアニリン又は構造式(2)に示す3,4′−オキシジ
アニリンのモル比はいくらに設定してもよいが、構造式
(4)に示すパラフェニレンジアミンと構造式(1)に
示す4,4′−オキシジアニリン又は構造式(2)に示
す3,4′−オキシジアニリン100に対して構造式
(4)に示すパラフェニレンジアミンのモル比が50以
下が好ましく、さらに好ましくは20以下である。この
モル比が50より大きいと得られるポリイミドの高温特
性が著しく変化してしまう。
【0029】本発明において、溶媒としては、前記ポリ
イミド前駆体を溶解し、均一な溶液を与える溶媒であれ
ばいかなる溶媒も用いることができるが、非プロトン系
極性溶媒、同一分子内にエーテル基とアルコール性水酸
基を有する化合物、水溶性エーテル化合物、水溶性アル
コール性化合物及びアミン化合物等が挙げられ、これら
溶媒は単独もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、非プロトン系極性溶媒と同一分子内にエーテル
基とアルコール性水酸基を有する化合物を単独又は混合
して用いるものが好ましく、特にジエチレングリコール
モノメチルエーテル及び/又はN,N−ジメチルホルム
アミドであることが好ましい。また、非プロトン系極性
溶媒と水溶性アルコールとの混合物が好ましく、特にN
−メチル−2−ピロリドンと水溶性アルコールとの混合
物が好ましい。またさらに、アミン化合物単独又はアミ
ン化合物を含有する混合溶媒を用いることが好ましい。
【0030】非プロトン系極性溶媒としてはN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド
等が挙げられ、これらの中で、N,N−ジメチルホルム
アミドが特に好ましい。同一分子内にエーテル基とアル
コール性水酸基を有する化合物としては、例えば、2−
メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−
(メトキシメトキシ)エトキシエタノール、2−イソプ
ロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、テトラ
ヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエ
チレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレン
グリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エ
トキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらの
中でジエチレングリコールモノメチルエーテルが特に好
ましい。
【0031】さらに、水溶性エーテル系化合物として
は、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2
−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙
げられる。また、水溶性アルコール系化合物としては、
例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−
メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキ
サントリオール等が挙げられる。
【0032】またさらに、アミン化合物としてはいかな
るものを用いてもよいが、第3級アミンを用いることが
好ましい。この中で、トリエチルアミン及びジメチルア
ミノエタノールを用いるのが特に好ましい。前記非プロ
トン系極性溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンと水
溶性アルコールとの混合溶媒を用いる場合には、水溶性
アルコールとしてはメタノール、エタノールを用いるこ
とが好ましく、これら以外の水溶性アルコールを用いる
場合ポリイミド前駆体の貯蔵安定性が悪くなることがあ
る。N−メチル−2−ピロリドンと水溶性アルコールと
の混合比(重量比)は80:20〜60:40が好まし
く、75:25〜65:35がより好ましい。N−メチ
ル−2−ピロリドンと水溶性アルコールとの混合比がこ
の範囲にないと均一で透明なポリイミド前駆体溶液が得
られないか、貯蔵安定性が悪くなることがある。
【0033】本発明のポリイミド前駆体溶液におけるポ
リイミド前駆体の濃度は、30重量%以上が好ましい。
35重量%以上がより好ましく、40重量%以上がさら
に好ましい。30重量%未満では、粘度が低すぎ、均一
な塗膜が得られにくい。また、ポリイミド前駆体溶液の
粘度は、100ポイズ以下が好ましく、85ポイズ以下
がより好ましく、60ポイズ以下がさらに好ましい。ポ
リイミド前駆体溶液の粘度が100ポイズを超えると含
浸用途に使用する際、生産性が低下することがある。な
お、ここでの粘度とは、(株)トキメック社製、DVL
−BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、20℃
における回転粘度を測定したものである。以上のポリイ
ミド前駆体溶液は、芳香族ジアミンと、芳香族テトラカ
ルボン酸及び/又はその誘導体とを溶媒に順次添加する
ことにより製造することができる。添加する順序はいか
なる順序でもよい。
【0034】(3)絶縁性微粒子 本発明において、ポリイミド前駆体溶液には、絶縁性微
粒子を配合する。使用できる絶縁性微粒子は、その平均
粒径が0.05〜5μmの範囲のものが好適である。絶
縁性微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、
チタニア、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アル
ミニウムなどが挙げられるが、好ましくは、シリカ、ア
ルミナ、ジルコニア、チタニアであり、特に好ましくは
シリカである。微粉末のポリイミド系前駆体溶液への配
合量は、その種類、平均粒径、被膜の厚さ、耐熱性基板
の用途などにより変わるが、ポリイミド系樹脂あるいは
ポリイミド前駆体に対して、5〜500重量%、特に2
0〜400重量%の範囲とするのが好ましい。微粉末の
配合量が5重量%未満であると被膜の表面に微細な凹凸
を形成することが難しく、配合量が500重量%を超え
ると被膜にピンホールが発生し易く、いずれも好ましく
ない。なお、ポリイミド前駆体溶液には、上記の絶縁性
微粒子の他にも必要に応じて例えば、有機シラン、顔
料、導電性のカーボンブラック及び金属粒子のような充
填剤、摩滅剤、誘電体、潤滑剤等の他公知の添加物を本
発明の効果を損なわない範囲で添加配合することができ
る。
【0035】(4)ポリイミド塗膜 前記金属板の表面にポリイミド系樹脂の塗膜を形成する
には、以上説明したポリイミド前駆体溶液を金属板表面
上に塗工し、乾燥して溶媒を除去し、ポリイミド前駆体
塗膜を得、これをイミド化して得られる。塗布方法とし
ては、スピンコート法、ドクターブレードコート法、バ
ーコート法、ロールコート法、フローコート法などが挙
げられる。ステンレス板表面への塗布量は、塗布液の固
形分の濃度、塗布液の粘度などを調節して、湿った状態
の塗布膜の厚さを3〜300μm程度とし、塗布乾燥後
の被膜が所定厚さの被膜となるように、塗布操作を繰返
して行い調節する。
【0036】塗布操作が完了したら塗布膜を加熱乾燥す
る。加熱条件は、ポリイミド系樹脂の種類、溶媒の種
類、得られる基板の用途などにもよるが、通常200℃
以上、好ましくは250〜400℃の温度範囲で、5〜
60分の範囲で加熱し、基板表面の被膜の残留溶媒濃度
を十分に低い値とする。例えば、溶媒がN,N′−ジメ
チルホルムアミドであって、基板の用途がアモルファス
太陽電池基板の場合は、真空下のCVD操作で悪影響を
与えない残留溶媒濃度は、50ppm程度未満とする必
要がある。なお、乾燥する際の基板の加熱は、急速加熱
すると溶媒が急激に気化して被膜の表面性が悪くなるこ
とがあるので、徐々に昇温加熱するのが好ましい。乾加
熱度が低い場合は時間を長くし、乾加熱度が高い場合は
時間を短くするのが一般的である。
【0037】基板の表面に形成する被膜の厚さは、通常
1〜70μm、好ましくは5〜50μmの範囲とする。
被膜の厚さが1μm未満であると、被膜にピンホールな
どの欠陥が発生し易く、電子部品として使用する際に絶
縁破壊を起こす危険が高くなり、また、被膜の厚さが7
0μmを超えると、被膜に残留溶媒が残り易くなるの
で、いずれも好ましくない。
【0038】以上の本発明に係る耐熱性基板は、ポリイ
ミド系樹脂の被膜の表面がJISB0601で定義され
ている値であって、JIS B0651に準拠して測定
した表面粗度Rmax を、好ましくは0.1〜2.0μm
の範囲、突起のピッチを0.1〜5μmの範囲とする。
被膜の表面粗度Rmax が0.1μm未満、突起のピッチ
が0.1μm未満であると、被膜の表面に微細な凹凸を
形成するのが困難でコスト高になるので好ましくない。
被膜の表面粗度Rmax が2.0μmを超え、突起のピッ
チが5μmを超える場合には、凹凸が大きくなり過ぎ
て、入射する太陽光線を乱反射させ絶縁基板の表面に封
じ込めるという本発明の目的が達成されないので好まし
くない。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いて詳細に説明す
るが、本発明はその趣旨を超えない限り以下の記載例に
限定されるものではない。 実施例1 3,4′−オキシジアニリン5.50gを、N,N−ジ
メチルホルムアミド15.00gに溶解した。これに
4,4′−オキシジフタル酸9.50g(1当量)を加
えた。1時間撹拌を続けたところ、均一な淡茶色透明な
溶液が得られた(固形分濃度50重量%)。この溶液の
粘度を測定したところ、2.6ポイズであった。さらに
この溶液に、平均粒径が0.1μmのシリカ微粉末を固
形分に対して300重量%なる様に配合して均一に混合
し、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して被膜
形成用の溶液とした。大きさが300mm×300m
m、厚さが0.3mmのSUS304ステンレス板の片
面に、上記の被膜形成用の溶液を、室温下、ダイコータ
ーによって塗布し、直ちに80℃のオーブンに入れ、5
分間この温度を維持し、その後徐々に350℃まで昇温
し、この温度で5分間保持した。得られた耐熱性基板
は、ポリイミド塗膜の厚さが10μm、表面粗度Rmax
が0.3μm、突起のピッチが0.6μmであった。
【0040】実施例2 実施例1において、シリカ微粉末を平均粒径が0.3μ
mのもので、配合量を200重量%に変更した他は、同
例におけると同様の手順で被膜を形成した耐熱性基板を
得た。得られた耐熱性基板は、共重合ポリイミドの被膜
の厚さが12μm、被膜の表面粗度Rmax が0.6μ
m、突起のピッチが1.2μmであった。
【0041】実施例3 3,4′−オキシジアニリン5.50gを、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル15.00gに溶解し
た。これに4,4′−オキシジフタル酸9.50g(1
当量)を加えた。1時間撹拌を続けたところ、均一な淡
茶色透明な溶液が得られた(固形分濃度50重量%)。
この溶液の粘度を測定したところ、51.5ポイズであ
った。さらにこの溶液に、前記実施例1と同様にシリカ
微粉末を混合し、以後、実施例1と同様の方法で耐熱性
基板を製造したところ、ポリイミド塗膜の厚さが10μ
m、表面粗度Rmax が0.3μm、突起のピッチが0.
6μmであった。
【0042】比較例1 3,4′−オキシジアニリン4.70gを、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル34.00gに溶解し
た。これに4,4′−オキシジフタル酸二無水物7.3
0g(1当量)を加えた。5時間撹拌を続けたところ、
溶液の粘度が2000ポイズを超えてしまい、粘度測定
を行えなかった(固形分濃度30重量%)。
【0043】比較例2 実施例1に記載の例において、被膜形成用の溶液にシリ
カ微粉末を配合しなかった他は、同例におけると同様の
手順で被膜を形成した耐熱性基板を得た。得られた耐熱
性基板は、共重合ポリイミドの被膜の厚さは13μmで
あり、被膜の表面粗度Rmax が0.01μm、突起のピ
ッチが0.05μmであった。
【0044】応用例 実施例1〜実施例3および比較例2に記載の方法で得ら
れた耐熱性基板の被膜の表面に、まず、スパッタリング
法で200nm厚さのAg電極層を下部電極として形成
した。さらに、このAg電極層の上にpin接合をもつ
厚さ500nmのアモルファスシリコン膜(光電変換
層)をCVD法によって形成した。最後に、透明電極と
して100nmのITO膜をスパッタリング法で形成し
て太陽電池を得た。得られた太陽電池の光電変換効率を
測定した結果、実施例1〜実施例2の耐熱性基板を使用
したものは比較例の基板を使用したものに比較して、3
5〜50%高い値を示した。
【0045】
【発明の効果】本発明は、次のような特別に有利な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。この
様な耐熱性基板は、太陽電池用基板、光センサー用基
板、光スイッチ用基板などの光電変換装置の基板として
好適に使用されるほか、プリント配線用基板、サーマル
ヘッド用基板などの電子機器の基板などの用途にも使用
される。
【0046】 1)本発明に係る耐熱性基板で用いる、ポリイミド前駆
体溶液は高濃度であるにもかかわらず比較的低粘度であ
ることから、高い生産性で、良好な物性のポリイミド系
樹脂塗膜を製造することができる。 2)本発明に係る耐熱性基板は、金属板表面にポリイミ
ド系樹脂の薄いがピンホールのない被膜を形成している
ので、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れてお
り、電子材料用の用途に好適である。
【0047】3)本発明に係る耐熱性基板は、金属板表
面に超極微細な凹凸を形成することを必要とせず、ステ
ンレス板の表面に形成したポリイミド系樹脂の被膜表面
に微細な凹凸を形成するので、これを形成するのにコス
ト高となることがなく、安価に製造することができる。 4)本発明に係る耐熱性基板は、金属板表面に微細な凹
凸を有するポリイミド系樹脂の被膜を形成しているの
で、太陽電池基板として使用した場合には、入射した光
線を好ましく乱反射させて絶縁基板の表面に封じ込める
ことができるので、光電変換効率を向上させることがで
きる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面に、(A)芳香族ジアミン
    と芳香族テトラカルボン酸及び/又はその誘導体を溶質
    として溶媒中に溶解し、且つ、(B)絶縁性微粒子を配
    合した、ポリイミド前駆体溶液より得られるポリイミド
    系樹脂の塗膜が形成されてなることを特徴とする耐熱性
    基板。
  2. 【請求項2】 ポリイミド系樹脂に対して、平均粒径が
    0.05〜5μmの絶縁性微粒子が5〜500重量%配
    合してなる塗膜であることを特徴とする請求項1記載の
    耐熱性基板。
  3. 【請求項3】 塗膜の厚さが5〜50μmの範囲である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐熱性基板。
  4. 【請求項4】 塗膜の表面粗度Rmax が0.1〜2.0
    μm、突起のピッチが0.1〜5μmであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかの耐熱性基板。
  5. 【請求項5】 絶縁性微粒子が、シリカ、アルミナ、ジ
    ルコニア、チタニアのいずれかであることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかの耐熱性基板。
  6. 【請求項6】 熱可塑性ポリイミド系樹脂が下記一般式
    (I)のものであることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかの耐熱性基板。 【化1】
  7. 【請求項7】 芳香族ジアミンが下記構造式(1)に示
    す4,4′−オキシジアニリン及び/又は下記構造式
    (2)に示す3,4′−オキシジアニリンで、芳香族テ
    トラカルボン酸及び/又はその誘導体が下記一般式
    (3)に示す4,4′−オキシジフタル酸及び/又はそ
    の誘導体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かの耐熱性基板。 【化2】
  8. 【請求項8】 芳香族ジアミンが下記構造式(1)に示
    す4,4′−オキシジアニリン又は下記構造式(2)に
    示す3,4′−オキシジアニリン、及びパラフェニレン
    ジアミンで、芳香族テトラカルボン酸及び/又はその誘
    導体が下記一般式(3)に示す4,4′−オキシジフタ
    ル酸及び/又はその誘導体であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかの耐熱性基板。 【化3】
  9. 【請求項9】 溶質濃度が30重量%以上であり、且つ
    粘度が100ポイズ以下であることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかの耐熱性基板。
  10. 【請求項10】 ポリイミド前駆体溶液を金属板の表面
    上に塗工し、加熱イミド化することによりポリイミド系
    樹脂の塗膜が形成されてなることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれかの耐熱性基板。
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