JPH11228455A - 有用物質の製造方法 - Google Patents

有用物質の製造方法

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JPH11228455A
JPH11228455A JP10036120A JP3612098A JPH11228455A JP H11228455 A JPH11228455 A JP H11228455A JP 10036120 A JP10036120 A JP 10036120A JP 3612098 A JP3612098 A JP 3612098A JP H11228455 A JPH11228455 A JP H11228455A
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liquid
bisphenol
column
phenol
acetone
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JP10036120A
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English (en)
Inventor
Kenji Hashimoto
健治 橋本
Motoaki Kawase
元明 河瀬
Fumihiko Matsuda
文彦 松田
Takayuki Masuda
隆之 増田
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アセトンとフェノールによりビスフェノール
Aの連続生産が可能な製造方法を提供する。 【解決手段】 無端接続した複数の充填剤充填塔の系に
フェノールを供給して一方向に流す操作と、この系にア
セトンを供給する操作と、触媒反応で生成したビスフェ
ノールAを多く含む液を系外に抜出す操作と、水を多く
含む液を系外に抜出す操作と、これらの液の供給,抜出
し位置を系内の液流れ方向に沿って一塔分づつ間欠的に
移動させて各塔内の充填剤を見掛け上は液の流れ方向と
は反対方向に移動させる擬似移動層の操作との各操作を
夫々行い、ビスフェノールAを液の流れ方向に移動さ
せ、水を見掛け上は液の流れとは反対方向に移動させて
水とビスフェノールAを連続的に分離する擬似移動層式
のクロマト分離法を用いてビスフェノールAを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応により有用物
質を製造する方法と、この方法によりビスフェノールA
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン〕はポリカーボネートなど
のプラスチック原料として有用であり、このビスフェノ
ールAを製造する方法としてアセトンと過剰のフェノー
ルを酸触媒の存在下で反応させることはよく知られてい
る。この場合、酸触媒としては反応後の反応液との分離
が容易なことからスルホン酸基を有する強酸性カチオン
交換樹脂が用いられる。さらに副生するビスフェノール
Aの異性体の量を減らすために含イオウアミン化合物で
変性した変成スルホン酸型カチオン交換基と通常のスル
ホン酸型カチオン交換基の両方を含有するイオン交換樹
脂を用いることも提案されている(特公平6−2713
2号公報、特公昭55−16700号公報、特開平8−
89819号公報、特開平6−340564号公報な
ど)。
【0003】上記のようにスルホン酸基を有する強酸性
カチオン交換樹脂のみを用いるビスフェノールAの製造
方法では、ビスフェノールAの異性体が副生することが
知られている。これに対し含イオウアミン化合物で変性
した変成スルホン酸型カチオン交換基と通常のスルホン
酸型カチオン交換基の両方を含有するイオン交換樹脂を
用いる上記方法は、異性体の量を減らすことができる点
で優れているが、反面において、特殊な樹脂を製造する
必要がありコスト高となり、含イオウアミンが反応液を
汚染する虞れがあるという問題がある。
【0004】また、従来法は、単一の塔にイオン交換樹
脂を充填して反応させる方法であるため、反応により生
成した水がイオン交換樹脂に吸着して触媒活性を著しく
損なうことになるので、一定時間毎に装置を停止させて
脱水操作を行う必要があり、連続生産ができないという
問題がある。
【0005】ところで、連続的に有用物質を製造する方
法としては特開平8−229306号公報で提案されて
いる擬似移動層式クロマト分離法が知られている。そこ
で上記ビスフェノールAの製造にこの方法を適用するこ
とが考えられる。この方法は、装置の原料供給口に反応
原料を供給すると共に、溶離液供給口から反応に関与し
ない溶離液を供給して、層内で反応と分離を同時に行う
方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有用物質の製
造を行うための上記提案の擬似移動層式クロマト分離法
は、原料供給口にすべての反応原料を供給し、溶離液供
給口から反応に関与しない溶離液を供給して層内で反応
と分離を同時に行う方法であるため、反応に関与しない
成分を系内に導入する必要があり、系外に抜き出した反
応生成物を大量の溶離液から分離する後処理工程の負担
が大きいという問題がある。また、上記ビスフェノール
Aの製造のように原料の一方(この場合はフェノール)
を過剰に供給することが高転換率を得るのに好ましい
(特公昭55−16700号参照)とされている場合に
は、フェノールを大過剰に供給しなければならない結果
として、量的に過剰に供給される原料の供給速度が大き
くなり、反応を進めるべき帯域での滞留時間の確保が難
しかったり、各成分の移動速度を適正に保つのが難しく
なるという大きな問題を招く。したがってこのような有
用物質の製造について前記提案の擬似移動層式クロマト
分離法を用いることは適していない。
【0007】本発明はこれらの問題から、連続生産が可
能な擬似移動層式クロマト分離法の利点を生かした従来
にない新たな有用物質の製造法を提案するものであり、
具体的には、反応に関与しない成分を系内に導入するこ
とがなく、反応と分離を適切に与えることができる擬似
移動層式クロマト分離法を用いた有用物質の製造法を提
案するものである。
【0008】また本発明の別の目的は、反応原料の一方
を過剰に必要とする場合に好適に採用することができる
有用物質の製造法を提案するところにある。
【0009】更に本発明の更に別の目的は、系外に抜出
した反応生成物の後処理の負担を軽減ないしなくすこと
ができ、かつ連続生産が可能で生産性の高い有用物質の
製造法を提案するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本願
請求項1の有用物質の製造方法は、内部に充填剤の層を
形成した塔の複数を無端循環型に連結した系内で液を一
方向に流す操作と、各塔の塔頂に液を供給するように設
けた液入口のうちの一つに第一液を供給する操作と、前
記液入口のうちの第一液とは異なる液入口に該第一液に
対して展開剤,溶媒の作用をする第二液を供給する操作
と、各塔の塔末から液を抜出すように設けられた液出口
のうちの一つから目的物質を豊富に含む液を系外に抜出
す操作と、前記液出口のうちの他の一つから前記目的物
質以外の物質を豊富に含む液を系外に抜出す操作と、こ
れらの液の供給,抜出しを行う液入口及び液出口の位置
を前記系内の液流れ方向に沿って一塔分づつ間欠的に移
動させて各塔内の充填剤を見掛け上は液の流れ方向とは
反対方向に移動させる擬似移動層の操作と、の各操作を
夫々行うことにより、充填剤に対して親和力の弱い物質
を前記擬似移動層の操作に拘らず液の流れ方向に移動さ
せると共に、充填剤に対して親和力の強い物質を見掛け
上は液の流れ方向とは反対方向に移動させてこれらの親
和力の異なる物質を連続的に分離し、これにより、前記
目的物質とこの目的物質以外の物質を異なる液出口から
系外に抜出すようにした擬似移動層式のクロマト分離方
法であって、前記系に供給する第一液は、化学反応によ
り有用物質を生成する二種以上の原料物質のうちの少な
くとも一つとし、かつ第二液は、前記作用を有しかつ第
一液の原料物質と化学反応して有用物質を生成する残り
の原料物質としたことを特徴とする。
【0011】上記において「親和力」は、一般に、クロ
マト分離の操作において被処理液中に含まれる成分が溶
離液で移動される際に現われる各成分の移動の遅・速の
現象が充填剤と各成分が互いに影響し合う親和性の差に
依存するので、この影響し合う作用力の大きさとして定
義される。なお、親和力は、一般的な擬似移動層式クロ
マト分離の説明で「吸着」,「収着」等と表現されてい
る内容と実質的に同じでありこれらを区別するものでは
ない。親和力の強い成分は系内での移動が遅く、従って
擬似移動層の操作によって通常は見掛け上液の流れ方向
の上流側に移動するようにされる。反対に親和力の弱い
成分は系内での移動が速く、通常は液の流れ方向の下流
側に移動するようにされる。目的物質は親和力の強い成
分,弱い成分のいずれの場合であってもよい。
【0012】また上記において第二液が「展開剤,溶媒
の作用をする」というのは、この第二液が反応に寄与す
る原料物質であると同時に、従来の擬似移動層式クロマ
ト分離法において反応に寄与しない液として導入されて
いる溶離液としての作用をはたすことをいう。したがっ
てこの第二液は、凝似移動層装置を構成する全塔内に渡
って存在するように系内に導入される。
【0013】このような方法を実施するために用いられ
る擬似移動層式クロマト分離装置としては、例えば以下
の実施形態において説明する4ゾーン式の擬似移動層装
置、本出願人の提案にかかわる特開昭62−91205
号記載の3ゾーン式の擬似移動層装置、特開平4−22
7804号に記載の装置などを例として挙げることがで
き、二種以上の原料物質の液を、異なる液入口(従来装
置では原料供給口と溶離液供給口に相当)から系内に導
入するようにすれば、既知の擬似移動層式クロマト分離
装置に準拠した装置を用いて特に限定されることなく本
発明方法を適用できる。
【0014】前記の充填剤としては、例えば分離能を有
しかつ反応のための触媒能を併せもつものを用いること
ができるし、また触媒能を有していない分離能だけを有
するものを用いることもでき、利用する反応の形式、条
件、分離の条件などに応じて決めることができる。例え
ば前者の充填剤としては、反応触媒であると同時にクロ
マト分離剤であるイオン交換樹脂やゼオライト等を例示
することができる。
【0015】上記の有用物質を製造するための反応の条
件は、反応温度,圧力,反応時間などを、目的とする有
用物質を生成する反応条件を満足させればよく、特に限
定されない。なお、前記において「化学反応」というの
は、特に限定されるものではなく、合成反応、分解反
応、触媒を利用した反応等々のいずれのものであっても
よい。例えば、目的物質であるビスフェノールAをアセ
トンとフェノールから合成する反応、油溶性フェノール
樹脂や界面活性剤として使われるアルキルフェノール
(ドデシルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフ
ェノールなど)をオレフィンとフェノールから合成する
反応などに応用でき、また、様々なエステルやエーテル
などの合成反応などに利用できる。
【0016】この発明によれば、反応に関与しない余計
な成分を系内に導入する必要がなく、また目的物質を系
外に抜出した後の工程において該成分と他の成分との分
離の必要がないか又はその負担が大幅に軽減される。ま
た、例えば副生成物を減らすために反応原料(原料物
質)の一方を過剰に必要とする場合において、原料物質
を別々の位置から系内に供給するので、他方の反応原料
の供給速度を大きくしなくてすみ、適切な流量条件で擬
似移動層を運転することができる。
【0017】請求項2のビスフェノールAの製造方法の
発明は、上記発明において、強酸性カチオン交換樹脂の
水素イオン形である充填剤を充填した擬似移動層式クロ
マト分離装置に、第一液として原料物質の一つであるア
セトンを供給し、展開剤,溶媒を兼ねる第二液として原
料物質のもう一つであるフェノールを過剰な状態となる
ように供給することを特徴とし、これによって該装置内
においてアセトンとフェノールの触媒活性を利用した反
応が行われ、同時に、ビスフェノールAと水を別々に系
外に抜き出すクロマト分離の操作が連続的に行われる。
【0018】上記において、擬似移動層式クロマト分離
装置としては、前記請求項1の装置を用いることができ
る。充填剤としては、通常の低架橋度でゲル型であるス
ルホン酸型の強酸性カチオン交換樹脂を用いることがで
きる。
【0019】この発明において、製造する有用物質(目
的物質)はビスフェノールAであり、擬似移動層式クロ
マト分離装置の系内に供給される第一液の原料物質はア
セトン、展開剤,溶媒としての作用を兼ねて該系内に大
過剰に供給される第二液の原料物質はフェノールであ
り、目的物質以外の物質として系外に抜出される他の物
質(成分)は反応生成物としての水である。ビスフェノ
ールAは充填剤に対する親和力の弱い成分であり、水は
親和力の強い成分である。また、本発明の方法におい
て、アセトンに対してフェノールを大過剰に供給する程
度、反応の条件は、例えば上述した特開平6−3405
64号公報等に記載されている条件等に従い、あるいは
これに準じて試験を行って最適条件を決めることができ
る。
【0020】この発明によれば、低価格のスルホン酸基
を有する強酸性カチオン交換樹脂のみを用いる場合で
も、生成したビスフェノールAはすぐに系外に抜き出さ
れ、また常に大過剰にフェノールが存在するので、ビス
フェノールAの異性体はほとんど副生しない。また含イ
オウアミン化合物が反応液を汚染する恐れもない。更に
また、反応により生成した水を常時系外に抜き出すので
水素イオン形のカチオン交換樹脂はその触媒活性を常に
高く保つことができる。
【0021】なお、ビスフェノールAを製造するこの発
明において、充填剤として含イオウアミン化合物で変性
した変成スルホン酸型カチオン交換基と通常のスルホン
酸型カチオン交換基の両方を含有するイオン交換樹脂の
使用を排除するものではない。原理的にはこれらの樹脂
の使用はもちろん可能であり、したがってこれらの樹脂
が安価に入手できて工業的な不利のない状況であれば該
樹脂を使用することは差し支えない。
【0022】請求項4のビスフェノールAの製造装置の
発明は、水素イオン形の強酸性カチオン交換樹脂を充填
した塔を複数無端連結した充填塔群の系と、各塔の塔頂
にアセトンを供給するように設けた液入口のうちの一つ
から系内にアセトンを供給するアセトン供給手段と、各
塔の塔頂にフェノールを供給するように設けた液入口の
うちの一つから系内にフェノールを供給するフェノール
供給手段と、触媒反応により生成したビスフェノールA
が豊富な液を各塔の塔末から系外に抜くように設けた液
出口の一つから該ビスフェノールAの液を抜出すビスフ
ェノールA抜出し手段と、生成した水が豊富な液を各塔
の塔末から系外に抜くように設けた液出口の一つから該
水の液を抜出す水抜出し手段と、これらの液の供給,抜
出しを行う液入口及び液出口の位置を前記系内の液流れ
方向に沿って一塔分づつ間欠的に移動させて各塔内の充
填剤を見掛け上は液の流れ方向とは反対方向に移動させ
る擬似移動層操作手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】この装置によれば、上記請求項2の発明で
述べたように、スルホン酸基を有する強酸性カチオン交
換樹脂のみを用いて、効率の良いビスフェノールAの製
造を行うことができる。すなわち、生成したビスフェノ
ールAはすぐに系外に抜き出されると共に、常に大過剰
にフェノールが存在するので、ビスフェノールAの異性
体はほとんど副生させずに製造を行うことができる。ま
た、含イオウアミン化合物を用いないので反応液の汚染
の恐れは全くない。更に、反応により生成した水を常時
系外に抜き出すので水素イオン形のカチオン交換樹脂は
その触媒活性を常に高く保つことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の方法によりビス
フェノールAを製造するのに用いる擬似移動層式クロマ
ト分離装置の構成をフロー図で示し、かつ、液の供給,
抜出しの位置を間欠的に移動させる途中のある時点にお
ける液の流れ状態を示した(この時点で行われている系
内の液の流れ、液の供給、液の抜出しの各状態を配管を
太線で示している)ものである。
【0025】この図において、符号1〜8は、例えば、
低架橋度でゲル型であるスルホン酸型の強酸性カチオン
交換樹脂(水素イオン形)を充填剤として充填した塔を
示し、これら8本の塔は、図示しないポンプあるいはポ
ンプ111により液が一方向(図中の矢印方向)に無端
循環するように配管によって連結されている(なお図中
の★は連結されていることを示す)。
【0026】そしてこれらの各塔1〜8の塔頂(各塔の
図1の下端)に対して、各々第一液と第二液の供給を行
うことができるように、第一液(アセトン)の供給配管
10と第二液(フェノール+エフルーエント)の供給配
管11が、それぞれ電磁開閉弁を介して接続されてい
る。
【0027】なお、図においては、図中の煩雑さを避け
るために塔5を選んで、第一液を塔5に供給配管10か
ら供給する電磁開閉弁を5a、第二液を該塔5に供給配
管11から供給する電磁開閉弁を5bとして示し、他の
塔についてのこれらの電磁開閉弁の符号表記を省略した
が、以下各塔に関連して電磁開閉弁を説明する場合に
は、各塔の符号1〜8にa又はbを付記して該当するそ
れらの電磁開閉弁を示すものとした。また、各塔1〜8
の塔末(各塔の図1の上端)は、これらの塔1〜8か
ら、目的物質であるビスフェノールAを含むラフィネー
ト、及び目的物質以外の他の物質である水を含むエクス
トラクトをそれぞれラフィネートの抜出し配管12及び
エクストラクトの抜出し配管13に抜出せるように電磁
開閉弁を介して接続している、これらの電磁開閉弁につ
いても、塔5を選んで、抜出し配管12にラフィネート
を抜出しする電磁開閉弁を5c,抜出し配管13にエク
ストラクトを抜出しする電磁開閉弁を5dとして示し、
図中への符号表記は省略し、以下の説明では上記と同様
に各塔の符号1〜8にc又はdを付記して示すものとし
た。
【0028】また、本例の装置においては、上記循環配
管の各塔間の液の流通を遮断することができる電磁開閉
式の遮断弁(塔5下流の遮断弁を上記と同様に代表的に
符号5sで示し、他の塔の説明が必要な場合は上記と同
様に塔の符号にsを付記して説明する)が設けられてい
ると共に、これに関連して、遮断状態の遮断弁(例えば
図の状態では遮断弁1s)の上流の塔(図の状態では塔
1)の塔末から電磁開閉弁1eを介してエフルーエント
(フェノール)の抜出し配管15に抜出して、フェノー
ル供給系に戻して再び当該系内に供給するようにしてい
る。このようにしているのは次の理由による。すなわち
第1の理由はエフルーエントの流量を測定することに
より、系内の流量のすべてを明確にしかつ適正な流量に
調整するためである。また第2の理由はエフルーエント
の組成を分析することにより、目的物質であるビスフェ
ノールAのエクストラクト側への回り込みと非目的物質
である水のラフィネート側への回り込みの程度を確認し
各流量を適正に設定するためである。
【0029】
【実施例】実施例1 アセトンの1分子とフェノールの2分子から有用物質で
あるビスフェノールAの1分子と、目的物質以外の水の
1分子とを生成し分離する反応を図1の擬似移動層を用
いて実施した。
【0030】装置は、内径1cm、長さ30cmの8本
のステンレス鋼製カラム(加熱ジャケット付き塔)1〜
8を、無端直列に連結したカラム群からなっており、全
カラムには充填剤として強酸性カチオン交換樹脂である
アンバーリスト31(商品名:ロームアンドハース社
製)の水素イオン形を23.6mlずつ充填した。
【0031】この装置を、図示しないシーケンサーで電
磁弁の開閉を制御することにより流路切り替えを間欠的
に8回切り替えて一サイクルとする操作を行った。図中
の太線はこの一サイクル内のある切替状態(カラム5に
アセトンを供給し、フェノールをカラム8に供給してい
る状態)の流路に液が流れている状態を示している。液
の流れは上昇流であり、第二液であるフェノールを供給
する場所(図1の状態ではカラム8の塔頂)の手前で循
環流をエフルーエントとして一度系外に取り出し、新し
いフェノールと一緒に供給ポンプ111により供給し
た。全カラム1〜8はウォータージャケット付きとして
一定の温度に保った。各ゾーンのカラム数は第二液供給
口から下流方向に2本、1本、4本、1本として4ゾー
ンに分けた。すなわち、図1の状態で説明すれば、第二
液であるフェノールの供給口(カラム8の塔頂)からエ
クストラクト抜き出し口(カラム7の塔末)までの充填
剤に対して親和力の強い成分を回収するゾーンIV2本、
エクストラクト抜き出し口(カラム7の塔末)から第一
液であるアセトンの供給口(カラム5の塔頂)までのゾ
ーンIII を1本、第一液供給口からラフィネート抜き出
し口(カラム2の塔末)までのゾーンIIを4本、ラフィ
ネート抜き出し口から第二液供給口(カラム8の塔頂)
までの親和力の弱い成分を回収するゾーンIを1本とし
た。これらの液供給口と液抜出し口は、各電磁開閉弁の
開閉切替えにより、所定時間毎に液の循環流の下流方向
に1カラム分づつ移行させた。
【0032】以下の条件でビスフェノールAを製造し
た。
【0033】 反応温度 70℃ 1サイクルの時間 214.4分 原料 アセトン 日本工業規格試薬特級 純度99.5%以上 原料 フェノール 日本工業規格試薬特級 純度99.0%以上 各供給流量と抜き出し流量 アセトン(原液供給口から) 0.12ml/min フェノール(溶離液供給口から) 7.26ml/min ラフィネート液 1.45ml/min エクストラクト液 5.93ml/min エフルーエント液 0.36ml/min 運転開始後の第7サイクルの流出液として次の各成分濃
度のラフィネート液とエクストラクト液とが、それぞれ
の区分液として得られた。
【0034】 ラフィネート液 エクストラクト液 ビスフェノールA 1.061 mol/l 0.002 mol/l 水 0.010 mol/l 0.260 mol/l アセトン 0.005 mol/l 0.002 mol/l ラフィネート液中のフェノールを除いたビスフェノール
Aの純度は質量基準で99.8%であり、各区分液中に
はビスフェノールAの異性体は検出できなかった。アセ
トンの総括反応率を{(入口アセトンのモル数−出口ア
セトンのモル数)/入口アセトンのモル数}x100と
するとこれは98.9%、またビスフェノールAの収率
を{出口ビスフェノールAのモル数/入口アセトンのモ
ル数}x100とするとこれは98.6%であり、文献
に見られる数値であるアセトン転換率69.5%(特公
昭55−16700号公報の表1)やアセトン転化率9
5.0%(特開平6−340564号公報の表1)に比
べ非常に高かった。また、反応で生成したビスフェノー
ルAのラフィネート液での回収率は99.3%であり、
反応で生成したビスフェノールAを効率的に回収するこ
とができた。
【0035】なお、得られたラフィネート液からビスフ
ェノールAを単離するには、例えば常法による次の方法
で分離することができる。すなわち、アセトンと水をス
トリッピングし、ビスフェノールAとフェノールの比が
1:1のアダクト結晶を作らせ、濾別後トルエンなどの
有機溶剤でフェノールを溶解して取り除く。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、擬似移動層式クロマト
分離法で擬似移動層内で反応を行わせるのに、反応に関
与しない成分を系内に導入することがないので、反応と
分離を適切に与えることができ、系外に抜出した反応生
成物の目的物質をその他の物質から分離するための後処
理の負担を軽減ないしなくすことができるという効果が
奏され、また連続生産が可能で高い生産性で目的物質を
得ることができる。
【0037】特に、反応の原料物質を異なる供給口から
擬似移動層の系内に供給するので、反応原料の一方を過
剰に存在させることが望ましい場合に、供給速度を極端
に大きくすることを防いで、適切な流量条件で擬似移動
層の運転を行うことができ、総括反応率を上げることが
できるという効果が奏される。
【0038】また、反応原料の一方を過剰に供給するこ
とによって副生物の生成を抑制できる反応においては、
副生成物の量を減らし目的成分の含有率の高い液を得る
ことができるという効果がある。
【0039】請求項2の発明によれば、アセトンとフェ
ノールからビスフェノールAを製造する場合に、フェノ
ールを大過剰に供給することができると共に、生成され
たビスフェノールAがすぐに系外に抜出されるので、ス
ルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂のみを充填
剤として用いた場合にも、異性体の生成を抑制して、転
換率が高く純度の高い製品を得ることができる。しかも
反応によって生成した水を常に系外に抜き出すので水素
イオン形のカチオン交換樹脂の触媒活性を高く維持しな
がら連続運転ができるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いる擬似移動層式クロマト分離装
置の構成概要をフロー図で示した図。
【符号の説明】
1〜8:単位充填塔 (1〜8)a:(アセトン供給用の)電磁開閉弁 (1〜8)b:(フェノール+エフルーエント供給用
の)電磁開閉弁 (1〜8)c:(ラフィネート抜出し用の)電磁開閉弁 (1〜8)d:(エクストラクト抜出し用の)電磁開閉
弁 (1〜8)e:(エフルーエント抜出し用の)電磁開閉
弁 5a:第一液を塔5に供給配管10から供給する電磁開
閉弁 5b:第二液を塔5に供給配管11から供給する電磁開
閉弁 5c:抜出し配管12に塔5からラフィネートを抜出す
電磁開閉弁 5d:抜出し配管13に塔5からエクストラクトを抜出
す電磁開閉弁 5e:抜出し配管15に塔5からエフルーエントを抜出
す電磁開閉弁 5s:塔5から塔6に液が流通することを遮断する弁 10:第一液(アセトン)の供給配管 101:供給ポンプ 11:第二液(フェノール+エフルーエント)の供給配
管 111:供給ポンプ 12:ラフィネートの抜出し配管 13:エクストラクトの抜出し配管 15:エフルーエントの抜出し配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 37/20 C07C 37/20 39/16 39/16 (72)発明者 増田 隆之 東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガ ノ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に充填剤の層を形成した塔の複数を
    無端循環型に連結した系内で液を一方向に流す操作と、
    各塔の塔頂に液を供給するように設けた液入口のうちの
    一つに第一液を供給する操作と、前記液入口のうちの第
    一液とは異なる液入口に該第一液に対して展開剤,溶媒
    の作用をする第二液を供給する操作と、各塔の塔末から
    液を抜出すように設けられた液出口のうちの一つから目
    的物質を豊富に含む液を系外に抜出す操作と、前記液出
    口のうちの他の一つから前記目的物質以外の物質を豊富
    に含む液を系外に抜出す操作と、これらの液の供給,抜
    出しを行う液入口及び液出口の位置を前記系内の液流れ
    方向に沿って一塔分づつ間欠的に移動させて各塔内の充
    填剤を見掛け上は液の流れ方向とは反対方向に移動させ
    る擬似移動層の操作と、の各操作を夫々行うことによ
    り、充填剤に対して親和力の弱い物質を前記擬似移動層
    の操作に拘らず液の流れ方向に移動させると共に、充填
    剤に対して親和力の強い物質を見掛け上は液の流れ方向
    とは反対方向に移動させてこれらの親和力の異なる物質
    を連続的に分離し、これにより、前記目的物質とこの目
    的物質以外の物質を異なる液出口から系外に抜出すよう
    にした擬似移動層式のクロマト分離方法であって、 前記系に供給する第一液は、化学反応により有用物質を
    生成する二種以上の原料物質のうちの少なくとも一つと
    し、かつ第二液は、前記作用を有しかつ第一液の原料物
    質と化学反応して有用物質を生成する残りの原料物質と
    したことを特徴とする有用物質の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、充填剤が強酸性カチ
    オン交換樹脂の水素イオン形であり、かつ、第一液がア
    セトンであり、第二液がフェノールであることを特徴と
    するビスフェノールAの製造方法。
  3. 【請求項3】 無端接続した複数の充填剤充填塔の系に
    フェノールを供給して一方向に流す操作と、この系にア
    セトンを供給する操作と、触媒反応で生成したビスフェ
    ノールAを多く含む液を系外に抜出す操作と、水を多く
    含む液を系外に抜出す操作と、これらの液の供給,抜出
    し位置を系内の液流れ方向に沿って一塔分づつ間欠的に
    移動させて各塔内の充填剤を見掛け上は液の流れ方向と
    は反対方向に移動させる擬似移動層の操作との各操作を
    夫々行い、ビスフェノールAを液の流れ方向に移動さ
    せ、水を見掛け上は液の流れとは反対方向に移動させて
    水とビスフェノールAを連続的に分離し、それぞれ連続
    的に抜出す擬似移動層式のクロマト分離法を用いること
    を特徴とするビスフェノールAの製造方法。
  4. 【請求項4】 水素イオン形の強酸性カチオン交換樹脂
    を充填した塔を複数無端連結した充填塔群の系と、各塔
    の塔頂にアセトンを供給するように設けた液入口のうち
    の一つから系内にアセトンを供給するアセトン供給手段
    と、各塔の塔頂にフェノールを供給するように設けた液
    入口のうちの一つから系内にフェノールを供給するフェ
    ノール供給手段と、触媒反応により生成したビスフェノ
    ールAが豊富な液を各塔の塔末から系外に抜くように設
    けた液出口の一つから該ビスフェノールAの液を抜出す
    ビスフェノールA抜出し手段と、生成した水が豊富な液
    を各塔の塔末から系外に抜くように設けた液出口の一つ
    から該水の液を抜出す水抜出し手段と、これらの液の供
    給,抜出しを行う液入口及び液出口の位置を前記系内の
    液流れ方向に沿って一塔分づつ間欠的に移動させて各塔
    内の充填剤を見掛け上は液の流れ方向とは反対方向に移
    動させる擬似移動層操作手段と、を備えたことを特徴と
    するビスフェノールAの製造装置。
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