JPH11229084A - 耐銅浸入性および加工性等にすぐれた二重巻きパイプ用銅めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
耐銅浸入性および加工性等にすぐれた二重巻きパイプ用銅めっき鋼板およびその製造方法Info
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- JPH11229084A JPH11229084A JP3076598A JP3076598A JPH11229084A JP H11229084 A JPH11229084 A JP H11229084A JP 3076598 A JP3076598 A JP 3076598A JP 3076598 A JP3076598 A JP 3076598A JP H11229084 A JPH11229084 A JP H11229084A
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Abstract
性,耐粗粒化性,加工性等にすぐれた銅めっき鋼板とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】この銅めっき鋼板は、C: 0.03〜0.
08%,Si: 0.1%以下,Mn: 0.05〜0.5
%,P: 0.020%以下,S: 0.015%以下,so
l.Al: 0.03〜0.08%,N: 0.003〜0.
008%,B: 0.0008〜0.002%,残部は実
質的にFeからなり、表層(層厚20〜100μm)に
微細なAlN析出物が緻密に分散した鋼板に銅めっきが
施されている。この銅めっき鋼板は、上記化学組成を有
するスラブの熱間圧延鋼板を、圧下率40〜90%で冷
間圧延した後、冷延鋼板を、水素濃度2vol %以上のN
2 −H2 混合ガス中、再結晶温度〜850℃の温度域で
焼鈍処理し、ついで銅めっきすることにより製造され
る。
Description
チューブや冷蔵庫の放冷管等として使用される二重巻き
パイプを製造するための耐銅浸入性および加工性等にす
ぐれた銅めっき鋼板およびその製造方法に関する。
プは、所定幅に裁断した銅めっき鋼板のフープを造管用
ロールでパイプ状に巻き重ねた後、銅の融点以上(例え
ば1130℃) に加熱されたDXガス中に適当時間(約1〜
2分程度)保持して銅めっき層を溶融し、巻き重ね面間
を融着結合させる、いわゆるセルフ・ブレージング処理
を施すことにより製造される。図8は、二重巻きパイプ
の断面を示している。1は素地鋼板(冷延鋼板)、2は
銅めっき層,3はセルフ・ブレージングにより形成され
た銅融着層であり、巻き重ね面間の接合性の良否は、渦
流探傷法や曲げ試験などにより検査される。
き鋼板は、セルフ・ブレージングの熱処理で、素地鋼板
の結晶組織が粗大化し過ぎないこと(耐粗粒化性)、素
地鋼板中への溶融銅の浸入(鋼板の脆化を引き起こす)
を生じにくいこと(耐銅浸入性)、および二重巻きパイ
プ成形後に行われる拡管加工やフレア加工に耐える良好
な延性を有すること等が要求される。上記銅めっき鋼板
の素地鋼として、低炭素アルミキルド鋼が使用され、特
公平8-14013 号公報には、C: 0.01〜0.15%, Si: 0.
1 %以下, Mn: 0.05〜0.6%, Al: 0.003 〜0.1 %,
P: 0.015 %以下,B: 0.0004〜0.004 %,残部はF
eおよび不可避不純物からなる素地鋼板に銅めっきを施
したものが開示されている。そこには、素地鋼板のB含
有効果として、結晶組織が微細化され,耐溶接割れ性が
改善されることが記載されている。
は、素地鋼板が、低炭素アルミキルド鋼板の範疇に属す
るものであっても、耐銅浸入性,耐粗粒化性等の不足に
より、二重巻きパイプ成形加工後のセルフ・ブレージン
グ熱処理において、溶融銅の浸入による粒界脆化やフェ
ライト組織の針状化・粗大化等による延性の低下を生じ
易く、その後の拡管加工やフレア加工で、割れを発生す
る例が多くみられる。低炭素アルミキルド鋼のB元素の
添加は、前記公報に記載されているように、フェライト
組織の微細化に有効ではあるが、B添加量や、C,sol.
Al,N等の含有量の多寡により、ブレージング熱処理に
おけるフェライト組織の粗大化・銅の浸入による粒界脆
化,あるいはブレージング処理後の冷却過程におけるフ
ェライト組織の過度の微細化や針状化等による硬質化を
生じ易い。このため、パイプ造管後の拡管加工やフレア
加工に要求される充分な成形加工性を保証することは困
難である。本発明は、二重巻きパイプに関する従来の問
題を解消し、拡管加工やフレア加工等に耐え得る良好な
加工性を保証するための改良された耐粗粒化性,耐銅浸
入性等を備えた銅めっき鋼板およびその製造方法を提供
するものである。
用銅めっき鋼板は、重量%で,C : 0.03〜0.0
8%,Si: 0.1%以下,Mn: 0.05〜0.5
%,P : 0.020%以下,S : 0.015%以
下,sol.Al: 0.03〜0.08%,N : 0.00
3〜0.008%,B : 0.0008〜0.002
%,残部は実質的にFeからなり、微細なAlN析出物
が分散した層厚20〜100μmの表層を有する素地鋼
板に銅めっきが施されている。
は、前記化学組成を有する鋼のスラブを、熱間圧延し、
圧下率40〜90%で冷間圧延した後、冷延鋼板を、水
素濃度2vol %以上のN2 −H2 混合ガス中、再結晶温
度〜850℃の温度域で焼鈍処理し、ついで該鋼板に銅
めっきを施す工程により製造される。本発明の銅めっき
鋼板を使用して製造される二重巻きパイプは、素地鋼板
の化学組成,特にC,Al,NおよびBの適量含有の効
果として、セルフ・ブレージング熱処理において、フェ
ライト組織の針状化・粗大化が抑制防止されると共に、
高い耐銅浸入性により、銅浸入とそれによる粒界脆化が
回避され、また素地鋼板の時効性等も改善される。これ
らの効果として、拡管加工やフレア加工に必要な高延性
(約25%以上の伸び率が必要とされている)が確保さ
れる。
いて、素地鋼板のB含有および表層部の微細AlNの析
出分散の効果は重要である。鋼板表層部の微細なAlN
析出物は、N2 −H2 混合ガスを雰囲気とする冷延鋼板
の焼鈍処理における窒化反応により形成される。このA
lN析出物は、粒径約50〜500Åの著しく微細な粒
子であり、二重巻きパイプのブレージング熱処理におい
て、フェライトの再結晶過程でのピン止め効果となって
素地鋼板表層に著しく微細なフェライト組織を形成せし
める。その表層組織はフェライト結晶粒度番号FGS.
NO (JIS G 0552) 約10以上と著しく微細であり、溶
融銅の粒界浸入に対する高い抵抗性を有している。
Alに比しNとの親和力が強く、熱延鋼板の巻取り段階
や冷延鋼板の焼鈍処理段階で、鋼中の固溶Nと優先的に
結合し、BN析出物を形成する。このBN析出物は、二
重巻きパイプのブレージング熱処理(1100〜115
0℃)の初期段階(約950〜1050℃)で、その一
部が分解して固溶Bと固溶Nを生成する。固溶Bは、二
重巻きパイプ温度が銅の融点(約1100℃)以上に達
するまでの間にフェライト結晶粒界に析出し、フェライ
ト結晶粒界を強化する。この粒界強化により、溶融銅の
粒界浸入が抑制防止される。また、粒界に析出したBは
フェライト結晶の異常成長を抑え、組織の粗大化の抑制
防止に奏効する。
程(冷却速度: 約20〜40℃/秒)において、鋼中の
固溶BはNと結合してBN析出物を生成する。AlN析
出物についても、前記ブレージング熱処理(約1130
℃)で、その一部がAlとNに分解し鋼中に固溶する
が、ブレージング熱処理後の冷却速度は比較的大きいた
め、この冷却過程ではAlとNとの反応(AlNの析
出)は殆ど生じない。これに対し、BはAlに比しNと
の親和力が強いので、比較的大きい冷却速度でも、固溶
Nと結合しBN析出物を生成するのである。このBN析
出物の生成反応により、固溶N量(硬質化の原因とな
る)が低減し、パイプの時効性が改善され、延性が高め
られる。しかも、BN析出物はAlN析出物よりも大き
いので、パイプの降伏点(YP)の低下,延性の向上に
有利に作用する。また、このBNの析出生成により、ブ
レージング熱処理前に行われる二重巻きパイプの造管加
工性の顕著な改善効果も得られる。
理由は次のとおりである。 C: 0.03〜0.08% 冷延鋼板の延性を高める点からはC量は少ない程よい
が、その量が少な過ぎると、セルフ・ブレージング熱処
理において鋼板の耐粗粒化性の不足をきたす。また、粒
界強度の低下に起因して耐銅浸入性も低下する。一方C
量が多くなると、炭化物析出量の増加による延性の低下
を招き、特に0.08%を越えると、セルフ・ブレージ
ング処理後の冷却過程で、針状のフェライト組織が形成
され易く、延性の低下が顕著になる。このため、0.0
3〜0.08%とする。
る。そのための添加量は0.1%までで十分である。ま
たそれ以上の多量添加は、延性を低下させるので、これ
を上限とする。 Mn: 0.05〜0.5% Mnは、鋼の熱間脆性を防止する目的で添加される。
0.05%に満たないと、その効果が不足し、他方0.
5%を越えると、延性の低下をきたす。
よび引張強度を高める効果を有するが、多量に添加する
と、延性の低下を招き、また結晶粒界に偏析して、粒界
の強度を低下させる。このため、0.020%以下とす
る。好ましくは0.008〜0.015%である。 S: 0.015% Sは、MnS等の非金属介在物を形成して鋼板の加工性
を低下させる。0.015%以下であれば、その実害は
回避されるので、これを上限とする。
あるが、本発明では、それにとどまらず、AlNの析出
物を形成し、ブレージングにおける耐粗粒化性,耐銅浸
入性を高める目的で添加される。これらの効果を得るに
は、sol.Al量(可溶性Al量)として、少なくとも
0.03%を必要とする。しかし、多量に添加すると、
AlNの過剰析出により延性が低下し、また非金属介在
物の増加による鋼板表面品質の低下(表面疵の増加)を
きたすので、0.08%を上限とする。
lと反応し、AlNの微細な析出物を形成して素地鋼板
の耐粗粒化性を高め、ブレージング処理におけるフェラ
イト組織の粗大化を防止する。含有量が0.003%に
満たないと、AlNの析出量が不足し、耐粗粒化性を確
保することができない。他方、あまり多く添加すると、
AlNの過剰析出に伴う延性の低下,パイプの硬質化を
招く。このため、0.008%を上限とする。
いては二重巻きパイプの造管加工性を高め、ブレージン
グ熱処理においては、フェライト結晶粒の粒界に析出し
て耐粗粒化性を高めると共に、溶融銅の粒界浸入および
粒界脆化を抑制防止する。更にブレージング熱処理に続
く冷却過程では、素地鋼中の固溶Nと結合して、固溶N
量を低減しパイプを軟質化し、かつ時効劣化の防止に奏
効する。これらの効果を得るために、少なくとも0.0
008%の含有を必要とする。0.002%を超える
と、ブレージング後の冷却過程における素地鋼組織の過
度の微細化,針状化による硬質化を招き、パイプの加工
性を損なう。このため、0.002%を上限とする。
まず製鋼炉で所定の化学組成に溶製された鋼を、造塊・
分解圧延により、または連続鋳造によりスラブとし、ス
ラブ表面手入れを適宜施した後、熱間圧延する。連続鋳
造につづいて熱鋳片をそのまま加熱炉に装入して熱間圧
延するようにしてもよい。熱間圧延は常法により行なわ
れる。熱延鋼板品質や熱延効率等の点から、仕上げ温度
はAr3変態点直上の温度に調整され、巻取り温度は約5
00〜700℃の範囲が適当である。
する。冷間圧延は、結晶粒の粗大化を抑制し、延性の良
好な冷延鋼板を得るために、圧下率を40%以上とする
ことが必要である。圧下率が90%を越えると、結晶粒
の微細化効果は飽和し、それ以上の圧下率は圧延負荷の
増大による操業面の不利を招くので、90%を上限とす
る。
処理に付される。焼鈍処理において、鋼板は再結晶し、
また窒化反応により微細なAlN粒が緻密に分散した表
層部(AlNリッチ層)が形成される。この焼鈍処理
は、水素濃度が2体積%以上のN2 −H2 混合ガスを雰
囲気とし、再結晶温度(約600℃)〜850℃の温度
域で加熱することにより行われる。雰囲気を形成するN
2 −H2 混合ガスは、例えばNXガス(H2 :2vol%, CO:3
vol%, 残部:N2 ),DXガス(H2 :10vol%, CO:10vol%, CO
2 :7vol%, 残部:N2 ) 等を適用することができる。
のは、それ以上の高温度を必要としないだけでなく、高
温化に伴い結晶粒の成長粗大化が助長され、適正なフェ
ライト組織を確保することが困難となるからである。焼
鈍方式はバッチ焼鈍または連続焼鈍のいずれでもよい
が、比較的長い処理時間が与えられるバッチ焼鈍の場合
は、雰囲気温度を約650℃〜720℃とし、処理時間
の短い連続焼鈍の場合は、約750〜850℃に調節設
定するとよい。
は、還元作用による鋼板の金属光沢を確保し、かつ窒化
反応によるAlNリッチ層を鋼板表層に形成するためで
ある。H2 濃度を2体積%以上に規定したのは、それよ
り低い濃度では、還元作用が十分でなく、金属光沢の確
保が困難となるからである。ただし、H2 濃度をあまり
高くすると、N2 濃度の相対的低下により、窒化反応効
率が低下するので、約95体積%を上限とするのが適当
である。焼鈍処理をより効率的に達成するために、N2
−H2 混合ガスのH2 濃度: 10〜75体積%、焼鈍雰
囲気の露点: −10℃以下の条件で焼鈍処理するのが好
ましい。
細なAlN析出物(粒径: 約50〜100Å)は、前記
のようにパイプのブレージング熱処理過程で、フェライ
ト再結晶のピン止め効果となり鋼板表層に微細なフェラ
イト組織(FGS.NO: 約10以上)を形成せしめ、耐銅浸入
性を高める。この効果を十分なものとするために、Al
Nリッチ表層部の層厚は20μm以上であることを要す
る。また、その層厚が100μm以下であれば、鋼板の
加工性に実質的な悪影響を生じることはない。この表層
部の層厚は、焼鈍処理の雰囲気ガス組成,処理温度・時
間等により制御される。
質圧延および連続電気めっき等による銅めっき(めっき
層厚: 例えば1〜5μm/片面当たり)を施されて二重
巻きパイプ用銅めっき鋼板に仕上げられる。得られた銅
めっき鋼板は、二重巻きパイプに成形加工されたうえ、
巻き重ね面間を融着するブレージング熱処理(処理温
度: 約1100〜1150℃)に付される。
素地鋼板の再結晶(約900〜950℃)を生起し、パ
イプ温度が銅の融点以上(約1100℃)に達すると、
銅めっき層の溶融による巻き重ね面間の融着結合が生じ
る。前述のように、この時点では既に素地鋼板の再結晶
を完了し、表層部は微細AlN粒のピン止め効果により
極めて微細なフェライト組織(FGS.NO約10以上)が形成
されており、また素地鋼板中の固溶Bの一部はフェライ
ト結晶粒界に析出している。この表層組織の微細化およ
びBの粒界析出の効果として、銅の粒界浸入およびそれ
に伴う粒界脆化を抑制防止しつつ、二重巻きパイプの巻
き重ね面の融着結合を達成する。
は、前記のように、鋼中の固溶Bと固溶Nとの反応(B
N析出物の生成)を生じ、硬質化の原因となる固溶N量
が低減し、パイプの時効性の改善・延性の向上効果がも
たらされ、そのBN析出物が、AlN析出物と異なって
比較的大きいサイズであることも、素地鋼板の降伏点(
YP) の低下・延性の向上に有利に作用する。また、素
地鋼板の化学組成(C,Al,N,B量等)の規定の効
果として、ブレージング処理後の冷却過程でのフェライ
ト組織の針状化や粗粒化も抑制防止され、板厚中心部も
比較的微細なフェライト組織(FGS No. 約6以上)が与
えられる。これらの効果として、二重巻きパイプの拡管
加工やフレア加工等に要求される高度の加工性(伸び率
約25%以上)が確保される。
ぼす素地鋼板の化学組成の影響について具体的に説明す
る。図1は二重巻きパイプの延性に及ぼす素地鋼板のC
含有量の影響を示している。供試鋼板およびパイプ(管
径: 4.76mm)の製造条件は下記のとおりである。 (1)素地鋼板の化学組成(wt %) C:0.01 〜0.12, Si:0.008, Mn:0.30. P:0.010, S:0.00
8, sol Al:0.040, N:0.0045, B:0.0015, Fe:Bal 。 (2)冷間圧延: 圧下率 85 %,板厚: 0.335 mm。
り) (6)二重巻き成形後のセルフ・ブレージング処理 雰囲気: DXガス(10vol% H2 -10vol% CO- 6vol% CO2 -N
2,露点:+ 5℃) 処理温度・時間: 1130℃×1min
素地鋼板のC量0.03〜0.08%の範囲において、
伸び率25%以上の高い延性を有している。C量0.0
3%未満の領域で延性が低いのは、鋼板のフェライト組
織が過度に粗大化したことによるものである。他方、C
量0.08%を越える領域での延性低下は、鋼中の炭化
物(Fe3 C)の増量とそれに伴う過度の微細化,および針
状フェライト組織の生成に起因してパイプが硬質化した
ことによる。二重巻きパイプの拡管加工・フレア加工性
には、伸び率約25%以上の延性が必要とされており、
図1は、その要求を充足するために、素地鋼板のC量を
0.03〜0.08%の範囲に調整する必要があること
を示している。
きパイプの伸び値の関係を示している。供試鋼板および
パイプ(管径:4.76 mm)の製造条件は次のとおりであ
る。 (1)素地鋼板の化学組成(wt%) C:0.06, Si:0.009, Mn:0.45. P:0.013, S:0.008, sol A
l:0.010 〜0.090, N:0.0010〜0.0090, B:0.0016, Fe:Ba
l (2)冷間圧延: 圧下率 83 %,板厚: 0.335 mm
たり) (6)二重巻き成形後のセルフ・ブレージング処理 雰囲気: DXガス(10vol% H2 -10vol% CO- 6vol% CO2 -N
2,露点:+ 5℃) 処理温度・時間: 1130℃×1min
び率 25 %未満 この図は、二重巻きパイプの拡管加工・フレア加工に要
求される延性(伸び率約25%以上)を満たすために
は、Al量: 0.03〜0.08%、N量: 0.003
〜0.008%の範囲に調整すべきことを示している。
イプ(管径: 4.76mm)の伸び値との関係、図4は、素地
鋼板のB含有量とパイプのフェライト結晶粒度番号(FG
S.NO) との関係を示し、図5は、素地鋼板のB含有量と
パイプ素地鋼内の銅浸入深さの関係を示している。これ
らの供試鋼板および二重巻きパイプ(管径:4.76 mm)の
製造条件は次のとおりである。 (1)素地鋼板の化学組成(wt%) C:0.07, Si:0.010, Mn:0.50. P:0.018, S:0.005, sol A
l:0.050, N: 0.0050,B:0.0004〜0.0040, Fe:Bal (2)冷間圧延: 圧下率 89 %,板厚: 0.335 mm
たり) (6)二重巻き成形後のセルフ・ブレージング処理 雰囲気: DXガス(10vol% H2 -10vol% CO- 6vol% CO2 -N
2,露点:+ 5℃) 処理温度・時間: 1130℃×1min
素地鋼板のB量が0.0008〜0.002%の範囲に
おいて、伸び率25%以上の高い延性を有している。ま
た、図4は、素地鋼板のB量の増加と共に、フェライト
組織が細粒化することを示している。B量が0.000
8%未満では、ファライト粒度番号(FGS.NO)が6.0 以
下の粗粒組織となり、これは粒界強度の不足をきたし、
溶融銅の粒界浸入を充分に抑制防止することができなく
なる。他方、B量が0.002%を超えると、FGS.N0
8.5以上と過度に微細化し、また前記のようにブレージ
ング熱処理後の冷却過程でフェライト組織の針状化をき
たすことになる。
として、パイプの素地鋼への銅の浸入深さは小さくな
る。銅浸入深さが約20μmを超えると、粒界の脆化に
起因する延性不足等の実害が生じる。B量を0.000
8%以上とすることにより、銅の浸入深さを20μm以
下に抑え、粒界脆化とそれによるパイプ延性の低下を防
止することが可能となる。このように、図3〜図5は、
Bの添加効果としてフェライト結晶粒の粗大化とそれに
伴う溶融銅の浸入・粒界脆化、およびフェライト組織の
過度の微細化防止の効果を得るためには、B量を0.0
008%〜0.002%の範囲に調整すべきことを示し
ている。
(二重巻き成形加工前の所要板幅に裁断した平板材)、
図7は、そのフープを使用して造管された二重巻きパイ
プ(ブレージング熱処理済み)について、それぞれのフ
ェライト組織を示している(いずれも、倍率×10
0)。供試材の製造条件は次のとおりである。 (1)素地鋼板の化学組成(wt%) C:0.04, Si:0.007, Mn:0.25. P:0.012, S:0.007, sol A
l:0.035, N: 0.0035,B:0.0016, Fe:Bal (2)冷間圧延: 圧下率: 80%, 板厚: 0.335 mm
たり) (6)二重巻き成形加工後のセルフ・ブレージング処理 雰囲気: DXガス(10vol% H2 -10vol% CO- 6vol% CO2 -N
2,露点:+ 5℃) 処理温度・時間: 1130℃×1 min
鋼板の表層から内部の断面全体にわたってパンケーキ状
のフェライト組織を呈している。そのフェライト結晶粒
度(FGS.NO)は8.3である。他方、図7(二重巻きパ
イプのブレージング処理後)にける鋼板表層部のフェラ
イト組織は、板厚中心部に比し著しく細粒化している。
その表層部の層厚は約50μmであり、結晶粒度FGS.NO
は10〜12である。この表層部の微細化は、前記のよ
うに銅めっき層の溶融に先行して生起し、溶融銅の粒界
侵入を抑制防止に奏効する。
た溶鋼を連続鋳造に付してスラブとし、熱間圧延→熱延
板の酸洗処理→冷間圧延→冷延板の電解清浄処理→焼鈍
処理→調質圧延→銅めっき→二重巻き成形加工・ブレー
ジング処理の工程を経由して二重巻きパイプ(管径4.
76mm)を得る。 (1)鋼組成: 表1,表2参照 No.1〜14は発明例、No.51 〜66はいずれかの元素の含有
量(表中,下線付記)が本発明の規定から外れている比
較例である。 (2)熱間圧延 加熱温度: 1200℃、熱延仕上げ温度: 895 ℃、熱延巻取
り温度: 500 ℃ (3)冷間圧延 圧下率: 85%、冷延板板厚: 0.335 mm
(片側当たり) (7)二重巻き成形加工 ・成形加工法: ロール造管(フープ幅 27.5 mm) ・セルフ・ブレージング処理: 雰囲気: DXガス(10vol% H2 -10vol% CO- 6vol% CO2 -N
2,露点:+ 5℃) 処理温度・時間: 1130℃×1 min
食し、切断法(JIS G 0552)により粒度番号(FGS.NO)を判
定(倍率: ×200 )。 (c)銅の侵入深さ:パイプの断面を5 %ナイタールで腐食
した後、XMA分析装置により、銅の溶着部(倍率: ×
500 )のCu特性X線像を撮影して浸入深さ(μm)を
測定。
銅めっき鋼板および二重巻きパイプの製造条件と併せて
製品パイプの試験結果を示す。発明例No.1〜14のパイプ
は、拡管加工やフレア加工に必要とされる25%以上の
伸び率を有している。また、その表層部(層厚約20〜10
0 μm)のフェライト組織は、FGS.NO 10 〜12と著しく
微細である。この表層部組織の微細化とB添加効果とに
より、銅の浸入深さは約1〜5μmと著しく小さい。肉
厚中心部もFGS.NOが約7〜8の比較的微細なフェライト
組織を有している。このように銅の侵入が抑制され、か
つ肉厚全体にわたり適正な粒度のフェライト組織を有し
ているので、拡管加工やフレア加工における加工性も良
好である。
およびNo.52 のパイプの延性が低いのは、鋼板のC量の
不足のため、フェライト粒が粗大化し、銅の侵入深さが
大きく、粒界の脆化が生じたことによる。No.53 および
No.54 のパイプの延性が劣るのは、素地鋼板のC量が多
すぎるため、鋼中の炭化物(Fe3 C)量の過剰析出、フェ
ライト粒の過度の微細化、および針状のフェライト組織
の生成等による硬質化をきたしたことによる。No.55 と
No.56 (素地鋼板AL量不足)およびNo.59 とNo.60 (素
地鋼板N量不足)のパイプの延性が劣るのは、Al,N
量が少なく、AlNの析出量が不足してフェライト粒が
粗大化し、このため銅の侵入深さが大きくなり、粒界が
脆化したからである。
剰)およびNo.61 とNo.62 (素地鋼板N量過剰)のパイ
プの延性が劣るのは、Al,N量が過剰であるために、
AlNの過剰析出とフェライト粒の過度の細粒化をきた
したことによる。No.63 およびNo.64 (素地鋼板 B量不
足)のパイプ延性が低いのは、素地鋼板のB量不足によ
り、フェライト粒が粗大化し、溶融銅の浸入深さが大き
くなり、粒界の脆化が生じたことによる。No.65 とNo.6
6 (素地鋼板 B量過剰)のパイプ延性が劣るのは、素地
鋼板のB量が過剰であることにより、固溶B量が過剰析
出して、フェライト結晶粒が過度に微細化したこと、お
よび針状フェライト組織が形成されて硬質化しているの
である。
は、セルフ・ブレージング処理における耐銅浸入性が高
く、銅の侵入およびそれに起因する粒界脆化を抑制防止
し、またブレージング処理後のフェライト組織の粗大化
や針状化とそれに付随するパイプの硬質化も抑制防止さ
れる。従って得られる二重巻きパイプは、高い延性を有
し、拡管加工やフレア加工等における加工割れが抑制防
止され、製造歩留りの向上,パイプ加工工程の簡素化な
どの合理化・低コスト化を可能とすると共に、パイプ品
質の向上安定化等の効果をもたらす。またパイプの加工
形状の複雑化への対応が可能となり、二重巻きパイプの
用途の拡大・多様化を可能とするものである。
関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
号(FGS.NO)とB量との関係を示すグラフである。
地鋼板のB量との関係を示すグラフである。
プのフェライト組織を示す図面代用顕微鏡写真(倍率×
100)である。
組織を示す図面代用顕微鏡写真(倍率×100)であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で,C : 0.03〜0.08
%,Si: 0.1%以下,Mn: 0.05〜0.5%,
P : 0.020%以下,S : 0.015%以下,so
l.Al: 0.03〜0.08%,N : 0.003〜
0.008%,B : 0.0008〜0.002%,残
部は実質的にFeからなり、微細なAlN析出物が分散
した層厚20〜100μmの表層を有する素地鋼板に銅
めっきを施されていることを特徴とする耐銅浸入性およ
び加工性等にすぐれた二重巻きパイプ用銅めっき鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、 C : 0.03〜0.08%,Si: 0.1%以下,M
n: 0.05〜0.5%,P : 0.020%以下,S
: 0.015%以下,sol.Al: 0.03〜0.08
%,N : 0.003〜0.008%,B : 0.00
08〜0.002%,残部は実質的にFeからなるスラ
ブを熱間圧延し、圧下率40〜90%で冷間圧延した
後、冷延鋼板を、水素濃度2vol %以上のN2 −H2 混
合ガス中、再結晶温度〜850℃の温度域で焼鈍処理
し、ついで該鋼板に銅めっきを施すことを特徴とする請
求項1に記載の耐銅浸入性および加工性等にすぐれた二
重巻きパイプ用銅めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03076598A JP3720185B2 (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 耐銅浸入性および加工性等にすぐれた二重巻きパイプ用銅めっき鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11229084A true JPH11229084A (ja) | 1999-08-24 |
| JP3720185B2 JP3720185B2 (ja) | 2005-11-24 |
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ID=12312792
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| JP (1) | JP3720185B2 (ja) |
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1998
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| US10954599B2 (en) | 2016-08-08 | 2021-03-23 | Net Boru Sanayi Ve Dis Ticaret Kollektif Sirketi Bora Saman Ve Ortagi | Washing assembly for sheet metals for producing double-layered copper-coated pipes |
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| US11834735B2 (en) | 2018-12-19 | 2023-12-05 | Lg Electronics Inc. | Copper-alloy stainless pipe, air conditioner including the same, and method of manufacturing the same |
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| JP3720185B2 (ja) | 2005-11-24 |
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