JPH11229167A - 電解水素発生装置 - Google Patents

電解水素発生装置

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JPH11229167A
JPH11229167A JP10033149A JP3314998A JPH11229167A JP H11229167 A JPH11229167 A JP H11229167A JP 10033149 A JP10033149 A JP 10033149A JP 3314998 A JP3314998 A JP 3314998A JP H11229167 A JPH11229167 A JP H11229167A
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JP
Japan
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hydrogen
anode
cathode
electrolyte
methanol
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Application number
JP10033149A
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English (en)
Inventor
Takayuki Shimamune
孝之 島宗
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De Nora Permelec Ltd
Original Assignee
Permelec Electrode Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造を有し、有機燃料から極めて低い
電力消耗でオンサイト的に電解水素を製造する装置を提
供する。 【解決手段】 有機物によって減極反応を起こすことが
出来る陽極を有する陽極室と、水素発生陰極を有する前
記陰極室とが隔膜により分割され、有機質燃料と電解質
の電解液を収容した電解槽と、前記陽極室への液供給機
構と液・ガス排出機構又はガス排出機構と、前記陰極室
に設けられた陰極液・ガス排出機構と、前記陰極液・ガ
ス排出機構の先に設けられた気液分離機構と、陽極液及
び陰極液をそれぞれ液調整槽に送る機構と、前記液調整
槽で液を調整する機構と、調整された調整液を再び陽極
室に送る機構とを有することを特徴とする電解水素発生
装置。陽極液がメタノールに導電性の補助電解質を加え
たものであること、陽極の電極物質が白金とルテニウム
の合金であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低い温度と簡単な
構造で省エネルギー的に電解水素を発生する電解水素発
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環境問題に端を発する大気汚染防止問
題、更にCO2 削減問題は、運輸手段である自動車の動
力を、化石燃料を燃料とする内燃機関から効率の良い電
気モーターを電力で動かすいわゆる電気自動車へと変え
つつある。従来からこの代表的なものは、二次電池を積
みそれを燃料源とする電気自動車である。この様な電気
自動車は、確かに走行中は排ガスが無く環境を汚さない
と言う特徴を有するが、電力源は発電所電力であり、そ
のオネルギー効率はあまりよくないという事実と共に、
二次電池の重量が極めて大きいこと、その二次電池を運
ぶためにも電気自動車は多くの動力を必要とすること、
また一充電での走行距離が一日の走行距離分より少ない
というケースがあることにより使用上も問題であった。
【0003】電池重量を軽減し、外部電力による充電を
不要にすると共に、内燃機関の負荷によって燃費率が大
幅に変化するという特性を、電池とのハイブリッド化に
よってうまく解決した内燃機関と二次電池のハイブリッ
ド自動車が使われ始めるようになったが、内燃機関に対
しては大幅な排気ガスに関するNOx の低下とCO2
減を達成したものの、構造が複雑であり、将来の全面的
な電気化によるより高効率化に向けての中間段階と捉え
られている
【0004】最終的なターゲットとしては、燃料電池に
よる発電とその電力で効率の良い電気モーターを動か
し、それを動力源とする電気自動車であるとされてい
る。ただ燃料電池自身はかなりの所まで改良され、後は
コストダウンというところまで来ているが、燃料である
水素の供給が問題となっている。すなわち、メタノール
などの燃料からリフォーマーによって水素を取り出す方
法と、水素ガススタンドで、水素を補給する方法であ
る。特に後者の場合、水素の充填はそれ自身で冷却のた
めにある程度の水素を消費してしまうので、現在のガソ
リンスタンドのように、外部から水素を運搬してきてス
タンドに充填し、それを更に各自動車に充填していたの
では、原単位、コストの点でかなり不利になると言う問
題があった。従って、この水素の問題解決が大きな宿題
事項となっていた。
【0005】当然自動車にリフォーマーを積むことは一
見問題ないように見えるが、それ自身大型になってしま
うこと、そこからはCO2 の発生があること、また必ず
しも効率がよいとは言えないこと、水素源であるメタノ
ールや天然ガスなどの消費が、リフォーマー自身の加熱
のために、また生成COの再燃焼のために大きくなって
しまい、経済性も悪くなると言うことが言われており、
更にコールドスタートが出来ないなどの問題があった。
自動車内の水素ガスの保持技術が確立されつつある現
在、水素をオンサイト的にスタンドで作りながら供給で
きれば、しかも効率的に安価に供給できればこれらの問
題の一部が解決することになる。またこの場合も純度の
高い電解水素であれば自動車側ではそのまま使えるので
最も望ましいことになる。
【0006】また最近では発電機の軸受け冷却用や電子
材料製造などに高純度の水素が必要になっており、そこ
では、現在はボンベで運ぶことが行われているが、バッ
チ作業となること、運搬時に危険が伴うことなどの問題
点があった。そこで、そのような場所に電解水素を製造
して使うように、従来法の電解水素装置を導入する動き
も一部あったが、この種の装置は電解電圧が1.8Vか
ら2.4Vとかなり高く、経済性に問題があると言う欠
点があるので、経済的でありしかも水素の純度が電解水
素と同等に高いものであることの要求を満たすものでは
なかった。
【0007】また、極めて小さい電力で電解水素を製造
するためには、電解装置自身の性能を上げる方法が行わ
れている。これは国家プロジェクトとして、いわゆるW
E−NETやRITE計画に見ることが出来るが、これ
は固体電解質型の通常の水電解装置を使ったものであっ
て、そこでのロスを最小にするという考えであるため、
理論分解電圧である1.23V以下には出来ないと言う
問題がある。この方法は、経済的に海外の水力を使って
水素を製造し、それを貯蔵媒体として使い、CO2 発生
を減らすと言う計画として使われようとしているもので
あり、従来の電解水素発生装置より経済性は高いが、消
費電力が大きいこと、またこの水素で燃料電池を働かせ
た場合には、発生電力は消費電力の半分以下になってし
まうという問題点があった。
【0008】一方、これに対して陽極反応を理論分解電
圧が酸素発生より低いハロゲン反応を利用することが提
案されている。これは、米国特許第5219671号に
見られるように、ハロゲン化水素を電解液として電解を
行い、陽極室にハロゲンを得ると共に陰極室では水素を
得る方法であるが、理論分解電圧が水の1.24Vに対
して臭素酸の場合は1.04Vになり、しかも臭素発生
では陽極過電圧がほとんどゼロとなるので、実質的には
0.5V程度の電圧削減が可能になると言うものであ
る。 そして、生成した臭素は、天然ガスやメタノール
と反応させてハロゲン酸に戻し、再び電解原料として使
うようにしている。この方法は、電力削減にはよいが、
構造が複雑となり、しかもその割には十分に低い電力で
の水素製造は行えないと言う欠点がある。また、ハロゲ
ン酸への転換に高温を必要とするなど全体で見ると、装
置的に複雑であると同時に、その運転を考えると、オン
サイト型の発生装置にはなりにくいという問題点を合わ
せ持っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の問題
点を解決するためになされたものであり、簡単な構造を
有し、極めて低い電力消耗でオンサイト的に電解水素を
製造する装置を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の手段に
より前記の課題を解決した。 (1)有機物によって減極反応を起こすことが出来る陽
極を有する陽極室と、水素発生陰極を有する前記陰極室
とが隔膜により分割され、有機質燃料と電解質の電解液
を収容した電解槽と、前記陽極室への液供給機構と液・
ガス排出機構又はガス排出機構と、前記陰極室に設けら
れた陰極液・ガス排出機構と、前記陰極液・ガス排出機
構の先に設けられた気液分離機構と、陽極液及び陰極液
をそれぞれ液調整槽に送る機構と、前記液調整槽で液を
調整する機構と、調整された調整液を再び陽極室に送る
機構とを有することを特徴とする電解水素発生装置。 (2)陽極液がメタノールに導電性の補助電解質を加え
たものであることを特徴とする前記(1)の電解水素発
生装置。 (3)陽極の電極物質が白金とルテニウムの合金であ
り、メタノールと反応してメタノールをCO2 と水素イ
オンにする事を特徴とする前記(1)及び(2)の電解
水素発生装置。 本発明は、メタノールと水を原料として極めて低い電力
で電解水素を得ることが出来るオンサイト的に使える電
解装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、燃料電池反応においてメタノール/水
を燃料とした燃料電池の理論起電力は0.05Vで、水
素燃料とほぼ同じであることを見いだしてなされたもの
である。陽極としてメタノール/水を燃料とする燃料陽
極を使用し、陰極側で水素発生を行わせると、理論分解
電圧が0.1V以下であること、つまり理論的には0.
1V以下の電圧で電解出来ることを見い出して本発明に
至ったものである。更に、燃料電池の場合は固体電解質
を通してメタノール極から酸素極へのメタノールの移行
が起こり、それがメタノールロスに繋がるという問題点
があったが、電解反応においてはメタノールが陰極側に
移行しても水素発生反応は変わらず、しかもメタノール
が陰極還元されることがないことを見い出し、陰極側に
移行したメタノールは、そのままメタノール液調整槽に
戻せばほとんど100%の効率で使えることがわかっ
た。また、問題となる陽極副反応であるCOの生成につ
いては、従来の燃料電池からの反応を基本に考えると、
ほとんど避けることが出来る。つまり、十分な水分が存
在する場合はCOの生成がほとんどなくなることを見い
出した。
【0012】更に、燃料電池では固体電解質として高価
な陽イオン交換膜を使用することにより、100℃以下
での運転を可能としていたが、ここでは電解液に補助電
解質を設けることにより、固体電解質的なものを不要と
すると同時に電極その物を該固体電解質上に形成するの
ではなく、独立に電極を持ってきてそれを隔膜と組み合
わせることを可能とした。しかも、補助電解質を使うの
で、電極と隔膜は電解電圧を最低に保つために原則とし
て密着させるが、従来のいわゆるゼロギャップ構造のよ
うな10kg/cm2 以上の圧力で密着させると言うよ
うな必要はなく、せいぜいゼロギャップ型イオン交換膜
クロルアルカリ電解に使用する程度での圧力で十分であ
り、電解槽自身が簡単な構造となり、しかも大型化が容
易に行えるようにすることが可能となった。
【0013】電解槽は、隔膜により陽極室と陰極室に分
離された、いわゆる2室型のものを使用する。陽極室と
陰極室を分離する隔膜の材質については、固体電解質的
な特性を期待しないので特には指定されることはない
が、陽極側にて発生するCO2ガスと陰極室側にて発生
するH2 ガスとが互いに混合しないことが重要であり、
ガスセパレータの作用をすることが必要である。従っ
て、望ましい隔膜としては、厚さが薄く、しかも電気抵
抗が小さく、そのうえ安定性に優れた商品名ナフィオン
に代表される陽イオン交換膜がある。確かにメタノール
は、非イオン性であり、イオン交換膜での分離は出来な
いが、陽イオン、陰イオンの分離が出来ること、固体電
解質としても使用可能であることから、本目的に対して
も有用であるが、高価であるので必ずしも使用する必要
が無く、液が通って液中の気泡が通らなければよいこ
と、また電解液に対して安定であることから、ポリプロ
ピレン製の濾布やアスベスト隔膜又は多孔性フッ素樹脂
フィルターなどが使用可能である。このような隔膜で二
室に分離された電解槽の陽極側には該隔膜に密着又は間
隔を置いてメタノールを酸化する陽極を設置する。
【0014】陽極の種類としては、特には指定されない
が、例えばガス拡散電極に使用するE−TEK社製商品
名ELATの様な炭素繊維織物に炭素を分散させた三次
元的な広がりを持つ基材に電極物質を担持したものが使
われる。また、基材が炭素ではなくてチタンスポンジを
固めて板状にしたものや、フォーム状のもの、チタン繊
維を焼結したような三次元的な広がりを有する基材又は
エクスパンドメッシュなどが基材として使われる。な
お、電解液はアルカリ性の場合は生成するCO2 と反応
して沈殿物を作りやすくなるので、酸性であることが望
ましい。
【0015】この場合の陽極基材としては、陽分極時に
安定に保持できるチタンなどのいわゆる弁金属やカーボ
ンが望ましい。この基材の上に電極物質を形成して電極
とするが、酸化触媒として最も高性能が期待できるのは
白金であるが、白金はCO2生成反応では副反応として
わずかながら起こる可能性のあるCOに被毒され易いと
いう特徴があるので、白金ルテニウム合金が好んで用い
られる。また、十分に反応面積を取ることで、他の電極
物質の使用も可能であることはもちろんである。例え
ば、白金ルテニウム合金の代わりに作成しやすく安定な
白金酸化ルテニウム、更にこれに酸化チタンや酸化タン
タルなどの安定剤を加えた電極物質も使用できる。これ
らの電極物質の生成法に関しては、特には指定されない
が、白金ルテニウム合金の場合は、所定の割合に混合し
た塩化白金酸、塩化ルテニウム酸又は塩化ルテニウムを
ブチルアルコールなどに溶解した塗布液を電極基材の電
極面に塗布し、水素気流中で200℃から400℃で熱
分解することによって基材表面に形成することが出来
る。
【0016】白金と酸化ルテニウムの複合体の場合は、
基材としてチタン焼結体などの金属を用いる場合は、白
金塩とルテニウム塩を含む塩酸溶液やアルコール溶液を
塗布液として基材表面に塗布し、空気中で400℃から
600℃で熱分解することによって得られる。更に塗布
液に塩化チタンや塩化タンタル、またはブチルチタネー
トやブチルタンタレートを加えることによりチタンやタ
ンタルの酸化物を被覆に加えることが出来る。電極物質
の担持量は、塗布/熱分解の回数を調節することにより
調節できる。また、基材が炭素など高温の酸化雰囲気に
弱い場合には、あらかじめこれらの電極物質をチタンス
ポンジなど、金属粉末に被覆しておき、これを炭素、フ
ッ素樹脂などと共に基材に塗布し、フッ素樹脂の焼結温
度、たとえばPTFE樹脂であれば200℃から300
℃で軽く圧力をかけながらホットプレスする事によって
得られる。
【0017】また、電極物質をいわゆるゾルゲル法であ
らかじめ水酸化物を作っておき、それを焼成する事によ
って得ることもできる。例えば、塩化白金酸と塩化ルテ
ニウム酸の混合水溶液をあらかじめ用意し、それに苛性
ソーダ水溶液を撹拌しながら滴下していく。pHが10
から12またはそれ以上になると、黒色沈殿が出てく
る。十分に沈殿が出終わったところで、しばらく時間を
おき、水洗してから濾別する。このようにして水酸化
物、または酸化物の水和物が出来るが、これを乾燥し、
300℃から500℃で熱処理することによって、酸化
ルテニウムと白金金属の混合物が得られる。白金は水酸
化物または水和物で存在するが、300℃から500℃
に加熱することにより、金属が安定であるので、水酸基
や水が離れて金属が析出するもので、多孔質化がすす
み、活性な電極物質となる。このようにして作成した電
極物質粉体をフッ素樹脂をバインダーとして電極基材に
焼き付ける。焼き付ける条件は、上記に示したとおりで
あり、通常行われる条件である。なおこれらの粉末をブ
チルチタネートやブチルタンタレート、または塩化チタ
ンや塩化タンタル溶液中に分散し、それを通常の熱分解
法で焼き付けても良いことはもちろんである。
【0018】このようにして陽極を作成するが、陰極
は、いわゆる活性化陰極として水素発生過電圧が低いも
のであれば特には指定されない。水素過電圧が小さいこ
とは電解電圧が低く押さえられるばかりでなく、隔膜を
通して入ってくるメタノールに対する影響がより小さく
なることを意味するので、最も望ましい。活性化陰極と
しては特には指定されないが、表面積が大きく三次元的
に働くようなものが望ましい。例えば、炭素粉末をフッ
素樹脂をバインダーとして混練し、ホットプレスにより
シート状にしたものを基材とし、これに白金を電極物質
として担持したものが使われる。このものの製法は陽極
のところで述べたのと同じである。また多孔性の金属に
酸化ルテニウムを担持したものも使われる。酸化ルテニ
ウムの担持は、これも陽極で述べたような熱分解により
容易に出来る。
【0019】前記した多孔性の金属としては、電解液が
酸性であることが望ましいので、酸性雰囲気下でも安定
な銅や銀が望ましい。ニッケルも使えるが、陰極が高い
活性を有する場合は腐食のおそれがあり注意を要する。
これらの金属の粉末や線の焼結体やエスクパンドメッシ
ュを基材として、その表面に酸化ルテニウムを担持する
場合には、上記の様な直接熱分解法で良いが、塗布液に
塩素根が入っていると熱分解中に基材金属を腐食する場
合があるので、溶媒としてはアルコールであることが望
ましい。また、あらかじめ酸化ルテニウム粉末を作って
おき、それを金属分散メッキの方法で基材につけること
もできる。このようにして作成した陰極を陰極室に、陽
極を陽極室に取り付ける。集電体としては特には指定さ
れないが、導電性を保持すると共に耐食性であることが
必要であることは言うまでもない。陽極側にはチタン多
孔体またはエスクパンドメッシュを用いる。陰極側は、
ほとんど電位がかからない酸性雰囲気で十分な耐食性を
有することが必要であり、そのために、チタン、銅、銀
などの金属が最適である。好ましくは銀または銀をメッ
キしたチタン性の多孔体またはエスクパンドメッシュを
使用する。
【0020】このようにして作成した電解槽に、電解液
として有機質燃料、例えばメタノールと補助電解質であ
る無機酸液を供給する。無機酸としては陽極反応を起こ
さず、またメタノールとも反応しない希硫酸が好ましく
用いられる。用いる硫酸濃度は高いと電気伝導度も大き
くなり電解での抵抗が減るが、腐食性が大きくなるの
で、通常は50g/リットルから300g/リットル程
度の希硫酸液を用いる。本発明では、電解液に有機質燃
料と電解質を用いるが、この「有機質燃料」というの
は、燃料電池においてそのいわゆる燃料として働くこと
ができる「有機質物」をいうものであって、具体的には
メタノール、エタノール等のアルコールが好ましい。メ
タノールの量は、特には指定されないが、多すぎると液
の電気伝導度が悪くなり、また、少ないと高電流密度に
おけるメタノールの酸化反応の効率が悪くなると共に見
かけ上の過電圧も上昇するので、電解にかかる電圧が上
昇してしまうという問題がある。このため、メタノール
の割合は、陽極供給液全体に対して5%から50%程度
であることが好ましく、特に10%から30%が好まし
い範囲である。この電解液を陽極室から供給する。
【0021】陰極室側には電気伝導性を保持し電解が進
められるように補助電解質である希硫酸液を入れておい
ても良いし、また陽極液と同じメタノールを含む電解液
を入れておいても良い。また陰極を隔膜に密着させてい
る場合は隔膜を通って少なくとも陰極表面には陽極室か
らの電解液が到達してくるので、陰極側には液を入れな
くても電解は進められる。このようにして電解液を入れ
電解を行うが、電解を行った場合電解液は隔膜を通って
陰極側にも移動すると同時に、陽極ではメタノールが分
解されてCO2 ガスが生成する。これは大気中に放出し
ても良いが、ほぼ純粋なCO2 ガスはその気泡が大きい
ので、特に気液分離機構を設けなくて良いが、設けても
良いことは当然である。電解により陰極側には水素が発
生するが、これは陰極側に移行した電解液と共に気液分
離機構に送り水素ガスを分離した後、分離後の液は調整
槽に送り、陽極液と共に液の再調整を行って陽極室に戻
すようにする。
【0022】なお、電解槽からの陽極液、陰極液を共に
液調整槽に送るようにするのも良いが、陽極液の液レベ
ルを陰極側よりわずかに高くして圧力をかけ、陽極液を
全て陰極側に移動し、陰極液を気液分離機構を通して、
液調整槽に戻して調整後、陽極室へ送るようにした一つ
のループを組むことも可能である。これにより配管を単
純化することが出来る。当然のことながら、これらの電
解槽は単独で設けることもできるが、複数枚重ねていわ
ゆる複極式電解槽として運転することもできるが、この
場合は電解電圧が極めて低いので、液のつながりがある
と漏洩電流が起こりやすいので、漏洩電流が起こらない
ように十分に配慮する必要がある。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されないことは言うまで
もない。
【0024】実施例1 隔膜としてDupont社製ナフィオン117を用い
る。また、陽極としては、太さ0.1mmのチタン線を
編んで作った編みメッシュを基材とし、その表面にカー
ボンブラックをPTFE樹脂をバインダーとして焼き付
けた厚さ約0.3mmの多孔体を心材として、そのイオ
ン交換膜側表面から塩化ルテニウム酸と塩化白金酸の混
合ブチルアルコール溶液を塗布し、水素気流中で300
℃で熱分解を行い白金・ルテニウムの合金電極物質相を
形成した。なお、白金とルテニウムの混合比は1:1で
あり、塗布、熱分解の操作は5回繰り返して合量で10
g/m2 となるようにした。陰極は、炭素とPTFE樹
脂の混練物をシート状に引き延ばしたものの表面に、陽
極と同様にして白金のみからなる電極物質層を形成し
た。この様にして作った陽極と陰極を、隔膜であるイオ
ン交換膜に密着させるように電解槽に設置した。
【0025】なお、集電体としては、陽極側は酸化イリ
ジウムを熱分解法により表面に形成したチタンのエクス
パンドメッシュを、また陰極側は銀を表面にメッキした
チタンのエクスパンドメッシュを使用した。この電解槽
全体を赤外線ランプで加温した温度80℃の恒温槽に入
れた。電解槽はアクリル樹脂で作成した。この電解槽の
陽極側には、液の入口とこれより若干太い液・ガス出口
を設けた。また、陰極室側には液入口は設けず、気液分
離用の簡単な機構を設けた気液の出口を設けた。この気
液分離機構はミストキャッチャーを兼ねたものである。
気液分離機構で分離した陰極液は、液調整槽に戻すよう
にした。また陽極液は、液調整槽との間を循環するよう
にした。
【0026】150g/リットルの硫酸水溶液に体積で
その40%のメタノールを加えて、陽極液として循環さ
せた。これにより電解を行った。電流密度は1A/dm
2 となるようにした。これにより電解電圧は0.25V
で陰極側から水素ガスが電流効率97%で採取された。
陽極側からは、ほぼ理論通りのCO2 が得られた。なお
陰極液として、ほとんど陽極液と同じ組成の硫酸、メタ
ノール混合液がでてきたので調整槽に戻すようにした。
この様にして電解することにより、電圧がわずか0.2
5Vで電解水素を得ることが出来た。なお、電流密度を
4A/dm2 まで上げたが、電解電圧が0.34Vまで
上昇するものの、十分に低い電圧で電解出来た。なお消
費したメタノールの量は理論値に対して15%増し程度
であり、効率的な水素への変換が出来ることがわかっ
た。
【0027】実施例2 実施例1と同様の電解槽を使用し、隔膜としてプロピレ
ン製の濾布を使用した。陽極としては、直径0.1mm
のチタン線を焼結して板状にしたものを用いた。この物
の気孔率は、部分によって異なるが、平均で85%であ
り、75%から90%の間であった。これをアルゴン9
0%酸素10%の酸化性気流中、600℃で30分間加
熱してチタン表面を酸化した後、塩化白金酸と塩化ルテ
ニウム酸を溶解したブチルアルコール溶液を塗布液とし
てチタンの焼結体に塗布し、乾燥後温度450℃のマッ
フル炉で15分焼成した。塗布、焼成を10回繰り返し
て白金、酸化ルテニウムがそれぞれ金属分として5g/
2 の電極物質からなる被覆が得られた。これを陽極と
して用いた。
【0028】陰極としては、陽極と同じチタンの焼結板
を用い、それに銀めっきを施した。更に塩化ルテニウム
酸水溶液を苛性ソーダで中和し、沈殿物としてでてきた
水酸化ルテニウムを濾別し、十分に純水で洗浄してソー
ダ分を除去した後、マッフル炉で500℃で30分焼成
して酸化ルテニウムとし、それを乳鉢で1μm以下の粉
末となるように粉砕した後、銀めっき液中に分散したメ
ッキ液を作り、このメッキ液を用いて、いわゆる分散め
っき法で前記の銀めっきを施した基体にめっきによって
酸化ルテニウムを電極物質として担持した。これらの陽
極及び陰極を隔膜に密着するように電解槽に設置した。
なお、集電体は実施例1と同じものを使用した。
【0029】この電解槽の陽極室に実施例1と同じ電解
液を供給した。なお、今度は陽極液の循環は行わない
で、陽極液レベルを陰極液より5cm高くすることによ
り、その圧力で電解液を陰極室側に流すようにした。陰
極室では生成ガスと共に液を取り出し、ミストキャッチ
ャーを兼ねた気液分離槽で発生水素を分離すると共に、
電解液は調整槽に送って液調整後に、陽極室に送り込む
ようにした。なお、陽極室には発生炭酸ガスのみを取り
除くための、ミストキャッチャーを設けた排気口を作っ
た。この装置を使って温度90℃で電解を行ったとこ
ろ、電流密度1A/dm2 の時に電解電圧は0.24V
であった。電流密度を4A/dm2 まで上げても電解電
圧は0.26Vまでしか上がらず、安定で経済的な電解
が出来るようになった。
【0030】
【発明の効果】本発明により以下の効果が得られた。 (1)実質的にメタノールを原料として、水素への転換
が良好な効率で行うことができる。 (2)電解における電解電圧が低いので、少ない少ない
電力で水素を得ることができる。 (3)得られる水素は、電解水素であるため、不純分が
極めて少なく、エレクトロニクス分野への使用が可能で
ある。 (4)簡単な構造の電解槽で水素が得られるので、必要
な場所で必要量の水素を得ることができる。 (5)また燃料電池用燃料としての活用が期待できる。 (6)補助電解質を入れているので、隔膜が必ずしもイ
オン交換膜でなくても良く、高価なイオン交換膜の使用
を避けることが可能となる。 (7)補助電解質を入れているので、完全なゼロギャッ
プやいわゆるSPE型と異なり、大きな圧力でイオン交
換膜又は隔膜を電極で押さえる必要が無くなり、電解槽
の構造が簡単となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物によって減極反応を起こすことが
    出来る陽極を有する陽極室と、水素発生陰極を有する前
    記陰極室とが隔膜により分割され、有機質燃料と電解質
    の電解液を収容した電解槽と、前記陽極室への液供給機
    構と液・ガス排出機構又はガス排出機構と、前記陰極室
    に設けられた陰極液・ガス排出機構と、前記陰極液・ガ
    ス排出機構の先に設けられた気液分離機構と、陽極液及
    び陰極液をそれぞれ液調整槽に送る機構と、前記液調整
    槽で液を調整する機構と、調整された調整液を再び陽極
    室に送る機構とを有することを特徴とする電解水素発生
    装置。
  2. 【請求項2】 陽極液がメタノールに導電性の補助電解
    質を加えたものであることを特徴とする請求項1の電解
    水素発生装置。
  3. 【請求項3】 陽極の電極物質が白金とルテニウムの合
    金であり、メタノールと反応してメタノールをCO2
    水素イオンにする事を特徴とする請求項1及び2の電解
    水素発生装置。
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