JPH11229342A - 生態系に配慮した鋼矢板護岸 - Google Patents

生態系に配慮した鋼矢板護岸

Info

Publication number
JPH11229342A
JPH11229342A JP3586298A JP3586298A JPH11229342A JP H11229342 A JPH11229342 A JP H11229342A JP 3586298 A JP3586298 A JP 3586298A JP 3586298 A JP3586298 A JP 3586298A JP H11229342 A JPH11229342 A JP H11229342A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
sheet pile
gravel
water
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3586298A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Nakagawa
憲一 中川
Yasutomo Yanagimoto
泰伴 柳本
Hisao Iida
久雄 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP3586298A priority Critical patent/JPH11229342A/ja
Publication of JPH11229342A publication Critical patent/JPH11229342A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Revetment (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造面の機能だけでなく、積極的な水質浄化
機能を有し、修景機能、生態系の保護育成機能の面でも
優れた生態系に配慮した鋼矢板護岸を提供する。 【解決手段】 鋼矢板6どうしを連結してなる鋼矢板護
岸の水域側開口部に透水性の蓋体8を取り付け、鋼矢板
6と蓋体8とで囲まれた空間に礫10を充填する。鋼矢
板6の凹部の水域側開口位置には、蓋体8を自立させる
ためのコ字型係止金具9を取り付けておく。充填した礫
10により、礫間接触酸化による水質浄化が行われる。
礫10の上部には水生植物を植栽することにより、修景
効果や生態系の保護効果が得られる。また、水生植物の
地下茎が礫10間にトラップされた有機物や栄養塩を吸
収し成長するため、追肥の必要がなく、礫10間の目詰
まりや礫10表面の生物膜の嫌気状態を解消すること
で、礫間接触酸化効果が長期にわたって維持され、礫1
0の交換も長期にわたり不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、護岸周辺の水域
の水質を浄化するとともに、水生生物の生息場所を提供
し、さらには植栽により護岸周辺の修景効果を得るなど
生態系に配慮した鋼矢板護岸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への関心の高まりから、
河川改修において「多自然型川づくり」が提唱されてい
る。これは、従来の利水・治水に重点を置き、コンクリ
ートや鋼矢板を多用し機能重視の無機質な河川づくりか
らの転換を意味しており、今後の河川は修景にも配慮し
ながら、親水性の機能を持たせたり、生物との共生を図
るなどの護岸づくりが望まれることになる。
【0003】これに対し、鋼矢板護岸は一般的に壁面が
平滑なため生物の生息空間がない、水面上の直立壁面や
コーピング(笠コンクリート等)の形状や質感が人工的
であり景観性に劣るなどの問題点があり、従来の構造で
は「多自然型川づくり」には適用が困難であった。
【0004】しかし、鋼矢板は工場生産された状態で使
用できるため現場作業が省力化できる、機械化施工が可
能なため急速施工ができる、根入れ式構造であるため耐
洗掘性が高い、強度が高く靱性に富んでいるため耐震性
に優れている、止水性が高いため護岸堤体の土砂の吸い
出しや漏出の恐れがない、壁体断面が薄いため狭い河川
用地においても必要な河積断面が得やすい、根入れ地盤
の横抵抗を利用する構造であるため軟弱地盤での適用性
が高い等の数多くの利点を有していることから、従来の
鋼矢板を用いながら「多自然型川づくり」が可能な構造
が望まれている。
【0005】一方、河川の水質は、近年、下水道の整備
や工場排水の排出基準強化などの成果が上がり、以前に
比べると多少改善されてはいるものの、依然その悪化が
問題視されており、湖沼や河川の水質浄化のニーズは高
い。
【0006】鋼矢板護岸の先行技術に関しては、「生態
系に配慮した鋼矢板河川改修工法の開発に関する共同研
究平成7年度報告書」(建設省土木研究所他、平成8年
3月)で、鋼矢板頭部を水面下まで打ち込み、法面と水
面の連続性を確保すると同時に法面に植生域を創る“植
生鋼矢板護岸工法”と、鋼矢板壁面にフィンを有する鋼
製箱を鋼矢板壁面に取付け、この鋼製箱の中に水生植物
を植栽する“植栽フィン”の開発が報告されている。
【0007】この他、実開平7−34031号公報に
は、鋼矢板を連結して表面に深さ方向に連続する溝状の
凹部を有する鋼矢板護岸において、凹部の水域側開口部
に開口部を有する鋼板を取り付け、鋼矢板と蓋体とで囲
まれた空間を魚類や水中生物の生息空間とし、さらに上
部に棚板を設け、棚板上に植物の種子や養分を含んだ土
壌やロックウール等を収納し、植物の生育により修景を
図ったものが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した“植生鋼矢板
護岸工法”は、鋼矢板頭部を水面下まで打ち込むため法
面と水面の連続性が確保され、背後法面にも植栽が施さ
れることで「多自然型川づくり」の対応技術として注目
される。
【0009】しかしながら、鋼矢板頭部にコーピングが
施されていないため継手効率の問題が生じ、場合によっ
てはコーピングのある場合に比べて大型の鋼矢板を使用
する必要が生じるなどの問題がある。
【0010】また、“植栽フィン”は、鋼製枠に植栽し
た水生植物によって鋼矢板の壁面が隠蔽されるため修景
効果が得られ、鋼製枠に取り付けたフィンで流れが遮ら
れるため遊泳力の小さな稚魚や昆虫の生息場所となり、
従来の鋼矢板護岸に付属的に取り付けることで、「多自
然型川づくり」の対応が可能な技術である。
【0011】しかし、水質浄化の観点からは、水生植物
が根から吸収する河川水の栄養塩が僅かに減少する程度
であり、積極的に水質浄化を期待したものではない。
【0012】一方、浄化に関する先行技術としては、礫
の表面に付着するバクテリアや藻類等の微生物からなる
生物膜を利用して有機物や栄養塩を除去する礫間接触酸
化による方法等が最も一般的である。
【0013】しかし、経年的に礫間が目詰まりしたり、
礫表面に形成される生物膜が次第に肥大化するため、生
物膜と礫との境界面が嫌気状態となり、硫化水素等が発
生しやすくなるなどの問題があり、しばしば礫を交換も
しくは洗浄する必要があった。
【0014】本願発明は、従来技術における上述のよう
な課題の解決を図ったものであり、構造面の機能だけで
なく、積極的な水質浄化機能を有し、修景機能、生態系
の保護育成機能の面でも優れた生態系に配慮した鋼矢板
護岸を提供することを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る生
態系に配慮した鋼矢板護岸は、鋼矢板どうしを連結して
なり、表面に深さ方向に連続する溝状の凹部を有する鋼
矢板護岸において、前記凹部の水域側開口部に透水性の
蓋体を取り付け、鋼矢板と蓋体とで囲まれた空間に礫を
充填することで、礫間接触酸化による水質浄化機能を付
与したことを特徴とするものである。
【0016】すなわち、護岸周辺水域の水質浄化を図る
とともに、水中生物の生息場所を提供しようとするもの
である。
【0017】鋼矢板としては、例えば一般的なU型鋼矢
板の他、特許第2689794号公報や特開平9−10
0541号公報に記載されているような非対称U型鋼矢
板、実開平7−34031号公報に記載されているよう
な横断面がZ型のZ型鋼矢板等があり、鋼矢板護岸表面
に上記溝状凹部を含む凹凸を形成するものであれば特に
限定されない。
【0018】なお、上記非対称U型鋼矢板は、横断面形
状がU型の鋼矢板であって、両端の継手部の形状が左右
非対称で、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結
合可能としたものであり、従来の用途として狭い敷地に
施工される矢板壁として用いる場合等に矢板壁の壁厚を
小さくできる利点がある他、後に詳述するように継手部
が壁体の断面中心線上に来ないことから、通常のU型鋼
矢板のように継手部における断面性能の低下を考慮する
必要がないという構造的利点も有している。本願発明に
適用する場合は、主として後者の構造的利点において有
効である。
【0019】透水性の蓋体としては、内側に礫を充填し
た状態で、水域側において河川流下物などの衝突にもあ
る程度耐える材質のものであれば特に限定されないが、
穴あき鋼板やエキスパンドメタルなど強度の高いものが
望ましい。
【0020】請求項2は、鋼矢板護岸の表面の溝状の凹
部が互いに連結される2以上の鋼矢板間に形成され、凹
部の水域側開口部位置において、鋼矢板に蓋体の側端部
を係止するための係止部材が取り付けられている場合で
ある。
【0021】一方、請求項3は、鋼矢板護岸の表面の溝
状の凹部が単一の鋼矢板ごとに形成され、鋼矢板にはこ
の凹部の水域側開口部位置に予め前記蓋体を取り付けて
ある場合である。
【0022】すなわち、請求項3の場合のように鋼矢板
護岸の表面(水域側)の凹部が、それぞれの鋼矢板に形
成されている場合には、鋼矢板打設前に予め透水性の蓋
体を金属の場合は溶接等により取り付けておき、その状
態で鋼矢板の打設を行うこともできるが(蓋体を打設後
に取り付けてもよい)、請求項2の場合のように鋼矢板
護岸の表面の凹部が2以上の鋼矢板間に形成される場合
には打設前に予め蓋体を取り付けておくことは困難であ
り、凹部の水域側開口部位置に設けた係止部材間に、後
から蓋体の側端部を係止するなどして取り付ける必要が
ある。
【0023】表面の凹部が2以上の鋼矢板間に形成され
る場合としては、例えば通常のU型鋼矢板の場合は3つ
の鋼矢板によって鋼矢板護岸の表面に凹部が形成され
(裏面、すなわち陸側についても同じ)、非対称U型鋼
矢板の場合には継手部が陸側に位置する場合において2
つの鋼矢板間に護岸表面の凹部が形成され、またZ型鋼
矢板の場合には表面、裏面とも2つの鋼矢板に凹部が形
成される。
【0024】また、鋼矢板護岸の表面の溝状の凹部が単
一の鋼矢板ごとに形成される場合としては、例えば非対
称U型鋼矢板について、継手部が水域側に位置する場合
などである。
【0025】請求項4は、充填された礫の上部に水生植
物を植栽する場合であり、鋼矢板頭部付近に植栽を施す
ことで護岸の景観に配慮しつつ、鳥類、両性類、昆虫類
等の生息場所を提供し、さらには水生植物の根茎から礫
間にトラップされた有機物や栄養塩類を吸収させること
で、礫間接触酸化作用を長期にわたり持続させることが
できる。
【0026】河川・湖沼の水質浄化については、従来か
ら様々な取り組みなされているが、自然の浄化力に期待
した礫間接触酸化や水生植物利用が最近注目されてい
る。
【0027】礫間接触酸化とは、礫表面に自然に生成さ
れる微生物からなる生物膜で水中の窒素やリンの栄養塩
を吸収・分解させたり、微生物を捕食する動物が微生物
と同時に水中の有機物も捕食すること等の作用を利用し
た水質浄化方法である。
【0028】また、水生生物利用とは、水生植物は根か
ら水中の窒素やリン等の栄養を吸収するため、これらの
水中の栄養塩を低減させ、さらには水生植物付近に生息
する生物による有機物の捕食等で水質を浄化する方法で
ある。
【0029】本願発明は、これらの自然の浄化作用を河
川・湖沼で用いられる鋼矢板護岸壁面で、従来利用され
ていなかった水域側の凹部を利用して行おうとするもの
である。
【0030】本願発明は、上述のように、U型鋼矢板、
非対称U型鋼矢板等の鋼矢板からなる護岸において、水
域側に生じる鋼矢板で3方を囲まれた凹部を、穴あき鋼
板やエキスパンドメタル等の透水性の蓋体で塞ぎ、鋼矢
板と蓋体とで囲まれた空間に礫を充填し、この礫に礫間
接触酸化機能により、蓋体を通って流入する汚染水を浄
化し、浄化された水が再び蓋体を通って排出されること
で、護岸の周辺水域の水を浄化させようとするものであ
る。
【0031】礫間接触酸化で汚染水を浄化するには、汚
染水が礫間を瞬間的に通過するだけでは効果が得られ
ず、汚染水をある程度礫間に滞留させる必要がある。本
願発明では礫間接触酸化を行う場所は鋼矢板で囲まれた
凹部のため、護岸周辺水域の流況により状況は多少異な
るが、基本的には水が本来滞留しやすい場所であるた
め、礫間接触酸化の効果が十分に期待できる。
【0032】透水性の蓋体は、鋼矢板で3方を囲まれた
水域側凹部内の礫の流出を防止するとともに、礫間で浄
化された水と周辺水域の汚染水との交換を容易にし、水
生生物の行き来を可能とするために取り付けたものであ
る。
【0033】蓋体が穴あき鋼板やエキスパンドメタル等
の鋼製の蓋体の場合、既設鋼矢板護岸に対しては鋼矢板
のフランジ部等に水中溶接で取り付けてもかまわない
が、新設鋼矢板護岸については鋼矢板打設後に水中溶接
により取り付けるより、予め蓋体を自立させるための係
止金具を鋼矢板に取り付けたものを打設し、鋼矢板打設
後にこの係止金具を利用して蓋体を自立させる方が効率
面、経済面で得策である。
【0034】また、非対称U型鋼矢板を用いて、継手部
を水域側に設置する場合(図8参照)には、蓋体を2枚
の鋼矢板に取り付けるのではなくて、1枚の鋼矢板に取
り付ければよいため、鋼矢板打設前に予め水域側の凹部
前面に蓋体を取り付けておくことができ、効率的な施工
が可能となる。
【0035】また、透水性の蓋体は稚魚や水生生物が通
過できる穴を有することで、これら蓋体を通過した生物
は礫表面の藻類やバクテリアを捕食でき、あるいは産卵
場所としても利用できる他、遊泳力の弱い生物の隠れ場
所としても利用でき、水生生物の生息空間として十分に
期待できるものである。
【0036】礫の上部には、ヨシ、マコモ、ガマ等の水
生植物を植栽することができる。植生は鳥類、昆虫類、
両性類等の休憩、生息、採餌の場所を提供し、地上部の
生物の多様性を図ることが期待できる。また、鋼矢板壁
面あるいはコーピングのある場合はコーピングも含めて
これらを植物で隠蔽することができるため、修景にも効
果が発揮される。
【0037】さらに、植物の根は成長することで、次第
に礫の間にも浸入し、礫表面にトラップされた水中の栄
養塩の一部がこの根から吸収され、植物の成長に利用さ
れることになるため、礫間の目詰まりや生物膜が肥大化
することが防止でき、長期間にわたり礫の交換をせずに
浄化効果を持続させることができる。
【0038】本願発明は、主として新設鋼矢板護岸に適
用されるものであるが、鋼矢板頂部に笠コンクリート等
のコーピングを有する既設鋼矢板護岸においても、穴あ
き鋼板などの透水性の蓋体を水中溶接等で既設鋼矢板に
取り付け、鋼矢板と蓋体の間に礫を投入し、またはその
礫の上部に植栽を施すことができれば、新設鋼矢板護岸
にこれらを取り付けた場合と同様の効果が期待できる。
【0039】例えば、前述した「生態系に配慮した鋼矢
板河川改修工法の開発に関する共同研究平成7年度報告
書」で提案されている“植生鋼矢板護岸”のように、鋼
矢板頂部にコーピングが施工されていない既設鋼矢板護
岸の場合(図3参照)には、矢板頂部からの礫の投入や
植栽が比較的容易となる。
【0040】ただし、一般的には鋼矢板頂部にコーピン
グが施工されている場合が多く、既設鋼矢板に蓋体を取
り付けた後に礫を投入したり、植栽を施す作業において
コーピングが邪魔になり、人力で礫投入や植栽は可能な
ものの、新設鋼矢板護岸の場合に比べると効率的ではな
い。
【0041】
【発明の実施の形態】図1および図2はそれぞれ、本願
発明において通常のU型鋼矢板6を用いた場合と、非対
称U型鋼矢板11を用いた場合の一実施形態を示したも
のである。
【0042】また、図3および図4はそれぞれ、本願発
明の適用対象としての植生鋼矢板護岸および鋼矢板1
(U型鋼矢板6または非対称U型鋼矢板11)の頭部に
コーピング14としての笠コンクリートを施した場合の
護岸の一例を示したものである。
【0043】新設鋼矢板護岸に適用する場合の手順は、
まずU型鋼矢板6(図1参照)または非対称U型鋼矢板
11(図2参照)のフランジ部に、予めコ字型の係止金
具9あるいはL字型係止金具13等の金具を、鋼矢板長
手方向に沿って対称区間全長または部分的に溶接もしく
はボルト接合等で取り付け、これらの係止金具を取り付
けた鋼矢板1を河床15以下に打ち込む。
【0044】ただし、非対称U型鋼矢板11を用いて、
かつ継手部12が水域側に位置する場合(図8参照)に
は、予め透水性の蓋体8を、直接、非対称U型鋼矢板1
1に取り付けたものを打設することもできる。
【0045】コ字型の係止金具9あるいはL字型係止金
具13の取付対象区間は、鋼矢板打設後の河床15から
上方で、かつ周辺水域の低水位18(図6参照)までの
間を基本とするが、場合により河床15から低水位18
以上としてもよい。また、図3に示すように鋼矢板1の
頭部を水中下で止める工法の場合には、河床15から鋼
矢板1頭部までとする。
【0046】対象区間を河床15から周辺水域の低水位
18までとしたのは、河床15まで蓋体8がないと鋼矢
板1と蓋8とで囲まれた空間に投入した礫10が流出す
る可能性があるためである。
【0047】また、低水位18までとしたのは蓋体8が
水面から露出すると蓋体8が対岸から見えることにな
り、本願発明の特徴の一つである修景効果が低減してし
まうからである。
【0048】ただし、礫間接触酸化による河川浄化に重
点を置き、修景効果をあまり期待しない場合にはこの限
りではなく、水面上に蓋体8が出ていてもよい。この場
合には、礫10と接触する水位が高くなるため浄化効果
が高まることが期待できる。
【0049】図1、図2に示すようにコ字型係止金具
9、L字型の係止金具13は、蓋体8を自立させるため
の金具であるため、その目的が達成できればよく、対象
区間の鋼矢板の長手方向全長に取り付けてもよく、部分
的に取り付けてもよい。また、蓋体8の自立をより強化
し、洪水時の流木の衝突等による損傷を防止するため
に、蓋体8とこれらの係止金具とを溶接等で固着するこ
ともできる。
【0050】図1に示すU型鋼矢板6と図2に示す非対
称U型鋼矢板11の使い分けは次の通りである。
【0051】図4に示すように鋼矢板1の頭部をコーピ
ング処理する場合には、鋼矢板1としてU型鋼矢板6、
非対称U型鋼矢板11のいずれを用いても構わないが、
礫10を投入する鋼矢板1と蓋体8で囲まれた部分の断
面積は、U型鋼矢板6を用いた場合の方が非対称U型鋼
矢板11を用いた場合より大きくなるため、浄化効果の
面ではU型鋼矢板6を用いるのが望ましい。
【0052】一方、図3に示すように鋼矢板1の頭部を
コーピング処理をしない場合には、非対称U型鋼矢板1
1を用いる方が望ましい。
【0053】これは、U型鋼矢板6の場合には、図5に
示すように継手部7が壁体の中心線17上に位置するた
め、土圧等の曲げ荷重を受ける時、継手部7の位置する
中心線17に鉛直方向の縦せん断力が作用することにな
り、継手部7におけるせん断抵抗が不足すると継手部に
ずれが生じ、断面性能が低下した形での設計を行う必要
があるのに対し、非対称U型鋼矢板11の場合には図2
に示すように継手部12が外側にあるために継手部12
における断面性能の低下を考慮する必要がなくなるため
である。
【0054】施工手順としては、コ字型の係止金具9ま
たはL字型の係止金具13等の金具を所定位置に取り付
けたU型鋼矢板6または非対称U型鋼矢板11を打設し
た後、蓋体8をこれらの金具に沿って、図1、図2に示
す所定の位置に落とし込む。この後、鋼矢板と蓋体8と
で囲まれた部分に礫10を投入する。
【0055】この時、蓋体8は礫10から水域側に働く
力で押さえられることになる。従って、通常は蓋体8と
コ字型もしくはL型の係止金具とは固着する必要はな
い。しかし、流速の大きな河川や洪水時に流木等の衝突
が懸念される場合には、蓋体8係止金具とを溶接等で固
着することもできる。
【0056】透水性の蓋体8としては、穴あき鋼板、エ
キスパンドメタル、グレーチング等が用いられる。これ
らの開口部に関しては、使用する礫10の流出が防止で
き、かつ通水と同時に稚魚や水生生物が行き来できる程
度であればよく、特に開口率等は規定しない。
【0057】使用する礫10は礫間接触酸化による浄化
効果が得られやすい粒径がよい。一般的には粒径が小さ
いほど単位重量当りの表面積が大きくなり、浄化効率が
よくなるが、目詰まりの可能性も大きくなるため、通常
は100〜150mm程度が望ましい。
【0058】礫10の種類は、通常、礫間接触酸化で使
用されるものと同等であればよいが、浄化効率をさらに
高めるためには、多孔質の火山岩、大谷石なども使用で
きる。また、浄化の効果をさらに高めるためには、礫と
礫の間に木炭等を挟み込み、木炭による水質浄化効果を
期待することもできる。
【0059】礫10の投入高さは蓋体8の上端以下と
し、流速の大きな河川や礫10の上部に植栽を施す場合
には、蓋体8の上端より数十cm下までとするのが望ま
しい。これは、流速が大きな河川では礫10が流される
ことを防止するためと、植栽を施した場合には植物の流
出を防止するためである。
【0060】礫10を投入した後は、鋼矢板の頂部のコ
ーピング14が必要な場合にはコーピング処理を施す
が、その前に礫10の上部の植栽を施すこともできる。
【0061】植栽に関しては、以下の通りである。
【0062】まず、植物の種類は、ヨシ、ガマ、マコモ
等の水生植物でかつ地下茎で栄養繁殖するものが望まし
い。これは、植栽部分が水面付近で、比較的長時間冠水
している部分であるため、水生植物以外であると根腐れ
が生じて活着しないためである。また、地下茎で栄養繁
殖する植物は毎年植栽する必要がなく、地下茎は経年的
に礫の間に浸入し、礫の間にトラップされた有機物や栄
養塩を吸収することができるからである。
【0063】植栽の方法としては、これらの水生植物の
株を直接植栽する方法、水生植物の地下茎を礫の間に埋
め込んでおく方法、あるいは水生植物の地下茎を土嚢に
入れた植生土嚢を礫の上部においておく方法等がある
が、いずれの方法を用いてもよい。株や地下茎を直接礫
に植栽しても生育は可能であるが、多少土壌があった方
が生育上望ましい。この場合は礫の上に土壌を被覆して
から植栽を施すことになるが、土壌の流出防止、礫間隙
への落ち込み等の恐れがあるため、植生土嚢による植栽
が最も望ましい。
【0064】また、施工上からも手作業で植栽するより
も、植生土嚢を所定の場所に機械的に設置して行く方法
が効率的である。
【0065】図6は、鋼矢板1の頭部にコーピング14
を施す場合に、鋼矢板1としてU型鋼矢板を用いた場合
の一実施形態を示したものである。
【0066】この場合、鋼矢板1のフランジ部にその長
手方向全長にわたってL字型係止金具13溶接で固着
し、この鋼矢板1を打設した後、透水性の蓋体としてエ
キスパンドメタル19をL字型係止金具13の内側に落
とし込み、鋼矢板1とエキスパンドメタル19とで囲ま
れた空間に、平均粒径が100〜150mmの礫10を
投入し、その後、鋼矢板1の頭部にコーピング14を施
す。エキスパンドメタル19は河床15から低水位18
までとする。
【0067】図7は、図3に示すように鋼矢板1の頭部
にコーピングを施さない場合において、非対称U型鋼矢
板を用いた場合である。
【0068】透水性の蓋体としては穴あき鋼板21を用
い、鋼矢板1の打設前にこの蓋体を鋼矢板1のフランジ
部に溶接により一体化し、鋼矢板1の頭部が水面以下に
なるように打設した。
【0069】ただし、この方法は図2のように礫を投入
する空間に継手部がある場合には適用できず、図8のよ
うに礫10を投入する空間に継手部12がない場合に適
用できる方法である。礫の上部には水生植物20を植栽
する。
【0070】図9および図10は、非対称U型鋼矢板1
1を用いて継手部12が水域側に設けられる場合の透水
性の蓋体の形状パターンを示したもので、図9はハット
型の蓋体23の場合、図10は円弧型の蓋体24の場合
である。
【0071】この場合は非対称U型鋼矢板11の打設後
に、これらの蓋体23,24を取り付けてもよいが、施
工を簡単かつ効率的に実施するためには、予め蓋体を鋼
矢板に取り付けてから打設するのが望ましい。
【0072】
【発明の効果】本願発明を適用することによって、通
常の鋼矢板護岸では活用されていなかった水域側の鋼矢
板で囲まれた凹部に礫を充填することで、礫間接触酸化
効果で、河川の汚染水を浄化することができる。なお、
この効果は鋼矢板護岸の延長距離を長くすることで顕著
となる。
【0073】また、礫の上部に植栽を施すことによ
り、鋼矢板の壁面が水面から出ている場合でもこれを植
物で隠蔽することができるため、修景効果が得られる。
また、鋼矢板頂部にコーピングを施さずに、水面下まで
打設した場合には植物で水際部に豊かな環境が創造でき
る。
【0074】植物は主として地下茎で繁殖する水生生
物を利用するため、毎年植栽する必要がなく、メンテナ
ンスフリーとなる。また、地下茎は礫の間に生育し、礫
間にトラップされた有機物や栄養塩を吸収し成長するた
め、追肥の必要がなく、また礫間の目詰まりや礫表面の
生物膜の嫌気状態が解消され、礫の交換も長期にわたり
不要となり、礫間接触酸化を持続させることができる。
【0075】礫と礫との間の空間は稚魚や水生生物の
採餌場や生息場になるだけではなく、地上部の水生植物
の繁茂している空間は、鳥類、両性類や昆虫の採餌や生
息、休憩場所としても活用され、護岸周辺に豊かな生態
系が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明において通常のU型鋼矢板を用いた場
合の一実施形態を示す平面図である。
【図2】本願発明において非対称U型鋼矢板を用いた場
合の一実施形態を示す平面図である。
【図3】本願発明の適用対象としての植生鋼矢板護岸の
一例を示す鉛直断面図である。
【図4】本願発明の適用対象として鋼矢板頭部にコーピ
ング処理を施した場合の護岸の一例を示す鉛直断面図で
ある。
【図5】U型鋼矢板の連結状態を示す平面図である。
【図6】鋼矢板頭部にコーピングを施してある場合の一
実施形態を示す斜視図である。
【図7】鋼矢板頭部にコーピングを施してない場合の一
実施形態を示す斜視図である。
【図8】非対称U型鋼矢板打設前に穴あき鋼板からなる
蓋体を取り付けてある場合の一実施形態を示す平面図で
ある。
【図9】非対称U型鋼矢板にハット型断面の蓋体を取り
付けた場合の一実施形態を示す平面図である。
【図10】非対称U型鋼矢板に円弧型断面の蓋体を取り
付けた場合の一実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1…鋼矢板、2…捨石、3…かごマット、4…植生マッ
ト、5…吸い出し防止シート、6…U型鋼矢板、7…継
手部、8…透水性蓋体、9…コ字型係止金具、10…
礫、11…非対称U型鋼矢板、12…継手部、13…L
字型係止金具、14…コーピング(笠コンクリート)、
15…河床、16…水面、17…壁体中心線、18…低
水位、19…透水性蓋体(エキスパンドメタル)、20
…水生植物、21…透水性蓋体(穴あき鋼板)、22…
溶接部、23…透水性蓋体(ハット型)、24…透水性
蓋体(円弧型)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼矢板どうしを連結してなり、表面に深
    さ方向に連続する溝状の凹部を有する鋼矢板護岸におい
    て、前記凹部の水域側開口部に透水性の蓋体を取り付
    け、前記鋼矢板と蓋体とで囲まれた空間に礫を充填する
    ことで、礫間接触酸化による水質浄化機能を付与したこ
    とを特徴とする生態系に配慮した鋼矢板護岸。
  2. 【請求項2】 前記凹部が互いに連結される2以上の鋼
    矢板間に形成され、前記鋼矢板には前記凹部の水域側開
    口部位置に、前記蓋体の側端部を係止するための係止部
    材が取り付けられている請求項1記載の生態系に配慮し
    た鋼矢板護岸。
  3. 【請求項3】 前記凹部が単一の鋼矢板ごとに形成さ
    れ、前記鋼矢板には前記凹部の水域側開口部位置に、鋼
    矢板打設前に予め前記蓋体を取り付けてある請求項1記
    載の生態系に配慮した鋼矢板護岸。
  4. 【請求項4】 前記礫の上部に水生植物を植栽した請求
    項1、2または3記載の生態系に配慮した鋼矢板護岸。
JP3586298A 1998-02-18 1998-02-18 生態系に配慮した鋼矢板護岸 Pending JPH11229342A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3586298A JPH11229342A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 生態系に配慮した鋼矢板護岸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3586298A JPH11229342A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 生態系に配慮した鋼矢板護岸

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11229342A true JPH11229342A (ja) 1999-08-24

Family

ID=12453805

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3586298A Pending JPH11229342A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 生態系に配慮した鋼矢板護岸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11229342A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013067971A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Jfe Steel Corp 鋼矢板構造物、鋼矢板
CN108589639A (zh) * 2018-06-29 2018-09-28 计翔 一种钢板桩护岸生态仓
CN108643127A (zh) * 2018-07-23 2018-10-12 浙江九州治水科技股份有限公司 一种河湖护岸结构及其使用方法
CN110258449A (zh) * 2019-06-25 2019-09-20 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 城市水环境景观用缓坡挡水结构
CN112431162A (zh) * 2020-10-30 2021-03-02 南京公诚节能新材料研究院有限公司 一种可避免水土流失和促进土壤修复的河道治理装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013067971A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Jfe Steel Corp 鋼矢板構造物、鋼矢板
CN108589639A (zh) * 2018-06-29 2018-09-28 计翔 一种钢板桩护岸生态仓
CN108589639B (zh) * 2018-06-29 2023-08-11 计翔 一种钢板桩护岸生态仓
CN108643127A (zh) * 2018-07-23 2018-10-12 浙江九州治水科技股份有限公司 一种河湖护岸结构及其使用方法
CN110258449A (zh) * 2019-06-25 2019-09-20 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 城市水环境景观用缓坡挡水结构
CN110258449B (zh) * 2019-06-25 2024-05-24 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 城市水环境景观用缓坡挡水结构
CN112431162A (zh) * 2020-10-30 2021-03-02 南京公诚节能新材料研究院有限公司 一种可避免水土流失和促进土壤修复的河道治理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11598064B2 (en) Lake restoration systems and processes
CN113737723A (zh) 一种生态护岸装置及生态护岸方法
CN108184558A (zh) 一种适用于山区性河流的沉水植物固着种植方法
US20230203771A1 (en) Lake restoration systems and processes
JPH11323882A (ja) ポーラスコンクリート部体
KR100204451B1 (ko) 자연 하천용 식생호안 부재의 시공방법
JPH11229343A (ja) 多自然型鋼矢板護岸
CN220079887U (zh) 沿海生态复合韧性堤岸结构
JP2001198593A (ja) 植生箱及び該植生箱を使用した水辺地の浄化方法
JPH1136262A (ja) 護岸際の植生方法
JP3297402B2 (ja) 低水護岸及び低水護岸の構築方法
CN109338988B (zh) 单侧翼墙式生态型丁坝
KR100479439B1 (ko) 하천 호안용 삼각 방틀 구조물 및 그 시공방법
JP2001226938A (ja) 護岸構造
JP2852879B2 (ja) 河川用覆土ブロックおよびコンクリート覆土ブロック護岸
KR200298530Y1 (ko) 어초블록
JPH09221733A (ja) 護岸コンクリートブロックおよび護岸工
CN120006661B (zh) 一种适用于强潮河口区域生态海堤结构及施工方法
JP2002088740A (ja) 水路用護岸
CN222349583U (zh) 一种用于渠道的复合型护坡结构
CN113550265B (zh) 一种插柳生态石笼护岸施工方法
JP3081169B2 (ja) 水生生物用の人工水路
CN216040764U (zh) 一种河道污水箱涵及直立挡墙的生态化改造结构
JP3566501B2 (ja) 凝灰岩を骨材とするポーラスブロック
RU2190059C2 (ru) Способ улучшения экологической ситуации на водохранилищах

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031111