JPH11229363A - 油回収装置および油回収方法 - Google Patents

油回収装置および油回収方法

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JPH11229363A
JPH11229363A JP10035119A JP3511998A JPH11229363A JP H11229363 A JPH11229363 A JP H11229363A JP 10035119 A JP10035119 A JP 10035119A JP 3511998 A JP3511998 A JP 3511998A JP H11229363 A JPH11229363 A JP H11229363A
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oil
opening
oil recovery
waveguide
wave
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Kesayoshi Hatano
袈裟義 羽田野
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TOKYO CONSTRUCTION CONSULTANTS CO Ltd
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    • Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A20/204—Keeping clear the surface of open water from oil spills

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  • Cleaning Or Clearing Of The Surface Of Open Water (AREA)
  • Removal Of Floating Material (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人的労力を軽減でき、構造が単純であり、製
造コストも安く、更に自発的な動力を必要とせず、その
上、効率よく浮遊油を回収することができるようにす
る。 【解決手段】 鉛直壁13bによって形成された導波路
の幅が、開口13aに進むにつれて次第に狭くなると共
に、導波部13の表面が水面に対して傾斜するように構
成されている。このため、導波部13において波が進行
するにつれて波の水深が浅くなり、開口13a付近にお
ける波の波高が大きくなるので、開口13aから浮遊油
が収容部12に流入し易くなる。このようにして、油回
収装置10に到達した浮遊油を含む波が鉛直壁13bに
よって開口13aに良好に導かれると共に、波が開口1
3aに近づくにしたがって波高が高められ、波に含まれ
る浮遊油が効率よく開口13aの縁まで遡上して確実に
開口13aから収容部12の内部に流入して収容され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、事故や災
害によって海や湖沼等に流出した油を回収する油回収装
置および油回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、重油等の油を積載したタンカー等
が衝突あるいは座礁し、油が多量に海に流出する事故が
多発しており、この流出した油が浮遊して自然環境が破
壊されている。特に、海流付近での事故や荒天時の事故
では、海に流出して海水面上に浮遊した油(以下、「浮
遊油」ともいう。)が海流や荒波によって拡散されるた
め、広い海域に亘って自然環境が破壊されることにな
る。自然環境が一旦破壊されると、元の状態に戻るのに
多大な時間を要するので、自然環境の破壊を最小限にく
い止めるために、事故発生後、出来るだけ早く浮遊油を
回収して、浮遊油が広い海域に拡散しないようにする必
要がある。
【0003】上記のような事情により、従来から浮遊油
を回収するための方法および装置が幾つか考案されてい
る。例えば、従来の油回収方法としては、事故現場の周
囲にオイルフェンスを巡らせて、浮遊油の拡散を防止す
ると共に、このオイルフェンスで囲まれた海域に油回収
のための船を出して、柄杓等によって浮遊油をすくい上
げたり、吸着マットに浮遊油を吸着させたりするという
人手による回収方法がある。また、人手によらず、ポン
プを利用した特殊な油回収装置を持つ油回収船によって
浮遊油を吸い上げて回収するという方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
柄杓等で浮遊油をすくい上げたり、吸着マットに浮遊油
を吸着させるといった回収方法では、回収を人手によっ
て行うため、回収効率が悪いといった問題があった。ま
た、このような方法では、作業員の体に油が付着した
り、作業員が油の臭いで気分を悪くするなど、作業員の
健康が損なわれるといった問題もあった。
【0005】また、従来の特殊な油回収装置を利用した
方法では、上記の人手による回収方法により生ずる問題
は幾分解消されるものの、油回収装置の動力として大量
のエネルギを消費する上、荒天などで波が高い場合に
は、浮遊油の回収効率が悪いといった問題があった。更
に、従来の油回収装置は、構造が複雑であるため、設計
および製造が複雑な工程を要し、製造コストが高いとい
った問題もあった。
【0006】以上のように、従来の浮遊油の回収方法に
おいては、多くの人的労力を費やしたり、構造が複雑で
製造コストの高い特殊な油回収装置を使用したりする割
には、浮遊油の回収効率が悪いといった問題があった。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、人的労力を軽減でき、構造が単純で
あり、製造コストも安く、更に自発的な動力を必要とせ
ず、その上、効率よく浮遊油を回収することができる油
回収装置およびこの油回収装置を利用した効率のよい浮
遊油の回収を行うことができる油回収方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の油回収装
置は、水面上の浮遊油を収容する収容部と、この収容部
の上部に一体的に設けられ、収容部の内部に浮遊油を流
入させるための開口と、この開口に浮遊油を波の運動を
利用して導く複数の鉛直壁とを有した導波部とを備えた
ものである。
【0009】この油回収装置では、浮遊油は、導波部に
よって増幅される波の運動の利用により開口に導かれた
のち、更に開口の縁を越えて収容部の内部に流入して収
容される。
【0010】請求項2記載の油回収装置は、請求項1記
載の油回収装置において、更に、収容部の底面に設けら
れ、収容部に収容された不必要な水を排出させるための
小孔と、収容部の底面に設けられ、外部から小孔を介し
て収容部内に不必要に水が逆流入してくることを防止す
るための逆流防止弁とを備えたものである。
【0011】この油回収装置では、収容部の底面に設け
られた小孔から収容部に収容された不必要な水が排出さ
れる。また、逆流防止弁によって、外部から小孔を介し
て収容部内に不必要に水が逆流入してくることが防止さ
れる。
【0012】請求項3記載の油回収装置は、請求項1ま
たは2記載の油回収装置において、収容部が円筒状また
は正多角柱状、導波部が円錐台状または正角錐台状にそ
れぞれ形成され、複数の鉛直壁の隣り合う2つの鉛直壁
の間隔が開口に向かって次第に狭くなるように、導波部
の表面上に放射状に形成されたものである。
【0013】この油回収装置では、任意の方向から進ん
でくる浮遊油を含む波が鉛直壁によって開口に導かれる
と共に、波が開口に近づくにしたがって波高が高めら
れ、波に含まれる浮遊油が効率よく開口まで遡上して確
実に開口から収容部の内部に流入して収容される。
【0014】請求項4記載の油回収装置は、請求項1な
いし3のいずれか1に記載の油回収装置において、収容
部内に、複数の小孔を有する多孔板を配置したものであ
る。
【0015】この油回収装置では、収容部内に配置され
た複数の小孔を有する多孔板によって、収容部内に収容
された水と油との分離が促進されると共に、収容部内に
収容された流体の鉛直方向の運動が抑制される。
【0016】請求項5記載の油回収装置は、請求項1な
いし4のいずれか1に記載の油回収装置において、更
に、導波部の開口が水中に沈められることを防止するた
めの浮力部材を備えるように構成したものである。
【0017】この油回収装置では、浮力部材によって、
導波部の開口に向かうに従い浮力が増加され、開口が水
中に沈められることが防止される。
【0018】請求項6記載の油回収装置は、請求項1な
いし5のいずれか1に記載の油回収装置において、導波
部の開口が円形または正多角形の開口で形成され、この
開口の外寸と導波部の外寸とが1対5の比率で形成され
たものである。
【0019】この油回収装置では、開口の外寸を導波部
の外寸の5分の1に抑えているため、収容部および導波
部が浮遊油を含む波の運動によって所定の角度だけ傾け
られても、開口の縁の高さの場所的な偏差が抑えられ
る。また、開口の外寸と導波部の外寸とが1対5の比率
で形成されていること、および開口が平均水面よりも少
し高いことにより、波に含まれる浮遊油が効率よく回収
されると共に、回収した油が開口から流出することが抑
えられる。
【0020】請求項7記載の油回収方法は、水面上の浮
遊油を排出可能な連結部により連結された2つのオイル
フェンスを、水面上の浮遊油を包囲するように配置し、
水面上の浮遊油を収容する収容部と、この収容部の上部
に一体的に設けられ、収容部の内部に浮遊油を流入させ
るための開口とこの開口に浮遊油を波の運動を利用して
導く複数の鉛直壁とを有した導波部とを備えた油回収装
置を、オイルフェンスの下流側の水面上に複数配置し、
2つのオイルフェンスにより、2つのオイルフェンスの
連結部にまで水面上の浮遊油を導くと共に、この導かれ
た浮遊油を連結部から排出させ、この連結部から排出さ
れた浮遊油をオイルフェンスの下流側に複数配置された
油回収装置により回収するようにしたものである。
【0021】この油回収方法では、浮遊油が2つのオイ
ルフェンスにより包囲され、この包囲されたオイルフェ
ンス内の浮遊油が、2つのオイルフェンスの連結部にま
で導かれる。また、この導かれた浮遊油が連結部から排
出され、この連結部から排出された浮遊油がオイルフェ
ンスの下流側に複数配置された油回収装置により回収さ
れる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0023】[第1の実施の形態]まず、本発明の第1
の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1
の実施の形態に係る油回収装置の概略を、収容部を円筒
状、導波部を円錐台状とした場合について示す外観図で
ある。また、図2は、本実施の形態に係る油回収装置の
構成を示す平面図である。更に、図3は、本実施の形態
に係る油回収装置による油回収時の様子を示す断面図で
ある。なお、図では、収容部12の外寸と、導波部13
の外寸とをほぼ等しくしているが、収容部12の外寸を
導波部13の外寸よりも小さくしてもよい。なお、以下
の説明において、「水」とは、油回収装置が浮かべられ
る水面を構成する基本的な流体のことであり、例えば、
油回収装置を海面に浮かべて使用する場合には、海水の
ことを意味する。
【0024】油回収装置10は、浮遊油の回収時には海
等の水面に浮かべられて使用されるものであり、図1に
示したように、浮遊油を収容するための収容部12と、
この収容部12の上部に一体的に設けられた導波部13
とを備えている。収容部12は、円筒形状に形成され、
円筒底面12aと円筒側面12bとからなるものであ
る。導波部13は、円錐台形状に形成され、表面が水面
に対して傾斜しており、また、その上部中央には、浮遊
油を収容部12の内部に流入させるための開口13aが
例えば円形状に形成されている。また、導波部13の傾
斜した表面上には、開口13aに浮遊油を導くための複
数の鉛直壁13bが設けられている。この油回収装置1
0は、開口13aが水面の喫水線21よりも高い位置で
鉛直上向きになるように水面に対して常にほぼ一定の高
さで浮かべられるようになっている。より具体的には、
浮遊油の回収前においては、収容部12内に水が満たさ
れて浮かべられ、浮遊油の回収時においては、回収した
浮遊油の体積に応じた水を外部に排出させることで、浮
遊油の回収前後において、水面に対して常にほぼ一定の
高さで浮かべられるようになっている。
【0025】油回収装置10は、基本的な構造部分が、
例えば、厚さ1cm程度のファブリック・レインフォー
スト・プラスチック(FRP)により構成されている。
また、油回収装置10は、FRP等の基本的な構造部分
に、図示しない浮力部材が固定されて構成されている。
この浮力部材は、水中に沈められた場合に、開口13a
に向かうに従い油回収装置10の水中における浮力を増
加させるためのものであり、例えば、発砲スチロールに
ウレタン樹脂を塗布した厚さ10cm程度の部材で構成
されるようになっている。また、この浮力部材は、導波
部13の内壁部分や、導波部13の表面の鉛直壁13b
に固定されている。このように、導波部13に浮力部材
を設けることで、開口13aに向かうに従い油回収装置
10の浮力が急増するので、油回収装置10が必要以上
に水中に沈むことを防止でき、開口13aが水中に沈む
ことを防止できる。なお、油回収装置10が必要以上に
水中に沈むような事態は、例えば、水面上に大きな波が
発生すると共に、この波の運動が下降から上昇に転じる
ときに、油回収装置10が下降するような慣性力が働い
た場合に起こり得る。
【0026】収容部12の内径は、内部に収容した浮遊
油の上下動を抑えると共に、装置の安定を保つようにあ
る程度大きく形成されていることが望ましく、例えば、
3〜4m程度の内径で形成されている。
【0027】収容部12の円筒底面12aには、図3に
示したように、収容部12に収容された不必要な水を排
出させるための複数の小孔31と、この小孔31に対応
して設けられ、外部から小孔31を介して収容部12内
に不必要に水が逆流入してくることを防止するための逆
流防止弁32とが設けられている。
【0028】小孔31は、浮遊油の回収時において、収
容された浮遊油に対応する量の流入水33を装置外部に
排出させるためのものである。なお、油は水よりも比重
が軽いので、収容部12内において、回収油34は上部
に溜まり、流入水33のみが小孔31から外部に効率よ
く排出される。これにより、浮遊油の回収前後におい
て、収容部12内の液面の高さがほぼ一定に保たれ、例
えば、油回収装置10が、油回収装置10が浮かべられ
た位置を中心として、導波部13の外径の5〜10倍程
度の水域における平均水面高さに対して常にほぼ一定の
高さで浮かべられるようになっている。
【0029】図4ないし図6は、逆流防止弁32の構造
を説明するための図である。なお、図4および図5は、
逆流防止弁32の全体構造を示す断面図であり、また、
図6は、逆流防止弁32における弁体52の構造を示す
平面図である。逆流防止弁32は、図4および図5に示
したように、円筒底面12aの小孔31の近辺から収容
部12の内部方向に立設した枠体51と、この枠体51
に取り付けられた弁体52とを備えて構成されている。
枠体51は、例えば、円筒状に立設形成されており、そ
の材料としてはFRP等が適用されるものである。枠体
51の上部中央部には、不必要な水を排出させるための
開口51aが、例えば円形に設けられている。弁体52
は、枠体51に設けられた開口51aを開閉可能とする
ように、枠体51の上部の内壁面に取り付けられてい
る。
【0030】弁体52は、図6に示したように、ゴム板
等を加工して形成された本体53と、この本体53の上
面に取り付けられた浮力部材54と、本体53の剛性を
補うために本体53の下面に取り付けられた補剛部材5
5とを有している。本体53は、枠体51の上部の開口
51aの形状に応じた形状となっており、少なくとも開
口51aを閉じることが可能な大きさを有しているもの
である。また、本体53の一部分は、枠体51の上部の
内壁面において接着剤等により固定される固定部53a
となっている。補剛部材55は、例えば、FRPにより
構成されている。
【0031】浮力部材54は、弁体52の全体の比重
が、外部の水よりも小さい値となるようにするためのも
のである。なお、弁体52の全体の比重が、外部の水よ
りも小さい値となるようにすることにより、油回収装置
10が平衡状態にある場合においては、弁体52が図4
に示したように開口51aを閉状態にするように作用す
る。また、浮遊油が回収されることにより、収容部12
内の流体の重量が増加している状態にある場合において
は、弁体52が図5に示したように開口51aを開状態
にするように作用する。この場合には、導波部13の開
口13aから回収した浮遊油の体積に応じた水が、円筒
底面12aに設けられた小孔31を介して外部に排出さ
れる。また、外部から収容部12内に不必要に水が逆流
入し易い状態にある場合においては、弁体52が図4に
示したように開口51aを閉状態にするように作用す
る。なお、水が逆流入し易い状態とは、例えば、水面上
に大きな波が発生すると共に、この波の運動が下降から
上昇に転じるときに、油回収装置10が下降するような
慣性力が働いている状態にある場合である。このような
場合には、油回収装置10の底面位置にある外部の水の
鉛直上向きの速度と、油回収装置10の鉛直下向きの速
度とに相対的な速度差が生じ、これにより、外部の水が
逆流入し易くなる。逆流防止弁32は、このような状態
において、開口51aを閉状態にするように作用するの
で、外部から収容部12内に不必要に水が逆流入するこ
とを防止できる。これにより、例えば、円筒底面12a
の小孔31から収容部12内に水が逆流入して収容部1
2内の液面が上昇し、導波部13の開口13aから回収
済みの回収油34が流出するという事態を防止すること
ができる。
【0032】収容部12の内部には、図3に示したよう
に、2つの多孔板36a,36bが水平に固定配置され
ている。この多孔板36a,36bは、例えば、収容部
12を鉛直方向に3等分するような位置に配置されるよ
うになっている。なお、収容部12内に配置される多孔
板36a,36bは、2つに限定されるものではなく、
1つまたは3つ以上であってもよい。
【0033】図7は、多孔板36a,36bの構造を示
す平面図である。多孔板36a,36bは、例えば、F
RPにより構成され、図7に示したように、例えば、直
径が30cm程度の複数の小孔37が設けられて構成さ
れている。複数の小孔37は、十字状に小孔列37a,
37bを成すように配置されていると共に、この小孔列
37a,37bの間に4つの小孔37がほぼ等間隔に配
置されて構成されている。2つの多孔板36a,36b
は、収容部12内において鉛直方向から見て2つの多孔
板36a,36bの小孔37が重ならないように配置さ
れていることが望ましい。例えば、2つの多孔板36
a,36bの十字状の小孔列37a,37bが、鉛直方
向から見て約22.5度の角度を成すように配置されて
いることが望ましい。これにより、鉛直方向から見た2
つの多孔板36a,36bにおける複数の小孔37の配
置をほぼ一様とすることができる。なお、2つの多孔板
36a,36bにおいて、小孔37を設ける位置は、図
7に示したような配置に限らず、他の配置であってもよ
い。但し、複数の小孔37は、互いの間隔がほぼ等間隔
となるように設けられると共に、その配置位置に偏りが
生じないように、全体にほぼ一様に分布して設けられて
いることが望ましい。
【0034】多孔板36a,36bは、収容部12に収
容された水と油との分離を促進させるように作用する共
に、収容部12に収容された水と油の鉛直方向の運動を
抑制し、油回収装置10を安定して水面に浮かべること
ができるように作用するようになっている。また、多孔
板36a,36bは、収容部12内に収容された回収油
34が、小孔31から外部に流出することを防止できる
ようにもなっている。なお、回収油34が、小孔31か
ら外部に流出する主な原因としては、例えば、次のこと
が考えられる。まず、油が回収される場合には、油が開
口13aからほぼ鉛直下向きに収容部12内に落下する
ように流入するが、このとき、油と水の密度に差があま
りないため、油が落下時の慣性により収容部12の円筒
底面12aに到達して小孔31から外部に流出すること
が考えられる。また、油回収装置10が波によって揺れ
ることにより、既に収容されている油が円筒底面12a
に到達して小孔31から外部に流出することが考えられ
る。多孔板36a,36bは、収容部12に収容された
流体の鉛直方向の運動を抑制することができるので、以
上のような原因により回収油34が、小孔31から外部
に流出することを防止できる。
【0035】導波部13の開口13aの直径a(図2)
は、油回収装置10が多少傾いても、開口13aの高さ
に場所的な偏差が生じ難いように、ある程度小さい円形
で形成されていることが望ましく、例えば、1m程度の
直径の円形開口で形成される。また、開口13aの直径
aと導波部13の外寸bとは、1対5程度の比率で形成
されていることが望ましい。
【0036】鉛直壁13bは、例えば、導波部13に8
個の壁が立設して形成されている。この鉛直壁13bの
隣り合う2つのもの同士の間隔は、図2に示したよう
に、開口13aに向かって互いに狭くなるように、例え
ば45度に等分した角度βで放射状に形成されている。
これにより、隣り合う鉛直壁13b同士で開口13aに
向かうに従い幅の狭くなる8個の導波路13b1 〜13
b8 を放射状に形成している。この鉛直壁13bは、浮
遊油を含む波の運動を利用して収容部12に波に含まれ
る浮遊油を効率よく収容するためのものであり、後述の
原理により、図3に示したように、波が開口13aに近
づくにしたがって波高が高められ、波に含まれる浮遊油
が効率よく開口13aの縁まで遡上して確実に開口13
aから収容部12の内部に流入して収容されるようにな
っている。
【0037】次に、上記のように構成される油回収装置
10の作用を、導波部13による浮遊油の回収原理と共
に説明する。
【0038】まず、図2および図3を参照しつつ、波に
含まれる浮遊油が鉛直壁13bにより開口13aに導か
れる原理について説明する。一般に、水深に対して波長
が十分長い波のことを長波というが、油回収装置10に
到達した波は、導波部13において、この長波の性質を
持つといえる。これは、前述したように、油回収装置1
0の開口13aが水面の喫水線21(図1)の平均高さ
よりも高い位置になるように浮かぶことから分かるよう
に、導波部13における水深が、到達した波の波長に対
して浅いためである。
【0039】このように、油回収装置10に到達した波
が長波である場合には、導波部13における波の運動
は、グリーンの公式に従う。このグリーンの公式は、波
の進行路の幅と水深に対する波高の変化の関係を示した
公式であり、以下の式(1)で表されるものである。な
お、この式(1)において、Hは、進行路中の幅x,水
深yの位置における波高であり、H0 は、進行路中の幅
x0 ,水深y0 の位置における波高である。この式
(1)から、例えば、ある波が広い幅x0 ,深い水深y
0の進行路から、狭い幅x,浅い水深yの進行路に進む
と、波高Hが最初の波高H0に対して増加することが分
かる。
【0040】 H=H0 (x0 /x)1/2 (y0 /y)1/4 ……(1)
【0041】なお、式(1)は、一般的に波が変形しな
い部分で成立するものであり、波の変形する部分につい
て適用されるものではない。しかしながら、波の現象と
して、波の進行路幅が次第に狭くなると共に、波の進行
路の底面が傾斜して、水深が減少している場合には、波
は変形後もその進行と共に波高が増大することが知られ
ている。このため、波の進行路幅を次第に狭くして底面
を傾斜させた場合には、波は水深が浅い部分に到達する
と変形した後、斜面を遡上することが容易になる。この
ような水面波の性質は、表面に油が浮かんだ状態でもほ
ぼ同様である。
【0042】従って、本実施の形態による油回収装置1
0によれば、鉛直壁13bによって形成された導波路1
3b1 〜13b8 の作用により、開口13aに進むにつ
れて波の進行路の幅が狭くなると共に、導波部13の表
面が水面に対して傾斜しているので、水深も浅くなり、
波が開口13aに近づくにつれ波高が大きくなり、開口
13aから浮遊油が収容部12に流入し易くなる。この
ようにして、油回収装置10に到達した浮遊油を含む波
が鉛直壁13bによって開口13aに良好に導かれると
共に、波が開口13aに近づくにしたがって波高が高め
られ、図3に示したように、波に含まれる浮遊油が効率
よく開口13aの縁まで遡上して確実に開口13aから
収容部12の内部に流入して収容される。
【0043】また、本実施の形態に係る油回収装置10
によれば、収容部12が円筒形状に形成され、導波部1
3が円錐台形状に形成されているので、任意の方向から
進んでくる浮遊油を含む波が鉛直壁13bによって開口
13aに良好に導かれるようになっているが、次に、こ
の波の進行方向と導波路13b1 〜13b8 の各々によ
り導かれる浮遊油を含む水の量の関係について説明す
る。
【0044】まず、図2に示したように、波の進行方向
X1 と中心線O1の向きとが一致した導波路13b1 に
より導かれる浮遊油を含む水の流量について説明する。
この場合には、導波路13b1 において、隣り合う2つ
の鉛直壁13b間に波が直線的に進入する。このとき、
波の1周期の間に導波路13b1 に導かれて、開口13
aに流入する浮遊油を含む水の体積ΔQは、導波部13
の傾斜角α(図3)、隣り合う鉛直壁13b同士がなす
中心角β、開口13aの直径a、導波部13の外寸b、
平均水面から開口13aまでの高さh(図3)、導波路
13b1 の入口の幅L,導波路13b1 内に進入する波
の波高H、導波路13b1 内に進入する波の波長λを用
いて、以下の式(2)で表される。
【0045】 ΔQ=(Hλ・ L)×f(H/λ,h/H, α,b/a,a/(b-a)・ tan β/2,(b-a)/ λ・ cos β/2 ) ……(2)
【0046】なお、このとき、波の運動に関する諸般の
研究から、導波部13の傾斜角αが20〜30度、隣り
合う鉛直壁13b同士がなす中心角βが30〜50度、
平均水面から開口13aまでの高さhが波高Hに対して
0.5倍程度以下、開口13aの直径aと導波部13の
外寸bとの比a対bが1対5程度であると、効率よく開
口13aに浮遊油が流入すると考えられる。従って、例
えば、波高Hが0.75m以上の波がある水面に油回収
装置10を利用するとすれば、平均水面から開口13a
までの高さhを0.4m程度とし、開口13aの直径a
を1m程度、導波部13の外寸bを5m程度とすること
が望ましいと考えられる。
【0047】一方、例えば、導波路13b7 のように、
中心線O2の向きと、波の進行方向X2 とが一致せず、
中心線O2と波の進行方向X2 とが角θをなしている場
合には、上記導波路13b1 の場合と異なり、導波路1
3b7 に進入した波が向きを変えて導波路13b7 内を
進行することに伴う効率K(θ)を考慮する必要があ
る。また、この場合には、導波路13b7においては、
隣り合う2つの鉛直壁13b間の幅Lcosθの間に,
波が進入可能である。従って、波の1周期の間に導波路
13b7 に導かれて開口13aに流入する浮遊油を含む
水の体積ΔQは、以下の式(3)で表される。
【0048】 ΔQ=(Hλ・ L)×f(H/λ,h/H, α,b/a,a/(b-a)・ tan β/2,(b-a)/ λ・ cos β/2 ) ・ K(θ)cosθ……(3)
【0049】ここで、この第7番目の導波路13b7 に
ついての式(3)を、第j番目の導波路13bj につい
て拡張して考えると、第j番目の導波路13bj におい
ては、中心線O2と波の進行方向X2とが角θj をな
し、幅Lcos(θj )の間に,波が進入可能である。
従って、波の1周期の間に導波路13bj に導かれて開
口13aに流入する浮遊油を含む水の体積ΔQj は、以
下の式(4)で表される。
【0050】 ΔQ= (H λ・ L)×f(H/λ,h/H, α,b/a,a/(b-a)・ tan β/2,(b-a)/ λ・ cos β /2) ・ K(θj)cos θj ……(4)
【0051】但し、この式(4)において、効率K(θ
j )は、|θj |<π/2でのみ定義される正値の関数
であり、θj =0で1、θj =π/2でゼロとなる単調
変化の偶関数である。また、角度θj は、導波路13b
j の中心線と波の進行方向X2とのなす角であるが、|
θj |<90°の導波路13bj においてのみ、幅Lc
os(θj )の間に波が進入可能である。従って、波の
1周期の期間に全ての導波路13bj に導かれて開口1
3aに流入する浮遊油を含む水の全体積Qは、以下の式
(5)で表される。すなわち、本実施の形態に係る油回
収装置10によれば、任意の方向から進んでくる波の1
周期の間に、式(5)で表される体積Qの浮遊油を含む
水が鉛直壁13bによって、開口13aから収容部12
に流入して収容される。
【0052】 Q=Σ(Hλ・ L)×f(H/λ,h/H, α,b/a,a/(b-a)・ tan β/2,(b-a)/ λ・ cos β/2 ) ・ K(θj)cos θj ……(5)
【0053】以上のような原理により、導波部13によ
って浮遊油が効率よく回収される。次に、油回収装置1
0の全体の作用について説明する。
【0054】油回収装置10は、浮遊油の回収前におい
ては、収容部12内に水が満たされて浮かべられる。油
回収装置10が水面に浮かべられると、導波部13の作
用により、浮遊油が開口13aまで導かれる。開口13
aまで導かれた浮遊油は、収容部12内に収容される。
浮遊油が収容部12に収容されたときには、その収容さ
れた浮遊油に対応する量の流入水33が、底面の小孔3
1から装置外部に排出される。このとき、収容部12の
底部において、逆流防止弁32の弁体52は、図5に示
したように開口51aを開状態にするように作用してい
る。なお、浮遊油が収容される場合には、油は水よりも
比重が軽いので、収容部12内において、回収油34は
上部に、流入水33は下部に溜まることとなり、下部に
溜まった流入水33のみが小孔31から外部に効率よく
排出される。これにより、浮遊油を回収する場合におい
て、収容部12内の液面の高さがほぼ一定に保たれ、油
回収装置10がその外部の平均水面に対して常にほぼ一
定の高さで水面に浮かべられる。従って、浮遊油の回収
効率をほぼ一定に保つことができる。
【0055】なお、浮遊油が収容部12に収容されるに
つれて、流入水33と回収油34との境界面35が下方
に下がり、回収油34が小孔31から外部に流出し易く
なるが、内部に設けられた多孔板36a,36bの作用
により、収容部12内における流体の上下運動が抑制さ
れるので、この回収油34の流出が防止される。また、
外部から収容部12内に不必要に水が逆流入し易い状態
になった場合においては、逆流防止弁32の弁体52が
図4に示したように開口51aを閉状態にするように作
用し、収容部12内に不必要に水が逆流入することを防
止する。
【0056】以上説明したように、本実施の形態におけ
る油回収装置10によれば、構造が単純であり、そのた
め製造が容易であり、製造コストを安くすることができ
る。また、油回収装置10は、浮遊油を含む波の運動を
利用して浮遊油を効率よく収容するようになっているこ
とから分かるように、波の運動を動力源としているた
め、従来のポンプ等を利用した装置のように自発的な動
力を必要とせず、電力等の動力源の補給の必要がない。
【0057】また、本実施の形態における油回収装置1
0によれば、波の運動を動力源とするため、波が高いほ
ど回収効率がよくなり、従来の装置のように荒天などで
波が高くなることに起因して回収効率が悪くなることが
ない。また、実際の油回収時には、海等の水面上に油回
収装置10を浮かべるだけで油回収を行わせることがで
きるため、人的労力を軽減できる。
【0058】更に、収容部12の底面に、収容部12に
収容された浮遊油に対応する量の流入水33を装置外部
に排出させるための小孔31を設けたので、浮遊油の回
収前後において、収容部12内の液面の高さをほぼ一定
に保つことができ、油回収装置10がその外部の平均水
面に対して常にほぼ一定の高さで浮かべられるので、浮
遊油の回収効率をほぼ一定に保つことができる。
【0059】また、収容部12の円筒底面12aに逆流
防止弁32を設けるようにしたので、小孔31を介して
外部から収容部12内に不必要に水が逆流入することを
防止することができる。また、逆流防止弁32を、収容
部12の内部方向に設けるようにしたので、装置全体の
バランスが優れた構成となっている。
【0060】以上のように、本実施の形態における油回
収装置10によれば、人的労力を軽減でき、構造が単純
であり、製造コストも安く、更に自発的な動力を必要と
せず、その上、効率よく浮遊油を回収することができ
る。
【0061】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態
では、油回収装置10の単独の構成、作用および効果に
ついて説明したが、本実施の形態では、上記第1の実施
の形態で説明した油回収装置10を複数利用して浮遊油
を回収する油回収方法について説明する。
【0062】図8および図9は、本実施の形態における
油回収方法の一例を説明するための図であり、油回収装
置10の配置を示したものである。この図に示したよう
に、本実施の形態における油回収方法は、浮遊油の流出
源44の下流側の領域に、一端がロープ46で互いに連
結された2つのオイルフェンス41a,41bを配置す
ると共に、このオイルフェンス41a,41bの下流側
に複数の油回収装置10を配置して浮遊油を回収するよ
うにしたものである。
【0063】このとき、複数の油回収装置10は、ロー
プ42で連結して例えば全体が正方形状に配置されるよ
うにする。そして、この正方形状に配置された複数の油
回収装置10のうち、例えば、対角線上の4つの油回収
装置10a〜10dを、更に、ロープ42で船舶40a
〜40dに連結し、この連結した船舶40a〜40dに
よって、複数の油回収装置10の位置制御を行う(図
8)。また、対角線上の4つの油回収装置10a〜10
dを船舶40a〜40dで連結する代わりに、錨43a
〜43dで連結して、その錨43a〜43dを水中に投
錨して固定するようにしてもよい(図9)。
【0064】なお、ロープ42で油回収装置10を連結
する場合には、例えば油回収装置10の水面下の円筒側
面12bの部分にロープ42を連結する。このように連
結することで、オイルフェンス41とロープ42とが互
いに重なって干渉し合うことがないので、良好に両者の
併用が可能となる。
【0065】一方、オイルフェンス41a,41bも、
その他端をロープ47で船舶45a,45bに連結し、
この連結した船舶45a,45bによって、オイルフェ
ンス41a,41bの位置制御を行う。このとき、オイ
ルフェンス41a,41bは、浮遊油を包囲し、且つ、
包囲した浮遊油が、互いの一端を連結したロープ46に
まで導かれるようにして配置するが、その包囲位置は、
潮流や風向きに応じて調整を行うことが望ましい。例え
ば、潮流の向きがあまり変化しないようであれば、潮流
の下流で浮遊油を受け止めるような位置に、オイルフェ
ンス41a,41bを配置する。また、状況に応じてオ
イルフェンス41a,41bの外側に同様のオイルフェ
ンスを2重、3重に配置するようにしてもよい。
【0066】オイルフェンス41a,41bの一端を互
いに連結したロープ46は、オイルフェンス41a,4
1bによって包囲され、オイルフェンス41a,41b
の一端まで導かれた浮遊油を外部に排出させることがで
きるようにするためのものである。このオイルフェンス
41a,41bの連結部となるロープ46は、浮遊油を
効率的に外部に排出させることができるように、必要に
応じてその長さを変えることができるようになってい
る。なお、ロープ46の適正な長さは、例えば、船舶4
5a,45bによってオイルフェンス41a,41bの
位置制御をしたその制御位置の間隔、オイルフェンス4
1a,41bの長さ、水の流れの速さ、および波の高さ
等によって決定することができる。
【0067】上記のような油回収方法は、例えば、海上
でタンカー等が油流出事故を起こした場合に利用するこ
とができる。この場合には、まず、事故現場の周囲の海
域において、事故に起因する浮遊油の流出源44の外側
をオイルフェンス41a,41bで包囲すると共に、オ
イルフェンス41a,41bの下流側に油回収装置10
を油の流出量に応じて必要と思われる数だけ複数投入す
る。このとき、事故が海流の生じている場所で発生した
場合には、オイルフェンス41a,41bおよび油回収
装置10を事故現場の下流に重点的に設置する。また、
このとき、オイルフェンス41a,41bを、2重、3
重に包囲するとより効果的に浮遊油の拡散を防ぐことが
できる。また、このようにして複数の油回収装置10に
より、オイルフェンス41a,41bによって導かれた
浮遊油をある程度回収し、海面上の浮遊油の層が薄くな
ってきた場合には、徐々にオイルフェンス41a,41
bの包囲面積を狭めたり、オイルフェンス41a,41
bを連結するロープ46を短くしたりすることで、浮遊
油の層を厚くし、回収効率を良好に維持することができ
る。このように、本実施の形態における油回収方法を利
用して、油流出事故に対応した効率的な浮遊油の回収が
可能となる。
【0068】なお、波が弱いときには、従来式の油回収
装置と併用すると共に、油回収装置10a〜10dを連
結した船舶40a〜40dにより、短時間の間、脈動的
にロープ42に張力を与えることで、ロープ42に連結
された複数の油回収装置10を揺動させるとよい。これ
により、新たな水面波を連鎖的に生じさせ、回収効率を
向上することができる。
【0069】以上説明したように、本実施の形態に係る
油回収方法によれば、浮遊油を2つのオイルフェンス4
1a,41bにより包囲し、この包囲されたオイルフェ
ンス41a,41b内の浮遊油を、2つのオイルフェン
ス41a,41bの連結部となるロープ46にまで導い
て排出させ、この排出された浮遊油をオイルフェンス4
1a,41bの下流側に複数配置された油回収装置10
により回収するようにしたので、浮遊油の拡散を防止し
て、油回収装置10を利用した効率のよい浮遊油の回収
を行うことができる。なお、本実施の形態における油回
収装置10の構成、作用および効果は、上記第1の実施
の形態と同様である。
【0070】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例
えば、上記各実施の形態では、導波部13において、鉛
直壁13bを8個設けて、8個の導波路13b1 〜13
b8 を形成した例について説明したが、鉛直壁13bを
8個よりも多いまたは少ない個数配置して、8個よりも
多いまたは少ない数の導波路を形成するようにしてもよ
い。
【0071】また、上記各実施の形態では、収容部12
を円筒形状に形成したが、この収容部12の形状は、他
の形状であってもよい。例えば、収容部12を円筒形状
に近い正多角形状にして形成してもよい。同様に、収容
部12の上部に一体化された導波部13の形状も円錐台
形状に限定されず、他の形状であってもよい。また、導
波部13の開口13aも、円形に限らず、例えば正多角
形であってもよい。
【0072】更に、上記第2の実施の形態では、オイル
フェンス41a,41bの下流側に油回収装置10を複
数配置して浮遊油を回収するようにしたが、図10およ
び図11に示したように、油回収装置10を浮遊油の流
出源44の下流側の領域に複数配置すると共に、この複
数配置された油回収装置10を浮遊油と共に単独のオイ
ルフェンス41で包囲し、このオイルフェンス41で包
囲した領域内において浮遊油を回収するようにしてもよ
い。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし6
のいずれか1に記載の油回収装置によれば、導波部が波
の運動を利用して波に含まれる浮遊油を開口に導き、こ
の導かれた浮遊油を開口から収容部の内部に流入させて
収容するようにしたので、実際の油回収時には、海等の
水面上に装置を浮かべるだけで油回収を行うことが可能
であり、人的労力を軽減でき、構造が単純であり、製造
コストも安く、更に自発的な動力を必要とせず、その
上、効率よく浮遊油を回収することができるという効果
を奏する。
【0074】特に、請求項2記載の油回収装置によれ
ば、収容部の底面に、収容部に収容された不必要な水を
排出させるための小孔と、外部から小孔を介して収容部
内に不必要に水が逆流入してくることを防止するための
逆流防止弁とを設けて構成するようにしたので、収容部
に収容された不必要な水を収容部の底面の小孔から排出
することができると共に、逆流防止弁によって、外部か
ら小孔を介して収容部内に不必要に水が逆流入してくる
ことを防止することができるという効果を奏する。
【0075】特に、請求項3記載の油回収装置によれ
ば、複数の鉛直壁の隣り合う2つの鉛直壁を開口に向か
って次第に間隔が狭くなるように、導波部の表面上に放
射状に形成するようにしたので、任意の方向から進んで
くる波に含まれる浮遊油を鉛直壁によって開口に導き、
波が開口に近づくにしたがって波高を高めて効率よく開
口まで油を含む水を遡上させ、確実に開口から収容部に
収容することができるという効果を奏する。
【0076】特に、請求項4記載の油回収装置によれ
ば、収容部内に複数の小孔を有する多孔板を配置するよ
うにしたので、収容部内に収容された水と油との分離が
促進することができると共に、収容部内に収容された流
体の鉛直方向の運動を抑制することができ、効率よく浮
遊油を回収することができるという効果を奏する。
【0077】特に、請求項5記載の油回収装置によれ
ば、導波部の開口が水中に沈められることを防止するた
めの浮力部材を備えるように構成したので、導波部の開
口に向かうに従い浮力が増加し、開口が水中に沈められ
ることが防止され、効率よく浮遊油を回収することがで
きるという効果を奏する。
【0078】特に、請求項6記載の油回収装置によれ
ば、導波部の開口を円形開口で形成するようにし、この
円形開口の外寸と導波部の外寸とを1対5の比率で形成
するようにしたので、収容部および導波部が浮遊油を含
む波の運動によって所定の角度だけ傾けられても、開口
の縁の高さの場所的な偏差を抑えることができると共
に、波に含まれる浮遊油をより効率よく回収することが
できると共に、回収した油が開口から流出することを抑
えることができるという効果を奏する。
【0079】また、請求項7記載の油回収方法によれ
ば、浮遊油を2つのオイルフェンスにより包囲し、この
包囲されたオイルフェンス内の浮遊油を、2つのオイル
フェンスの連結部にまで導いて連結部から排出させ、こ
の連結部から排出された浮遊油をオイルフェンスの下流
側に複数配置された油回収装置により回収するようにし
たので、浮遊油の拡散を防止して、浮遊油を油回収装置
まで導くことができ、効率のよい浮遊油の回収を行うこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る油回収装置の
構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した油回収装置の構成を示す平面図で
ある。
【図3】図1に示した油回収装置による油回収時の様子
を示す断面図である。
【図4】図1に示した油回収装置の底面に設けられる逆
流防止弁の構造を示す断面図である。
【図5】図4に示した逆流防止弁が開状態になっている
場合の構造を示す断面図である。
【図6】図4に示した逆流防止弁における弁体の構造を
示す平面図である。
【図7】図1に示した油回収装置の収容部内に配置され
る多孔板の構造を示す平面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る油回収方法の
一例を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る油回収方法の
他の例を示す説明図である。
【図10】図8に示した油回収方法の変形例を示す説明
図である。
【図11】図9に示した油回収方法の変形例を示す説明
図である。
【符号の説明】 10…油回収装置、12…収容部、12a…円筒底面、
12b…円筒側面、13…導波部、13a…開口、13
b…鉛直壁、13b1 〜13b8 …導波路、31…小
孔、32…逆流防止弁、36a,36b…多孔板、4
1,41a,41b…オイルフェンス、52…弁体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水面上の浮遊油を収容する収容部と、 この収容部の上部に一体的に設けられ、前記収容部の内
    部に前記浮遊油を流入させるための開口と、この開口に
    前記浮遊油を波の運動を利用して導く複数の鉛直壁とを
    有した導波部とを備えたことを特徴とする油回収装置。
  2. 【請求項2】 更に、前記収容部の底面に設けられ、前
    記収容部に収容された不必要な水を排出させるための小
    孔と、 前記収容部の底面に設けられ、外部から前記小孔を介し
    て前記収容部内に不必要に水が逆流入してくることを防
    止するための逆流防止弁とを備えたことを特徴とする請
    求項1記載の油回収装置。
  3. 【請求項3】 前記収容部が円筒状または正多角柱状、
    前記導波部が円錐台状または正角錐台状にそれぞれ形成
    され、前記複数の鉛直壁の隣り合う2つの鉛直壁の間隔
    が前記開口に向かって次第に狭くなるように、前記導波
    部の表面上に放射状に形成されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の油回収装置。
  4. 【請求項4】 前記収容部内に、複数の小孔を有する多
    孔板を配置したことを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか1に記載の油回収装置。
  5. 【請求項5】 更に、前記導波部の開口が水中に沈めら
    れることを防止するための浮力部材を備えたことを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の油回収装
    置。
  6. 【請求項6】 前記導波部の開口が円形または正多角形
    の開口で形成され、この開口の外寸と前記導波部の外寸
    とが1対5の比率で形成されていることを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれか1に記載の油回収装置。
  7. 【請求項7】 水面上の浮遊油を排出可能な連結部によ
    り連結された2つのオイルフェンスを、水面上の浮遊油
    を包囲するように配置し、 水面上の浮遊油を収容する収容部と、この収容部の上部
    に一体的に設けられ、前記収容部の内部に前記浮遊油を
    流入させるための開口とこの開口に前記浮遊油を波の運
    動を利用して導く複数の鉛直壁とを有した導波部とを備
    えた油回収装置を、前記オイルフェンスの下流側の水面
    上に複数配置し、 前記2つのオイルフェンスにより、前記2つのオイルフ
    ェンスの連結部にまで水面上の浮遊油を導くと共に、こ
    の導かれた浮遊油を前記連結部から排出させ、この連結
    部から排出された浮遊油を前記オイルフェンスの下流側
    に複数配置された油回収装置により回収することを特徴
    とする油回収方法。
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