JPH11229508A - 鉄鋼構造用仕口部材 - Google Patents

鉄鋼構造用仕口部材

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JPH11229508A
JPH11229508A JP4864798A JP4864798A JPH11229508A JP H11229508 A JPH11229508 A JP H11229508A JP 4864798 A JP4864798 A JP 4864798A JP 4864798 A JP4864798 A JP 4864798A JP H11229508 A JPH11229508 A JP H11229508A
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column
liquid phase
connection member
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JP4864798A
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English (en)
Inventor
Yoichi Matsubara
洋一 松原
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管状の柱材22の両端にダイアフラム23、
24を接合した構成の仕口部材21の品質向上を図る。 【解決手段】 板材27を管状に成形し、両端を突き合
わせると共にその間にインサート材を介在させ、その接
合部分をインサート材の融点以上に昇温させて液相拡散
接合部28を形成し、全周がつながった管状の柱材22
を形成する。この柱材22は、接合部28の組織が均一
となって接合の界面が実質上無くなっており、接合部の
物性が母材の物性にほぼ等しく且つ品質が安定する。か
くして、この柱材を用いることで仕口部材の品質向上を
図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼構造の建築物
等において柱材と梁材の接続部分に用いる仕口部材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄鋼構造の建築物に用いる仕
口部材として、図8に示すように、鋼製の短尺の柱材2
の両端に鋼製の平板状のダイアフラム3、4を溶接接合
した構造の仕口部材1が知られている。この構造の仕口
部材1は、下階の柱材6の上端に下側のダイアフラム3
の下面を突き合わせて溶接接合し、上側のダイアフラム
4の上面に上階の柱材7の下端を突き合わせて溶接接合
し、また、上下のダイアフラム3、4の端部にH形鋼等
の梁材8を溶接或いはボルト付けする形で用いられてお
り、この仕口部材1の使用により現地での鉄鋼構造体の
組み立て作業の合理化が図られている。
【0003】通常、柱材2は角形管状のものであり、そ
の柱材2としては、図9(a)に示すように、1枚の板
材11を冷間或いは熱間で管状に成形して両端面11a
を突き合わせ、その突き合わせた端面11aを溶接接合
して一体化した1シーム型のもの、図9(b)に示すよ
うに、2枚の板材12、12をそれぞれ冷間或いは熱間
で半管状(略コ字状)に成形し、それぞれの両端面12
a、12aを突き合わせ、その突き合わせた端面12a
を溶接接合して一体化した2シーム型のもの、図9
(c)に示すように、一対の板材13、13の両端近傍
の表面13aに、一対の板材14、14の端面14aを
突き合わせ、その突き合わせた表面13aと端面14a
を溶接接合して一体化した4シーム型のものが使用され
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶接接
合部は母材の融点を越える高温に加熱されるため、熱影
響を大きく受け、溶接接合部の組織が母材とは差異が生
じ、引張強度、硬度、伸び等の機械的物性も母材とは差
異が生じる。このため、柱材の周方向に組織や物性の異
なる領域が存在することとなる。近年、鉄鋼構造の品質
均一化、高品質化等がますます要求されてきており、仕
口部材にも品質の均一化、高品質化等が要求されている
が、前記したように、従来の仕口部材では柱材に周方向
に組織や物性の異なる領域が存在し、これが、品質の均
一化、高品質化の観点から好ましくないケースが生じ
る。
【0005】溶接接合部の物性を母材に近付けるには、
その溶接接合部に或いは柱材全体に熱処理を施すことが
考えられる。しかしながら、熱処理を施すことは工程増
加につながり、コストアップの原因となる。しかも、熱
処理を行っても、溶接接合部の組織、物性を全面的に母
材に等しくすることはできない。柱材の物性を均一にす
るには、柱材としてシームレスの管体を用いればよい
が、シームレスの管体は高価であり、仕口部材が高価に
なってしまうという問題を生じる。
【0006】本発明はかかる問題に鑑みてなされたもの
で、周方向の1箇所若しくは複数箇所に接合部を備えた
管状の柱材として、その接合部の組織や物性が母材にき
わめて等しくなっており、しかも比較的安価に製造しう
る管状の柱材を用いた仕口部材を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、板材を接合し
て管状の柱材を製造するに際し、溶接接合による問題点
を解決するため、溶接接合に代えて液相拡散接合を用い
たものである。すなわち、本発明の仕口部材は、それに
用いる柱材が液相拡散接合部をもって管状に形成されて
いることを特徴とするものである。
【0008】ここで、液相拡散接合部は、接合すべき母
材の面と面の間に、母材より融点の低いインサート材を
介在させ、加圧下でインサート材の融点以上、母材の融
点以下の温度に加熱することでインサート材中のホウ素
等を接合すべき母材に拡散、同化させて接合したもので
ある。従って、液相拡散接合部では、溶接よりも低い温
度で、接合すべき母材を溶融させずに冶金的な接合がで
きるので、接合部及びその近傍の熱影響が少なく、材料
特性の変化、熱変形等が少なく、従って母材にきわめて
近い物性となっている。しかも、液相拡散接合部では、
接合が面で行われると共に、接合部での組織が均一とな
って接合の界面が実質上無くなり、強度の大きい接合部
を形成でき、しかもその品質は、液相拡散接合時におけ
る接合部の温度と圧力で管理できるので、熟練者による
ことなく容易に一定品質の接合部が得られ、信頼性が向
上する。また、一気に面接合できるので、生産能率がよ
く、工場でのライン生産に向いている。このように、本
発明の仕口部材は、管状の柱材が接合部を持った構成で
あるにもかかわらず、接合部の接合強度が大きく、且つ
その物性が母材の物性にきわめて近くなっており、しか
も、熟練者に頼ることなく一定品質に製造可能であり、
仕口部材の品質均一化、高品質化、並びにコスト改善が
見込めるといった効果を有している。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の鉄鋼構造用仕口部材は、
短尺の管状の柱材と、該柱材の両端に接合された一対の
ダイアフラムとを有するもので、前記柱材が液相拡散接
合部をもって管状に形成されていることを特徴とする。
なお、ここで云う鉄鋼とは、普通鋼、高強度鋼、鋳鋼、
ステンレスなど強度部材として使用しうる鉄系金属全般
を指している。しかして、本発明仕口部材にも、柱材や
梁材と同系の材質を充てることが望ましい。
【0010】本発明の仕口部材に使用する管状の柱材
は、通常、角形断面又は丸形断面のものである。管状の
柱材の具体的な構造としては、1枚の板材を管状に成形
して両端面を突き合わせ、その突き合わせた端面を液相
拡散接合部をもって一体に接合した1シーム型のもの、
2枚の板材をそれぞれ半管状に成形し、それぞれの両端
面を突き合わせ、その突き合わせた端面を液相拡散接合
部をもって一体に接合した2シーム型のもの、4枚の板
材を角形管状に組み立て、それぞれの接合面を液相拡散
接合部をもって一体に接合した4シーム型のもの等を挙
げることができる。
【0011】柱材の製造に際して、柱材を構成する板材
(母材)の接合部における液相拡散接合は、互いに接合
させるべき面をインサート材を介在させて密着状態に突
き合わせ、インサート材及びそのインサート材に接する
母材部分をインサート材の融点以上に加熱して行う。上
記操作により、インサート材中のホウ素などが両側の母
材中に拡散、同化されて両母材に亘る接合状態が生じ、
両母材が一体化される。上記加熱の際に突き合わせ部に
振動を印加すると、溶融したインサート材の表面などの
酸化膜が破壊されやすくなり、接合の品位が向上する。
また、両母材面にインサート材の溶融膜を形成し、両方
の溶融膜を相互にスライドして合体させる形でも接合を
行うことができる。この方式も、スライド時に表面の酸
化膜がしごき出される作用により高品位の接合をもたら
す。
【0012】ここで使用するインサート材は液相拡散接
合に使用しうるものであれば任意であり、接合すべき母
材が鋼の場合には、通常、ホウ素、ケイ素等を配合した
鉄系、ニッケル系などのアモルファス金属箔が使用され
る。アモルファス金属等の粉末を、溶射法、スラリー塗
装法などによって適用して、母材面にインサート材の層
を形成することもできる。液相拡散接合を行っている間
に接合面に加える接触圧は、両者を密着状態に保つこと
ができる限り低いことが好ましく、通常、5〜20MP
a程度に、好ましくは、5〜10MPa程度に選定され
る。また、このような低い接触圧で液相拡散接合を行っ
ている途中において、短時間だけ接触圧を大きくして接
合面を加圧することも可能である。このような短時間加
圧を行うと、接合面に機械的な絡み合いのような状態が
生じて接合強度を増すことができ、また、万一、接合面
に酸化膜が生じたとしても接合面がもまれることで酸化
膜が破れ、金属同志が接触して真の金属同志の接合が得
られ、この点からも接合強度が大きくなる。ただし、こ
の加圧が大きすぎたり、加圧時間が長くなると、柱材の
端部に好ましくない変形を生じ、かえって強度が低下す
ることがある。これらを勘案すると、上記短時間の加圧
を行う際の接触圧は、20〜100MPa程度に、好ま
しくは、40〜60MPa程度に選定され、また、その
加圧時間は2〜10秒程度に選定される。
【0013】本発明に使用する柱材は、その長手方向に
同一断面のものでもよいし、テーパーコラムのように長
手方向に断面が変化する形状のものでもよく、使用場所
に応じて適宜定められる。短尺の柱材の長さも、当然使
用場所に応じて適宜定められるものであり、例えば、両
端に取り付けたダイアフラムに梁材としてH形鋼を取り
付ける場所に用いる場合には、両端のダイアフラムの端
部に梁材であるH形鋼の両側のフランジをそれぞれ連結
することができるよう柱材の長さを設定する。
【0014】短尺の柱材の肉厚は、通常、長手方向に一
定、ないしは、或る種のテーパーコラムのように一定の
勾配で変化するものであり、これらの形状を概ね維持す
る形で本発明仕口部材を形成してもよいが、柱材の両端
部が増肉された形態の仕口部材とすることもできる。後
者の構成によれば、柱材とダイアフラムの接合面積が増
加して接合力が増し、接合部の信頼性が一層高められ
る。
【0015】一対のダイアフラムは、鋼板等の板材で構
成されるもので、その形状は梁材等の接続に適した形状
に設定され、通常は正方形ないしは長方形である。更
に、ダイアフラムの大きさは、通常、柱材の端面より大
きく選定されており、ダイアフラムの平坦面に短尺の柱
材の端面を押し当てて接合することになる。ダイアフラ
ムと柱材の端面との接合には溶接接合を用いてもよい
が、この部分にも液相拡散接合を用いることが好まし
い。すなわち、柱材と、その柱材の両端に配置された一
対のダイアフラムとを液相拡散接合部を以て一体化した
構成とすることが好ましく、この構成とすることによ
り、溶接接合による熱影響を回避し、強度の大きい且つ
信頼性の高い接合部を得ることができる。
【0016】更に、柱材とダイアフラムとを液相拡散接
合部を以て一体化した場合において、必要に応じ、その
液相拡散接合部の周囲にすみ肉溶接を施して補強するこ
とも可能である。すみ肉溶接は開先加工等の面倒な前加
工を省略し、ないしは当該局部に簡単な開先を設ける程
度の前加工でよいので、容易に実施可能であり、また、
最も大きい力が作用する接合面の端部を補強するので、
補強効果が高い。更に、溶接を行った際、その熱が液相
拡散接合部に伝播して昇温させることで、液相拡散を一
層確実とし、液相拡散接合部の品質を向上させることが
できる。かくして、液相拡散接合による面接合とすみ肉
溶接とを併用すると、液相拡散接合部が面接合による応
力分散効果を発揮し、すみ肉溶接が最も大きい力が作用
する接合面の端部を補強することとなり、きわめて強度
の大きい、信頼性の高い接合部を形成できる。
【0017】
【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。図1(a)は本発明の第一の実施例に当たる仕
口部材21の概略斜視図、(b)はその概略断面図、
(c)はその仕口部材21に用いた柱材の概略端面図で
ある。この仕口部材21は、角形管状の短尺の柱材22
と、その両端に取り付けられた一対の鋼板製のダイアフ
ラム23、24からなる。柱材22は、図1(c)から
良く分かるように、1枚の板材27を管状に成形して両
端面を突き合わせ、その突き合わせた端面を液相拡散接
合部28をもって一体に接合した1シーム型の管体であ
る。なお、柱材22としては、図1(c)に示す1シー
ム型の管体に限らず、図2(a)に示すように、2枚の
板材30、30をそれぞれ半管状(本実施例では略コ字
状)に成形し、それぞれの両端面を突き合わせ、その突
き合わせた端面を液相拡散接合部31、31をもって一
体に接合した2シーム型の管体22A、或いは、図2
(c)に示すように、一対の板材33、33と一対の板
材34、34の計4枚の板材を角形管状に組み立て、そ
れぞれの接合面(板材33の端面近傍の表面と板材34
の端面)を液相拡散接合部35をもって一体に接合した
4シーム型の管体22Bを用いてもよい。
【0018】図1において、一対のダイアフラム23、
24は柱材22の端面を押し当てることの可能な大きさ
を持った平板状のものであり、そのダイアフラム23、
24の平坦面に柱材22の両端面を押し当て、両者を液
相拡散接合させることによって形成した液相拡散接合部
25によって柱材22と一体化されている。この仕口部
材21は、例えば、図8に示す従来の仕口部材1と同様
に使用されるものであり、各部寸法は使用条件に応じて
適宜に定められている。
【0019】次に、図1に示す仕口部材21の製造方法
を説明する。まず、柱材22の製造を説明する。図3
(a)に示すように、適当な長さの板材27を、その両
端面27a、27aが対向するように管状に成形する。
この成形は熱間、冷間のいずれで行ってもよいが、残留
ひずみを小さくする上からは熱間で行うことが好まし
い。板材27の長さは、柱材22に必要な長さのもので
もよいし、柱材22の数倍の長さのものとし、後で柱材
22の長さに切断するようにしてもよい。次に、板材2
7の両端面27a、27aを、研削、研摩、ブラスチン
グなどにより液相拡散接合に必要な平坦度に加工し、必
要な表面仕上げを行い、且つ清浄化を行う。なお、この
作業は板材27の曲げ加工の前或いは曲げ途中の適当な
時期に行ってもよい。
【0020】次に、図3(b)に示すように、板材27
の両端面27a、27aの間にインサート材37を介在
させ、管状に成形した板材27を支持台41とプレス4
2ではさみ付けて両端面27a、27aをインサート材
37を介して突き合わせ、且つ突き合わせた両端面27
a、27a間に必要な押圧力(例えば、5〜20MPa
程度)を作用させる。この状態で、インサート材37及
びそのインサート材37に接する板材27の部分(母
材)を、誘導コイル等の加熱手段(図示せず)でインサ
ート材37の融点以上になるように加熱し、母材の融点
よりは低い所望温度に昇温させた後、一定時間その温度
に保持する。これにより、インサート材37が溶融し、
それに接した母材にホウ素等が拡散してゆき、板材27
の両端面27a、27aが液相拡散接合される。かくし
て、図3(c)に示すように、管状に成形した板材27
の両端面を液相拡散接合部28によって一体化した管体
22Cが製造される。
【0021】ここで、液相拡散接合部28の接合強度
は、液相拡散接合時の接合部の加熱温度、加熱時間、接
触圧力等を適正化することによって確保されるので、こ
れらを制御することで、きわめて均一な品質の液相拡散
接合部を得ることができる。しかも、接合部の加熱温
度、加熱時間、接触圧力等の制御は、制御装置を用いて
簡単に実施できるので、熟練を必要とせず、容易に一定
品質の液相拡散接合部を持った管体22Cを製造するこ
とができる。
【0022】なお、上記実施例では、液相拡散接合時の
接触力を一定としているが、その途中に所望のタイミン
グでプレス42の押圧力Pを増大させ、接合面に大きい
接触圧を作用させて、接合強度を一層高めることも可能
である。
【0023】以上に説明した液相拡散接合動作は、大気
中で行ってもよいが、接合面の酸化防止を確実とするた
め、接合部の両側面に酸化防止用塗布剤を塗布して接合
部を密封状態として行なうとか、接合部に不活性ガスを
吹き付けながら行うとか、板材27の全体をシールドケ
ースで覆い、その中に不活性ガスを満たすことで、液相
拡散接合を行う部分を不活性雰囲気中に保持し、その状
態で液相拡散接合を行うようにすることが好ましい。
【0024】次に、上記した工程で作成した管体22C
を、柱材に要求される長さに切断して、図4(a)に示
すように所定長さの柱材22を作製し、その両端面22
aを、液相拡散接合に必要な平坦度に加工し且つ必要な
表面仕上げ及び清浄化を行う。また、これと並行して、
所定形状、寸法のダイアフラム23、24を作製し、そ
のダイアフラム23、24の柱材22の端面22aに接
合する面に対しても必要な表面仕上げ、清浄化等を行
う。
【0025】次に、図4(b)に示すように、柱材22
の両端面をインサート材45を介してダイアフラム2
3、24に突き合わせ、そのダイアフラム23、24を
外側から支持台46とプレス47ではさみ付け、インサ
ート材45を介して突き合わせた柱材22の両端面とダ
イアフラム23、24とが離れないように適当な接触圧
(例えば、5〜20MPa程度)を作用させる。この状
態で、インサート材45及びそのインサート材45に接
する母材を、誘導コイル等の加熱手段(図示せず)でイ
ンサート材45の融点以上になるように加熱し、母材の
融点よりは低い所望温度に昇温させた後、一定時間その
温度に保持する。これにより、インサート材45が溶融
し、それに接した柱材22の端面及びダイアフラム2
3、24にホウ素等が拡散してゆき、柱材22の端面と
ダイアフラム23、24の平坦面とが液相拡散接合され
る。かくして、図1に示すように、柱材22の両端に、
ダイアフラム23、24を液相拡散接合部25によって
一体化した仕口部材21が製造される。
【0026】液相拡散接合部25を形成する場合も、管
体22Cを製造する場合と同様に、液相拡散接合部25
の接合強度が、液相拡散接合時の接合部の加熱温度、加
熱時間、接触圧力等を適正化することによって確保され
るので、これらを制御することで、きわめて均一な品質
の液相拡散接合部を得ることができる。しかも、接合部
の加熱温度、加熱時間、接触圧力等の制御は、制御装置
を用いて簡単に実施できるので、熟練を必要とせず、容
易に一定品質の液相拡散接合部を持った仕口部材21を
製造することができる。なお、従来は柱材とダイアフラ
ムとの接合に、手作業による溶接を採用しており、この
ため熟練者を必要としていたが、本実施例ではそのよう
な熟練者が不要となる。
【0027】以上に説明した液相拡散接合部25を形成
する場合も、管体22Cを製造する場合と同様に、液相
拡管接合中に押圧力を一時的に高くするとか、液相拡散
接合作業を不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
【0028】なお、以上は1シーム型の柱材22を用い
た仕口部材21を製造する場合のものであるが、図2
(a)、(b)に示す2シーム型の柱材22A及び4シ
ーム型の柱材22Bを用いた仕口部材を製造する場合も
同様にして製造できる。
【0029】次に、図5は本発明の他の実施例に当たる
仕口部材21Aを示すものである。この仕口部材21A
も、図1に示す仕口部材21と同様に、液相拡散接合部
28によって管状に一体化された1シーム型の管体から
なる柱材22Dとその両端に液相拡散接合部25によっ
て一体化された一対のダイアフラム23、24からなる
ものであるが、ここでは柱材22Dが両端に増肉部22
bを有する形態となっている。その他の構成は仕口部材
21と同様であり、増肉部22bを形成する工程を除い
ては、仕口部材21と同様に製造される。
【0030】上記した両端に増肉部22bを備えた柱材
22Dは次のようにして製造することができる。すなわ
ち、図3で説明した工程によって一定肉厚の管体22C
を製造し、それを柱材22Dよりも少し長い長さに切断
し、その両端を加熱した状態で、その管体の端面をプレ
ス等で押圧することにより形成できる。この際、加熱を
端面に集中させて、端面側が高温となる急激な温度勾配
を形成した状態で押圧することにより、図6に示したよ
うな裾拡がり状の増肉部22bが得られる。また、型を
用いて管体の加熱された端部を圧縮変形させることでも
増肉部を形成できる。更には、柱材22Dの長さの数倍
以上の管体22Cを作製し、その管体22Cの特定間隔
の分割位置を赤熱させた状態で長手方向の圧縮力を加え
てその分割位置に中高の増肉部を形成し、該増肉部の中
央部を切断することによっても、柱材端部に増肉部22
bを形成できる。因みに、上記特定間隔は、上記加工に
より形成された増肉部が短尺柱材の切出しが可能な間隔
で連なるように設定される。
【0031】上記したように、図5に示す実施例の仕口
部材21Aは、増肉部22bを備えた柱材22Dを用い
ているので、ダイアフラム23、24との接合面積が増
大して接合力が増し、接合部の信頼性を一層高める効果
を有している。更には、柱材22Dの端部の増肉部22
bを裾拡がり状に形成しておくと、拡散接合の際の加圧
による変形が加圧方向に集中するところとなって、接合
部の好ましくない変形が避けられる。
【0032】仕口部材21Aにおける柱材22Dの端部
の増肉部22b(図6参照)の増肉比(最端部の肉厚t
1 /非増肉部の肉厚t0 )は、1.1〜2.0程度で前
記効果がもたらされる。裾拡がりの傾斜角θについて
は、前記効果と製作事情との兼ね合いから5°〜45°
程度が好適である。
【0033】なお、図1、図5に示す実施例はいずれ
も、角形断面の管状の柱材22、22Dの両端に一対の
ダイアフラム23、24を液相拡散接合部25のみによ
って一体化したものであるが、必要に応じ、その液相拡
散接合部15の外周にすみ肉溶接を施して補強してもよ
い。この補強を施すと、液相拡散接合部が柱材とダイア
フラムとを面接合して応力分散効果を発揮し、すみ肉溶
接が、最も大きい力が作用する接合面の端部を補強する
こととなり、柱材とダイアフラムとの接合強度がきわめ
て大きくなるという利点が得られる。すみ肉溶接を施す
場合において、柱材のすみ肉溶接を施す領域には、必ず
しも開先加工を施しておく必要はないが、溶接接合強度
を増す上から、若干の開先加工を施しておいてもよい。
【0034】次に、実際に仕口部材を製作した結果を示
す。 〔実施例1〕 (1)柱材の製造 厚さ12mm、幅800mm、長さ370mmの鋼板を
用意し、その両端面を機械仕上げした(仕上げ精度:
▽)。次いで、この鋼板を熱間加工して、図3(a)に
示すように角形管状に成形し、図3(b)に示すように
両端面間にインサート材37を挿入し、両端面を突き合
わせた。そして、その接合部の内外面に沿って1ターン
の誘導コイルを配置し、全体をシールドケースで覆い、
内部に窒素ガスを供給した。この状態で、接合面での接
触圧が10MPaとなるように、プレス42で一定の押
圧力を作用させ、且つ誘導コイルに通電して(周波数約
10kHz、電力約80kW)、突き合わせ部分を加
熱、昇温させ、突き合わせ部分が約1250°Cに達す
ると、その温度に約3分保持し、その後、加熱を停止し
て放冷した。以上により、管体22Cを得た。
【0035】ここで使用した鋼板、及びインサート材の
仕様は次の通り。 鋼板:公称組成:C 0.16%、Si 0.18%、
Mn 0.83%、P 0.020%、S 0.013
% インサート材:名称; アモルファス金属箔 公称組成:Cr5.3%、Si7.3%、B1.4%、
残りNi 融点:1040°C 厚さ:38μm
【0036】(2)仕口部材の製造 上記の工程で製造した管体22Cの両端面を平坦に切断
して、機械仕上げし(仕上げ精度:▽)、柱材22とし
た。一方、この作業と並行して鋼板製のダイアフラムを
用意し、柱材に接合すべき表面にグラインダーをかけ、
且つサンドペーパー仕上げした。ここで使用したダイア
フラムの仕様は次の通り。 ダイアフラム: 寸法:250mm×250mm×厚さ15mm 公称組成:C 0.15%、Si 0.19%、Mn
0.85%、P 0.015%、S 0.012%
【0037】上記のようにして準備した柱材22及びダ
イアフラム23、24を、図4(b)に示すように組み
立て、柱材22の上下端の外周に誘導コイル(図示せ
ず)を配置し、全体をシールドケースで覆い、内部に窒
素ガスを供給した。この状態で、接合面での接触圧が1
0MPaとなるように、プレス47で一定の押圧力を作
用させ、且つ誘導コイルに通電して(周波数約40kH
z、電力約80kW)、突き合わせ部分を加熱、昇温さ
せ、突き合わせ部分が約1250°Cに達すると、その
温度に約3分保持し、その後、加熱を停止して放冷し
た。以上の接合動作により、図1に示すように、柱材2
2の上下両端面をダイアフラム23、24の平坦面に接
合した構成の仕口部材21を製造できた。
【0038】(3)結果 以上の工程で製造した仕口部材21の柱材22の液相拡
散接合部28及び柱材22とダイアフラム23、24と
の液相拡散接合部25の外観を観察したところ、いずれ
の接合部も良好に接合した外観を呈していた。
【0039】次に、柱材22について、その柱材22の
外面側の接合部28を横切る方向の表面硬度を測定し、
図7に示す結果を得た。また、この柱材22から接合部
28を含む部分を切り出し、その切り出したテスト片に
ついて引張強度を測定したところ、552N/mm2
接合部近傍が破断した。また、同様な引張強度試験を接
合部28から両側にそれぞれ40mm離れた位置から切
り出したテスト片について行ったところ、554N/m
2 、542N/mm2 で破断した。この結果も図7に
示す。この結果から明らかなように、表面硬度は接合部
28もその他の部分もほぼ同一であった。また、接合部
28の引張強度特性は母材(柱材22)の引張強度にほ
ぼ匹敵するものであった。更に、接合部28の断面を切
断して観察したところ、接合面の境界は見られず、確実
に液相拡散した一様な組織となっていた。このように、
本実施例で得た仕口部材の柱材22は、周方向の一部に
接合部28を有するにも係わらず、周方向に物性が均一
となっていた。
【0040】また、柱材22とダイアフラムとの接合部
25についても、同様にその接合部の引張強度を測定し
たところ、547N/mm2 で接合部近傍が破断し、や
はり良好な引張強度特性を有していた。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の仕口部材は、それに用いる柱材が液相拡散接合部をも
って管状に形成されたものであるので、以下の効果を奏
している。
【0042】 液相拡散接合部は、接合すべき母材を
溶融させずに冶金的に接合しているので接合部及びその
近傍の熱影響が少なく、材料特性の変化、熱変形等が少
なく、従って母材にきわめて近い物性となっている。
【0043】 液相拡散接合部は、接合が面で行われ
ると共に、接合部での組織が均一となって接合の界面が
実質上無くなり、強度の大きい接合部を形成でき、しか
もその品質は、液相拡散接合時における接合部の温度と
圧力で管理できるので、熟練者によることなく容易に一
定品質の接合部が得られ、信頼性が向上する。
【0044】 液相拡散接合部は一気に面接合できる
ので、生産能率がよく、工場でのライン生産に向いてい
る。
【0045】 これらの結果、本発明の仕口部材は、
使用している管状の柱材の接合部の接合強度が大きく、
且つその物性が母材の物性にきわめて近くなっており、
しかも、熟練者に頼ることなく一定品質に製造可能であ
り、仕口部材の品質均一化、高品質化を図ることがで
き、またコスト改善が見込める。
【0046】 更に、柱材とダイアフラムとを、液相
拡散接合部で一体化する構成とすると、その液相拡散接
合部でも、組織が均一となって接合の界面が実質上無く
なり、強度が大きく且つ母材にきわめて近い物性とな
り、しかもその品質は液相拡散接合時の接合部の温度と
圧力で管理できるので、熟練者によることなく容易に一
定品質の接合部が得られ、製品品質がより安定化し、仕
口部材全体の品質を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第一の実施例に当たる仕口部
材21の概略斜視図、(b)はその概略断面図、(c)
はその仕口部材21に用いた柱材の概略端面図
【図2】(a)、(b)はそれぞれ、仕口部材に用いる
柱材の変形例の概略端面図
【図3】(a)は板材を管状に成形した状態を示す概略
斜視図、(b)は板材の突き合わせ端を液相拡散接合す
る状態を示す概略側面図、(c)は製造した管体の概略
端面図
【図4】(a)は図1に示す仕口部材を製造する前の、
柱材及びダイアフラムを示す概略断面図、(b)は柱材
及びダイアフラムを接合する状態を示す概略断面図
【図5】(a)は本発明の他の実施例に当たる仕口部材
の概略斜視図、(b)はその概略断面図
【図6】図3に示す仕口部材の製造に用いる柱材12A
の下端形状を示す概略断面図
【図7】実施例1で製造した仕口部材の柱材の物性測定
結果を示すグラフ
【図8】従来の仕口部材の1例及びその使用状態を示す
概略斜視図
【図9】(a)、(b)、(c)はそれぞれ、従来の仕
口部材に用いる柱材の概略端面図
【符号の説明】
21、21A 仕口部材 22、22A、22B、22D 柱材 22C 管体 23、24 ダイアフラム 25 液相拡散接合部 27、30、33、34 板材 27a 端面 28、31、35 液相拡散接合部 37 インサート材 41、46 支持台 42、47 プレス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短尺の管状の柱材と、該柱材の両端に接
    合された一対のダイアフラムとを有する鉄鋼構造用仕口
    部材において、前記柱材が液相拡散接合部をもって管状
    に形成されていることを特徴とする鉄鋼構造用仕口部
    材。
  2. 【請求項2】 前記柱材が、1枚の板材を管状に成形し
    て両端面を突き合わせ、その突き合わせた端面を液相拡
    散接合部をもって一体に接合した1シーム型の管体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の鉄鋼構造用仕口部
    材。
  3. 【請求項3】 前記柱材が、2枚の板材をそれぞれ半管
    状に成形し、それぞれの両端面を突き合わせ、その突き
    合わせた端面を液相拡散接合部をもって一体に接合した
    2シーム型の管体であることを特徴とする請求項1記載
    の鉄鋼構造用仕口部材。
  4. 【請求項4】 前記柱材が、4枚の板材を角形管状に組
    み立て、それぞれの接合面を液相拡散接合部をもって一
    体に接合した4シーム型の管体であることを特徴とする
    請求項1記載の鉄鋼構造用仕口部材。
  5. 【請求項5】 前記短尺の柱材と、該柱材の両端に配置
    された一対のダイアフラムとが、液相拡散接合部を以て
    一体化されていることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれか1項に記載の鉄鋼構造用仕口部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020056175A (ja) * 2018-09-28 2020-04-09 大和ハウス工業株式会社 架構式構造

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