JPH11230823A - 測光装置 - Google Patents

測光装置

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JPH11230823A
JPH11230823A JP3621798A JP3621798A JPH11230823A JP H11230823 A JPH11230823 A JP H11230823A JP 3621798 A JP3621798 A JP 3621798A JP 3621798 A JP3621798 A JP 3621798A JP H11230823 A JPH11230823 A JP H11230823A
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JP
Japan
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light
photometric device
dome
measured
illumination
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JP3621798A
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English (en)
Inventor
Kenichi Nakagawa
謙一 中川
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体の反射光や透過光、又は自発光体の発光
の光強度及びスペクトル成分の空間的な分布状態を物体
の形状によらず高速に且つ精度よく測定する。 【解決手段】 物体から放射される光の空間的な強度分
布を測定する測光装置において、回転楕円曲面を反射面
として形成した凹型の楕円反射鏡を備えた集光ドーム1
と、該集光ドーム1の第1の楕円焦点位置1aに試料2を設
置する試料架台3と、前記集光ドーム1の第2の楕円焦点
位置1cに配設され、試料2から放射され集光ドーム1の反
射鏡面により反射した光を2次元の光検出素子で受光す
る受光部5,6と、該受光部5,6からの出力を収集して得ら
れる濃淡画像から、空間的な光強度分布を求めるデータ
収集部7と、から構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体からの反射光
や透過光等の拡散光、自発光体の発光強度、及びスペク
トル成分の空間的な分布状態を測定する測光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光が照射された物体から放射され
る反射光や透過光等の拡散光、自発光体の発光強度分
布、及びスペクトル成分を測定する測光装置としては、
図13に示すような装置がある。この測光装置において
は、ゴニオメータを用いて受光系131をステップスキャ
ンさせると共に、測定対象物132の設置角度α、βをス
テージ133によりそれぞれ変化させ、光源134から測定対
象物132に照射する照明光入射角度に対する拡散光の強
度を測定することで、拡散光の空間的な強度分布を求め
ていた。この場合、空間内の複数の異なる方向から入射
された照明光に対し、空間内の複数の異なる位置でそれ
ぞれ光強度を測定することで拡散光強度分布を求めるこ
とになる。
【0003】一方、図14に示すように大口径の対物レ
ンズを備えた顕微鏡光学系による測光装置もある。この
測光装置においては、測定対象物131から放射される光
をフーリエレンズ142,143によりエリアセンサ144上に投
影して光強度分布を測定することで、光の空間的な強度
分布を求めるものである。この光学系においては、測定
対象物131の表面すれすれの角度で反射する光の測定限
界は、レンズの口径とレンズ−測定対象物間距離に制約
される。即ち、対物レンズの口径が大きいほど、また、
測定対象物が対物レンズに接近しているほど測定可能な
角度範囲が広がることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ゴニオメータを用いた測光装置にあっては、空間内を広
い範囲に亘って稠密に複数の測定角度から測定した光強
度データを得るためには、測定に多大な時間を要してい
た。例えば、物体の反射特性(拡散特性)を測定する場
合、ある入射角度から光線を測定対象物に照射し、該照
射光線による測定対象物からの拡散光強度を、測定対象
物面周りの球面上の緯度と経度の異なる位置から受光器
により測定する。即ち、緯度をM分割、経度をN分割し
たM×N箇所の格子点から測定を行うことになる。しか
も、照明の入射角度を変化させ複数の入射角度に対する
拡散光強度分布を測定する際は、単純に全ての組み合わ
せを行った場合、(M×N)2回の測定を行うことにな
る。たとえ、MやNが10程度のごく粗い分割数であって
も、合計すると一万回もの測光回数となり測定に多大な
時間を要することになる。
【0005】また、図14に示す従来の測光装置におい
ては、測定対象物が立体物であった場合に、測定対象物
と対物レンズが立体的に干渉して測定できない場合があ
る。例えば、測定対象物がガラスやプラスチック等の透
明体で覆われていて、測定面に光学系の焦点を合わせら
れないような測定対象物が例として挙げられる。本発明
は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、
物体の反射光や透過光等の拡散光、自発光体の発光強
度、及びスペクトル成分の空間的な分布状態を、物体の
形状によらず高速に且つ精度よく測定することができる
測光装置を提供することを目的としている。
【0006】
【発明を解決するための手段】上記目的達成のために、
本発明は、物体から放射される光の空間的な強度分布を
測定する測光装置において、回転楕円曲面を反射面とし
て形成した凹型の楕円反射鏡を備えた集光ドームと、該
集光ドームの第1の楕円焦点位置に測定対象物を設置す
る測定対象物架台と、前記集光ドームの第2の楕円焦点
位置に配設され、測定対象物から放射され集光ドームの
反射鏡面により反射した光を2次元の光検出素子で受光
する受光部と、該受光部からの出力を収集して得られる
濃淡画像から、空間的な光強度分布を求めるデータ収集
部と、から構成するようにした。これにより、第1の楕
円焦点位置の物体から放射された光は集光ドームの楕円
反射鏡面で反射して第2の楕円焦点位置に集光すること
になり、各放射角度に対する光の強度を2次元の光検出
素子により一括して検出することができる。
【0007】また、前記受光部の光路の途中にビームス
プリッタを配設し、光源からの光線を2次元の明暗パタ
ーンを有するマスクを通して導入し、前記第2の楕円焦
点位置から集光ドームの反射鏡面を経由して測定対象物
を照明するようにしてもよい。この場合、前記光源及び
マスクは、面発光体であると共に、該面発光体の発光パ
ターンを制御するパターン制御部を備えるようにしても
よい。これにより、明暗パターンを容易に作成すること
ができると共に、パターンを切り替える度にマスクを抜
き差し交換することなく、異なる明暗パターンを容易に
切り換えて照明することができるようになる。
【0008】また、前記光源は、前記集光ドームを設け
た開口部から測定対象物を照射するものとしてもよい。
これにより、多方向から照明光を入射させることができ
る。さらに、測定対象物架台の下方から測定対象物裏面
を照明するものとしてもよく、この照明を2次元の明暗
パターンを有した照明としてもよい。これにより、光透
過性を有する測定対象物に対して透過光の強度分布を測
定できるようになり、また、特定の照明パターンによる
面照明を行うことができる。
【0009】そして、前記光検出素子をカラー検出素子
として、測定対象物からの光を分光して測定してもよ
く、前記測光装置の光路の途中にカラーホィールを設け
たり、光源にモノクロメータを備えることで、分光特性
を測定するようにしてもよい。また、前記測光装置に前
記ビームスプリッタに導入する照明光の光強度分布を測
定する2次元光検出素子を設け、該検出素子により得ら
れる照明光の光強度分布を測定することで、得られる照
明光の光強度分布をリファレンスとして使用するダブル
ビーム光学系を構成してもよい。
【0010】さらに、前記マスクの明暗パターンは、測
定しようとする照明環境の光源位置を写した明暗パター
ンに形成してもよく、フーリエ変換等の手法に基づく組
み合わせにより任意の照明パターンを形成することがで
きる直交関数の基底ベクトルによる複数のパターンとし
て形成してもよい。尚、前記楕円反射鏡は、回転楕円曲
面に換えて、回転放物面を反射面として形成した凹型の
楕円反射鏡であってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明による実施の形態を
図1〜図12に基づいて説明する。図1は本発明による
第1の実施の形態に係る測光装置の構成図である。ま
ず、図1を用いて第1の実施の形態を説明する。図1に
示す測光装置100は、回転楕円曲面を反射面として形成
した凹型の楕円反射鏡面を備えた集光ドーム1と、該集
光ドーム1の一方の楕円焦点1a(第1の楕円焦点)に測
定対象物2を設置する測定対象物架台3と、集光ドーム1
の開口部1bから測定対象物2に平行光線を照射する光源
体及びその光学系とからなる光源4と、他方の楕円焦点1
c(第2の楕円焦点)の近傍に広角の受光光学系を有す
る広角光学系5と、素子面上に投影された光線の強度分
布を検出するCCD(Charge Coupled Device)又はMO
S(Metal Oxide Semiconductor)等のエリアセンサ6と、
エリアセンサ6からの出力データを収集解析するデータ
収集部7とから構成されている。ここで、集光ドーム1は
殻体として図示しているが、これに限らず、例えば直方
体ブロックの内側をくり抜いて凹型の回転楕円曲面を形
成した構成としてもよく、いずれの場合であっても、加
工性が良く組み付け後の変形が少ない構造及び材質であ
ることが好ましい。
【0012】次に、楕円反射鏡による光強度分布の測定
原理を説明する。楕円反射鏡の一方の焦点位置1aで発光
する光は、反射鏡の鏡面で反射した後、他方の焦点位置
1cに集光する性質がある。本測光装置100は、この性質
を利用して一方の焦点位置1aに測定対象物2を設置する
と共に、他方の焦点位置1cに測光系5,6を設置したもの
である。これにより、光源4から光線を測定対象物2に照
射した際の空間的な拡散光強度分布、即ち、測定対象物
表面から放射される反射光等の拡散光がどの方向にどれ
程の強度で放射されているかを表す空間的な拡散光強度
分布を測光系5,6により検出することができる。この集
光ドームの楕円反射鏡を例えば球面の反射鏡とすると、
1点である球面の中心が上記2つの焦点に相当するため
に発光点と測光点が一致することになり、現実的には測
光することができなくなる。その点、楕円反射鏡の場合
は発光点と測定点とが異なる2つの焦点位置に設定する
ことができるため、楕円反射鏡は、上記測定にたいへん
好都合な形状であるといえる。
【0013】次に、本実施の形態における測光装置によ
る拡散光強度の測定手順を説明する。この拡散光強度分
布の測定に先立ち、まず、測光装置の測光系における角
度情報のキャリブレーションを必要に応じて行う。この
キャリブレーションの具体的な方法としては、例えば以
下に示す方法が挙げられる。まず、図2に示す所定間隔
で正確に経緯線が刻まれた半球体20を、その半球体の底
面21を測定対象物面と一致するように、また、基準とな
る子午線を楕円の長軸方向に一致するように測定対象物
架台3に固定し、半球体全体を光源からの光線により照
明する。すると、測光系のエリアセンサ上に図3に示す
経緯線パターンが投影されることになる。この経緯線パ
ターンは、各緯線が測定対象物面法線からの傾斜角度θ
を表し、各経線が回転角φを表している。そこで、得ら
れた経緯線パターンに基づいて、撮像画像の画素位置
(i,j)と反射方向(θ,φ)を表す緯経線位置との関係を
テーブル化又は数式化する。このような角度情報のキャ
リブレーションを行うことで、撮像画像上の画素位置と
反射角度とを精度良く対応させることができるようにな
る。
【0014】次に、このキャリブレーションを行った後
に、照明による測定対象物からの拡散光強度Lを測定す
る。拡散光強度を測定するには、まず測定対象物架台3
の設置板3a上に測定対象物2を取り付け、設置板3aを所
定の傾斜角度αに設定する。この傾斜角度αは光源4か
らの光線の測定対象物2に対する入射角に相当してい
る。次に、光源4から平行光線を集光ドーム1の開口部1b
を通して測定対象物2の被測定点に向けて照射する。測
定対象物2に平行光線が照射されると、測定対象物表面
からの拡散光は集光ドームの鏡面で反射して広角光学系
5に集光される。すると、エリアセンサ6上に例えば図4
に示す2次元的な拡散光の濃淡画像が形成される。得ら
れた拡散光の濃淡画像は、データ収集部7において解析
され、光線の入射角度θに対する拡散光の空間的な強度
分布が求められる。即ち、図4の画像上の光強度分布
(i,j,Lij)を、キャリブレーションにより求めた換算
テーブルにより反射空間上の光強度分布(θ,φ,Lψ
φ)に変換する。ここにおいて、入射角度αを固定して
光線を照射した1回の測定により、空間的な強度分布を
一度に得ることができるため、測定時間を大幅に短縮す
ることができる。また、測定対象物の面法線からの角度
θが0から90゜に近い角度までの広い範囲に亘って測定
することができるため、θが90゜に近い極めて低い角度
の拡散光までを検出することができる。
【0015】また、光線の入射角度αを変更して測光す
るには、上記のように測定対象物架台3を傾斜させる方
式が考えられるが、集光ドーム1に複数の開口部51〜55
を設け、該開口部から光線を測定対象物に向けて順次入
射する方式としてもよい。この場合、測定を行う入射角
の数だけ集光ドーム1に開口部を設けてもよいが、大ま
かな代表的な入射角位置に開口部を設けると共に、測定
対象物架台3を入射角度の微少角調整用として併用し、
略連続的な入射角度で光線を入射可能に構成してもよ
い。これにより、狭い範囲の単純な傾斜角制御と光源の
切換制御により各光線入射角における拡散光強度を安定
して測定することができる。さらに、集光ドーム1の開
口部を連続したスリット状として形成し、光源4を任意
の入射角度位置に、例えば電動モータ等により移動可能
な構成としてもよい。
【0016】次に、光を透過する材料を測光する際の測
定対象物の照明方式を説明する。光透過性を有した測定
対象物に対しては、基本的に測定対象物の裏面側から光
線を照射して、そのときの透過散乱光を測定する。この
場合、測定対象物の照明方式としては次の2つの方式が
考えられる。第1には、図6に示すように、測定対象物
架台の設置板3aに開口穴3bを形成し、該開口穴3bの下方
に光源4aを設置して、開口穴3bを通して光線を測定対象
物の裏面に照射する方式がある。照射された光線は、測
定対象物内を透過・拡散されて測光系に集光されること
になる。そして、光源4aの測定対象物に対する入射角度
を変化させることで、複数の異なる入射角度による透過
拡散光の光強度分布を測定することができる。第2に
は、1点から入射する方式ではなく面照明を行う方式が
ある。この方式においては、同じく測定対象物架台の設
置板3aに開口穴3cを形成し、該開口穴3cの下方に光源71
を設置すると共に、光源71から開口穴3cの光路の途中に
2次元の明暗パターン情報を有するマスク72を設け、さ
らに、該マスク72の光路下流側にレンズ73を測定対象物
2の被測定点で合焦するように設ける。本方式により、
マスク72の明暗パターンに基づいて測定対象物を面照明
することができ、第2の実施の形態で詳述する照明パタ
ーンを変化させることができる。
【0017】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、凹型の楕円反射鏡の一方の焦点位置から放射された
反射光や透過光等の拡散光が他方の焦点位置に集光する
ため、空間的に拡散された光を1点に集中させることが
できる。そして、2次元検出素子であるエリアセンサを
拡散光の検出系に用いたことにより、測定対象物から放
射される空間的分布を有する光強度情報を一括して測定
することが可能となり、これにより、測定時間を大幅に
短縮することができる。また、エリアセンサの各測定点
は稠密に配列されているため、狭い角度範囲における特
異な強度変化等を逃さず測定することができ、高い解像
度で測定することができる。これは、例えばホログラム
のような特異な光強度分布を示す可能性のある測定対象
物に対して特に有効であり、空間的に連続したデータを
簡便にして得ることができる。
【0018】そして、例えば電子デバイス等のように高
速な電気的入力に対する光学的応答を測定する場合であ
っても、過渡的な光学的応答を複数の空間的な各方向に
対して独立して一度に測定できるため、高速測光が要求
される測光用途に対しても十分な応答性及び測定精度で
測定を行うことができる。また、光路の途中に例えばN
D(Neutral Density)フィルターを介装させることで、
ダイナミックレンジを拡大させることができる。
【0019】次に、集光ドームの一方の楕円焦点位置に
測定対象物を設置し、他方の楕円焦点位置に測光系と照
明系の両方を設置した第2の実施の形態を説明する。本
実施の形態における測光装置200の構成を図8に示す。
本測光装置は、照明系を測光系側に設けた点以外は第1
の実施の形態における測光装置100の構成と同様であ
る。ここで、照明系及び測光系の構成と作用を説明す
る。照明系は、光源8から放射された光線をレンズ9に
より略平行化して2次元の明暗パターン情報を有するマ
スク10に導く。マスク10を透過した光線はレンズ11によ
り集光され、広角光学系12の光路の途中に配設されたビ
ームスプリッタ13により光源8からの光路を2つに分岐
する。分岐された一方の光線は集光ドーム1に導かれ、
他方の光線は入射光の強度分布を測定するための入射光
測定用エリアセンサ14に導入される。
【0020】集光ドームに導かれた一方の光線は、楕円
焦点位置に配設された広角光学系12から集光ドーム1の
楕円反射鏡面で反射して、測定対象物2をマスク10の明
暗パターンに応じて照明する。ここにおいて、広角光学
系とは平行光を広角の放射光に変換し、また、逆進時に
は広角画像光を平行光に変換する作用を有した光学系を
意味している。上記構成においては、マスク10の明暗パ
ターンに応じた面照明により測定対象物が照明されるこ
とになる。測定対象物からの拡散光は、照明光の経路に
沿って戻り、広角光学系12に集光される。即ち、この光
学系では照明光が辿る経路と、測定対象物からの拡散光
が辿る経路とが集光ドーム内においては同じ角度(入射
角、反射角)成分に対しては同一の経路となる。そし
て、広角光学系12に集光された拡散光はエリアセンサ15
上に投影され、測定対象物からの拡散光強度分布が測定
される。
【0021】ここにおいて、測定対象物に照射される照
明光のスポット径は、厳密には一点ではなく、所定の広
がりを有している。この光学系が単純に広角画像光を平
行光に変換する作用の光学系であれば、測定対象物上の
スポット径が大きいほど拡散光測定の角度解像度が低く
なる。この問題を解決するためには、レンズを用いたフ
ーリエ変換手法に基づいて光学系を設計すればよい。対
物レンズとしては、図9(a)に示す魚眼レンズを使用す
ることができる他に、図9(b)に示す前面が凹面形状で
あるレンズとすることができる。図9(a)に示す魚眼レ
ンズである場合は、市販品の光学部品を利用可能であ
り、容易に且つ安価に対物レンズを構成することができ
る。また、図9(b)に示す凹面形状のレンズである場合
は、レンズ自体が測定すべき光線が隠れることを防止す
ることができる。いずれの場合においても、集光ドーム
を使用すれば、測定対象物が立体的なの膨らみを有する
立体物であっても対物レンズが干渉することなく安定し
て測定を行うことができる。
【0022】一方、ビームスプリッタ13により分岐され
入射光測定用エリアセンサ14に入射された光線は、測定
対象物を照明した照明光と同一の光線であり、この光線
をリファレンス用として使用している。即ち、エリアセ
ンサ15から得られる測定対象物からの拡散光強度分布を
エリアセンサ14から得られるリファレンスの光強度分布
を参考にして補正することにより、シェーディング等の
ノイズ成分が低減されるダブルビーム光学系を構成して
いる。
【0023】上記マスク10の明暗パターンは、測定対象
物2に対してどのような入射角度で照明するかを決定す
るもので、例えば中心部だけが光を透過するマスクパタ
ーンである場合には、測定対象物の表面法線方向から照
明される照明パターンが形成される。同様に、室内照明
でよく見られるような複数の光源による照明状態を再現
するには、測定対象物の設置位置を視点としたときの各
光源の照明位置に相当するマスク位置に透過部を設け、
このマスクを所定位置に介装して照明すればよい。これ
により、上記の照明状態を再現することができ、より現
実の照明に近い照明パターンを形成することができる。
この簡便な手法としては、再現しようとする実際の照明
パターンを写真撮影して(これは例えば、被測定位置か
ら蛍光灯、スポットライト等の光源を見上げて撮影すれ
ばよい)ポジフィルムを得る。このポジフィルムには光
源位置が略透明に写されることになるので、これをその
ままマスクとして使用したり、ポジフィルムのパターン
を他の媒体に転写したマスクを使用すれば、撮影された
光源位置から照明光が測定対象物に照射されることにな
り、実際の照明パターンと略同一の照明パターンを擬似
的に再現することができる。
【0024】また、マスク10のパターンとして、直交関
数の基底ベクトルによる複数のパターンを用いて、フー
リエ級数展開等の所定の手法により、目的の照明パター
ンを得る方法がある。即ち、特定の照明光強度分布のパ
ターンに対してフーリエ級数展開を施すことにより、直
交関数の基底ベクトルである各級数の成分に分解する。
そして、各基底ベクトルによる照明パターン照明時の拡
散光強度分布に、その照明パターンに対応する級数成分
をそれぞれ乗算し、これを全基底ベクトルに対して累積
加算することで、目的の照明パターンが再現される。こ
の基底ベクトルの具体例としては、例えばラプラスの球
関数やDCT(Discrete Cosine Transform)等の基底
ベクトルが挙げられる。この場合、所望の明暗パターン
が容易に表示可能なLCD(Liquid Crystal Display)を
用いて上記マスクを構成することで、目的に応じた照明
パターン、即ち、LCDの表示パターンである遮光パタ
ーンを自在に作成することができ、また、容易に切換え
表示させることができるため、マスクを抜き差しして交
換することなく連続的に測定を行うことが可能となる。
【0025】次に、CRT(Cathode Ray Tube)等の面発
光デバイスを用いて測定対象物を照明する第3の実施の
形態を説明する。本実施の形態における照明系及び測光
系の構成を図10に示した。本照明系の構成は、第2の
実施の形態におけるマスクと光源を面発光デバイス101
により機能させ、面発光デバイス101から拡散放射され
る光をレンズ102等の拡散防止手段により集光及び平行
化している。この面発光デバイス101により表示される
明暗パターンは、パターン制御部103に予め記憶されて
いるパターン情報に基づいてドライバ104を駆動するこ
とにより表示する。尚、本測光系の構成は第2の実施の
形態における測光系と同様である。また、上記面発光デ
バイスは、CRTの他に、TFT(Thin Film Transisto
r)、LCD、PDP(Plasma Display Panel)等のデバイ
スや、LED(Light Emitting Diode)やEL(Electro L
uminescence)等の組立体としてもよい。
【0026】本実施の形態の照明系によれば、種々の照
明パターンを自在に形成することができ、複数のパター
ンを容易に且つ高速に切り換えて照明することができ
る。また、測定のためのパターンを予めいくつか用意し
て、それらのパターンを順次切換えて測定が行えるよう
にパターン制御部103をプログラミングすることで、測
光処理の自動化を図ることができる。
【0027】次に、拡散光の色情報を測定する第4の実
施の形態を説明する。本実施の形態においては、測定対
象物からの拡散光をスペクトル分解したり、特定のスペ
クトル成分の照明を施すことにより、各スペクトル成分
に対する拡散特性を測定するものである。この色情報を
測定する方式としては、一般的なカラーフィルタ付きC
CDを用いて測定する方式、図11に示すように照明系
又は受光系のいずれかの光路の途中に、特定のスペクト
ル成分(例えばR,G,B)だけを透過するフィルタを備
えたカラーホィールを設けて測定する方式、回折格子等
を用いたモノクロメータにより分光された光線を測定対
象物に照射する方式等が挙げられる。
【0028】カラーフィルタ付きCCDを用いる方式に
よれば、色度、彩度等の測色用データを1回の撮像によ
り一括して取り込むことができ、測定時間を大幅に短縮
することができる。また、カラーホィールを用いる方式
によれば、図示した3原色(RBG)又は、それ以上の
数に光線の波長成分を分割して照明することができ、目
的に応じた波長成分の光線に対する拡散特性を得ること
ができる。特に、薄膜干渉による色フィルタを用いるこ
とにより、可視光の波長範囲において任意の波長の光を
取り出すことができる。さらに、モノクロメータを用い
る方式によれば、簡便にして精度よく特定の波長成分を
有する光を取り出すことができ、照明光の波長に対する
応答特性を高精度で測定することができる。ところが、
このモノクロメータにより分光された光線は一般に強度
が低下するために、得られる強度分布データのノイズレ
ベルが高くなることがある。このような場合には、デー
タのS/N比を向上させるために積算装置や冷却型CC
Dを使用することが望ましい。
【0029】積算装置は、光学的なシャッタースピード
を調整(受光時間を長く設定する)する方式であって
も、電気的な信号積算時間の調整による方式であっても
よい。また、冷却型CCDは、一般的に撮像時のノイズ
をより低減できることが知られており、冷却型CCDを
用いることにより照明光の光強度が微弱であってもノイ
ズが低減され、S/N比の高い良好な光強度分布データ
を得ることができる。また、いずれの方式であっても反
射鏡を用いることで色収差のない良好な状態で分光特性
を測定することができる。尚、上記集光ドームの楕円反
射鏡は、図12に示す異なる2点が焦点となる放物面鏡
であっても略同等な集光光学系を形成することができ
る。
【0030】本発明による測光装置は、次のような測光
目的に対して十分な精度で機能を発揮することができ
る。まず、光拡散性を有する測定対象物においては、塗
装面の艶度合いの異なる塗工品に対する艶度合いの測
定、磨りガラスや乳白色プラスチックの散乱度合いの測
定、写真や印刷紙等の紙の表面処理によるてかりの測
定、電子表示素子の表示面に対する防眩処理(アンチグ
レア処理)の程度の測定等が挙げられる。また、スペキ
ュラーな測定対象物においては、光学薄膜加工したガラ
ス材料に対する表面反射の光量やスペクトルの測定、L
CDに対する電気光学特性の視覚依存性の測定等が挙げ
られる。さらに、自発光測定対象物においては、LED
やEL等の発光素子に対する光放射指向や光沢性等の測
定、LCDモジュール等のバックライトに対する発光強
度分布の測定等が挙げられる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、回転楕円体曲面の凹型
楕円反射鏡面を備えた集光ドームにより、一方の楕円焦
点から放射される反射光や透過光等の拡散光の空間的な
強度分布を、他方の楕円焦点においてエリアセンサによ
り測定することで、物体の拡散特性や分光特性等を高速
に且つ高い精度で測定することができる。また、片側の
楕円焦点位置に照明系と受光系の両方を設置してマスク
パターンに応じた照明パターンで照明することにより、
種々の異なる入射角度を有する光源による照明環境を1
つの照明パターンにより再現することができる。さら
に、マスクの明暗パターンを直交関数の基底ベクトルの
パターンとすることにより、任意の照明パターンを再現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態に係る測光装置
の構成図。
【図2】角度キャリブレーション用の半球体を示す図。
【図3】角度キャリブレーション時の検出画像を示す
図。
【図4】拡散光強度分布の測定結果の一例を示す図。
【図5】複数の入射角度の照明方式を説明する構成図。
【図6】測定対象物裏面から照明する方式を示す図。
【図7】測定対象物裏面から面照明する方式を示す図。
【図8】本発明による第2の実施の形態に係る測光装置
の構成図。
【図9】対物レンズとしての魚眼レンズと表面が凹面の
レンズとを示す図。
【図10】面照明方式の他の実施形態を示す図。
【図11】光路の途中にカラーホィールを設けた様子を
示す図。
【図12】放物面鏡を用いて構成した集光ドームを示す
図。
【図13】従来のゴニオメータを用いた測光装置の概念
的な構成図。
【図14】従来の大口径対物レンズ付きの顕微鏡光学系
を示す図。
【符号の説明】
1 集光ドーム 1a,1c 楕円焦点 1b 開口部 2 測定対象物 3 測定対象物架台 3a 設置板 3b,3c 開口穴 4,4a 照明系 5,12 広角光学系 6,15 エリアセンサ 7 データ収集部 8,71 光源 9,11,73 レンズ 10 マスク 13 ビームスプリッタ 14 エリアセンサ 51〜55 開口部 101 面発光体 102 レンズ 103 パターン制御部 100,200 測光装置

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体から放射される光の空間的な強度分
    布を測定する測光装置において、 回転楕円曲面を反射面として形成した凹型の楕円反射鏡
    を備えた集光ドーム1と、 該集光ドーム1の第1の楕円焦点位置1aに測定対象物2を
    設置する測定対象物架台3と、 前記集光ドーム1の第2の楕円焦点位置1cに配設され、
    測定対象物2から放射され集光ドーム1の反射鏡面により
    反射した光を2次元の光検出素子で受光する受光部5,6
    と、 該受光部5,6からの出力を収集して得られる濃淡画像か
    ら、空間的な光強度分布を求めるデータ収集部7と、か
    ら構成したことを特徴とする測光装置。
  2. 【請求項2】 前記受光部5,6の光路の途中にビームス
    プリッタ13を配設し、光源8からの光線を2次元の明暗
    パターンを有するマスク10を通して導入し、前記第2の
    楕円焦点位置1cから集光ドーム1の反射鏡面を経由して
    測定対象物2を照明することを特徴とする請求項1記載
    の測光装置。
  3. 【請求項3】 前記光源8及びマスク10は、面発光体91
    であると共に、該面発光体91の発光パターンを制御する
    パターン制御部93を備えたことを特徴とする請求項2記
    載の測光装置。
  4. 【請求項4】 前記光源は、前記集光ドーム1を設けた
    開口部1bから測定対象物2を照射することを特徴とする
    請求項1記載の測光装置。
  5. 【請求項5】 前記光源は、前記測定対象物架台3の下
    方から測定対象物裏面を照射することを特徴とする請求
    項1記載の測光装置。
  6. 【請求項6】 前記測光装置は、2次元の明暗パターン
    情報を有した光を照射することを特徴とする請求項5記
    載の測光装置。
  7. 【請求項7】 前記光検出素子15は、カラー検出素子で
    あって、測定対象物2からの光を分光して測定すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の測光装
    置。
  8. 【請求項8】 前記測光装置の光路の途中に、カラーホ
    ィールを設けて分光特性を測定することを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項記載の測光装置。
  9. 【請求項9】 前記光源は、モノクロメーターを備えて
    構成され、分光された光を照射することを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項記載の測光装置。
  10. 【請求項10】 前記ビームスプリッタ13に導入する照
    明光の光強度分布を測定する2次元光検出素子14を備
    え、該検出素子14により得られる照明光の光強度分布を
    測定するようにしたことを特徴とする請求項2〜9のい
    ずれか1項記載の測光装置。
  11. 【請求項11】 前記マスクの明暗パターンは、測定し
    ようとする照明環境の光源位置を写した明暗パターンで
    あることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項記
    載の測光装置。
  12. 【請求項12】 前記マスクの明暗パターンは、組み合
    わせにより任意の照明パターンを作成することができる
    直交関数の基底ベクトルによる複数のパターンであるこ
    とを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項記載の測
    光装置。
  13. 【請求項13】 前記楕円反射鏡は、回転楕円曲面に換
    えて、回転放物面を反射面として形成した凹型の楕円反
    射鏡であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか
    1項記載の測光装置。
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