JPH11230934A - サンプル弁別の方法 - Google Patents

サンプル弁別の方法

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JPH11230934A
JPH11230934A JP10052804A JP5280498A JPH11230934A JP H11230934 A JPH11230934 A JP H11230934A JP 10052804 A JP10052804 A JP 10052804A JP 5280498 A JP5280498 A JP 5280498A JP H11230934 A JPH11230934 A JP H11230934A
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイオセンサシステムによる分析対象物質の
測定では、バイオセンサシステムの応答が正常であるか
否かの確認をコントロール液を用いて行っているが、そ
の際に使用者がコントロール液と血液を弁別することな
く、バイオセンサシステムが自動的に両者の区別を行う
ことのできる方法を提供する。 【解決手段】 バイオセンサシステムによって測定され
る電流とその時間微分の比を算出することにより、予め
システムに記憶された所定の比較値と比較することでコ
ントロール液と血液を弁別することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体サンプルに含
まれる分析対象物濃度を測定するための方法に関する。
特に血液などの体液に含まれる例えばグルコース、コレ
ステロールなどの濃度を電流測定により定量するための
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体サンプル、特に血液などの生
体サンプル中の分析対象物濃度を簡便、迅速に定量する
ものとしてバイオセンサが知られている。
【0003】バイオセンサとは、電気化学測定を行うた
めのデバイスの1種である。電気化学測定とは、その名
の通り、化学的反応を電気的な信号、例えば電流、電
圧、電荷量として測定するものである。電気化学測定の
弱点は、その特異性の低さにある。すなわち、化学的反
応によって生成した物質が電気化学測定可能な物質であ
っても、測定サンプル中に電気化学測定可能な別の物質
が存在すると、直ちに誤差を生じてしまうのである。バ
イオセンサは、この電気化学的測定の特異性の低さとい
う弱点を補うために、分析対象物と選択的かつ特異的に
反応し得る生体機能物質、例えば酵素などを利用してい
る。バイオセンサは、少なくとも次の2つの部分を有す
る。1つは選択機能部として、目的物と選択的かつ特異
的に反応する部分である。例えば酵素や抗体がこれに相
当する。もう1つは信号変換部として、選択機能部の化
学的反応を電気的な信号へと変換する部分である。主と
して電極に相当する。バイオセンサを用いた分析対象物
の測定は、直接的に電流、電圧、電荷量などの各種電気
的な量が測定対象になり得る。この中でも電流を測定対
象とするバイオセンサが多く存在している。
【0004】バイオセンサシステムとは、バイオセンサ
へ電位を与えたり、バイオセンサの信号である電流を測
定したりする機器と、テストセルとしてのバイオセンサ
を組み合わせて使用するものである。例えば、血液サン
プル中の乳酸濃度を定量するためのバイオセンサシステ
ムであれば、乳酸と特異的に反応する乳酸オキシダーゼ
(LOD)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)などの酵
素を選択機能部とするバイオセンサをテストセルとし
て、血液サンプルと前記酵素などとの反応が始まってか
らの時間を計時するタイマー機能、定められた時間経過
後に定められた電位をバイオセンサに印加する機能、前
記電位印加開始から定められた時間経過後に電流を測定
する機能、電流と乳酸濃度との相関関係、例えば検量線
を記憶する機能、前記記憶された相関関係、例えば検量
線と前記測定された電流から乳酸濃度を判定する機能、
前記判定した結果をディスプレイなどに表示する機能等
を有する機器と組み合わせて使用することで構築するこ
とが出来る。このようなバイオセンサシステムは、血液
サンプル中の乳酸濃度の定量にとどまらず、種々のもの
が知られている。
【0005】欧州特許出願公開第0230472号に
は、電流測定を利用して血液サンプルのグルコース濃度
を測定するバイオセンサシステムが開示されている。こ
のシステムでは、測定電極、リファレンス電極およびカ
ウンタ電極を備えたバイオセンサがテストセルとして用
いられている。前記電極は、グルコースオキシダーゼ、
フェリシアン化カリウムおよびその他の成分を含有する
試薬層で覆われている。血液サンプルを試薬層に接触さ
せて入れると、サンプル中のグルコースが、グルコース
オキシダーゼの作用を介してフェリシアン化カリウムと
反応し、フェロシアン化カリウムを形成する。その後で
電極に電圧を印加すると、逆反応が生じて、最初の反応
で生じたフェロシアン化カリウムの濃度に比例した電流
が流れる。この電流の測定値がサンプル中のグルコース
の濃度に対応するとしている。
【0006】電気化学測定において、時間に対して矩形
波的に電位を印加し、それに対する電流を測定する手法
は、ポテンシャルステップ法として一般的に知られてい
る。ここで言う「時間に対して矩形波的な電位印加」と
は、実質的に瞬間にある一定電位を印加し、その後前記
一定電位を印加し続けるという意味である。このような
ポテンシャルステップ法では、電位を印加してからの時
間の経過と共に減衰していく電流、減衰電流が観察され
る。この減衰電流は、時間に依存しているので、時間の
関数として表すことが出来る。他方この減衰電流は、分
析対象物濃度にも依存している。ゆえに、この減衰電流
は分析対象物濃度の関数としても表すことが出来る。減
衰電流は、時間と分析対象物濃度の関数として表せるわ
けである。従って、減衰電流に影響を与えるその他の因
子として、例えばサンプルの性状、サンプル温度、電極
面積、印加電位などが一定に保たれている場合には、減
衰電流をI、時間をt、分析対象物濃度をCとした時、
I=(t,C)と表すことが出来る。I(t,C)はI
がt,Cの関数であることを表しており、時間tを一定
に保つことが出来れば、言い換えれば、同一のタイミン
グで測定された減衰電流は、分析対象物濃度のみの関数
として表すことが出来る。式で表すと、I(t=一定,
C)=I(C)となる。従来のバイオセンサシステムで
は、この原理が用いられている。予め電流測定の時間を
決めておき、その時の電流と分析対象物濃度の相関関係
を示す検量線I(C)を使って、電流と分析対象物質濃
度を関連づけているのである。この時、電流測定は1回
のみである。
【0007】複数回の電流測定を行うバイオセンサシス
テムが、特許公報第2651278号に開示されてい
る。この発明では、電流測定を複数回行うことで得られ
た情報を異常なサンプル供給状態の検知の為に活用して
いる。分析対象物濃度以外の情報を、電流の大きさその
ものではなく、異なる時刻における電流間の関係から得
ようとしている。言い替えれば、電流Iよりは寧ろ、時
間の関数I(t)から情報を得ようとする試みである。
このシステムでは、連続する2回の電流測定を行い、両
者の測定電流の比とその測定が行われた時間の平方根の
逆数の比とを比較することによって、システムが正常に
働いているかどうかの指標を得ている。これは、サンプ
ル量半無限、電極に電位を加える直前の状態で分析対象
物濃度分布一様、サンプル撹拌無し、という条件下での
ポテンシャルステップ法におけるI(t、C)の理論式
が時間(t)の平方根の逆数に比例していることに基づ
く。例えば、血液サンプルが検出電極の表面全体を覆わ
ない場合、テスト前またはテスト中に反応域が水和した
場合、さらに、リークが生じて血液サンプルが反応域内
の電極だけでなく反応域の外部をも覆う場合には読取り
値にエラーが生じる場合には前記連続する2回の測定で
得られた電流の比とその測定が行われた時間の平方根の
逆数の比とを比較することで得られた指標により、エラ
ーが生じていることを判別することができるとしてい
る。
【0008】バイオセンサシステムが正常に働いている
かどうかをチェックするための他の従来技術としては、
コントロール液を用いる方法が知られている。この技術
は、特許公報第2651278号開示の発明とはその目
的が多少異なり、主にバイオセンサシステムにおける機
器が正常に働いているかどうかのチェックを目的として
いる。以下に、血液サンプルのグルコース濃度を定量す
るためのバイオセンサシステムを例として、コントロー
ル液を用いたシステムチェックの方法を説明する。
【0009】コントロール液は既知のグルコース濃度に
調製されており、正常なシステムがどのような応答、例
えばグルコース濃度表示をするのかが予め調べられてい
る。更にコントロール液には、血液サンプルの性状に近
づけるために、水溶性高分子を加えて粘性を増している
ものや、色素が加えられているものもある。システム使
用者は、定期的に、あるいは必要に応じて、前記コント
ロール液を血液サンプルを測定するときと同様の手段で
測定する。そして、システムの応答が正常なものである
かを判定する。システムの応答が正常であるか否かの判
定は、コントロール液の容器や添付文書などに表示され
た正常範囲と実際のシステム応答値を比較することに依
る。例えば、正常範囲が70〜120mg/dLである
コントロール液を測定したとき、システムの応答値が8
0mg/dL、110mg/dLなどであればシステム
は正常に働いていると判定し、システムの応答値が50
mg/dL、140mg/dL等であれば、システムは
異常であると判定する。このようにして、バイオセンサ
システムが正常に働いているかどうかを判定するわけで
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにコントロ
ール液を用いたバイオセンサシステムのチェック方法で
は、システムチェックのためにコントロール液を測定す
る場合であっても、血液サンプルなどの通常サンプルの
測定であっても、システムの応答としては分析対象物質
濃度の表示があるだけで同一であるため、使用者がサン
プルとして何を用いたか認識していなければ、コントロ
ール液を測定した結果であるのか、血液サンプルなどの
通常サンプルを測定した結果であるのかを判別できない
という問題があった。このため、例えば、血液サンプル
などの通常サンプルを測定した結果であるにも関わらず
コントロール液を測定した結果であると誤認識して、又
はシステムが正常であるにもかかわらず異常であると判
定してしまったり、又はシステムが異常であるにもかか
わらず正常であると判定してしまったり、或いはコント
ロール液を測定した結果であるにも関わらず血液サンプ
ルなどの通常サンプルを測定した結果であると誤認識し
て、医師が間違った診断を下したりしてしまう恐れがあ
った。特に後者のような場合では、誤った血液検査デー
タを基に誤った診断が下される危険性を孕み、重大であ
った。
【0011】また、システムが正常であるかどうかを判
定する際にも、コントロール液容器や添付文書等に表示
された正常範囲とコントロール液の測定結果を比較する
必要があり、作業が煩雑であった。頻回にわたってシス
テムチェックを行わなければならない場合、又は複数濃
度のコントロール液を用いてシステムチェックを行う場
合、或いは多数のバイオセンサシステムに対してシステ
ムチェック行わなければならない場合などで特に煩雑で
あった。
【0012】本発明の目的は、使用者に負担を掛けず、
コントロール液を測定した際にはシステムが自動的に、
血液サンプルなどの通常サンプルではなく、コントロー
ル液であることを弁別してこれを表示し、使用者側の誤
認識を防ぐことの出来るバイオセンサシステムを構築す
るための方法を提供する。併せて、煩雑な作業を伴うこ
と無しにコントロール液によるシステムチェックの結果
を知ることの出来るバイオセンサシステムを構築するた
めの方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電流を測定す
ることによって液体サンプルの分析対象物濃度を定量す
るバイオセンサシステムに用いられる方法であって、測
定した電流とその時間微分の比を算出し、これを指標と
してサンプル弁別を行う方法である。前記測定した電流
の時間微分は、アナログ的に連続する測定データから得
られる厳密な意味での微分であって良いし、デジタル的
に不連続である測定データから実質的に微分値となるよ
うに算出されたものであっても良い。例えば、比較的短
い時間の間隔で電流を測定し、両者の差を持って時間微
分とすることが出来る。つまり、時間微分の定義式、l
im(Δt→0)={I(t+Δt)−I(t)}/Δ
tでは、Δtは無限小でなければならないので、不連続
な測定から厳密な時間微分を求めることは不可能である
が、比較的短い時間の間隔Δtで測定した電流から近似
的に時間微分を求めることは出来るということである。
また、何らかの理由でΔtをそれほど短く出来ない場合
には、例えば、3点以上の測定を行い、それらの差の移
動平均を取るなどして、近似的に時間微分を求めること
が出来る。こうして得られた時間微分と電流の比を取っ
て、サンプル弁別の指標とする訳である。時間微分と電
流の比は、所望により、微分/電流であっても良いし、
電流/微分であっても良く、これらに四則演算的に定数
を含めても良い。それらには本質的な違いはなく、後に
述べる比較値の選び方が異なるだけである。時間微分
は、厳密な微分(dI/dt)であっても、近似的な微
分(ΔI/Δt)であっても良く、サンプル弁別の指標
を算出する際にも、電流と時間微分の比が、{I/(d
I/dt)}又は{I/(ΔI/Δt)}であっても、
{(dI/dt)/I}又は{(ΔI/Δt)/I}で
も良いし、これらの比をα、a、bをある定数として、
(a α±b)などとして良い。何故なら、上記のどれ
をサンプル弁別の指標として選んでも本質的な違いはな
く、後に述べる比較値の取り方が異なってくるだけだか
らである。
【0014】サンプル弁別のための他の指標を得るため
の方法として、前記電流とその時間微分の比を複数回算
出して、それらの差を取ることもできる。電流とその時
間微分の比αをn個(n回)算出したとして、そのk番
目、1番目をαk,α1とし、これらの差をΔαとすれ
ば、Δα(k,l)=αk−α1と表すこともできる。但
し、Δα(k,l)の括弧は、k番目とl番目のαの差
であることを表す。この場合も、サンプル弁別の指標を
得るのに符号を変更しても差し支えなく、Δα(k,
l)=αk−α1であっても、Δα(k,l)=α1−αk
であっても良い。また、四則演算的に定数を含めても良
く、c、dをある定数として、{c(Δα)±d}をサ
ンプル弁別のための指標としても良い。何故なら、上記
のどれをサンプル弁別の指標として選んでも本質的な違
いはなく、後に述べる比較値の取り方が異なってくるだ
けだからである。
【0015】これまで説明してきたような方法で得られ
た指標を比較値と比較することにより、サンプルを弁別
することが出来る。前記比較値は、実験的に求められる
値であるので、本法を用いてサンプルを弁別するには、
事前にサンプルがどのような指標値を取るのか調べてお
かなければならない。例えば、指標として電流とその時
間微分の比αを用いるとしてサンプルAとサンプルBを
弁別する際には、サンプルAでα0未満,サンプルBで
α0以上のα値が観察されるというような閾値としてα0
を比較値に選んでおけば良い。このようにして決められ
た比較値をシステムに予め記憶させておけば、実際の測
定時に観察される指標値と比較値との比較によってサン
プル弁別が可能となる。弁別が可能であれば、その結果
を前記システムに表示させることは容易である。
【0016】測定される液体サンプルが血液またはコン
トロール液による場合には、本法を用いてコントロール
液であることを弁別した上で、システムチェックの判定
結果をも併せて表示することが出来る。判定結果の表示
は、○や×、OKやNGなど二者択一式にしても良い
し、コントロールHigh・270mg/dl・OKな
ど具体的に表示しても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下、具体的な実施例により本発明を更に詳
しく説明する。バイオセンサシステムの一例として、血
液サンプルのグルコース濃度を定量するグルコースセン
サシステムについて説明する。グルコースセンサシステ
ムのテストセルであるグルコースセンサは、次のような
構成のものを使用した。PET(ポリエチレンテレフタ
レート)からなる絶縁性の基板上に、スクリーン印刷に
よって、リード(銀)と作用極、対極を含む電極系(カ
ーボン)及び電気絶縁層が形成されている。電気絶縁層
は、作用極及び対極の露出部分の面積を一定とし、かつ
リードを部分的に覆っている。このようにして形成され
た電極部分上に、親水性高分子であるカルボキシメチル
セルロース(CMC)層が形成されている。更にこのC
MC層の上に、酵素としてのグルコースオキシダーゼ
(GOD)と電子伝達体(メディエータ)としてフェリ
シアン化カリウムからなる、酵素及びメディエータ層が
形成されている。(以下CMC層と酵素及びメディエー
タ層を併せて反応層と称する。)更に、カバーとスペー
サーからなるインサートが形成されており、インサート
へサンプルが触れると、毛管現象によって、反応層およ
び電極系へ一定量として約3μLのサンプルが供給され
るようになっている。一方、測定機器としては、汎用の
ポテンショスタット、BAS100B/W(BAS製)
を使用した。通常のバイオセンサシステムであれば、一
つのテストセルにそれ専用の機器が組み合わされて使用
されるが、本実施例では汎用の機器を使用している。し
かしながら、既知技術を用いた簡易な機器であっても、
本実施例の再現実施は容易である。
【0018】測定サンプルは、コントロール液1、コン
トロール液2、血液を用いた。コントロール液1は、防
腐剤として安息香酸、色素として赤色二号とグルコース
が添加された水溶液である。グルコース濃度は、97m
g/dlと325mg/dlの2種類を用いた。コント
ロール液1の性状は、水に近く、比較的粘性が低かっ
た。コントロール液2は、水溶性高分子であるポリビニ
ルピロリドン(PVP)とグルコースの水溶液である。
グルコース濃度は、83mg/dlと256mg/dl
の2種類を用いた。コントロール液2の性状は、比較的
粘性が高かった。血液は、血球成分濃度とグルコース濃
度の異なる6種類を用いた。血球成分濃度(ヘマトクリ
ット値で示す。)とグルコース濃度は、(30%,10
2mg/dl)、(44%,101mg/dl)、(5
8%,103mg/dl)、(28%,268mg/d
l)、(45%,263mg/dl)、(62%,26
6mg/dl)であった。また、抗凝固剤としてヘパリ
ンナトリウムを添加した。これらのサンプルをテストセ
ルの反応層および電極系へ供給して、25秒間電位を印
加せずに静置した。この間、サンプル中のグルコース
が、グルコースオキシダーゼの作用を介して反応層のフ
ェリシアン化カリウムと反応し、フェロシアン化カリウ
ムを生成する。そして、25秒後から5秒間、作用極と
対極の間に500mVの一定電位を、時間に対して矩形
波的に印加し、0.1秒間隔で電流を測定した。この時
観察される電流は、フェロシアン化カリウムからフェリ
シアン化カリウムという逆反応によるものである。この
電流は、最初の反応で生じたフェロシアン化カリウムの
濃度に比例しているので、この電流の測定値がサンプル
のグルコース濃度に対応する。また、この電流は、電位
印加からの時間経過に伴って減衰する減衰電流である。
図1に、時間と印加電位の関係を示す。また、図2に、
コントロール液1のグルコース濃度97mg/dlであ
るものを測定した際の減衰電流を図示する。横軸の時間
単位は秒で、電位が印加された瞬間を0秒としている。
【0019】(演算1)以下に示す方法で、サンプル弁
別のための演算値を得る。尚、本実施例では電圧印加か
らの時間が4秒後の電流を用いているが、これに限定さ
れることはなく、サンプル弁別に適した時間の電流を利
用することが出来る。先ず、測定した減衰電流の4秒後
の値から4.1秒後の電流を減じた差を取り、4秒後電
流の時間微分とした。これは、時間微分の定義式、li
m(Δt→0)={I(t+Δt)−I(t)}/Δt
における、無限小のΔtに代えて、Δt=0.1秒を取
り、符号を入れ替えたものに相当する。こうして得られ
た時間微分を分母、4秒後電流を分子とした比の値を取
り、これを弁別指標α4にした。α4の添え字の4は、4
秒後電流から得られた指標であることを示す。表1に各
サンプルにおける指標α4の値を示す。尚、コントロー
ル液1およびコントロール液2のデータは、それぞれ、
測定数30の結果であり、血液のデータは、測定数90
の結果である。表1にサンプル別のα4値を示す。
【表1】 表1からは、コントロール液1の最小値の方が血液の最
大値よりも大きいため、例えば、比較値として110を
選べば、比較値110よりも大きいα4値を示すものを
コントロール液1、小さいものを血液として両者を弁別
することが出来る。同様にして、コントロール液1とコ
ントロール液2も弁別可能である。しかし、コントロー
ル液2と血液では、コントロール液2の最大値が血液の
最小値よりも大きいために、弁別が不能である。
【0020】(演算2)次は、演算1と同様にして得ら
れる電流とその時間微分の比αt(t秒後電流から得ら
れるαの意)を複数求め、それらの差をサンプル弁別の
ための指標値とする場合について説明する。0.5秒、
2秒について、α0.5,α2を求める。式で表せば、それ
ぞれ、α0.5=I0.5/(I0.5−I0.6) α2=I2/(I2−I2.1)と表せる。これらを求めてお
いて、次に、これらの差を取る。本実施例では、α2
らα0.5を減じた差を取った。t2秒のαt2とt1秒のα
t1の差をΔα(t1,t2)のように表すとして、本実施
例での演算を式で表すと、Δα(0.5,2)=α2
α0.5={I2/(I2−I2.1)}−{I0.5/(I0.5
0.6)}となる。表2に各サンプルにおけるΔα
(0.5,2)の値を示す。尚、基としたデータは、演
算1に用いたものと同一で、コントロール液2のデータ
は、測定数30の結果であり、血液のデータは、測定数
90の結果である。
【表2】 表2からは、コントロール液2の最大値の方が血液の最
小値よりも小さいため、例えば、比較値として30を選
べば、比較値30よりも小さいΔα(0.5,2)値を
示すものをコントロール液2、大きいものを血液として
両者を弁別することが出来る。
【0021】以上の結果から、コントロール液1,コン
トロール液2および血液の3サンプルを弁別することが
可能となる。すなわち、本実施例に於いては、Δα
(0.5,2)の値が30未満であればコントロール液
2であると判定し、30以上であれば血液あるいはコン
トロール1であると判定し、更にα4の値が110未満
であれば血液で110以上であればコントロール液1で
あると判定することが出来る。これにより、コントロー
ル液1,コントロール液2および血液の3サンプルを弁
別出来たことになる。
【0022】これまでに述べてきた様な方法によって、
サンプル弁別が可能となるので、弁別結果を表示するこ
との出来るバイオセンサシステムを構築するのは容易で
ある。また、コントロール液を用いたシステムチェック
の結果表示は、本法によって測定されたサンプルがコン
トロール液であることが弁別できるので、予めシステム
にコントロール液の正常範囲電流値を記憶させておけ
ば、濃度を調べるための電流測定の結果とその正常範囲
電流値を比較した結果を表示することも可能になる。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法を用いることによって、使
用者に負担を掛けずコントロール液を測定した際には機
器が自動的に血液サンプルなどの通常サンプルではな
く、コントロール液であることを弁別してこれを表示
し、使用者側の誤認識を防ぐことの出来るバイオセンサ
システムを構築することが出来る。併せて、煩雑な作業
を伴うこと無しにコントロール液によるシステムチェッ
クの結果を知ることの出来るバイオセンサシステムを構
築することが出来る。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】 時間と印加電位の関係を表すものである。
【図2】 グルコース濃度97mg/dlであるものを
測定した際の減衰電流を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流を測定することによって液体サンプ
    ルの分析対象物濃度を定量するバイオセンサシステムに
    用いられる方法であって、測定した電流とその時間微分
    の比を算出することを特徴とするサンプル弁別の方法。
  2. 【請求項2】 前記測定した電流とその時間微分の比を
    複数回算出することを特徴とする請求項1に記載のサン
    プル弁別の方法。
  3. 【請求項3】 前記複数回算出された比の任意の2つの
    差を算出することを特徴とる請求項2に記載のサンプル
    弁別の方法。
  4. 【請求項4】 前記算出された比を予めシステムに記憶
    された所定の比較値と比較し、その結果を表示すること
    を特徴とする請求項1に記載のサンプル弁別の方法。
  5. 【請求項5】 前記複数回算出された比をそれぞれ予め
    システムに記憶された所定の比較値と比較し、その結果
    を表示することを特徴とする請求項2に記載のサンプル
    弁別の方法。
  6. 【請求項6】 前記算出された複数の比の任意の2つの
    差を予めシステムに記憶された所定の比較値と比較し、
    その結果を表示することを特徴とする請求項3に記載の
    サンプル弁別の方法。
  7. 【請求項7】 前記液体サンプルが血液あるいはコント
    ロール液である請求項1から6のいずれかに記載のサン
    プル弁別の方法。
  8. 【請求項8】 コントロール液によるシステムチェック
    の判定結果を表示することを特徴とする請求項4から7
    のいずれかに記載のサンプル弁別の方法。
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