JPH11231128A - 高吸収性を有する光吸収被覆部 - Google Patents

高吸収性を有する光吸収被覆部

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JPH11231128A
JPH11231128A JP10341980A JP34198098A JPH11231128A JP H11231128 A JPH11231128 A JP H11231128A JP 10341980 A JP10341980 A JP 10341980A JP 34198098 A JP34198098 A JP 34198098A JP H11231128 A JPH11231128 A JP H11231128A
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optically
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JP10341980A
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Etienne Quesnel
ケスネル エチエンヌ
Patrick Chaton
シャトン パトリック
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Commissariat a lEnergie Atomique CEA
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収体被覆部の層中の応力に関係する機械的
不安定化の危険を最小にしながら、可視光線ないし近赤
外線範囲において95%を越える吸光度を持つ多層被覆
部を提供する。 【解決手段】 基体上に形成され、可視光線ないし近赤
外線の所定のスペクトル範囲の光を吸収する被覆部にお
いて、所定のスペクトル範囲において吸収性を持つ金属
薄層と、所定のスペクトル範囲において透過性を有し、
上記金属薄層上に形成された誘電体層とを具備せしめ、
金属薄層を、光学的に不連続、つまりその屈折率がバル
ク状態の金属の屈折率より大きく、その吸光係数がバル
ク状態の金属の吸光係数よりも小さいものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光吸収性の被覆部
に関する。これは可視光線及び/又は近赤外線スペクト
ル範囲で吸収機能を有する薄い多層被覆部である。本発
明は、寄生反射を制限し、異なる検出チャンネル、表示
スクリーン及び光学ディスクにおける分離を改善するた
めに、特に影像に利用できるもので、ここでの被覆部の
機能はコントラストを改善することにある。
【0002】本発明は、特に: − 宇宙での利用のために設計された光学システム、 − 高精度影像(遠隔計測)、 − 平面液晶ディスプレイ又はマイクロチップディスプ
レイ、及び − 高解像度テレビに利用できる。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】吸収体
コーティング(可視光線ないし近赤外線の範囲におけ
る)を形成する従来の一つの方法は、被覆層に侵入する
光の最大量をトラップし、できれば反射光を制限するこ
とからなる。大抵の場合、寄生反射は広いスペクトル範
囲を持つ反射防止(AR)層を吸収体層上に付着せしめ
ることにより制限されている。このようにして形成され
た全体構造は、基体側あるいは空気側からの光の反射を
制限するために必要に応じて対称なものとされる。
【0004】要求される性能に応じて、3種の主な範疇
の構造に区別される: 1) 基体/吸収体層/空気タイプの構造、 2) 基体/吸収体層/AR層/空気タイプの構造、 3) 基体/AR層/吸収体層/AR層/空気タイプの
構造、である。
【0005】高度に反射性の不透光な金属層が基体上に
前もって付着せしめられ、これらの構造を通過する光の
伝播が制限される。非常に広範囲の技術と材料が、しば
しば「ブラックマトリックス」と称される吸収体層を形
成するために使用される。最も頻繁に用いられる製造方
法は、吸収体顔料が加えられた(高分子、樹脂又はガラ
ス製の)母層を用いるものである。これらの吸収体顔料
は、例えば酸化鉄、アルミン酸コバルト又はグラファイ
ト系の化合物である。
【0006】この種の複合吸収体層を付着するために用
いられる技術には非常にしばしば圧延が含まれる。しか
し、表面の吸収性を改善するには、電着、真空蒸着、あ
るいはアノード酸化、か焼あるいはレーザアニーリング
のような他の方法がある。一つの既知の方法は、得られ
る色が黒色となるように調整された組成物で電解槽を用
いて行なう電着により得られる黒色クロム製の吸収体層
を用いるものである。
【0007】この技術は、他の文献と同様に本明細書の
最後に参考文献として記載した文献1に記載されてい
る。我々は特に真空蒸着法を考える。
【0008】この場合、吸収体層は、誘電性材料、特に
酸化物をベースとした薄い積層を持つ干渉構造中に一般
に挿入される。構造としてはタイプ2とタイプ3があ
る。反射防止機能は、常套的には高い屈折率と低い屈折
率(optical index)nを交互に有する複数層によって
もたらされる。これは、例えばTiO層(nはおよそ
2.4に等しい)とSiO層(nはおよそ1.5に等
しい)又はMgF層(nはおよそ1.39に等しい)
を用いてなされる。
【0009】これらの層の層厚は数十ミクロンのオーダ
であり、スペクトル幅と帯域の中心波長又は反射防止機
能はこれらの積層方法に支配される。実際の吸収体層の
製造に対して幾つかの解決方法が提案されている。吸収
体層はしばしば自然に吸収性を持つ酸化物あるいは付着
時に酸素欠乏を作り出すことにより吸収性とされた酸化
物(サブ化学量論的酸化物)からなる。例えば、本来的
に吸収性の化合物には、酸化インジウム、酸化タングス
テン、酸化クロム、酸化スズが含まれ(文献2参照)、
又は酸化バナジウムさえも含まれる。
【0010】これらの様々な化合物のなかでもCr
、InO及びSnO酸化物が黒色であることが特
に留意されるべきである。サブ化学量論的酸化物に関し
ては、その安定な形態で透過性である大抵の化合物が、
化合物に酸素欠乏を形成すると吸収性になる。例えば、
文献3において推奨されているニッケル酸化物NiOx
がしかりであり、これは反射防止構造の二重TiO
SiO/NiOx/TiO/SiOタイプに挿入
される。
【0011】Cr/誘電性吸収体/AR層からなる複数
の積層構造からなる文献4において提案されている構造
もまた参照のこと。そして、吸収体層は、好ましくは酸
化マンガン又は酸化クロムもしくは酸化鉄あるいは場合
によっては分散クロムを含むシリカからなる。窒化物
(文献3に記載されたTiNとZrN)のような他の材
料が有用な吸収体層を形成しうる。
【0012】特に、窒化チタン層TiNxは、xの値に
応じて、緑−青銅色から黄金色の広い範囲の色を呈する
ことはよく知られている。例えばSiGe化合物のよう
な更に変わった吸収体材料の使用もまた考えられる(文
献5参照)。
【0013】吸収体積層体Cr/Cr/Cr/C
もまた液晶スクリーンのコントラストを改善す
るために使用され(文献6参照)、これは10nmから
数10nmまで変わる厚みを持つ層を含む。
【0014】吸光係数kが可視光線ないし近赤外線範囲
において通常は約10−1以下である多かれ少なかれ吸
収性である材料を用いて一般に光は吸収される(kは透
過性の誘電体に対しては10−4から10−5のオーダ
ーである)。この場合、擬似全吸収性の層を形成するこ
とが必要とされる場合は、少なくとも1μmに等しい厚
みの層を用い、これに空気/層界面における反射を制限
する反射防止層を設けなければならない。
【0015】吸収率を最大にするより良い方法は、クロ
ムの吸光係数kが高いので(kは可視光線範囲で4であ
る)、NのCr層とNのCr層を交互に形成した
吸収構造を用いることである。可視光線範囲の入射光線
の少なくとも95%を吸収するには数対のCr/Cr
対が積層される必要があり(N>2)、クロムと酸
化クロムの総厚は少なくとも100nmから200nm
である。
【0016】この構造の厚みは、必要とされる吸収率が
100%に近くなればなるほど増加しなければならな
い。従って、機械強度の問題のため性能には限界があ
る。クロムの薄層は最も応力を受ける金属の層であり、
このためその厚みは典型的には200nmが限界である
ことがよく知られている(文献7参照)。この厚みを越
えると、層にひびが入り分離する。
【0017】従って、吸収体の機械的安定性を確保する
には、可能な限り最も薄い多層構造を用い、低応力の材
料を用いることが必要である。
【0018】本発明の目的は、吸収体被覆部の層中の応
力に関係する機械的不安定化の危険を最小にしながら、
可視光線ないし近赤外線範囲において高吸収性能(95
%を越える吸光度)を持つ多層被覆部を設計することで
ある。本発明は、光学的に不連続である特定の特徴を持
つ、吸収部材として少なくとも一の金属薄層を具備する
吸収体多層構造を達成する。特に、以下の実施例でみる
ように、これは、可視光線ないし近赤外線範囲において
97%と99%の間の吸光度をもたらしながら、吸収体
の全体厚を200nm未満に制限する。
【0019】
【課題を解決するための手段】特に、本発明の目的は、
基体上に形成され、可視光線ないし近赤外線の所定のス
ペクトル範囲の光を吸収する被覆部であって、− 上記
所定のスペクトル範囲において吸収性を有する少なくと
も一の金属薄層と、− 上記所定のスペクトル範囲にお
いて透過性を有し、上記金属薄層上に形成された少なく
とも一の誘電体層とを具備し、上記金属薄層が、上記所
定のスペクトル範囲において、光学的に不連続、つまり
その屈折率がバルク状態の金属の屈折率より大きく、そ
の吸光係数がバルク状態の金属の吸光係数よりも小さい
ものとされた被覆部にある。
【0020】「バルク状態の金属」とは、少なくとも1
μmの厚みを持つ該金属の非常に薄い層を意味する。本
発明に係る被覆部の特定の一実施態様にあって、被覆部
の吸収性を増大させるために、該被覆部には、少なくと
も2層の光学的に不連続な金属薄層が具備せしめられ、
誘電体層が基体から最も離れた金属薄層上に形成されて
いる。
【0021】本発明に係る被覆部は、基体と該基体に最
も近い金属薄層の間に光学的に連続な厚い金属層を更に
具備する。この関連するスペクトル範囲では、この薄層
の屈折率は対応するバルク状態の金属の屈折率にほぼ等
しく、この薄層の吸光係数は対応するバルク状態の金属
の吸光係数にほぼ等しい。
【0022】基体上に形成された光学的に連続なこの金
属層の機能は、光の透過を防止し吸収体層(1層又は複
数層)に向けて光を反射させることである。この光学的
に連続な金属層がアルミニウムで形成されているとき、
アルミニウムの厚みが50nm以上であると、可視光線
範囲において10−3未満の透過係数が得られる。
【0023】基体側と空気側で同じ光学的機能を果たす
ように、「対称」である本発明に係る被覆部を形成する
ことができる;本発明に係る被覆部は、基体から順に第
1の誘電体層、第1の光学的に不連続な金属薄層、第2
の誘電体層、光学的に連続な厚い金属層、第2の光学的
に不連続な金属薄層及び第3の誘電体層を具備するもの
とできる。
【0024】光学的に連続な厚い金属層は、好ましくは
所定のスペクトル範囲で透過性の酸化物MxOyを含む
金属Mである。光学的に連続な厚い金属層におけるこの
金属は、チタン、ハフニウム、クロム、ニオブからなる
群から選択されるが、アルミニウムが(可視光線範囲で
5から8のオーダーの)高吸光係数を有しているので、
より好ましい。
【0025】本発明に係る被覆部において、各誘電体層
は考慮下のスペクトル範囲で誘電性と透過性を有する酸
化物層から選択することができる。しかし、これら酸化
物以外の化合物も、利用する必要があれば使用すること
ができる。例えば、所定のスペクトル範囲において透過
性を有する誘電性フッ化物を用いることができる。
【0026】本発明の性能上好適な一実施態様では、光
学的に不連続な各金属薄層は、約15nm以下の厚みの
アルミニウム層であり、被覆部は光学的に不連続な該層
が上に形成されているアルミナ層を更に含む。本発明に
係る被覆部を得るためになされる積層構造の選択は、最
大の吸収率が必要とされるスペクトル帯域に依存するこ
とに留意すべきである。
【0027】この選択は、考慮されている用途において
許容される残留反射レベルにも依存する。従って、本発
明の一つの特徴は、被覆部の光学的性能が特定の要求に
応じて調節し得ることである。上述の好適な実施態様の
場合においては、次のタイプの本発明に係る被覆部が形
成される:基体/光学的に連続な金属層/アルミナ層/
光学的に不連続なアルミニウム層/誘電体層。次のタイ
プの被覆部が吸光度を増大させるために本発明に従って
形成される:基体/光学的に連続な金属層/アルミナ層
/光学的に不連続なアルミニウム層/・・・/アルミナ
層/光学的に不連続なアルミニウム層/誘電体層で、こ
こで「アルミナ層/光学的に不連続なアルミニウム層」
パターンが少なくとも2回繰返される。
【0028】次のタイプの「対称」構造を持つ本発明に
係る被覆部が形成される:基体/誘電体層/アルミナ層
/光学的に不連続なアルミニウム層/誘電体層/光学的
に連続な金属層/アルミナ層/光学的に不連続なアルミ
ニウム層/誘電体層。
【0029】本発明に係る被覆部は、好ましくは層の真
空蒸着により形成される。これらの層の典型的な厚み
は、光学的に不連続なアルミニウム層に対しては数ナノ
メータであり、例えばAlのような各誘電体層と
光学的に連続な金属層では数十もしくは数百ナノメータ
である。金属の薄い厚さを制御するには、ゆっくりした
安定な付着法が用いられなければならない。
【0030】イオンアトマイゼーション法(陰極又はイ
オンビーム)が本発明に特によく適合する。均一な「ア
ルミナ層/光学的に不連続なアルミニウム層」タイプの
吸収構造を用いる利点は、金属層から酸化物層への変更
が、被覆部が形成されている格納容器中に酸素を加える
ことにより容易にできることにある。この場合、層付着
装置は、希ガス雰囲気及び希ガスと酸素の混合雰囲気中
でアトマイゼーションが引き続いてなされる真空容器中
に配される一つの金属アトマイゼーション標的を具備す
れば足りるので、特に簡易である。
【0031】本発明の進歩性ある特徴の一つは、一又は
幾つかの光学的に不連続な金属薄層の使用にあり、ここ
で、光学的定数n及びkはバルク金属のものあるいは該
金属の薄層のもの(バルク金属の値とはあまり異ならな
い)とは非常に異なる。文献8はアルミニウムの薄層に
対する光学的定数についての情報を含む。
【0032】少なくとも一つの光学的に不連続な金属薄
層を用いると、光学的に連続な金属層を用いた場合より
も顕著に高い高吸光度を誘起する。本発明に係る被覆部
の他の利点は、それが薄いことにある。アルミニウム及
びアルミナを好適に用いると被覆部層の機械応力も制限
する。従って、次の処理が損傷なしに行なえる完全な結
合構造が得られる。例えば、被覆部に開口部のイオンエ
ッチング又は「リフトオフ」タイプのエッチングを行な
い、よって局所ダイアフラムの境界を特定することが可
能である。
【0033】吸光機能を著しく変更させることなく30
0℃から400℃のオーダーまでの温度で熱処理を行な
うこともでき、アルミナが拡散障壁として作用する。本
発明に係る被覆部の薄い厚みからもたらされる他の効果
は、可視光線範囲では典型的には1%未満である表面拡
散の制限である。これは、目的が光学システムにおける
寄生光の制限である場合は重要である。
【0034】
【発明の実施の形態】光学的に不連続なアルミニウム薄
層の好適な例を考えると、この層の不連続性により、あ
る与えられた波長においてバルクのアルミニウムの屈折
率より非常に大なる屈折率nとなる。図1は、波長63
2.8nmに対する薄層の厚みeの関数としての、アル
ミニウム層の屈折率nの変化を示す。
【0035】黒い四角はガラス製の基体のタイプBK7
上のアルミニウム層に該当し、白い四角はガラス製の基
体のタイプBK7上にそれ自身が形成されたアルミナ層
上のアルミニウム層に該当する。黒丸は、50nmより
大きい厚みtを持つ不透光なアルミニウム薄層の屈折率
に該当する(文献8参照)。
【0036】基体又は光学的に不連続な層が上に形成さ
れた層の性質とともに変動する光学的不連続性が所定の
厚みに対して見られることが分かる。アルミニウムがガ
ラス上に付着せしめられれば、アルミニウム層は、その
厚みが10nmを超えると光学的に連続である。
【0037】アルミニウムが、それ自身がガラス層上に
付着せしめられたアルミナ層上に付着せしめられれば、
アルミニウム層は15nm未満で光学的に不連続にな
る。換言すれば、アルミナ層上にアルミニウム層を形成
するとアルミニウム層の光学的不連続性を改善する。
【0038】図1において、白い三角は、ガラス製の基
体のタイプBK7上にそれ自身が形成されたTiO
上に形成されたアルミニウム層に該当する。対応する屈
折率は、ガラス上に形成された同じ厚みのアルミニウム
層の屈折率と非常に類似していることが分かる。
【0039】例えばSiO、TiO、AlO又は
Crのような酸化物の層上に付着せしめられたア
ルミニウム層を持つ本発明に係る非常に吸光性の高い被
覆部を得るには、このアルミニウム層の厚みが10nm
を越えてはならない。図2は、波長632.8nmに対
するアルミニウム層の厚みtの関数としての吸光係数k
の変化を表す。
【0040】黒い四角はガラス製の基体のタイプBK7
上のアルミニウム層に該当し、白い四角はガラス製の基
体のタイプBK7上にそれ自身が形成されたアルミナ層
上のアルミニウム層に該当する。黒丸は、50nmより
小さい厚みtを持つ不透光なアルミニウム薄層の屈折率
に該当する(文献8参照)。
【0041】アルミニウム層が光学的に不連続になる
と、アルミニウム層の吸光係数の急激な降下が見られ
る。この係数kはバルクのアルミニウムの値よりも非常
に少なくなる。nとkの測定は表面プラズマ法を用いて
なされ、この方法は文献9に詳細に記載されている。
【0042】図3は、300nmから1300nmまで
変化するスペクトル範囲の波長λの関数としてのアルミ
ニウム層の屈折率の変化を示す。白丸は50nmより大
きい(対応する値が文献8に示されている)厚みを持つ
アルミニウム層に該当し、黒い四角はガラス基体のタイ
プBK7上に形成された10nm厚のアルミニウム層に
該当し、白い四角は、ガラス製の基体BK7上にそれ自
身が形成された100nm厚のアルミナ層上に形成され
た10nm厚のアルミニウム層に該当する。
【0043】図4は、同じスペクトル範囲(300nm
から1300nm)の波長λの関数としてガラス層タイ
プBK7上に付着せしめられたアルミニウム層の吸光係
数kの変化を示している。白丸は50nmより大きい厚
みtを持つアルミニウム層に該当し(文献8)、白い四
角は27nm厚のアルミニウム層に該当し、白い三角は
光学的に不連続と思われる7.5nm厚のアルミニウム
層に該当する。
【0044】バルクのアルミニウム(あるいは厚いアル
ミニウム層)と比較して屈折率及び吸光係数の間の大な
る差異は考慮下の全スペクトル範囲に対して一致してい
る。
【0045】図5は本発明に係る被覆部の部分的な概略
断面図である。図5の被覆部は、数十ナノメーターオー
ダーの厚みの厚い金属層4と、二三十ナノメーターオー
ダーの厚みのアルミナ層6と、15nm以下の厚みの光
学的に不連続な薄いアルミニウム吸収体層8と、誘電体
層10とを順に基体2上に含んでなるものである。この
例では、光Iは誘電体層10を通って被覆部内に侵入す
る。被覆部の吸光性のために、反射光Rの量は非常に少
ない。
【0046】吸光被覆部のスペクトル応答は誘電体層1
0とアルミナ層の厚みを選択することにより調節でき
る。例えば、450nmから950nmのスペクトル範
囲内で完全に不透光で反射しない図5の被覆を、タイプ
BK7のガラス製基体2上に行なうことができ、アルミ
ニウム層4とアルミナ層10が選択され、層4、6、8
及び10の厚みは、それぞれ50nm、64nm、8n
m及び70nmである。
【0047】これにより、98%以上のスペクトル範囲
の吸光度を持ち、2%以下の反射係数を持つ被覆部が得
られる。8nm厚の層8がバルクのアルミニウムの光学
的定数を持つと仮定したことを除いて、この被覆部と同
一の被覆部の吸光度を、この種の被覆部の効果を実証す
るために計算した。
【0048】これらの条件下で、層8の光学的不連続性
は、平均で55%、吸光度を増大させ得ることが見出さ
れた。図5の本発明に係る被覆部の積分光学拡散値が測
定され、得られた値は波長633nmで0.97%であ
った。比較すると、黒色の吸収体ペイントが5%の典型
的なレベルで光を拡散する。
【0049】本発明に係る他のより吸収性の被覆部が図
6に模式的に示されており、この被覆部と図5に示した
被覆部の間の唯一の差異は、層8と層10の間に例えば
64nm厚のまた他のアルミナ層7が層8上に形成され
ており、例えば8nm厚の光学的に不連続なアルミニウ
ムの薄層9が層7上に形成され、ついで層10が層9上
に形成されていることである。
【0050】アルミニウム層4は、例えば70nm厚の
クロムの不透光層に置き換えることができる。これらの
条件下で、図5の構造の吸光度は、450nmと950
nmの間の全スペクトル範囲にわたって少なくとも9
8.7%に等しくすることができ、被覆部の反射応答
は、入射角が40度未満のままであれば、入射角に対し
て特に感度が高くはないことも見出された。
【0051】ある応用では、寄生反射を制限するには金
属バッフルが処理されることが必要である。これらのバ
ッフルは、例えばステンレス鋼又はアルミニウムからな
り、本発明に係る被覆部により効果的に処理することが
できる。
【0052】この被覆部は図7の断面図に模式的に示さ
れており、そこではバッフルは参照番号12で示されて
いる。図5の説明において記載されている3つの層6、
8、10の積層体はこのバッフル12上に形成される。
【0053】この積層体に対して上記した厚みでは、1
42nmの厚みの極めて薄い層が得られ、これが拡散に
よる光学的損失を制限し、金属バッフルの板の非常に固
着性の処理をもたらすが、これは厚い黒色ペイントタイ
プの処理では起こらない。
【0054】本発明に係る他の被覆部は図8に断面図と
して模式的に示されている。図8のこの被覆部はサファ
イア基体14上に形成されており、この基体14から始
まって、順にTiO層16、アルミナ層18、薄い光
学的不連続アルミニウム層20、アルミナ層22、そし
て更に図5に記載されたアルミニウム層4、アルミナ層
6、光学的に不連続なアルミニウム層8及びアルミナ層
10を含む。図8の例では、層16、18、20、2
2、4、6、8及び10の厚みは、それぞれ26nm、
20nm、8nm、83nm、50nm、64nm、8
nm及び70nmに等しい。
【0055】図8に示される該吸収体の第2の部分(空
気側の層4から10)は図5の例の吸収体と同一であ
り、よって空気側の光学的応答は同じである。サファイ
ア側では、サファイアにおける反射係数が450nmと
950nmの間では3.5%を越えない。図8の吸収体
の厚みは少なく、338nmに等しく、この二重吸収体
は、この薄い厚みと用いられる材料における限られた機
械応力のために彫り込まれてもよい。
【0056】本発明により、次のものが得られる: − なお非常に吸収性のある、非常に薄い多層被覆部
(0.25μm未満の厚み)、 − 可視光線範囲から近赤外線範囲まで変化する非常に
広いスペクトル範囲、特に450nmから950nmの
スペクトル範囲にわたる(95%を越える吸収損失を持
つ)完全に不透光な被覆部で、その光学的性能が入射角
に対してあまり感度がない、 − 光学的性能とスペクトル範囲の幅がその層の積層方
法を変更することにより調節される吸収体被覆部、 − 僅かに拡散が残る非常に吸収性の被覆(拡散係数は
可視範囲で1%未満)、及び − アルミニウム及びアルミナのような僅かに応力を受
けた金属及び誘電性材料の使用のためにプラズマ又は
「リフトオフ」法により彫り込むことができる非常に吸
収性の被覆部。
【0057】次の文献が本明細書において言及されてい
る。 1. 欧州特許出願第88300048号,COUNCIL SC
IE IND RES (1989) 2. 日本特許第54133134号,CANON KK (19
79) 3. R.E. Laird, J.D. Wolfe, C.K. Carniglia, Proc
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waves for determination of the thickness and optic
al constants of thin metallic films, Opt. Soc. of
America, 第71巻、第2号、1981年2月
【図面の簡単な説明】
【図1】光学的に不連続な金属層と光学的に連続な同じ
金属の層に対しての、所定の波長での厚みの関数として
表した屈折率の値を示す。
【図2】光学的に不連続な金属層と光学的に連続な同じ
金属の層に対しての、所定の波長での厚みの関数として
表した吸光係数の値を示す。
【図3】所定の金属の厚みでの波長の関数として表した
屈折率の値を示す。
【図4】所定の金属の厚みでの波長の関数として表した
吸光係数の値を示す。
【図5】本発明に係る吸収体被覆部の一部を示す概略断
面図である。
【図6】本発明に係る吸収体被覆部の一部を示す概略断
面図である。
【図7】本発明に係る吸収体被覆部の一部を示す概略断
面図である。
【図8】本発明に係る吸収体被覆部の一部を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
2,12,14 基体 7,10,22 誘電体層 8,9,20 金属薄層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体(2,12,14)上に形成され、
    可視光線ないし近赤外線の所定のスペクトル範囲の光を
    吸収する被覆部において、 − 上記所定のスペクトル範囲において吸収性を持つ少
    なくとも一の金属薄層(8,9,20)と、 − 上記所定のスペクトル範囲において透過性を有し、
    上記金属薄層上に形成された少なくとも一の誘電体層
    (7,10,22)とを具備し、 上記金属薄層が、上記所定のスペクトル範囲において、
    光学的に不連続、つまりその屈折率がバルク状態の金属
    の屈折率より大きく、その吸光係数がバルク状態の金属
    の吸光係数よりも小さいことを特徴とする被覆部。
  2. 【請求項2】 少なくとも2層の光学的に不連続な金属
    薄層(8,9)を具備し、上記誘電体層(10)が基体
    (2)から最も離れた金属薄層上に形成されている、請
    求項1に記載の被覆部。
  3. 【請求項3】 基体(2)と該基体に最も近い金属薄層
    (8)の間に光学的に連続な厚い金属層(4)を更に具
    備する、請求項1に記載の被覆部。
  4. 【請求項4】 基体(14)から順に第1の誘電体層
    (16)、第1の光学的に不連続な金属薄層(20)、
    第2の誘電体層(22)、光学的に連続な厚い金属層
    (4)、第2の光学的に不連続な金属薄層(8)及び第
    3の誘電体層(10)を具備する、請求項1に記載の被
    覆部。
  5. 【請求項5】 光学的に連続な厚い金属層(4)は所定
    のスペクトル範囲で透過性の酸化物MxOyを持つ金属
    Mである、請求項3に記載の被覆部。
  6. 【請求項6】 光学的に連続な厚い金属層(4)におけ
    る金属は、チタン、ハフニウム、クロム、ニオブ及びア
    ルミニウムからなる群から選択される、請求項5に記載
    の被覆部。
  7. 【請求項7】 各誘電体層(10,16,22)は考慮
    下のスペクトル範囲で誘電性と透過性を有する酸化物層
    とフッ化物層から選択される、請求項1に記載の被覆
    部。
  8. 【請求項8】 光学的に不連続な各金属薄層は約15n
    m以下の厚みのアルミニウム層(8,9,20)であ
    り、被覆部は光学的に不連続な該層が上に形成されてい
    るアルミナ層(6,7,18)を更に含む、請求項1に
    記載の被覆部。
  9. 【請求項9】 光学的に連続な厚い金属層における金属
    (4)は、所定のスペクトル範囲で透過性の金属酸化物
    MxOyを含む金属Mである、請求項4に記載の被覆
    部。
  10. 【請求項10】 光学的に連続な厚い金属層(4)にお
    ける金属は、チタン、ハフニウム、クロム、ニオブ及び
    アルミニウムからなる群から選択される、請求項9に記
    載の被覆部。
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