JPH11233368A - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

コンデンサおよびその製造方法

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JPH11233368A
JPH11233368A JP10026953A JP2695398A JPH11233368A JP H11233368 A JPH11233368 A JP H11233368A JP 10026953 A JP10026953 A JP 10026953A JP 2695398 A JP2695398 A JP 2695398A JP H11233368 A JPH11233368 A JP H11233368A
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Japan
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dielectric layer
hydrophobicity
capacitor
thin film
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JP10026953A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Saito
俊晴 斎藤
Sachiko Maeda
幸子 前田
Motoi Kitano
基 北野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏れ電流が小さい小型・大容量の新しいタイ
プの有機フィルムコンデンサおよびその製造方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 粗面化した導電体であるエッチドアルミ
ニウム箔電極1表面上に電着によりポリカルボン酸系樹
脂からなる薄膜を設け、さらに疎水性を高めて疎水層を
有したポリカルボン酸系樹脂薄膜2の誘電体層を形成
し、前記誘電体層の表面上に対極として更に導電体層で
ある第1のポリピロール層3、第2のポリピロール層
4、集電体層5を形成することにより、漏れ電流の小さ
い小型・大容量有機フィルムコンデンサを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器・電子機
器・音響機器の電子回路などに用いるコンデンサに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機器の小型化・薄型化・軽量化、
および電気機器回路の高密度化・デジタル化に伴い、電
子部品に対する小型化、高性能化、高信頼性化の要望が
ますます高まってきている。そのような情勢の中で、コ
ンデンサも同様に小型で大容量を有し、かつ高周波領域
でのインピーダンスの低いものが強く要求されている。
【0003】高周波領域でインピーダンスが低いコンデ
ンサには、種々のセラミックスや高分子フィルムを誘電
体としたセラミックコンデンサやフィルムコンデンサな
どがあるが、高い静電容量を得るには、形状が大きくな
り、価格も高くなる。
【0004】一方、アルミニウムの酸化皮膜を誘電体と
したアルミ電解コンデンサは、小型で大容量を有する
が、高周波領域におけるインピーダンスや誘電特性が前
記のセラミックコンデンサやフィルムコンデンサに比べ
劣る。そこで、高周波特性を改善するために、アルミ電
解コンデンサの駆動用電解液部分をそれよりも導電性の
高い二酸化マンガンやポリピロールなどの固体材料に置
き換えたアルミ固体電解コンデンサが開発されている。
しかし、いずれにしてもアルミ電解コンデンサは誘電体
の酸化皮膜に極性があるために、交流回路で使用するこ
とは困難である。
【0005】さらに、エッチドアルミニウム箔表面上に
アルミニウムの酸化皮膜ではなく、電着法によりポリイ
ミド皮膜を形成させ、さらにその表面上に導電性高分子
を形成させた新しいタイプの小型・大容量フィルムコン
デンサの製造方法も提供されている(例えば、特開平4
−87312号公報参照)。この発明は、誘電体である
ポリイミドの無極性、低誘電正接という長所を維持しつ
つ、静電容量の拡大を図ったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記発明
においては、ポリイミド皮膜を形成させる際のポリアミ
ック酸塩溶液の溶媒に、ジメチルホルムアミドやメタノ
ールなどの有機溶剤を用いている。このような有機溶剤
を多量に含む電着液に電圧を印加するのは、安全性に問
題があり、なおかつ有機溶剤の人体への有害性も考慮が
必要である。さらに、水に比べてコストが高いという工
業的大量生産には、不向きである点も多い。
【0007】そこで、本発明者らは、工業的に使用容易
な水系の電着液を用いて、代表的なポリカルボン酸系樹
脂であるポリアクリル酸樹脂誘電体を粗面化した導電体
電極表面上に形成し、その誘電体層表面上に対極を設け
たコンデンサおよびその製造方法を提案した(特開平9
−115767号公報参照)。
【0008】そして、前記発明の方法で、アスペクト比
の大きい孔(孔径:1〜3μm、孔の長さ:30〜50
μm)を多数有するエッチドアルミニウム箔(厚さ:約
100μm)の表面上に、ポリカルボン酸系樹脂を形成
し、コンデンサとしての特性の評価をこれまで種々行っ
てきた。その結果、漏れ電流が大きいという欠点を改善
しなければならないという課題が残されていた。
【0009】樹脂外装する前の状態で試作コンデンサの
漏れ電流特性を多数測定した結果、漏れ電流は、乾燥不
十分であると大きくなり、乾燥を十分行うと小さくなる
ことがわかった。また、乾燥を十分行ったものでも、短
時間で水分が吸着し、漏れ電流が増大することがわかっ
た。
【0010】上記のように微小な吸着水分によって漏れ
電流が大きくなるのは、誘電体表面に吸着した水分中の
水素イオン(H+)が電気伝導に関与しているものと考
えられる。また、高分子構造中の水素結合性の水素も、
電気伝導に関与し易いことが知られている。このような
水分の吸着能や水素イオン伝導には、電着膜の構造や性
質が大きく反映する。
【0011】電着法では、溶液中の高分子をイオン化
(帯電)させ、電気泳動させることにより、導電体電極
表面上に膜を付着させる。そのためアニオン電着法で
は、溶液中でマイナスに帯電するカルボン酸基を少なく
とも一つは有するポリカルボン酸系樹脂を用いるのが一
般的である。電着法で形成したポリカルボン酸系樹脂誘
電体膜は、通常のフィルムコンデンサに用いられている
ポリプロピレンなどと比べると、水酸基やカルボン酸基
などの極性基を持つことから、イオン性が強く、なおか
つ水素結合性も強い。これらの極性基は、熱処理時の硬
化剤との架橋反応によりいくらかは減少させることは可
能であるが、それでも純粋なポリプロピレンと比べる
と、前記電着誘電体膜は水素結合性の水素を有し、なお
かつ水分も吸着させやすい。
【0012】以上のようなことが、水素イオン伝導の寄
与を大きくし、これまで漏れ電流を大きくしていた主た
る原因であると考えられる。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、漏れ電流が小さく、無極性で小型で大容量を有する
新しいタイプのフィルムコンデンサおよびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のコンデンサは、粗面化または多孔化した導
電体電極表面上に電着法によって形成した高分子薄膜の
誘電体層を有し、前記誘電体層表面上に対極としての導
電体層を有するものであって、前記誘電体層は疎水性を
高めた疎水層を有することを特徴としている。
【0015】また、粗面化した導電体電極は、エッチド
アルミニウム箔が好適である。誘電体層はポリカルボン
酸系樹脂であることも特徴としている。
【0016】対極には、導電性高分子が好ましく、その
中でもポリピロールが好適である。さらに、カップリン
グ剤を用いて誘電体層の疎水性を高めることも特徴とし
ている。また、シリル化またはアルキル化反応で疎水性
を高めることも特徴としている。
【0017】上記の目的を達成するために本発明のコン
デンサの製造方法は、高分子を含む溶液を電着液とし
て、粗面化または多孔化した導電体電極表面上に電着法
によって高分子薄膜の誘電体層を形成する工程と、前記
誘電体層を熱処理する工程と、その誘電体層の疎水性を
高める処理を施す工程と、さらに誘電体層の表面上に対
極として導電体層を形成する工程とを有することを特徴
としている。
【0018】また、本発明のコンデンサの製造方法は、
疎水性を高める処理の際に生じる化学反応がシリル化ま
たはアルキル化反応であることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、粗面化または多孔化した導電体電極表面上に電着法
によって形成した有機高分子薄膜の誘電体層を有し、前
記誘電体層表面上に対極としての導電体層を有すること
から、小型・大容量のコンデンサを実現する作用を有
し、さらに誘電体層に疎水性を高めた疎水層を有するこ
とから、水素イオン伝導に寄与する水素イオンの数が極
めて少なくなっている。
【0020】請求項2に記載の発明は、粗面化した導電
体としてエッチドアルミニウム箔を用いることから、電
極の表面積が大きく容量拡大に適するという作用を有し
ている。
【0021】請求項3に記載の発明は、誘電体としてポ
リカルボン酸系樹脂を用いることから、電気泳動電着法
によりエッチドアルミニウム箔などの複雑な表面形状を
有する導電体電極表面に追従した薄膜を効率的に形成で
きるという作用を有している。
【0022】請求項4に記載の発明は、対極が導電性高
分子であることから、化学重合あるいは化学重合と電解
重合の併用により、容易に誘電体層の表面上に導電性の
高い導電体層を形成できる作用を有している。
【0023】請求項5に記載の発明は、導電性高分子の
なかでもポリピロールを用いることにより導電率および
熱的安定性に優れるという作用を有している。
【0024】請求項6に記載の発明は、カップリング剤
を用いて誘電体層の疎水性を高めた疎水層を有すること
から、誘電体中で水素イオン伝導に関与する活性な水素
イオンの数を低減する作用を有する。
【0025】請求項7に記載の発明は、シリル化または
アルキル化反応で疎水性を高めた疎水層を有することか
ら、反応後、顕著に誘電体の疎水性が向上する作用を有
する。
【0026】請求項8に記載の発明は、有機高分子を含
む溶液を電着液として、粗面化または多孔化した導電体
電極表面上に電着法によって有機高分子薄膜の誘電体層
を形成する工程と、前記誘電体層を熱処理する工程と、
その誘電体層の疎水性を高める処理を施す工程と、さら
に誘電体層の表面上に対極として導電体層を形成する工
程とを有することから、小さい漏れ電流と高い耐圧を示
す誘電体を確実に形成できる。
【0027】請求項9に記載の発明は、疎水性を高める
処理がシリル化またはアルキル化反応であることから、
水素イオン伝導性の小さな誘電体を有するコンデンサを
製造できる作用を有する。
【0028】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態について、図面を参照しながら説明する。
【0029】図1は本実施の形態で説明するコンデンサ
の断面の模式図、図2は本実施の形態のコンデンサの製
造方法を示すフローチャートである。
【0030】まず、目的とするコンデンサの構成を図1
を用いて詳細に説明する。図中の1はエッチングにより
生じた細孔の平均孔径が2μmで、表面積が約30倍に
粗面化されたエッチドアルミニウム箔電極である。この
電極1の表面形状に追従させて誘電体であるポリカルボ
ン酸系樹脂からなる薄膜が電着法により形成してある。
【0031】さらに、このポリカルボン酸系樹脂からな
る薄膜を、カップリング剤(図示せず)で処理すること
により、疎水層(図示せず)を有するポリカルボン酸系
樹脂薄膜2が形成される。この疎水層は、ポリカルボン
酸系樹脂からなる薄膜に存在する水素結合性の活性な水
素が疎水基で置換されて生じたものであり、ポリカルボ
ン酸系樹脂薄膜2の表面のみならず、膜内部にも存在し
ている。
【0032】また、エッチドアルミニウム箔電極1の対
極には、導電性高分子の第1のポリピロール層3と第2
のポリピロール層4と集電するために付着させた集電体
層5で構成されている。6は電極間を絶縁するために付
着させたエポキシ樹脂である。そして、この図で示した
2つの電極にリード線を設けて、エポキシ樹脂で外装す
れば、本実施の形態の目的のコンデンサの構成となる。
【0033】なお、ここでいうポリカルボン酸系樹脂と
は、高分子の主鎖や側鎖にカルボン酸基を少なくとも一
つ以上有するものを示している。例えば、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸などのことである。もちろんこれ
らのものの共重合体や一部がエステル化したものも使用
可能であることはいうまでもない。好ましくは、メラミ
ンなどのアミノ樹脂系硬化剤が混合されて熱処理の際に
三次元架橋反応により絶縁性が向上するものが本目的に
は適している。そして、これらの中でも水溶性で作業性
にも優れ、なおかつアルミとの接着性および柔軟性にも
優れるポリアクリル酸樹脂が本目的には好適である。
【0034】電気伝導には、荷電担体の違いにより、電
子伝導とイオン伝導があるが、漏れ電流が湿度に影響を
受けることから、本実施の形態のポリカルボン酸系樹脂
からなる薄膜中の電気伝導は、イオン伝導が主体的であ
ると考えられる。なお、この際のキャリアーイオンは、
水素イオン(H+)である。高分子の水素イオン伝導の
メカニズムは、古くから研究されており、水素結合性の
水素が多数存在すると、水素イオン伝導が起こり易くな
ることが知られている(例えば、D.A.Senor,
Electrical Properties of
Ploymers,Academic Press,N
ew York,(1982)pp.45−55.)。
【0035】よって、本発明では、このような電気伝導
に関与しやすい水素を、疎水基で置換することにより、
誘電体であるポリカルボン酸系樹脂薄膜2を形成し、水
素イオン伝導性を減少させることを目的とした。また、
誘電体表面への水分吸着を抑えることも目的とした。な
お、ここでいうカップリング反応によってポリカルボン
酸系樹脂からなる薄膜中の活性な水素と置換する疎水基
とは、アルキル基、シリル基、フッ化アルキル基などで
ある。
【0036】なお、カップリング反応によってポリカル
ボン酸系樹脂からなる薄膜の活性な水素と置換する疎水
基は、上記のものに限定されるものではなく、置換する
疎水基に水素結合性の水素を含まないものならば、いず
れも効果を発揮する。
【0037】例えば、疎水性を高める代表的な反応とし
てトリメチルシリル化反応が挙げられる。その反応は以
下の式で表せる。
【0038】
【化1】
【0039】上記の式のように、本発明を用いれば、電
気伝導に関与し易い水酸基やアミノ基の水素を選択的に
置換することができる。なお、上記のような樹脂中の活
性水素との反応に用いられるカップリング剤は、クロロ
トリメチルシランに限定されるものではなく、炭素数や
塩素数の異なる他のクロロアルキルシランやそれらのア
ルキル基の水素がフッ素で置換されたものでも良く、さ
らにそれらの珪素原子を炭素原子で置換したものであっ
ても良いことは言うまでもない。
【0040】つぎに、上記構成のコンデンサの製造方法
の一例を図2を用いて以下に詳細に説明する。
【0041】まず、ステップ1の電着液を合成する工程
を説明する。ポリカルボン酸を含む水溶液には、固形分
が10重量%、イオン交換水86重量%、ブチルセロソ
ルブ4重量%の割合で配合したエマルジョン溶液を使用
した。ここでいう固形分には、ポリアクリル酸とポリメ
タクリル酸の共重合体(分子量約2万)(主剤)とメラ
ミン樹脂(硬化剤)が7対3の重量比で混合されたもの
を用いた。また、前記固形分を液中に分散させる際に
は、アニオン電着法でよく行われるように、固形分中の
カルボン酸基の50%をトリエチルアミンを適量加えて
中和し、分散性を高めた。
【0042】次に、ステップ2で誘電体であるポリカル
ボン酸系樹脂からなる薄膜を電着する工程を説明する。
【0043】まず、ステップ1で合成した電着液を直径
80mmの円筒型のステップ容器(陰極)に入れる。次
に、リード線を溶接で付けたエッチドアルミニウム箔電
極1を誘電体形成部(面積:10mm×10mm)とし
て、電着液に浸漬し陽極とした。
【0044】次に、ステップ2で両電極間に、印加電圧
40V(一定)で、10分間通電することにより、エッ
チドアルミニウム箔電極1表面に第1の誘電体であるポ
リカルボン酸系樹脂からなる薄膜を形成させた。
【0045】なお、ステップ2で印加電圧の大きさ、電
着時間の長さ、電着回数などを変えることにより、ポリ
カルボン酸系樹脂からなる薄膜の膜厚を調節できること
は言うまでもない。
【0046】次に、ステップ3で、ステップ2において
誘電体層を形成した試料を水洗した後、80℃で20分
間乾燥し、180℃で30分熱処理することにより、メ
ラミン樹脂とポリカルボン酸系樹脂とを硬化反応させ
た。
【0047】次に、ステップ4で、ステップ3で形成し
た素子を、1重量%クロロトリメチルシランのヘキサン
溶液に室温で5時間浸漬することにより、トリメチルシ
リル化反応させ、活性水素をトリメチルシリル基で置換
することにより疎水層を有するポリカルボン酸系樹脂薄
膜2を形成した。その後、数回ヘキサン、アセトンで繰
り返し洗浄し、乾燥させた。なお、このトリメチルシリ
ル化反応の際に(化1)の式からもわかるように、微量
の塩酸が生じるが、反応後即座に数回ヘキサン、アセト
ンで繰り返し洗浄することにより特性への悪影響が出な
いようにした。
【0048】また、ステップ4ではクロロトリメチルシ
ランをカップリング剤として用いたが、炭素数の異なる
【0049】
【化2】
【0050】や、化2の式の珪素を炭素で置き換えた
【0051】
【化3】
【0052】のようなものでも本発明の目的に適合する
カップリング剤になることは言うまで
【0053】もない。また、(化2)(化3)の水素原
子の少なくとも一つ以上をフッ素原子に置き換えたもの
でも効果を発揮することは言うまでもない。
【0054】次に、ステップ5で、その素子を1.0m
ol/lの円筒型ステンレス容器ピロールのエタノール
溶液と1.0mol/lの過硫酸アンモニウム水溶液に
交互に2分間づづ浸漬する操作を3回繰り返してポリピ
ロールの化学酸化重合膜である第1のポリピロール層3
を形成させた。
【0055】つづいて、ステップ6で、第1のポリピロ
ール層3が形成された素子を、円筒型のステンレス容器
に入れたピロール1部、40重量%ブチルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム水溶液1部、蒸留水40部を混合し
た溶液に浸漬して陽極とし、円筒型のステンレス容器を
陰極として、両者の電極間に電流密度2.5mA/cm
2の一定電流で30分間電解重合して第2のポリピロー
ル層4を形成した。
【0056】次に、ステップ7で、この素子をコロイダ
ルカーボンや銀塗料などの導電材料を塗布することによ
り集電体層5を形成する。これにより、集電体層5によ
り集電された第1のポリピロール層3、第2のポリピロ
ール層4からなる対極を形成させる。ここにリード線を
はんだで付けて対極を完成させた。
【0057】さらに、ステップ8で、エポキシ樹脂(図
示せず)で外装することにより本実施の形態のコンデン
サを完成した。
【0058】(実施の形態2)次に、本発明のコンデン
サの製造方法の第2例を説明する。
【0059】実施の形態2では、実施の形態1のステッ
プ4以外は、実施の形態1と同様な方法でコンデンサを
作製した。
【0060】以下に、実施の形態2におけるポリカルボ
ン酸系樹脂からなる薄膜の疎水性を高める工程(ステッ
プ4)を説明する。
【0061】まず、ステップ3で作製した素子を10T
orr程度に減圧にしたフラスコ内に入れる。そして、
20重量%トリメチルシランのヘキサン溶液の蒸気を、
そのフラスコ内の圧力が300Torrになるまで導入
して、30分放置する。このようにすると、気相反応に
より、ポリカルボン酸系樹脂からなる薄膜中の活性水素
がトリメチルシリル基と置換反応され疎水性が向上す
る。
【0062】すなわち、疎水層を有するポリカルボン酸
系樹脂薄膜2を形成する。 (性能検討1)本実施の形態で得られたコンデンサの電
気特性のデータを比較例のデータと併せて表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】比較例は、実施の形態1および2のステッ
プ4の誘電体の疎水性を高める処理を行わなかったこと
以外は同様な方法で作製したコンデンサのデータであ
る。表1から明らかなように、本実施の形態1および2
によるコンデンサは、水素イオン伝導に関与する活性な
水素を疎水基で置換したことにより、誘電正接、漏れ電
流が比較例よりも小さい。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によるコンデンサ
は、粗面化または多孔化した導電体電極表面上に電着法
によって形成した高分子薄膜の誘電体層を有し、前記誘
電体層表面上に対極としての導電体層を有し、さらに誘
電体層に疎水性を高めた疎水層を設けたことにより、小
型で大容量で、しかも漏れ電流値が低くなる効果があ
る。
【0066】また、粗面化した導電体としてエッチドア
ルミニウム箔を用いることにより、電極の表面積が大き
くなり、コンデンサの静電容量の拡大を容易にすること
ができる。
【0067】また、誘電体としてポリカルボン酸系樹脂
を用いることから、電気泳動電着法によりエッチドアル
ミニウム箔などの複雑な表面形状を有する導電体電極表
面に追従した薄膜を形成でき、小型・大容量でなおかつ
耐熱性に優れたコンデンサを実現できる効果を有する。
【0068】また、対極が導電性高分子であることか
ら、化学重合あるいは化学重合と電解重合の併用により
容易に誘電体層の表面上に導電性の高い導電体層を形成
でき、小さい等価直列抵抗のコンデンサを実現できる。
【0069】また、導電性高分子のなかでもポリピロー
ルを用いることにより導電率、および熱的安定性に優
れ、耐熱性、周波数特性の優れたコンデンサを実現する
ことができる。
【0070】また、カップリング剤を用いて誘電体層の
疎水性を高めた疎水層を有し、水素イオン伝導に関与す
る水素結合性の活性な水素の数を低減することにより、
コンデンサの漏れ電流を減少させる効果を有する。
【0071】また、シリル化またはアルキル化反応で疎
水性を高めた疎水層を有することから、誘電体の水素イ
オン伝導を減少させ、著しく漏れ電流を減少させる効果
を発揮する。
【0072】また、高分子を含む溶液を電着液として、
粗面化または多孔化した導電体電極表面上に電着法によ
って有機高分子薄膜の誘電体層を形成する工程と、前記
誘電体層を熱処理する工程と、その誘電体層の疎水性を
高める処理を施す工程と、さらに誘電体層の表面上に対
極として導電体層を形成する工程とを有することから、
小さい漏れ電流特性を有する誘電体を確実に形成でき、
優れた小型・大容量コンデンサの製造を実現できる。
【0073】また、疎水性を高める処理がシリル化また
はアルキル化反応であることから、漏れ電流の小さなコ
ンデンサを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のコンデンサの断面の模式
【図2】同実施の形態のコンデンサの製造方法のフロー
【符号の説明】
1 エッチドアルミニウム箔電極 2 ポリカルボン酸系樹脂薄膜(誘電体) 3 第1のポリピロール層 4 第2のポリピロール層 5 集電体層 6 エポキシ樹脂(絶縁用)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化または多孔化した導電体電極表面
    上に電着法によって形成した高分子薄膜の誘電体層を有
    し、前記誘電体層表面上に対極としての導電体層を有す
    るものであって、前記誘電体層は疎水性を高めた疎水層
    を有することを特徴としたコンデンサ。
  2. 【請求項2】 粗面化した導電体電極がエッチドアルミ
    ニウム箔であることを特徴とする請求項1記載のコンデ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 誘電体層がポリカルボン酸系樹脂である
    ことを特徴とする請求項1記載のコンデンサ。
  4. 【請求項4】 対極が導電性高分子であることを特徴と
    する請求項1記載のコンデンサ。
  5. 【請求項5】 導電性高分子がポリピロールであること
    を特徴とする請求項4記載のコンデンサ。
  6. 【請求項6】 カップリング剤を用いて誘電体層の疎水
    性を高めた疎水層を有することを特徴とする請求項1記
    載のコンデンサ。
  7. 【請求項7】 シリル化またはアルキル化反応で疎水性
    を高めた疎水層を有することを特徴とする請求項1記載
    のコンデンサ。
  8. 【請求項8】 高分子を含む溶液を電着液として、粗面
    化または多孔化した導電体電極表面上に電着法によって
    高分子薄膜の誘電体層を形成する工程と、前記誘電体層
    を熱処理する工程と、その誘電体層の疎水性を高める処
    理を施す工程と、さらに誘電体層の表面上に対極として
    導電体層を形成する工程とを有することを特徴とするコ
    ンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 疎水性を高める処理がシリル化またはア
    ルキル化反応であることを特徴とする請求項8記載のコ
    ンデンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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