JPH1123357A - タイヤの騒音評価方法 - Google Patents

タイヤの騒音評価方法

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JPH1123357A
JPH1123357A JP9172207A JP17220797A JPH1123357A JP H1123357 A JPH1123357 A JP H1123357A JP 9172207 A JP9172207 A JP 9172207A JP 17220797 A JP17220797 A JP 17220797A JP H1123357 A JPH1123357 A JP H1123357A
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勝司 深沢
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0318Tread patterns irregular patterns with particular pitch sequence

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤ騒音性能のうち、ピッチ配列に起因す
る騒音のみを評価する。 【構成】 タイヤのピッチ配列を設定し(100、10
2)、次に矩形波のパルス幅を設定し(104)、ピッ
チ配列について矩形波の連続からなるパルス列を決定す
る(106)。次に平均ピッチ長さに対応するピッチ1
次周波数を中心とする帯域通過フィルタ処理を施して
(108)、得られた波形をタイヤピッチ騒音波形と決
定する(110)。このタイヤピッチ騒音波形を用い
て、音質を解析して音質の定量的な尺度、すなわち音響
心理パラメータであるトナリティ及びフラクチュエーシ
ョン・ストレングスを求め(112)、これらの値を出
力する(114)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤの騒音評価
方法にかかり、特に、タイヤが有するタイヤ騒音性能
を、例えばタイヤトレッド等のパターンピッチ配列に起
因する騒音により評価するタイヤの騒音評価方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】乾燥、湿潤及び氷雪を含む路面状態にお
いて走行中、安全でかつ比較的静寂な自動車用タイヤの
設計について、近年着実に認識が高まっており、最近で
は、静寂なタイヤを設計するためのアプローチも理論的
になってきている。タイヤのトレッドに形成する溝等
は、数学的に算出した基準に従い、複数の可変ピッチ反
復設計サイクルによって設計されている。
【0003】タイヤには、上記の設計値に基づいて手作
業でトレッドに刻んだり、タイヤ型によって形成したり
して、タイヤ円周上のピッチ及びピッチ配列を規定する
横方向溝及び円周方向溝に分けられた陸部(以下、設計
要素という。)を有するトレッドが形成されている。こ
こで、このピッチとは設計要素の相対長さを指し、ピッ
チ配列とはタイヤ円周上に使われるピッチの順序をい
う。
【0004】タイヤの騒音評価は、評価するトレッド設
計に見合う寸法のタイヤを物理的に形成しそのタイヤを
試験することによって評価する。このタイヤ試験は、自
動車のホイールリムに4個(またはそれ以下)の試験タ
イヤを取り付けて運動や走行させたときに感度の高い訓
練された耳を有する熟練者の感覚により特定するのが一
般的である。
【0005】このようなタイヤの騒音評価を容易にする
ため、トレッドによる騒音発生特性について、路面を走
行する際のタイヤのノイズをコンピュータによってシミ
ュレーションする技術がある(アメリカ合衆国特許第4
727501号)。また、任意のタイヤトレッドのパタ
ーンに起因する騒音(以下、パターンノイズという。)
を評価するため、タイヤのパターンノイズをシミュレー
トする技術が提案されている(特開平1−250831
号公報、特開平4−148840号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では、タイヤ騒音の特定をタイヤのトレッドパター
ンで生じる音圧レベルの大小により得られた騒音波形を
用いているので、タイヤのパターンによる騒音の特徴を
シミュレートすることは可能であるものの、タイヤのピ
ッチ配列と、パターン固有の特徴とが重なり合って得ら
れる。このため、パターンデザイン(ピッチ配列が盛り
込まれたパターン展開図)を予め用意しなければ評価を
することができなかった。
【0007】本発明は、上記事実を考慮して、タイヤ騒
音性能のうち、ピッチ配列に起因する騒音のみを評価す
ることが可能なタイヤの騒音評価方法を得ることが目的
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者等は種々検討を加えた結果、タイヤ騒音を考
察するとき音圧のみでとらえるものでは不十分と考え、
さらに音質を考慮すべきであるという知見を得て、本発
明に到達したものである。すなわち、本発明者等は種々
検討を加え、音響心理学的に利用されている感覚尺度を
タイヤと言う特殊分野に応用することに着目し、あらゆ
る検討を試み、それをタイヤの騒音評価方法として確立
した。
【0009】まず、タイヤのピッチ配列に起因する騒音
の特徴は、それをピッチ配列に対応するパルス列で近似
しても時間的な変動の形態等は略維持される。ところ
が、矩形波のパルス列のままでは、一般的に周波数成分
上、高周波が強調され過ぎて、自動車の車室内等の移動
体内部で聴取される内部音の周波数特性とかけ離れてし
まう。また、本発明者は、構成が既知の複数のタイヤに
ついてタイヤ騒音の聴取実験を行い、パターンノイズの
音質を支配するのは主にピッチ1次成分近傍であるとい
う結果を得た。これによって、上記矩形波のパルス列波
形にピッチ1次成分を強調する帯域フィルタを施せば、
音質上に問題となる成分を十分に抽出することができる
という知見を得た。
【0010】そこで、請求項1に記載の発明のタイヤの
騒音評価方法は、タイヤのピッチ配列を、該ピッチ配列
の各ピッチの長さに比例した時間間隔毎に予め定めた一
定パルス幅を有する矩形波を並べた時系列波形でパター
ンノイズを近似し、前記波形に、平均ピッチ長さに対応
するピッチ1次周波数を中心とする帯域通過フィルタ処
理を施して、得られた波形をタイヤピッチ騒音波形と
し、前記タイヤピッチ騒音波形を用いて、音質に対応す
るタイヤ騒音性能評価用物理量を演算し、前記タイヤ騒
音性能評価用物理量を用いてタイヤの騒音を評価する。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明のタイヤの騒音評価方法であって、前記音
質に対応するタイヤ騒音性能評価用物理量として、音響
心理学的な目立ち易さを表す予め定めた所定帯域の音成
分物理量、及び音響心理学的なうなり感を表す予め定め
た低周波数の変動量の少なくとも一方を定めることを特
徴としている。請求項3に記載の発明は、請求項1また
は2に記載の発明のタイヤの騒音評価方法であって、前
記予め定めた一定パルス幅は、0.5ミリ秒近傍である
ことを特徴としている。請求項4に記載の発明は、請求
項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明のタイヤの
騒音評価方法であって、前記帯域通過フィルタ処理は、
帯域下限周波数がピッチ1次周波数の1/2であると共
に、帯域上限周波数がピッチ1次周波数の2/3である
ピッチ1次周波数に一致した帯域幅を設定することを特
徴としている。
【0012】タイヤのピッチ配列は、予め定めたピッチ
長やピッチ比(ピッチ長の比)の連続により定められ
る。このタイヤのピッチ配列を、配列の各ピッチの長さ
に比例した時間間隔毎に予め定めた一定パルス幅を有す
る矩形波を並べた時系列波形でパターンノイズを近似す
る。これによって、タイヤのピッチ配列がパターンノイ
ズに近似される。この予め定めた一定パルス幅は、タイ
ヤ1回転の時間が250ミリ秒の時に、0.5ミリ秒近
傍に設定することが好ましい。これは本発明者等が行っ
た実験により、一定パルス幅を、0.5ミリ秒近傍に設
定して得られた時系列波形を音化したときが最もタイヤ
の実測音に近似させることができたためである。この近
似された、一定パルス幅を有する矩形波を並べた時系列
波形に、平均ピッチ長さに対応するピッチ1次周波数を
中心とする帯域通過フィルタ処理を施せば、音質上に問
題となる成分を十分に抽出することができる。このよう
にして得られた波形をタイヤピッチ騒音波形として、音
質に対応するタイヤ騒音性能評価用物理量を演算する。
なお、帯域通過フィルタ処理は、ピッチ1次周波数に一
致した帯域幅(すなわち、帯域下限周波数は、ピッチ1
次周波数×0.5、帯域上限周波数は、ピッチ1次周波
数×1.5)と設定することが好ましい。このように設
定することで、ピッチ1次周波数が強調され、その音質
への影響をより明確に評価できる。
【0013】音質に対応するタイヤ騒音評価用物理量と
しては、音響心理学的なパラメータを用いることがで
き、音響心理学的なパラメータとしては、音の大きさを
表す感覚尺度、音の鋭さを表す感覚尺度、音の粗さを表
す感覚尺度、請求項2にも記載した目立ち易さを表す感
覚尺度である音響心理学的な目立ち易さを表す予め定め
た所定帯域の音成分物理量、及びうなり感を表す感覚尺
度である音響心理学的なうなり感を表す予め定めた低周
波数の変動量、がある。音の大きさを表す感覚尺度は音
圧レベルに対応し、音の鋭さを表す感覚尺度は高周波側
の音の大きさ成分(音の大きさを表す感覚尺度)を含む
比率の大きさから求めることができる。また音の粗さを
表す感覚尺度は、予め定めた複数の帯域のうち所定の帯
域を臨界帯域としてこの臨界帯域での変調度に重み付け
して加算した値から求めることができる。目立ち易さを
表す感覚尺度は音の中に含まれる純音成分や狭帯域ノイ
ズ成分の割合から求めることができる。また、音はその
大きさにより純音や狭帯域ノイズが打ち消されることが
あるので、目立ち易さを求めるときは音の大きさに応じ
て純音や狭帯域ノイズの打ち消し(マスキング効果)を
考慮することが好ましい。うなり感を表す感覚尺度は、
予め定めた所定周波数の振動振幅が変動するその変動量
から求めることができる。このうなり感は、音の大きさ
の変動振幅が大きい程顕著に現れる。
【0014】前記のようにして演算されたタイヤ騒音性
能評価用物理量を用いてタイヤの騒音を評価する。例え
ば、音響心理学的な目立ち易さを表す予め定めた所定帯
域の音成分物理量、及び音響心理学的なうなり感を表す
予め定めた低周波数の変動量が小さいピッチ配列のほう
が、より騒音性能が良好なタイヤと評価することができ
る。
【0015】このようにして評価したピッチ配列は、聴
取者の感覚に沿った音質すなわち音響心理学的な目立ち
易さやうなり感等を明確に評価することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明のタイヤ
の騒音評価方法を実施するためのパーソナルコンピュー
タの概略を示すものである。このパーソナルコンピュー
タは、データ等を入力するためのキーボード10、予め
記憶されたプログラムに従って、タイヤの騒音を評価す
るコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の
評価結果等を表示するCRT14から構成されている。
コンピュータ本体12は、図示を省略したCPU,RO
M,RAMから構成されたマイクロコンピュータによっ
て構成されている。
【0017】また、コンピュータ本体12には、音化装
置16が接続されており、この音化装置16には、スピ
ーカ18A,18Bが接続されている。音化装置16
は、コンピュータ本体12から出力されたピッチ配列に
対応する矩形波の連続からなるパルス列に応じて、ピッ
チ配列を音化情報例えば音圧レベル・周波数特性に変換
してその音化情報をスピーカ18A,18Bへ出力する
装置である。コンピュータ本体12と音化装置16との
間では、コンピュータ本体12で生成されたパルス列の
授受及び当該パルス列が音化された情報、例えば音圧レ
ベル・周波数特性等の音化情報の授受がなされる。音化
装置16の一例としては、HEAD acoustic
s社製BAS II.3E(No.42516103)が
ある。
【0018】本実施の形態は、音質を考慮して、任意の
ピッチ配列及びピッチ長の比(以下、ピッチ比とい
う。)によるタイヤの騒音を評価するものである。
【0019】本発明者は、タイヤのピッチ配列について
種々検討を加えた結果、所定のピッチ配列を有するタイ
ヤから発生されるパターンノイズの悪さとして、音圧の
大小によるものよりも、音質によるもの、例えば音の目
立ち易さやうなり感に関係するものが大きく起因すると
いう知見を得て、あらゆる検討を試み、音響心理学的に
利用されている感覚尺度を導入するに至った。
【0020】上記の音質を考慮するための音響心理学的
な感覚尺度、すなわち音響心理パラメータについて説明
する。音響心理パラメータには、音の大きさを表す感覚
尺度(ラウドネス)、音の鋭さを表す感覚尺度(シャー
プネス)、音の粗さを表す感覚尺度(ラフネス)、目立
ち易さを表す感覚尺度(トナリティ)、及びうなり感を
表す感覚尺度(フラクチュエーション・ストレング
ス)、がある。ラウドネスは音圧レベルに対応するが、
音圧レベルのdB(A)より実際の感覚に近く、音のマ
スキング効果を考慮して求められるものであり、ISO
532Bで規格化されている。シャープネスは高周波側
のラウドネス成分を含む比率の大きさから求めることが
できる。また、ラフネスは、予め定めた複数の帯域のう
ち所定の帯域を臨界帯域としてこの臨界帯域での変調度
に重み付けして加算した値から求めることができる。ト
ナリティは音の中に含まれる純音成分や狭帯域ノイズ成
分の割合から求めることができる。また、音はその大き
さにより純音や狭帯域ノイズが打ち消されることがある
ので、目立ち易さを求めるときは音の大きさに応じて純
音や狭帯域ノイズの打ち消し(マスキング効果)を考慮
することが好ましい。フラクチュエーション・ストレン
グスは、予め定めた所定周波数の振動振幅が変動するそ
の変動量から求めることができる。このうなり感は、音
の大きさの変動振幅が大きい程顕著に現れる。
【0021】これらの音響心理パラメータの各々は次の
表1から求めることができる。上記のように、トナリテ
ィKは、音の中に含まれる純音成分や狭帯域ノイズ成分
の割合から求めることができるが、求めた割合をラウド
ネスのマスキング効果を考慮して算出すると、スペクト
ラム上にピ−ク類が存在する。そこで、以下の表1に示
す式では、トナリティKを、スペクトラム上に存在する
ピ−ク類について、ピ−ク(帯域)幅が狭い程(重みw
1)、周波数が700Hzに近い程(重みw2)、ピ−
クレベルが大きい程(重みw3)、大きくなる因子、及
びラウドネスでみたこれらのノイズに対するSN比因子
の積から求めている。なお、ピッチ1次の目立ち易さ
は、400〜500Hzのバンドパスフィルタ付加によ
る信号抽出に相当する。
【0022】また、フラクチュエーション・ストレング
スは、予め定めた所定周波数の振動振幅が変動するその
変動量から求めることができるが、以下の表1に示す式
では、ラウドネスの変動振幅が大きい程またその変動周
波数が4Hzに近くなる程大きくなる。
【0023】
【表1】
【0024】なお、Barkは、人の耳の(カタツムリ
状の)耳管を直線状にして24分割したときの1分割の
長さに相当する臨界帯域幅を単位とした、帯域幅を計る
尺度の単位名である。また、以下の説明では、表1に示
した数式を(1)式と総称して用いる。
【0025】本発明者は、音響心理パラメータと従来の
音圧レベル評価とを実車計器音質評価法により比較実験
し、次の結果を得た。
【0026】図2に示すように、実車計器音質評価法に
よる測定は、タイヤ30を備えた車両20の後部に、車
両20の走行速度を検出するための速度計28を取り付
けて行った。車両20内には乗員22が着座するが、そ
の着座した乗員22の頭部で左右の各耳の近傍位置にマ
イクロフォン24、26が取り付けられている。これら
のマイクロフォン24、26の各々によって、乗員22
が左右の耳から聴取すべき音を取得することができる。
なお、上記測定では、乗員22に模擬したダミー人形の
左右の耳にマイクロフォンを埋め込んだダミーヘッド
(マイク付ヘッド)を用いて測定を行った。
【0027】ここでは、新特殊路P/N路の路面におい
て、所定速度範囲(38〜60km/h)で惰行(Dレ
ンジ)走行した場合を測定した。
【0028】図3は、タイヤT1,T2の各々を車両に
装着して走行させたときにマイクロフォン24、26か
ら得られた音の音圧レベルに対する周波数特性を示した
ものであり、図3(1)は左耳の近傍位置のマイクロフ
ォンによる検出結果を示し、図3(2)は右耳の近傍位
置のマイクロフォンによる検出結果を示したものであ
る。この図3から理解されるように、音圧レベルからで
はタイヤT1,T2の各々に対して差異はみられない。
【0029】次に、上記車両20に複数の異なるタイヤ
30を装着し、各々のタイヤについてオペレ−タがフィ
−リング評価を行うと共に、マイクロフォン24、26
から得られる音を用いて音響心理パラメータと音圧レベ
ルとを求めた。
【0030】図4には、フィ−リング評点の値を縦軸に
すると共に、音圧レベル及び音響心理パラメータの値を
横軸にした各座標系に、複数の異なるタイヤの結果をプ
ロットしたものである。図中、rの値は相関係数を示し
ている。この図4から理解されるように、音質的には、
ラウドネス、シャープネス、ラフネスは、各値とフィ−
リング評点との間には、相関関係がみられず、分散した
プロットになった。一方、トナリティK、及びフラクチ
ュエーション・ストレングスFの各々には音響心理パラ
メータの値とフィ−リング評点との間に相関関係がある
ことが理解される。
【0031】以上の結果から、本発明者は、音の目立ち
易さやうなり感に関係する音質によるものが、パターン
ノイズに大きく起因するという観点から、タイヤのピッ
チ配列を音化が容易なパルス列に近似して、音響心理パ
ラメータのうちトナリティK、及びフラクチュエーショ
ン・ストレングスFを注目し、これら2つの音響心理パ
ラメータによりタイヤのピッチ配列によるパターンノイ
ズを評価することを勘案した。
【0032】図8は、本実施の形態のプログラムの処理
ルーチンを示すものある。ステップ100では、タイヤ
のトレッドに形成されるピッチ配列を数値的・解析的に
求めるためのピッチ配列基本データを取り込む。このピ
ッチ配列基本データとは、ピッチ配列を決定する際に、
必要とするまたは経験的に求められる、ピッチ個数、ピ
ッチ長、ピッチ長の比、タイヤ回転速度、及びパルス幅
の各値が設定値として入力される。
【0033】次のステップ102では、ピッチ配列に含
まれるピッチ比の種類の数を配列値としたピッチ配列V
を設定する。すなわち、ピッチ配列に含まれるM個のピ
ッチ比を1〜9までの自然数に対応させ、ピッチ比が配
列値である自然数の各桁に対応して表現されるピッチ配
列Vを生成する。一例として、3個または5個のピッチ
比を1〜9までのいずれかの自然数に対応させ、ピッチ
配列を得るタイヤA〜Cを表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】上記のようにしてピッチ比が配列値である
自然数の各桁に対応して表現されるピッチ配列Vを生成
したのち、次のステップ104において矩形波のパルス
幅を設定し、次のステップ106において、ピッチ配列
について矩形波の連続からなるパルス列を決定する。
【0036】ピッチ配列Vは、ピッチ配列Vを用いて、
タイヤに形成されたピッチ配列により発生される音を得
るため、すなわちピッチ配列を音化するため、上記ピッ
チ配列Vを配列デ−タとして、その配列デ−タを時間軸
上のパルス列に置き換えて、時間周波数分析等で解析可
能とするものである。すなわち、ピッチ配列を音につい
て解析可能な形式に変換している。
【0037】このように、本実施の形態では、ピッチ配
列を音化するためにピッチ配列である配列デ−タを時間
軸上のパルス列に置き換えている。図5に一例を示すよ
うに、パルス列は、パルス幅が予め定めた一定幅の矩形
波の周期をピッチ比に応じて伸長させたものである。図
5の例は、ピッチ配列の一部として「2、1、3」の部
分のパルス列を示すものであり、ピッチ比の配列値
「2」に対応してパルス幅Pwでかつ時間(周期)t
a、ピッチ比の配列値「1」に対応してパルス幅Pwで
かつ時間(周期)tb、ピッチ比の配列値「3」に対応
してパルス幅Pwでかつ時間(周期)tcからなるパル
ス列の一部を示している。なお、時間(周期)ta、t
b、tcは、ピッチ比に対応し長短の時間になるもので
あり、図5の例では、tb>ta>tcとなる。
【0038】なお、パルス幅Pwは、予め実験によって
定めたものであり、タイヤ1回転の時間が250ミリ秒
の時に、時系列波形を音化したときに最もタイヤの実測
音に近似した合成音が得られる時間として、本実施の形
態では、500μsに設定している。また、この時間は
タイヤ回転速度に比例して変化する。このようにして設
定したパルス列は、時間周波数分析等によって分析した
り音化したりすることができる。例えば、デジタルデー
タのまま音質を解析できる装置の場合には、パルス列を
そのまま解析して音質の値を得たり音化したりでき、ア
ナログデータでのみ音質を解析できる装置の場合には、
パルス列をDA変換器を用いてアナログデータに変換し
た後に解析して音質の値を得たり音化したりできる。
【0039】次のステップ108では、平均ピッチ長さ
に対応するピッチ1次周波数を中心とする帯域通過フィ
ルタ処理を施して、得られた波形を次のステップ110
において、タイヤピッチ騒音波形と決定する。
【0040】タイヤから発生される音の音質は、パター
ンピッチの1次域(ピッチ個数×周波数)の配列に関係
し、パターンノイズの音質を支配するのはピッチ1次成
分近傍であるということから、上記の帯域通過フィルタ
処理は、矩形波のパルス列波形にピッチ1次成分を強調
することで音質を支配する成分を抽出するためである。
この帯域通過フィルタ処理において、ピッチ1次周波数
に一致した帯域幅としては、確実にピッチ1次周波数を
含むように、帯域下限周波数をピッチ1次周波数×0.
5でかつ帯域上限周波数をピッチ1次周波数×1.5と
設定することが好ましい。なお、帯域上下限周波数の設
定は上記の値に限定されるものではない。このように設
定することで、ピッチ1次周波数が強調される。このよ
うに、ピッチ配列に対応するパルス列に帯域通過フィル
タ処理が施され、タイヤから発生される音のパターンノ
イズの音質を支配する成分が強調された波形を、タイヤ
ピッチ騒音波形とする。
【0041】次のステップ112では、上記のタイヤピ
ッチ騒音波形を用いて、音質を解析する。すなわち、音
質の定量的な尺度を求める。本実施の形態では、音質を
定めるものとして、音響心理パラメータであるトナリテ
ィK、及びフラクチュエーション・ストレングスFを採
用する。本実施の形態では、計算を単純化するため、音
響心理パラメータであるトナリティK、及びフラクチュ
エーション・ストレングスFを以下のようにして近似し
ている。
【0042】まず、トナリティK及びフラクチュエーシ
ョン・ストレングスFの計算を単純化するため、区分ス
ペクトルという概念を導入した。この区分スペクトル
は、図7に示すように、タイヤ1回転のピッチ配列によ
る長さを基本幅すると共に該基本幅を所定数で分割(本
実施の形態では、3分割)した長さを区分幅として、基
本幅内を区分幅を一部を所定ずらし量だけ重複させて所
定回抽出したものを定義したものである。
【0043】トナリティKは、主に音の目立ち易さを表
すものであるから、この区分スペクトルを用いて、個々
の区分スペクトル内の偏差に対応させる。本実施の形態
では、基本幅の1/3を区分幅と設定すると共に、ずら
し量を75%に設定している。これによって、12個の
区分スペクトルを得ることができる。なお、このときの
窓関数はハニングを設定している。
【0044】また、フラクチュエーション・ストレング
スFは、うなり感を表すものであり、区分スペクトルを
用いて、個々の区分スペクトルの間のエネルギー差に対
応させている。本実施の形態では、トナリティKの場合
と同様に、基本幅の1/3を区分幅と設定する。これと
共に、ずらし量は96%に設定して、72個の区分スペ
クトルを得ている。
【0045】従って、次の(2)式に示すように、トナ
リティKについては区分スペクトル内の偏差、すなわち
区分スペクトル毎に音化したその各区分スペクトル内に
おける音圧レベルに関する最大値と最小値とのレベル差
(振幅)のばらつきが小さい程、音質が良好であること
に相当する(図6参照)。
【0046】 Min{Dmin} ・・・(2) 但し、Min:{}内の最小値を求める関数Dmin:
区分スペクトル内の最大音圧レベルと最小音圧レベルの
レベル差
【0047】また、フラクチュエーション・ストレング
スFについては、次の(3)式に示すように、区分スペ
クトル間のエネルギー差、すなわち区分スペクトル毎に
音化したその音圧レベルのレベル差が小さい程音質が良
好であることに相当する。
【0048】 Min{Emax−Emin} ・・・(3) 但し、Emax:区分スペクトル内のエネルギー(音圧
レベル)の最大値Emin:区分スペクトル内のエネル
ギー(音圧レベル)の最小値
【0049】上記のようにして、音響心理パラメータで
あるトナリティK、及びフラクチュエーション・ストレ
ングスFを求めると、次のステップ114においてこれ
らの値を出力する。なお、トナリティK、及びフラクチ
ュエーション・ストレングスFに予めしきい値を定めて
おき、しきい値以内のピッチ配列を良好なピッチ配列と
自動的に評価するようにしてもよい。
【0050】このようにして、ピッチ配列をパルス列で
近似して、ピッチ1次周波数を中心とする帯域通過フィ
ルタ処理を施したタイヤピッチ騒音波形を定め、そのタ
イヤピッチ騒音波形を用いて音響心理パラメータである
音質を表す値を出力できるので、タイヤのピッチ配列に
ついて音質の予測評価を行うことができる。
【0051】本実施の形態では、音響心理パラメータの
うちトナリティK、及びフラクチュエーション・ストレ
ングスFの各々を評価する場合について説明したが、ト
ナリティK、及びフラクチュエーション・ストレングス
Fのいずれか一方のパラメータのみを評価してもよく、
他の音響心理パラメータの少なくとも1つを加えてもよ
い。また、トナリティK、及びフラクチュエーション・
ストレングスFの少なくとも一方と、音圧レベルの値、
すなわち発生ノイズの音圧レベルの値を合わせて評価し
てもよい。このようにすれば、音質を考慮し、発生ノイ
ズの音色の目立ちやすさ及びうなり感を評価できると共
に、発生ノイズの振幅値を含めたピッチ配列の評価がで
きる。
【0052】また、本実施の形態では、ピッチ配列をパ
ルス列で近似しかつ帯域通過フィルタ処理したタイヤピ
ッチ騒音波形から、音響心理パラメータである音質を表
す値を出力しているので、タイヤのピッチ配列とパター
ン固有の特徴とが重なり合って評価されるものはなく、
タイヤのピッチ配列にのみ起因する騒音特性、すなわち
タイヤ1回転中の時系列変化に強く依存する音質につい
て評価をすることができる。
【0053】図9は、タイヤの1回転内の音質の時間変
化について、実測音と、本実施の形態によるパルス列の
タイヤピッチ騒音波形から得られる合成音とを時間周波
数分析した結果を示したものである。図9(1)はタイ
ヤ側近音を示し、図9(2)は本実施の形態の合成音を
示している。なお、音の時間周波数分析結果は、音圧レ
ベルの値も同時に求まるが、図9では所定音圧レベル
(約75dB(A)以上のレベル)について抽出した結
果を示した。図から理解されるように、これら実測音と
合成音とは相関が高く、ピッチ配列をパルス列で近似し
て帯域通過フィルタ処理を施したタイヤピッチ騒音波形
によって、実測音に近似した音に音化することができ
る。これによって、タイヤピッチ騒音波形を用いて音響
心理パラメータである音質を表す値を容易に出力でき
る。
【0054】図10には、音響心理パラメータについ
て、実測音と合成音とについての相関関係を示した。図
10(1)はトナリティについての相関を示し、図10
(2)はフラクチュエ−ション・ストレングスについて
の相関を示している。図から理解されるように、実測音
から得られた音響心理パラメータの値と合成音から得ら
れた音響心理パラメータの値とは相関が高い。これによ
って、ピッチ配列をパルス列で近似して帯域通過フィル
タ処理を施したタイヤピッチ騒音波形によって、実測音
に代えて近似した合成音を用いて音響心理パラメータで
ある音質を表す値を出力でき、タイヤのピッチ配列につ
いて音質の予測評価を実測することなく、容易に行うこ
とができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、タ
イヤのピッチ配列を各ピッチの長さに比例した周期で一
定パルス幅を有する時系列波形でパターンノイズを近似
して、近似した時系列波形に帯域通過フィルタ処理を施
しているので、タイヤのピッチ配列から、音質上に問題
となる成分を十分に抽出することができ、タイヤのピッ
チ配列について、音質への影響をより明確に評価でき
る、という効果が得られる。
【0056】また、音響心理学的な目立ち易さやうなり
感等のタイヤ騒音性能評価用物理量を用いているので、
タイヤのピッチ配列について、聴取者の感覚に沿った音
質を明確に評価することができる、という効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に使用されるパーソナルコ
ンピュータの概略図である。
【図2】実車計器音質評価法の概略構成を示すブロック
図である。
【図3】タイヤを車両に装着し走行させたときの音の周
波数特性を示し、(1)は左耳の近傍位置、(2)は右
耳の近傍位置の結果を示したものである。
【図4】フィ−リング評点と、音圧レベル及び音響心理
パラメータとの対応関係を示す線図である。
【図5】タイヤのピッチ配列を音化するためのパルス列
を説明するための説明図である。
【図6】トナリティを目的関数としたときの最適化を説
明するための線図である。
【図7】タイヤ1回転のピッチ配列に対応された区分ス
ペクトルを説明するための線図である。
【図8】本発明の実施の形態の処理ルーチンを示す流れ
図である。
【図9】タイヤの1回転内の音の時間変化を示し、
(1)はタイヤ側近音について示し、(2)は本実施の
形態の合成音について示している。
【図10】音響心理パラメータについて、実測音と合成
音との相関関係を示し、(1)はトナリティについての
相関、(2)はフラクチュエ−ション・ストレングスに
ついての相関を示している。
【符号の説明】
10 キーボード 12 コンピュータ本体 14 CRT 16 音化装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤのピッチ配列を、該ピッチ配列の
    各ピッチの長さに比例した時間間隔毎に予め定めた一定
    パルス幅を有する矩形波を並べた時系列波形でパターン
    ノイズを近似し、 前記波形に、平均ピッチ長さに対応するピッチ1次周波
    数を中心とする帯域通過フィルタ処理を施して、得られ
    た波形をタイヤピッチ騒音波形とし、 前記タイヤピッチ騒音波形を用いて、音質に対応するタ
    イヤ騒音性能評価用物理量を演算し、 前記タイヤ騒音性能評価用物理量を用いてタイヤの騒音
    を評価する、 タイヤの騒音評価方法。
  2. 【請求項2】 前記音質に対応するタイヤ騒音性能評価
    用物理量として、音響心理学的な目立ち易さを表す予め
    定めた所定帯域の音成分物理量、及び音響心理学的なう
    なり感を表す予め定めた低周波数の変動量の少なくとも
    一方を定めることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ
    の騒音評価方法。
  3. 【請求項3】 前記予め定めた一定パルス幅は、タイヤ
    1回転の時間が250ミリ秒の時に、0.5ミリ秒近傍
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイ
    ヤの騒音評価方法。
  4. 【請求項4】 前記帯域通過フィルタ処理は、帯域下限
    周波数がピッチ1次周波数の1/2であると共に、帯域
    上限周波数がピッチ1次周波数の2/3であるピッチ1
    次周波数に一致した帯域幅を設定することを特徴とする
    請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤの騒
    音評価方法。
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