JPH11235562A - 重質油系燃焼灰の処理方法 - Google Patents

重質油系燃焼灰の処理方法

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JPH11235562A
JPH11235562A JP10040179A JP4017998A JPH11235562A JP H11235562 A JPH11235562 A JP H11235562A JP 10040179 A JP10040179 A JP 10040179A JP 4017998 A JP4017998 A JP 4017998A JP H11235562 A JPH11235562 A JP H11235562A
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啓一 三浦
Hirotaka Senba
裕隆 仙波
Tsutomu Suzuki
務 鈴木
Kenji Nozaki
賢二 野崎
Toshihisa Maruta
俊久 丸田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重質油系燃焼灰からニッケルやバナジウム
を効率よく分離回収する処理方法を提供する。 【解決手段】重質油系燃焼灰を酸化処理してバナジウム
を分離回収した後に、溶媒抽出処理によりニッケルとバ
ナジウムを分離回数し、さらにマグネシウムと石膏を回
収する処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重質油系燃焼灰か
らバナジウムやニッケルなどの有価金属を効果的に分離
回収する処理方法に関する。より詳しくは、新たなエネ
ルギー源として注目されているオリマルジョン等の重質
油系燃焼灰からバナジウムとニッケルを効率良く回収
し、さらにマグネシウムおよび石膏を分離する処理方法
に関する。
【0002】火力発電所や各種工業プラントのボイラー
等は重油や石油コークス等の重質油系燃料を用いるもの
が多く、現在、多量の燃焼灰が排出されている。これら
の大部分は埋め立て処分されているが、この燃焼灰には
バナジウム等の有価金属が含有されており、環境汚染の
防止および再資源化の観点から、その有効利用が求めら
れている。
【0003】
【従来の技術】このような重油灰から有価物を回収する
方法が従来いくつか提案されている。特開昭60−46
930号には、石油系燃料の燃焼灰スラリーに硫酸を加
えて未燃カーボンを分離した後に、酸化剤とアンモニア
を加えてアルカリ性下で鉄分を沈殿させ、次いで液性を
強酸性に調整して液中のバナジウムを五酸化バナジウム
として沈殿させ、これを分離回収した後に再び液性をア
ルカリ性に戻し、硫化物を添加して液中のニッケルを硫
化ニッケルとして沈殿させ、これを分離回収した濾液に
石灰を添加して石膏を析出させて回収する処理方法が開
示されている。しかし、この処理方法は液性の調整が煩
雑であり、処理コストが嵩む問題がある。さらに、酸化
剤とアンモニアを加えたときにバナジウム化合物も鉄分
と同時に沈殿してしまい、バナジウム化合物を分離して
回収するのが難しい。
【0004】上記処理方法の改良として、特公平4−6
1709号に、鉄分を除去した後の濾液を冷却してバナ
ジウムのアンモニウム化合物を沈殿させ、分離後、濾液
に硫酸を添加して酸性下で硫酸ニッケルアンモニウムを
析出させる方法が提案されている。この方法は先の処理
方法によりも液性の調整が省略されているが、いずれの
方法でも、アンモニア化合物の沈殿を形成させる際に同
種の金属が共存するとこれらが同時に沈殿するので分離
回収が難しい。また、アンモニアが過剰になるとアンミ
ン錯塩が形成されて沈殿を生じない。しかもその調整が
難しいなどの問題がある。
【0005】
【発明の解決課題】本発明は、重質油系燃焼灰の処理方
法について、従来の処理方法における上記問題を解決し
たものであり、ニッケルやバナジウムを系統的に分離で
き、しかもこれらの回収効率が高く、分離効果に優れた
経済的な処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】すなわち、本発明は、(1)重
質油系燃焼灰を水性スラリーにするスラリー化工程、水
性スラリーの液部に酸性下で酸化剤を添加して液中のバ
ナジウムを酸化する工程、この後にアンモニアを添加し
てバナジウム化合物を沈殿させる析出工程、析出したバ
ナジウム化合物を固液分離して回収する工程を有する酸
化処理工程(A)、上記酸化処理工程(A)から分離された
固形部ないし液部をアンモニア水と混合してニッケルを
含む含有成分を浸出させる浸出工程、この浸出液にニッ
ケル抽出溶媒を加えてニッケルを抽出するニッケル抽出
工程、抽出したニッケルを析出させるニッケル析出工
程、析出したニッケルを固液分離する回収工程を有する
ニッケル処理工程(B)、上記ニッケル処理工程(B)から
分離されたニッケル抽出残液(水相)にバナジウム抽出溶
媒を加えてバナジウムを抽出するバナジウム抽出工程、
抽出したバナジウムを析出するバナジウム析出工程、析
出したバナジウムを固液分離する回収工程を有するバナ
ジウム処理工程(C)、上記バナジウム処理工程(C)から
分離されたバナジウム抽出残液(水相)に酸化マグネシウ
ムを加え、水酸化マグネシウムを析出させて濾過分離す
るマグネシウム分離工程、この濾液に石灰を加え、石膏
を析出させて濾過分離する石膏分離工程を有する後処理
工程(D)、を有することを特徴とする重質油系燃焼灰の
処理方法に関するものである。
【0007】本発明の上記処理方法は、(2)酸化処理
工程(A)のバナジウム析出工程と回収工程の間に、析出
したバナジウム化合物を回収して溶解させる再溶解工
程、この溶解液から残留物を分離後、アンモニアを添加
して再びバナジウム化合物を析出させる再析出工程を含
む処理方法、(3)ニッケル処理工程(B)において、抽
出したニッケルを含有する有機溶媒に硫酸液を加えてニ
ッケルを硫酸液に逆抽出し、この硫酸液から硫酸ニッケ
ルを析出させる処理方法、(4)バナジウム処理工程
(C)において、バナジウム抽出溶媒に塩化アンモニウム
とアンモニア水の混合液からなる逆抽出液を加えてバナ
ジウムを水相に逆抽出し、この逆抽出液にアンモニアを
添加してバナジウム化合物を析出させる処理方法を含
む。
【0008】
【発明の実施の態様】以下に本発明を実施例と共に詳細
に説明する。本発明の処理方法は、重質油系燃焼灰を酸
化処理してバナジウムを回収する酸化処理工程(A)、溶
媒抽出によってニッケルとバナジウムを分離回収する溶
媒処理工程(ニッケル処理工程:B、バナジウム処理工
程:C)、およびマグネシウムと石膏を回収する後処理
工程(D)を系統的に一貫して行うことにより、これらを
効率よく分離回収できるようにした処理方法である。
【0009】以下、各工程ごとに詳しく説明する。な
お、溶媒抽出処理の各工程において示した溶媒の種類お
よび抽出条件等は例示であり、使用される溶媒は例示さ
れるものに限らず、また抽出条件も使用する溶媒の種類
に応じて定められる。また、各抽出工程における抽出装
置はミキサセトラー等の一般の装置を用いることができ
る。
【0010】重質油系燃焼灰 本発明において重質油系燃焼灰とは、タール質燃料、重
油、石油コークス、石油ピッチ、アスファルト等の重質
油系燃料を燃焼した際に生じる塵灰を云う。これらは発
電所や各種工業プラントのボイラー等から排出される集
塵灰等を処理対象にすることができる。タール質燃料の
1種としてオリノコタールと称する超重質油が最近注目
されている。これはベネズエラのオリノコ川流域から産
出する高粘性の重質油であり、豊富な埋蔵量が見込まれ
ることから新たなエネルギー源として注目されている。
これをエマルジョン化したものはオリマルジョンと呼ば
れている。本発明の処理方法は、このオリマルジョンを
含む各種重質油系燃料の燃焼灰を処理対象とする。因み
に、オリマルジョン燃焼灰の成分は、例えば、V25
5〜10.0wt%、Ni:0.5〜4wt%、MgO:5〜
25wt%、NH3:15〜30wt%、SO3 :30〜6
0wt%であり、この成分例に示すように、バナジウムお
よびマグネシウム、ニッケルが含有されており、硫黄分
およびアンモニアが多く、有価資源として利用すること
ができる。
【0011】(A)酸化処理工程 この工程では、重質油系燃焼灰に含まれるバナジウムを
主に分離回収して、後続の溶媒抽出処理の負担を軽減
し、処理効果を高める。 (A-1)スラリー化工程 重質油系燃焼灰に水を加えて水性スラリーとし、必要に
応じて、未燃カーボンを除去する。未燃カーボンは上記
水性スラリーを攪拌して静置することにより液面に浮遊
するので、これを掻き取りあるいは流し出すことにより
除去することができる。重質油系燃焼灰は多量の硫黄分
を含有しているので、水性スラリーにすることにより硫
黄分が溶出してpH2前後の強酸性の溶液となり、バナ
ジウムが溶出する。なお、燃焼灰に含有されているニッ
ケルやマグネシウムの溶出を抑制するために、固体濃度
を高くし、かつ混合時間を短くすると良い。スラリーの
好ましい固体濃度は30〜50%である。
【0012】(A-2)酸化工程 上記水性スラリーを濾過して未溶解の固形分を分離し、
液部に酸化剤を添加して液中のバナジウムを酸化する。
酸化剤としては塩素酸ナトリウムや過酸化水素など通常
のものを用いることができる。バナジウムは5価に酸化
するのが好ましい。バナジウム化合物を回収した後に精
製する際、メタバナジン酸アンモニウムとして回収すれ
ば高純度のバナジウムを得ることができるので、この沈
殿を形成させるためにはバナジウムを5価に酸化する。
分離した固形分は後述する溶媒抽出工程に回送して再処
理することができる。酸化工程の液性は酸性のままであ
る。従来の処理方法は、酸化剤と共にアンモニアを加え
て溶液をアルカリ性にしているが、これでは後続の析出
工程を酸性の液性下で行う上で不都合であり、また、バ
ナジウムの酸化と同時にバナジウムのアンモニア化合物
が形成されるので、その酸化および析出が不十分にな
る。酸化工程の液温は50℃以下が好ましく、これ以上
に加熱する必要はない。
【0013】(A-3)析出工程 酸化工程を経た強酸性の上記濾液にアンモニアを添加
し、概ねpH1以上、好ましくはpH2〜4、更に好ま
しくはpH2.5〜3.5の液性下で、60〜95℃、好
ましくは80〜90℃に加温してメタバナジン酸アンモ
ニウム等のバナジウム化合物を沈殿させる。上記溶液の
pHが1未満または4を超えるとバナジウム化合物が十
分に析出しない。液温は室温でも良いが析出反応を促進
させるには上記温度範囲が好ましい。
【0014】(A-4)再溶解工程 析出工程を経た上記溶液を濾過して析出物を回収する。
分離した液部は硫酸を含む酸性溶液なので、上記スラリ
ー化工程あるいは付属する溶媒抽出工程などに回送して
再利用することができる。回収した析出物(バナジウム
化合物など)を水、好ましくは75℃程度の温水に混合
し、これに炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムなどのナ
トリウム化合物を添加し、液性を弱酸性、例えばpH
6.5〜7.5に調整することにより上記析出物中のバナ
ジウム化合物を溶解させる。バナジウムは溶解度の大き
いバナジン酸ナトリウムを形成して液中に溶解する。な
お、析出物中に酸化鉄、酸化珪素、酸化アルミニウムな
どの酸化物が混在する場合、このような弱酸性下で炭酸
ナトリウムなどを添加しても、これらの酸化物は殆ど溶
解しない。従って、この再溶解工程を経て未溶解物を固
液分離することにより、混在するこれらの酸化物とバナ
ジウム化合物とを分離することができる。
【0015】(A-5)再析出工程 上記バナジウム化合物の溶解液を濾過して、未溶解固形
分を分離し、その濾液にアンモニアを添加してバナジウ
ム化合物(主にメタバナジン酸アンモニウム)を沈殿させ
る。なお、ここで濾液のpHを8〜10、好ましくはp
H8.5〜9.5に調整すると共に濾液を加温、好ましく
は75〜85℃に加温すると良い。
【0016】(A-6)分離回収工程 上記溶解液を濾過してバナジウム化合物(主にメタバナ
ジン酸アンモニウム)を分離回収する。濾液には未回収
分のバナジウムおよびニッケル、あるいはこれらと共に
浸出したマグネシウムが含まれているので、後述の溶媒
抽出工程に回送して再利用することができる。回収した
メタバナジン酸アンモニウムは乾燥して製品にし、ある
いは210℃以上に加熱して分解し、バナジン酸の粉末
を得る。また、900℃前後に加熱してバナジン酸のフ
レークとしても良い。
【0017】(B)ニッケル処理工程 この工程では上記酸化処理工程において分離された固形
部および液部を溶媒抽出処理してニッケルを回収する。 (B-1)アンモニア浸出工程 上記酸化処理工程において、水性スラリーから分離され
た固形部、再溶解工程で分離された固形部、再析出した
バナジウム化合物を分離した後の液部などをアンモニア
水と混合してニッケルおよびバナジウムを浸出させる。
アンモニアを用いて浸出することにより、これらに含有
されるニッケル、バナジウムおよびマグネシウムなどが
浸出される。浸出は固体濃度30%以下、好ましくは2
0%以下が良く、浸出時間は2時間以上が適当である。
【0018】(B-2)ニッケル抽出工程 上記アンモニア浸出液を濾過して浸出残渣を除去した後
に、濾液にニッケル抽出溶媒を加えて混合し、溶媒中に
ニッケルを抽出する。ニッケルイオンを含む抽出液(有
機相)を浸出液(水相)と分離してニッケル析出工程に導
く。一方、分離した水相(浸出液)にはニッケルと共に浸
出したバナジウム等が含まれているのでバナジウム抽出
工程に導いて処理する。ニッケルの抽出溶媒としては、
キレート剤(2-Hydroxy-5-Nonylacetophenone-Oxime)
をケロシンで5vol%に希釈したものなどを用いること
ができる。抽出操作は、例えば、浸出液に対してこの溶
媒を1:1の液量で混合し、液性を中性付近(pH:8前後)
に保って行う。なお、一般にニッケル抽出溶媒として用
いられている他の溶液を用いても良い。
【0019】(B-3)ニッケル析出工程 抽出したニッケルイオンを含む溶液(有機相)は硫酸によ
る逆抽出を行って析出させることができる。すなわち、
ニッケル含有抽出液(有機相)に硫酸液を加えて該硫酸液
中にニッケルを逆抽出する。ニッケルが逆抽出された有
機相はニッケルを含む水相(硫酸液)から分離してニッケ
ル抽出工程に循環し、再利用することができる。逆抽出
は、例えば、硫酸とニッケル含有抽出液を、硫酸:抽出
液=1:15の液量で混合し、液性をpH1前後に調整
して行う。硫酸溶液(逆抽出液)から硫酸ニッケルを析出
させる操作は、例えば、この硫酸溶液を80℃程度に加
熱して水分を蒸発させ濃縮すれば良い。あるいは硫酸ニ
ッケルの溶解度以下に冷却して析出させても良い。
【0020】(B-4)ニッケル回収工程 析出した硫酸ニッケルを濾過し、回収して乾燥すれば粉
末状の硫酸ニッケルが得られる。この濾液は逆抽出液と
して再利用することができる。
【0021】(C)バナジウム処理工程 この工程ではニッケルを分離した抽出残液から溶媒抽出
によってバナジウムを分離回収する。 (C-1)バナジウム抽出工程 上記ニッケル抽出工程の抽出残液(水相アンモニア浸出
液)にバナジウム抽出溶媒を加えて混合し、溶媒中にバ
ナジウムを抽出する。抽出手段としてはミキサセトラー
等を利用すると良い。バナジウムの抽出溶媒としては、
キレート剤(Tricaprylyl Methyl AmmoniumChloride)
をケロシンで5vol%に希釈したものなどを用いること
ができる。抽出操作は、例えば、浸出液に対してこの溶
媒を1:1の液量で混合し、液性を中性(pH=7.5程度)に
保って行う。なお、一般にバナジウム抽出溶媒として用
いられている他の溶液を用いても良い。抽出したバナジ
ウムイオンを含む溶媒(有機相)は浸出液(水相)と分離
し、バナジウムの析出工程に導く。分離した水相は、ニ
ッケルやバナジウムと共にマグネシウムを含むものはマ
グネシウム回収工程に導いて処理する。なお、バナジウ
ムの析出は予め逆抽出によりバナジウムを水相に移行さ
せて行うと良い。
【0022】(C-2)バナジウム析出工程 抽出したバナジウムを含む有機溶媒に逆抽出液(水相)を
加えてバナジウムを水相に移行させた後に析出させる。
逆抽出液としては、例えば、塩化アンモニウムとアンモ
ニア水の混合液(NH4Cl75%、NH4OH25%)などを用いる
ことができる。この逆抽出液を有機相に対して、逆抽出
液:有機相=1:15の液量で混合し、中性付近(pH:8.
5)の液性下で逆抽出する。なお、逆抽出液は上記溶液に
限らず、また抽出条件も逆抽出液に応じて定められる。
このバナジウムを含む逆抽出液にアンモニア水を加えて
アンモニア濃度を高めることによりバナジウム化合物
(メタバナジン酸アンモニウム)を析出させる。なお、こ
の場合、溶液のpHを9前後に調整し、液温を75℃前
後に加熱するのが好ましい。
【0023】(C-3)バナジウム回収工程 析出したバナジウム化合物を濾過分離して回収する。分
離した濾液はバナジウム逆抽出工程に循環し、逆抽出液
として再利用することができる。回収したメタバナジン
酸アンモニウムは乾燥して製品にし、あるいは210℃
以上に加熱して分解し、バナジン酸の粉末を得る。ま
た、900℃前後に加熱してバナジン酸のフレークとし
ても良い。
【0024】以上の溶媒抽出によるニッケル処理工程と
バナジウム処理工程は何れを先に行っても良い。
【0025】(D)後処理工程(マグネシウム、石膏回収
工程) バナジウム抽出工程で分離された抽出残液(水相)には硫
酸マグネシウム、硫酸アンモニウムマグネシウム、硫酸
アンモニウムが存在している。この工程では上記抽出残
液からマグネシウムおよび石膏を回収する。まず、上記
抽出残液に酸化マグネシウムを追加し、液温を100〜
250℃前後に加熱することにより、アンモニアガスが
発生すると共にマグネシウムが硫酸マグネシウムに変化
させる。次に、アンモニア水を加えてpH8.5〜10.
5、好ましくはpH9.8〜10前後に調整することに
より水酸化マグネシウムを析出させる。これを濾過分離
して回収する。次に、上記濾液に石灰を加え、沈殿した
石膏を濾過分離して回収する。石灰は生石灰でも消石灰
でも良い。反応が終わるまで石灰を添加する。液温は室
温でも良いが、40〜50℃に加温するのが好ましい。
なお、石膏を分離した液部はアンモニア浸出工程に循環
して再利用すると良い。また、水酸化マグネシウムの析
出および石膏の析出の際に発生するアンモニアガスを回
収し、アンモニア浸出工程で再利用すると良い。
【0026】
【実施例および比較例】以下、本発明を実施例によって
具体的に示す。実施例1 オリマルジョン燃焼灰(V25:4.5wt%、Ni:0.5
wt%、MgO:4.8wt%、NH3:14%、SO3:51
%)1kgに水1kgを加えて水性スラリーとし、スラリー
の固体濃度を50%として30秒間混合し濾過した。こ
の濾液(pH1.8、液温28℃)に塩素酸ナトリウム(NaCl
O3)を添加して3時間混合し、液中のバナジウムを5価
に酸化した。塩素酸ナトリウムの添加は混合液の色が黄
色に変わるのを目安とした。引き続き、この溶液にアン
モニアを添加して沈殿物を析出させた。このときの溶液
のpHは2.8であり、液温は85℃に保持した。次
に、上記溶液を濾過して固形分を回収した。さらに、こ
の固形分1重量部に対して0.35重量部の炭酸ナトリ
ウムおよび水300gを加え、pH7に調整して液温を
75℃に保持し、攪拌して全固形分を溶解した。この溶
液を濾過して未溶解の残留物を除去し、この濾液にアン
モニアを添加してpHを8.8に調整し、室温で6時間
混合することにより、沈殿物を析出させた。この沈殿物
を濾過して回収し、乾燥することによりメタバナジン酸
アンモニウム粉末44g(回収率76%)を得た。一方、
上記水性スラリーから分離した固形分480g、炭酸ナ
トリウムによる再溶解処理で分離した未溶解残留物5
g、およびメタバナジン酸アンモニウム回収後の残液3
00gを用い、これに固体濃度が20%になるようにア
ンモニア水を加えて2時間混合し、濾過した。この濾液
(アンモニア浸出液)にニッケルの抽出溶媒を加えてニ
ッケルを抽出した。ニッケル抽出溶媒としては、キレー
ト剤(2-Hydroxy-5-Nonylacetophenone-Oxime)をケロ
シンで5vol%に希釈したものを用い、溶液のpHを8
に調整し、浸出液に対してこの溶媒を1:1の液量で加
えて3分間混合した。このニッケル抽出液を浸出液と分
離し、該抽出液300mlに硫酸液(濃度20wt%)20mlを
加え(Ni抽出液:硫酸=15:1)、pH1.5の液性
下で3分間混合してニッケルを逆抽出した。引き続き、
この硫酸液を80℃に加熱し、水分を蒸発させて硫酸ニ
ッケル粉末2gを得た。この粉末の不純物濃度はFe,
Mg,Vが何れも50ppm以下であった。上記ニッケル
抽出工程で抽出溶媒と分離したアンモニア浸出液300
gにバナジウム抽出溶媒を加えてバナジウムを抽出し
た。バナジウムの抽出溶媒としては、キレート剤(Tric
aprylyl Methyl Ammonium Chloride)をケロシンで5vo
l%に希釈したもの用い、浸出液に対してこの溶媒を
1:1の液量で混合し、溶液のpHを7.5に調整し
て、3分間混合した。次に、このバナジウム抽出液に逆
抽出液(塩化アンモニウム75%とアンモニア水25%
の混合液)20ml(逆抽出液:V抽出液=1:15)を
混合し、溶液のpHを8.5に調整し、3分間混合して
バナジウムを逆抽出した。この逆抽出液をバナジウム抽
出溶媒と分離し、その全量にアンモニア水を加えて溶液
のpHを9に調整し、液温を75℃に加熱して生じた析
出物を濾過分離して回収し、乾燥してメタバナジン酸ア
ンモニウム粉末1.2gを得た。この粉末の不純物濃度
はCa,Feが何れも50ppm以下であった。バナジウム
抽出工程で分離したアンモニア浸出液300mlを用い、
該浸出液100重量部に対して酸化マグネシウム10重
量部を加え、液温を100〜250℃に加熱した後に、
アンモニア水を加え、液性をpH9.8に調整して沈殿
物を析出させ、これを濾過分離して回収し、乾燥して水
酸化マグネシウム粉末21gを得た。さらに、水酸化マ
グネシウムを分離した濾液200mlに生石灰3.5gを
加えて石膏を沈殿させ、濾過分離して石膏8.5gを回
収した。
【0027】実施例2 オリマルジョン燃焼灰(V25:4.5wt%、Ni:0.5
wt%、MgO:4.8wt%、NH3:14%、SO3:51
%)1kgに水1kgを加えて水性スラリーとし、スラリー
の固体濃度を50%として30秒間混合し、これを濾過
した。この濾液(pH1.8、液温28℃)に塩素酸ナトリウ
ム(NaClO3)を添加して3時間混合し、液中のバナジウム
を5価に酸化した。塩素酸ナトリウムの添加は混合液の
色が黄色に変わるのを目安とした。引き続き、この溶液
にアンモニアを添加して沈殿物を析出させた。このとき
の溶液のpHは2.8であり、液温は85℃に保持し
た。この沈殿物を濾過して回収し、乾燥することにより
メタバナジン酸アンモニウム粉末46g(回収率80%)
を得た。引き続き、上記水性スラリーから分離した固形
分480g、およびメタバナジン酸アンモニウム回収後
の残液500gを用い、これに固体濃度が25%になる
ようにアンモニア水を加えて2時間混合した後に、実施
例1と同様にしてニッケル処理工程、バナジウム処理工
程を経てマグネシウム、石膏の回収工程の処理を行っ
た。この結果、メタバナジン酸アンモニウム粉末2g、
硫酸ニッケル3g、水酸化マグネシウム35g、石膏1
4gを回収した。硫酸ニッケル粉末およびバナジン酸ア
ンモニウム粉末の不純物濃度はCa,Feが何れも10
0ppm以下であった。
【0028】実施例3 重質油系燃料の燃焼灰として、V25:7wt%、Ni:2
wt%、MgO:10wt%、NH3:18wt%、SO343wt
%を含むものを1000g用い、ニッケル抽出溶媒とし
て2−エチルヘキシル燐酸(2-ethylhexylphosphoric a
cid)、ニッケル逆抽出液として硫酸、バナジウム抽出溶
媒としてトリオクチルアミン(tri-octyl amine)、バナ
ジウム逆抽出液として炭酸ナトリウム溶液を用いた以外
は実施例1と同様にして硫酸ニッケル粉末7.5g、バ
ナジン酸アンモニウム粉末1.7gを回収した。これら
の粉末の不純物濃度はCa,Feが何れも100ppm以
下であった。
【0029】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、重質油系燃
焼灰を系統的に処理するので、これに含まれているニッ
ケルおよびバナジウムを処理負担を増さずに効率良く分
離して回収することができ、更に、ニッケルやバナジウ
ムと共に含まれるマグネシウムや硫黄分をも有効に回収
することができる。本発明の処理方法は、新たなエネル
ギー源として注目されているオリマルジョン燃焼灰等の
各種の重質油系燃焼灰を再資源化して利用することがで
き、従来、廃棄処理されていた燃焼灰を有効に活用する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 賢二 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 丸田 俊久 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質油系燃焼灰を水性スラリーにするス
    ラリー化工程、水性スラリーの液部に酸性下で酸化剤を
    添加して液中のバナジウムを酸化する工程、この後にア
    ンモニアを添加してバナジウム化合物を沈殿させる析出
    工程、析出したバナジウム化合物を固液分離して回収す
    る工程を有する酸化処理工程(A)、 上記酸化処理工程(A)から分離された固形部ないし液部
    をアンモニア水と混合してニッケルを含む含有成分を浸
    出させる浸出工程、この浸出液にニッケル抽出溶媒を加
    えてニッケルを抽出するニッケル抽出工程、抽出したニ
    ッケルを析出させるニッケル析出工程、析出したニッケ
    ルを固液分離する回収工程を有するニッケル処理工程
    (B)、 上記ニッケル処理工程(B)から分離されたニッケル抽出
    残液(水相)にバナジウム抽出溶媒を加えてバナジウムを
    抽出するバナジウム抽出工程、抽出したバナジウムを析
    出するバナジウム析出工程、析出したバナジウムを固液
    分離する回収工程を有するバナジウム処理工程(C)、 上記バナジウム処理工程(C)から分離されたバナジウム
    抽出残液(水相)に酸化マグネシウムを加え、水酸化マグ
    ネシウムを析出させて濾過分離するマグネシウム分離工
    程、この濾液に石灰を加え、石膏を析出させて濾過分離
    する石膏分離工程を有する後処理工程(D)、を有するこ
    とを特徴とする重質油系燃焼灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 酸化処理工程(A)のバナジウム析出工程
    と回収工程の間に、析出したバナジウム化合物を回収し
    て溶解させる再溶解工程、この溶解液から残留物を分離
    後、アンモニアを添加して再びバナジウム化合物を析出
    させる再析出工程を含む請求項1に記載の処理方法。
  3. 【請求項3】 ニッケル処理工程(B)において、抽出し
    たニッケルを含有する有機溶媒に硫酸液を加えてニッケ
    ルを硫酸液に逆抽出し、この硫酸液から硫酸ニッケルを
    析出させる請求項1または2に記載の処理方法。
  4. 【請求項4】 バナジウム処理工程(C)において、バナ
    ジウム抽出溶媒に塩化アンモニウムとアンモニア水の混
    合液からなる逆抽出液を加えてバナジウムを水相に逆抽
    出し、この逆抽出液にアンモニアを添加してバナジウム
    化合物を析出させる請求項1、2または3に記載の処理
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009074139A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Ihi Corp 未利用資源からの金属回収方法及び金属回収装置
JP2014133676A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 燃焼灰の処理方法及びセメントの製造方法
WO2018211996A1 (ja) * 2017-05-19 2018-11-22 株式会社物質資源化研究所 石油燃焼灰の処理方法
CN111479939A (zh) * 2017-12-04 2020-07-31 昭和电工株式会社 钒酸盐的制造方法

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