JPH1123565A - 腐食環境scc亀裂進展予測方法 - Google Patents
腐食環境scc亀裂進展予測方法Info
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- JPH1123565A JPH1123565A JP9183619A JP18361997A JPH1123565A JP H1123565 A JPH1123565 A JP H1123565A JP 9183619 A JP9183619 A JP 9183619A JP 18361997 A JP18361997 A JP 18361997A JP H1123565 A JPH1123565 A JP H1123565A
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- Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】腐食環境での応力腐食割れ(SCC)亀裂の発
生,進展挙動における亀裂潜伏期間と亀裂進展期間の両
者を統合しSCC亀裂の進展を定量的、かつ、より現実
的に予測するアルゴリズムに基づいた亀裂進展予測方法
の提供。 【解決手段】腐食環境中のSCC亀裂が進展性の亀裂に
成長するまでの臨界亀裂形成時間で臨界SCC亀裂が形
成され、前記臨界SCC亀裂の応力拡大係数(K)がS
CC下限応力拡大係数(KISCC)以上の場合にSCC亀
裂の定常進展が生じ、そのときの亀裂先端歪み速度と応
力拡大係数との関係が、前記KISCCから開始するS字形
曲線に基づいて与えられる関係式に基づき亀裂進展を予
測するSCC亀裂進展予測方法。
生,進展挙動における亀裂潜伏期間と亀裂進展期間の両
者を統合しSCC亀裂の進展を定量的、かつ、より現実
的に予測するアルゴリズムに基づいた亀裂進展予測方法
の提供。 【解決手段】腐食環境中のSCC亀裂が進展性の亀裂に
成長するまでの臨界亀裂形成時間で臨界SCC亀裂が形
成され、前記臨界SCC亀裂の応力拡大係数(K)がS
CC下限応力拡大係数(KISCC)以上の場合にSCC亀
裂の定常進展が生じ、そのときの亀裂先端歪み速度と応
力拡大係数との関係が、前記KISCCから開始するS字形
曲線に基づいて与えられる関係式に基づき亀裂進展を予
測するSCC亀裂進展予測方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腐食環境に曝され
る材料の応力腐食割れ(SCC)亀裂の進展を予測する
方法に係わり、特に、原子炉内の高温水・中性子照射下
で使用され、SCCを発生する材料の亀裂進展を予測す
るに好適な、腐食環境SCC亀裂進展予測方法に関す
る。
る材料の応力腐食割れ(SCC)亀裂の進展を予測する
方法に係わり、特に、原子炉内の高温水・中性子照射下
で使用され、SCCを発生する材料の亀裂進展を予測す
るに好適な、腐食環境SCC亀裂進展予測方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラント等の各種プラントの
大型化や複雑化が進むにつれて、構造材の使用環境がま
すます過酷になり、それに伴って腐食環境に起因すると
みられる材料損傷が顕現化している。
大型化や複雑化が進むにつれて、構造材の使用環境がま
すます過酷になり、それに伴って腐食環境に起因すると
みられる材料損傷が顕現化している。
【0003】構造材料として広く使用されているステン
レス鋼等の合金材料は、高温水中の環境でSCCを起こ
す場合がある。SCCが発生してSCC亀裂が進展する
と、伸長したSCC亀裂によって材料強度が低下し、こ
れが設計強度を下回ると構造材の破壊が起ころため、腐
食環境でのSCC亀裂の進展を精度良く予測する方法が
望まれている。
レス鋼等の合金材料は、高温水中の環境でSCCを起こ
す場合がある。SCCが発生してSCC亀裂が進展する
と、伸長したSCC亀裂によって材料強度が低下し、こ
れが設計強度を下回ると構造材の破壊が起ころため、腐
食環境でのSCC亀裂の進展を精度良く予測する方法が
望まれている。
【0004】SCCは、材料、応力、環境の3つの要因
が重畳した条件下で生じるとされ、SCC亀裂の発生,
進展機構は、図2に示すように一般に以下の4つの過程
からなると考えられる。
が重畳した条件下で生じるとされ、SCC亀裂の発生,
進展機構は、図2に示すように一般に以下の4つの過程
からなると考えられる。
【0005】(1) 亀裂の発生起点でピットが生じ、
これが腐食環境による浸食で成長する。
これが腐食環境による浸食で成長する。
【0006】(2) 成長したピットから微小亀裂が発
生し、これが成長して個々の微小亀裂が連結,合体す
る。
生し、これが成長して個々の微小亀裂が連結,合体す
る。
【0007】(3) 微小亀裂の連結,合体で生じた連
結亀裂は、亀裂先端での応力拡大係数が小さいために、
亀裂進展速度が非常に緩慢な遷移進展性を示す。
結亀裂は、亀裂先端での応力拡大係数が小さいために、
亀裂進展速度が非常に緩慢な遷移進展性を示す。
【0008】(4) 連結亀裂がある一定の亀裂深さ達
し、それが臨界亀裂深さになると、亀裂は定常進展性に
なり、その後一定の亀裂進展速度で進展する。
し、それが臨界亀裂深さになると、亀裂は定常進展性に
なり、その後一定の亀裂進展速度で進展する。
【0009】従来の腐食環境SCC亀裂進展予測方法と
して、例えば、“Development anduse of Predictive
Model of Crack Propagation in 304/316
L,A583B/A508 and Inconel 600/18
2 Alloys in 288℃ Water”Proc.3rd Int.
Symp.on Environmental Degradation of Material
s in Nuclear Power Systems−Water Reactors,
NACE,p789(1988)に記載されている方法
では、上記の(1),(2)の過程を亀裂潜伏期間とみ
なして考慮外とし、(3)の過程で初期亀裂深さ
(a0)の連結亀裂の発生を仮定し、その発生時点
(t0)からSCC亀裂の進展を計算するものである。
して、例えば、“Development anduse of Predictive
Model of Crack Propagation in 304/316
L,A583B/A508 and Inconel 600/18
2 Alloys in 288℃ Water”Proc.3rd Int.
Symp.on Environmental Degradation of Material
s in Nuclear Power Systems−Water Reactors,
NACE,p789(1988)に記載されている方法
では、上記の(1),(2)の過程を亀裂潜伏期間とみ
なして考慮外とし、(3)の過程で初期亀裂深さ
(a0)の連結亀裂の発生を仮定し、その発生時点
(t0)からSCC亀裂の進展を計算するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、前記
(1),(2)の過程におけるSCC亀裂の発生を亀裂
潜伏期間とみなして考慮外とし、それまでの発生時間を
0としている。
(1),(2)の過程におけるSCC亀裂の発生を亀裂
潜伏期間とみなして考慮外とし、それまでの発生時間を
0としている。
【0011】また、前記(3)の過程においては、連結
亀裂は微小亀裂であるので、亀裂先端での応力拡大係数
が小さいため、亀裂先端歪み速度が非常に緩慢になる一
方、仮定する初期亀裂深さに強く依存するところのSC
C亀裂の遷移進展挙動を含んでいた。
亀裂は微小亀裂であるので、亀裂先端での応力拡大係数
が小さいため、亀裂先端歪み速度が非常に緩慢になる一
方、仮定する初期亀裂深さに強く依存するところのSC
C亀裂の遷移進展挙動を含んでいた。
【0012】このように、従来の腐食環境SCC亀裂進
展予測方法は、SCC亀裂の発生,進展挙動を亀裂潜伏
期間と亀裂進展期間とに分割すると、亀裂潜伏期間を無
視し、かつ、亀裂進展期間において遷移進展を含めた形
で、SCC亀裂の進展を予測している。
展予測方法は、SCC亀裂の発生,進展挙動を亀裂潜伏
期間と亀裂進展期間とに分割すると、亀裂潜伏期間を無
視し、かつ、亀裂進展期間において遷移進展を含めた形
で、SCC亀裂の進展を予測している。
【0013】本発明の目的は、SCC亀裂の発生,進展
挙動における亀裂潜伏期間と亀裂進展期間の両者を統合
した形で、SCC亀裂の進展を定量的に、かつ、より現
実的に予測するアルゴリズムに基づいた腐食環境SCC
亀裂進展予測方法を提供することにある。
挙動における亀裂潜伏期間と亀裂進展期間の両者を統合
した形で、SCC亀裂の進展を定量的に、かつ、より現
実的に予測するアルゴリズムに基づいた腐食環境SCC
亀裂進展予測方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記のSCC
亀裂の発生,進展機構での前記(4)の過程において、
SCC亀裂が臨界亀裂深さ以上になると、一定の亀裂進
展速度で亀裂が定常進展することから、臨界亀裂形成時
間(tC)、臨界亀裂深さ(aC)、SCC下限界応力拡
大係数(KISCC)の概念を導入し、SCC亀裂の進展を
計算するアルゴリズム(図1)で構成された腐食環境S
CC亀裂進展予測方法にある。
亀裂の発生,進展機構での前記(4)の過程において、
SCC亀裂が臨界亀裂深さ以上になると、一定の亀裂進
展速度で亀裂が定常進展することから、臨界亀裂形成時
間(tC)、臨界亀裂深さ(aC)、SCC下限界応力拡
大係数(KISCC)の概念を導入し、SCC亀裂の進展を
計算するアルゴリズム(図1)で構成された腐食環境S
CC亀裂進展予測方法にある。
【0015】本発明の腐食環境SCC亀裂進展予測方法
は、腐食環境中において、SCC亀裂が進展性の亀裂に
成長する臨界亀裂形成時間tCに達すると、臨界SCC
亀裂が形成されるとし、臨界SCC亀裂の応力拡大係数
(K)がKISCC以上の場合にSCC亀裂の定常進展が起
こり、そのときの亀裂先端歪み速度(dεct/dt)と応
力拡大係数(K)との関係を、KISCCから開始するS字
形曲線で与えられる前記関係式〔1〕,〔2〕を用い
て、亀裂進展量を順次計算するアルゴリズムによってS
CC亀裂の進展を予測するものである。
は、腐食環境中において、SCC亀裂が進展性の亀裂に
成長する臨界亀裂形成時間tCに達すると、臨界SCC
亀裂が形成されるとし、臨界SCC亀裂の応力拡大係数
(K)がKISCC以上の場合にSCC亀裂の定常進展が起
こり、そのときの亀裂先端歪み速度(dεct/dt)と応
力拡大係数(K)との関係を、KISCCから開始するS字
形曲線で与えられる前記関係式〔1〕,〔2〕を用い
て、亀裂進展量を順次計算するアルゴリズムによってS
CC亀裂の進展を予測するものである。
【0016】本発明を、(a)臨界亀裂形成時間tC、
(b)臨界SSC亀裂深さaC、(c)SCC下限界応
力拡大係数KISCC、(d)亀裂進展速度da/dtと亀裂
先端歪み速度dεct/dtの関係に分けて、次に述べる。
(b)臨界SSC亀裂深さaC、(c)SCC下限界応
力拡大係数KISCC、(d)亀裂進展速度da/dtと亀裂
先端歪み速度dεct/dtの関係に分けて、次に述べる。
【0017】(a)臨界亀裂形成時間 臨界亀裂形成時間tCは、SCC亀裂が進展性の亀裂に
成長するまでの時間、と考えることができ、破壊靱性試
験の1つである亀裂開口変位(COD)センサーや二重
片持はり(DCB)センサー等で発生時間を検出するこ
とができる。
成長するまでの時間、と考えることができ、破壊靱性試
験の1つである亀裂開口変位(COD)センサーや二重
片持はり(DCB)センサー等で発生時間を検出するこ
とができる。
【0018】図3に、予亀裂を有するDCBセンサーを
原子炉内に設置して得られたSCC亀裂進展と中性子照
射量の関係を示す。中性子照射量がSCC閾照射量(φ
t)thr eに達した時点付近で臨界SCC亀裂が形成され、
亀裂が定常進展を開始している。従って、中性子照射環
境下での臨界亀裂形成時間tCは、原子炉内での中性子
束をφとすると、次式〔3〕で求めることができる。
原子炉内に設置して得られたSCC亀裂進展と中性子照
射量の関係を示す。中性子照射量がSCC閾照射量(φ
t)thr eに達した時点付近で臨界SCC亀裂が形成され、
亀裂が定常進展を開始している。従って、中性子照射環
境下での臨界亀裂形成時間tCは、原子炉内での中性子
束をφとすると、次式〔3〕で求めることができる。
【0019】
【数2】 tC=(φt)thre/φ …〔3〕 (b)臨界SSC亀裂深さ 臨界SCC亀裂深さaCは、SCC亀裂が定常進展する
ことができる亀裂深さの最小臨界値と考えることができ
るので、降伏応力σy相当の応力場が作用するとき次式
〔4〕で求めることができる。
ことができる亀裂深さの最小臨界値と考えることができ
るので、降伏応力σy相当の応力場が作用するとき次式
〔4〕で求めることができる。
【0020】
【数3】
【0021】ここで、λは亀裂の形状によって決まる定
数、KISCCはSCC下限界応力拡大係数である。照射腐
食環境下において、定常進展するようなSCC亀裂が生
じた場合は、中性子照射量がSCC閾照射量(φt)thre
に達した時点で、上記式〔4〕で与えられる臨界SCC
亀裂深さaCを持ったSCC亀裂が形成されたと考える
ことができる。
数、KISCCはSCC下限界応力拡大係数である。照射腐
食環境下において、定常進展するようなSCC亀裂が生
じた場合は、中性子照射量がSCC閾照射量(φt)thre
に達した時点で、上記式〔4〕で与えられる臨界SCC
亀裂深さaCを持ったSCC亀裂が形成されたと考える
ことができる。
【0022】(c)SCC下限界応力拡大係数 SCC下限界応力拡大係数KISCCは、この値未満ではS
CCによる亀裂進展が認められず、この値以上になると
SCC亀裂の進展が起こる応力拡大係数の閾値と考える
ことができる。図4に亀裂先端歪み速度と応力拡大係数
の関係を示す。
CCによる亀裂進展が認められず、この値以上になると
SCC亀裂の進展が起こる応力拡大係数の閾値と考える
ことができる。図4に亀裂先端歪み速度と応力拡大係数
の関係を示す。
【0023】亀裂先端歪み速度dεct/dtは、SCC下
限界応力拡大係数KISCCから開始するS字形曲線で与え
られるが、応力拡大係数Kの値に対して、下記の3領域
に分類される依存特性を示すと考えることができる。
限界応力拡大係数KISCCから開始するS字形曲線で与え
られるが、応力拡大係数Kの値に対して、下記の3領域
に分類される依存特性を示すと考えることができる。
【0024】
【数4】
【0025】ここで、C1〜C5は環境と材料の組合せに
よって決まる定数である。
よって決まる定数である。
【0026】SCC亀裂の進展を予測する際は、臨界S
CC亀裂の形成時間tCで生じる進展性のSCC亀裂
が、前記式〔4〕で与えられる臨界SSC亀裂深さを有
するとし、その亀裂深さaCと、亀裂先端での応力場か
ら求められる応力拡大係数KがSCC下限界応力拡大係
数KISCC以上になる場合にはSCC亀裂が進展を起こ
し、KISCCより小さい場合はSCC亀裂が進展しないと
する。
CC亀裂の形成時間tCで生じる進展性のSCC亀裂
が、前記式〔4〕で与えられる臨界SSC亀裂深さを有
するとし、その亀裂深さaCと、亀裂先端での応力場か
ら求められる応力拡大係数KがSCC下限界応力拡大係
数KISCC以上になる場合にはSCC亀裂が進展を起こ
し、KISCCより小さい場合はSCC亀裂が進展しないと
する。
【0027】SCC亀裂が進展する時は、亀裂先端歪み
速度と応力拡大係数の関係が上記のS字形曲線で与えら
れるとする。
速度と応力拡大係数の関係が上記のS字形曲線で与えら
れるとする。
【0028】(d)亀裂進展速度と亀裂先端歪み速度の
関係 亀裂進展速度da/dtは、亀裂先端歪み速度dεct/dt
と活性溶解パラメータnによって次式〔1〕,〔2〕で
与えられる。
関係 亀裂進展速度da/dtは、亀裂先端歪み速度dεct/dt
と活性溶解パラメータnによって次式〔1〕,〔2〕で
与えられる。
【0029】
【数5】
【0030】活性溶解パラメータnは、亀裂の進展によ
り生じる亀裂先端部での新生すべり面の溶解電流密度の
時間変化から求めることができる。亀裂先端歪み速度d
εct/dtは、亀裂先端部での新生すべり面の形成速度と
定義でき、次式〔8〕で与えられる。
り生じる亀裂先端部での新生すべり面の溶解電流密度の
時間変化から求めることができる。亀裂先端歪み速度d
εct/dtは、亀裂先端部での新生すべり面の形成速度と
定義でき、次式〔8〕で与えられる。
【0031】
【数6】 dεct/dt=2ρd・b・cosθ・dX/dt …〔8〕 ここで、ρd:転位密度、b:転位のバーガ一スペクト
ル、θ:すべり方向と応力軸とのなす角、dX/dt:転
位の平均運動速度を示す。
ル、θ:すべり方向と応力軸とのなす角、dX/dt:転
位の平均運動速度を示す。
【0032】すべり面での転位の平均移動速度を実験的
に測定することで、亀裂先端歪み速度を決定することが
できる。図5に、活性溶解パラメータn:0.5の場合
における亀裂先端歪み速度dεct/dtと亀裂進展速度d
a/dtとの関係を例示する。
に測定することで、亀裂先端歪み速度を決定することが
できる。図5に、活性溶解パラメータn:0.5の場合
における亀裂先端歪み速度dεct/dtと亀裂進展速度d
a/dtとの関係を例示する。
【0033】亀裂先端歪み速度と活性溶解パラメータが
与えられると、前記式〔1〕,〔2〕から求められるS
CC亀裂進展速度da/dtを用いて、亀裂深さaの変化
量を順次求めて行き、亀裂深さaを次式
与えられると、前記式〔1〕,〔2〕から求められるS
CC亀裂進展速度da/dtを用いて、亀裂深さaの変化
量を順次求めて行き、亀裂深さaを次式
〔9〕で計算す
る。亀裂深さと亀裂先端での応力場から求められる応力
拡大係数Kが、SCC下限界応力拡大係数KISCCより小
さくなった時点でSCC亀裂が進展しなくなるとする。
る。亀裂深さと亀裂先端での応力場から求められる応力
拡大係数Kが、SCC下限界応力拡大係数KISCCより小
さくなった時点でSCC亀裂が進展しなくなるとする。
【0034】
【数7】
【0035】ここで、aCは臨界亀裂深さ、tCは臨界S
CC亀裂形成時間、da/dtはSCC亀裂進展速度であ
る。
CC亀裂形成時間、da/dtはSCC亀裂進展速度であ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明を実施例に基づき説明す
る。
る。
【0037】〔実施例 1〕本発明のアルゴリズムに基
づいて開発した、腐食環庚SCC亀裂進展解析計算プロ
グラムを用いて解析した結果について説明する。
づいて開発した、腐食環庚SCC亀裂進展解析計算プロ
グラムを用いて解析した結果について説明する。
【0038】ステンレス鋼製原子炉内構造物の溶接部を
対象とし、図6に示すような溶接による残留応力分布が
存在するとして、図7に示す照射SCC亀裂進展予測フ
ローに従って亀裂進展解析を行った。
対象とし、図6に示すような溶接による残留応力分布が
存在するとして、図7に示す照射SCC亀裂進展予測フ
ローに従って亀裂進展解析を行った。
【0039】照射環境下でのSCC亀裂進展解析は、S
CC発生の3要因である環境、材料、力学の各因子をパ
ラメータとして取り込み、特に、照射環境特有の事象で
ある照射−EPR、照射硬化、照射応力緩和等のモデル
式を組み込んで亀裂の進展計算を行う。
CC発生の3要因である環境、材料、力学の各因子をパ
ラメータとして取り込み、特に、照射環境特有の事象で
ある照射−EPR、照射硬化、照射応力緩和等のモデル
式を組み込んで亀裂の進展計算を行う。
【0040】亀裂進展の解析対象とするプラントの特定
部位を選定すると、図7に示すように、中性子照射率等
のプラント運転条件や、対象部位の腐食電位等のプラン
トパラメータ、降伏応力等の材料パラメータ、残留応力
分布等の応力パラメータを入力する。
部位を選定すると、図7に示すように、中性子照射率等
のプラント運転条件や、対象部位の腐食電位等のプラン
トパラメータ、降伏応力等の材料パラメータ、残留応力
分布等の応力パラメータを入力する。
【0041】中性子照射量がSCC閾照射量(φt)thre
に達した時点で、臨界SCC亀裂が形成されるとし、そ
の亀裂深さaと亀裂先端での残留応力場σとからK=F
・σ√πaで求められる応力拡大係数Kが、SCC下限
界応力拡大係数KISCCより小さい場合はSCC亀裂が進
展しないが、KISCC以上の場合にはSCC亀裂の進展が
超こるとした。
に達した時点で、臨界SCC亀裂が形成されるとし、そ
の亀裂深さaと亀裂先端での残留応力場σとからK=F
・σ√πaで求められる応力拡大係数Kが、SCC下限
界応力拡大係数KISCCより小さい場合はSCC亀裂が進
展しないが、KISCC以上の場合にはSCC亀裂の進展が
超こるとした。
【0042】SCC亀裂の進展過程では、中性子照射に
よって部材材料が照射硬化、照射粒界偏析、応力緩和等
で劣化して行くとする。SCC亀裂が進展する時の亀裂
先端歪み速度dεct/dtは、図4に示すように、亀裂先
端での応力拡大係数Kの値によって、亀裂先端歪み速度
の応力拡大係数依存性を第I領域、舞II領域、第III領
域の3つの領域に分けて計算する。
よって部材材料が照射硬化、照射粒界偏析、応力緩和等
で劣化して行くとする。SCC亀裂が進展する時の亀裂
先端歪み速度dεct/dtは、図4に示すように、亀裂先
端での応力拡大係数Kの値によって、亀裂先端歪み速度
の応力拡大係数依存性を第I領域、舞II領域、第III領
域の3つの領域に分けて計算する。
【0043】活性溶解パラメータnは、炉水導電率、腐
食電位、実効電気化学的再活性化率から与えられる。亀
裂進展速度da/dtは、亀裂先端歪み速度と活性溶解パ
ラメータからなる前記関係式〔1〕から求める。
食電位、実効電気化学的再活性化率から与えられる。亀
裂進展速度da/dtは、亀裂先端歪み速度と活性溶解パ
ラメータからなる前記関係式〔1〕から求める。
【0044】最終的な亀裂深さaは、式
〔9〕に示した
ように、臨界亀裂深さaCに亀裂進展速度da/dtを臨
界亀裂形成時間tC,即ち、tC=(φt)threから積分し
て求めた亀裂深さをプラスする。
ように、臨界亀裂深さaCに亀裂進展速度da/dtを臨
界亀裂形成時間tC,即ち、tC=(φt)threから積分し
て求めた亀裂深さをプラスする。
【0045】図8に、本実施例の方法と従来方法によっ
てSCC亀裂の進展をそれぞれ予測した結果を示す。
てSCC亀裂の進展をそれぞれ予測した結果を示す。
【0046】本実施例方法によるSCC亀裂進展の予測
結果は、年数が相当経過しないとSCC亀裂の進展がみ
られず、それまでの年数は亀裂潜伏期間とみなすことが
できる。つまり、SCC亀裂は亀裂潜伏期間を過ぎた
後、亀裂進展期間になって亀裂が一定の亀裂進展速度で
定常進展することが分かる。
結果は、年数が相当経過しないとSCC亀裂の進展がみ
られず、それまでの年数は亀裂潜伏期間とみなすことが
できる。つまり、SCC亀裂は亀裂潜伏期間を過ぎた
後、亀裂進展期間になって亀裂が一定の亀裂進展速度で
定常進展することが分かる。
【0047】一方、従来方法による予測結果は、SCC
亀裂の深さが早期に立ち上がっていることが分かる。こ
れは、従来方法では亀裂潜伏期間を無視して0としてい
るためである。従って、臨界SCC亀裂形成時間tCの
概念を導入することで、SCC亀裂の発生,進展挙動の
亀裂潜伏期間と、亀裂進展期間の両者を統合した本実施
例方法によるSCC亀裂進展予測は、SCC亀裂の進展
を、より現実的に予測することが可能である。
亀裂の深さが早期に立ち上がっていることが分かる。こ
れは、従来方法では亀裂潜伏期間を無視して0としてい
るためである。従って、臨界SCC亀裂形成時間tCの
概念を導入することで、SCC亀裂の発生,進展挙動の
亀裂潜伏期間と、亀裂進展期間の両者を統合した本実施
例方法によるSCC亀裂進展予測は、SCC亀裂の進展
を、より現実的に予測することが可能である。
【0048】〔実施例 2〕ステンレス鋼製原子炉内構
造物の溶接部を対象とし、図9に示すような溶接による
残留応力分布が存在する場合について、実施例1と同様
に、照射環境下でのSCC亀裂進展解析を行った。図1
0に、本実施例の方法と従来方法によってSCC亀裂の
進展をそれぞれ予測した結果を示す。
造物の溶接部を対象とし、図9に示すような溶接による
残留応力分布が存在する場合について、実施例1と同様
に、照射環境下でのSCC亀裂進展解析を行った。図1
0に、本実施例の方法と従来方法によってSCC亀裂の
進展をそれぞれ予測した結果を示す。
【0049】本実施例の方法によるSCC亀裂進展の予
測は、SCC亀裂が定常進展しないと云う結果になり、
現実の事象と合致する結果が得られた。これは、溶接に
よる残留応力場が十分に小さいため、臨界SCC亀裂先
端での応力拡大係数が、SCC下限界応力拡大係数K
ISCCより小さくなって、SCC亀裂の進展が起こらなか
ったことによる。
測は、SCC亀裂が定常進展しないと云う結果になり、
現実の事象と合致する結果が得られた。これは、溶接に
よる残留応力場が十分に小さいため、臨界SCC亀裂先
端での応力拡大係数が、SCC下限界応力拡大係数K
ISCCより小さくなって、SCC亀裂の進展が起こらなか
ったことによる。
【0050】一方、従来方法による予測は、SCC亀裂
が年数と共に進展して行く結果になる。これは、従来方
法では最初(時間=0)から一定の初期亀裂深さを仮定
して順次亀裂進展量の計算を行うことによるためであ
る。従って、臨界亀裂深さaCとSCC下限界応力拡大
係数KISCCの概念を導入した本発明のSCC亀裂進展予
測は、従来の方法よりもより信頼性の高い予測が可能な
ことが分かる。
が年数と共に進展して行く結果になる。これは、従来方
法では最初(時間=0)から一定の初期亀裂深さを仮定
して順次亀裂進展量の計算を行うことによるためであ
る。従って、臨界亀裂深さaCとSCC下限界応力拡大
係数KISCCの概念を導入した本発明のSCC亀裂進展予
測は、従来の方法よりもより信頼性の高い予測が可能な
ことが分かる。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る腐食環
境SCC亀裂進展予測方法は、臨界亀裂形成時間tC、
臨界亀裂深さaC、SCC下限界応力拡大係数KISCCの
概念を導入したアルゴリズムに基づいているので、SC
C亀裂の発生,進展挙動での亀裂潜伏期間と、亀裂進展
期間の両者を統合した形で、SCC亀裂の進展を定量的
に予測することができる。
境SCC亀裂進展予測方法は、臨界亀裂形成時間tC、
臨界亀裂深さaC、SCC下限界応力拡大係数KISCCの
概念を導入したアルゴリズムに基づいているので、SC
C亀裂の発生,進展挙動での亀裂潜伏期間と、亀裂進展
期間の両者を統合した形で、SCC亀裂の進展を定量的
に予測することができる。
【0052】また、SCC亀裂の進展予測については、
従来方法の予測よりも、より現実的な予測が可能になる
と共に、信頼性の高い予測ができる。
従来方法の予測よりも、より現実的な予測が可能になる
と共に、信頼性の高い予測ができる。
【図1】本発明に係る腐食環境SCC亀裂進展予測方法
のアルゴリズムを説明するフロー図。
のアルゴリズムを説明するフロー図。
【図2】SCC亀裂の発生,進展機構を模式的に示す説
明図。
明図。
【図3】亀裂進展と中性子照射量の関係を示す特性図。
【図4】亀裂先端歪み速度と応力拡大係数の関係を示す
特性図。
特性図。
【図5】亀裂進展速度と亀裂先端歪み速度の関係を示す
特性図。
特性図。
【図6】実施例1における溶接部の残留応力分布を示す
図。
図。
【図7】照射環境SCC亀裂進展を予測するための解析
手順を説明するフロー図。
手順を説明するフロー図。
【図8】実施例1のSCC亀裂進展の予測結果を示すグ
ラフ図。
ラフ図。
【図9】実施例2における溶接部の残留応力分布を示す
図。
図。
【図10】実施例2のSCC亀裂進展の予測結果を示す
グラフ図。
グラフ図。
Claims (2)
- 【請求項1】 腐食環境中において、応力腐食割れ(S
CC)亀裂が進展性の亀裂に成長するまでの臨界亀裂形
成時間(tC)で臨界SCC亀裂が形成され、前記臨界
SCC亀裂の応力拡大係数がSCC下限応力拡大係数K
ISCC以上の場合にSCC亀裂の定常進展が起こるとし
て、そのときの亀裂先端歪み速度(dεct/dt)と応力
拡大係数(K)の関係を、前記SCC亀裂の先端におけ
る応力拡大係数(K)に基づき、第I領域(KISCC≦K
<KI-II),第II領域(KI-II≦K<KII-III)および
第III領域(KII-III≦K)の3つの領域で構成される
S字形曲線で与えられる式〔1〕,〔2〕により、 【数1】 亀裂進展速度(da/dt)を求め、これにより亀裂進展
量を計算するアルゴリズムによって、腐食環境でのSC
C亀裂の進展を予測することを特徴とする腐食環境SC
C亀裂進展予測方法。 - 【請求項2】 原子炉内における腐食環境において、中
性子照射量がSCC閾照射量〔(φt)thre〕に達した時
点で臨界SCC亀裂が形成され、前記臨界SCC亀裂の
応力拡大係数がSCC下限界応力拡大係数(KISCC)以
上の場合にSCC亀裂の定常進展が起こるとして、その
ときの亀裂先端歪み速度(dεct/dt)と応力拡大係数
(K)との関係を、前記SCC亀裂の先端における応力
拡大係数(K)に基づき、第I領域(KISCC≦K<K
I-II),第II領域(KI-II≦K<KII-III)および第II
I領域(KII-III≦K)の3つの領域で構成されるS字
形曲線で与えられる前記式〔1〕,〔2〕により亀裂進
展速度(da/dt)を求め、これにより亀裂進展量を計
算するアルゴリズムによって、中性照射環境でのSCC
亀裂の進展を予測することを特徴とする腐食環境SCC
亀裂進展予測方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9183619A JPH1123565A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 腐食環境scc亀裂進展予測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9183619A JPH1123565A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 腐食環境scc亀裂進展予測方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1123565A true JPH1123565A (ja) | 1999-01-29 |
Family
ID=16138955
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9183619A Pending JPH1123565A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 腐食環境scc亀裂進展予測方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1123565A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7013224B2 (en) * | 2002-07-15 | 2006-03-14 | General Electric Company | Method and apparatus to perform crack estimations for nuclear reactor |
| JP2007178157A (ja) * | 2005-12-27 | 2007-07-12 | Toshiba Corp | 原子力プラント構造物の予防保全方法 |
| JP2007183929A (ja) * | 2005-12-07 | 2007-07-19 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | プラント設備の機器保守計画方法 |
| JP2007218826A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Toshiba Corp | 応力腐食割れ評価方法および応力腐食割れ評価システム |
| WO2011069847A3 (en) * | 2009-12-07 | 2012-01-12 | Nuovo Pignone S.P.A. | Design method for subsea equipment subject to hydrogen induced stress cracking |
| JP2013130588A (ja) * | 2009-12-25 | 2013-07-04 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 原子力発電プラントの健全性評価システム |
| JP2014062780A (ja) * | 2012-09-20 | 2014-04-10 | Toshiba Corp | 原子炉の炉内構造物の寿命予測装置、方法及びプログラム |
| WO2022230255A1 (ja) * | 2021-04-30 | 2022-11-03 | Jfeスチール株式会社 | 鋼材の硫化物応力腐食割れ試験方法 |
| CN116501000A (zh) * | 2023-06-26 | 2023-07-28 | 深圳市鑫典金光电科技有限公司 | 一种复合铜散热底板生产设备的控制方法及系统 |
| CN120063914A (zh) * | 2025-03-04 | 2025-05-30 | 南京工程学院 | 一种快速测定金属应力腐蚀开裂临界应力值的方法 |
-
1997
- 1997-07-09 JP JP9183619A patent/JPH1123565A/ja active Pending
Cited By (14)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US8386221B2 (en) | 2009-12-07 | 2013-02-26 | Nuovo Pignone S.P.A. | Method for subsea equipment subject to hydrogen induced stress cracking |
| CN102741847A (zh) * | 2009-12-07 | 2012-10-17 | 诺沃皮尼奥内有限公司 | 用于经受氢致应力裂纹的海底装备的设计方法 |
| WO2011069847A3 (en) * | 2009-12-07 | 2012-01-12 | Nuovo Pignone S.P.A. | Design method for subsea equipment subject to hydrogen induced stress cracking |
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| WO2022230255A1 (ja) * | 2021-04-30 | 2022-11-03 | Jfeスチール株式会社 | 鋼材の硫化物応力腐食割れ試験方法 |
| JPWO2022230255A1 (ja) * | 2021-04-30 | 2022-11-03 | ||
| CN116501000A (zh) * | 2023-06-26 | 2023-07-28 | 深圳市鑫典金光电科技有限公司 | 一种复合铜散热底板生产设备的控制方法及系统 |
| CN116501000B (zh) * | 2023-06-26 | 2023-09-05 | 深圳市鑫典金光电科技有限公司 | 一种复合铜散热底板生产设备的控制方法及系统 |
| CN120063914A (zh) * | 2025-03-04 | 2025-05-30 | 南京工程学院 | 一种快速测定金属应力腐蚀开裂临界应力值的方法 |
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