JPH11237600A - 情報記憶媒体および情報書き込み装置 - Google Patents

情報記憶媒体および情報書き込み装置

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JPH11237600A
JPH11237600A JP10037811A JP3781198A JPH11237600A JP H11237600 A JPH11237600 A JP H11237600A JP 10037811 A JP10037811 A JP 10037811A JP 3781198 A JP3781198 A JP 3781198A JP H11237600 A JPH11237600 A JP H11237600A
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Hiroshi Arisawa
宏 有沢
Hideo Kobayashi
英夫 小林
Takeo Kakinuma
武夫 柿沼
Haruo Harada
陽雄 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つの情報記憶媒体に、同一の装置によっ
て、不可視情報を書き換え可能に記録でき、かつ可視情
報を表示し、書き換え可能に記録できるようにする。 【解決手段】 基板2,3間に、紫外光を選択反射する
コレステリック液晶層からなる非表示記憶層8Aと、可
視光中の特定波長の光を選択反射するコレステリック液
晶層からなる表示記憶層8Bを、分離基板4を介して積
層し、外光入射側と反対側の基板3の裏面に、光吸収層
6を設ける。非表示記憶層8Aを形成するコレステリッ
ク液晶と、表示記憶層8Bを形成するコレステリック液
晶の、相変化しきい電界強度を異ならせる。情報書き込
み装置20は、情報記憶媒体1とは別体に形成し、情報
記憶媒体1を挟持する書き込み電極21,22と、電極
21,22間に書き込み信号を印加する駆動回路23と
によって構成する。これによって、非表示記憶層8Aに
不可視情報を記録し、表示記憶層8Bに可視情報を表示
し、記録することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、不可視情報、ま
たは不可視情報と可視情報を、書き換え可能に記録する
ことができる情報記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】各種データなどの不可視情報を書き換え
可能に記録することができる情報記憶媒体としては、磁
気カードやICカードなどが考えられている。
【0003】画像などの可視情報を書き換えて表示する
ことができる表示記録媒体としても、種々のものが考え
られているが、多くは、可逆表示素子をカードなどの基
材上に印刷や貼付などの方法で形成して、表示記録部を
構成している。
【0004】例えば、熱のみで表示するものとして、特
開昭61−258853号には、サーマルヘッドで加熱
することによって、透明モードと白濁モードを切り替え
る、高分子と低分子の複合樹脂からなる表示記録媒体が
示されており、そのほか、サーマルヘッドによる加熱で
発色し、ヒートロールで消色する、ロイコ染料を用いた
表示記録媒体、同様にサーマルヘッドで白濁し、ヒート
ロールで透明になる、高分子液晶からなる表示記録媒体
などが考えられている。
【0005】また、熱と電界を必要とするものとして、
特開平8−272297号には、液晶と高分子の複合膜
からなる表示記録媒体が示され、特開平5−16578
号には、垂直磁気と水平磁気によって明暗の差を記録す
る磁性粉体からなる表示記録媒体が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不可視
情報を書き換え可能に記録する、磁気カードやICカー
ドなどの、従来の情報記憶媒体は、情報自体は目視でき
ないものの、情報を記録した媒体であることや、情報が
記録された部分が、一見して明確に分かり、そのため、
情報の改ざんや媒体の不正使用の危険が大きい欠点があ
る。
【0007】また、可視情報を書き換えて表示する、上
述した従来の表示記録媒体は、いずれも、不可視情報を
書き換え可能に記録することができず、あるいは記録で
きるとしても、可視情報と不可視情報の記録は別の原理
および手段によるため、可視情報および不可視情報の記
録ないし書き換えは、別の装置ないし方法で行わなけれ
ばならず、情報の記録ないし書き換えに時間がかかると
ともに、媒体および書き込み装置が高価になる欠点があ
る。
【0008】そこで、この発明の第1の目的は、情報を
記録した媒体であることや、情報が記録された部分が、
一見して分からず、情報の改ざんや媒体の不正使用の危
険が少なくなる、不可視情報を書き換え可能に記録する
ことができる情報記憶媒体を提供することにある。
【0009】この発明の第2の目的は、不可視情報を書
き換え可能に記録することができ、かつ不可視情報につ
いては、第1の目的と同様に、情報を記録した媒体であ
ることや、情報が記録された部分が、一見して分から
ず、情報の改ざんや媒体の不正使用の危険が少なくなる
とともに、同一の媒体に可視情報を書き換えて表示する
ことができ、しかも不可視情報および可視情報の記録な
いし書き換えを、同一の原理および手段によって、同一
の装置ないし方法で、一括して高速に行うことができ、
媒体および書き込み装置を低コスト化できるようにする
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の情報記
憶媒体は、一対の基板間に、可視光以外の波長の光を選
択反射し、不可視情報を記憶する、透明なコレステリッ
ク液晶層からなる非表示記憶層を形成したものである。
【0011】この場合、非表示記憶層を形成するコレス
テリック液晶層は、高分子を含むものとすることが望ま
しく、また、非表示記憶層を形成するコレステリック液
晶の選択反射波長は、紫外線領域とすることが望まし
い。
【0012】請求項5の発明の情報記憶媒体は、一対の
基板間に、可視光以外の波長の光を選択反射し、不可視
情報を記憶する、透明なコレステリック液晶層からなる
非表示記憶層と、可視光中の特定波長の光を選択反射
し、可視情報を記憶する、コレステリック液晶層からな
る表示記憶層とを、積層して形成したものである。
【0013】この場合、非表示記憶層を形成するコレス
テリック液晶層、および表示記憶層を形成するコレステ
リック液晶層は、それぞれ高分子を含むものとすること
が望ましい。また、非表示記憶層を形成するコレステリ
ック液晶の選択反射波長は、紫外線領域とすることが望
ましい。
【0014】また、非表示記憶層を形成するコレステリ
ック液晶と、表示記憶層を形成するコレステリック液晶
の、相変化しきい電界強度を異ならせることが望まし
い。
【0015】
【作用】液晶分子が螺旋構造を持つコレステリック液晶
は、螺旋軸に平行に入射した光を右旋光と左旋光に分
け、螺旋の捩じれ方向に一致する円偏光成分をブラッグ
反射し、残りの光を透過させる選択反射現象を起こす。
反射光の中心波長λは、螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交
する平面内の平均屈折率をnとすると、λ=n・pで表
される。
【0016】この反射中心波長λを可視光領域外とする
ことによって、コレステリック液晶層は、人の目で見れ
ば透明であるが、赤外線または紫外線を選択反射する状
態とすることができる。
【0017】正の誘電率異方性を有するコレステリック
液晶は、図13(A)に示すように、螺旋軸がセル表面
に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を生
じるプレーナー相、同図(B)に示すように、螺旋軸が
ほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させ
ながら透過させるフォーカルコニック相、および同図
(C)に示すように、螺旋構造がほどけて液晶ダイレク
タが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホ
メオトロピック相、の3つの状態を示す。
【0018】上記の3つの相のうち、プレーナー相とフ
ォーカルコニック相は、無電界で双安定に存在すること
ができる。したがって、コレステリック液晶の相状態
は、液晶層に印加される電界強度に対して一義的に決ま
らず、プレーナー相が初期状態の場合には、電界強度の
増加に伴って、プレーナー相、フォーカルコニック相、
ホメオトロピック相の順に変化し、フォーカルコニック
相が初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、フ
ォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順に変化す
る。
【0019】一方、電界強度を急激にゼロにした場合に
は、プレーナー相とフォーカルコニック相はそのままの
状態を維持し、ホメオトロピック相はプレーナー相に相
変化する。
【0020】したがって、パルス信号を印加した直後の
コレステリック液晶層は、図14に示すようなスイッチ
ング挙動を示し、印加されたパルス信号の電界強度が、
Efh,90以上のときには、ホメオトロピック相から
プレーナー相に相変化した選択反射状態となり、Ep
f,10とEfh,10の間のときには、フォーカルコ
ニック相による透過状態となり、Epf,90以下のと
きには、パルス信号印加前の状態を継続した状態、すな
わちプレーナー相による選択反射状態またはフォーカル
コニック相による透過状態となる。
【0021】ただし、図中、縦軸は正規化反射率であ
り、最大反射率を100、最小反射率を0として、反射
率を正規化している。また、プレーナー相、フォーカル
コニック相およびホメオトロピック相の各状態間には、
遷移領域が存在するため、正規化反射率が90以上の場
合を選択反射状態、正規化反射率が10以下の場合を透
過状態と定義し、プレーナー相とフォーカルコニック相
の相変化のしきい電界強度を、遷移領域の前後に対し
て、それぞれEpf,90、Epf,10とし、フォー
カルコニック相とホメオトロピック相の相変化のしきい
電界強度を、遷移領域の前後に対して、それぞれEf
h,10、Efh,90とする。
【0022】特に、コレステリック液晶に高分子を添加
したPNCLC(PolymerNetwork Ch
olesteric Liquid Crystal)
構造またはPDCLC(Polymer Disper
sed Cholesteric Liquid Cr
ystal)構造の液晶層においては、コレステリック
液晶と高分子の界面での干渉によって、プレーナー相と
フォーカルコニック相の無電界での双安定性が向上し、
長期間に渡ってパルス信号印加直後の状態を保持するこ
とができ、メモリ効果が著しく大きくなる。
【0023】請求項1の発明では、このコレステリック
液晶の双安定現象を利用して、特に可視光以外の波長の
光を選択反射するコレステリック液晶層を非表示記憶層
として形成し、そのコレステリック液晶層につき、プレ
ーナー相による選択反射状態と、フォーカルコニック相
による透過状態とを、スイッチングすることによって、
そのコレステリック液晶層に不可視情報を書き込む。
【0024】したがって、無電界でのメモリ性を有する
ように不可視情報を記録し、かつ書き換えることができ
る。
【0025】また、非表示記憶層としてのコレステリッ
ク液晶層は透明であるので、非表示記憶層は単なる透明
膜にしか見えず、情報を記録した媒体であることや、情
報が記録された部分が、一見して分からないので、情報
の改ざんや媒体の不正使用の危険が少なくなる。
【0026】ただし、コレステリック液晶は、その螺旋
軸に対して斜めの方向から観察した場合、その傾斜角に
応じて、選択反射光のスペクトルが短波長側に変化する
ので、非表示記憶層としてのコレステリック液晶層の選
択反射波長を赤外線領域とする場合には、媒体を観察す
る方向によっては、これに記録された不可視情報が、赤
外光より短波長側の赤の色光などとして見えてしまうこ
とがある。
【0027】これに対して、上述したように非表示記憶
層としてのコレステリック液晶層の選択反射波長を紫外
線領域とする場合には、紫外光より短波長側には可視光
が存在しないので、媒体をいかなる方向から観察して
も、これに記録された不可視情報が見えてしまうことは
ない。
【0028】請求項5の発明では、同様にコレステリッ
ク液晶の双安定現象を利用して、可視光以外の波長の光
を選択反射するコレステリック液晶層を非表示記憶層と
して、可視光中の特定波長の光を選択反射するコレステ
リック液晶層を表示記憶層として、積層して形成し、そ
れぞれのコレステリック液晶層につき、プレーナー相に
よる選択反射状態と、フォーカルコニック相による透過
状態とを、スイッチングすることによって、非表示記憶
層としてのコレステリック液晶層には不可視情報を書き
込み、表示記憶層としてのコレステリック液晶層には可
視情報を表示し、書き込む。
【0029】したがって、非表示記憶層としてのコレス
テリック液晶層には、無電界でのメモリ性を有するよう
に不可視情報を記録し、かつ書き換えることができると
ともに、表示記憶層としてのコレステリック液晶層に
は、可視情報を表示し、無電界でのメモリ性を有するよ
うに記録し、かつ書き換えることができる。
【0030】この場合、非表示記憶層を形成するコレス
テリック液晶と、表示記憶層を形成するコレステリック
液晶の、相変化しきい電界強度を異ならせるとともに、
その非表示記憶層と表示記憶層の積層体に、それぞれの
コレステリック液晶の相変化しきい電界強度を境界とす
る複数段階の電界強度から選定された電界強度となる書
き込み信号を印加することによって、(1)非表示記憶
層および表示記憶層が、ともにプレーナー相による選択
反射状態、(2)非表示記憶層および表示記憶層が、と
もにフォーカルコニック相による透過状態、(3)非表
示記憶層がプレーナー相による選択反射状態、表示記憶
層がフォーカルコニック相による透過状態、(4)非表
示記憶層がフォーカルコニック相による透過状態、表示
記憶層がプレーナー相による選択反射状態、の4つの状
態が得られ、一画素内で、非表示記憶層への不可視情報
の書き込みと、表示記憶層への可視情報の表示および書
き込みとを、独立かつ同時に行うことができる。
【0031】したがって、この場合には、非表示記憶層
および表示記憶層のそれぞれに駆動電極や駆動回路を設
けることなく、非表示記憶層と表示記憶層の積層体の両
側の電極間、または積層体の片側の電極と外部の電極と
の間、もしくは外部の一対の電極間に、共通の駆動回路
から共通の信号を印加することによって、非表示記憶層
への不可視情報の書き込みと、表示記憶層への可視情報
の表示および書き込みとを、一括して高速に行うことが
できるとともに、媒体および書き込み装置を低コスト化
することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】〔請求項1の発明の実施形態〕図
1は、請求項1の発明の情報記憶媒体の一例を示す。
【0033】情報記憶媒体1は、この例では、基板2,
3間に、紫外光を選択反射するコレステリック液晶層か
らなる非表示記憶層8Aを、スペーサー9Aを挿入して
形成し、外光入射側と反対側の基板3の裏面に、光吸収
層6を設けたものである。
【0034】基板2,3は、ガラスやシリコン、または
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ
塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリサルホンな
どの高分子フィルムを用いることができ、少なくとも外
光入射側の基板2は、少なくとも紫外光を透過させる材
料により形成する。
【0035】基板2,3の厚みは、数10μm〜数10
0μmで、自己支持性と可とう性を併せ持つことが好ま
しい。また、非表示記憶層8Aへの分圧比を大きくする
ため、できるだけ誘電率の大きいことが好ましい。ま
た、必要に応じて、その表面に、液晶配向層、耐摩耗
層、情報記憶媒体1内へのガスの混入を防止するバリア
層などの公知の機能性膜を形成してもよい。
【0036】スペーサー9Aは、ガラスやプラスチック
などからなるボール型またはシリンダー型のものを用い
ることができ、非表示記憶層8Aの厚みを数μm〜数1
0μmに制御する。特に基板2,3に可とう性を有する
材料を用いる場合には、基板2,3の変形によって非表
示記憶層8Aの厚みが大きく変化しないように、周囲に
接着成分が塗布されたスペーサー9Aを用いて、基板
2,3間を接着することが好ましい。
【0037】また、スペーサー9Aの代わりに、基板2
または3の表面に、非表示記憶層8Aの厚みを制御しう
る突起物などを形成してもよい。
【0038】光吸収層6は、非表示記憶層8Aを透過し
た紫外光を吸収するものであれば、特に限定されるもの
ではなく、例えば、カーボンブラックなどの色素が含有
された高分子膜を用いることができる。
【0039】なお、外光入射側と反対側の基板3の裏面
に光吸収層6を形成する代わりに、基板3と非表示記憶
層8Aとの間に光吸収層6を形成し、または基板3をブ
ラック染料などで着色して基板3に紫外光吸収性を持た
せ、光吸収層6を省略することもできる。
【0040】非表示記憶層8Aを構成するコレステリッ
ク液晶は、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェ
ニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン
系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル
系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系などの正
の誘電率異方性を有するネマチック液晶、またはこれら
の混合物に、エステル誘導体、シアノビフェニル誘導
体、ビスアニール誘導体などの、不斉炭素を有するカイ
ラル剤を添加した材料を用いることができる。
【0041】コレステリック液晶の螺旋ピッチは、ネマ
チック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整し、選択
反射の中心波長が300nm〜400nmの範囲となる
ようにする。
【0042】また、コレステリック液晶の螺旋ピッチの
温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる、ま
たは逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する
公知の手法を用いてもよい。
【0043】情報書き込み装置20は、情報記憶媒体1
とは別体に形成し、この例では、情報記憶媒体1を挟持
する書き込み電極21,22と、この電極21,22間
に書き込み信号を印加する駆動回路23とによって構成
する。駆動回路23は、図では省略したが、駆動電源
と、入力された不可視情報に基づいて、電極21,22
間に印加する信号を制御する制御部とによって構成す
る。
【0044】情報書き込み装置20は、例えば、電極2
1,22間に情報記憶媒体1の厚み分の間隙を有し、不
可視情報の書き込み時には、その間隙内に情報記憶媒体
1を所定位置まで差し込んで、後述するように情報記憶
媒体1に不可視情報を書き込み、または、電極21側を
電極22側に対して開閉できるようにして、電極21側
を開いて情報記憶媒体1を所定位置に挿入した後、電極
21側を閉じて情報記憶媒体1に不可視情報を書き込
む、などの構成とすることができる。
【0045】なお、この例の情報書き込み装置20は、
この例の情報記憶媒体1に対して、外部から書き込み信
号を印加できるものであればよく、例えば、画素サイズ
の電極を備えるペン書き込み型の書き込み装置、一次元
に電極が配置されたライン走査書き込み型の書き込み装
置、二次元に電極が配置された面書き込み型の書き込み
装置、またはこれらの形態でイオン流を発生させる書き
込み装置など、特に限定されるものではない。
【0046】図1の例は、情報記憶媒体1が内部に電界
印加用の電極や配線を全く持たない場合であるが、図2
に示す例のように、情報記憶媒体1の一方の基板側に共
通電極7を設けてもよい。
【0047】共通電極7は、非表示記憶層8Aへの分圧
比を大きくするために、一方の基板の内側、例えば、外
光入射側と反対側の基板3の内側、すなわち基板3と非
表示記憶層8Aとの間に形成することが望ましく、その
厚みは、数μm程度とすることが好ましい。
【0048】この場合、情報書き込み装置20には、不
可視情報の書き込み時に、この情報記憶媒体1の共通電
極7と接触して電気的に接続される接触子を設け、不可
視情報の書き込み時、情報書き込み装置20の書き込み
電極21と情報記憶媒体1の共通電極7との間に書き込
み信号を印加する。
【0049】この場合、印刷物10の印刷面11とは反
対側の面に情報記憶媒体1を貼り付けてもよい。
【0050】図1および図2の例は、非表示記憶層8A
を形成するコレステリック液晶層をコレステリック液晶
のみからなるLC構造とした場合であるが、非表示記憶
層8Aを形成するコレステリック液晶層は、コレステリ
ック液晶の連続相中に網目状の高分子を含むPNLC
(Polymer Network Liquid C
rystal)構造や、高分子の骨格中にコレステリッ
ク液晶がドロップレット状に分散されたPDLC(Po
lymer Dispersed LiquidCry
stal)構造とすることもできる。
【0051】非表示記憶層8AをPNLC構造やPDL
C構造とすることによって、コレステリック液晶と高分
子の界面にアンカリング効果が発生し、無電界でのプレ
ーナー相またはフォーカルコニック相の保持状態を、よ
り安定にすることができる。
【0052】図1または図2の例の情報記憶媒体1で
は、その非表示記憶層8Aを形成するコレステリック液
晶層の、図14に示したようなプレーナー相とフォーカ
ルコニック相の相変化のしきい電界強度Epf,10
と、フォーカルコニック相とホメオトロピック相の相変
化のしきい電界強度Efh,10との間の電界強度を第
1の電界強度Eaとし、フォーカルコニック相とホメオ
トロピック相の相変化のしきい電界強度Efh,90以
上の電界強度を第2の電界強度Ebとする。
【0053】そして、外部の情報書き込み装置20によ
って、図8(A)に示すような(同図にはリフレッシュ
期間Trも示しているが、この例ではリフレッシュ期間
Trは不要である)、交流パルスのセレクト期間Ts
と、その後の無電界の表示期間Tdとによって構成さ
れ、そのセレクト期間Tsでの電界強度Esが、不可視
情報に基づいて、上記の電界強度Ea,Ebから選定さ
れた電界強度となる書き込み信号、または、同図(B)
に示すような(同様に、この例ではリフレッシュ期間T
rは不要である)、直流パルスのセレクト期間Tsと、
その後の無電界の表示期間Tdとによって構成され、そ
のセレクト期間Tsでの電界強度Esが、不可視情報に
基づいて、上記の電界強度Ea,Ebから選定された電
界強度となる書き込み信号を、上記の情報記憶媒体1に
印加する。
【0054】これによって、非表示記憶層8Aとしての
コレステリック液晶層は、(1)プレーナー相による紫
外光を選択反射する状態、(2)フォーカルコニック相
による紫外光をも透過させる状態、とを取りうるように
なり、非表示記憶層8Aに不可視情報が書き込まれる。
【0055】このように記録された不可視情報を読み取
るには、図3に示すように、基板2側から情報記憶媒体
1に、ブラックライト蛍光ランプのような紫外線ランプ
などからの、紫外光からなる、または紫外光を十分に含
む入射光31を照射する。
【0056】これによって、プレーナー相による選択反
射状態とされた画素からは、紫外光の反射光32が得ら
れる。この反射光32を、紫外光を感知するCCDセン
サなどの光検出器によって検出することによって、情報
記憶媒体1に記録された不可視情報を読み取ることがで
きる。
【0057】紫外光の反射光32を波長変換素子によっ
て可視光に変換し、その変換後の光をCCDセンサなど
の光検出器によって検出するようにしてもよい。
【0058】〔請求項5の発明の実施形態〕図4は、請
求項5の発明の情報記憶媒体の一例を示す。
【0059】情報記憶媒体1は、この例では、基板2,
3間に、紫外光を選択反射するコレステリック液晶層か
らなる非表示記憶層8A、および可視光中の特定波長の
光を選択反射するコレステリック液晶層からなる表示記
憶層8Bを、非表示記憶層8Aおよび表示記憶層8Bに
はスペーサー9Aおよび9Bを挿入し、非表示記憶層8
Aと表示記憶層8Bの間には分離基板4を介して積層
し、外光入射側と反対側の基板3の裏面に、光吸収層6
を設けたものである。
【0060】基板2,3は、上述したものを用いること
ができ、少なくとも外光入射側の基板2は、紫外光と可
視光を透過させる材料により形成する。
【0061】この場合も、基板2,3の厚みは、数10
μm〜数100μmで、自己支持性と可とう性を併せ持
つことが好ましい。また、非表示記憶層8Aおよび表示
記憶層8Bへの分圧比を大きくするため、できるだけ誘
電率の大きいことが好ましい。また、必要に応じて、そ
の表面に、液晶配向層、耐摩耗層、情報記憶媒体1内へ
のガスの混入を防止するバリア層などの公知の機能性膜
を形成してもよい。
【0062】分離基板4は、基板2,3と同様の高分子
フィルムを用いることができ、光透過性を有する材料に
より形成する。その厚みは、数μm〜数10μmで、可
とう性を有することが好ましい。また、基板2,3と同
様に、非表示記憶層8Aおよび表示記憶層8Bへの分圧
比を大きくするため、できるだけ誘電率の大きいことが
好ましい。また、必要に応じて、その表面に、液晶配向
層などの公知の機能性膜を形成してもよい。
【0063】スペーサー9A,9Bは、それぞれ、図1
または図2の例のスペーサー9Aと同様である。また、
スペーサー9A,9Bの代わりに、基板2,3および分
離基板4の表面に、非表示記憶層8Aおよび表示記憶層
8Bの厚みを制御しうる突起物などを形成してもよい。
【0064】光吸収層6は、非表示記憶層8Aおよび表
示記憶層8Bを透過した紫外光および可視光を吸収する
ものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、
上述したカーボンブラックなどの色素が含有された高分
子膜を用いることができる。
【0065】なお、外光入射側と反対側の基板3の裏面
に光吸収層6を形成する代わりに、基板3と基板3上に
形成される表示記憶層8Bとの間に光吸収層6を形成
し、または基板3をブラック染料などで着色して基板3
に光吸収性を持たせ、光吸収層6を省略することもでき
る。
【0066】非表示記憶層8Aおよび表示記憶層8Bを
構成するコレステリック液晶は、図1の例の非表示記憶
層8Aと同様の材料を用いることができる。コレステリ
ック液晶の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイ
ラル剤の添加量で調整し、非表示記憶層8Aについて
は、選択反射の中心波長が300nm〜400nmの範
囲となり、表示記憶層8Bについては、選択反射の中心
波長が例えば500nm〜600nmの範囲となるよう
にする。また、コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度
依存性を補償するために、図1の例で示した手法を用い
てもよい。
【0067】この例でも、情報書き込み装置20は、情
報記憶媒体1とは別体に形成し、情報記憶媒体1を挟持
する書き込み電極21,22と、この電極21,22間
に書き込み信号を印加する駆動回路23とによって構成
する。そのほか、情報書き込み装置20については、図
1の例と同様に構成することができる。
【0068】図4の例は、図1の例と同様に情報記憶媒
体1が内部に電界印加用の電極や配線を全く持たない場
合であるが、図5に示す例のように、情報記憶媒体1の
一方の基板側に共通電極7を設けてもよい。共通電極7
については、図2の例と同様に構成する。
【0069】図4または図5の例は、非表示記憶層8A
および表示記憶層8Bを形成するコレステリック液晶層
をコレステリック液晶のみからなるLC構造とした場合
であるが、非表示記憶層8Aおよび表示記憶層8Bを形
成するコレステリック液晶層は、上述したPNLC構造
やPDLC構造とすることもできる。
【0070】非表示記憶層8Aおよび表示記憶層8Bを
PNLC構造やPDLC構造とすることによって、コレ
ステリック液晶と高分子の界面にアンカリング効果が発
生し、無電界でのプレーナー相またはフォーカルコニッ
ク相の保持状態を、より安定にすることができる。さら
に、表示記憶層8Bについては、コレステリック液晶層
の厚みむらに起因する、グランジャンテクスチャの表示
欠陥を防止することもできる。
【0071】PNLC構造やPDLC構造は、高分子と
液晶を相分離させる公知の方法、例えば、アクリル系、
チオール系、エポキシ系などの、熱や光によって重合す
る高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の状態から重合
させて相分離させるPIPS(Polymerizat
ion Induced Phase Separat
ion)法、ポリビニルアルコールなどの、液晶の溶解
度が低い高分子と液晶を混合し、攪拌懸濁させて、液晶
を高分子中にドロップレット分散させるエマルジョン
法、熱可塑性高分子と液晶を混合し、均一相に加熱した
状態から冷却して相分離させるTIPS(Therma
lly Induced Phase Separat
ion)法、高分子と液晶をクロロフォルムなどの溶媒
に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶を相分離させ
るSIPS(Solvent Induced Pha
se Separation)法などによって形成する
ことができるが、その製造方法は特に限定されるもので
はない。
【0072】特に、非表示記憶層8Aおよび表示記憶層
8BをPDLC構造とする場合には、それぞれのコレス
テリック液晶層のコレステリック液晶が高分子に包括さ
れて、分離基板4を設けなくても、それぞれのコレステ
リック液晶層のコレステリック液晶が互いに混ざり合う
ことが無いので、分離基板4を省略することができる。
また、バーコート法、スピンコート法、ロールコート法
などの、膜厚を規定することができる塗布方法を用いて
PDLC構造を形成する場合には、スペーサー9A,9
Bの一方または両方を省略することができる。
【0073】図6は、このように非表示記憶層8Aおよ
び表示記憶層8BをPDLC構造とした場合の情報記憶
媒体の例を示し、非表示記憶層8Aおよび表示記憶層8
Bは、それぞれ高分子マトリックス31Aおよび31B
中にコレステリック液晶32Aおよび32Bをドロップ
レット分散させたもので、非表示記憶層8Aおよび表示
記憶層8Bにはスペーサーを挿入することなく、かつ非
表示記憶層8Aと表示記憶層8Bの間には分離基板を介
することなく、積層形成した場合である。
【0074】図7に、図4〜図6の例の情報記憶媒体
の、外部の情報書き込み装置20によって印加された電
界強度に対する、非表示記憶層8Aおよび表示記憶層8
Bのスイッチング挙動を示す。
【0075】これらの例の情報記憶媒体は、非表示記憶
層8Aおよび表示記憶層8Bの、プレーナー相とフォー
カルコニック相の状態間の遷移領域、およびフォーカル
コニック相とホメオトロピック相の状態間の遷移領域
が、同じ電界強度で存在しないように構成し、非表示記
憶層8Aおよび表示記憶層8Bのうちの、相変化しきい
電界強度が大きい方の層をH層、小さい方の層をL層と
した場合、L層のEpf,90以下の電界強度をEa、
L層のEpf,10とH層のEpf,90との間の電界
強度をEb、H層のEpf,10とL層のEfh,10
との間の電界強度をEc、L層のEfh,90とH層の
Efh,10との間の電界強度をEd、H層のEfh,
90以上の電界強度をEeとする。
【0076】そして、外部の情報書き込み装置20によ
って、図8(A)に示すような、少なくとも、それぞれ
交流パルスのリフレッシュ期間Trおよびセレクト期間
Tsと、その後の無電界の表示期間Tdとによって構成
され、そのリフレッシュ期間Trおよびセレクト期間T
sでの電界強度ErおよびEsが、Er>Esの関係を
もって、不可視情報および可視情報に基づいて、上記の
5段階の電界強度Ea〜Eeから選定された電界強度と
なる書き込み信号、または、同図(B)に示すような、
少なくとも、それぞれ直流パルスのリフレッシュ期間T
rおよびセレクト期間Tsと、その後の無電界の表示期
間Tdとによって構成され、そのリフレッシュ期間Tr
およびセレクト期間Tsでの電界強度ErおよびEs
が、Er>Esの関係をもって、不可視情報および可視
情報に基づいて、上記の5段階の電界強度Ea〜Eeか
ら選定された電界強度となる書き込み信号を、上記の情
報記憶媒体に印加する。
【0077】図9は、この場合のリフレッシュ電界強度
Erとセレクト電界強度Esとの組み合わせによる、H
層およびL層の相変化の様子を示したもので、「p」は
プレーナー相による選択反射状態、「f」はフォーカル
コニック相による透過状態、「?」は書き込み信号の印
加前の状態に依存する未確定状態、をそれぞれ表わし、
L層およびH層の順に示している。
【0078】これから明らかなように、上記の情報記憶
媒体および情報書き込み方法によれば、(1)H層およ
びL層がともにフォーカルコニック相の状態、(2)H
層およびL層がともにプレーナー相の状態、(3)H層
がフォーカルコニック相で、L層がプレーナー相の状
態、(4)H層がプレーナー相で、L層がフォーカルコ
ニック相の状態、の4種類の相変化状態が得られる。
【0079】したがって、例えば、紫外光を選択反射す
る非表示記憶層8AがH層、グリーン色光を選択反射す
る表示記憶層8BがL層となるように構成した場合に
は、図10に示すように(同図中の「T」は、対応する
層がフォーカルコニック相による透過状態であることを
示す)、(1)Er=Ec,Es=Eaの書き込み信号
によって、黒が表示され、紫外光も反射しない状態、
(2)例えば、Er=Ee,Es=Eaの書き込み信号
によって、グリーンが表示され、紫外線も反射する状
態、(3)Er=Ed,Es=Eaの書き込み信号によ
って、グリーンが表示されるが、紫外光は反射しない状
態、(4)Er=Ee,Es=Ebの書き込み信号によ
って、黒が表示されるが、紫外光が反射する状態、の4
つの状態を取りうるようになり、一画素内で、不可視情
報を記録することができるとともに、可視情報を表示
し、記録することができる。
【0080】非表示記憶層8Aに記録された不可視情報
の読み取りは、図3において上述した方法によればよ
い。
【0081】図4〜図6の例は、非表示記憶層8Aを外
光入射側とした場合であるが、逆に表示記憶層8Bを外
光入射側としてもよい。また、表示記憶層8Bをレッド
またはブルーの色光を選択反射するコレステリック液晶
層としてもよい。さらに、表示記憶層として、それぞれ
レッド、グリーン、ブルーの色光を選択反射する3層の
コレステリック液晶層を積層して形成してもよい。
【0082】〔実施例〕この発明の情報記憶媒体を試作
し、その特性を測定した。
【0083】(実施例1)実施例1では、PNLC構造
の非表示記憶層のみを有する情報記憶媒体を作製し、記
録特性を測定した。
【0084】紫外光を選択反射するPNLC構造のコレ
ステリック液晶層を形成する、コレステリック液晶と高
分子前駆体の混合溶液として、正の誘電率異方性を有す
るネマチック液晶BL012(メルク社製)50.0w
t%、右旋性カイラル剤CB15(メルク社製)25.
0wt%および右旋性カイラル剤CE2(メルク社製)
25.0wt%を混合した溶液に、チオール系UV重合
高分子前駆体NOA65(ノーランド社製)を15wt
%添加した。
【0085】基板3を形成する75μm厚のPETフィ
ルムルミラー(東レ社製)の上に、接着剤付の5μm径
の球状スペーサーハヤビーズL−25(早川ゴム社製)
を湿式散布し、上記の混合溶液を滴下して、基板2を形
成する75μm厚のPETフィルムルミラー(東レ社
製)を密着させた。
【0086】以上の工程を60℃で行った後、スペーサ
ーとフィルムを接着するため、110℃に加熱して、3
0分間保持した。再び60℃の環境に戻して、高圧水銀
ランプをフィルタリングした50mW/cm2(365
nm)のUV光を60秒照射した。基板3を形成するP
ETフィルムルミラーの裏面に光吸収層6を形成して、
紫外光を選択反射するPNLC構造の非表示記憶層を有
する情報記憶媒体を得た。
【0087】得られた情報記憶媒体を、パルス発生器お
よび高圧電源装置に接続された一対のアルミ電極間に挟
持し、50Hz、250ms期間の交流セレクト信号と
無電界の表示期間からなる書き込み信号を印加し、電極
間から取り出して、暗室で紫外線ランプの光を当て、反
射面に蛍光印刷物を置いて、紫外光反射の有無を観察し
た。アルミ電極間に印加したセレクト信号の電界強度E
sと、紫外光反射の有無を、図11に示す。
【0088】(実施例2)実施例2では、非表示記憶層
および表示記憶層を有し、それぞれがPNLC構造の情
報記憶媒体を作製した。
【0089】紫外光を選択反射するコレステリック液晶
層を形成するコレステリック液晶として、正の誘電率異
方性を有するネマチック液晶ZLI4389(メルク社
製)65.0wt%、右旋性カイラル剤CB15(メル
ク社製)17.5wt%および右旋性カイラル剤CE2
(メルク社製)17.5wt%を混合し、グリーン色光
を選択反射するコレステリック液晶層を形成するコレス
テリック液晶として、正の誘電率異方性を有するネマチ
ック液晶E186(メルク社製)72.2wt%、右旋
性カイラル剤CB15(メルク社製)13.9wt%お
よび右旋性カイラル剤CE2(メルク社製)13.9w
t%を混合し、それぞれチオール系UV重合高分子前駆
体NOA65(ーランド社製)を15wt%添加した。
【0090】基板3を形成する75μm厚のPETフィ
ルムルミラー(東レ社製)の上に、接着剤付の5μm径
の球状スペーサーハヤビーズL−25(早川ゴム社製)
を湿式散布し、上記のグリーン色光用の混合溶液を滴下
して、片面に接着剤付の5μm径の球状スペーサーハヤ
ビーズL−25(早川ゴム社製)を湿式散布した4.5
μ厚のPETフィルムルミラー(東レ社製)を、スペー
サーの非散布面が接触するように密着させた。
【0091】さらに、この上に、上記の紫外光用の混合
溶液を滴下し、基板2を形成する75μm厚のPETフ
ィルムルミラー(東レ社製)を密着させた。
【0092】以上の工程を70℃で行った後、スペーサ
ーと各フィルムを接着するため、110℃に加熱して、
30分間保持した。再び70℃の環境に戻して、高圧水
銀ランプをフィルタリングした50mW/cm2(36
5nm)のUV光を60秒照射した。基板3を形成する
PETフィルムルミラーの裏面に光吸収層6を形成し
て、外光入射側から、それぞれPNLC構造である、紫
外光を選択反射する非表示記憶層8A、およびグリーン
を表示する表示記憶層8Bが積層された情報記憶媒体を
得た。
【0093】得られた情報記憶媒体を、パルス発生器お
よび高圧電源装置に接続された一対のアルミ電極間に挟
持し、50Hz、250ms期間の交流リフレッシュ信
号、50Hz、250ms期間の交流セレクト信号、お
よび無電界の表示期間からなる書き込み信号を印加し、
電極間から取り出して、表示色を観察するとともに、暗
室で紫外線ランプの光を当て、反射面に蛍光印刷物を置
いて、紫外光反射の有無を観察した。アルミ電極間に印
加したリフレッシュ信号およびセレクト信号の電界強度
ErおよびEsと、表示色および紫外光反射の有無を、
図12に示す。
【0094】これらの書き込みを1000回以上繰り返
しても、表示色および紫外光反射の有無と、表示および
紫外光反射に必要なリフレッシュ信号およびセレクト信
号の電界強度に、変化は見られなかった。また、不可視
情報および可視情報の記録は、ともに十分なメモリ性を
有し、30日以上経過しても変化は見られなかった。さ
らに、情報記憶媒体は200μm以下の厚みで可とう性
を有していた。
【0095】
【発明の効果】上述したように、請求項1の発明によれ
ば、情報を記録した媒体であることや、情報が記録され
た部分が、一見して分からず、情報の改ざんや媒体の不
正使用の危険が少なくなる、不可視情報を書き換え可能
に記録することができる情報記憶媒体を実現することが
できる。
【0096】請求項5の発明によれば、不可視情報を書
き換え可能に記録することができ、かつ不可視情報につ
いては、上記と同様であるとともに、同一の媒体に可視
情報を書き換えて表示することができ、しかも不可視情
報および可視情報の記録ないし書き換えを、同一の原理
および手段によって、同一の装置ないし方法で、一括し
て高速に行うことができ、媒体および書き込み装置を低
コスト化できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の情報記憶媒体の第1の例と情
報書き込み装置の例を示す図である。
【図2】請求項1の発明の情報記憶媒体の第2の例と情
報書き込み装置の例を示す図である。
【図3】図1の情報記憶媒体に記録された不可視情報を
読み出す方法を示す図である。
【図4】請求項2の発明の情報記憶媒体の第1の例と情
報書き込み装置の例を示す図である。
【図5】請求項2の発明の情報記憶媒体の第2の例と情
報書き込み装置の例を示す図である。
【図6】請求項2の発明の情報記憶媒体の第3の例と情
報書き込み装置の例を示す図である。
【図7】図4〜6の情報記憶媒体のスイッチング挙動を
示す図である。
【図8】この発明の情報記憶媒体に対する書き込み信号
の例を示す図である。
【図9】図7に示すスイッチング挙動を行う情報記憶媒
体の各層の相状態を示す図である。
【図10】図7に示すスイッチング挙動を行う情報記憶
媒体の反射状態を示す図である。
【図11】実施例1の情報記憶媒体に情報を書き込んだ
場合の電界強度と紫外光反射の有無を示す図である。
【図12】実施例2の情報記憶媒体に情報を書き込んだ
場合の電界強度と表示色および紫外光反射の有無を示す
図である。
【図13】正の誘電率異方性を有するコレステリック液
晶の相変化を示す図である。
【図14】正の誘電率異方性を有するコレステリック液
晶のパルス信号に対するスイッチング挙動の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 情報記憶媒体 2,3 基板 4 分離基板 6 光吸収層 7 共通電極 8A 非表示記憶層 8B 表示記憶層 9A,9B スペーサー 20 情報書き込み装置 21,22 書き込み電極 23 駆動回路 31A,31B 高分子マトリックス 32A,32B コレステリック液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 陽雄 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板間に、可視光以外の波長の光を
    選択反射し、不可視情報を記憶する、透明なコレステリ
    ック液晶層からなる非表示記憶層が形成された情報記憶
    媒体。
  2. 【請求項2】請求項1の情報記憶媒体において、 前記非表示記憶層を形成するコレステリック液晶層が、
    高分子を含むことを特徴とする情報記憶媒体。
  3. 【請求項3】請求項1または2の情報記憶媒体におい
    て、 前記非表示記憶層は、外部の情報書き込み装置から電界
    が印加されることによって不可視情報が書き込まれるも
    のであることを特徴とする情報記憶媒体。
  4. 【請求項4】請求項3の情報記憶媒体において、 一方の基板側に共通電極が設けられていることを特徴と
    する情報記憶媒体。
  5. 【請求項5】一対の基板間に、可視光以外の波長の光を
    選択反射し、不可視情報を記憶する、透明なコレステリ
    ック液晶層からなる非表示記憶層と、可視光中の特定波
    長の光を選択反射し、可視情報を記憶する、コレステリ
    ック液晶層からなる表示記憶層とが、積層されて形成さ
    れた情報記憶媒体。
  6. 【請求項6】請求項5の情報記憶媒体において、 前記非表示記憶層を形成するコレステリック液晶層、お
    よび前記表示記憶層を形成するコレステリック液晶層
    が、それぞれ高分子を含むことを特徴とする情報記憶媒
    体。
  7. 【請求項7】請求項5または6の情報記憶媒体におい
    て、 前記非表示記憶層を形成するコレステリック液晶と、前
    記表示記憶層を形成するコレステリック液晶の、相変化
    しきい電界強度が異なることを特徴とする情報記憶媒
    体。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれかの情報記憶媒体に
    おいて、 前記非表示記憶層および表示記憶層は、外部の情報書き
    込み装置から電界が印加されることによって不可視情報
    および可視情報が書き込まれるものであることを特徴と
    する情報記憶媒体。
  9. 【請求項9】請求項8の情報記憶媒体において、 一方の基板側に共通電極が設けられていることを特徴と
    する情報記憶媒体。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかの情報記憶媒体
    において、 前記非表示記憶層を形成するコレステリック液晶の選択
    反射波長が紫外線領域であることを特徴とする情報記憶
    媒体。
  11. 【請求項11】請求項7の情報記憶媒体に情報を書き込
    む装置において、 前記非表示記憶層と前記表示記憶層の積層体に、前記そ
    れぞれのコレステリック液晶の相変化しきい電界強度を
    境界とする複数段階の電界強度から選定された電界強度
    となる書き込み信号を印加することによって、前記非表
    示記憶層に不可視情報を書き込み、前記表示記憶層に可
    視情報を書き込むことを特徴とする情報書き込み装置。
  12. 【請求項12】請求項5〜9のいずれかの情報記憶媒体
    に情報を書き込む方法において、 前記不可視情報として、前記可視情報に関連したデジタ
    ル情報を書き込むことを特徴とする情報書き込み方法。
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