JPH11237612A - 高分子分散液晶素子およびその製造方法 - Google Patents

高分子分散液晶素子およびその製造方法

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JPH11237612A
JPH11237612A JP10037813A JP3781398A JPH11237612A JP H11237612 A JPH11237612 A JP H11237612A JP 10037813 A JP10037813 A JP 10037813A JP 3781398 A JP3781398 A JP 3781398A JP H11237612 A JPH11237612 A JP H11237612A
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liquid crystal
polymer
light
low
dye molecule
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JP10037813A
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English (en)
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Shigeru Yamamoto
滋 山本
Taketo Hikiji
丈人 曳地
Shimizu Sagawa
清水 佐川
Sadaichi Suzuki
貞一 鈴木
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
Naoki Hiji
直樹 氷治
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子化合物と低分子液晶の複合構造で構成
され、かつ内部で屈折率が周期的に変化する多層構造を
有するPDLC素子において、高い反射率が得られるよ
うにする。 【解決手段】 セルに、少なくとも、ジアゾ色素分子側
鎖を有する重合性化合物、低分子液晶および重合性基の
重合開始剤を含む重合性組成物3を注入する。セルにレ
ーザ光4a,4bを照射して、重合性組成物3中におい
てレーザ光4a,4bを干渉させる。レーザ干渉光の振
幅が大きい領域では、重合性化合物が重合、硬化して、
高分子層5が形成され、レーザ干渉光の振幅が小さい領
域では、相分離を生じて、PDLC層6が形成される。
直線偏光の、偏向軸8aが基板面に平行な面内に存在す
る偏向光8をセルに照射する。これによって、液晶領域
7と高分子領域の界面におけるジアゾ色素分子側鎖が、
偏向光8の偏向軸8aに垂直な方向に屈曲し、これに沿
って液晶領域7内の液晶分子7aが配向される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表示素子、調光
素子、光変調素子などとして用いることができる高分子
分散液晶素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表示素子や調光素子として、3次元構造
の高分子の空隙中に液晶を分散させた高分子分散液晶
(Polymer Dispersed Liquid
Crystal)を用いた素子が知られている。以
下、高分子分散液晶をPDLCと称し、高分子分散液晶
素子もPDLC素子と称する。
【0003】図8は、このPDLC素子の一例を示し、
基板1a上の電極2aと基板1b上の電極2bとの間
に、高分子領域15中に液晶領域(液晶ドロップレッ
ト)7が分散されたPDLC層16を形成したものであ
る。
【0004】このPDLC素子においては、電極2a,
2b間に電圧が印加されないとき、同図(A)に示すよ
うに、液晶領域7内の液晶分子7aがランダムな方向を
向くことにより、液晶と高分子との間に屈折率の差を生
じて、液晶と高分子との界面で入射光11が屈折し、P
DLC層16全体では入射光11が多数の液晶領域7を
通過することになって、散乱状態となる。
【0005】電極2a,2b間に電圧を印加すると、同
図(B)に示すように、液晶領域7内の液晶分子7aが
基板面に垂直に配向し、液晶分子7aの長軸方向の屈折
率と高分子の屈折率とを等しくしておくことによって、
PDLC層16は透明状態となり、入射光11は透過光
13としてPDLC層16を透過する。
【0006】この高分子分散液晶素子は、偏光板が不要
であるので、明るい表示が期待され、プロジェクタライ
トバルブなどへの応用が考えられている。
【0007】高分子と液晶の複合構造としては、液晶が
分布する領域が互いに独立に存在したものや、液晶が連
続的に分布したもの、などが考えられているが、このよ
うな高分子液晶複合膜の製造方法としては、大きく分け
て、以下の3つが提案されている。
【0008】第1は、液晶をランダムに配向させること
ができる多孔質ポリマーに液晶を含浸させる方法であ
る。第2は、溶媒にポリマーと液晶を混合して乳化させ
た後、溶媒を蒸発させることによって、ポリマーを硬化
させる方法である。第3は、モノマーやオリゴマー、ま
たはそれらの混合物と液晶を混合した重合性組成物に、
熱を加え、または紫外線などを照射することによって、
ポリマーを重合させるとともに、ポリマーと液晶を相分
離させる方法である。
【0009】また、このPDLCの他の例として、SP
IE.1080,83,(1989)には、内部で屈折
率が周期的に変化するPDLC素子が示されている。
【0010】具体的には、図9に示すように、基板1a
上の電極2aと基板1b上の電極2bとの間に、主とし
て高分子からなる高分子層18と、高分子領域中に液晶
領域7が分散されたPDLC層19とを、交互に多層に
渡って積層して、屈折率の周期的な変化の構造を形成し
たものである。
【0011】このPDLC素子においては、電極2a,
2b間に電圧が印加されないとき、高分子層18とPD
LC層19とによる屈折率の周期的な変化によって、干
渉フィルタの原理により、同図(A)に示すように、入
射光11中の特定波長成分を反射光12として反射させ
る。
【0012】電極2a,2b間に電圧を印加すると、同
図(B)に示すように、液晶領域7内の液晶分子7aが
基板面に垂直に配向され、液晶分子7aの長軸方向の屈
折率と高分子の屈折率とを等しくしておくことによっ
て、高分子層18とPDLC層19とによる屈折率の周
期的な変化が消失して、入射光11は大部分が透過光1
3としてセルを透過する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図9のPDLC素子
は、干渉フィルタの原理によって、高い反射率が得ら
れ、明るい表示が得られることが、期待される。
【0014】しかしながら、図9のPDLC素子では、
電極2a,2b間に電圧が印加されないとき、液晶領域
7内の液晶分子7aはランダムな方向を向いているの
で、高分子層18とPDLC層19との間の屈折率差が
小さく、実際上は、高い反射率が得られない。
【0015】すなわち、このとき、液晶領域7内の液晶
分子7aの配向は、PDLC層19全体ではランダムと
なるので、PDLC層19の屈折率naは、液晶領域7
の一次近似された屈折率(ne+2no)/3、PDL
C層19中の高分子の屈折率np、PDLC層19中の
液晶の高分子に対する体積分率vから、 na={no(3−v)+ne}/3 …(1) で表される低い値となる。ただし、neは液晶の異常光
に対する屈折率、noは液晶の通常光に対する屈折率で
ある。
【0016】このため、高分子層18とPDLC層19
との間の屈折率差が小さく、高い反射率が得られない。
【0017】図9のPDLC素子のように、PDLCと
して高分子と液晶の複合構造で構成され、しかも内部で
屈折率が周期的に変化する多層構造を有する液晶素子に
おいて、内部の液晶を特定方向に配向させることができ
れば、高分子層とPDLC層との間の屈折率差、ないし
内部の周期的な屈折率の変化を大きくすることができ、
高い反射率を得ることができる。
【0018】PDLC素子では、以下に示すように、初
期状態における液晶の配向方向を制御することが考えら
れている。
【0019】(1)米国特許第5,188,760号明
細書には、PDLCの前駆体である重合性組成物に液晶
性モノマーを用いて、配向膜付きセルに注入し、紫外線
や熱を加えることによって、液晶性モノマーの重合体で
ある液晶性高分子と低分子液晶とを、配向膜の方向に配
向した状態で重合相分離し、液晶性モノマー硬化後には
低分子液晶の配向が固定されるようにする方法が示され
ている。
【0020】(2)特開平5−281527号には、重
合性組成物を配向膜のないセル内に注入し、セルに対し
て水平方向に外部から磁場や電場を印加した状態で、紫
外線や熱を加えることによって、低分子液晶が外場の方
向に配向した状態で重合相分離を行い、重合性組成物硬
化後には低分子液晶の配向が固定されるようにする方法
が示されている。
【0021】(3)「Japan Display’9
2.699」には、PDLCの前駆体である重合性組成
物を、液晶濃度が非常に高い液晶相となるように調製し
て、配向膜付きセルに注入し(この状態では液晶相状態
の重合性組成物は配向膜の方向に配向している)、紫外
線や熱を加えて重合相分離させることによって、低分子
液晶の配向を初期配向状態のまま固定する方法が示され
ている。
【0022】(4)「Mol.Mat.,2,295
(1993)」には、まず、乳化法によって、ジアゾ色
素分子側鎖を有する高分子化合物と、その高分子化合物
の貧溶媒からなる複合膜を作製し、次に、この複合膜か
ら貧溶媒を抽出し、複合膜を乾燥させて、ジアゾ色素分
子側鎖を有する高分子化合物からなる多孔質ポリマーを
作製し、次に、この多孔質ポリマーに低分子液晶を含浸
させて、ジアゾ色素分子側鎖を有する高分子化合物から
なるPDLCを作製し、次に、このPDLCに偏向光を
照射して光2量化反応を生じさせ、この光2量化反応に
よる高分子化合物の構造変化に伴って、低分子液晶を配
向させる方法が示されている。
【0023】しかしながら、(1)(3)の方法では、
配向膜によって液晶を配向制御するので、図9に示すよ
うな、内部で屈折率が周期的に変化する多層構造を形成
することができない。
【0024】また、(2)の方法では、セルと平行に磁
場または電場を印加するので、セルサイズが大きい場合
には、セルの全面に渡って有効な外場を印加することが
困難となる。例えば、特開平5−281527号には、
外部電場を印加する場合には電場の大きさが1kV/c
m以上は必要であると記載されている。しかし、対角1
2インチのセルサイズを仮定すると、印加電圧は約35
0kV以上必要となる計算になり、このように大きな印
加電圧は容易には実現できない。
【0025】さらに、(4)の方法では、含浸法でしか
素子を作製することができない。しかし、含浸法では、
図9に示すような、内部で屈折率が周期的に変化する多
層構造を形成することはできない。
【0026】要するに、従来の方法では、高分子化合物
と低分子液晶の複合構造で構成され、かつ内部で屈折率
が周期的に変化する多層構造を有するPDLC素子にお
いて、高い反射率を得ることはできない。
【0027】そこで、この発明は、高分子化合物と低分
子液晶の複合構造で構成され、かつ内部で屈折率が周期
的に変化する多層構造を有するPDLC素子において、
高い反射率が得られ、明るい表示が得られるようにした
ものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】この発明の高分子分散液
晶素子は、高分子化合物と低分子液晶の複合構造で構成
され、かつ内部で屈折率が周期的に変化する多層構造を
有する高分子分散液晶素子において、前記高分子化合物
は、直線偏向光の照射によって所定方向に異性化したジ
アゾ色素分子側鎖を有するものとし、前記低分子液晶
は、その異性化したジアゾ色素分子側鎖によって所定方
向に配向されているものとする。
【0029】
【作用】ジアゾ色素分子側鎖は、これに直線偏向した可
視光を照射することによって、その偏向軸に垂直な方向
に分子が折れ曲がったシス構造に異性化する性質を有す
る。
【0030】したがって、高分子化合物と低分子液晶の
複合構造で構成され、かつ内部で屈折率が周期的に変化
する多層構造を有する高分子分散液晶素子において、そ
の高分子化合物をジアゾ色素分子側鎖を有するものとし
て、高分子分散液晶素子に直線偏向光を照射することに
よって、高分子化合物中のジアゾ色素分子側鎖が偏向光
の偏向軸に垂直な所定方向に異性化し、これにより液晶
領域内の液晶分子も所定方向に配向される。
【0031】この発明では、このような原理に基づい
て、高分子化合物と低分子液晶の複合構造で構成され、
かつ内部で屈折率が周期的に変化する多層構造を有する
高分子分散液晶素子において、高分子化合物が、直線偏
向光の照射によって所定方向に異性化したジアゾ色素分
子側鎖を有し、低分子液晶が、その異性化したジアゾ色
素分子側鎖によって所定方向に配向されているものとす
る。
【0032】したがって、この発明の高分子分散液晶素
子においては、これに電界や磁界などが印加されない初
期状態において、高分子領域中に分散された液晶領域中
の液晶分子が、ランダムな方向ではなく、所定方向を向
くようになり、内部の周期的な屈折率の変化を大きくす
ることができ、高い反射率を得ることができるようにな
る。
【0033】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕図1は、この
発明の製造方法の第1の例を示し、図2は、これによっ
て得られる、この発明のPDLC素子の第1の例を示
す。
【0034】まず、図1(A)に示すように、一面側に
電極2aが形成された基板1aと、一面側に電極2bが
形成された基板1bとを、電極2a,2bを内側にして
所定間隔で対向させて、セルを形成する。基板1a,1
bおよび電極2a,2bは、光透過性を有するものとす
る。
【0035】次に、このセルに重合性組成物3を注入す
る。重合性組成物3は、少なくとも、ジアゾ色素分子側
鎖を有する重合性化合物、低分子液晶および重合性基の
重合開始剤を混合して、調製する。
【0036】ジアゾ色素分子側鎖を有する重合性化合物
は、ジアゾ色素分子側鎖を持った化合物に、重合性基で
あるアクリロイル基やメタクロイル基を付与した化合
物、およびその誘導体である。
【0037】ジアゾ色素分子としては、これを含む高分
子を配向膜として用いた場合に、トランス体において、
液晶を基板面と平行な方向に配向させるプレーナ配向の
性質を持ち、さらに色素が吸収する波長の直線偏向光の
照射によって、その偏向軸と直交する方向に液晶を配向
させる性質を有するものを用いる。このような性質を有
するジアゾ色素重合体としては、例えば、図5(A)
(B)(C)に示すような分子を用いることができる。
【0038】重合性組成物は、少なくともジアゾ色素分
子側鎖を有する重合性組成物を含むものとするが、その
以外にも種々の重合性組成物を組み合わせて使用して、
ポリマーの骨格を形成することができる。例えば、アク
リル酸アルキルエステル、アクリルアミド、アクリル酸
ヒドロキシエステル、メタクリル酸アルキルエステル、
メタクリルアミド、メタクリル酸ヒドロキシエステル、
ビニルピロリドン、スチレンおよびその誘導体、アクリ
ロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、
ブタジエン、イソプレン、ビニルピリジンなどの、単官
能および多官能モノマーが好ましく、特に粘度が高いも
のが好適である。
【0039】重合性組成物には、重合性化合物を重合さ
せるために、可視光もしくは紫外光または熱による重合
開始剤を含める。
【0040】低分子液晶としては、ネマチック液晶、コ
レステリック液晶、スメクチック液晶、および強誘電性
液晶など、一般的に電界駆動型表示材料として用いられ
ている種々の低分子液晶材料を用いることができる。具
体的には、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、シ
クロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベ
ンゼン系、ターフェニル系、ビフェニルベンゾエート
系、シクロヘキシルビフェニル系、フェニルピリミジン
系、シクロヘキシルピリミジン系などの各種低分子液晶
化合物を用いることができる。これらの低分子液晶化合
物は、一般に使用されている低分子液晶材料と同様に、
単一の組成である必要はなく、複数の成分から構成され
る化合物でもよい。
【0041】次に、図1(B)に示すように、基板1a
および1bの外側からセルに、レーザ光4aおよび4b
を照射して、重合性組成物3中において、レーザ光4a
および4bを干渉させる。
【0042】これによって、レーザ干渉光の振幅が大き
い領域では、重合性化合物が重合、硬化して、屈折率の
低い高分子層5が形成されるとともに、レーザ干渉光の
振幅が小さい領域では、相分離を生じて、液晶領域7を
有する屈折率の高いPDLC層6が形成される。レーザ
干渉光の振幅が大きい領域と小さい領域は、空間的に交
互に繰り返されるので、屈折率が周期的に変化するPD
LC素子が作製されることになる。ただし、この段階で
は、PDLC層6中の液晶領域7内の液晶分子7aはラ
ンダムな方向に配向されている。
【0043】次に、図1(C)に示すように、一方の基
板1aの外側からセルに、偏向光8を照射する。偏向光
8は、直線偏光の、偏向軸8aが基板面に平行な面内に
存在する平面波として、基板面に垂直に照射する。
【0044】これによって、それぞれのPDLC層6に
おいては、液晶領域7と高分子領域の界面におけるジア
ゾ色素分子側鎖が、基板面に平行な面内において、偏向
光8の偏向軸8aに垂直な方向に屈曲し、これに沿っ
て、液晶領域7内の液晶分子7aが配向されるようにな
る。
【0045】したがって、偏向光8の照射後のPDLC
素子は、電極2a,2b間に電圧が印加されない初期状
態において、PDLC層6内の液晶分子7aが全て、基
板面に平行な面内において所定方向に配向され、高分子
層5とPDLC層6との間の屈折率差が大きくなって、
高い反射率が得られるようになり、図2(A)に示すよ
うに、入射光11中の特定波長成分を反射光12とし
て、高い反射率で反射させる。
【0046】電極2a,2b間に電圧を印加すると、同
図(B)に示すように、PDLC層6内の液晶分子7a
が全て、基板面に垂直に配向され、液晶分子7aの長軸
方向の屈折率と高分子の屈折率とを等しくしておくこと
によって、高分子層5とPDLC層6とによる屈折率の
周期的な変化が消失して、入射光11は大部分が透過光
13としてセルを透過する。
【0047】なお、偏向光8の波長は、ジアゾ色素分子
側鎖によって異なるが、450nm前後のものを用いる
ことができる。照射時間は、光の強度やジアゾ色素分子
側鎖の感度などによっても異なるが、1分〜120分程
度とするのが望ましい。
【0048】液晶領域7は、異性化したジアゾ色素分子
側鎖によって内部の液晶分子7aを確実に配向させるた
めには、できるだけ小さい方が望ましい。具体的には、
可視光の波長より小さいサイズとする。
【0049】このように液晶領域7を小さくする方法と
しては、重合性組成物の粘度を高め、また多官能アクリ
ルモノマーのような重合速度の速いものを用いるなどの
方法をとることができる。
【0050】〔第2の実施形態〕図3は、この発明の製
造方法の第2の例を示し、図4は、これによって得られ
る、この発明のPDLC素子の第2の例を示す。
【0051】まず、基板1a,1bを、電極2a,2b
を内側にして所定間隔で対向させて、セルを形成する。
次に、このセルに、図1の例と同様に、ジアゾ色素分子
側鎖を有する重合性化合物、低分子液晶および重合性基
の重合開始剤を混合して調製した重合性組成物を注入す
る。
【0052】次に、図3(A)に示すように、この重合
性組成物が注入されたセルに紫外線9を照射して、重合
性化合物を重合、硬化させることによって、高分子領域
中に液晶領域7が分散されたPDLC層10を形成し、
図8に示したようなPDLC素子を形成する。
【0053】この段階では、屈折率が周期的に変化する
多層構造は形成されていないとともに、PDLC層10
中の液晶領域7内の液晶分子7aはランダムな方向に配
向されている。
【0054】次に、図3(B)に示すように、一方の基
板1aの外側からセルに、偏向光8を照射する。偏向光
8は、直線偏光の、偏向軸8aが基板面に平行な面内に
存在する平面波として、基板面に垂直に照射する。
【0055】これによって、PDLC層10において
は、液晶領域7と高分子領域の界面におけるジアゾ色素
分子側鎖が、基板面に平行な面内において、偏向光8の
偏向軸8aに垂直な方向に屈曲し、これに沿って、液晶
領域7内の液晶分子7aが配向されるようになる。
【0056】したがって、偏向光8の照射後には、PD
LC層10中の液晶分子7aは全て、基板面に平行な面
内において所定方向に配向されるようになる。ただし、
この段階でも、屈折率が周期的に変化する多層構造は形
成されていない。
【0057】次に、図3(C)に示すように、基板1a
および1bの外側からセルに、レーザ光4aおよび4b
を照射して、PDLC層10中において、レーザ光4a
および4bを干渉させる。ただし、この場合、レーザ光
4aおよび4bは、それぞれ、図3(B)の工程におい
て照射した偏向光8の偏向軸8aと直交する偏向軸を有
するものとする。
【0058】これによって、レーザ干渉光の振幅が大き
い領域10aでは、液晶領域7と高分子領域の界面にお
けるジアゾ色素分子側鎖が、基板面に平行な面内におい
て、レーザ光4a,4bの偏向軸に垂直な方向に屈曲
し、これに沿って、領域10aにおける液晶領域7内の
液晶分子7aが、基板面に平行な面内において、もとの
偏向光8の照射によって決定された方向に対して垂直な
方向に配向される。レーザ干渉光の振幅が小さい領域1
0bでは、ジアゾ色素分子側鎖が異性化せず、したがっ
て液晶領域7内の液晶分子7aの配向方向も変わらな
い。
【0059】そして、レーザ干渉光の振幅が大きい領域
10aと小さい領域10bは、空間的に交互に繰り返さ
れるので、図1および図2に示した例のように高分子層
5とPDLC層6が交互に繰り返される形態ではなく、
互いに液晶分子7aの配向方向が異なることにより屈折
率が異なる2種のPDLC層10a,10bが交互に繰
り返される形態の、屈折率が周期的に変化するPDLC
素子が作製されることになる。
【0060】この例のPDLC素子は、電極2a,2b
間に電圧が印加されない初期状態において、屈折率の周
期的な変化を形成する2種のPDLC層10a,10b
が互いに直交する方向に配向された液晶によって構成さ
れるので、屈折率の周期的な変化が大きくなって、高い
反射率が得られるようになり、図4(A)に示すよう
に、入射光11中の特定波長成分を反射光12として、
高い反射率で反射させる。
【0061】電極2a,2b間に電圧を印加すると、同
図(B)に示すように、PDLC層6内の液晶分子7a
が全て、基板面に垂直に配向され、液晶分子7aの長軸
方向の屈折率と高分子の屈折率とを等しくしておくこと
によって、高分子層5とPDLC層6とによる屈折率の
周期的な変化が消失して、入射光11は大部分が透過光
13としてセルを透過する。
【0062】〔他の実施形態〕この発明の製造方法とし
ては、上述した方法のほかに、例えば、以下のような方
法を行うこともできる。
【0063】まず、ジアゾ色素の末端に重合性官能基を
有する重合性化合物、多官能アクリルモノマー、低分子
液晶、および重合性基の重合開始剤を混合して、重合性
組成物を調液し、セルに注入する。この場合、液晶領域
7を小さくするために、アクリルモノマーは重合速度の
速い多官能モノマーとし、混合された重合性組成物は粘
度が高くなるようにする。
【0064】さらに、このセルに対してレーザ光による
干渉光を照射する。レーザ干渉光の振幅が大きい領域で
は、レーザ光の偏向軸と垂直な方向に、液晶と高分子の
界面のジアゾ色素分子側鎖が屈曲し、液晶はこれに従っ
て配向する。レーザ干渉光の振幅が小さい領域では、配
向方向はランダムなままとなる。レーザ干渉光の振幅の
大きい領域と小さい領域は、空間的に交互に繰り返され
るため、屈折率が周期的に変化するPDLC素子を作製
することができる。
【0065】〔実施例〕この発明のPDLC素子を試作
し、その特性を測定した。
【0066】(実施例1)実施例1では、図1に示した
例の方法によって、図2に示した例のPDLC素子を作
製した。
【0067】ジアゾ色素モノマーとして、図5(A)の
ジアゾ色素モノマーを合成した。重合性化合物は、ジペ
ンタエリスルトールヘキサアクリレート(日本化薬社
製)80wt%、Nビニルピロリドン(和光純薬社製)
20wt%とした。低分子液晶として、ネマチック液晶
E7(メルク社製)を用いた。
【0068】ジアゾ色素10wt%、重合性化合物50
wt%、液晶40wt%を混合し、重合性化合物の重合
開始剤としてローズベンガル(和光純薬社製)5mMと
N−フェニルグリシン(和光純薬社製)50mMとを添
加して、重合性組成物を調液した。
【0069】2枚のITO透明電極付き石英基板を10
μmのギャップ間隔で貼り合わせたセルに、調液した重
合性組成物を注入した。
【0070】488nmのArイオン・レーザ光を、ビ
ームエキスパンダによりビーム径を拡大した後、2光束
に分け、重合性組成物を注入したセルの表裏から、セル
内に10分間照射して、内部で屈折率が周期的に変化す
る多層構造を有するPDLC素子を得た。
【0071】さらに、488nmのArイオン・レーザ
光を、ビームエキスパンダによりビーム径を拡大して得
た直線偏向光を、セルの片側からセル内に照射した。
【0072】(実施例2)実施例2では、図3に示した
例の方法によって、図4に示した例のPDLC素子を作
製した。
【0073】ジアゾ色素モノマー、重合性化合物および
低分子液晶としては、実施例1と同じものを使用した。
ジアゾ色素10wt%、重合性化合物50wt%、液晶
40wt%を混合し、重合性化合物の重合開始剤として
ダロキュア1173(日本チバガイギー社製)5wt%
を添加して、重合性組成物を調液した。
【0074】2枚のITO透明電極付き石英基板を10
μmのギャップ間隔で貼り合わせたセルに、調液した重
合性組成物を注入した。
【0075】高圧水銀灯を光源とした50mWの紫外線
を、重合性組成物を注入したセルの片側から、セル内に
5分間照射して、PDLC素子を得た。
【0076】次に、488nmのArイオン・レーザ光
を、ビームエキスパンダによりビーム径を拡大して得た
直線偏向光を、セルの片側からセル内に照射した。
【0077】さらに、488nmのArイオン・レーザ
光を、ビームエキスパンダによりビーム径を拡大した
後、2光束に分け、セルの表裏からセル内に10分間照
射して、内部で屈折率が周期的に変化する多層構造を有
するPDLC素子を得た。
【0078】(反射特性の測定と評価)作製した試料の
反射率は、図6に示すような、白色光が得られる光源3
1、ゴニオメーターヘッドを用いたθ−2θ光学系、お
よびスペクトロメータ34を組み合せた評価用光学系3
0で測定した。すなわち、光源31からの白色光を入射
光32として試料20の素子に入射させ、試料20から
の反射光33をスペクトロメータ34で測定した。
【0079】図7に、測定評価の結果を示す。ここで
は、体積ホログラム素子の反射率特性評価の目安とし
て、反射率30%以下を「×」、30%〜50%を
「△」、50%〜70%を「○」、70%以上を「☆」
とした。
【0080】図7に示すように、この発明の方法ないし
素子によれば、反射率が向上することがわかる。
【0081】
【発明の効果】上述したように、発明によれば、高分子
化合物と低分子液晶の複合構造で構成され、かつ内部で
屈折率が周期的に変化する多層構造を有する高分子分散
液晶素子において、反射率を高くすることができる。
【0082】また、発明によれば、そのような高分子分
散液晶素子を確実かつ容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の製造方法の一例を示す図である。
【図2】この発明の高分子分散液晶素子の一例を示す図
である。
【図3】この発明の製造方法の他の例を示す図である。
【図4】この発明の高分子分散液晶素子の他の例を示す
図である。
【図5】ジアゾ色素モノマーの例を示す図である。
【図6】測定評価に用いた光学系を示す図である。
【図7】測定評価の結果を示す図である。
【図8】従来の高分子分散液晶素子の一例を示す図であ
る。
【図9】従来の高分子分散液晶素子の他の例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1a,1b 基板 2a,2b 電極 3 重合性組成物 4a,4b レーザ光 5 高分子層 6 PDLC層 7 液晶領域 8 偏向光 9 紫外線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 貞一 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 二宮 正伸 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 氷治 直樹 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子化合物と低分子液晶の複合構造で構
    成され、かつ内部で屈折率が周期的に変化する多層構造
    を有する高分子分散液晶素子において、 前記高分子化合物が、直線偏向光の照射によって所定方
    向に異性化したジアゾ色素分子側鎖を有し、前記低分子
    液晶が、その異性化したジアゾ色素分子側鎖によって所
    定方向に配向されていることを特徴とする高分子分散液
    晶素子。
  2. 【請求項2】請求項1の高分子分散液晶素子において、 前記多層構造は、高分子層と高分子分散液晶層とが交互
    に積層されたものであることを特徴とする高分子分散液
    晶素子。
  3. 【請求項3】請求項1の高分子分散液晶素子において、 前記多層構造は、前記異性化したジアゾ色素分子側鎖に
    よって互いに低分子液晶の配向方向が直交するものとさ
    れた2種の高分子分散液晶層が交互に積層されたもので
    あることを特徴とする高分子分散液晶素子。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの高分子分散液晶
    素子において、 液晶領域のサイズが可視光の波長より小さいことを特徴
    とする高分子分散液晶素子。
  5. 【請求項5】ジアゾ色素分子側鎖を有する重合性化合物
    と低分子液晶とを含む重合性組成物に、干渉波を照射し
    て、前記重合性化合物を重合し、その後、直線偏向光を
    照射して、前記ジアゾ色素分子側鎖を異性化し、これに
    より前記低分子液晶を配向させることを特徴とする液晶
    素子製造方法。
  6. 【請求項6】ジアゾ色素分子側鎖を有する重合性化合物
    と低分子液晶とを含む重合性組成物に、熱を加え、また
    は光を照射して、前記重合性化合物を重合し、その後、
    直線偏向光を照射して、前記ジアゾ色素分子側鎖を異性
    化し、これにより前記低分子液晶を配向させるととも
    に、その後さらに、偏向軸が前記直線偏向光の偏向軸と
    直交する光による干渉光を照射して、前記ジアゾ色素分
    子側鎖の一部を異性化し、これにより前記低分子液晶の
    一部の配向方向を他の部分の配向方向に対して直交させ
    ることを特徴とする液晶素子製造方法。
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